(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0013】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0014】
[実施の形態]
(表示装置)
実施の形態に係る表示装置50は、
図1に示すように、表示部10と、表示部10に接続され、半導体集積回路26
1・26
2を実装したCOF基板14
1・14
2と、COF基板14
1・14
2に接続され、各種のディスクリート部品を実装するPCB基板16とを備える。表示部10は、例えば、LCDパネルで構成可能である。
【0015】
半導体集積回路26
1・26
2は、COF基板14
1・14
2上に搭載されて、実施の形態に係る半導体集積回路装置を構成する。
【0016】
実施の形態に係る半導体集積回路装置は、COF基板14(14
1、14
2)と、COF基板14(14
1、14
2)上に実装され、低電圧で動作する低電圧回路部と、低電圧より高い高電圧で動作する高電圧回路部とをワンチップ化した半導体集積回路26(26
1、26
2)と、COF基板14と半導体集積回路26とを封止する樹脂層とを備える。なお、半導体集積回路装置の詳細な構造については後述する。
【0017】
実施の形態に係る半導体集積回路装置は、高電圧回路部において大電流導通能力を有する複数のパワー半導体デバイスが発生する熱を低熱抵抗インピーダンスで外部基板(PCB基板16等)へ有効に放熱可能であるため、COF構造に実装可能である。
【0018】
(比較例)
液晶駆動モジュールでは、電源回路やLEDドライバ回路に、例えば、2重拡散型絶縁ゲート電界効果トランジスタ(DMOS:Double-Diffused Meta-Oxide Semiconductor)構造のパワー半導体デバイスが用いられ、液晶表示装置の駆動に伴って、このパワー半導体デバイスが発熱するため放熱対策が必要である。
【0019】
特に、COF構造の液晶駆動モジュールでは、半導体集積回路の集積度が高まっているため、発熱量が増加する傾向にあり、効率的な放熱が必要となる。
【0020】
ところが、COF構造では、ヒートシンク等の放熱器具を取り付けることができないため、他の放熱対策を用いる必要がある。
【0021】
比較例に係る表示装置50aは、
図2に示すように、表示部11と、表示部11に接続され、ソースドライバ24を実装したCOF基板15と、COF基板15に接続され、各種のディスクリート部品と、LEDドライバ18と、パワーマネージメントIC20と、タイミングコントローラ22とを実装するPCB基板17とを備える。
【0022】
ここで、比較例に係る表示装置50aを駆動する際には、ソースドライバ24およびPCB基板17に実装された各電子部品から熱を生じる。
【0023】
COF基板15に実装された3パッケージのソースドライバ24からは、例えば、約400mWに相当する熱が発生し、PCB基板17に実装されたLEDドライバ18からは約500mW、パワーマネージメントIC20からは約50mW、タイミングコントローラ22からは約50mWに相当する熱が発生する。このような熱は、表示装置50aの画像を乱すなどの影響を与える。そのため、比較例に係る表示装置50aでは、PCB基板17に実装するLEDドライバ18、パワーマネージメントIC20およびタイミングコントローラ22について、ヒートシンク付きパッケージや裏メタルパッケージとする放熱対策が採られている。
【0024】
一方、COF基板15では、ソースドライバ24をCOF用のフィルム上に実装するため、ヒートシンク付きパッケージや裏メタルパッケージとするなどの放熱対策を採ることができず、素子温度が上昇する傾向となる。
【0025】
一方、セットコストの低減化、部品総数の削減化、実装の容易化などの観点から、ソースドライバ24、LEDドライバ18、パワーマネージメントIC20およびタイミングコントローラ22などを1チップ化してCOF基板15に実装することが期待されるが、各素子からの発熱が1チップに集中し、発熱量は、例えば、約990mWに達してしまう。
【0026】
比較例1に係る半導体集積回路装置60aにおいて、COF基板14a上に半導体集積回路26aを配置し、かつ半導体集積回路26aの周辺部にバンプ30を配置した模式的平面パターン構成例は、
図3に示すように表される。
【0027】
比較例1に係る半導体集積回路装置60aにおいて、バンプ30は、COF基板14a上に実装された半導体集積回路26aに対する配線を容易にするために、チップの周辺に配置されている。PL1・PL2・PL3は、パワーライン用のCOF配線例を示す。バンプ30は、半導体集積回路26aのチップの周辺に配置されているため、半導体集積回路26aにおいて発生された熱の放散経路Tは、
図3に示すように、バンプ30と半導体集積回路26aとの間の距離に依存している。
【0028】
比較例1に係る半導体集積回路装置60aにおいては、発熱領域である半導体集積回路26aとバンプ30との間に距離があるため、バンプ30からCOF配線PL1・PL2・PL3へと放散される熱量が少ない。多くの熱は、バンプ形成領域27の内側のCOF基板14内を流れてしまうため、温度上昇を引き起こす。
【0029】
また、比較例2に係る半導体集積回路装置60aにおいて、COF基板14a上に半導体集積回路26aを配置し、かつCOF基板14aの裏面上に複数のバンプ30を配置した模式的平面パターン構成例は、
図4に示すように表される。
【0030】
比較例2に係る半導体集積回路装置60aにおいては、COF基板14aの裏面に多数のバンプ30を配置して、半導体集積回路26aからの放熱を実施している。
【0031】
比較例2に係る半導体集積回路装置60aにおいては、バンプ形成領域27の内側の中央部のCOF基板14にも多数のバンプ30を形成しているため、半導体集積回路26aの発熱源とCOF配線が重なる箇所では、効率的に熱が伝導する可能性がある。すなわち、中央部のCOF基板14に設けられたバンプ30には、電源配線・接地用配線・サブストレート用配線などのCOF配線が接続される場合があり、半導体集積回路装置60a内のパワー半導体デバイスのドレイン・ソース・サブストレートの各端子にそれぞれ接続される場合には、効率的に熱が伝導する。しかしながら、パワー半導体デバイスの各端子に接続されないCOF配線では、放熱が困難となる。さらに、半導体集積回路26aの発熱源とCOF配線が重ならない箇所では、比較例1と同様に、熱は、バンプ形成領域27の内側のCOF基板14内を流れてしまうため温度上昇を引き起こす。
【0032】
(PCB基板)
実施の形態に係る表示装置50において、PCB基板16上に実装されるインダクタンス、ダイオード、キャパシタ、抵抗、EEPROMなどの各素子の模式的平面パターン構成は、
図5に示すように表される。
図5においては、インダクタンス・ダイオード・キャパシタ・抵抗・EEPROMの各ブロックを16
1・16
2・16
3・16
4・16
5で表している。このように、実施の形態に係る表示装置50においては、PCB基板16は、ディスクリート部品のみを搭載するため、比較例(
図2)のPCB基板17に比べて、小型化可能である。具体的には、例えば、インダクタンスは4個、ダイオードは6個、キャパシタは60個、抵抗は20個、EEPROMは2個配置可能である。
【0033】
(パワー半導体デバイス)
実施の形態に係る表示装置50において、PCB基板16上に配置されるインダクタンスL、ダイオードD、キャパシタCからなる回路と半導体集積回路26上に配置されるDMOSFETとの接続回路例は、
図6に示すように表される。
【0034】
半導体集積回路26上に配置されるDMOSFETにおいて、発熱に関係する電流は、ドレイン・ソース間の導通電流I
DSと、ドレインとサブストレート間の寄生容量C
pを介して導通する容量性電流である。このため、高電圧回路部80上に配置されるDMOSFETにおいては、ドレイン・ソース・サブストレートに熱源が存在し、回路構成上は、ドレイン端子電極DT、ソース端子電極STおよびサブストレート端子電極SBTに発熱源が存在していることになる。
【0035】
実施の形態に係る表示装置50を駆動する半導体集積回路装置60に適用可能なパワー半導体デバイス34部分の模式的断面構造の一例は、
図7に示すように表される。
【0036】
実施の形態に係る表示装置50を駆動する半導体集積回路装置60に適用可能なDMOSFET34は、
図7に示すように、n
+基板100上にpウェル拡散によって形成されたpウェル領域102と、pウェル領域102にp型拡散によって形成されたp型ベース領域110と、p型ベース領域110内にn
+拡散によって形成されたn
+ソース領域106と、pウェル領域102にn
+拡散によって形成されたn
+ドレイン領域108と、n
+ソース領域106・n
+ドレイン領域108間のpウェル領域102上に配置されたゲート絶縁膜114と、ゲート絶縁膜114上に配置されたゲート電極112とを備える。
【0037】
ここで、DMOSFET34は、
図7に示すように、pウェル領域102にn
+拡散によって形成されたガードリング領域(GR)104を備え、DMOSFETは、ガードリング領域(GR)104によって囲まれている。
【0038】
n
+ソース領域106にはソース端子S、n
+ドレイン領域108にはドレイン端子D、ゲート電極112にはゲート端子Gが接続される。一方、n
+基板100には、サブストレート端子subが接続される。n
+基板100には、n
+拡散によって形成されたガードリング領域(GR)104が接続されるため、ガードリング領域(GR)104は、n
+基板100と同電位になる。従って、ガードリング領域(GR)104に対してデバイス表面側から電極を形成することによって、サブストレート端子電極SBTと同電位とすることができる(
図6)。同様に、ソース端子Sは、ソース端子電極ST、ドレイン端子Dは、ドレイン端子電極DTと同電位となる(
図6)。
【0039】
実施の形態に係る半導体集積回路装置60では、パワー半導体デバイスを搭載する半導体集積回路26をCOF基板14上に実装するため、n
+基板100側から放熱を実施することができないが、パワー半導体デバイスのガードリング領域(GR)104にサブストレート端子電極SBTを接続させているため、ソース端子電極ST、ドレイン端子電極DTに加えて、サブストレート端子電極SBTからも放熱を実施可能である。すなわち、ソース端子電極ST・ドレイン端子電極DT・サブストレート端子電極SBT上にそれぞれマイクロバンプ30を配置し、マイクロバンプ30に接続されたCOF配線を介して外部に放熱することができる。このような構成は、パワー半導体デバイスを構成可能なnMOSFET、pMOSFET、CMOSFETにおいても同様である。
【0040】
実施の形態に係る半導体集積回路装置60に適用可能なnチャネルMOSFETの接続回路例は、
図8に示すように表され、pチャネルMOSFETの接続回路例は、
図9に示すように表され、CMOSFETの接続回路例は、
図10に示すように表される。
【0041】
nMOSFETのドレイン端子電極DT・サブストレート端子電極SBT間には、
図8に示すように、ドレイン基板間寄生容量C
pnが形成されている。
【0042】
pMOSFETのドレイン端子電極DT・サブストレート端子電極SBT間には、
図9に示すように、ドレイン基板間寄生容量C
ppが形成されている。
【0043】
CMOSFETのドレイン端子電極DT・サブストレート端子電極SBT間には、
図10に示すように、ドレイン基板間寄生容量C
pn,C
ppが形成されている。
【0044】
実施の形態に係る表示装置50を駆動する半導体集積回路装置60に適用可能なCMOSFET34は、
図11に示すように、n
+基板100上にpウェル拡散によって形成されたpウェル領域102と、pウェル領域102にnウェル拡散によって形成されたnウェル領域116と、nウェル領域116内のp
+拡散によって形成されたp
+ソース領域118・p
+ドレイン領域120と、pウェル領域102にn
+拡散によって形成されたn
+ソース領域106・n
+ドレイン領域108と、n
+ソース領域106・n
+ドレイン領域108間のpウェル領域102上に配置されたゲート絶縁膜114と、ゲート絶縁膜114上に配置されたゲート電極112と、p
+ソース領域118・p
+ドレイン領域120間のnウェル領域116上に配置されたゲート絶縁膜124と、ゲート絶縁膜124上に配置され、ゲート電極112と共通接続されたゲート電極122とを備える。
【0045】
ここで、パワー半導体デバイス34は、
図11に示すように、pウェル領域102にn
+拡散によって形成されたガードリング領域(GR)104を備え、CMOSFETは、ガードリング領域(GR)104によって囲まれている。
【0046】
n
+ソース領域106にはソース端子S、n
+ドレイン領域108・p
+ドレイン領域120には出力端子Vout、ゲート電極112・ゲート電極122には入力端子Vin、p
+ソース領域118には電源端子Vssが接続されている。一方、n
+基板100には、サブストレート端子subが接続される。n
+基板100には、n
+拡散によって形成されたガードリング領域(GR)104が接続されるため、ガードリング領域(GR)104は、n
+基板100と同電位になる。従って、ガードリング領域(GR)104に対してデバイス表面側から電極を取ることによって、サブストレート端子電極SBTと同電位とすることができる(
図10)。
【0047】
(半導体集積回路装置)
実施の形態に係る半導体集積回路装置60において、COF基板14上に半導体集積回路26を配置した模式的平面パターン構成は、
図12に示すように表される。
【0048】
また、COF基板14上に高電圧回路部80と低電圧回路部70を集積化配置した実施の形態に係る半導体集積回路装置60の模式的平面パターン構成は、
図13に示すように表され、
図13のI−I線に沿う模式的断面構造は、
図14に示すように表される。
【0049】
実施の形態に係る半導体集積回路装置60においては、
図12に示すように、半導体集積回路26のワンチップ上にソースドライバ24A・24B、タイミングコントローラ28、LEDドライバ18、パワーマネージメントIC20A・20Bを搭載する。
【0050】
パワーマネージメントIC20A・20BおよびLEDドライバ18上には、発熱源となるパワー半導体デバイスとして、例えば、DMOSFETが内蔵されており、この発生熱をCOF配線(SPL(ソースパワーライン)、DPL(ドレインパワーライン)、GRL(ガードリングパワーライン))を用いて放散させるレイアウトを実施している。
【0051】
DMOSFETは、例えば、DC/DCコンバータ、LDO(Low Drop Out)、チャージポンプ回路、スイッチングレギュレータなどで用いられる。DMOSFET内で発熱を引き起こす電流経路は、
図6および
図7を参照して説明したように、DMOSFETのドレイン・ソース間のオン電流導通経路およびドレイン・バックゲート(サブストレート)間の寄生容量C
pを介した容量性電流導通経路である。
【0052】
すなわち、ドレイン端子電極DT・ソース端子電極ST・サブストレート端子電極SBTの3点に発熱を引き起こす経路が集中している。
【0053】
このため、ドレイン端子電極DT・ソース端子電極ST・サブストレート端子電極SBTに接続されるドレイン領域108・ソース領域106・ガードリング領域104の実レイアウト上に意図的にそれぞれ複数のドレインバンプ30D・ソースバンプ30S・ガードリングバンプ30SBを配置すると放熱性が良好になる。
【0054】
すなわち、上記のようにそれぞれ複数のドレインバンプ30D・ソースバンプ30S・ガードリングバンプ30SBを配置することによって、ドレインバンプ30D・ソースバンプ30S・ガードリングバンプ30SBにそれぞれ接続されるドレインパワーラインDPL・ソースパワーラインSPL・ガードリングパワーラインGRLから低熱抵抗(低熱インピーダンス)で熱を放散させることができる。
【0055】
ドレインパワーラインDPL・ソースパワーラインSPL・ガードリングパワーラインGRLは、COF基板14上に形成されたCOF配線パターン(銅箔パターン12)によって形成される(
図14参照)。
【0056】
ドレインパワーラインDPL・ソースパワーラインSPL・ガードリングパワーラインGRLは、PCB基板16(
図1)上に配置されるインダクタンス・ダイオード・キャパシタ・抵抗・EEPROMなどからなる回路に接続される。
【0057】
このように、COF配線パターンで形成されるドレインパワーラインDPL・ソースパワーラインSPL・ガードリングパワーラインGRLを通じて大電流とそれに伴う発熱をPCB基板16側に放散させる構成を実現することができる(
図12参照)。
【0058】
なお、ドレインバンプ30D・ソースバンプ30S・ガードリングバンプ30SBは、例えば、熱伝導率がCOF配線パターンを構成する銅(Cuの熱伝導率は約398W/m・k)よりも小さい金(Auの熱伝導率は約320W/m・k)で形成される。
【0059】
これにより、DMOSFETで発生した熱は、金で形成されたドレインバンプ30D・ソースバンプ30S・ガードリングバンプ30SBに伝導された後、相対的により熱伝導率が高い銅で形成されたCOF配線(ソースパワーラインSPL、ドレインパワーラインDPL、ガードリングパワーラインGRL)に伝導されて、COF基板14の外部(例えば、
図1に示すPCB基板16)へ容易に放熱可能である。
【0060】
実施の形態に係る半導体集積回路装置60は、
図13および
図14に示すように、COF基板14と、COF基板14上に実装され、低電圧で動作する低電圧回路部70と、低電圧より高い高電圧で動作する高電圧回路部80とをワンチップ化した半導体集積回路26と、COF基板14と半導体集積回路26とを封止する樹脂層25とを備える。
【0061】
また、実施の形態に係る半導体集積回路装置60において、半導体集積回路26は、
図14に示すように、COF基板14上にフリップチップに配置される。
【0062】
また、実施の形態に係る半導体集積回路装置60において、高電圧回路部80は、
図13および
図14に示すように、パワー半導体デバイス34を備える。
【0063】
ここで、パワー半導体デバイス34の各端子電極上には、電気的接続と放熱経路を兼ねるマイクロバンプ30が配置される。また、パワー半導体デバイス34の各端子電極は、ドレイン端子電極DT、ソース端子電極STおよびサブストレート端子電極SBTを備える。
【0064】
マイクロバンプ30は、それぞれドレイン端子電極DTに接続されるドレインバンプ30D、ソース端子電極STに接続されるソースバンプ30Sおよびサブストレート端子電極SBTに接続されるガードリングバンプ30SBを備える。
【0065】
また、実施の形態に係る半導体集積回路装置60は、
図13および
図14に示すように、COF基板14上に配置されたCOF配線12(12S・12D・12SUB)を備え、ドレインパワーラインDPL・ソースパワーラインSPL・ガードリングパワーラインGRLは、COF配線12S・12D・12SUBにより形成される。
【0066】
COF配線12(12S・12D・12SUB)は、COF基板14上に配置された導体パターンにより形成される。この導体パターンは、例えば、銅箔パターンにより形成される。
【0067】
また、実施の形態に係る半導体集積回路装置60において、COF基板14上に配置される高電圧回路部(HVIC)80内のDMOSFETの周辺ガードリングGRを含む模式的平面パターン構成例であって、ソース領域(S)106・ドレイン領域(D)108・ガードリング領域(GR)104上にソースバンプ30S・ドレインバンプ30D・ガードリングバンプ30SBを配置した例は、
図15に示すように表され、
図15のII−II線に沿う模式的断面構造は、
図16に示すように表される。
【0068】
実施の形態に係る半導体集積回路装置60に適用可能なDMOSFET34は、
図15および
図16に示すように、n
+基板100上にpウェル拡散によって形成されたpウェル領域102と、pウェル領域102にp型拡散によって形成されたp型ベース領域110と、p型ベース領域110内にn
+拡散によって形成されたn
+ソース領域106と、pウェル領域102にn
+拡散によって形成されたn
+ドレイン領域108と、n
+ソース領域106・n
+ドレイン領域108間のpウェル領域102上に配置されたゲート絶縁膜114と、ゲート絶縁膜114上に配置されたゲート電極112とを備える。
【0069】
ここで、パワー半導体デバイス34は、
図11に示すように、pウェル領域102にn
+拡散によって形成されたガードリング領域(GR)104を備え、DMOSFETは、ガードリング領域(GR)104によって囲まれている。なお、pウェル領域102などの表面は、
図16に示すように、層間絶縁膜44によって被覆されている。
【0070】
すなわち、パワー半導体デバイス34は、
図15および
図16に示すように、周辺部を囲繞し、サブストレート端子電極SBTに接続されるガードリング領域104を備え、ガードリングバンプ30SBは、ガードリング領域104上に配置される。
【0071】
また、パワー半導体デバイス34は、
図15および
図16に示すように、n
+ソース領域106・n
+ドレイン領域108上に配置されたソースバンプ30S・ドレインバンプ30Dを備える。
【0072】
また、パワー半導体デバイス34は、
図15および
図16に示すように、ドレインバンプ30Dに接続されるドレインパワーラインDPLと、ソースバンプ30Sに接続されるソースパワーラインSPLと、ガードリングバンプ30SBに接続されるガードリングパワーラインGRLとを備える。
【0073】
また、パワー半導体デバイス34は、MOSトランジスタ、DMOSトランジスタ、若しくはCMOSトランジスタのいずれかで構成可能である。
【0074】
図15に示すように、ソース領域106には、ソースバンプ30Sを介してソースパワーラインSPL、ドレイン領域108には、ドレインバンプ30Dを介してドレインパワーラインDPL、ガードリング領域104には、30SBを介してガードリングパワーラインGRLがそれぞれ接続されている。
【0075】
また、ドレインパワーラインDPL、ソースパワーラインSPLおよびガードリングパワーラインGRLは、
図15に示すように、パワー半導体デバイス34のガードリング領域(GR)104より外側に向けて延設され、電気的接続と放熱経路を兼ねている。
【0076】
また、ドレインパワーラインDPL、ソースパワーラインSPLおよびガードリングパワーラインGRLは、それぞれ、ドレインバンプ30D、ソースバンプ30Sおよびガードリングバンプ30SBから離れるに従って幅が広くなるように構成されていても良い。すなわち、ドレインパワーラインDPL、ソースパワーラインSPLおよびガードリングパワーラインGRLは、例えば、扇型形状、撥型形状、逆台形型形状、逆テーパー形状に形成されていても良い。このような形状に形成することによって、大電流および発生した熱を効率的に伝導することができる。
【0077】
また、ドレインパワーラインDPL、ソースパワーラインSPLおよびガードリングパワーラインGRLを構成する材料の熱伝導率は、ドレインバンプ30D、ソースバンプ30Sおよびガードリングバンプ30SBを構成する材料の熱伝導率より高いことが望ましい。ドレインバンプ30D、ソースバンプ30Sおよびガードリングバンプ30SBから熱を有効にドレインパワーラインDPL、ソースパワーラインSPLおよびガードリングパワーラインGRLを伝導させるためである。
【0078】
例えば、ドレインパワーラインDPL、ソースパワーラインSPLおよびガードリングパワーラインGRLを構成する材料としては銅(Cu)、ドレインバンプ30D、ソースバンプ30Sおよびガードリングバンプ30SBを構成する材料としては金(Au)を適用することができる。
【0079】
また、ソースバンプ30S、ドレインバンプ30Dは、それぞれ、ソース領域106、ドレイン領域108の上に複数個(
図15に示す例では2個ずつ)配置されていても良い。また、ガードリングバンプ30SBは、ガードリング領域104の上に複数個配置されていても良い。
【0080】
なお、各マイクロバンプ(BMP)30(30S、30D、30SB)は、フォトマスク等を用いたリソグラフィー技術などを用いて形成することができる。
【0081】
実施の形態に係る半導体集積回路装置60において、COF基板14上に配置される高電圧回路部(HVIC)80内のDMOSFETのドレイン領域(D)108・ソース領域(S)106間で発生した熱は、ドレインバンプ30D・ソースバンプ30SからCOF配線で形成されたドレインパワーラインDPL・ソースパワーラインSPLへと伝導される。すなわち、ドレインバンプ30D・ソースバンプ30Sが金(Au)で形成され、ドレインパワーラインDPL・ソースパワーラインSPLが銅(Cu)で形成される場合には、相対的に熱伝導率の低いドレインバンプ30D・ソースバンプ30Sから、相対的に熱伝導率の高いドレインパワーラインDPL・ソースパワーラインSPLへと効率的に熱の伝導が行われる。ここで、Auの熱伝導率は、例えば、約320(W/m・K)、Cuの熱伝導率は、例えば、約398(W/m・K)であるため、Auで形成されドレインバンプ30D・ソースバンプ30Sから、Cuで形成されるドレインパワーラインDPL・ソースパワーラインSPLへと効率的に熱の伝導が行われる。
【0082】
実施の形態に係る半導体集積回路装置60において、COF基板14上に配置される高電圧回路部(HVIC)80内のDMOSFETのドレイン領域(D)108・ソース領域(S)106間で発生した熱の一部は、高電圧回路部(HVIC)80内部を伝導されるが、DMOSFETの周辺部のガードリング領域(GR)104上にガードリングバンプ30SBを配置したことによって、ガードリングバンプ30SBに接続されるガードリングパワーラインGRLから低熱抵抗インピーダンスで熱を放散させることができる。ここで、シリコン(Si)の熱伝導率は、Cuの約40%であり、例えば、約168(W/m・K)であるため、高電圧回路部(HVIC)80内部を伝導される熱をガードリングバンプ30SBに接続されるガードリングパワーラインGRLから低熱抵抗インピーダンスで熱を放散させることができる。
【0083】
実施の形態に係る半導体集積回路装置60においては、ドレイン領域(D)108・ソース領域(S)106間で発生した熱は、ドレインバンプ30D・ソースバンプ30S・ガードリングバンプ30SBからドレインパワーラインDPL・ソースパワーラインSPL・ガードリングパワーラインGRLを介して外部に効率的に放散可能であり、半導体集積回路26内の他の部分への熱伝導を実質的に低減化することができるため、半導体集積回路装置60の温度上昇を抑制することができる。
【0084】
尚、上記の説明では、DMOSFETの例を記載したが、DMOSFETに限定されるのもではなく、nチャネルMOSFET、pチャネルMOSFET、CMOSFETであっても良い。
【0085】
また、高電圧回路部(HVIC)80に搭載される高電圧集積回路としては、例えば、パワーマネージメントICやLEDドライバなどがある。ここで、パワーマネージメントICには、例えば、DC/DCコンバータ、LDO(Low Drop Out)、チャージポンプ回路などが適用される。
【0086】
また、実施の形態に係る半導体集積回路装置60において、COF基板14上に配置される高電圧回路部(HVIC)80内のDMOSFETの周辺ガードリングGRを含む別の模式的平面パターン構成例であって、ソースパッド電極SP・ゲートパッド電極GP・ドレインパッド電極DPを繰り返し配置して1個のDMOSFETを構成した例は、
図17(a)に示すように表され、
図17(a)に対応するDMOSFETの回路素子表現は、
図17(b)に示すように表される。
【0087】
図17(a)に示すように、ソースパッド電極SPには、ソースパワーラインSPL、ドレインパッド電極DPには、ドレインパワーラインDPL、ガードリングGRには、ガードリングパワーラインGRLがそれぞれ接続される。
【0088】
なお、ソースパワーラインSPL、ドレインパワーラインDPLおよびガードリングパワーラインGRLは、接続端子から離れるに従って幅が広くなる。これにより、大電流および発生した熱を効率的に伝導することができる。
【0089】
また、マイクロバンプ(BMP)30S、30Dは、それぞれ、ソースパッド電極SP、ドレインパッド電極DP上に複数個(
図17(a)に示す例では2個ずつ)配置される。また、マイクロバンプ(BMP)30SBは、ガードリングGRの上に複数個配置される。
【0090】
また、実施の形態に係る半導体集積回路装置60において、COF基板14上に配置される高電圧回路部(HVIC)80内のDMOSFETの周辺ガードリングGRを含む模式的断面構造例であって、ソースパッド電極SP・ドレインパッド電極DP・ガードリングパッド電極GRP上にソースバンプ30S・ドレインバンプ30D・ガードリングバンプ30SBを配置した例は、
図18に示すように表される。ソースパッド電極SP・ドレインパッド電極DP・ガードリングパッド電極GRP上には、
図18に示すように、それぞれ複数個のソースバンプ30S・ドレインバンプ30D・ガードリングバンプ30SBを配置可能である。なお、pウェル領域102などの表面は、
図18に示すように、層間絶縁膜44によって被覆されている。
【0091】
さらに、実施の形態に係る半導体集積回路装置60において、ガードリング付き単位DMOSFET341・342・342…を複数個配置して構成したDMOSFET34の模式的平面パターン構成は、
図19に示すように表される。実施の形態に係る半導体集積回路装置60においては、
図19に示すように、高電圧回路部(HVIC)80内のDMOSFETをガードリング付き単位DMOSFET341・342・342…を複数個配置し、それぞれ並列接続して構成しても良い。
【0092】
また、実施の形態に係る半導体集積回路装置60において、ガードリング付きDMOSFETの別の模式的平面パターン構成は、
図20(a)に示すように表され、
図20(a)のIII―III線に沿う模式的断面構造は、
図20(b)に示すように表される。さらに、
図20(b)のIV−IV線に沿う模式的断面構造は、
図21(a)に示すように表され、
図20(b)のV−V線に沿う模式的断面構造は、
図21(b)に示すように表される。
【0093】
実施の形態に係る半導体集積回路装置60に適用可能なガードリング付きDMOSFETは、
図20(a)および
図20(b)に示すように、ガードリングパッド電極GRP上に、ガードリングバンプ30SBが配置され、ソースパッド電極SP上に、ソースバンプ30Sが配置され、ドレインパッド電極DP上に、ドレインバンプ30Dが配置されている。また、
図21(a)および
図21(b)に示すように、ソースパッド電極SPの上には、ソースバンプ30Sが複数個配置され、ドレインパッド電極DPの上には、ドレインバンプ30Dが複数個配置されている。
【0094】
また、実施の形態に係る半導体集積回路装置60において、COF基板14上に半導体集積回路(スレーブチップ)26
2を実装した表面写真例は、
図22(a)に示すように表され、
図22(a)の半導体集積回路(スレーブチップ)26
1の模式的平面ブロック構成は、
図22(b)に示すように表される。
【0095】
実施の形態に係る半導体集積回路装置60においては、半導体集積回路26
2・26
1部分は、
図22(a)・
図22(b)に示すように、フィルム形状のCOF構造に実装されている。
図22(a)および
図22(b)に示されたCOF基板14の実装寸法は、約1.3mm×23.0mmである。尚、このようなフィルム形状のCOF基板14は、フレキシブルであるため、接続される表示部10の裏側に折り曲げて配置可能である。
【0096】
半導体集積回路(スレーブチップ)26
2内には、
図22(b)に示すように、例えば、レベルシフタ(L/S)6、タイミングコントローラ(TCON)1a、低電圧作動シグナリング(LVDS)8a、DC/DCコンバータ4
1、4
2、4
3、電圧制御IC(VCON)3、LDOレギュレータ2およびソースドライバ(S/D)7aが搭載されている。なお、DC/DCコンバータ4
1、4
2は、それぞれ、+5V、−5V用であり、ソースドライバ(S/D)7aの上側電源、下側電源に用いられる。また、DC/DCコンバータ4
3は、+25V用であり、ゲートドライバの上側電源に用いられる。
【0097】
また、実施の形態に係る半導体集積回路装置60において、COF基板14上に半導体集積回路(マスターチップ)26
1を実装した表面写真例は、
図23(a)に示すように表され、
図23(a)の半導体集積回路(マスターチップ)26
1の模式的平面ブロック構成は、
図23(b)に示すように表される。
【0098】
半導体集積回路(マスターチップ)26
1内には、
図23(b)に示すように、例えば、LEDドライバ5、タイミングコントローラ(TCON)1b、低電圧作動シグナリング(LVDS)8b、DC/DCコンバータ4
4、ソースドライバ(S/D)7bおよび4chカレントシンク9が搭載されている。
【0099】
実施の形態に係る半導体集積回路装置60において得られた半導体集積回路(スレーブチップ)26
2の温度上昇は、動作時において、約50℃程度であり、半導体集積回路(マスターチップ)26
1の温度上昇は、動作時において、約52℃程度である。
【0100】
従って、実施の形態によれば、高電圧回路部から効率的に放熱可能のため、COF構造の半導体集積回路装置60を提供可能である。
【0101】
実施の形態に係る半導体集積回路装置60において使用される波形例であって、入力電圧波形VIN、+5Vを生成する波形V
1、−5Vを生成する波形V
2、−10Vを生成する波形V
3は、それぞれ
図24に示すように表される。
【0102】
また、実施の形態に係る半導体集積回路装置60において、COF基板14上に実装した別の半導体集積回路26の模式的平面ブロック構成は、
図25に示すように表される。
【0103】
図25に示す例では、COF基板14に実装された半導体集積回路26には、LEDドライバ5、低電圧作動シグナリング(LVDS)8、レベルシフタ(L/S)6、タイミングコントローラ(TCON)1、LDOレギュレータ2、DC/DCコンバータ41、42、電圧コンパレータ(VCOM)31、チャージポンプ(PUMP)32、ソースドライバ(S/D)7が搭載されている。
【0104】
DC/DCコンバータ41は、+10V用であり、ソースドライバの上側電源(AVDD)に用いられる。DC/DCコンバータ42は、+25V用であり、ゲートドライバの上側電源(VGH)に用いられる。チャージポンプ(PUMP)32は、ゲートドライバの下側電源(VGL)に用いられる。
【0105】
なお、
図22、
図23および
図25に示されたCOF基板14上に実装した半導体集積回路26の構成は、これらに限定されるものではなく、表示部10の構成や用途に応じて適宜変更可能である。
【0106】
(LEDアレイ)
実施の形態に係る表示装置50において、LEDドライバ5によって駆動される4チャンネル×8個直列LEDアレイ部分の回路構成例は、
図26に示すように表される。
図26に示す例では、アノードラインALとカソードラインKLとの間に、8個のLED(D1、D2、…、D8)を直列接続した4チャンネルのLEDアレイが接続されている。この各LEDアレイは、例えば、約30V〜40V程度の駆動電圧を供給可能なLEDドライバ5によって駆動され、実施の形態に係る表示装置50のバックライトとして機能する。
【0107】
(表示部に配置されるTFTアレイ)
実施の形態に係る表示装置50において、表示部10に配置されるTFTアレイセル部分の回路構成例は、
図27(a)に示すように表され、別のTFTアレイセル部分の回路構成例は、
図27(b)に示すように表される。
【0108】
図27(a)に示すように、TFTアレイセル部分は、ソースラインS1、S2、…と、ゲートラインG1、G2、…に接続されるトランジスタQ1、Q2、…を備える。
【0109】
ソースドライバ(S/D)7およびゲートドライバによりトランジスタQ1、Q2、…のソースラインS1、S2…と、ゲートラインG1、G2…が駆動され、各トランジスタが選択される。
【0110】
図27(b)に示す例では、1つのセル(CELL)には、2個のトランジスタQ1、Q2が配置され、それぞれソースドライバ(S/D)7およびゲートドライバにより各セルのソースラインS1、S2…と、ゲートラインG1、G2…が駆動される。各セルは、RGBの各セルを構成する。表示部10を高解像度に構成する場合には、例えば、ソースラインS1、S2…の本数=1366RGB×(1/2)×(1/2)=1026本、ゲートラインG1、G2、…の本数=768本であり、表示部10には、1366RGB×768のTFTが配置可能である。
【0111】
(電子機器)
実施の形態に係る半導体集積回路装置60は、さまざまな電子機器に適用可能である。すなわち、実施の形態に係る半導体集積回路装置60を適用することによって、さまざまな電子機器を提供可能である。実施の形態に係る半導体集積回路装置60は、例えば、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、タブレット端末、デスクトップコンピュータ、プリンタ、テレビ受像機、ノートブックコンピュータ、電子玩具、各種表示装置などの電子機器に内蔵されていてもよい。
【0112】
上記の実施の形態において、半導体パワーデバイスとしては、集積化の容易なMOSFETの例を説明したが、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IBGT:Insulated Gate Bipolar Transistor)、サイリスタ、トライアックなど他のパワーデバイスも適用可能である。また、SiC系パワーデバイス、GaN系パワーデバイス、ヘテロジャンクションバイポーラトランジスタ、SiGe系デバイスなど他のパワーデバイスも適用可能である。
【0113】
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態に係る溶液検査装置について記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0114】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。