(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055413
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】練習器具
(51)【国際特許分類】
A63B 21/072 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
A63B21/072 D
【請求項の数】24
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-532968(P2013-532968)
(86)(22)【出願日】2011年10月7日
(65)【公表番号】特表2013-538669(P2013-538669A)
(43)【公表日】2013年10月17日
(86)【国際出願番号】US2011055224
(87)【国際公開番号】WO2012048198
(87)【国際公開日】20120412
【審査請求日】2014年10月3日
(31)【優先権主張番号】61/391,528
(32)【優先日】2010年10月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513089420
【氏名又は名称】シャリン エヌ. シャフ
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】シャリン エヌ. シャフ
【審査官】
柴田 和雄
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05209481(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0113234(US,A1)
【文献】
特開2000−060993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 21/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部及び第2の端部を有するハンドル;
前記ハンドルの前記第1の端部に接続された湾曲部材であって、第1の端部、第2の端部、及び前記第1の端部と前記第2の端部との間の長さを有する、該湾曲部材;
前記湾曲部材に接続された可動部材であって、前記湾曲部材の前記長さに沿って移動するように構成され、かつベース及び可動部分を有し、前記可動部分が、前記ベースに対して揺動するように構成されている、該可動部材;
第1の端部及び第2の端部を有するロッドであって、前記ロッドの前記第1の端部が、前記可動部材の前記可動部分に接続されている、該ロッド;及び
前記ロッドの前記第2の端部に接続されたウェイトを備える、練習器具。
【請求項2】
前記湾曲部材が、その長さに沿って湾曲している、請求項1記載の練習器具。
【請求項3】
前記湾曲部材の前記長さが、前記ハンドルの前記第1の端部から前記ハンドルの前記第2の端部に向かって延びている、請求項1記載の練習器具。
【請求項4】
前記湾曲部材の前記第2の端部が、前記ハンドルの前記第1の端部と前記第2の端部との間のほぼ中間に位置している、請求項3記載の練習器具。
【請求項5】
前記湾曲部材の前記第1の端部が、前記ハンドルの前記第1の端部に接続され、前記湾曲部材の前記第2の端部が、どこにも接続されていない、請求項1記載の練習器具。
【請求項6】
前記可動部分が、前記湾曲部材の前記長さに対して概ね垂直方向に運動するように構成されている、請求項1記載の練習器具。
【請求項7】
前記ハンドルが、前記ハンドルの前記第1の端部と前記第2の端部との間に長手方向軸を画定し;
前記湾曲部材が、前記湾曲部材の前記第1の端部と前記第2の端部との間に長手方向軸を画定し;
前記ハンドルの前記長手方向軸及び前記湾曲部材の前記長手方向軸が平面を画定し;かつ
前記可動部分が、前記ウェイトが前記平面から移動するように構成されている、請求項1記載の練習器具。
【請求項8】
前記ロッドを、前記平面に対して垂直に配置することができる、請求項7記載の練習器具。
【請求項9】
前記ハンドルが、前記ハンドルの前記第1の端部と前記ハンドルの前記第2の端部との間の長さを有し、前記ロッドを、前記ハンドルの前記長さに対して垂直に配置することができる、請求項1記載の練習器具。
【請求項10】
前記ベースが、複数の面を備え、前記ロッドの前記第1の端部が、前記複数の面の1つに係合して前記可動部分の運動を制限するように構成されている、請求項1記載の練習器具。
【請求項11】
前記ロッドの前記可動部材に対する回動により、前記ロッドの前記第1の端部が、前記ベースの前記複数の面の1つに係合する、請求項10記載の練習器具。
【請求項12】
前記ロッドが、指係合部分を備える、請求項11記載の練習器具。
【請求項13】
前記湾曲部材が、第1の側面及び第2の側面を備え、前記第1の側面が、前記第2の側面の反対側に位置し、相反する側面溝が、前記第1の側面及び前記第2の側面に画定され、前記可動部材が、前記相反する側面溝に部分的に配設されている、請求項1記載の練習器具。
【請求項14】
複数のスロットが、前記相反する側面溝の1つに画定され、前記可動部材が、前記複数のスロットの1つに係合して前記可動部材の前記湾曲部材に対する移動を制限するように構成されているピンを備える、請求項13記載の練習器具。
【請求項15】
前記湾曲部材が、前記ウェイトの前記ハンドルに対する向きを示す標示を備える、請求項1記載の練習器具。
【請求項16】
前記ウェイトが、前記ロッドと同一線上に配置されている、請求項1記載の練習器具。
【請求項17】
前記ウェイトが、前記ウェイトを第2のウェイトに接続するねじ部分を備える、請求項1記載の練習器具。
【請求項18】
第1の端部及び第2の端部を有するハンドル;
前記ハンドルの前記第1の端部に接続された湾曲部材;
前記湾曲部材に接続された可動部材であって、前記湾曲部材の長さに沿って移動するように構成され、かつ第1の部分及び第2の部分を有し、前記第2の部分が、前記第1の部分に対して揺動するように構成されている、該可動部材;
第1の端部及び第2の端部を有する細長い部材であって、前記細長い部材の前記第1の端部が、前記可動部材の前記第2の部分に接続されている、該細長い部材;及び
前記細長い部材の前記第2の端部に接続されたウェイトを備える、練習器具。
【請求項19】
前記湾曲部材が、前記ハンドルの前記第1の端部から前記ハンドルの前記第2の端部に向かって延びている、請求項18記載の練習器具。
【請求項20】
前記湾曲部材が、第1の端部及び第2の端部を有し、前記湾曲部材の前記第1の端部が、前記ハンドルの前記第1の端部に接続され、前記湾曲部材の前記第2の端部が、どこにも接続されていない、請求項18記載の練習器具。
【請求項21】
前記可動部材の前記第1の部分が、複数の面を備え、前記細長い部材の前記第1の端部が、前記複数の面の1つに係合して前記可動部材の前記第2の部分の前記可動部材の前記第1の部分に対する運動を制限するように構成されている、請求項18記載の練習器具。
【請求項22】
前記湾曲部材が、第1の側面及び第2の側面を備え、前記第1の側面が、前記第2の側面の反対側に位置し、相反する側面溝が、前記第1の側面及び前記第2の側面に画定され、前記可動部材が、前記相反する側面溝に部分的に配設されている、請求項18記載の練習器具。
【請求項23】
前記湾曲部材が、前記練習器具の適切なアライメントを示すために目視基準を前記練習器具の使用者に提供する、請求項18記載の練習器具。
【請求項24】
前記練習器具の適切なアライメントを示すように構成された目視基準をさらに備える、請求項18記載の練習器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、引用により全容が本明細書中に組み込まれている2010年10月8日出願の「練習器具(Exercise Device)」という名称の米国仮特許出願第61/391,528号の優先権及び全ての利益を請求するものである。
【0002】
(技術分野)
本明細書は、全体として練習器具を説明する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
人は、適度な抵抗で運動することによって手、手首、及び腕の強さ及び協調を大幅に改善することができる。加えて、手、手首、又は腕を怪我した人は、適度な抵抗で訓練することによってリハビリを促進することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一般的な一態様では、練習器具は、第1の端部及び第2の端部を有するハンドル;該ハンドルの該第1の端部に接続された湾曲部材;該湾曲部材に接続された可動部材であって、該湾曲部材の長さに沿って移動するように構成され、かつ第1の部分及び第2の部分を有し、該第2の部分が、該第1の部分に対して運動するように構成されている、該可動部材;第1の端部及び第2の端部を有する細長い部材であって、該細長い部材の該第1の端部が、該可動部材の第2の部分に接続されている、該細長い部材;及び該細長い部材の該第2の端部に接続されたウェイトを備えている。
【0005】
実施形態はまた、1つ以上の以下の特徴を含むことができる。例えば、湾曲部材は、該湾曲部材の長さに沿って湾曲している。湾曲部材の長さは、ハンドルの第1の端部から該ハンドルの第2の端部に向かって延びている。湾曲部材の第2の端部は、ハンドルの第1の端部と第2の端部との間のほぼ中間に位置している。湾曲部材の第1の端部は、ハンドルの第1の端部に接続され、該湾曲部材の第2の端部は、どこにも接続されていない。可動部分は、湾曲部材の長さに対して概ね垂直方向に運動するように構成され得る。
【0006】
実施形態はまた、1つ以上の以下の特徴も含むことができる。例えば、ハンドルは、該ハンドルの第1の端部と第2の端部との間に長手方向軸を画定し、湾曲部材は、該湾曲部材の第1の端部と第2の端部との間に長手方向軸を画定し、該ハンドルの長手方向軸及び該湾曲部材の長手方向軸が平面を画定し、かつ可動部分は、ウェイトが該平面から移動するように構成されている。ロッドを、該平面に対して垂直に配置することができる。ハンドルは、該ハンドルの第1の端部と該ハンドルの第2の端部との間の長さを有し、ロッドを、該ハンドルの長さに対して垂直に配置することができる。可動部分は、ベースとの接続部を中心に回動するように構成されている。ベースは、複数の面を備え、ロッドの第1の端部は、該複数の面の1つに係合して可動部分の運動を制限するように構成されている。ロッドの可動部材に対する回転により、該ロッドの第2の端部が、ベースの複数の面の1つに係合する。ロッドは、指係合部分を備えている。
【0007】
実施形態はまた、1つ以上の以下の特徴も有することができる。例えば、湾曲部材は、第1の側面及び第2の側面を備え、該第1の側面は、該第2の側面の反対側に位置し;相反する側面溝は、該第1の側面及び該第2の側面に画定され;かつ該可動部材は、該相反する側面溝に部分的に配設されている。練習器具は、相反する側面溝の1つに画定された複数のスロットを備え、可動部材は、該複数のスロットの1つに係合して該可動部材の湾曲部材に対する移動を制限するように構成されているピンを備えている。湾曲部材は、ウェイトのハンドルに対する向きを示す標示を備えている。ウェイトは、ロッドと同一線上に配置されている。ウェイトは、該ウェイトを第2のウェイトに接続するねじ部分を備えている。湾曲部材は、該練習器具の適切なアライメントを示すために目視基準を練習器具の使用者に提供する。練習器具は、該練習器具の適切なアライメントを示すように構成された目視基準を備えている。
【0008】
1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の詳細な説明に示す。本開示の他の特徴、目的、及び利点は、以下の詳細な説明及び図面、並びに請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図5】
図5は、練習器具の可動部材の一部及び細長い部材の一部を例示する側面図である。
【
図6】
図6は、練習器具の可動部材の斜視図である。
【
図7】
図7は、細長い部材及びウェイトの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(詳細な説明)
練習器具は、1つ以上のウェイトの位置を該練習器具のハンドルに対して調整できる調整機構を備えている。練習器具の使用者は、1つ以上の調整によって、与えられる抵抗の大きさ及び向きを変更して使用者の特定の要求を満たすことができる。特定の運動又は練習では、例えば、ウェイトの位置及び/又は向きを調整することによって運動の抵抗特性を変更することができる。例えば、ウェイトの位置を調整することによって、使用者は、抵抗を必要とする運動範囲の一部又は全てに亘って練習器具に抵抗がかかるようにすることができる。
【0011】
ここで
図1Aを参照すると、練習器具10は、湾曲部材14に接続されたハンドル12を備えている。練習器具10はまた、可動部材16、細長い部材18、及び1つ以上のウェイト20も備えている。可動部材16は、該可動部材16が湾曲部材14に対して移動できるように該湾曲部材14に取り付けられている。細長い部材18は、可動部材16に取り付けられている。ウェイト20は、細長い部材18に接続されている。以下に詳細に説明するように、湾曲部材14、可動部材16、及び細長い部材18により、ウェイト20の位置をハンドル12に対して変更することができ、これにより練習器具10を様々な練習に使用することができる。
【0012】
練習器具10を使用する際は、使用者80は、ハンドル12を握って、練習器具10を一定範囲の運動によって動かすことができる。例えば、使用者80は、片方の手でハンドル12を握って練習器具10を持ち、使用者の手、手首、及び腕の1つ以上の運動を行うことができる。使用者80は、偏心及び同心の(1)屈曲、(2)伸長、(3)回外、(4)回内、(5)尺骨偏位、及び(6)橈骨を含む1つ以上の運動を行うことができる。
【0013】
ハンドル12は、第1の端部11と第2の端部13との間に概ね直線の長さを有することができる。第1の端部11及び第2の端部13は、ハンドル12の中心長手方向軸Lを画定している。ハンドル12は、使用者80がハンドル12を握りやすくするグリップ又は表面を有することができる。ハンドル12及び該ハンドル12のグリップは、交換可能とすることができる。したがって、使用者80は、適切なハンドル12を練習器具10に接続することによってハンドル12を調整して、例えば、テニスラケット、ゴルフクラブ、及び他の器具のハンドルを模倣することができる。
【0014】
湾曲部材14は、該湾曲部材14の中心長手方向軸Cを画定する第1の端部15及び第2の端部17を備えている。湾曲部材14は、第1の端部15と第2の端部17との間に曲線の長さを有することができる。
【0015】
図1Aに示されているように、湾曲部材14は、その第1の端部15がハンドル12の第1の端部11に取り付けられている。例えば、湾曲部材14の第1の端部15を、ハンドル12の第1の端部11に接続し、該湾曲部材14の第2の端部17は、どこにも接続しないままにすることができる。湾曲部材14の第2の端部17がどこにも接続されていないため、使用者80は、例えば、両手を用いてハンドル12の第2の端部13で該ハンドル12を握ることができる(
図1B)。加えて、ハンドル12の一端11のみでの湾曲部材14の取り付けにより、ハンドル12の取り外し、及び様々な長さのハンドル12を含む別のハンドル12との交換を容易にすることができる。
【0016】
湾曲部材14は、ハンドル12に対して概ね凸状の経路に沿って該ハンドル12から延びることができる。したがって、湾曲部材14とハンドル12との間に空間22を画定することができる。例えば、湾曲部材14は、ハンドル12の第1の端部11から、該ハンドル12の第2の端部13に概ね向かって延びることができる。空間22は、使用者80の手及び指を収容することができ、これにより該使用者80が、練習器具10のハンドル12を握ることができる。湾曲部材14の長さは、ハンドル12の第1の端部11から始まり、該ハンドル12の端部11と13との間に位置する該湾曲部材14の第2の端部17で終端している。
【0017】
一実施形態では、湾曲部材14は、一般に、ほぼハンドル12の長さの直径を有する円の一部のような形状にしても良い。湾曲部材14は、該湾曲部材14の第2の端部17がハンドル10の長さに沿ってほぼ中間で終端するように、円の約4分の1を形成することができる。湾曲部材14の他の曲率及び構造も考えられる。
【0018】
図2A〜
図2Cを参照すると、可動部材16を、湾曲部材14に移動可能に取り付けることができる。例えば、可動部材16は、矢印Aによって示されているように、湾曲部材14によって画定された湾曲した経路に沿って該湾曲部材14に対して移動することができる。可動部材16を湾曲部材14に対して移動させることにより、
図2Bの角度Bによって示されているように、可動部材16のハンドル12に対する角度(及び細長い部材18及びウェイト20の角度も)を変更することができる。
【0019】
可動部材16の湾曲部材14に対する移動により、細長い部材18及びウェイト20のハンドル12及び該湾曲部材14の両方に対する位置が変化する。可動部材16の1つの位置では、該可動部材16は、細長い部材18の長さが、ハンドル12の中心長手方向軸と概ね一直線になる構造にすることができる(
図2A)。可動部材16の湾曲部材14に対する別の位置では、該可動部材16は、細長い部材18の長さが、ハンドル12の長さに対して概ね垂直となる構造にすることができる(
図2C)。
図2A及び
図2Cに例示されている位置間の位置範囲を含め、多くの他の位置も可能である。
【0020】
一実施形態では、ハンドル12の中心長手方向軸L及び湾曲部材14の中心長手方向軸Cが平面を画定する。可動部材16の湾曲部材14に対する移動により、細長い部材18、従ってウェイト20が、中心長手方向軸C及びLによって画定された平面に対して平行に移動する。
【0021】
可動部材16は、湾曲部材14を保持することができる。
図3A及び
図3Bを参照すると、溝24、26を、湾曲部材14の相反する側面に画定することができる。溝24、26は、湾曲部材14の長さに沿って湾曲した経路を画定することができ、該湾曲した経路は、可動部材16の該湾曲部材14に対する移動経路を画定する。可動部材16の一部を、それぞれの溝24、26に配設することができ、該可動部材16の残りの部分は、湾曲部材14の周りに配設することができる。例えば、可動部材16は、該可動部材16の対向する内面に形成された対向する内部レール28を備えることができ、該レール28は、溝24、26に進入して係合するように構成されている(
図3Cを参照)。湾曲部材14の一方の端部15は、可動部材16が、最初に溝24、26に進入できるように、溝24、26を露出させることができる。可動部材16が溝24、26から外れるのを防止するために、キャップ30を湾曲部材14の端部に接続することができる。
【0022】
可動部材16の湾曲部材14に対する移動を制限するために係合機構を設けることができる。例えば、1つ以上のスロット32を、湾曲部材14の溝24に画定することができる。スロット32は、可動部材16の湾曲部材14に対する位置を示すために溝24、26の一方に配設することができる。可動部材16は、スロット32の1つに係合して該可動部材16の湾曲部材14に対する移動を制限するピン34を備えることができる。可動部材16は、ピン34がスロット32から不所望に外れるのを防止するために該ピン34をスロット32に向かって押圧するばね又は他の機構を備えることができる。使用者80は、ピン34を引いてばねの力を弱めることができ、これにより可動部材16の湾曲部材14に対する移動を可能にする。使用者80は、ピン34を解放することができ、該ピン34をスロット34に係合させて、可動部材16の湾曲部材14に対する移動を制限することができる。
【0023】
一実施形態では、特定の練習又はリハビリ療法の場合は、ピン34を特定のスロット32に係合させて、可動部材16を湾曲部材14に対して位置調整する。したがって、スロット34により、使用者80が可動部材16の適切な構造及びアライメントを達成することができ、有効な練習又は治療が可能となる。
【0024】
湾曲部材14は、可動部材16の該湾曲部材14に対する1つ以上の位置に対応する標示36(
図4を参照)を備えることができる。標示36は、可動部材16が1つ以上のスロット32に係合したときの該可動部材16の位置に対応することができる。標示36は、ウェイト20のハンドル10に対する位置を使用者80に示すことができる。例えば、標示36は、可動部材16のハンドル12に対する1つ以上の角度、例えば、
図2Bの角度Bなどを示すことができる。
【0025】
可動部材16は、ベース40、及び該ベース40に対して運動するように構成された可動部分42を備えることができる。
図4に示されているように、可動部分42は、ベース40との接続部44を中心に回動するように構成することができる。接続部44を中心とする回動により、使用者80が、細長い部材18の可動部材16に対する角度を調整することができる。一実施形態では、接続部44は、可動部分42のベース40に対する矢印Rに沿った180度の範囲の運動を可能にすることができる。ピン又は他の接続機構で可動部分42をベース40に接続することができ、該可動部分42の該ベース40に対する運動が可能となる。例えば、可動部分42は、該可動部分42をベース40に接続するヒンジで該ベース40に接続することができる。
【0026】
可動部分42のベース40に対する運動は、可動部材16の湾曲部材14に対する移動方向に対して概ね垂直な方向に生じるようにすることができる。可動部分42のベース40に対する運動は、ベース40の幅Wに対して概ね垂直にすることができ、かつ湾曲部材14の長さに対して概ね垂直とすることができる。
【0027】
上記した可動部分42の運動は、ウェイト20及び細長い部材18の様々な位置を可能にすることができる。例えば、この運動により、細長い部材18をハンドル12に対して垂直に配置することができる。ハンドル12の中心長手方向軸及び湾曲部分14の中心長手方向軸が平面を画定する一実施形態では、可動部分42の運動により、該細長い部材18を該平面と整合した状態から整合していない状態にすることができる。言い換えれば、細長い部材18は、該平面に一致させることができる中心長手方向軸を画定することができ、可動部分42の運動により、該細長い部材18の中心長手方向軸を該平面と整合した状態から整合していない状態にすることができる。可動部分42の運動により、同様にウェイト20を該平面から移動させることができる。
【0028】
可動部分42のベース40に対する運動は、細長い部材18とベース40との係合によって制限することができる。
図5を参照すると、可動部分42は、細長い部材18のねじ端部48に螺合する雌ねじ開口(不図示)を画定することができる。該開口は、可動部分42を貫通することができ、これにより細長い部材18の端部48が、該可動部分を通過してベース40に接触することができる。
【0029】
ベース40は、1つ以上の係合面50を備えている。例えば、ベース40は、可動部分42のベース40に対する特定の角度に対応する5つの係合面50を備えることができる。係合面50は、概ね平面にすることができ、可動部分42のベース40に対する特定の向きを示す標示を備えることができる(
図6を参照)。
【0030】
係合面50に、細長い部材18の概ね平面の接触面52を接触させて、可動部分42のベース40に対する運動を制限することができる。細長い部材18の可動部材16の可動部分42に対する回転により、細長い部材18の接触面52が、ベース40の係合面50の1つに係合することができる。細長い部材18の接触面52は、ベース40の係合面50に確実に係合するように概ね平面とすることができる。細長い部材18の可動部材16の可動部分42に対する回転及び反回転のそれぞれにより、細長い部材18の接触面52をベース40の係合面50の1つに対する係合及び係合解除を行うことができ、これにより使用者80が、可動部分42をベース40に対して運動させて、可動部分42が特定の位置に達したときに運動を制限することができる。
【0031】
可動部分42のベース40に対する運動を制限する他の機構も可能である。例えば、練習器具は、可動部分42のベース40に対する運動を可能にする制御部、例えば、ラッチ、ボタン、ダイアル、又はスイッチを備えることができる。制御部は、ロック機構の係合を解除して、可動部分42のベース40に対する運動を可能にすることができる。制御部を使用する、例えば、該制御部を解放する、又は該制御部を異なる向きにすることによって、ロック機構を再び係合させて、可動部分42をベース40に対して固定することができる。細長い部材18を回転させて係合面50に対する係合及び係合解除を行うのではなく、このような実施形態を使用することができる。加えて、可動部分42は、いくつかの所定の位置の1つだけではなく、該可動部分42の運動範囲の任意の点で、ベース40に対して固定することができる。
【0032】
細長い部材18は、その長さに沿って概ね直線とすることができ、例えば、ロッドを含むことができる。細長い部材18は、可動部材16から取り外し可能とすることができ(
図5を参照)、これによりいくつかの異なる細長い部材18の1つを練習器具10に使用することができる。例えば、使用者80は、細長い部材18を長め又は短めの細長い部材と交換して、練習器具10又は特定の練習の抵抗特性を変更することができる。細長い部材18を長くすることにより、ウェイト20のレバーアームがハンドルに対して長くなり、従って練習器具10の使用者80が感じる抵抗が大きくなる。細長い部材は、使用者80が該細長い部材18を回転させやすいように該細長い部材18の長さに沿って指係合部分54を備えることができる。
【0033】
一実施形態では、細長い部材18の長さは、調整可能としても良い。例えば、細長い部材18は、望遠鏡型部材を備えることができる。別の実施形態では、ハンドル12は、練習器具10を使用しないときに保管するために細長い部材18を収容する構造としても良い。
【0034】
ウェイト20が、細長い部材18のねじ端部48の反対側の該細長い部材18の端部56で該細長い部材18に接続されている。
図7を参照すると、細長い部材18の端部56は、1つ以上のウェイト20が螺合するねじソケットを備えることができる。ウェイト20は、細長い部材18のねじソケットに係合してウェイト20を該細長い部材に接続するねじ延長部58を備えることができる。加えて、ウェイト20はそれぞれ、別のウェイト20のねじ延長部58が螺合するねじソケット60を備えることができる。使用者80は、1つのウェイト20を別のウェイト20に接続して複数のウェイト20を互いに接続することができ、かつ細長い部材18に接続することができる。1つ以上のウェイト20は、ウェイト20の外面に形成されたリッジ部分62を備えることができ、これにより使用者80が、該ウェイトを把持して該ウェイトの細長い部材18に対して係合及び係合解除するのが容易になる。
【0035】
一実施形態では、1つ以上のウェイト20が該細長い部材18と同一線上に位置するように、該細長い部材18と該ウェイト20を接続することができる。ウェイト20は、その1つ以上のウェイト20の中心軸が、細長い部材18の中心長手方向軸と一致するように該細長い部材18に接続することができる。
【0036】
練習器具10は、使用中に該練習器具10の正確なアライメントを維持するよう使用者80を支援する目視基準を備えることができる。練習器具10は、持ち運び可能かつハンドヘルドとすることができるため、特定の運動中に使用者80が該練習器具10を位置調整することが時に困難な場合がある。特に、使用者80は、ウェイト20の軌道が一見しただけでは分からない運動範囲で練習器具10を動かす必要がある場合がある。
【0037】
練習器具の1つ以上の構成要素及び部分は、練習器具10のアライメントのための目視基準を備えることができる。例えば、湾曲部材14は、使用者80の目視基準として機能して、該使用者80が練習器具10の動きを誘導するのを支援することができる。湾曲部材14の中心長手方向軸及びハンドル12の中心長手方向軸が平面を画定する場合、使用者80は、湾曲部材14の位置に基づいて該平面のアライメントを決定することができる。この基準は、該平面は地面に対して垂直又は平行に維持するが、ウェイト20を該平面から外れて位置するように使用者80が練習器具10を動かさなければならない場合に特に有用であり得る。このような構成では、ウェイト20が、使用者80が運動の全ての恩恵を得るために耐えなければならないトルクをハンドル12にかけることができる。湾曲部材14又は別の目視基準の位置は、使用者80が、一定範囲の運動中にウェイト20によってかけられるトルクに耐えなければならないか、そうではない場合は練習器具を位置調整しなければならないことを示すことができる。
【0038】
一定範囲の運動の間に亘って使用者80が練習器具10の適切なアライメントを維持するのを支援するために、標示、旗、延長部、及び他のアライメント要素を含む他の目視基準を備えることもできる。例えば、目視基準は、練習器具10の運動に対して平行又は垂直に位置調整されるように構成することができる。1つ以上の目視基準は、練習器具10を動かすべき運動の方向を示すこともできる。
【0039】
一実施形態では、練習器具10は、可動部材を湾曲部材14に対して自動的に移動させる1つ以上の電動要素を備えても良い。使用者80が、可動部材16を湾曲部材14に対して手動で動かす必要がなく、電動要素が、使用者80の代わりに調整を行うことができる。例えば、可動部材を、電動化して湾曲部材14に沿って移動させることができる。同様に、電動要素は、ピン及びスロットが必要ないように特定の位置で可動部材16を固定することができる。例えば、湾曲部材14は、可動部材16の歯車が係合できるリッジ面をその長さに沿って備えることができる。可動部材は、該可動部材16の歯車を駆動させて該可動部材を湾曲部材14に沿って移動させることができるモータを備えることができる。可動部材16のモータ及び歯車は、該可動部材14を湾曲部材の本質的に全長に沿って移動させるように構成することができる。あるいは又は加えて、湾曲部材14及び可動部材16は、該可動部材16を該湾曲部材14に対して自動的に移動させる1つ以上のモータ、歯車、プーリ、ベルト、及び他の機構を備えることができる。練習器具はまた、可動部材16の可動部分42を可動部材16のベース40に対して移動させる1つ以上の電導要素も備えることができる。
【0040】
練習器具10はまた、可動部材16の湾曲部材14に対する位置を調整する制御部、例えば、スイッチ、ダイアル、又はボタンも備えることができる。また、可動部分42のベース40に対する位置を調整する制御部も備えることができる。
【0041】
練習器具10はまた、使用者80に情報を提示するディスプレイ、例えば、液晶ディスプレイも備えることができる。例えば、可動部材16の湾曲部材14に対する位置についての情報、及び可動部分42のベース40に対する位置についての情報をディスプレイに表示することができる。
【0042】
練習器具10はまた、1つ以上モータ及びディスプレイの動作を制御する電源(例えば、バッテリ)、1つ以上の処理装置、制御回路、及び記憶装置も備えることができる。処理装置、処理装置、制御回路、及び記憶装置をハンドル及び/又は湾曲部材の中又は上に配設して、可動部材16の動きを制御する1つ以上のモータを駆動してその動作を制御することもできる。例えば、記憶装置は、1つ以上の処理装置によって実行されたときに、練習器具10の1つ以上のモータ又は機構を作動させる命令を含むことができる。例えば、処理装置は、1つ以上のモータに可動部材16を湾曲部材14に対して移動させる制御信号を送ることによってモータを作動させることができる。制御信号は、1つ以上のモータに可動部分42をベース40に対して移動させることもできる。
【0043】
記憶装置では、練習器具10は、可動部材16の1つ以上のプリプログラムされた動きを記憶することができる。一実施形態では、処理装置は、モータに可動部材16を振動させて湾曲部材14の長さに沿って移動させることができる。使用者80の強さと協調を改善するために振動又は他の運動が起きている状態で、ウェイト20の特定の向きを維持するように該使用者80に指示することができる。
【0044】
他のプリプログラムされた動きには、散発的な動き、及び使用者80にとってランダム又は分からない動きが含まれ得る。言い換えれば、処理装置は、モータに、使用者80にとって予測不可能な方式で可動部材を湾曲部材に対して移動させることができる。ウェイト20の質量中心を使用者80の体に対して1つ以上の特定の位置に維持することを目標として、特定の運動の間中、体を動かすように該使用者に指示することができる。規則的に振動して所定の軌道を通ることができる。使用者80の反射を訓練するために、所定の軌道は、該使用者にとって未知とすることができる。
【0045】
練習器具10はまた、その様々な位置に1つ以上のセンサ、例えば、加速度計及び/又はジャイロスコープも備えることができる。これらのセンサは、練習器具10の本体に含めることができる処理装置にデータを供給することができる。練習器具10は、このデータに基づいて練習中に所定の軌道を自動的に調整するようにプログラムすることができる。
【0046】
本発明の一実施態様は、ハンドルの両端部を接続する半円アーチを取り入れた設計を有することができ、該アーチは、スレッドの該アーチの全長の横断を可能にするスレッド機構を備え、かつ該アーチ全体に亘る1つ以上の点における目的の固定位置(複数可)に該スレッドを使用者が到達させことができるようにするトラック、機械式ロック、及び/又は電気機械要素を備え、該スレッドは、該使用者が様々な抵抗を受けるように可変ウェイト系に取り付けられている。別の実施態様は、完全な円形のアーチを取り入れた設計を有することができ、ハンドルが、該円形アーチによって形成された円の直径の軸に沿っており、該円形アーチは、スレッド及び可変ウェイト系を備えている。別の実施態様は、ハンドルで交差するいくつかの円形及び/又は半円形アーチを取り入れたデザインを有することができ、該ハンドルは、交差するアーチ/円の共通の直径に沿って配置することができ、該アーチは、それぞれ付随する抵抗を有する1つ以上のスレッドが共有トラックを移動できるようにする共通のトラックを共有し、該直径で交差して異なる円/半円のアーチになっている。いくつかのアーチを有する設計は、1つ以上のアーチを連結する、装置全体に亘って様々な部分にある「連結トラック」も有することができ、1つ以上の抵抗スレッドが、使用者の拳の周りのスレッド位置の3次元「球体」における任意の所望の位置に容易に移動することができ、かつ該設計は、該使用者の拳の周りの「ケージ」に似せることができる。このような装置は、半球体又は球体トラック装置全体に亘る1つ以上の抵抗スレッドの動的再配置を可能にする電気機械要素を備えることができる。この装置は、球体トラック全体に亘る1つ以上の抵抗スレッドのプリプログラムされた軌道を可能にするコンピュータハードウエア及びソフトウエアを搭載することができ、これにより使用者が、該使用者の体が経験する職業的活動(例えば、運動競技のラケット又はクラブの振り、ハンマーの振りなど)の抵抗プロフィールをシミュレーションすることができる。このような「半球体ケージトラック装置」は、スレッド全体に亘る静的又は動的可変位置に抵抗を有するのではなく、使用者の運動を案内するという唯一の目的を果たすことができる視覚的運動支援、例えば、明るい色の旗を有するスレッドを備えることもできる。これにより、練習中の専門家の管理の必要性を軽減することができる。抵抗スレッド及び視覚的運動支援付きスレッドを同じ装置内で一緒に使用することができる。スレッドは、使用中に器具及び/又は特定の要素が遭遇したことに関するデータのフィードバックを可能にする様々なセンサ、例えば、ポテンショメータ及び/又は加速度計も備えることができ、遠隔監視ステーションで健康管理医がこれを使用して、使用者の体験を評価して該使用者にフィードバックを提供することができる。このフィードバックは、実際には、1つ以上の視覚的運動支援付きスレッド及び/又は器具内の任意のスレッドの遠隔操作の形態とすることができる。設計は、使用者に視覚的運動支援フィードバックを提供するために、半球体ケージトラック全体に亘る様々な点における信号、例えば、様々な色の点滅光を取り入れることができる。例えば、装置内のジャイロセンサは、装置の正確な3次元の向きについて器具内のマイクロコントローラ及びコンピュータシステムにフィードバックを提供することができる。この情報により、器具は、使用者の拳の内側に直接面した水平面にあるトラック位置で光を点滅させて、「開始位置」を示すことができる。使用者の拳の真上のケージトラックで第2の光を点滅させて、「終了位置」を示すことができる。次いで、器具は、2つの光が互いに交わるように使用者が器具を作動させるために、例えば、電子化された音声によって信号を送ることができる。「開始位置」の光は、固定したままとすることができ、使用者に対して同じ点に維持するべく該使用者が器具を作動させると「終了位置」の光が動的に変化する、すなわち視覚的運動支援として機能して該使用者が回転しなければならない点を示す。この種類の視覚的運動フィードバック及び案内は、訓練された専門家の直接の監視を伴わない使用者の指示及び監視の重大な問題に対処することができる。上記種類の装置は、ゲームシステム及び身体器具の両方からの情報を利用して該ゲーム及び/又は該器具(例えば、抵抗スレッド及び/又は視覚的運動支援の位置)の両方を動的に変更するコンピュータソフトウエアゲームとの接続部を備えることができる。例えば、ゴルフのパターを使用するように使用者をスクリーン上で指示することができ、装置は、使用者がパットで行うべき運動の範囲に基づいて、トラック全体に亘る光の形態の視覚的運動支援によって開始範囲及び終了範囲を表示することができる。ソフトウエアシステムは、光又は他の種類の可聴/視覚/触覚フィードバックによってゴルフのドライバーショットなどの運動の実施に使用される衝撃力を使用者に示すこともできる。該システムは、使用者が使用しようとしているゴルフクラブの形態に基づいてウェイトを適宜調整するように該使用者に指示することができ、一実施態様では、装置は、望遠鏡機能によって長さを長くすることができる、すなわち該装置のモーメントアームを長くすることができる調整可能なアームを抵抗スレッドに設けることができる。このような装置は、ゲームの最中に動的に調整される異なる抵抗を用いて又は用いずに、「開始の光」が半球体ケージトラック全体を横断する1つ以上の「ゴール」の光を追うことを目的として使用者が器具を操作しなければならないゲームを搭載することができる。本発明の一実施態様は、ハンドルと1つ以上の半円アーチとの間の接続部分に調整可能なヒンジを取り入れた、使用者の前腕に該アーチが接触することなく該使用者がハンドルのグリップを360度回動させることができる設計を有することができる。
【0047】
少数の実施形態を詳細に説明してきたが、他の変更形態も可能である。さらに、上記説明した機能を表現する他の機構も使用することができる。他の構成要素を上記練習器具に加えても良いし、取り除いても良い。したがって、他の実施形態も、添付の特許請求の範囲内である。