技術分野
フィラーと高分子材料とが共存する系において、フィラーの周囲に形成される界面層の厚さを計算することができる高分子材料のシミュレーション方法
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
ところで、フィラーと高分子材料との共存する系においては、フィラーの周囲に界面層が形成されることが判明している。この界面層は、高分子材料本来の部分(以下、バルク部分という。)とは異なる力学的特性を示す層として知られており、ガラス層などと称されることもある。
従来のシミュレーション方法でも、高分子材料の物性値を計算するに先立ち、界面層の厚さが定義されていた。しかしながら、界面層の厚さは、例えば、高分子材料及びフィラーを用いた実験結果に基づいて定義されていた。このため、従来のシミュレーション方法では、多くの時間や費用が必要になるという問題点があった。従って、界面層の厚さを計算することができる高分子材料のシミュレーション方法が強く求められていた。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、フィラーと高分子材料とが共存する系の界面層の厚さを計算することができる高分子材料のシミュレーション方法を提供することを主たる目的としている。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明のうち請求項1記載の発明は、コンピュータを用いて、高分子材料とフィラーとの反応を解析するための方法であって、前記コンピュータに、前記高分子材料の高分子鎖を、モノマー又はモノマーの一部分をなす構造単位をビーズで置換した粗視化モデルからなるポリマーモデルを設定する工程、前記コンピュータに、前記フィラーの外面を少なくとも含むフィラーモデルを設定する工程、前記コンピュータが、予め定められた空間・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明の高分子材料のシミュレーション方法は、コンピュータが、予め定められた空間に配置されたポリマーモデルとフィラーモデルとを用いて分子動力学計算を行うシミュレーション工程、及び高分子材料の界面層の厚さを計算する界面厚計算工程を含む。
界面厚計算工程は、ポリマーモデルが配置された空間を複数の領域に区分する工程と、各領域の緩和弾性率を計算する緩和弾性率計算工程と、緩和弾性率に基づいて、界面層の厚さを求める特定工程とを含む。
一般に、高分子材料のバルク部分では、緩和弾性率は、高分子材料に固有の一定の値を示す。従って、本発明では、ポリマーモデルを用いたシミュレーションにおいて、空間が区分された各領域の緩和弾性率を計算することにより、界面層を特定し、さらにはその厚さを確実に計算することができる。
さらに、本発明では、隣接するポリマーモデルのビーズ間に、該ビーズ間の距離が0であっても有限値となる斥力ポテンシャルが定義される。これにより、隣接するポリマーモデル同士の絡まり等によって作用する斥力ポテンシャルが、無限に大きくなるのを防ぐことができる。従って、本発明では、シミュレーション工程において、ポリマーモデルの初期配置を迅速に緩和することができ、計算時間を大幅に短縮することができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 本実施形態のシミュレーション方法を実行するコンピュータの斜視図である。
【図2】 ポリブタジエンの構造式である。
【図3】 本実施形態のシミュレーション方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】 ポリマーモデルを示す概念図である。
【図5】 ポリマーモデルのポテンシャルを説明する概念図である。
【図6】 空間及びフィラーモデルの概念図である。
【図7】 複数のポリマーモデルが配置された空間を示す概念図である。
【図8】 フィラーモデルとポリマーモデルとの間の相互ポテンシャルを説明する概念図である。
【図9】 平衡状態のポリマーモデルが配置された空間を示す概念図である。
【図10】 界面層とバルク部分とを含む高分子材料の線図である。
【図11】 本実施形態の界面厚計算工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】 界面厚計算工程を説明する概念図である。
【図13】 第一領域〜第五領域の各緩和弾性率G(t)の自然対数をとった値と、時間幅tの自然対数をとった値との関係を示すグラフである。
【図14】 他の実施形態のフィラーモデルを示す概念図である。
1 コンピュータ
2 ポリマーモデル
11 フィラーモデル
16 領域
17 境界面
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