特許6055343IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

強磁界にさらされるリニアモーターカーや発電・送電設備などの構造部材、微弱磁界が問題となる医療設備などの構造部材、または電磁制御部品の非磁性部を構成する材料等に関するものである。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

特許文献2では、室温で押し曲げ(3点曲げ)を行い、曲げ角度180°での破断の有無と、表面性状を確認することによって非磁性鋼の加工性を評価している。このように、従来の高Mn非磁性鋼では、常温での塑性加工を想定しており、例えば、冬期の寒冷地などで曲げ加工等を行うことは考慮していなかった。しかし−20℃程度の低温状態で曲げ加工を行うと、割れが発生するという問題が生じることが新たに判明し、低温での曲げ加工性の面で改善の余地があった。 高Mn非磁性鋼のオーステナイト相を低温領域まで安定化する技術として、例えば、特許文献3が知られている。この文献には、高Mn非磁性鋼板の極低温における透磁率は、Mnを増量させることよってオーステナイト相をより一層安定させて一段と低くできることが記載されており、Mnを26.0〜30.0%、Crを5.0〜10.0%含有する極低温用高Mn非磁性鋼継目無鋼管が開示されている。MnやCrなどの合金元素を添加することによってオーステナイト相の安定領域を拡大することは、部品成形後の使用環境中で非磁性を維持するのに有効に作用することが期待できるが、その一方で、素材の延性低下を招き、塑性加工時におけるマイクロクラックの抑制や加工誘起マルテンサイトの抑制には充分な効果を発揮できず、低温での曲げ加工性を低下させる可能性があった。即ち、この文献で提案されている極低温用高Mn非磁性鋼継目無鋼管は、超電導マグネットの巻枠など、例えば液体ヘリウム温度(4.2K)のような極低温環境下で電磁応力にさらされる部品を想定したものであり、鋼管形状に成形される際の歪み量は小さく、例えば鉄筋のように曲げ加工や冷間鍛造により部品形状に成形されるときに導入される歪み量の大きい塑性変形を想定したものではなかった。 本発明はの様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、高強度、高耐力および低透磁率を達成し、且つ常温での曲げ加工性に優れ、更に低温での曲げ加工性にも優れた非磁性鋼を提供することにある。また、本発明の他の目的は、非磁性鋼の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

前記課題を解決するため鋭意検討を重ねてきた結果、オーステナイト相を安定化させる元素であっても適量値を超えて添加すると、加工硬化の増加に起因するマイクロクラックの発生や、粒界炭化物の生成に伴うオーステナイト相の安定化元素の欠乏を招き、オーステナイト相の延性が低下して特に低温での曲げ加工性が低下することを見出した。そこで成分組成を適切に制御してオーステナイト相を安定化したうえで、オーステナイト組・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明によれば、オーステナイト安定化元素として作用するC、Si、Mn、Nを適切に制御したうえで、ミクロ組織の99.0面積%以上をオーステナイト組織とし、オーステナイト結晶粒度番号を所定の範囲に制御しているため、非磁性相であるオーステナイト相の延性を損なうことなく、低温でもオーステナイト相を安定化させることができる。その結果、高強度、高耐力および低透磁率を達成でき、更には常温での曲げ加工性が良好で、しかも低温での曲げ加工性にも優れた非磁性鋼を提供できる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】図1は、グリーブル試験に用いた試験片の形状を示す模式図である。

【図2】図2は、グリーブル試験におけるヒートパターンを示す模式図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

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