特許第6055368号(P6055368)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055368
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   A63F7/02 328
   A63F7/02 350Z
   A63F7/02 352N
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-92422(P2013-92422)
(22)【出願日】2013年4月25日
(65)【公開番号】特開2014-212932(P2014-212932A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川原 雅輝
【審査官】 阿部 知
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−63122(JP,A)
【文献】 特開2012−81127(JP,A)
【文献】 特開2006−263077(JP,A)
【文献】 特開2007−135970(JP,A)
【文献】 特開2010−233955(JP,A)
【文献】 特開2007−152002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値を消費する遊技により始動入賞したことを条件として、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別状態を発生させるための単位遊技を実行し、その単位遊技の実行中に始動入賞した場合には、その始動入賞に対応する前記単位遊技を予め設定された保留上限値まで保留可能とし、当該実行中の単位遊技の終了に応じて保留している前記単位遊技を順次実行する遊技機における単位遊技の実行状況を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された撮像画像により前記単位遊技が実行されているか否かを特定する撮像状況特定手段と、
遊技機から出力される遊技が行われている状態である稼動状態であるか否かを特定可能な稼動信号を入力することにより、遊技機が稼動状態であるか否かを判定する稼動判定手段と、
前記稼動判定手段により特定される稼動状態である期間において、前記撮像状況特定手段により単位遊技が実行されていない旨が特定されている期間である単位遊技停止期間を特定する停止期間特定手段と、
前記停止期間特定手段により特定される単位遊技停止期間を管理する管理手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記撮像状況特定手段は、遊技機側から出力される遊技信号であって、前記単位遊技の確定に応じて出力される単位遊技信号が入力されることを条件として前記単位遊技が実行されているか否かを特定することを特徴とする請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
遊技機に対して推測される、当該遊技機にて保留される単位遊技数である保留数に対応した実行残存数を記憶する残存数記憶手段と、
遊技機側から出力される遊技信号であって、始動入賞したことを特定可能な始動入賞信号の入力に応じ、前記保留上限値に対応して予め設定される残存上限値を超えないことを条件として前記実行残存数を加算する一方、前記単位遊技の確定に応じて出力される単位遊技信号の入力に応じて前記実行残存数を減算することで前記実行残存数を更新する残存数更新手段と、
前記実行残存数と予め設定される停止基準値とを比較することにより、前記単位遊技が実行されているか否かを特定する残存数状況特定手段と、
遊技機側から出力される遊技信号であって、前記特別状態が終了した旨、又は前記特別状態の発生後、通常状態へと戻った旨を特定可能な遊技状態信号を入力することにより、遊技機における遊技状態が前記特別状態の発生後、通常状態へと戻った旨、又は前記特別状態が終了した旨を特定する状況特定処理を実行する遊技状況特定手段と、
前記単位遊技信号が入力されることにより前記残存数状況特定手段によって前記単位遊技が実行されていない旨が特定される一方、前記撮像状況特定手段により前記単位遊技が実行されている旨が特定される場合、及び前記単位遊技信号が入力されても前記残存数状況特定手段によって前記単位遊技が実行されている旨が特定される一方、前記撮像状況特定手段により前記単位遊技が実行されていない旨が特定される場合の少なくとも一方の場合に、前記状況特定処理の特定結果に応じて、前記残存数状況特定手段による特定結果と前記撮像状況特定手段による特定結果との何れが正であるのかを特定する単位遊技状況特定手段と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
前記単位遊技状況特定手段は、前記単位遊技信号が入力されることにより前記残存数状況特定手段によって前記単位遊技が実行されていない旨が特定される一方、前記撮像状況特定手段により前記単位遊技が実行されている旨が特定される場合、及び前記単位遊技信号が入力されても前記残存数状況特定手段によって前記単位遊技が実行されている旨が特定される一方、前記撮像状況特定手段により前記単位遊技が実行されていない旨が特定される場合の少なくとも一方の場合に、前記実行残存数と予め設定される残存基準値とを比較した比較結果に応じて、前記残存数状況特定手段による特定結果と前記撮像状況特定手段による特定結果との何れが正であるのかを特定することを特徴とする請求項3に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技価値を消費する遊技により始動入賞したことを条件として、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別状態を発生させるための単位遊技を実行し、その単位遊技の実行中に始動入賞した場合には、その始動入賞に対応する前記単位遊技を予め設定された保留上限値まで保留可能とし、当該実行中の単位遊技の終了に応じて保留している前記単位遊技を順次実行する遊技機を対象とする遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機の遊技情報を管理する場合、始動入賞に基づく変動残り数(実行残存数)を管理することで、図柄変動を行っていない期間を管理することができ、遊技者の不快度や、パチンコ遊技機の遊技傾向等を把握することができ、有意である。そして、例えば特許文献1では、始動口に入賞したことを示す始動入賞信号(始動入賞パルス)と、図柄変動(変動開始パルス)が行われたことを示す図柄変動信号とを利用して変動残り数を管理することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−253819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、実行残存数は、始動入賞信号や図柄変動信号等が例えば断線や管理装置側の瞬間的な電源断等で入力することができない場合や、信号の入賞順がタイムラグ等により異なって出力され、図柄変動の保留数の上限に達したか否かの判定等に誤判定が生じた場合に誤認識してしまう虞があるので、間接的に特定する以上、何らかの対策を行わないと、誤認識したまま、それに関わる情報を管理してしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技信号のみに依存して特定していた遊技情報を、遊技信号に極力依存することなく、又は遊技信号と組み合わせることで、高い精度で特定することができる遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、遊技価値を消費する遊技により始動入賞したことを条件として、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別状態を発生させるための単位遊技を実行し、その単位遊技の実行中に始動入賞した場合には、その始動入賞に対応する前記単位遊技を予め設定された保留上限値まで保留可能とし、当該実行中の単位遊技の終了に応じて保留している前記単位遊技を順次実行する遊技機における単位遊技の実行状況を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された撮像画像により前記単位遊技が実行されているか否かを特定する撮像状況特定手段と、遊技機から出力される遊技が行われている状態である稼動状態であるか否かを特定可能な稼動信号を入力することにより、遊技機が稼動状態であるか否かを判定する稼動判定手段と、前記稼動判定手段により特定される稼動状態である期間において、前記撮像状況特定手段により単位遊技が実行されていない旨が特定されている期間である単位遊技停止期間を特定する停止期間特定手段と、前記停止期間特定手段により特定される単位遊技停止期間を管理する管理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記撮像状況特定手段は、遊技機側から出力される遊技信号であって、前記単位遊技の確定に応じて出力される単位遊技信号が入力されることを条件として前記単位遊技が実行されているか否かを特定することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した発明は、遊技機に対して推測される、当該遊技機にて保留される単位遊技数である保留数に対応した実行残存数を記憶する残存数記憶手段と、遊技機側から出力される遊技信号であって、始動入賞したことを特定可能な始動入賞信号の入力に応じ、前記保留上限値に対応して予め設定される残存上限値を超えないことを条件として前記実行残存数を加算する一方、前記単位遊技の確定に応じて出力される単位遊技信号の入力に応じて前記実行残存数を減算することで前記実行残存数を更新する残存数更新手段と、前記実行残存数と予め設定される停止基準値とを比較することにより、前記単位遊技が実行されているか否かを特定する残存数状況特定手段と、遊技機側から出力される遊技信号であって、前記特別状態が終了した旨、又は前記特別状態の発生後、通常状態へと戻った旨を特定可能な遊技状態信号を入力することにより、遊技機における遊技状態が前記特別状態の発生後、通常状態へと戻った旨、又は前記特別状態が終了した旨を特定する状況特定処理を実行する遊技状況特定手段と、前記単位遊技信号が入力されることにより前記残存数状況特定手段によって前記単位遊技が実行されていない旨が特定される一方、前記撮像状況特定手段により前記単位遊技が実行されている旨が特定される場合、及び前記単位遊技信号が入力されても前記残存数状況特定手段によって前記単位遊技が実行されている旨が特定される一方、前記撮像状況特定手段により前記単位遊技が実行されていない旨が特定される場合の少なくとも一方の場合に、前記状況特定処理の特定結果に応じて、前記残存数状況特定手段による特定結果と前記撮像状況特定手段による特定結果との何れが正であるのかを特定する単位遊技状況特定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載した発明は、前記単位遊技状況特定手段は、前記単位遊技信号が入力されることにより前記残存数状況特定手段によって前記単位遊技が実行されていない旨が特定される一方、前記撮像状況特定手段により前記単位遊技が実行されている旨が特定される場合、及び前記単位遊技信号が入力されても前記残存数状況特定手段によって前記単位遊技が実行されている旨が特定される一方、前記撮像状況特定手段により前記単位遊技が実行されていない旨が特定される場合の少なくとも一方の場合に、前記実行残存数と予め設定される残存基準値とを比較した比較結果に応じて、前記残存数状況特定手段による特定結果と前記撮像状況特定手段による特定結果との何れが正であるのかを特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載した発明によれば、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別状態を発生させるための単位遊技の実行状況を撮像し、遊技機が稼動状態における単位遊技が実行されていない旨が特定されている期間である単位遊技停止期間を特定して管理するので、単位遊技停止期間を特定する精度を高めることができる。
【0011】
請求項2に記載した発明によれば、単位遊技信号が入力されることを条件として単位遊技が実行されているか否かを特定するので、遊技機側から単位遊技信号が出力される場合には、その単位遊技信号は単位遊技が確定した際に出力されることから、その場合に撮像画像による状況特定を行うことで、撮像画像による判定結果を判定する精度を高めることができる。
【0012】
請求項3に記載した発明によれば、従来は、始動入賞信号と単位遊技信号とにより所謂仮想保留数と呼ばれる実行残存数を特定することで停止期間を管理していたが、遊技機の中には特別状態(例えば大当たり)が発生した場合に次の単位遊技を特別状態の終了後まで遅延する遊技機もあり、この場合、単位遊技信号を入力しても大当たり終了後まで次の図柄変動が実行されないため、実行残存数の減算を遅延することになる。一方、大当たり終了時期は遊技信号により特定するが、その遊技信号の出力終了時期が必ずしも大当たりの終了時期と一致していない場合があるため、実際には大当たりが終了して単位遊技が実行されているにも関わらず、大当たりの終了を特定できないまま始動入賞があると、実際には保留数が保留上限値となっていないにも関わらず、実行残存数は上限値になっているとして加算しない等の理由から、実行残存数の誤判定に繋がる可能性は大当たり終了後が最も高い。この点を考慮した上で、撮像画像による判定と実行残存数による判定の何れを正とするかを特定するので、その判定精度を更に高めることができる。
【0013】
請求項4に記載した発明によれば、始動入賞信号と単位遊技信号とにより特定される実行残存数は上記した通りに誤差が生ずることがあるが、多くても1個や2個程度であり、保留上限値分の誤差が生ずることは極めて低い。この点を考慮した上で、残存基準値を設定し、実行残存数と比較することで撮像画像による判定と実行残存数による判定の何れを正とするかを特定するので、その判定精度を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態の全体構成を示す図
図2】リーチ情報等を示す図
図3】会員データベースを示す図
図4】本発明の第2の実施形態のリーチ情報表示を示す図
図5】リーチ履歴を示す図
図6】リーチ期間管理を示す図
図7】リーチキャラクタ別管理を示す図
図8】本発明の第3の実施形態の停止情報集計を示す図
図9】本発明の第4の実施形態を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図1から図3を参照して説明する。図1は、遊技場用システム1の全体構成を概略的に示している。遊技場には、遊技機2に1対1に対応して遊技機装置3(記憶手段、画像特定手段、演出種別特定手段、出力手段、期間特定手段、演出結果特定手段、演出結果管理手段、ID特定手段)が設置されている。2台の遊技機2及び2台の遊技機装置3は1台の中継装置4に接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6(撮像状況特定手段、稼動判定手段、停止期間特定手段、管理手段、残存数記憶手段、残存数更新手段、残存数状況特定手段、遊技状況特定手段、単位遊技状況特定手段)に接続されている。尚、図1では省略しているが、数100台の遊技機2が管理装置6の管理対象となる。又、中継装置4はLAN5を介してPOS装置(景品交換装置)等にも接続されている。本実施形態では遊技機2がパチンコ遊技機であるので、遊技価値(遊技媒体)はパチンコ玉である。遊技機2がスロットマシンであれば、遊技価値はメダルである。
【0016】
遊技機2は、発射装置を構成する操作ハンドル2a、上部受皿(上皿)2b、下部受皿(下皿)2cを有すると共に、遊技盤面2dに、普図入賞口2e、第1始動口2f、第2始動口2g、液晶表示部2h(表示部)、大入賞口2i等を有する。上部受皿2bの上面部には遊技者が操作可能な貸出釦及び返却釦が並んで設けられている。貸出釦及び返却釦が設けられる部位は上部受皿2bの上面部以外であっても良い。遊技機2は以下の動作を行う。
【0017】
(1)第1始動口2fは入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口2gは入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。
(2)操作ハンドル2aが操作されたことにより遊技盤面2dに発射された玉が第1始動口2f又は第2始動口2gに入賞(始動入賞)することに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を液晶表示部2hにて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たりを発生させる。
(3)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値の状態で始動入賞した場合には、図柄変動は保留されない。
【0018】
(4)大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/360であり、大当たりがその後に確変状態(確変)となる大当たり(確変大当たり)となる割合である確変率は(通常状態、確変状態共に)66.6%である。大当たりが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口2iを開放する。尚、1Rの上限入賞数は10個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
(5)確変中は大当たり確率が1/31に向上すると共に、第1始動口2f及び第2始動口2gへの入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は次の大当たりまで継続するので、大当たり後に大当たりでも確変でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当たり(通常大当たり)が発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となり、その後に通常状態となる。
【0019】
遊技機装置3は、遊技者が貨幣を投入するための貨幣投入口3a、遊技情報や残高や獲得玉等の各種情報を表示する表示機能及び遊技者からの入力を受付ける入力受付機能を有するタッチパネル式の液晶表示部3b、遊技者が会員カードを挿入するためのカード挿入口3c、遊技者がカード挿入口3cに挿入されている会員カードを排出させるために操作する排出釦3d、遊技者が再遊技(再プレイ)を行うために操作する再遊技釦3e等を有する。又、遊技機2の上部受皿2aよりやや上方の位置に玉払出口3fが設けられており、玉払出口3fを覆うように払出ノズル3gが設けられている。玉払出口3fから払出された玉は払出ノズル3gを経由して遊技機2の上部受皿2aに供給される。
【0020】
又、液晶表示部3bの側方には例えばCCDセンサからなるカメラ3h(撮像手段)が一体に設けられている。カメラ3hは、パン機構及びチルト機構等を有するカメラユニット(図示せず)によりパン及びチルト可能となっており、その撮影視野を変更可能となっている。カメラ3hは、通常においては遊技機2の液晶表示部2hの全体を撮影するように撮影視野が調整されている。
【0021】
遊技機2及び遊技機装置3側からは次に示す遊技信号が出力される。
「アウト信号」:消費玉を回収するアウトBOXから出力される遊技に応じて消費された遊技価値である消費価値(アウト)を特定可能な信号である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機2から出力される信号であっても良い。
「セーフ信号」:遊技機2から出力される遊技における入賞に応じて付与された遊技価値である入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。付与(払出)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0022】
「始動信号」:遊技機2から出力される始動入賞により変動(作動)する液晶表示部2h(役物)におけるスタート(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号である。図柄変動確定時に出力されるので、始動信号の入力に応じて図柄変動を特定する。尚、第1始動口2f又は第2始動口2gに入賞したことを示す信号としても良い。
「大当たり信号」:遊技機2から出力される大当たりを特定可能な信号である。大当たり中にレベル出力される状態信号であるので、大当たり信号入力中を大当たり中として特定する。
【0023】
「特別状態信号」:遊技機2から出力される特別状態(甘中)の発生期間を特定可能な信号である。第2始動口2gの入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル出力される状態信号であるので、特別状態信号の入力中を特別状態中(特別状態が発生している期間、特別状態期間)として特定する。尚、大当たり確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号(確変信号)であっても良い。又、大当たり信号と特別状態信号の何れも入力していない期間を通常状態として特定する。
「売上信号」:遊技機装置3から出力される売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な信号である。遊技者に対する貸出玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「売上信号数×25」を売上玉数として特定し、「売上玉数×貸出単価(例えば4円)」を売上額として特定する。
【0024】
管理装置6は、主装置6a、キーボード6b、マウス6c、モニタ6d及びプリンタ(図示せず)等を有する。管理装置6は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部、遊技機2や遊技機装置3との間で各種信号や各種情報を中継装置4を介して入出力する入出力部等を有し、制御プログラムを実行することで、遊技機2や遊技機装置3等から入力する遊技信号に基づいて遊技機2の稼動状態を特定すると共に遊技機2毎の遊技データ(アウト、セーフ、差玉、スタート回数、大当たり回数、出玉率、売上等)や機種毎の遊技データを算出して管理する。
【0025】
管理装置6は、例えばインターネット等の広域通信網7を介してサーバ8(特典管理手段、特定更新手段)に接続されている。サーバ8も、管理装置6と同様の構成であり、主装置8a、キーボード8b、マウス8c、モニタ8d及びプリンタ(図示せず)等を有する。尚、図1では省略しているが、複数台の(複数店舗の)管理装置6がサーバ8の管理対象となる。
【0026】
サーバ8は、遊技機2が液晶表示部2hにて表示するリーチ演出(遊技機2が通常状態よりも遊技者にとって有利な特別状態(大当たり)を発生させる以前に行う演出表示)を伴う図柄変動(リーチ)に関わる画像の元データ(元画像)を管理している。又、サーバ2は、図2に示すように、リーチ種(リーチ名、演出種別)とリーチ内容との対応付けを示すリーチ情報(演出情報)とを管理している。リーチ種はリーチの種類であり、リーチ内容は信頼度や発展内容である。リーチを特定するための元データは、リーチ全体の画像(動画や静止画)だけでも良いが、リーチの背景や登場キャラクタ(例えば火山やさんご礁、又は予告キャラクタとは異なるが、同等のリーチ種別に対応したキャラクタ)でも良い。
【0027】
遊技機2にて遊技を行う遊技者は、例えばCCDセンサからなるカメラ9a(撮像手段)付きの携帯電話機9(記憶手段、画像特定手段、演出種別特定手段、出力手段、ID特定手段)を所持している。サーバ8は、遊技者が携帯電話機9を操作して遊技機2の機種を指定する等し、携帯電話機9から送信された送信要求を広域通信網7を介して受信すると、その送信要求を送信した携帯電話機9に元データとリーチ情報とを対応付けて送信する。携帯電話機9は、サーバ8から送信された元データとリーチ情報との対応付けを広域通信網7を介して受信すると、その受信した元データとリーチ情報との対応付けを記憶する。
【0028】
携帯電話機9がサーバ8から受信した元データとリーチ情報とを記憶している状態で、その携帯電話機9を所持する遊技者が遊技中に発生したリーチのリーチ情報を把握したいと考え、遊技機2にて行われるリーチ演出を携帯電話機9にて撮像する操作を行うと、携帯電話機9は、撮像したリーチ画像と元データとを比較し、撮像したリーチ画像に対応する元データを特定し、その特定した元データに対応するリーチ情報を表示する。
【0029】
又、携帯電話機9は、撮像したリーチ画像からリーチを特定すると、その特定したリーチを示す特定リーチ情報をサーバ8に送信する。サーバ8は、図3に示すように、携帯電話機9のID(電話番号やメールアドレス等)とポイント(特典情報)とを対応付けて記憶しており、携帯電話機9から送信された特定リーチ情報を広域通信網7を介して受信すると、予め設定されるポイント付与対象となるリーチが発生しているか否かを判定する。サーバ8は、ポイント付与対象となるリーチが発生していると判定すると、その該当する携帯電話機9のIDに対してポイントを付与し、そのポイントに応じて当該遊技機2のプレミア画像等を配信する等の特典を与える。尚、図3に示す会員データベースにおいて、最新機種は特定リーチ情報等により特定される該当する遊技者が最後に遊技した機種名である。又、会員IDを電話番号やメールアドレスと対応付けず、電話番号だけをポイントと対応付けて管理したり、メールアドレスだけをポイントと対応付けて管理したりしても良い。
【0030】
以上に説明したように第1の実施形態によれば、遊技機2にて行われるリーチ演出を遊技者が携帯電話機9にて撮像する操作を行うと、携帯電話機9が撮像したリーチ画像と元データとを比較し、撮像したリーチ画像に対応する元データを特定し、その特定した元データに対応するリーチ情報を表示するので、特別な表示や信号出力を必要とすることなくリーチ情報を遊技者に与えることができる。又、リーチの背景、登場キャラクタ、リーチ全体の画像を元データとし、携帯電話機9が撮像したリーチ画像と比較するので、リーチ演出をより正確に特定することができる。又、携帯電話機9が撮像したリーチ画像からリーチを特定すると、その特定したリーチを示す特定リーチ情報をサーバ8に送信し、サーバ8が該当する携帯電話機9のIDに対して特典を付与するので、従来では特典を付与する対象とできなかったリーチ演出についても特典を付与する対象とすることができる。
【0031】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図4から図7を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分について説明する。第1の実施形態は、遊技者が所持する携帯電話機9が、サーバ8から受信した元データとリーチ情報とを管理する構成であるが、第2の実施形態は、遊技機装置3が、サーバ8から受信した元データとリーチ情報とを管理する構成である。
【0032】
遊技機装置3は、サーバ8から元データとリーチ情報とを管理装置6を経由して受信すると、その受信した元データとリーチ情報とを所定の記憶領域に記憶する。遊技機装置3は、カメラ3hにて遊技機2の液晶表示部2hを常時撮影しており、撮像した画像と元データとを比較し、元データに対応するリーチ画像を撮像したと判定すると、図4に示すように、その元データに対応するリーチ情報を液晶表示部3bにて表示する。
【0033】
具体的には、遊技機装置3は、遊技機2の液晶表示部2hにて行われる複数の図柄を変動させる図柄変動が1つの図柄を残して停止し、その停止した図柄が同一である場合にリーチ状態になった旨を特定し、その特定から図柄変動が終了するまで、即ち始動信号を入力するまでの期間をリーチ期間として特定する。そして、遊技機装置3は、リーチ期間を特定すると、撮像した画像と元データとを比較し、何れのリーチであるかを特定し、その特定したリーチ名をリーチ名表示領域10aに表示すると共に、そのリーチに対応して記憶しているリーチ情報として、そのリーチの期待度や展開(発展)内容を示すリーチ内容をリーチ内容表示領域10bに表示する。遊技機装置3は、リーチ期間をリーチの種類単位で大当たりとなったかを管理しており、リーチを特定した回数の内、大当たりとなった回数の割合を示す期待度を単位時間(15秒)により区分けして管理しており、予め設定される期待度(70%)以上となる単位時間(図4では120秒を例示)と、特定しているリーチのリーチ期間(図4では15秒を例示)とを経過時間表示領域10cに表示する。又、元画像として記憶する予告キャラクタの画像やリーチの特徴的な画像をリーチ紹介画像表示領域10dに表示する。
【0034】
遊技機装置3は、特定したリーチの回数やリーチが発生したスタート回数を対応付けたリーチ履歴を管理しており、図5に示すように出力可能である。図5に示すリーチ履歴は、特定したリーチの結果(当たり、又ははずれ)、発生時刻、その発生時のスタート、リーチ種、予告キャラクタ、特定したリーチの期待度、特別な(プレミア)リーチとして記憶されているか否か、リーチ開始からリーチ終了までのリーチ期間を1レコードとして示している。尚、当たり(大当たり)の場合、画像認識により大当たり図柄を特定してリーチ履歴等にて管理しても良い。
【0035】
又、リーチの予告として予告キャラクタが登場する場合には別途対応する元データをサーバ8から受信することにより記憶し、何れの予告キャラクタが登場したのかを特定する。尚、予告キャラクタは期待度を示しているので、その期待度に応じた優先順位がリーチ種別に応じて設定されており、複数の予告キャラクタが特定することができた場合には最も優先順位の高い予告キャラクタを図5に示すようにリーチ履歴における予告欄に記憶する。又、リーチ期間(演出表示期間)や予告キャラクタに応じてリーチ期待度(演出期待度)を管理しており、遊技者の操作に応じて、図6に示すリーチ期間管理や図7に示すリーチキャラクタ別管理を表示可能である。
【0036】
図6に示すリーチ期間管理は、遊技者へと表示可能なリーチ期間を単位期間により区分けした上で、そのリーチ回数と、そのリーチから大当たりとなった回数(大当たり回数)と、期待度(大当たり回数÷リーチ回数)とを示す。リーチが大当たりとなったか否かはリーチを特定してから始動信号の入力から所定時間(3秒)が経過するまで又は次の図柄変動を画像認識するまでの間に、大当たり信号を入力する又は大当たりを画像認識することで特定する。尚、図4に示したリーチ情報表示の経過時間表示領域に示す期待度(70%)が設定値以上のリーチ期間は、その期間以降の全ての期間に対応した期待度が設定値以上であるリーチ期間であることを条件として特定する。又、図7に示すように、予告キャラクタを組み合わせた上で期待度等を管理対象としても良い。更に、リーチ種別に予告キャラクタとリーチ期間とにより区分けして期待度等を管理しても良い。
【0037】
又、遊技機装置3は、特定したリーチの画像を大当たりの終了や所定時間(5分)が経過する等の所定条件が経過するまで記憶しており、大当たり中に発生したリーチを図柄変動開始時から再生することができる。又、一時停止も可能とすることで瞬間的な演出も大当たり中に確認することができ、遊技者の希望に応じて一時停止した画像を携帯電話機9等でゆっくり撮像することもできる。尚、遊技機装置3は、特定したリーチが予め設定されるポイント取得対象となるリーチであれば、遊技する遊技者に対してポイントを付与する等、上記した第1の実施形態と同様の処理を行う。ポイントを付与する場合には、遊技者を特定する必要があるが、例えばカード挿入口3cに挿入されている会員カードのカード情報(遊技者ID)に基づいて遊技者を特定すれば良い。
【0038】
以上に説明したように第2の実施形態によれば、リーチ期間と、リーチ演出が行われてから大当たりが発生したか否かのリーチの成否とを対応付けて管理するので、遊技者の中にはリーチ演出により大当たりとなるか否かの所謂期待度がリーチ期間の長さに対応していると考える遊技者もいるが、そのような遊技者に対して実際のリーチ期間に対応した期待度を報知することができる。又、リーチ回数に対するそのリーチ演出が行われてから大当たりが発生した回数の割合を示す期待度を、リーチ種により区分けした上でリーチ期間と対応付けて管理し、リーチ種が特定されると、期待度が基準値以上のリーチ期間を、遊技機2にてリーチ演出されているリーチ演出の経過期間(リーチの実際の経過期間)と対応付けて出力するので、発生しているリーチ演出の経過期間により、大当たりの発生を期待する遊技者を煽ることができる。
【0039】
又、複数の予告キャラクタに対する各々優先順位を期待度と共に記憶し、複数の予告キャラクタが特定されると、優先順位の最も高い予告キャラクタの期待度を出力対象とする一方、その他に特定した予告キャラクタの期待度を出力対象としないので、遊技機2の中には予告キャラクタが複数登場するリーチ演出を行う遊技機2もあり、複数の予告キャラクタを特定した場合に全ての予告キャラクタの期待度を出力すると、出力領域が大きくなり、結果的に把握し難い出力となってしまうが、優先順位の最も高い予告キャラクタの期待度のみを出力対象とすることで、出力領域を大きくすることなく期待度を適切に出力することができる。
【0040】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図8を参照して説明する。尚、上記した第1及び第2の実施形態と同一部分については説明を省略し、第1及び第2の実施形態と異なる部分について説明する。
遊技機装置3は、カメラ3hにて遊技機2の液晶表示部2hを常時撮影しており、液晶表示部2hにて図柄変動が行われているか否かを判定している。一方で、遊技機装置3は、遊技機2側からアウト信号を入力すると、稼動タイマを作動させ、稼動タイマ(60秒)がタイムアップするまでに再度アウト信号を入力すると、稼動タイマを再作動させる。そして、遊技機装置3は、稼動タイマの作動期間を稼動期間と判定すると共に、稼動タイマがタイムアップした非作動期間を非稼動期間と判定し、稼動タイマが非作動中でも撮像した映像により図柄変動が行われている旨を特定していれば稼動期間と判定する。
【0041】
管理装置6は、遊技機装置3から上記した情報を特定可能な情報信号を受信し、稼動期間の内、図柄変動が行われていない期間を変動停止期間として特定し、その変動停止期間又は稼動期間における変動停止期間の割合を示す停止割合等を図8に示すように表示又は印字出力可能とする。
【0042】
図8における停止情報集計における各項目の意味は次の通りである。
「遊技期間」:通常状態における稼動期間である。尚、遊技開始時から最初の図柄変動までの期間と、変動状態が判定することができない期間を除外期間として除外しても良い。単位は秒である。
「停止期間」:遊技期間において図柄変動が停止していた期間である。単位は秒である。
「停止回数」:遊技期間において図柄変動が停止した回数である。
「イライラ数」:遊技期間において1回の停止期間がイライラ値(2分)に達した回数である。
「停止率」:遊技期間における停止期間の割合である。「停止期間÷遊技期間」の演算式により求める。
【0043】
「停止時間」:遊技期間における停止期間の1分当たりの平均値である「停止率×60秒」の演算式により求める。
「イライラ度」:遊技期間におけるイライラ数の1時間当たりの平均値である。「イライラ数÷遊技期間×3600秒」の演算式により求める。
「平均停止期間」:遊技期間における1回当たりの停止期間である。「停止期間÷停止回数(単位は秒)」の演算式により求める。
「停止回数率」:遊技期間における停止回数の割合である「停止回数÷遊技期間」の演算式により求める。
「平均停止回数」:遊技期間における停止回数の1時間当たりの平均値である。「停止回数率×3600秒」の演算式により求める。
【0044】
図8に示す停止情報集計は、遊技期間を稼動タイマの作動期間及び図柄変動(単位遊技)を特定している期間により特定し、図柄変動の停止期間(単位遊技停止期間)を画像認識により特定することで、遊技期間の内の停止期間を特定し、その特定した停止期間により各遊技情報を特定している。又、遊技期間において図柄変動が停止した場合、停止回数を計数すると共に停止タイマを作動させ、その作動期間が予め設定されるイライラ値に達した回数をイライラ数として計数している。画像認識により図柄変動の停止状態を特定する場合、図柄変動が停止したことを特定し、その特定から予め設定される停止補助タイマ(2秒)がタイムアップするまでに次の図柄変動が開始したことを特定することができない場合に図柄変動の停止を特定する。この場合、図柄変動の停止を特定せずに始動信号を入力することにより停止補助タイマを作動させても良い。
【0045】
以上に説明したように第3の実施形態によれば、図柄変動の実行状況を撮像し、遊技機2が稼動中における図柄変動停止期間を特定して管理するので、図柄変動停止期間を特定する精度を高めることができる。又、始動信号が入力されることを条件として図柄変動が実行されているか否かを特定するので、遊技機2側から始動信号が出力される場合には、その始動信号は図柄変動が確定した際に出力されることから、その場合に撮像画像による状況特定を行うことで、撮像画像による判定結果を判定する精度を高めることができる。
【0046】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について、図9を参照して説明する。尚、上記した第1及び第3の実施形態と同一部分については説明を省略し、第1及び第3の実施形態と異なる部分について説明する。
管理装置6は、始動信号として、第1始動口2f又は第2始動口2gに入賞したことを特定可能な始動入賞信号、単位遊技が確定(終了)したことを示す単位遊技信号を入力すると共に、遊技機2における実行残存数(保留数に対応)を仮想的に記憶する。管理装置6は、実行残存数を、始動入賞信号の入力により遊技機2の保留上限値に対応した設定上限値を超過しないことを条件として加算する一方、単位遊技信号の入力により減算し、その実行残存数が予め実行される実行基準値(「0」)となるか否かにより図柄変動が停止しているかを判定する。
【0047】
管理装置6は、本発明に関連し、図9に示す変動停止情報特定処理を行う。管理装置6は、変動停止情報特定処理を開始すると、遊技機2から始動入賞信号を入力したか否かを判定し(S1)、遊技機2が通常状態であるか否かを判定し(S2)、遊技機2から単位遊技信号を入力したか否かを判定している(S3)(待機している)。
【0048】
管理装置6は、遊技機2から始動入賞信号を入力したと判定すると(S1:YES)、実行残存数が残存上限値の「5」であるか否かを判定し(S4)、実行残存数が残存上限値の「5」でないことを条件として(S4:NO)、実行残存数を加算する(S5)。尚、実行残存数とは実行中の図柄変動を含めた残存する実行されると推定される図柄変動数を示している。遊技機2では最初の始動入賞により保留数が「0」でも図柄変動するので、そこから保留上限値の4個まで図柄変動を保留する。よって、保留上限値に対応する残存条件値は保留上限値の「4」に「1」を加算した「5」となる。尚、実行残存数が「0」のときに図柄変動が停止している旨を特定する。
【0049】
又、管理装置6は、遊技機2が通常状態であると判定すると(S2:YES)、その通常状態において大当たりが発生し、その大当たりやその後の特別状態が終了し、通常状態に戻ったか否かを判定する(S6)。そして、管理装置6は、通常状態に戻ったと判定する(状況特定処理)と(S6:YES)、補正フラグを「1」とする(S7)。
【0050】
又、管理装置6は、遊技機2から単位遊技信号を入力したと判定すると(S3:YES)、画像認識により図柄変動の停止(図柄停止)を特定できたか否かを判定する(S8)。管理装置6は、画像認識により図柄変動の停止を特定できたと判定すると(S8:YES)、実行残存数が「3(残存基準値)」未満であるか否かを判定する(S9)。管理装置6は、実行残存数が「3」未満であると判定すると(S9:YES)、補正フラグが「1」であるか否かを判定し(S10)、補正フラグが「0」である(「1」でない)と判定すると(S10:NO)、実行残存数を減算する(S11)。この場合、実行残存数を減算した結果、実行残存数が「0」となれば正常であるが、それ以外は画像認識を異常判定したことになる(実際には図柄変動しているのにデモ画面と誤判定等して停止していると判定したことになる)。
【0051】
一方、管理装置6は、実行残存数が「3」未満でないと判定すると、この場合も同様に、画像認識が異常であるとして、そのまま実行残存数を減算する(S11)。即ち、実行残存数の判定対象である残存基準値は、実際は「1」である場合に実行残存数の特定に誤りがあっても、「2」、「3」まではあり得るがそれ以上はあり得ないと想定され、画像認識に誤りがあると推測し得る予め設定される値である。
【0052】
又、管理装置6は、補正フラグが「1」であると判定すると(S10:YES)、補正フラグを「0」とし(S12)、大当たり等により実行残存数の特定に誤りがある可能性が高いとして、画像認識の特定を優先すべく実行残存数を「0」とする特別減算処理を行い、図柄停止を特定する(S13)。尚、実行残存数が1であれば正常であり、実行残存数を「0」とすることで実行残存数を減算した場合と同様の処理となる。
【0053】
一方、管理装置6は、画像認識により図柄変動の停止を特定できなかった、即ち、画像認識により次の図柄変動の開始を特定したと判定すると(S8:NO)、実行残存数が「1」であるか否かを判定する(S14)。管理装置6は、実行残存数が「1」でないと判定すると(S14:NO)、正常としてそのまま実行残存数を減算する(S11)。一方、管理装置6は、実行残存数が「1」であると判定すると(S14:YES)、画像認識又は実行残存数の特定が誤っているので、補正フラグが「1」であるか否かを判定する(S15)。管理装置6は、補正フラグが「1」であると判定すると(S15:YES)、実行残存数の特定に誤りがあるとして実行残存数を減算せずに「1」のまま維持するが、補正フラグが「0」であると判定すると(S15:NO)、画像認識に誤りがあるとして実行残存数を減算し(S11)、停止状態を特定する。
【0054】
尚、管理装置6は、補正フラグが「1」である場合、ステップS15で「YES」と判定した後は、次の図柄変動後に停止状態を画像認識すると、ステップS10で「YES」となり、補正フラグを「0」とする。同様に、補正フラグ1が「1」の状態で画像認識も実行残存数の特定にも誤りがない場合、上記したようにステップS10で「YES」は双方が正常であり、双方が停止状態を特定することで実行残存数を補正することなく補正フラグを「0」とする。ここで、大当たり中に始動入賞すれば実行残存数を加算するが、大当たり中は図柄変動が行われないことから、大当たりが発生した場合は、大当たりとなった単位遊技の終了による単位遊技信号を入力しても実行残存数を減算せずに大当たり終了後まで遅延する。しかしながら、このような本願発明の骨子に余り関連しない周知の処理は、説明の都合上、省略している。このように大当たりが発生すると実行残存数の特定に誤りが生ずる可能性が高くなるので、以上の処理により実行残存数と画像認識の特定に矛盾が生じた場合は補正フラグにより何れが正しいかを判定するようにしている。尚、特別減算処理を行うか否かを、ステップS9における実行残存数と残存基準値との比較を行うことなくステップS10における補正フラグにより特定しても、補正フラグを管理することなく実行残損数と残存基準値との比較により特定しても良い。又、通常状態だけでなく特別状態における画像認識と実行残存数による特定との矛盾に対応すべく、大当たりが終了したことにより補正フラグを「1」としても良い。尚、実行残存数の補正は、図8に示した停止情報集計の管理だけでなく、変動可能数に応じた期間の管理やその実行残存数となった回数等の管理にも利用することができる。
【0055】
以上に説明したように第4の実施形態によれば、大当たりが発生すると実行残存数の特定に誤りが生ずる可能性が高くなることを考慮し、実行残存数と画像認識の特定に矛盾が生じた場合に、大当たりや特別状態が終了して通常状態に戻ったか否かを判定することで、何れを正とするかを特定するので、その判定精度を高めることができる。
【0056】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
図5に示すリーチ履歴、図6に示すリーチ期間管理、図7に示すリーチキャラクタ別管理は、遊技機装置だけでなく、管理装置や遊技者の携帯電話機やサーバにて管理して出力しても良い。サーバにて管理する場合、例えば集計したリーチの期待度等の管理情報を図2に示すリーチ情報に採用した上で配信するようにしても良い。又、図3における会員データベースを管理装置にて管理する構成としても良い。出力とは表示、或いは印字することを少なくとも包含する。
【0057】
リーチ期間(演出期間)としてリーチの開始から終了までの期間を例示したが、図柄変動の開始から終了までの期間を演出期間としても良い。
遊技者の携帯端末として携帯電話機を例示したが、PDAやタブレット端末等、遊技者の携帯端末であればどのような携帯端末を利用しても良い。
携帯電話機や遊技機装置等に予め元画像やリーチ情報を予め記憶することを例示したが、サーバに予め記憶しておき、遊技機の液晶表示部の撮像時にサーバへと問合せる構成としても良い。即ち、記憶手段をサーバのみに設ける構成としても良い。
サーバにて管理するリーチ情報等は、サーバの管理者からの操作入力により特定したり、遊技機メーカや攻略サイトのサーバからダウンロードしたり、実際の画像を撮像したりして入力すれば良い。又、サーバにて元画像やリーチ情報等を管理することなく、管理装置での操作等、上記したような方法にて管理装置に入力した上で管理装置から遊技機装置に配信したり、遊技機装置等に直接的に操作等により入力したりしても良い。
【0058】
管理装置における設定は、遊技場の管理者が任意に設定しても良いし、予め管理装置の製造メーカにて設定しても良いし、外部(例えばチェーン店の本部等)の管理サーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。
図6に示すリーチ期間管理や図7に示すリーチキャラクタ別管理等の集計期間は、遊技機の導入当初を起点とした期間とし、図5に示すリーチ履歴や図8に示す停止情報集計等の集計期間は営業日1日を対象とすれば良いが、図5図8等を導入当初からの累計としたり、図6図7等を1営業日の遊技情報としたり、或いは指定した日数(例えば1週間等)にする等、どのように対象期間を定めても良い。
【0059】
稼動信号としてアウト信号を例示したが、アウト信号と同様に始動入賞信号やセーフ信号を採用しても良いし、例えば遊技機からハンドルを操作している期間に出力される信号を稼動信号として採用しても良い。
単位遊技とは図柄変動だけでなく、例えば始動入賞に応じて役物開放する遊技処理等を包含し、表示される役物作動に限定されない。又、実行残存数は遊技機の保留数そのものとしても良いが、この場合、図柄停止状態で始動入賞した場合に保留数が「0」の状態でも図柄変動状態となるので、その状態から単位遊技信号を入力したか否かにより停止状態を特定する必要がある。
【0060】
実行残存数の特定を始動入賞信号等の入力に応じて直接加減算したが、始動入賞数と図柄変動数とを積算し、その差し引きにより間接的に加減算しても勿論良い。同様に、例示した全ての遊技情報は入力した信号や撮像した画像により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。又、数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
【0061】
対象となる遊技機は、遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等のパチンコ遊技機や、スロットマシン等であっても良い。スロットマシンについては演出表示部を撮像対象として期待度等を報知する構成とすれば良い。又、スロットマシンを対象とした場合、大当たりに相当するボーナスを発生させることなく、ART等の特別状態を発生させる遊技機も対象にできるので、遊技者にとって有利な特別状態とは大当たりやART等を包含する概念とする。又、遊技者にポイントを付与する際の特定の演出表示として、ARTのゲーム数を加算する上乗せ演出や、遊技により所定値以上の大当たりを発生させる等の特定の条件を成立させた場合に表示される演出表示を採用しても良い。即ち、特定の演出表示としては特別状態の発生前の表示や、期待度に対応した表示以外を対象としても良い。尚、所謂封入式やクレジット式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
管理装置が行う処理の一部を中継装置や遊技機装置等にて行っても良い。又、変形例を含む例示した構成をどのように組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0062】
図面中、1は遊技場用システム、2は遊技機、3hはカメラ(撮像手段)、6は管理装置(撮像状況特定手段、稼動判定手段、停止期間特定手段、管理手段、残存数記憶手段、残存数更新手段、残存数状況特定手段、遊技状況特定手段、単位遊技状況特定手段)、9aはカメラ(撮像手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9