技術分野
極低温靭性に優れた厚鋼板に関し、詳細には、Ni含有量が5.0〜7.5%程度に低減されても、−196℃以下の極低温下における靱性[特に、板幅方向(C方向)の靱性]が良好な厚鋼板に関するものである。以下では、の極低温下に曝される液化天然ガス(LNG)向けの厚鋼板(代表的には、貯蔵タンク、輸送船など)を中心に説明するが、本発明の厚鋼板はこれに限定する趣旨ではなく、−196℃以下の極低温下に曝される用途に用いられる厚鋼板全般に適用される。
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
上述したように、これまで、Ni含有量が5.0〜7.5%程度のNi鋼において−196℃での極低温靱性に優れた技術は提案されているものの、C方向での極低温靱性は、十分に検討されていない。特に、母材強度が高い(詳細には、引張り強度TS>690MPa、降伏強度YS>590MPa)高強度下での極低温靱性の更なる向上(C方向での極低温靱性向上)が強く求められている。
また、上述した文献には、脆性破面率について検討されたものはない。脆性破面率は、シャルピー衝撃試験において荷重が加わった際に生じる脆性破壊の割合を示したものである。脆性破壊が発生した部位では、破壊に至るまでに鋼材に吸収されるエネルギーが著しく小さくなり、容易に破壊が進行するようになるため、極低温靱性向上技術においては、汎用のシャルピー衝撃値(vE
-196 )の向上のみならず、脆性破面率を10%以下とすることも極めて重要な要件となっている。しかしながら、のように母材強度が高い高強度厚鋼板において、脆性破面率の要件を満足する技術は、未だ提案されていない。
本発明は事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、Ni含有量が5.0〜7.5%程度のNi鋼において−196℃での極低温靱性(特にC方向の極低温靱性)に優れており、脆性破面率≦10%を実現できる高強度厚鋼板を提供することにある。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
課題を解決し得た本発明に係る極低温靭性に優れた厚鋼板は、質量%で、C:0.02〜0.10%、Si:0.40%以下(0%を含まない)、Mn:0.50〜2.0%、P:0.007%以下(0%を含まない)、S:0.007%以下(0%を含まない)、Al:0.005〜0.050%、Ni:5.0〜7.5%、N:0.010%以下(0%を含まない)を含有し、残部が鉄および不可避不純物である厚鋼板であって、・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明によれば、Ni含有量が5.0〜7.5%程度のNi鋼において、母材強度が高くても(詳細には、引張り強度TS>690MPa、降伏強度YS>590MPa)、−196℃以下での極低温靱性(特にC方向の極低温靱性)に優れており、−196℃での脆性破面率≦10%(好ましくは、−233℃での脆性破面率≦50%)を満足する高強度厚鋼板を提供することができた。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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