特許第6055265号(P6055265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6055265移動局、コンピュータプログラム、及び通信パケットのデータ構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055265
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】移動局、コンピュータプログラム、及び通信パケットのデータ構造
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/04 20090101AFI20161219BHJP
   H04W 4/22 20090101ALI20161219BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H04W4/04 111
   H04W4/04 113
   H04W4/22
   G08G1/09 F
   G08G1/09 H
【請求項の数】7
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2012-231608(P2012-231608)
(22)【出願日】2012年10月19日
(65)【公開番号】特開2014-86749(P2014-86749A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年7月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浦山 博史
(72)【発明者】
【氏名】山田 雅也
(72)【発明者】
【氏名】武村 浩司
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−049702(JP,A)
【文献】 特開2009−124418(JP,A)
【文献】 特開2009−151554(JP,A)
【文献】 特開2010−256967(JP,A)
【文献】 特開2012−175656(JP,A)
【文献】 特開2009−239458(JP,A)
【文献】 特開2012−147085(JP,A)
【文献】 特開2008−310469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
G08G 1/09
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局向けの通信のための第1通信期間にて通信パケットを送信可能であるとともに第1通信期間とは異なる第2通信期間であって他の基地局向けの通信のための第2通信期間にて通信パケットを送信可能である基地局から、通信パケットを受信可能な受信部と、
通信処理部と、
を備えた移動局であって、
前記通信パケットは、管理情報、識別情報、及びアプリケーションデータを含み、
前記識別情報は、アプリケーションデータが緊急情報であるか否かを示す情報であり、
前記管理情報は、
基地局から第1通信期間にて送信される通信パケットに含まれるアプリケーションデータが緊急情報以外の通常情報である場合には、当該通信パケットが移動局によって受信されることを示し、
基地局から第1通信期間にて送信される通信パケットに含まれるアプリケーションデータが緊急情報である場合には、当該通信パケットが基地局及び移動局によって受信されることを示し、
前記通信処理部は、基地局から受信した通信パケットに含まれる管理情報を参照し、移動局によって受信されることを示す管理情報を含む通信パケットを、移動局向けの第1情報として判定するとともに、基地局及び移動局によって受信されることを示す管理情報を含む通信パケットも移動局向けの前記第1情報として判定する
ことを特徴とする移動局。
【請求項2】
前記受信部によって受信した通信パケットの再送処理を行う再送処理部を更に備え、
前記再送処理部は、前記受信部によって受信した前記通信パケットに含まれる前記アプリケーションデータが前記緊急情報であることを前記識別情報が示していれば、前記受信部によって受信した前記通信パケットに含まれる前記緊急情報及び前記識別情報を、前記第1通信期間とは異なる移動局間通信のための通信期間にて、他の移動局向けの情報として再送可能である
請求項1記載の移動局。
【請求項3】
前記受信部によって受信した前記通信パケットは、移動局による再送が要求されるか否かを示す要求情報を更に含み、
前記再送処理部は、前記要求情報に基づいて、前記受信部によって受信した前記通信パケットに含まれる前記緊急情報及び前記識別情報を、他の移動局向けの情報として再送すべきか否かを判定する
請求項2記載の移動局。
【請求項4】
前記受信部によって受信した前記通信パケットは、前記受信部によって受信した前記通信パケットの有効性に関する有効性情報を含み、
前記再送処理部は、前記有効性情報に基づいて、前記受信部によって受信した前記通信パケットに含まれる前記緊急情報及び前記識別情報を、他の移動局向けの情報として再送すべきか否かを判定する
請求項2又は3記載の移動局。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1に記載の前記移動局の前記通信処理部として機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項6】
コンピュータを、請求項2〜5のいずれか1項に記載の前記移動局の前記再送処理部として機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項7】
移動局向けの通信のための第1通信期間にて基地局から送信される通信パケットのデータ構造であって、
前記通信パケットは、管理情報、識別情報、及びアプリケーションデータを含み、
前記識別情報は、アプリケーションデータが緊急情報であるか否かを示す情報であり、
前記管理情報は、
基地局から第1通信期間にて送信される通信パケットに含まれるアプリケーションデータが緊急情報以外の通常情報である場合には、当該通信パケットが移動局によって受信されることを示し、
基地局から第1通信期間にて送信される通信パケットに含まれるアプリケーションデータが緊急情報である場合には、当該通信パケットが基地局及び移動局によって受信されることを示し、
前記管理情報は、前記通信パケットを受信した移動局によって参照され、移動局によって受信されることを示す管理情報を含む通信パケットを、移動局向けの第1情報として判定するとともに、基地局及び移動局によって受信されることを示す管理情報を含む通信パケットも移動局向けの前記第1情報として判定する移動局による処理に用いられる
通信パケットのデータ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動局、コンピュータプログラム、及び通信パケットのデータ造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、路車間通信、車車間通信による高度道路交通システム(ITS)が検討されている。路車間通信とは、路側通信機(基地局)と車載通信機(移動局)との間の通信であり、車車間通信とは、車載通信機(移動局)間の通信である。
このような高度道路交通システムのための通信方式については、標準規格及びガイドラインが制定されている(非特許文献1,2参照)。
【0003】
非特許文献1では、所定の送信周期(100ms)毎に到来する最大16個の路車間通信期間が離散的に設けられ、路車間通信期間以外の時間帯が車車間通信期間として設定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】一般社団法人電波産業会、”700MHz帯高度道路交通システム ARIB−STDT109 1.0版“,[online]、平成24年2月14日、[平成24年9月18日検索]、インターネット<http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_tushin/tsushin_kikaku_number.html>
【非特許文献2】ITS情報通信システム推進会議、”700MHz帯高度道路交通システム拡張機能ガイドライン ITS FORUM RC−010 1.0版”,[online]、2012年3月26日、[平成24年9月18日検索]、インターネット<http://www.itsforum.gr.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
路側通信機が、周辺の車両に対して緊急情報を報知することは、ドライバが緊急情報を早急に把握する上で、有効である。ここで、緊急情報は、例えば、災害情報又は緊急車両(特別車両)の通行情報である。また、災害情報は、例えば、火災、地震又は津波の情報である。
【0006】
緊急情報の送信を、非特許文献1,2に規定するシステムで行う場合、路側通信機は、路車間通信期間にて、緊急情報を周辺の車載通信機又は歩行者用通信機に対して送信することが考えられる。
【0007】
そして、緊急情報を広範囲で伝達すべく路側通信機間でも伝達しようとすると、路側通信機同士の通信を行うための期間(路路間通信期間)を設けておき、路車間通信による緊急情報の送信とは別に、路路間通信による緊急情報の送信を行うことも考えられる。
【0008】
しかし、路車間通信と路路間通信の双方で、同様の緊急情報を送信することは、通信資源としての通信期間を無駄に消費することになる。
【0009】
そこで、本発明は、上記のような場合において、通信期間が無駄に消費されるのを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一の観点からみた本発明は、移動局向けの通信のための第1通信期間にて通信パケットを送信可能であるとともに第1通信期間とは異なる第2通信期間であって他の基地局向けの通信のための第2通信期間にて通信パケットを送信可能である基地局から、通信パケットを受信可能な受信部と、通信処理部と、を備えた移動局であって、前記通信パケットは、管理情報、識別情報、及びアプリケーションデータを含み、前記識別情報は、アプリケーションデータが緊急情報であるか否かを示す情報であり、前記管理情報は、基地局から第1通信期間にて送信される通信パケットに含まれるアプリケーションデータが緊急情報以外の通常情報である場合には、当該通信パケットが移動局によって受信されることを示し、基地局から第1通信期間にて送信される通信パケットに含まれるアプリケーションデータが緊急情報である場合には、当該通信パケットが基地局及び移動局によって受信されることを示し、前記通信処理部は、基地局から受信した通信パケットに含まれる管理情報を参照し、移動局によって受信されることを示す管理情報を含む通信パケットを、移動局向けの第1情報として判定するとともに、基地局及び移動局によって受信されることを示す管理情報を含む通信パケットも移動局向けの前記第1情報として判定することを特徴とする移動局である。他の観点からみた本発明は、通信パケット構造又は情報の構造である。
【0011】
(1)他の観点からみた本発明は、第1基地局と、第2基地局と、を備え、前記第1基地局は、第1通信期間にて移動局向けの第1情報を送信可能であるとともに、前記第1通信期間とは異なる第2通信期間にて前記第2基地局向けの第2情報を送信可能であり、前記第1情報は、アプリケーションデータ及び識別情報を含み、前記識別情報は、前記アプリケーションデータが緊急情報であるか否かを示す情報であり、前記第1基地局は、緊急情報及び前記識別情報を、前記第1通信期間にて移動局向けの前記第1情報として送信可能であり、前記第2基地局は、第1情報及び第2情報を受信可能であり、かつ、受信したアプリケーションデータを破棄する破棄部を備え、前記破棄部は、前記第2基地局が受信した前記第1情報に含まれるアプリケーションデータが緊急情報であるか否かを、前記識別情報に基づいて判定し、前記アプリケーションデータが緊急情報でなければ前記アプリケーションデータを破棄し、前記アプリケーションデータが緊急情報であれば前記アプリケーションデータを破棄しないことを特徴とする通信システムである。
上記通信システムによれば、第1基地局は、緊急情報を、第1通信期間において移動局向けの第1情報として送信する。そして、第2基地局は、移動局向けの第1情報を受信可能である。
したがって、緊急情報が、移動局向けの第1情報に含まれていても受信することができる。
この結果、第1基地局は、緊急情報を、第2通信期間において第2基地局向けに送信される第2情報として送信する必要がない。つまり、第2通信期間を緊急情報の送信に用いなくても、緊急情報を第2基地局に知らせることができ、通信時間が無駄に消費されることを防止できる。
ここで、第1情報は、本来、移動局向けの情報であり第2基地局にとっては不要な情報である。したがって、第2基地局は、受信した全ての第1情報を読み取ると、処理負荷が大きくなる。この点に関し、上記本発明の第2基地局は、受信した第1情報に含まれるアプリケーションデータが緊急情報でない場合には、アプリケーションデータを破棄する。
緊急情報以外のアプリケーションデータの破棄によって第2基地局における処理負荷の増大を防止できる。
【0012】
(2)前記第2基地局は、受信した前記第1情報に含まれる前記緊急情報及び前記識別情報を、移動局向けの前記第1情報として再送する再送処理部を更に備えているのが好ましい。
この場合、第2基地局は、受信した緊急情報を、移動局向けの第1情報として再送することができる。したがって、第2基地局の周辺の移動局は、第1基地局から送信された緊急情報を、第2基地局経由で受信することができる。また、第2基地局と同様の機能を有する他の基地局(第3基地局)が存在する場合は、第3の基地局が、第2基地局によって再送された第1情報を受信することも期待できる。
【0013】
(3)前記再送処理部は、前記第2基地局が受信した前記第1情報に含まれる前記緊急情報及び前記識別情報を、移動局向けの第1情報として再送すべきか否かを判定し、再送すべきと判定されると、前記第2基地局が受信した前記第1情報に含まれる前記緊急情報及び前記識別情報を、移動局向けの前記第1情報として再送するのが好ましい。
この場合、再送処理部は、再送すべきか否かを判定した上で再送を行うため、再送が適正化される。
【0014】
(4)前記第1情報は、前記第1情報の有効性に関する有効性情報を含み、前記再送処理部は、前記有効性情報に基づいて、前記第2基地局が受信した前記第1情報に含まれる前記緊急情報及び前記識別情報を、移動局向けの前記第1情報として再送すべきか否かを判定するのが好ましい。
この場合、第1情報の有効性に基づいて、再送すべきか否かが判定される。
【0015】
(5)前記再送処理部は、前記第1情報の送信元に基づいて、前記第2基地局が受信した前記第1情報に含まれる前記緊急情報及び前記識別情報を、移動局向けの前記第1情報として再送すべきか否かを判定するのが好ましい。
この場合、第1情報の送信元に基づいて、再送すべきか否かが判定される。
【0016】
(6)前記識別情報は、受信側である前記第2基地局において、前記アプリケーションデータよりも先に認識されるように、前記第1情報中に格納されているのが好ましい。
この場合、アプリケーションデータを認識する処理が行われる前に識別情報が認識される。したがって、破棄部は、比較的早い段階で認識された識別情報に基づいて、アプリケーションデータを破棄することができる。したがって、不要なアプリケーション情報を認識する処理が行われることを回避できる。
【0017】
(7)前記識別情報は、受信側である前記第2基地局において、前記アプリケーションデータをアンセキュアにする処理が行われるよりも先に認識されるように、前記第1情報中に格納されているのが好ましい。
この場合、アプリケーションデータをアンセキュアにする処理が行われる前に識別情報が認識される。したがって、不要なアプリケーションデータをアンセキュアにする処理が行われる前に不要なアプリケーションデータを破棄することができる。
【0018】
(8)前記第2基地局は、移動局が送信した第3情報を受信可能であり、前記第3情報は、前記アプリケーションデータ及び前記識別情報を含み、前記再送処理部は、前記第2基地局が受信した前記第3情報に含まれる前記アプリケーションデータが前記緊急情報であることを前記識別情報が示していれば、前記第2基地局が受信した前記第3情報に含まれる前記緊急情報及び前記識別情報を、移動局向けの前記第1情報として再送可能であるのが好ましい。
この場合、第2基地局は、移動局経由で緊急情報を受信することができる。また、受信した緊急情報を、移動局向けの第1情報として再送することができる。
【0019】
(9)他の観点からみた本発明は、基地局又は他の移動局が送信した情報を受信する受信部と、前記受信部によって受信した情報の再送処理を行う再送処理部と、を備え、前記受信部によって受信した前記情報は、アプリケーションデータ及び識別情報を含み、前記識別情報は、前記アプリケーションデータが緊急情報であるか否かを示す情報であり、前記再送処理部は、前記受信部によって受信した前記情報に含まれる前記アプリケーションデータが前記緊急情報であることを前記識別情報が示していれば、前記受信部によって受信した前記情報に含まれる前記緊急情報及び前記識別情報を、他の移動局向けの情報として再送可能であることを特徴とする移動局である。
上記移動局によれば、基地局又は他の移動局から送信されたアプリケーションデータが緊急情報であれば、その緊急情報を、他の移動局向けの情報として再送することができる。
【0020】
(10)前記受信部によって受信した前記情報は、移動局による再送が要求されるか否かを示す要求情報を更に含み、前記再送処理部は、前記要求情報に基づいて、前記受信部によって受信した前記情報に含まれる前記緊急情報及び前記識別情報を、他の移動局向けの情報として再送すべきか否かを判定するのが好ましい。
この場合、再送が要求されているか否かを示す要求情報に基づいて、再送すべきか否かが判定される。
【0021】
(11)前記受信部によって受信した前記情報は、前記受信部によって受信した前記情報の有効性に関する有効性情報を含み、前記再送処理部は、前記有効性情報に基づいて、前記受信部によって受信した前記情報に含まれる前記緊急情報及び前記識別情報を、他の移動局向けの情報として再送すべきか否かを判定するのが好ましい。
この場合、受信した情報の有効性に基づいて、再送すべきか否かが判定される。
【0022】
(12)他の観点からみた本発明は、コンピュータを、前記(9)〜(11)のいずれか1項に記載の前記移動局の前記再送処理部として機能させるためのコンピュータプログラムである。
【0023】
(13)他の観点からみた本発明は、第1通信期間にて移動局向けの第1情報を送信可能であるとともに、前記第1通信期間とは異なる第2通信期間にて他の基地局向けの第2情報を送信可能であり、前記第1情報は、アプリケーションデータ、識別情報、及び要求情報を含み、前記識別情報は、前記アプリケーションデータが緊急情報であるか否かを示す情報であり、前記要求情報は、前記第1情報を受信した移動局による前記第1情報の再送が要求されるか否かを示す情報であることを特徴とする基地局である。
上記基地局によれば、第1情報には、第1情報を受信した移動局による再送が要求されるか否かを示す情報が含まれるため、移動局による再送が適正化される。
【0024】
(14)他の観点からみた本発明は、前記(13)記載の前記基地局に搭載されたコンピュータに、前記第1情報及び前記第2情報を送信させる処理を実行させるコンピュータプログラムである。
【0025】
(15)他の観点からみた本発明は、第1情報及び第2情報を受信可能な基地局であって、前記第1情報は、他の基地局が第1通信期間にて移動局向けに送信した情報であり、前記第2情報は、前記他の基地局が前記第1通信期間とは異なる第2通信期間にて前記基地局向けに送信した情報であり、前記第1情報は、アプリケーションデータ及び識別情報を含み、前記識別情報は、前記アプリケーションデータが緊急情報であるか否かを示す情報であり、受信したアプリケーションデータを破棄する破棄部を備え、前記破棄部は、前記第2基地局が受信した前記第1情報に含まれるアプリケーションデータが緊急情報であるか否かを、前記識別情報に基づいて判定し、前記アプリケーションデータが緊急情報でなければ前記アプリケーションデータを破棄し、前記アプリケーションデータが緊急情報であれば前記アプリケーションデータを破棄しないことを特徴とする基地局である。
【0026】
(16)他の観点からみた本発明は、コンピュータを、前記(15)記載の前記基地局の前記破棄部として機能させるためのコンピュータプログラムである。
【0027】
(17)他の観点からみた本発明は、移動局向け情報を送信可能であるとともに、移動局が送信した移動局送信情報を受信可能な基地局であって、前記移動局向け情報は、移動局向けの通信を行うための第1期間にて送信される情報であり、前記移動局送信情報は、アプリケーションデータ及び識別情報を含み、前記識別情報は、前記アプリケーションデータが緊急情報であるか否かを示す情報であり、受信した前記移動局送信情報に含まれる前記緊急情報及び前記識別情報を、前記移動局向け情報として再送する再送処理部を備え、
前記再送処理部は、受信した前記移動局送信情報に含まれる前記アプリケーションデータが前記緊急情報であることを前記識別情報が示していれば、受信した前記移動局送信情報に含まれる前記緊急情報及び前記識別情報を、前記移動局向け情報として再送可能であることを特徴とする基地局である。
【0028】
(18)他の観点からみた本発明は、コンピュータを、前記(17)記載の前記基地局の再送処理部として機能させるためのコンピュータプログラムである。
【0029】
(19)他の観点からみた本発明は、第1情報及び第2情報の通信方法であって、前記第1情報は、第1通信期間にて移動局向けに送信される情報であるとともに、アプリケーションデータ及び識別情報を含み、前記識別情報は、前記アプリケーションデータが緊急情報であるか否かを示す情報であり、前記第2情報は、前記第1通信期間とは異なる第2通信期間にて基地局向けに送信される情報であり、前記通信方法は、第1基地局が、前記アプリケーションデータとしての緊急情報、及び、前記識別情報を、前記第1通信期間にて、前記第1情報として送信すること、前記第1基地局が、前記第2情報を、前記第2通信期間にて送信すること、前記第1情報及び第2情報を受信可能であるとともに受信した前記第1情報を破棄可能な第2基地局が、受信した前記第1情報に含まれるアプリケーションデータが緊急情報であるか否かを、前記識別情報に基づいて判定し、前記アプリケーションデータが緊急情報であれば前記アプリケーションデータを破棄せずに読み取ること、を含む通信方法である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】高度道路交通システムの実施の一形態を示す概略斜視図である。
図2】路側通信機及び車載通信機の構成図である。
図3】(a)は無線フレーム(スーパーフレーム)を示す図であり、(b)は無線フレーム中の送信期間と送信禁止期間を示す図である。
図4】通信機のプロトコルスタックを示す図である。
図5】パケット構造を示す図である。
図6】レイヤ7ヘッダの構造図である。
図7】アプリケーションヘッダの構造図である。
図8】第1比較例の通信方法を示す図である。
図9】第1比較例における情報伝達を示す図である。
図10】第2比較例の通信方法を示す図である。
図11】第2比較例における情報伝達を示す図である。
図12】第1実施例の通信方法を示す図である。
図13】第1実施例における情報伝達を示す図である。
図14】第2実施例の通信方法を示す図である。
図15】第2実施例における情報伝達を示す図である。
図16】第3実施例の通信方法を示す図である。
図17】第3実施例における情報伝達を示す図である。
図18】路側通信機の処理のフローチャートである。
図19】車載通信機の処理のフローチャートである。
図20】路側通信機の送信範囲を示す図である。
図21】路側通信機間の通信トポロジー図である。
図22】通信トポロジーを実現するための設定情報の値の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[1.通信システム]
図1は、本発明の一実施形態に係る高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
図1に示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機(基地局)2、車載通信機(移動局)3(図2参照)、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、及び、車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。移動局としては、車載通信機3に限られず、例えば、歩行者が所持する歩行者用通信機であってもよい。
なお、本実施形態において特に説明しない点については、非特許文献1,2に準拠する。
【0032】
交通信号機1と路側通信機2(2A,2B)は、複数の交差点A1〜A5,B1〜B5、C1〜C5,D1〜D5,E1〜E5のそれぞれに設置されている。複数の路側通信機2のうちの一部の路側通信機2Aは、電話回線等の有線通信回線7を介してルータ8に接続されている。このルータ8は交通管制センター内の中央装置4に接続されている。複数の路側通信機2には、ルータ8に接続されていない路側通信機2Bも含まれている。
中央装置4は、自身が管轄するエリアの交通信号機1及び路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
【0033】
中央装置4に有線通信回線7で接続されている路側通信機2A(オンライン路側通信機)は、中央装置4の管轄するエリアに含まれる全ての路側通信機のうちの一部であり、中央装置4に対して有線通信回線7で接続されていない路側通信機2B(スタンドアローン路側通信機)も存在する。
図1では、交差点A1〜A5に設置された路側通信機2Aが、オンライン路側通信機であり、他の交差点B1〜B5,C1〜C5,D1〜D5及びE1〜E5に設置された路側通信機2Bは、スタンドアローン路側通信機である。このように、全ての路側通信機をオンライン路側通信機としないことで、有線通信回線7の設置・維持コストを低減できる。
なお、オンライン路側通信機2Aと、スタンドアローン路側通信機2Bと、を区別しない場合には、「路側通信機2」というものとする。
【0034】
路側センサ6は、各交差点に流入する車両台数をカウントする等の目的で、管轄エリア内の道路の各所に設置されている。この路側センサ6は、直下を通行する車両5を超音波感知する車両感知器、或いは、道路の交通状況を時系列に撮影する監視カメラ等よりなり、感知情報や画像データは通信回線7を介して中央装置4に送信される。
なお、図1では、図示を簡略化するために、各交差点に信号灯器が1つだけ描写されているが、実際の各交差点には、互いに交差する道路の上り下り用として少なくとも4つの信号灯器が設置されている。
【0035】
高度道路交通システムにおいて、無線通信システムを構成する、複数の交差点それぞれに設置された複数の路側通信機(基地局)2は、その周囲を走行する車両の車載通信機(移動局)3との間で無線通信(路車間通信)が可能である。
また、各路側通信機2は、自己の送信波が到達する所定範囲内に位置する他の路側通信機2とも無線通信(路路間通信)が可能である。
また、同じく無線通信システムを構成する車載通信機(移動局)3は、路側通信機2との間で無線通信を行うとともに、キャリアセンス方式で他の車載通信機3と無線通信(車車間通信)が可能である。
【0036】
オンライン路側通信機(基地局)2Aは、図2(a)に示すように、無線通信のためのアンテナ20が接続された無線通信部(RF部;PHY部)21と、有線通信回線7を介して中央装置4と通信するための有線通信部22と、通信制御処理を行う通信処理装置25と、を備えている。
通信処理装置25は、制御部23と、必要な情報を記憶する記憶部24と、を備えている。制御部23は、無線通信及び有線通信の通信制御処理を行う。記憶部24は、無線通信及び有線通信のために必要な情報を記憶する。
【0037】
通信処理装置25は、その機能の一部又は全部が、ハードウェア回路によって構成されていてもよいし、その機能の一部又は全部が、コンピュータプログラムによって実現されていてもよい。通信処理装置25の機能の一部又は全部がコンピュータプログラムによって実現される場合、通信処理装置25(制御部23)は、コンピュータを含み、コンピュータによって実行されるコンピュータプログラムは、記憶部24に記憶される。
【0038】
スタンドアローン路側通信機(基地局)2Bは、図2(b)に示すように、オンライン路側通信機2Aから、有線通信部22を省略したものに相当する。
【0039】
車載通信機(移動局)3は、無線通信のためのアンテナ30が接続された無線通信部(RF部;PHY部;受信部)31と、通信制御処理を行う通信処理装置35と、を備えている。
車載通信機3の通信処理装置35は、その機能の一部又は全部が、ハードウェア回路によって構成されていてもよいし、その機能の一部又は全部が、コンピュータプログラムによって実現されていてもよい。通信処理装置35の機能の一部又は全部がコンピュータプログラムによって実現される場合、通信処理装置35(制御部33)は、コンピュータを含み、コンピュータによって実行されるコンピュータプログラムは、記憶部34に記憶される。
【0040】
図3(a)は、無線通信システムにおいて用いられる無線フレーム(スーパーフレーム)を示している。この無線フレームは、その時間軸方向の長さ(フレーム長)が100msに設定されている。つまり、1秒間に10フレームが発生する。
フレームは、例えば、路側通信機2が有するGPS受信機(図示省略)によって受信したGPS信号に含まれる1PPS(1秒周期の信号)に基づいて生成される。
【0041】
一つの無線フレーム(100ms)は、複数の路車間通信期間SL1と、複数の車車間通信期間SL2と、を含んで構成されている。
路車間通信期間SL1は、路側通信機2に割り当てられる路車間通信用のタイムスロット(路側通信機用送信期間)であり、この時間帯SL1においては、路側通信機2による無線送信が許容される。路車間通信期間SL1は、一つの無線フレーム(100ms)内に最大16個まで設定可能である。
【0042】
車車間通信期間SL2は、車載通信機3用のタイムスロット(車用通信期間)であり、この時間帯SL2は車載通信機3によるCSMA方式による無線送信時間として開放するため、路側通信機2は車車間通信期間SL2では無線送信を行わない。
【0043】
無線フレームに含まれている路車間通信期間SL1と、車車間通信期間SL2とは、時間軸方向に交互に配置されている。
路車間通信期間SL1には、それぞれスロット番号n(=1〜16)が付されている。
【0044】
それぞれの路側通信機2には、無線フレームに含まれる複数の路車間通信期間SL1のうちの、一つ又は複数の路車間通信期間SL1が送信期間として設定され、その他の路車間通信期間SL1は送信が禁止される。すなわち、路側通信機2にとっては、車車間通信期間SL2及び自機2に割り当てられていない路車間通信期間SL1は、送信禁止期間となる。
図3(b)では、路側通信機2にn=4,5,6の3つの路車間通信期間SL1が送信期間として割り当てられている場合の送信禁止期間を示している。路側通信機2は、送信禁止期間以外の期間(送信期間)でデータ送信を行う。
【0045】
一つの無線フレーム内において、一の路側通信機2に割り当てられる送信期間の数は任意である。また、一つの送信期間の期間長は、路車通信期間の期間長と等しくてもよいし、路車間通信期間よりも短くてもよい。また、一つの路車間通信期間内に複数の送信期間が設定されてもよい。
【0046】
図4は、非特許文献1の標準規格に示す通信プロトコルスタックに、非特許文献2のガイドラインに示す拡張層(Extended Layer)ELを加えたものを示している。
【0047】
非特許文献1に規定されるプロトコルスタックは、レイヤ1(L1,物理層:Physical Layer)、レイヤ2(L2,データリンク層:Data Link Layer)、車車間・路車間共用通信制御情報層(IVC−RVC層:Inter-Vehicle Communication - Road to Vehicle Communication Layer)及びレイヤ7(L7,アプリケーション層:Application Layer)の4層構造である。各層及びアプリケーションAPは、システム管理のための情報を有するシステム管理にアクセスすることができる。
【0048】
レイヤ1は、IEEE802.11において規定される物理層に準拠して動作する。
レイヤ2は、MAC副層(Medium Access Control sublayer)と、LLC副層(Logical Link Control sublayer)と、から構成される。なお、MAC副層を、単に、MAC層(Medium Access Control layer)ともいい、LLC副層(Logical Link Control sublayer)を、単に、LLC層(Logical Link Control layer)ともいう。
【0049】
MAC層は、無線チャネルの通信管理として、フレーム制御及び同報通信(ブロードキャスト)を行う。
LLC層は、上位層のエンティティ間でパケット伝送を行うために、確認なしコネクションレス型通信のサービスを提供する。
【0050】
車車間・路車間共用通信制御情報層(IVC−RVC層)は、車車間・路車間共用通信制御に必要な情報の生成と管理を行う。非特許文献1では、路路間通信は規定されていないため、本実施形態のように、路車間通信期間SL1において路路間通信を行う場合、車車間・路車間共用通信制御情報層(IVC−RVC層)において、路路間通信は、路車間通信の一種として取り扱われる。
【0051】
レイヤ7は、アプリケーションAPに対して通信制御手段を提供するためのものである。アプリケーションAPは、送信される通信パケットに格納されるアプリケーションデータ(交通情報、車両情報など)をレイヤ7に与えるとともに、受信した通信パケットに格納されていたアプリケーションデータをレイヤ7から取得する。
【0052】
非特許文献2に規定される拡張層ELは、レイヤ7の上位層として存在し、アプリケーションAPとレイヤ7との間の通信機能を拡張するためのものである。
拡張層ELは、アプリケーションAPに対してデータ伝送サービスを提供する。アプリケーションAPは、送信される通信パケットに格納されるアプリケーションデータ(交通情報、車両情報など)を拡張層ELに与える。データ伝送サービス提供のため、拡張層ELは、レイヤ7以下の下位階層に対してデータ伝送要求を出す。
【0053】
また、拡張層ELは、アプリケーションAPから与えられたアプリケーションデータを分割し、分割データをレイヤ7に与えることができる。つまり、拡張層ELは、アプリケーションデータを分割して複数の分割データを生成する分割処理部として機能する。
また、レイヤ7から受け取った分割データを結合させてアプリケーションAPに与えることができる。
なお、拡張層ELは、レイヤ7とともに、セキュリティ管理にアクセスすることができる。
【0054】
図4に示す拡張層EL、レイヤ7、IVC−RVC層、レイヤ2、アプリケーションAP、セキュリティ管理SEC、及びシステム管理に相当する機能は、路側通信機2の通信処理装置25及び車載通信機3の通信処理装置35それぞれによって実行される。また、レイヤ1の機能は、路側通信機2の無線通信部21及び車載通信機3の無線通信部31それぞれによって実行される。
【0055】
なお、通信処理装置25のうち、図4のアプリケーションAPに相当する機能を、「アプリケーション装置25a」といい、図4のアプリケーションAPよりも下位の機能(拡張層EL、レイヤ7、IVC−RVC層、レイヤ2、セキュリティ管理SEC、及びシステム管理)を、「通信処理部25b」という。
また、通信処理装置35のうち、図4のアプリケーションAPに相当する機能を、「アプリケーション装置35a」といい、図4のアプリケーションAPよりも下位の機能(拡張層EL、レイヤ7、IVC−RVC層、レイヤ2、セキュリティ管理SEC、及びシステム管理)を、「通信処理部35b」という。拡張層ELは省略してもよい。
【0056】
アプリケーション装置25aの機能は、コンピュータプログラムによって実現し、通信処理部25bの機能を、ハードウェアによって構成することができる。また、通信処理部25bの機能を、コンピュータプログラムによって実現してもよい。
【0057】
図5は、路側通信機2及び車載通信機3によって送信される通信パケットの構成を示している。図5に示す通信パケットの構成は、非特許文献1,2に準拠したものである。
後述する路車間通信データ(第1情報;移動局向け情報)、路路間通信データ(第2情報)、車車間通信データ(第3情報;移動局送信情報)は、いずれも、図5に示す通信パケットの形式で送信される。
【0058】
通信パケットは、先頭にPHYヘッダ(物理ヘッダ)を有している。PHYヘッダは、送信側の通信機2,3(路側通信機2または車載通信機3)のレイヤ1(物理層)によって、MAC層から取得したMACフレーム(MPDU;MAC Protocol Data Unit)の前に付加される。
PHYヘッダは、受信側の通信機2,3におけるレイヤ1(物理層)において読み取られて、受信側のレイヤ1における通信制御処理に用いられる。なお、PHYヘッダを含む通信パケット全体が、PPDU(PHY Protocol Data Unit)である。PHYヘッダよりも後側のMACフレーム(MPDU)は、PSDU(PHY Service Data Unit)でもある。
【0059】
PHYヘッダの構成は、IEEE802.11に準拠する。したがって、PHYヘッダには、プリアンブルなどが含まれる。
【0060】
PHYヘッダに続いて、MAC制御フィールド(MACヘッダ)及びLLC制御フィールド(LLCヘッダ)が設けられている。MAC制御フィールドは、送信側の通信機2,3のレイヤ2のMAC層によって、LLC層から取得したLLCフレーム(LPDU;LLC Protocol Data Unit)の前に付加される。
MAC制御フィールドは、受信側の通信機2,3のレイヤ2のMAC層において読み取られて、受信側のMAC層における通信制御処理に用いられる。
MAC制御フィールドよりも後側のLLCフレーム(LPDU)は、MSDU(MAC Service Data Unit)でもある。
【0061】
MAC制御フィールドに続くLLC制御フィールドは、送信側の通信機2,3のレイヤ2のLLC層によって、IVC−RVC層から取得したIRフレーム(IPDU;IVC-RVC Protocol Data Unit)の前に付加される。
LLC制御フィールドは、受信側の通信機2,3のレイヤ2のLLC層において読み取られて、受信側のLLC層における通信制御処理に用いられる。
また、LLC制御フィールドよりも後側のIRフレーム(IPDU)は、LSDU(LLC Service Data Unit)でもある。
【0062】
LLC制御フィールドに続いて、IR制御フィールド(IRヘッダ)が設けられている。IR制御フィールドは、送信側の通信機2,3のIVC−RVC層によって、APフレーム(APDU;Application Protocol Data Unit)の前に付加される。
IR制御フィールドは、受信側の通信機2,3のIVC−RVC層において読み取られて、受信側のIVC−RVC層における通信制御処理に用いられる。
IR制御フィールドよりも後側のAPフレーム(APDU;Application Protocol Data Unit)は、ISDU(IVC-RVC Service Data Unit)でもある。
【0063】
IR制御フィールドに続いて、L7ヘッダが設けられている。L7ヘッダは、送信側の通信機2,3のレイヤ7によって、ASDU(Application Service Data Unit)の前に付加される。
L7ヘッダは、受信側の通信機2,3のレイヤ7において読み取られて、受信側のレイヤ7における通信制御処理に用いられる。
レイヤ7ヘッダよりも後側のELフレーム(EL−PDU;EL-Protocol Data Unit)は、ASDU(Application Service Data Unit)でもある。
【0064】
L7ヘッダに続いて、ELヘッダ(EL基地局ヘッダ)が設けられている。ELヘッダは、送信側の通信機2,3の拡張層ELによって、EL−SDU(EL-Service Data Unit)の前に付加される。
ELヘッダは、受信側の通信機2,3の拡張層ELにおいて読み取られて、受信側の拡張層ELにおける処理に用いられる。
【0065】
EL−SDUは、セキュリティヘッダ、アプリケーションヘッダ、アプリケーションデータを有している。アプリケーションデータは、アプリケーションAPから通信処理部25b,35bに与えられる。アプリケーションデータとしては、後述の通常情報(交通情報、信号情報など)と、緊急情報(緊急車両情報、災害情報など)と、がある。
アプリケーションヘッダは、送信側の通信機2,3のアプリケーションAPによってアプリケーションデータの前に付加される。
【0066】
アプリケーションデータ及びアプリケーションヘッダは、受信側の通信機2,3のアプリケーションAPによって読み取られて、受信側のアプリケーションAPにおける処理に用いられる。
アプリケーションAPは、送信すべきデータを生成したり、受信したデータを読み取って自らの処理に用いたり、受信したデータを再送(転送)する処理を行うことができる。
【0067】
セキュリティヘッダは、セキュリティ管理(セキュリティ処理部)SECによって付加される。送信側の通信機2,3の拡張層ELは、アプリケーションAPから(アプリケーションヘッダが付加された)アプリケーションデータを受け取ると、必要に応じて、セキュリティ処理をセキュリティ管理SECに実行させる。
セキュリティ管理SECでは、拡張層ELから受け取ったアンセキュアなアプリケーションデータに対して、セキュリティ処理を行って、セキュアなアプリケーションデータを生成する。また、セキュリティ管理SECは、セキュリティヘッダの付加も行う。
【0068】
セキュリティ管理SECにおいて、アンセキュアなアプリケーションデータをセキュアなアプリケーションデータにする処理(セキュリティ処理)には、暗号化処理、署名処理などの処理が含まれる(ただし、非特許文献1,2では規定されていない)。
セキュリティ管理は、セキュリティ処理が施されたセキュアなアプリケーションデータを、拡張層ELに戻す。その後、拡張層ELは、前述のように、ELヘッダの付加を行う。
【0069】
受信側の通信機2,3の拡張層ELは、下位レイヤ(レイヤ7)からセキュアなアプリケーションデータを受け取った場合、セキュアなアプリケーションデータを、セキュリティ管理SECに渡す。セキュリティ管理SECは、セキュアなアプリケーションデータに対して、セキュリティ処理を行って、アンセキュアなアプリケーションデータに戻す。
拡張層ELは、セキュリティ管理SECからアンセキュアなアプリケーションデータを受け取ると、アンセキュアなアプリケーションデータを、アプリケーションAPに渡す。
【0070】
なお、拡張層ELが存在しない場合、セキュリティ管理SECとのやりとりはレイヤ7が行う。
【0071】
図6は、図5に示すL7ヘッダの構造を示している。図6に示すようにL7ヘッダは、「バージョン」フィールド、「セキュリティ区分情報」フィールド、「予約」フィールド、「アプリケーション関連情報」フィールドを有している。非特許文献1では、「アプリケーション関連情報」フィールド(8bit)の内容は規定されていない。ただし、本実施形態では、図6に示すように、「アプリケーション関連情報」フィールド(b7−b0)は、3bitの「管理情報」フィールド(b7−b5)、2bitの「データ種別」フィールド(b4,b3)、1bitの「移動局への再送要求」フィールド(b2)、及び、2bitの「移動局の所要再送回数」フィールド(又は「再送期間」フィールド)(b1,b0)を備えている。
各フィールドは、通信パケット(アプリケーションデータ)を送信する通信機2,3によって設定される。
【0072】
「管理情報」フィールドは、送信側と受信側との関係を示している。
「1:移動局→基地局、移動局」は、パケットが移動局(車載通信機3)から送信され、基地局(路側通信機2)及び移動局(車載通信機3)によって受信されることを示している。
「2:基地局→基地局、移動局」は、パケットが基地局から送信され、基地局及び移動局によって受信されることを示している。
「3:移動局→移動局」は、パケットが移動局から送信され、移動局によって受信されることを示している(通常の車車間通信に対応)。
「4:基地局→移動局」は、パケットが基地局から送信され、移動局によって受信されることを示している(通常の路車間通信に対応)。
「5:移動局→基地局」は、パケットが移動局から送信され、基地局によって受信されることを示している。
「6:基地局→基地局」は、パケットが基地局から送信され、基地局によって受信されることを示している(通常の路路間通信に対応)。
【0073】
「データ種別」フィールドは、アプリケーションデータの種別(アプリケーションデータが緊急情報か否か)を示している。つまり「データ種別」フィールドに格納された情報は、アプリケーションデータが緊急情報であるか否かを示す識別情報である。
「0:通常」は、アプリケーションデータが通常のデータ、つまり、緊急情報以外のデータであることを示している。
「1:緊急(緊急車両)」は、アプリケーションデータが緊急情報であることを示している。また、「1:緊急(緊急車両)」は、緊急情報が緊急車両の存在を示す情報(緊急車両情報)であることを示している。緊急車両とは、例えば、消防用自動車、救急用自動車又は警察用自動車である。緊急車両の定義は、日本の道路交通法における「緊急自動車」の定義に従うことができる。
「2:緊急(災害)」は、アプリケーションデータが緊急情報であることを示している。また、「2:緊急(災害)」は、緊急情報が災害(火災、地震又は津波など)を示す情報(災害情報)であることを示している。
【0074】
緊急情報の内容によって、緊急情報の伝達の仕方(伝達範囲)を異ならせたほうがよいことがある。したがって、上述のように緊急情報を複数の種別(緊急(緊急車両)と緊急(災害))に分けておくことで、緊急情報の内容によって、緊急情報の伝達の仕方(伝達範囲)を異ならせることができる。
【0075】
「移動局への再送要求」フィールドは、受信側である移動局に対して再送を要求するか否かを示している。つまり、「移動局への再送要求」フィールドに格納された情報は、移動局3による再送が要求されるか否かを示す要求情報である。再送が要求される場合、受信側の移動局3は、受信したアプリケーションデータなどを再送しなければならない。「0:要求なし」は、移動局3による再送が要求されないことを示し、「1:要求あり」は、移動局3による再送が要求されることを示している。
「移動局への再送要求」フィールドは、緊急情報を送信する路側通信機2によって設定される。車車間通信による緊急情報の再送が必要な場合、路側通信機2は、「移動局への再送要求」フィールドを「1:要求あり」に設定する。車載通信機3は、アプリケーションデータを再送する場合、路側通信機2によって設定された「移動局への再送要求」フィールドの値を、再送するアプリケーションデータの通信パケットの「移動局への再送要求」フィールドに格納する。
【0076】
「移動局の所要再送回数」フィールドは、送信側の路側通信機2が移動局(車載通信機等)3に要求する再送回数を示している。アプリケーションデータは、最大で、「移動局の所要再送回数」フィールドに示す数の移動局3によって再送される可能性がある。
「0:0回」は、要求される再送回数が0回(移動局3による再送不要)であることを示し、「移動局への再送要求」フィールドに「0:要求なし」が設定される場合に、設定される。
「1:5回」、「2:10回」、「3:15回」は、要求される再送回数が、それぞれ、5回、10回、15回であることを示している。
「移動局の所要再送回数」フィールドは、「移動局への再送要求」フィールドを「1:要求あり」に設定した路側通信機2(再送要求を出した路側通信機2)によって設定される。車載通信機3は、路側通信機2によって設定された「移動局の所要再送回数」フィールドの値を、再送するアプリケーションデータの通信パケットの「移動局の所要再送回数」フィールドに格納する。
【0077】
「移動局の所要再送回数」フィールドは、再送される期間を示す「再送期間」フィールドであってもよい。
【0078】
図7は、図5に示すアプリケーションヘッダの構造を示している。図7に示すように、本実施形態のアプリケーションヘッダ(非特許文献1では規定されていない)は、「管理情報」フィールド(3bit)、「データ種別」フィールド(2bit)、「データバージョン」フィールド(3bit)、「インクリメントカウンタ」フィールド(1Byte)、及び「再送回数」フィールド(1Byte)を備えている。
各フィールドは、通信パケット(アプリケーションデータ)を送信する通信機2,3によって設定される。
【0079】
図7に示す「管理情報」フィールド及び「データ種別」フィールドは、図6に示す「管理情報」フィールド及び「データ種別」フィールドと同様のものである。
【0080】
「移動局への再送要求」フィールドは、前記レイヤ7における同フィールドの説明と同様に、受信側である移動局に対して再送を要求するか否かを示している。
「移動局の所要再送回数」フィールドは、前記レイヤ7における同フィールドの説明と同様に、送信側の路側通信機2が移動局3に要求する再送回数を示している。
「インクリメントカウンタ」フィールドは、アプリケーションデータが送信される際に1ずつインクリメントされる送信番号を示す。「インクリメントカウンタ」フィールドによって、アプリケーションデータの新旧(複数のアプリケーションデータが同一であるか異なるか)を判断することができる。
【0081】
「再送回数」フィールドは、アプリケーションデータが移動局によって再送された回数を示す。路側通信機2が送信する際には、その路側通信機2のアプリケーションAPは「再送回数」フィールドを「0」に設定する。路側通信機2が送信したパケット(アプリケーションデータ;再送回数=0)を車車間通信にて再送する車載通信機3のアプリケーションAPは、「再送回数」フィールドを「1」に設定する。「再送回数」フィールドが「1」に設定されたパケットを受信した別の車載通信機3のアプリケーションAPは、再送回数をインクリメントして「再送回数」フィールドを「2」に設定する。このようにして、再送回数が、「移動局の所要再送回数」フィールドに示す回数に達するまで、再送が繰り返し行われる。
【0082】
「再送回数」フィールドの値は、通信パケット(アプリケーションデータ)の有効性を示す有効性情報となっている。再送回数が増えるほど、古いデータであることを示し、データの有効性は低くなる。なお、有効性情報は、データが生成されてからの時間、その他、データの有効性を示す指標などであってもよい。
【0083】
「2.通信方法」
[2.1 第1比較例]
図8及び図9は、第1比較例に係る通信方法を示している。図8では、第1スーパーフレーム(100ms)と、第1スーパーフレームに続く第2スーパーフレーム(100ms)と、を示している。図8に示すように情報が送信されると、図9に示すように情報が伝達される。
第1比較例では、中央装置4から送信された緊急情報が、直接的又は間接的に、第1路側通信機2A及び第2路側通信機2Bに伝達され、各路側通信機2A,2Bから車載通信機3に対して緊急情報が報知される。
【0084】
図8において、第1スーパーフレーム及び第2スーパーフレームには、それぞれ、図9に示す第1路側通信機(オンライン路側通信機)2Aに割り当てられた路車間通信期間SL1−Aと、図9に示す第2路側通信機(スタンドアローン路側通信機)2Bに割り当てられた路車間通信期間SL1−Bとが、設けられている。
図3にも示すように、複数の路車間通信期間SL1の間は、車車間通信期間SL2である。
【0085】
図8では、路車間通信期間(基地局用送信期間)SL1−A,SL1−Bには、車載通信機及び歩行者用通信機(移動局)3向け路車間通信データ(第1情報)を送信するための第1通信期間TA−1,TB−1と、他の路側通信機(基地局)2向け路路間通信データ(第2情報)を送信するための第2通信期間TA−2,TB−2と、が設けられている。
【0086】
例えば、図8に示すように、第1スーパーフレームの開始前に、中央装置4から第1路側通信機2Aに対して緊急情報が送信されてきた場合、第1路側通信機2Aは、第1路側通信機2Aの周辺の車載通信機(又は歩行者用通信機)3に対して緊急情報を報知すべく、当該緊急情報を、路車間通信データ(第1情報)として送信する。第1路側通信機2Aは、緊急情報を含む路車間通信データ(第1情報)を、第1スーパーフレームの期間SL1−A内の第1通信期間TA−1(第1路側通信機2Aに割り当てられた第1通信期間)にて送信する。なお、第1通信期間TA−1では、緊急情報以外の通常の情報も送信することができる。
【0087】
また、第1路側通信機2Aは、中央装置4に有線接続されていない第2路側通信機2Bに対しても緊急情報を伝達すべく、当該緊急情報を、路路間通信データ(第2情報)として送信する。第1路側通信機2Aは、緊急情報を含む路路間通信データ(第2情報)を、第1スーパーフレームの期間SL1−A内の第2通信期間TA−2(第1路側通信機2Aに割り当てられた第2通信期間)にて送信する。なお、第2通信期間TA−2では、緊急情報以外の通常の情報も送信することができる。
【0088】
路路間通信にてスタンドアローン型である第2路側通信機2Bにも緊急情報が伝達されると、第2路側通信機2Bは、第2路側通信機2Bの周辺の車載通信機(又は歩行者用通信機)3に対して緊急情報を報知すべく、当該緊急情報を、路車間通信データ(第1情報)として送信する。第2路側通信機2Aは、緊急情報を含む路車間通信データ(第1情報)を、第2スーパーフレームの期間SL1−B内の第1通信期間TB−1(第2路側通信機2Bに割り当てられた第1通信期間)にて送信する。なお、第1通信期間TB−1では、緊急情報以外の通常の情報も送信することができる。
【0089】
また、第1路側通信機2Bは、更に他の路側通信機2(図示されていない)に対しても緊急情報を伝達すべく、当該緊急情報を、路路間通信データ(第2情報)として送信する。第2路側通信機2Bは、緊急情報を含む路路間通信データ(第2情報)を、第2スーパーフレームの期間SL1−B内の第2通信期間TB−2(第2路側通信機2Bに割り当てられた第2通信期間)にて送信する。なお、第2通信期間TB−2では、緊急情報以外の通常の情報も送信することができる。
【0090】
[2.2 第2比較例]
図10及び図11は、第2比較例に係る通信方法を示している。図10では、第1スーパーフレーム(100ms)と、第1スーパーフレームに続く第2スーパーフレーム(100ms)と、を示している。図10に示すように情報が送信されると、図11に示すように情報が伝達される。
第2比較例では、車載通信機3から送信された緊急情報が、直接的又は間接的に、第1路側通信機2A及び第2路側通信機2Bに伝達され、各路側通信機2A,2Bから車載通信機3に対して緊急情報が報知される。
【0091】
例えば、図10に示すように、第1スーパーフレームの開始前に、第1路側通信機2A近傍の車載通信機3Aから車車間通信TC−0によって緊急情報が送信されるものとする。この場合、第1路側通信機2Aは車車間通信TC−0として送信された緊急情報(車車間通信データ;第3情報)を受信する。
すると、第1比較例と同様に、第1路側通信機2Aは、路車間通信期間TA−1及び路路間通信期間TA−2それぞれで緊急情報を送信し、第2路側通信機2Bは、路車間通信期間TB−1及び路路間通信期間TB−2それぞれで緊急情報を送信する。
【0092】
第1比較例及び第2比較例のように、緊急情報を、第1通信期間TA−1,TB−1及び第2通信期間TA−2,TB−2それぞれで送信する場合、第1通信期間TA−1,TB−1及び第2通信期間TA−2,TB−2それぞれに緊急情報を送信するための期間を確保する必要がある。つまり、同じ緊急情報を送信するために、期間を2重に確保する必要がある。
このため、緊急情報を送信しようとすると、通常情報を送信する期間が短くなる、あるいは、路車間通信期間SL1−A,SL1−Bが長くなることによって車車間通信期間SL2が短くなるという問題が生じる。
【0093】
[2.3 第1実施例]
図12及び図13は、第1実施例に係る通信方法を示している。
第1実施例では、第1比較例と同様に、中央装置4から送信された緊急情報が、直接的又は間接的に、第1路側通信機2A及び第2路側通信機2Bに伝達され、各路側通信機2A,2Bから車載通信機3に対して緊急情報が報知される。ただし、第1路側通信機2Aから第2路側通信機2Bへの緊急情報の送信の仕方が、第1比較例と異なる。
【0094】
図12に示すように、第1スーパーフレームの開始前に、中央装置4から第1路側通信機(第1基地局)2Aに対して緊急情報が送信されてきた場合、第1路側通信機2Aは、第1路側通信機2Aの周辺の車載通信機(又は歩行者用通信機)3に対して緊急情報を報知すべく、当該緊急情報を、路車間通信データ(第1情報)として送信する。第1路側通信機2Aは、緊急情報を含む路車間通信データ(第1情報)を、第1スーパーフレームの期間SL1−A内の第1通信期間TA−1(第1路側通信機2Aに割り当てられた第1通信期間)にて送信する。なお、第1通信期間TA−1では、緊急情報以外の通常の情報も送信することができるが、通常情報よりも緊急情報を優先して(先に)送信する。
【0095】
ただし、第1実施例では、第1路側通信機2Aは、路路間通信データ(第2情報)を送信するための第2通信期間TA−2では、緊急情報を送信せず、通常情報を送信する。
その代わり、第2路側通信機(第2基地局)2Bは、第1路側通信機2Aから第1通信期間TA−1において路車間通信データ(第1情報)として送信された緊急情報を受信する。これにより、第1路側通信機2Aは路路間通信データ(第2情報)として緊急情報を送信しなくても、第2路側通信機2Bは緊急情報を取得することができる。
このように、緊急情報が送信される路車間通信は、路車間通信であるだけでなく、路路間通信にもなっている。
【0096】
スタンドアローン型である第2路側通信機2Bは、第1路側通信機2Aから緊急情報を取得すると、第1比較例と同様に、第2路側通信機2Bの周辺の車載通信機(又は歩行者用通信機)3に対して緊急情報を報知すべく、当該緊急情報を、路車間通信データ(第1情報)として送信する。第2路側通信機2Bは、緊急情報を含む路車間通信データ(第1情報)を、第2スーパーフレームの期間SL1−B内の第1通信期間TB−1(第2路側通信機2Bに割り当てられた第1通信期間)にて送信する。なお、第1通信期間TB−1では、緊急情報以外の通常の情報も送信することができるが、通常情報よりも緊急情報を優先して(先に)送信する。
第1通信期間TB−1での路車間通信データ(第1情報)としての緊急情報の送信は、更に他の路側通信機2(図示されていない)に対する緊急情報の送信ともなっている。
【0097】
路側通信機2A,2Bから路車間通信データ(第1情報)として緊急情報を取得した車載通信機3A,3Cは、その緊急情報を、車車間通信期間SL2内の送信可能なタイミングTC−2,TC−4において、車車間通信データ(第3情報)として、再送する。これにより、車載通信機3B,3Dも、緊急情報を取得することができる。車載通信機3が、緊急情報の再送を行うことで、路側通信機2から、直接、緊急情報を受信できない車載通信機3であっても、緊急情報を取得することができる。
なお、車載通信機3は、路側通信機2から受信した緊急情報だけでなく、他の車載通信機3から受信した緊急情報も、再送することができる。
また、図12では、車車間通信データとして、通常情報と緊急情報が個別の通信パケットとして送信されているが、緊急情報を取得した車載通信機3A,3Cは緊急情報を受け取った後の通常情報を送信するタイミング(例えば、図12のTC−1,TC−3)で1つの通信パケットに通常情報及び緊急情報を格納して送信してもよい。
【0098】
[2.4 第2実施例]
図14及び図15は、第2実施例に係る通信方法を示している。第2実施例では、第2比較例と同様に、車載通信機3Aから送信された緊急情報が、直接的又は間接的に、第1路側通信機2A及び第2路側通信機2Bに伝達され、各路側通信機2A,2Bから車載通信機3に対して緊急情報が報知される。ただし、第1路側通信機2Aから第2路側通信機2Bへの緊急情報の送信の仕方が、第2比較例と異なる。
【0099】
つまり、第1路側通信機2A近傍の車載通信機3Aから車車間通信TC−0によって送信された緊急情報を、第1路側通信機2Aが取得すると、第1路側通信機2Aは、第1路側通信機2Aの周辺の車載通信機(又は歩行者用通信機)3に対して緊急情報を報知すべく、当該緊急情報を、路車間通信データ(第1情報)として送信する。第1路側通信機2Aは、緊急情報を含む路車間通信データ(第1情報)を、第1スーパーフレームの期間SL1−A内の第1通信期間TA−1(第1路側通信機2Aに割り当てられた第1通信期間)にて送信する。なお、第1通信期間TA−1では、緊急情報以外の通常の情報も送信することができるが、通常情報よりも緊急情報を優先して(先に)送信する。
【0100】
第2実施例でも、第1実施例と同様に、第1路側通信機2Aは、路路間通信データ(第2情報)を送信するための第2通信期間TA−2では、緊急情報を送信せず、通常情報を送信する。
その代わり、第1実施例と同様に、第2路側通信機2Bは、第1路側通信機2Aから第1通信期間TA−1において路車間通信データ(第1情報)として送信された緊急情報を受信する。これにより、第1路側通信機2Aは路路間通信データ(第2情報)として緊急情報を送信しなくても、第2路側通信機2Bは緊急情報を取得することができる。
このように、緊急情報が送信される路車間通信は、路車間通信であるだけでなく、路路間通信にもなっている。
【0101】
スタンドアローン型である第2路側通信機2Bは、第1路側通信機2Aから緊急情報を取得すると、第1実施例と同様に、第2路側通信機2Bの周辺の車載通信機(又は歩行者用通信機)3に対して緊急情報を報知すべく、当該緊急情報を、路車間通信データ(第1情報)として送信する。第2路側通信機2Bは、緊急情報を含む路車間通信データ(第1情報)を、第2スーパーフレームの期間SL1−B内の第1通信期間TB−1(第2路側通信機2Bに割り当てられた第1通信期間)にて送信する。なお、第1通信期間TB−1では、緊急情報以外の通常の情報も送信することができるが、通常情報よりも緊急情報を優先して(先に)送信する。
第1通信期間TB−1での路車間通信データ(第1情報)としての緊急情報の送信は、更に他の路側通信機2(図示されていない)に対する緊急情報の送信ともなっている。
【0102】
路側通信機2A,2Bから路車間通信データ(第1情報)として緊急情報を取得した車載通信機3Cは、その緊急情報を、車車間通信期間SL2内の送信可能なタイミングTC−4において、車車間通信データ(第3情報)として、再送する。これにより、車載通信機3Dも、緊急情報を取得することができる。車載通信機3が、緊急情報の再送を行うことで、路側通信機2から、直接、緊急情報を受信できない車載通信機3であっても、緊急情報を取得することができる。
なお、車載通信機3は、路側通信機2から受信した緊急情報だけでなく、他の車載通信機3から受信した緊急情報も、再送することができる。
【0103】
[2.5 第3実施例]
図16及び図17は、第3実施例に係る通信方法を示している。第3実施例では、第2実施例と同様に、車載通信機3Aから送信された緊急情報が、直接的又は間接的に、第1路側通信機2A及び第2路側通信機2B−1に伝達され、各路側通信機2A,2B−1から車載通信機3に対して緊急情報が報知される。ただし、第1路側通信機2Aと第2路側通信機2B−1との間は、第1路側通信機2Aから送信された路車間通信データ(第1情報)を第2路側通信機2B−1が受信できないほど離れている。
第3実施例では、第1路側通信機2Aから第2路側通信機2B−1への緊急情報の伝達は、路車間通信だけでなく、車車間通信も利用して行われる。
【0104】
つまり、第1路側通信機2A近傍の車載通信機3Aから車車間通信TC−0によって送信された緊急情報を、第1路側通信機2Aが取得すると、第1路側通信機2Aは、第1路側通信機2Aの周辺の車載通信機(又は歩行者用通信機)3に対して緊急情報を報知すべく、当該緊急情報を、路車間通信データ(第1情報)として送信する。第1路側通信機2Aは、緊急情報を含む路車間通信データ(第1情報)を、第1スーパーフレームの期間SL1−A内の第1通信期間TA−1(第1路側通信機2Aに割り当てられた第1通信期間)にて送信する。なお、第1通信期間TA−1では、緊急情報以外の通常の情報も送信することができるが、通常情報よりも緊急情報を優先して(先に)送信する。
【0105】
第3実施例でも、第1,2実施例と同様に、第1路側通信機2Aは、路路間通信データ(第2情報)を送信するための第2通信期間TA−2では、緊急情報を送信せず、通常情報を送信する。この路路間通信データ(第2情報)は、第3路側通信機2B−2などによって受信される。
【0106】
第3実施例では、前述のように、第2路側通信機2B−1は、第1路側通信機2Aが送信した路車間通信データ(緊急情報)を受信できない。
ただし、第1路側通信機2Aが送信した緊急情報を取得した車載通信機3Cは、その緊急情報のアプリケーションヘッダ(又はレイヤ7ヘッダ)の「移動局への再送要求」が「1:要求あり」の場合、その緊急情報を、車車間通信期間SL2内の送信可能なタイミングTC−2において、車車間通信データ(第3情報)として、再送する。
第2路側通信機2B−1は、車車間通信データ(第3情報)として再送された緊急情報を取得することができる。
このように、第2路側通信機2B−1は、第1路側通信機2Aから送信された緊急情報を、1又は複数の車載通信機3経由で受信することができる。
【0107】
スタンドアローン型である第2路側通信機2B−1は、車載通信機3Cから緊急情報を取得すると、第1,2実施例と同様に、第2路側通信機2B−1の周辺の車載通信機(又は歩行者用通信機)3Dに対して緊急情報を報知すべく、当該緊急情報を、路車間通信データ(第1情報)として送信する。第2路側通信機2Aは、緊急情報を含む路車間通信データ(第1情報)を、第2スーパーフレームの期間SL1−B内の第1通信期間TB−1(第2路側通信機2Bに割り当てられた第1通信期間)にて送信する。なお、第1通信期間TB−1では、緊急情報以外の通常の情報も送信することができるが、通常情報よりも緊急情報を優先して(先に)送信する。
第1通信期間TB−1での路車間通信データ(第1情報)としての緊急情報の送信は、更に他の路側通信機2(図示されていない)に対する緊急情報の送信にもなり得る。
【0108】
[3.通信処理]
[3.1 路側通信機2の処理]
図18は、第1〜第3実施例の通信方法を実施するために受信側の路側通信機2で実行される通信処理を示している。なお、路側通信機2は、路路間通信データ(第2情報)だけでなく、路車間通信データ(第1情報)及び車車間通信データ(第3情報)も受信可能である。つまり、路側通信機2は、自機2に割り当てられた送信以外の期間において到来した通信パケットを受信することができる。
【0109】
路側通信機2が、通信パケットを受信すると、その通信パケットが、車載通信機3向けに送信された路車間通信データ(第1情報)であるか否かが判定される(ステップS1)。通信パケットが路車間通信データ(第1情報)であるか否かは、通信パケットのレイヤ7ヘッダの管理情報フィールド及び/又はアプリケーションヘッダの管理情報フィールドを参照することで判定することができる。
したがって、ステップS1の判定は、路側通信機2のレイヤ7又はアプリケーションAPにて行うことができる。
なお、路車間通信データ(第1情報)の通信パケットの場合、レイヤ7ヘッダの管理情報フィールド及びアプリケーションヘッダの管理情報フィールドには、「4:基地局→移動局」(通常情報の場合)、又は「2:基地局→基地局、移動局」(緊急情報の場合)が、送信側の路側通信機2によって格納されている。
【0110】
通信パケットが、路車間通信データ(第1情報)である場合は、その路車間通信データに含まれるアプリケーションデータが緊急情報であるか通常情報であるかが判定される(ステップS2)。
アプリケーションデータが緊急情報であるか通常情報であるかは、通信パケットのレイヤ7ヘッダのデータ種別フィールド及び/又はアプリケーションヘッダのデータ種別フィールドを参照することで判定することができる。
したがって、ステップS2の判定は、路側通信機2のレイヤ7又はアプリケーションAPにて行うことができる。
なお、アプリケーションデータが緊急情報である場合、レイヤ7ヘッダのデータ種別フィールド及びアプリケーションヘッダのデータ種別フィールドには、「1:緊急(緊急車両)」又は「2:緊急(災害)」が、送信側の路側通信機2によって格納されている。
【0111】
ステップS2にて、アプリケーションデータが緊急情報であると判定された場合、そのアプリケーションデータは、破棄されることなくアプリケーションAPに与えられて、アプリケーションAPにて読み取られる(ステップS3)。アプリケーションAP(再送処理部)は、読み取ったアプリケーションデータに基づいて適宜処理を行うとともに、必要に応じてアプリケーションデータ(緊急情報)及びデータ種別(識別情報)等の再送処理を行う(ステップS4)。再送処理については後述する。
【0112】
一方、ステップS2にて、アプリケーションデータが緊急情報ではなく、通常情報であると判定された場合、そのアプリケーションデータは、破棄される(ステップS5)。破棄されるのは、路車間通信データ(第1情報)が、本来、車載通信機3向けの情報であり、緊急情報以外の通常情報であれば、路側通信機2にとっては、本来不要な情報だからである。
本実施形態では、データ種別(識別情報)が、レイヤ7ヘッダ及びアプリケーションヘッダに格納されているため、アプリケーションデータの要否判定及び破棄を、レイヤ7又はアプリケーションAPで行うことができる。
【0113】
また、レイヤ7ヘッダのデータ種別(識別情報)は、より上位のアプリケーションAPにてアプリケーションデータが認識(読み取り)されるよりも先に、認識(読み取り)されるように、通信パケットにおいてアプリケーションヘッダよりも先頭側に設けられている。
また、レイヤ7ヘッダのデータ種別(識別情報)は、より上位の拡張層EL及びセキュリティ管理SECにてセキュリティ処理(セキュアなデータをアンセキュアにする処理)が行われるよりも先に認識(読み取り)されるように、通信パケットにおいて、ELヘッダよりも先頭側に設けられている。
【0114】
したがって、レイヤ7は、比較的早期に、アプリケーションデータの要否(破棄の要否)を判定することができる。したがって、不要な通常情報に対して、レイヤ7よりも上位の層が無駄に処理を行うことを回避できる。
例えば、レイヤ7が不要な通常情報を破棄しなければ、拡張層EL及びセキュリティ管理SECによって、セキュリティ処理が無駄に行われるが、本実施形態では、破棄部としてのレイヤ7が不要な通常情報を破棄することで、上位層において不要なセキュリティ処理が行われることを回避できる。
【0115】
ステップS1にて、路側通信機2が受信した通信パケットが路車間通信データ(第1情報)でないと判定された場合、その通信パケットが、路路間通信データ(第2情報)であるか否かが判定される(ステップS6)。その通信パケットが、路路間通信データ(第2情報)である場合、例えば、レイヤ7ヘッダの管理情報フィールド及びアプリケーションヘッダの管理情報フィールドが「6:基地局→基地局」の場合、その路路間通信データ(第2情報)に含まれるアプリケーションデータは、破棄されることなくアプリケーションAPに与えられて、アプリケーションAPにて読み取られる(ステップS7−1)。アプリケーションAP(再送処理部)は、読み取ったアプリケーションデータに基づいて適宜処理を行うとともに、必要に応じてアプリケーションデータ(通常情報)及びデータ種別(識別情報)等の再送処理を行う(ステップS7−2)。再送処理については後述する。
【0116】
また、ステップ6にて、路側通信機2が受信したパケットが、車車間通信データ(第3情報)であると判定された場合、例えば、レイヤ7ヘッダの管理情報フィールド及びアプリケーションヘッダの管理情報フィールドが「1:移動局→基地局、移動局」、「3:移動局→移動局」又は「5:移動局→基地局」の場合、その車車間通信データに含まれるアプリケーションデータが緊急情報であるか通常情報であるかが判定される(ステップS8)。ステップS8の判定は、ステップ2の判定と同様に行われる。アプリケーションデータが通常情報であれば、そのアプリケーション情報は破棄される(ステップS11)。ステップS11の破棄の処理は、ステップS5の破棄の処理と同様に行われる。
【0117】
ステップS8にて、アプリケーションデータが緊急情報であると判定された場合、そのアプリケーションデータは、破棄されることなくアプリケーションAPに与えられて、アプリケーションAPにて読み取られる(ステップS9)。アプリケーションAP(再送処理部)は、読み取ったアプリケーションデータに基づいて適宜処理を行うとともに、アプリケーションデータ(緊急情報)及びデータ種別(識別情報)等の再送処理を行う(ステップS10)。再送処理については後述する。
【0118】
[3.2 車載通信機の処理]
図19は、第1〜第3実施例の通信方法を実施するために車載通信機3で実行される通信処理を示している。なお、車載通信機3は、路車間通信データ(第1情報)及び車車間通信データ(第3情報)を受信可能である。
【0119】
車載通信機3は、路車間通信データ(第1情報)又は車車間通信データ(第3情報)の通信パケットを受信すると、その通信パケットに含まれるアプリケーションデータの認識(読み取り)を行うほか、再送の要否の判定を行う(ステップS21)。
ステップS21の判定には、受信した通信パケットに含まれるアプリケーションデータが、緊急情報であるか通常情報であるかの第1判定、及び、アプリケーションデータが緊急情報である場合に、その緊急情報は、再送を要するものであるか否かの第2判定が含まれる。
【0120】
第1判定は、ステップS2又はステップS8の判定と同様に行われる。
第2判定は、通信パケットを受信した車載通信機3のレイヤ7にて、受信した通信パケットのL7ヘッダの「移動局への再送要求」フィールド(要求情報)を参照することで行われる。第2判定を行う判定部としてのレイヤ7は、「移動局への再送要求」フィールドが、「1:要求あり」に設定されている場合、受信した緊急情報は再送を要するものであると判定する。「移動局への再送要求」フィールドが、「0:要求なし」に設定されている場合、再送は行われない。
【0121】
「移動局への再送要求」フィールドが、「1:要求あり」に設定されている場合、車載通信機3のアプリケーションAP(再送処理部)は、アプリケーションデータ(緊急情報)及びデータ種別(識別情報)等の再送処理を行う(ステップS22)。再送処理については後述する。
【0122】
なお、一般の車両の車載通信機3は、緊急情報を含む車車間通信データ(第3情報)を生成する機能は有しないが、緊急車両の車載通信機3は、自ら、緊急情報(緊急車両情報)を含む車車間通信データ(第3情報)を生成することができる。
【0123】
[3.3 路側通信機の送信範囲と通信トポロジー]
本実施形態の通信システムでは、アプリケーション情報を他の路側通信機2に送信するための通信トポロジーが設定されている。
図20は、Cで示す路側通信機(路側通信機C)の送信範囲を示している。図20では、路側通信機Cの周辺に、W2,W,N,S,E,E2で示す路側通信機が設置されている。
路側通信機Cは、中央装置4に接続されたオンライン路側通信機2Aであり、他の路側通信機W2,W,N,S,E,E2は、スタンドアローン路側通信機2Bである。
【0124】
図20では、路側通信機Cの送信範囲として、3種類の送信範囲(サブエリア)が設定されている。3種類の送信範囲は、路路送信範囲、路車(緊急/緊急車両)送信範囲、路車(緊急/災害情報)送信範囲である。
【0125】
路路送信範囲は、路側通信機Cが送信した路路間通信データ(第2情報;通常情報)が送信(再送)される範囲である。図20では、路側通信機C周辺の5つの路側通信機W2,W,N,S,E,E2に対して、路側通信機Cが送信した路路間通信データ(第2情報)が送信(再送)される。
【0126】
路車(緊急/緊急車両)送信範囲は、路側通信機Cが路車間通信データ(第1情報)として送信した緊急情報(緊急車両情報)が、送信(再送)される範囲である。図20では、路側通信機Cのごく近傍の2つの路側通信機W,Eに対して、路側通信機Cが送信した路車間通信データ(第2情報)としての緊急車両情報が送信される。
路車(緊急/緊急車両)送信範囲が比較的狭いのは、緊急車両の走行を知らせる緊急車両情報は、緊急車両の近傍の車両に伝達されれば良く、広範囲に伝達される必要はないからである。
【0127】
路車(緊急/災害情報)送信範囲は、路側通信機Cが路車間通信データ(第1情報)として送信した緊急情報(災害情報)が、送信(再送)される範囲である。図20では、路側通信機C周辺の5つの路側通信機W2,W,N,S,E,E2だけでなく、より遠方の路側通信機WW,NN,SS,EEに対して、路側通信機Cが送信した路車間通信データ(第2情報)としての災害情報が送信される。
路車(緊急/災害情報)送信範囲が比較的広いのは、火災、地震又は津波などの災害情報は、広範囲に伝達されるべきだからである。
【0128】
このように、路路間で伝達される緊急情報の送信範囲を、路路間で伝達される通常情報の送信範囲とは異ならせることで、緊急情報の適切な送信が可能となる。また、緊急情報の送信範囲を、緊急情報の種別(緊急車両情報/災害情報)に応じて異ならせることで、緊急情報の種別に応じた適切な送信が可能となる。
なお、緊急情報の種別は、L7ヘッダのデータ種別又はアプリケーションデータのデータ種別を参照することで判定できる。
【0129】
図21は、図20のような基地局間の送信範囲を設定するための通信トポロジーの例を示している。図21では、7つの路側通信機C,W2,W,N,S,E,E2間の通信トポロジーを示している。
【0130】
図21(a)は、路路間通信(通常情報の送信)のための通信トポロジーを示している。図21(a)において、路側通信機のID(C,W2,W,N,S,E,E2)に、括弧()が付されている路側通信機が、路路間通信データ(アプリケーションデータ)の送信元(生成元)である。また、図21(a)において、矢印の先頭(複数の矢印で接続されている場合は、最先端の矢印の先頭)の路側通信機が宛先である。
【0131】
すなわち、路側通信機W2が送信元である場合、路側通信機Wが路側通信機W2からの路路間通信データ(第2情報)の通信パケットを再送(転送)し、路側通信機Cが宛先となる。路側通信機Wが送信元である場合、路側通信機Cが宛先となる。
路側通信機Cが送信元である場合、路側通信機W,Eが宛先となるほか、路側通信機W,Eが路側通信機Cからの路路間通信データ(第2情報)の通信パケットを再送(転送)して、路側通信機W2,E2が宛先となる。また、路側通信機Cが送信元である場合、路側通信機N,Sも宛先となる。
路側通信機Eが送信元である場合、路側通信機Cが宛先となる。路側通信機E2が送信元である場合、路側通信機Eが路側通信機E2からの路路間通信データ(第2情報)の通信パケットを再送(転送)し、路側通信機Cが宛先となる。
路側通信機Nが送信元である場合、路側通信機Cが宛先となる。路側通信機Sが送信元である場合、路側通信機Cが宛先となる。
【0132】
図21(b)は、路車(緊急/緊急車両)のための通信トポロジーを示している。図21(b)において、路側通信機のID(C,W2,W,N,S,E,E2)に、括弧()が付されている路側通信機が、周辺の緊急車両から緊急情報(緊急車両情報)を取得すると、その緊急情報(緊急車両情報)を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを送信する。また、図21(b)において、各矢印の先頭の路側通信機は、緊急情報(緊急車両情報)を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを受信すると、その緊急情報(緊急車両情報)を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送する。
【0133】
すなわち、路側通信機W2が緊急車両から緊急車両情報を取得すると、路側通信機W2は、その緊急車両情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを送信する。その通信パケットを路側通信機Wが受信すると、路側通信機Wは、緊急情報(緊急車両情報)を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送する。
【0134】
路側通信機Wが緊急車両から緊急車両情報を取得すると、路側通信機Wは、その緊急車両情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを送信する。その通信パケットを路側通信機W2,Cが受信すると、路側通信機W2,Cは、緊急情報(緊急車両情報)を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送する。
【0135】
路側通信機Cが緊急車両から緊急車両情報を取得すると、路側通信機Cは、その緊急車両情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを送信する。その通信パケットを路側通信機W,Eが受信すると、路側通信機W,Eは、緊急情報(緊急車両情報)を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送する。
【0136】
路側通信機Eが緊急車両から緊急車両情報を取得すると、路側通信機Eは、その緊急車両情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを送信する。その通信パケットを路側通信機C,E2が受信すると、路側通信機C,E2は、緊急情報(緊急車両情報)を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送する。
【0137】
路側通信機E2が緊急車両から緊急車両情報を取得すると、路側通信機E2は、その緊急車両情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを送信する。その通信パケットを路側通信機Eが受信すると、路側通信機Eは、緊急情報(緊急車両情報)を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送する。
【0138】
路側通信機Nが緊急車両から緊急車両情報を取得すると、路側通信機Nは、その緊急車両情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを送信する。その通信パケットを路側通信機Cが受信すると、路側通信機Cは、緊急情報(緊急車両情報)を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送する。
【0139】
路側通信機Sが緊急車両から緊急車両情報を取得すると、路側通信機Sは、その緊急車両情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを送信する。その通信パケットを路側通信機Cが受信すると、路側通信機Cは、緊急情報(緊急車両情報)を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送する。
【0140】
図21(c)は、路車(緊急/災害情報)のための通信トポロジーを示している。図21(c)において、路側通信機のID(C,W2,W,N,S,E,E2)に、括弧()が付されている路側通信機が中央装置4から受信した災害情報又は自ら生成した災害情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを送信する。
図21(c)において、各矢印の先頭の路側通信機は、緊急情報(災害情報)を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを受信すると、その緊急情報(災害情報)を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送する。
【0141】
路側通信機のID(W2,E2,N,S)に”req[xx]”が付されている路側通信機が、緊急情報(災害情報)を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送する際には、その通信パケットのレイヤ7ヘッダの「移動局への再送要求」フィールドは、「1:要求あり」に設定され、レイヤ7ヘッダの「移動局の所要再送回数」フィールドには、xxに対応した値が設定される(例えば、xx=10であれば、「2:10回」に設定される)。
なお、図21(a)(b)も含めて、路側通信機のIDに”req[xx]”が付されていない路側通信機が、通信パケットを送信する際には、その通信パケットのレイヤ7ヘッダの「移動局への再送要求」フィールドは、「0:要求なし」に設定され、レイヤ7ヘッダの「移動局の所要再送回数」フィールドには、「0:0回」が設定される。
【0142】
図21(c)の通信トポロジーに従うと、路側通信機Cが、中央装置4から災害情報を受信、又は、自ら災害情報を生成、すると、路側通信機Cは、その災害情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを送信する。路側通信機Cが送信した通信パケットを路側通信機W,Eが受信すると、路側通信機W,Eは、災害情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送する。路側通信機W,Eが送信した通信パケットを路側通信機W2,E2が受信すると、路側通信機W2,E2は、災害情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送する。路側通信機W2,E2が送信する通信パケットの「移動局への再送」フィールドは「1:要求あり」に設定され、「移動局の所要再送回数」フィールドは「2:10回」に設定される。
【0143】
また、路側通信機Cが送信した通信パケットを路側通信機N,Sが受信すると、路側通信機N,Sは、災害情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送する。路側通信機N,S2が送信する通信パケットの「移動局への再送要求」フィールドは「1:要求あり」に設定され、「移動局の所要再送回数」フィールドは「2:10回」に設定される。
【0144】
この結果、図20の路車(緊急/災害)送信範囲で示すように、路側通信機W2,E2,N,Sから送信された通信パケットを受信した車載通信機3は、災害情報を含む車車間通信データ(第3情報)の通信パケットを再送する。災害情報を含む車車間通信データ(第3情報)の通信パケットを再送する車載通信機3は、再送する通信パケットのアプリケーションヘッダの「再送回数」フィールドの値をインクリメントする。したがって、最大で10回の再送が行われ、広い範囲に災害情報を報知することができ、路側通信機Cから遠く離れた路側通信機WW,EE,NN,SSも、災害情報を含む車車間通信データ(第3情報)の通信パケットを受信することができる。
またこのとき、アプリケーションヘッダの「インクリメントカウンタ」フィールドの値はインクリメントしない。こうすることで、災害情報を含む車車間通信データ(第3情報)の通信パケットを受信した車載通信機3が送信した車載通信機3から異なる(新規に)災害情報を受信したか過去に受信したそれと同一の災害情報を受信したのか判別ができる。
【0145】
図22は、図21の通信トポロジーを実現するために、各路側通信機W2,W,C,E,E2,N,Sの記憶部24に設定される設定情報を示している。
図22に示す設定情報においては、[ID]、[CONNECTEDTO]、[RR−GEN−DEST]、[RV−EMERGENCY−GEN]、[RV−DISASTER−GEN]の各項目が設けられている。
【0146】
[ID]は、路側通信機2のID(自局ID)を示す。
[CONNECTEDTO]は、自機(自局)2と直接通信できる他の路側通信機(基地局)2のIDである。
【0147】
[RR−GEN−DEST]は、図21(a)に示す路路間通信用の通信トポロジーのための設定値である。[RR−GEN−DEST]は、自機(自局)2が再送することを要する路路間通信データ(第2情報)の送信元(生成元)の路側通信機IDと宛先の路側通信機IDとを示すとともに、その路路間通信データの優先度を示す。優先度は括弧()付きの数字で示される。値が大きいほど優先度が高い。
【0148】
[RV−EMERGENCY−GEN]は、図21(b)に示す路車通信(緊急/緊急車両情報)のための通信トポロジーのための設定値である。[RV−EMERGENCY−GEN]は、自機(自局)2が路車間通信データとして送信(再送)することを要する緊急情報(緊急車両情報)の送信元(生成元)の路側通信機IDを示すとともに、その緊急情報の優先度を示す。優先度は括弧()付きの数字で示される。値が大きいほど優先度が高い。
【0149】
[RV−DISASTER−GEN]は、図21(c)に示す路車通信(緊急/災害情報)のための通信トポロジーのための設定値である。
[RV−DISASTER−GEN]は、自機(自局)2が路車間通信データとして送信(再送)することを要する緊急情報(災害情報)の送信元(生成元)の路側通信機IDを示すとともに、その緊急情報の優先度を示す。優先度は括弧()付きの数字で示される。値が大きいほど優先度が高い。
[RV−DISASTER−GEN]は、受信した路車間通信データの通信パケットの[データ種別]フィールドの値が[1:緊急(緊急車両)]である場合に参照される。
【0150】
[RV−DISASTER−GEN]の設定値において、路側通信機IDに付されることのある「req[xx]」は、路側通信機IDで示される送信元(生成元)から送信された災害情報を再送する際には、「移動局への再送要求」を「1:要求あり」に設定する必要があることを示し、xxは、所要再送回数を示す。
[RV−DISASTER−GEN]は、受信した路車間通信データの通信パケットの[データ種別]フィールドの値が[2:緊急(災害)]である場合に参照される。
【0151】
図22(a)は路側通信機W2の設定情報を示し、図22(b)は路側通信機Wの設定情報を示し、図22(c)は路側通信機Cの設定情報を示し、図22(d)は路側通信機Eの設定情報を示し、図22(e)は路側通信機E2の設定情報を示し、図22(f)は路側通信機Nの設定情報を示し、図22(g)は路側通信機Sの設定情報を示している。
図22(a)〜図22(g)に示す設定値は、図21に示す通信トポロジーに対応している。
【0152】
[3.4 路側通信機の再送処理]
【0153】
路側通信機2の再送処理は、アプリケーションAPにて行われる。
【0154】
路路間通信データ(第2情報)の通信パケットを受信した路側通信機2は、次のように再送処理(図18のステップS7−2)を行う。路側通信機2は、受信した通信パケットの送信元(生成元)を参照するとともに、自機(自局)2の[RR−GEN−DEST]の送信元(生成元)の設定値を参照し、両者が一致していれば、路路間通信データ(第2情報)の通信パケットを再送の対象とする。両者が不一致であれば再送の対象とはしない。
再送される通信パケットの宛先は、自機(自局)2の[RR−GEN−DEST]において通信パケットの送信元(生成元)と一致した送信元(生成元)に対応する宛先となる。
複数の路路間通信データを再送する必要がある場合、[RR−GEN−DEST]に示す優先度の高い宛先の通信パケットが優先して再送される。
【0155】
緊急車両情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを受信した路側通信機2は、次のように再送処理(図18のステップS4)を行う。路側通信機2は、受信した通信パケットの送信元(生成元)を参照するとともに、自機(自局)2の[RV−EMERGENCY−GEN]の送信元(生成元)の設定値を参照し、両者が一致していれば、緊急車両情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送の対象とする。両者が不一致であれば再送の対象としない。
複数の路車間通信データを再送する必要がある場合、[RV−EMERGENCY−GEN]に示す優先度の高い送信元(生成元)通信パケットが優先して再送される。
【0156】
災害情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを受信した路側通信機2は、次のように再送処理(図18のステップS4)を行う。路側通信機2は、受信した通信パケットの送信元(生成元)を参照するとともに、自機(自局)2の[RV−DISASTER−GEN]の送信元(生成元)の設定値を参照し、両者が一致していれば、災害情報を含む路車間通信データ(第1情報)の通信パケットを再送の対象とする。両者が不一致であれば再送の対象としない。
複数の路車間通信データを再送する必要がある場合、[RV−DISASTER−GEN]に示す優先度の高い送信元(生成元)通信パケットが優先して再送される。
【0157】
緊急情報を含む車車間通信データ(第3情報)の通信パケットを受信した路側通信機2は、次のように再送処理(図18のステップS10)を行う。
路側通信機2は、受信した通信パケットのアプリケーションヘッダ(又はレイヤ7ヘッダ)の「移動局の所要再送回数」フィールドの値と、アプリケーションヘッダの「再送回数」フィールドの値(有効性情報)を参照し、受信した車車間通信データ(緊急情報)の有効性を判定する。受信した車車間通信データ(緊急情報)に、路側通信機2が再送すべきと有効性が認められる場合には、受信した緊急情報及びデータ種別(識別情報)等を、路車間通信データ(第2情報)として再送する。
有効性が認められない場合には、再送は行われない。
【0158】
有効性の判定は、たとえば、「移動局の所要再送回数」フィールドの値が「10」であり、「再送回数」フィールドの値(有効性情報)の値が「4」であれば、比較的新しい有効な緊急情報であり、再送すべきと判定される。なお、路側通信機2が再送する路車間通信パケットの「移動局の所要再送回数」フィールドの値は、受信パケットの「移動局の所要再送回数」から同受信パケットの「再送回数」を減じた数の近似値とするのが好ましい。例えば、受信パケットの「移動局の所要再送回数」が「10」であり、同受信パケットの「再送回数」が「4」であれば、再送パケットにおける「移動局の所要再送回数」フィールドの値は、10−4=6の近似値である「1:5回」に設定することができる。
【0159】
[3.5 車載通信機の再送処理]
緊急情報を含むとともに再送要求ありに設定された車車間通信データ(第3情報)の通信パケットを受信した車載通信機3は、次のように再送処理(図19のステップS22)を行う。
車載通信機3は、受信した通信パケットのアプリケーションヘッダ(又はレイヤ7ヘッダ)の「移動局の所要再送回数」フィールドの値と、アプリケーションヘッダの「再送回数」フィールドの値(有効性情報)を参照し、受信した車車間通信データ(緊急情報)の有効性を判定する。受信した車車間通信データ(緊急情報)に、車載通信機3が再送すべきと有効性が認められる場合には、受信した緊急情報及びデータ種別(識別情報)等を、車車間通信データ(第3情報)として再送する。再送の際には、アプリケーションヘッダの「再送回数」フィールドには、受信した緊急情報の同フィールドの値に1インクリメントした値を格納して送信する。
有効性が認められない場合には、再送は行われない。
【0160】
本発明に関して、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0161】
1 交通信号機
2 路側通信機(基地局)
2A 第1路側通信機(第1基地局)
2b 第2路側通信機(第2基地局)
3 車載通信機(移動局)
4 中央装置
5 車両
6 路側センサ
7 有線通信回線
21 無線通信部
22 有線通信部
23 制御部
24 記憶部
25 通信処理装置
31 無線通信部(受信部)
33 制御部
34 記憶部
35 通信処理部
AP アプリケーション(アプリケーション装置;再送処理部)
L7 レイヤ7(破棄部)
SEC セキュリティ管理
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