特許第6055434号(P6055434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055434
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】ロボットカテーテルシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20161219BHJP
   B25J 3/00 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   A61B34/35
   B25J3/00 Z
【請求項の数】22
【外国語出願】
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2014-80707(P2014-80707)
(22)【出願日】2014年4月10日
(62)【分割の表示】特願2011-502095(P2011-502095)の分割
【原出願日】2009年3月27日
(65)【公開番号】特開2014-158942(P2014-158942A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2014年4月10日
(31)【優先権主張番号】61/040,143
(32)【優先日】2008年3月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/099,904
(32)【優先日】2008年9月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/347,811
(32)【優先日】2008年12月31日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506257180
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル・エイトリアル・フィブリレーション・ディヴィジョン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カーシェンマン マーク
(72)【発明者】
【氏名】ハウック ジョン
【審査官】 井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/136803(WO,A2)
【文献】 特開平08−280709(JP,A)
【文献】 特開平06−344285(JP,A)
【文献】 特開昭60−221280(JP,A)
【文献】 特開2003−024336(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0197939(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0074406(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0222554(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/088208(WO,A1)
【文献】 特開2006−141976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/35
B25J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットカテーテルシステムであって、
マニピュレーター支持構造体に支持される少なくとも1つのロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリであって、該ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリは、少なくとも1つの取り外し可能なロボットカテーテルデバイスカートリッジ及び少なくとも1つのロボットシースデバイスカートリッジを備え、相対的に移動可能な少なくとも1つのカテーテル操作ベース及び少なくとも1つのシース操作ベースを含む支持部材を含み、各操作ベースはそれぞれ前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及び前記ロボットシースデバイスカートリッジに対して解放可能に接続可能であり、前記カテーテル操作ベース及び前記シース操作ベースが、相互に及び前記支持部材に対して直線的に移動可能である、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリと
前記マニピュレーター支持構造体上にあって、前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジ又は前記ロボットシースデバイスカートリッジの前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリとの適切な接続を示す可視インジケータと、
前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの作動を制御するための入力制御システムと、
前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及びロボットシースデバイスカートリッジにそれぞれ取り付けられたカテーテル及びシースの少なくとも1つの位置を表示するための少なくとも1つのディスプレイモニターを備える視覚化システムと、
を備え、
前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及び前記ロボットシースデバイスカートリッジの少なくとも1つは、前記カテーテル及び前記シースの少なくとも1つを、前記ロボットカテーテルシステムによって操舵可能にするように構成された複数のスライダ要素を備え、
前記カテーテル操作ベース及び前記シース操作ベースの少なくとも1つは、前記複数のスライダブロックに作用する複数の操作要素を備え、
前記複数のスライダ要素は、前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及び前記ロボットシースデバイスカートリッジの少なくとも1つの内部に収容され、前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及び前記ロボットシースデバイスカートリッジの少なくとも1つが、対応する前記操作ベースに接続されると、前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及び前記ロボットシースデバイスカートリッジの少なくとも1つに形成された凹部を介して当該カートリッジの内部で前記複数の操作要素によって作用されるようになっている、
ロボットカテーテルシステム。
【請求項2】
前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及び前記ロボットシースデバイスカートリッジの少なくとも1つは、対応する前記操作ベースに固定又はロック可能な接続部材を備え、
前記カテーテル操作ベース及び前記シース操作ベースの少なくとも及び1つは、前記接続部材を係合するための係合部材を備える、請求項1に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項3】
前記マニピュレーター支持構造体が、前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを手術台に取り付けるための取り付けアセンブリを含む、請求項1又は2に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項4】
前記マニピュレーター支持構造体が、前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを調節可能に支持するための少なくとも1つの支持アームを含む、請求項1〜3のいずれかに記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項5】
前記支持アームが、概して水平に配置された手術台に対して鋭角に配置された平面において前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを調節可能に配置する、請求項に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項6】
前記支持アームが、概して水平に配置された手術台に対して概して鋭角に配置された平面における移動のために前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及びロボットシースデバイスカートリッジを調節可能に配置する、請求項に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項7】
前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ支持構造体が、手術台に対して実質的に固定されて配置される、請求項1〜6のいずれかに記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項8】
さらに、前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの汚染を防ぐための滅菌シールドを含む、請求項1〜のいずれかに記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項9】
前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及び前記ロボットシースデバイスカートリッジの少なくとも1つが、前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリに対して回転可能である、請求項1〜のいずれかに記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項10】
前記マニピュレーター支持構造体が、前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの輸送を容易にするための少なくとも1つの格納可能なホイールを含む、請求項1〜のいずれかに記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項11】
前記支持アームが、概して水平に配置された手術台に対して概して直角に配置された平面において前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを調節可能に配置する、請求項に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項12】
前記支持アームが、概して水平に配置された手術台に対して概して直角に配置された平面における移動のために前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及びロボットシースデバイスカートリッジを調節可能に配置する、請求項に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項13】
さらに、前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの輸送及び滅菌に使用するためのケースを含む、請求項1〜12のいずれかに記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項14】
前記ロボットカテーテルシステムが、持ち上げることなく移動可能である、請求項1〜13のいずれかに記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項15】
前記カテーテル操作ベース及び前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジの一方が、前記カテーテル操作ベース及び前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジの他方に摺動可能に係合される少なくとも1つの相補的第二の要素と係合可能である、少なくとも一つの第一の要素を、前記カテーテル及び前記第一及び第二の要素の一方に取り付けられた操舵ワイヤーを牽引することによって前記カテーテルの動きを制御するために含む、請求項14に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項16】
前記シース操作ベース及び前記ロボットシースデバイスカートリッジの一方が、前記シース操作ベース及び前記ロボットシースデバイスカートリッジの他方に摺動可能に係合される少なくとも1つの相補的第二の要素と係合可能な、少なくとも1つの第一の要素を、前記シース及び前記第一及び第二の要素の一方に取り付けられた操舵ワイヤーを牽引することによって前記シースの動きを制御するために含む、請求項14に記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項17】
前記入力制御システムが、仮想心臓生体構造に近位の仮想カテーテルチップに基づく触覚フィードバックを含む、請求項1〜16のいずれかに記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項18】
前記視覚化システムが、前記入力制御システムのためのサムスイッチ偏向の方向を示す方位ベクトルディスプレイを含む、請求項1〜17のいずれかに記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項19】
前記入力制御システムが、前記カテーテル及び前記シースに取り付けられた操舵ワイヤーの能動的緊張を含む、請求項1〜18のいずれかに記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項20】
前記入力制御システムが、患者の生体構造中の所定の区域における前記カテーテル及びシースの動きの速度を変更するための予め画定された速度区域を含む、請求項1〜19のいずれかに記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項21】
前記可視インジケータは、光インジケータである、請求項1〜20のいずれかに記載のロボットカテーテルシステム。
【請求項22】
前記可視インジケータは、LEDインジケータである、請求項21に記載のロボットカテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2008年3月27日出願の米国特許仮出願番号第61/040,143号(’143号出願)、及び2008年9月24日出願の米国特許仮出願第61/099,904(’904号出願)に基づく優先権を主張する。本発明は、係属中の2008年12月31日出願の米国特許出願番号第12/347,811号(’811出願)に基づく優先権を主張する。’143出願、’904号出願及び’811号出願は、本明細書においてその全てが開示されるものとして、参照によりここに組み入れられる。
【0002】
発明の背景
a. 発明の分野
本発明はロボットカテーテルシステム、及びカテーテル及び関連構成要素の自動化された制御方法に関する。より詳細には、本発明は、カテーテル及び関連する構成要素を操作するための、例えば、診断処置、治療処置、マッピング処置、及びアブレーション処置などのための、ロボットカテーテルシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
b.背景技術
電気生理学的カテーテルは、例えば、異所性心房性頻脈、心房性細動、及び心房粗動などの心房性不整脈のような状態を正常化するための様々な診断及び/又は治療的医療処置に使用されている。不整脈は、異常な心拍、同期収縮の喪失、及び血流のうっ血を含む、様々な疾患や死にも至り得る様々な危険な状態をもたらし得る。
【0004】
処置においては典型的に、カテーテルは患者の血管を通して、例えば、患者の心臓へと操作され、そしてマッピング、アブレーション、診断、あるいはその他の治療に使用される1つ以上の電極を保持する。意図する部位に到達すると、治療は、無線周波数(RF)アブレーション、低温アブレーション、レーザー、化学物質、高密度焦点式超音波などを含み得る。アブレーションカテーテルは、心臓組織中に損傷を作り出すに足りるアブレーションエネルギーを心臓組織に与える。この損傷により、望ましくない電気経路が中断され、不整脈をもたらす逸脱電気信号が制限され、あるいは防がれる。容易にわかるように、そのような治療には、治療部位への、また治療部位における操作中のカテーテルの正確な制御が必要であり、これは不変的に使用者の技術レベルに左右されることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、本発明者等は、例えば、診断処置、治療処置、マッピング処置及びアブレーション処置のための、使用者の技術レベルに起因した手技の差違を最小限にする及び/又は排除する、カテーテル及び関連する構成要素の正確かつ機能的な自動化された制御のためのシステム及び方法が必要であることを認識した。本発明者等は、また、患者の部位又は患者から離れた場所(遠隔地、リモートロケーション)から、ユーザーに特化した手技を実行するためのシステム及び方法の必要性を認識した。
【0006】
正確、かつ機能的なカテーテル及び関連する構成要素の自動化制御のためのシステム及び方法が望まれている。より詳細には、例えば、診断処置、治療処置、マッピング処置及びアブレーション処置のための、患者の場所において、又は患者から離れた場所(リモートロケーション)から任意に実施される手技であって、使用者の技術レベルに起因したそのような手技の差違を最小限にする及び/又は排除する、カテーテル及び関連する構成要素の正確かつ動力学的な自動化された制御のためのシステム及び方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
正確、かつ機能的なカテーテル及び関連する構成要素の自動化制御のためのシステム及び方法は、マニピュレーター支持構造体に支持されたロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを1つ以上を含むロボットカテーテルシステムを含み得る。ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリは、取り外し可能に取り付けられたロボットカテーテルデバイスカートリッジを1つ以上、及びロボットシースデバイスカートリッジを含むことができ、それぞれのカートリッジは、一般的にロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリに相対して直線的に移動可能である。ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの動作を制御する入力制御システムを設けることができる。視覚化システムは、ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及びシースデバイスカテーテルにそれぞれ取り付けられたカテーテル及び/又はシースの位置を表示するための表示モニターを1つ以上含むことができる。
【0008】
一実施形態において、上述のロボットカテーテルシステムに関して、マニピュレーター支持構造体は、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを手術台に取り付けるための取り付けアセンブリを含むことができる。一実施形態において、マニピュレーター支持構造体は、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの輸送を容易にするための1つ以上の格納可能なホイールを含むことができる。一実施形態において、マニピュレーター支持構造体は、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを調節可能に支持する1つ以上のアーム、又は複数のロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを支持する複数の支持アームを含むことができる。一実施形態において、支持アームは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを、概して水平に配置された手術台に対して鋭角な面において調節可能に配置することができる。あるいはまた、支持アームは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを、概して水平に配置された手術台に対して直角な面において調節可能に配置することができる。一実施形態において、支持アームは、ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及びシースデバイスカートリッジを、概して水平に配置された手術台に対して鋭角な面において移動のために調節可能に配置することができる。あるいはまた、支持アームは、ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及びシースデバイスカートリッジを、概して水平に配置された手術台に対して直角な面において移動のために調節可能に配置することができる。
【0009】
一実施形態において、上述のロボットカテーテルシステムに関して、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリは、手術台に対して実質的に固定して配置することができる。ロボットカテーテルシステムは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを輸送し、そして滅菌使用するためのケースをさらに含むことができる。一実施形態において、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを汚染から防ぐために、滅菌シールドを設けることができる。一実施形態において、ロボットカテーテルシステムは、携帯型(例えば、持ち上げることなく移動可能)であることができる。一実施形態において、1つ以上のカテーテルカートリッジ及びシースカートリッジは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリに対して回転可能であることができる。
【0010】
一実施形態において、上述のロボットカテーテルシステムに関して、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリは、1つ以上のカテーテル操作ベース及び1つ以上のシース操作ベースを含む支持部材を含むことができ、それらベースは相互及び支持部材に関して移動可能であり、それぞれのベースはカテーテルデバイスカートリッジ及びシースデバイスカートリッジに取り付け可能に接続可能である。一実施形態において、カテーテル操作ベース又はカテーテルデバイスカートリッジは、カテーテル操作ベース又はカテーテルデバイスカートリッジのいずれか一方と摺動自在に係合される1つ以上の相補的な第二の要素と係合可能な1つ以上の第一の要素を含むことができ、該カテーテル及び第一又は第二の要素に取り付けられた操舵ワイヤーを引くことによってカテーテルの移動を制御する。一実施形態において、シース操作ベース又はシースデバイスカートリッジは、シース操作ベース又はシースデバイスカートリッジのいずれか一方と摺動自在に係合される1つ以上の相補的な第二の要素と係合可能な1つ以上の第一の要素を含むことができ、該シース及び第一又は第二の要素に取り付けられた操舵ワイヤーを牽引することによってシースの移動を制御する。一実施形態において、カテーテル操作ベース及びシース操作ベースは、相互及び支持部材に関して直線的に移動可能である。一実施形態において、カテーテル操作ベースは、概してシース操作ベースの背後に配置することにより、カテーテルのシース内への挿入を可能にすることができる。
【0011】
一実施形態において、上述のロボットカテーテルシステムに関して、入力制御システムは、ジョイスティック、機器を装備した(例えば、触覚による)グローブ、マウス型のデバイス、スペースボール及び/又は3D入力デバイスの1つ以上を含むことができる。別の実施形態において、入力はあらかじめ定義された、ソリッドモデルで描かれシステムによって計算および実行される経路であってよい。一実施形態において、入力システムは、遠位カテーテルチップに対する実際に検知された力又は該遠位カテーテルチップから測定されたインピーダンスに基づく触覚フィードバックを含むことができる。一実施形態において、入力制御システムは、仮想心臓生体構造に近位の仮想カテーテルチップに基づく触覚フィードバックを含むことができる。一実施形態において、視覚化システムは、入力制御システムに関するサムスイッチの偏向方向を示す方位ベクトルディスプレイを含むことができる。一実施形態において、入力制御システムは、カテーテル及びシースに取り付けられた操舵ワイヤーを能動的に緊張させることを含むことができる。一実施形態において、入力制御システムは、患者の生体構造中における所定の領域におけるカテーテル及びシースの移動速度の変化のための予め画定された速度区域を含むことができる。
【0012】
一実施形態において、正確、かつ機能的なカテーテル及び関連する構成要素の自動化制御のためのシステム及び方法は、マニピュレーター支持構造体上に支持された1つ以上のロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを含むロボットカテーテルシステムを含み得る。ロボットマニピュレーターアセンブリは、第一のロボット外科計器装置カートリッジ及び第二のロボット外科計器装置カートリッジを含むことができ、それぞれのカートリッジは、一般的にロボットマニピュレーターアセンブリに概して直線的に移動することができる。入力制御システムは、ロボットマニピュレーターアセンブリの動作を制御することができる。視覚化システムは、それぞれが第一のロボット外科計器装置カートリッジ及び第二のロボット外科計器装置カートリッジに取り付けられた第一及び第二の外科計器装置の1つ以上の位置を表示する1つ以上のディスプレイを含むことができる。
【0013】
一実施形態において、上述のロボットカテーテルシステムに関して、マニピュレーター支持構造体は、ロボットマニピュレーターアセンブリを手術台に取り付けるための取り付けアセンブリを含むことができる。一実施形態において、マニピュレーター支持構造体は、ロボットマニピュレーターアセンブリの輸送を容易にするための1つ以上の格納可能なホイールを含むことができる。一実施形態において、マニピュレーター支持構造体は、ロボットマニピュレーターアセンブリを調節可能に支持するための1つ以上の支持アーム、又は複数種のロボットマニピュレーターアセンブリを支持するための複数種の支持アームを含むことができる。一実施形態において、支持アームは、ロボットマニピュレーターアセンブリを、概して水平に配置された手術台に対して鋭角な面において調節可能に配置することができる。あるいはまた、支持アームは、ロボットマニピュレーターアセンブリを、概して水平に配置された手術台に対して直角な面において調節可能に配置することができる。一実施形態において、支持アームは、第一及び第二の外科計器装置カートリッジを、概して水平に配置された手術台に対して鋭角な面における移動のために調節可能に配置することができる。あるいはまた、一実施形態において、支持アームは、第一及び第二の外科計器装置カートリッジを、概して水平に配置された手術台に対して直角な面における移動のために調節可能に配置することができる。
【0014】
一実施形態において、上述のロボットカテーテルシステムに関して、ロボットマニピュレーターアセンブリ支持構造体は、手術台に対して実質的に固定して配置することができる。一実施形態において、ロボットマニピュレーターアセンブリの輸送及び滅菌使用のためにケースを設けることができる。一実施形態において、ロボットマニピュレーターアセンブリの汚染を防ぐために滅菌シールドを設けることができる。ロボットカテーテルシステムは携帯型(例えば、持ち上げることなく移動可能)であることができる。一実施形態において、第一及び第二の外科計器装置カートリッジの1つ以上は、ロボットマニピュレーターアセンブリに対して回転可能であってよい。
【0015】
一実施形態において、上述のロボットカテーテルシステムに関して、ロボットマニピュレーターアセンブリは、相互及び支持部材に対して移動可能な1つ以上の第一の外科計器操作ベース及び第二の外科計器操作ベースを含むことができ、該操作ベースのそれぞれは、第一及び第二の外科計器装置カートリッジに取り外し可能に接続される。一実施形態において、第一の外科計器操作ベース又は第一の外科計器装置カートリッジは、第一の外科計器操作ベース又は第一の外科計器装置カートリッジの他方に摺動自在に係合される1つ以上の相補的な第二の要素に係合可能な1つ以上の第一の要素を、第一の外科計器及び第一又は第二の要素に取り付けられた操舵ワイヤーを引くことによって第一の外科計器の移動を制御するために含むことができる。あるいはまた、第二の外科計器操作ベース又は第二の外科計器装置カートリッジは、第二の外科計器操作ベース又は第二の外科計器装置カートリッジの他方に摺動自在に係合される1つ以上の相補的な第二の要素に係合可能な1つ以上の第一の要素を、第二の外科計器及び第一及び第一又は第二の要素に取り付けられた操舵ワイヤーを引くことによって第二の外科計器の移動を制御するために含むことができる。
【0016】
一実施形態において、上述のロボットカテーテルシステムに関して、第一及び第二の外科計器操作ベースは、相互に、また支持部材に対して直線的に移動可能であってよい。一実施形態において、第一の外科計器操作ベースは、一般的に第二の外科計器操作ベースの背後に配置されることによって、第一の外科計器を第二の外科計器中へ挿入させることができる。一実施形態において、入力制御システムは、ジョイスティック、機器を装備した(例えば、触覚による)グローブ、マウス型のデバイス、スペースボール及び/又は3D入力デバイスの1つ以上を含むことができる。別の実施形態において、入力は、あらかじめ定義された、ソリッドモデルで描かれシステムによって計算および実行される経路であってよい。一実施形態において、入力システムは、遠位カテーテルチップに対して実際に検知された力又は該遠位カテーテルチップから測定されたインピーダンスに基づく触覚フィードバックを含むことができる。一実施形態において、仮想の心臓生体構造に近位の仮想のカテーテルチップに基づく触覚フィードバックを含むことができる。一実施形態において、視覚化システムは、入力制御システムに関するサムスイッチの偏向方向を示す方位ベクトルディスプレイを含むことができる。一実施形態において、入力制御システムは、カテーテル及びシースに取り付けられた操舵ワイヤーを能動的に緊張させることを含むことができる。一実施形態において、入力制御システムは、患者の生体構造中における所定領域におけるカテーテル及びシースの移動速度の変更のための予め決定された速度区域を含むことができる。一実施形態において、第一及び/又は第二の外科計器は、経中隔ニードル、カテーテル又はシースであってよい。マニピュレーター支持構造体は、一実施形態において、RFジェネレーター、生理食塩水ポンプ及び/又は生理食塩水バッグを含む総合システムであってよい。ロボットマニピュレーターアセンブリは、一実施形態において、カートリッジの移動を防ぐ及び/又は無効にする、カートリッジオーバーライド(例えば、緊急電源スイッチ)を含むことができる。
【0017】
本発明の前述及びその他の局面、特徴、細部、有用性、及び利点は、以下の説明及び特許請求の範囲から、及び添付図面を参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、様々なシステム構成要素の例示的なレイアウトを示す、ロボットカテーテルシステムの等角概略図である。
【0019】
図2a図2aは、ロボットマニピュレーター支持構造体の第一の実施形態の等角かつ関連概略図であり、図2aは、概して水平な位置から若干角度をつけられたロボットマニピュレーターを示している。
図2b図2bは、ロボットマニピュレーター支持構造体の第一の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図2c図2cは、ロボットマニピュレーター支持構造体の第一の実施形態の等角かつ関連概略図である。
【0020】
図3a図3aは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの第一の実施形態の拡大された等角図であり、
図3b図3bcは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの第一の実施形態の拡大された等角図であり
図3c図3cは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの第一の実施形態の拡大された等角図であり
図3d図3dは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの第一の実施形態の拡大された左側面図である。
図3e図3eは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの第一の実施形態の拡大された右側面図である。
図3f図3fは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの第一の実施形態の拡大された上面図である。
図3g図3gは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの第一の実施形態の拡大された正面図である。
図3h図3hは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの第一の実施形態の拡大された背面図である。
図3i図3iは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの第一の実施形態の対応する左側面の図である。
図3j図3jは、図3aのロボットマニピュレーターアセンブリの拡大された左側面図であり、ロボットカテーテル回転可能なデバイスカートリッジを有するマニピュレーターアセンブリの使用を示している。
図3k図3kは、図3aのロボットマニピュレーターアセンブリの拡大された右側面図であり、ロボットカテーテル回転可能なデバイスカートリッジを有するマニピュレーターアセンブリの使用を示している。
図3l図3lは、図3aのロボットマニピュレーターアセンブリの拡大された上面図であり、ロボットカテーテル回転可能なデバイスカートリッジを有するマニピュレーターアセンブリの使用を示している。
図3m図3mは、図3aのロボットマニピュレーターアセンブリの拡大された正面図であり、ロボットカテーテル回転可能なデバイスカートリッジを有するマニピュレーターアセンブリの使用を示している。
【0021】
図4a図4aは、操作ベースの第一の実施形態の拡大等角図である。
図4b図4bは、操作ベースの第一の実施形態の拡大等角図である。
図4c図4cは、操作ベースの第一の実施形態の拡大等角図である。
図4d図4dは、拡大された上面図であり、断面A−A及びB−Bのそれぞれは、一般的に、操作ベースの第一の実施形態の図4d中の線A−A及びB−Bに沿って取られる。
図4e図4eは、拡大された右側面図である。
図4f図4fは、拡大された断面A−Aであり、一般的に、操作ベースの第一の実施形態の図4d中の線A−Aに沿って取られる。
図4g図4gは、拡大された断面B−Bであり、一般的に、操作ベースの第一の実施形態の図4d中の線B−Bに沿って取られる。
【0022】
図5a図5aは、ロボットカテーテルデバイスカートリッジの第一の実施形態の拡大等角図であり、図3aが示すロボットカテーテルデバイスカートリッジの例示的使用を示している。
図5b図5bは、ロボットカテーテルデバイスカートリッジの第一の実施形態の拡大等角図であり、図3aが示すロボットカテーテルデバイスカートリッジの例示的使用を示している。
図5c図5cは、ロボットカテーテルデバイスカートリッジの第一の実施形態の拡大等角図であり、図3aが示すロボットカテーテルデバイスカートリッジの例示的使用を示している。
図5d図5dは、ロボットカテーテルデバイスカートリッジの第一の実施形態の拡大等角図であり、図3aが示すロボットカテーテルデバイスカートリッジの例示的使用を示している。
図5e図5eは、ロボットカテーテルデバイスカートリッジの第一の実施形態の拡大等角図であり、図3aが示すロボットカテーテルデバイスカートリッジの例示的使用を示している。
【0023】
図6a図6aは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの第二の実施形態の拡大等角図である。
図6b図6bは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの第三の実施形態の拡大等角図である。
図6c図6cは、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの第四の実施形態の拡大等角図である。
【0024】
図7a図7aは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第二の実施形態の概略図である。
図7b図7bは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第二の実施形態の概略図である。
【0025】
図8a図8aは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第三の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図8b図8bは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第三の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図8c図8cは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第三の実施形態の等角かつ関連概略図である。
【0026】
図9a図9aは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第四の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図9b図9bは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第四の実施形態の等角かつ関連概略図である。
【0027】
図10a図10aは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第五の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図10b図10bは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第五の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図10c図10cは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第五の実施形態の等角かつ関連概略図である。
【0028】
図11a図11aは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第六の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図11b図11bは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第六の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図11c図11cは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第六の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図11d図11dは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第六の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図11e図11eは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第六の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図11f図11fは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第六の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図11g図11gは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第六の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図11h図11hは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第六の実施形態の等角かつ関連概略図である。
【0029】
図12a図12aは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第七の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図12b図12bは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第七の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図12c図12cは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第七の実施形態の等角かつ関連概略図である。
【0030】
図13a】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図13b】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図13c】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図13d】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図13e】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図13f】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図13g】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図13h】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図13i】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図13j】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図13k】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図13l】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図13m】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図13n】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図13o】ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体の第八の実施形態の等角かつ関連概略図である。
【0031】
図14a図14aは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第九の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図14b図14bは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第九の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図14c図14cは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第九の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図14d図14dは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第九の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図14e図14eは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第九の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図14f図14fは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第九の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図14g図14gは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第九の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図14h図14hは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第九の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図14i図14iは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第九の実施形態の等角かつ関連概略図である。
図14j図14jは、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体及びその様々な構成要素の第九の実施形態の等角かつ関連概略図である。
【0032】
図15a図15aは、図1のロボットカテーテルシステムと共に使用可能な例示的なジョイスティックである。
図15b図15bは、図1のロボットカテーテルシステムと共に使用可能な例示的なジョイスティックである。
【0033】
図16a図16aは、図15a及び図15bのジョイスティックの例示的構造の図である。
図16b図16bは、図15a及び図15bのジョイスティックの例示的構造の図である。
図16c図16cは、図15a及び図15bのジョイスティックの例示的構造の図である。
図16d図16dは、図15a及び図15bのジョイスティックの例示的構造の図である。
図16e図16eは、図15a及び図15bのジョイスティックの例示的構造の図である。
【0034】
図17図17は、操舵ワイヤー緊張の関数としてのカテーテル偏向のグラフである。
【0035】
図18図18は、二ワイヤー式カテーテルに関する操舵ワイヤー移動の例示的な図である。
【0036】
図19図19は、カテーテルチップの移動を最適化するための速度区域の例示的図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
発明の実施形態の詳細な説明
図面を参照すると、同様の符号は、異なる図面における同一の構成要素を識別するのに使用されており、ロボットカテーテルシステム10(以下で詳細に説明する)の実施形態は、“システム”とも称すが、カテーテルシステムにおける動力操舵装置に例えることができる。システムは、例えば、心室中又はその他の身体の中空部中でカテーテル及びシースの位置及び向きを操作するのに使用することができる。図1に示し、以下で詳細に説明するように、ロボットカテーテルシステム10は、一般的に、ヒトの入力デバイス及び制御システム100(“入力制御システム”と称する)、例えば、例えば、電気生理学者(EP)などの使用者が相互作用することができるジョイスティック及び関連する制御器(以下で、そして本願と同一出願人による同時係属中の”ロボットカテーテルシステムインプットデバイス(Robotic Catheter System Input Device)”及び“触覚フィードバックを含むロボットカテーテルシステム(Robotic Catheter System Including Haptic Feedback)”という発明の名称の出願において詳細に説明される)、使用者の動きを、入力デバイスで結果として得られるカテーテルチップの移動に変換することができる電子制御システム200(本願と同一出願人による同時係属中の、発明の名称“動的応答を有するロボットカテーテルシステム(Robotic Catheter System with Dynamic Response)”)の出願において詳細に説明される)、及び使用者にリアルタイム又は近リアルタイムのカテーテルチップに関する位置情報を与えることができる視覚化システム12で、を組み込むことができる。システムは、さらにEnSite NavX system14及び/又は光学力トランスデューサーを用いる閉ループフィードバック、ロボットカテーテルデバイスカートリッジ400(本願と同一出願人による同時係属中の、発明の名称“ロボットカテーテルデバイスカートリッジ(Robotic Catheter Device Cartridge)”の出願において詳細に説明される)を操作するためのロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300(本願と同一出願人による同時係属中の、発明の名称“ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ(Robotic Catheter Manipulator Assembly)”の出願において詳細に説明される)、及びマニピュレーター支持構造500(以下で詳細に説明される。)を含み得る。該システムは使用者に、従来の手動システムによって与えられるのと同様の制御能力を与えるが、繰り返し可能で、正確で、かつ機能的な動きを可能にする。上述の、及び本明細書において説明したその他本願と同一出願人によるかつ同時係属中の出願それぞれの開示は、参照としてここに組み入れられる。
【0038】
ロボットカテーテルシステム10の実施形態は、自動化されたカテーテルの動きに関連し得る。EPなどの使用者は、心臓の生体構造のコンピューターモデル上における位置を識別することができる(経路形成の可能性)。システムは、患者の実際の/身体の生体構造内の位置への電子的に選択された点に関連するよう構成することができ、そして、特定の位置へのカテーテルの移動を指揮し、そして制御することができる。そのため、適所において、使用者又はシステムのいずれかが所望する処置又は治療を実行することができ、これは、さらに規定のアルゴリズムに従うものであってよい。このシステムは、閉ループ位置制御と一緒に最適化された経路設計手順を使用することによって完全なロボット制御を可能にする。さらに、該システムは、表面にわたってカテーテルを牽引することや、あるいは直角で接触させることのようなある種の“ベストプラクティス(最良事例(best−practice))”を自動化することができる。
【0039】
図1を参照して、入力制御システム100が簡単に説明される。
【0040】
本願と同一出願人による同時係属中の、発明の名称“ロボットカテーテルシステム入力デバイス(Robotic Catheter System Input Device)”出願の入力制御システム100は、一般的に、使用者がカテーテル及びシースの両方の移動及び前進を制御できるようにする。一般的に、機器を備えた典型的なカテーテルハンドルコントロール部、大型カテーテルモデル、機器を備えた、使用者着用可能手袋、及び伝統的なジョイスティックを含むがこれらに限定されない、いくつかの種類のジョイスティックが採用される。実施形態において、例えば、これに限定するものではないが、ジョイスティックは、中心位置からの移動によって、実際のカテーテルチップの増分移動が引き起こされるよう、バネによりセンタリングするもの(spring centering)であることができるか、あるいはジョイスティックは、絶対的に作動するものであることができる。使用者にいつ接触が生じたかを感じさせることのできる触角フィードバックもまた組み込まれ得る。
【0041】
図1を参照して、電子制御システム200が簡単に説明される。
【0042】
本願と同一出願人による同時係属中の、発明の名称“ロボットカテーテルシステム入力デバイス”の出願及び発明の名称“動的応答を有するロボットカテーテルシステム(Robotic Catheter System Dynamic Response)”の出願において詳細に説明されるように、本発明のシステムの実施形態にシステムの正確さ及び効率を向上させるための多くの追加的特徴を含むことができる。そのような特徴としては、現実的な心室の幾何学形状を作り出し、不整脈を識別するための活性化(activating)タイミング及び電圧データを表示し、そして正確なカテーテル移動、及び/又は光学力トランスデューサーを誘導するためのEnSite NavX system 14を使用する閉ループフィードバック;システム応答時間を低減するための、“受動的”操舵ワイヤーの能動的緊張;先端が前後アイロン運動に従う間の累積アブレーション;及び/又はインピーダンスのリアクタンス分/抵抗分を監視すること、が挙げられる。
【0043】
図1を参照して、視覚化システム12が簡単に説明される。
【0044】
視覚化システム12は、使用者にカテーテルチップのリアルタイム又は近リアルタイムの位置情報を与えることができる。例示的実施形態において、システム12は、心室の幾何学的形状又はモデルを表示し、不整脈を識別するための活性化タイミング及び電圧データを表示し、そしてカテーテル移動の誘導を容易にするためのEnSite NavX monitor 16を含むことができる。リアルタイムのX線画像を表示するか、あるいは医者がカテーテルを移動するのを補助するための蛍光透視鏡18を設けることができる。追加の例示的なディスプレイは、ICE及びEP Pruka displays 20、22のそれぞれ含むことができる。
【0045】
図1を参照して、EnSite NavX system 14が簡単に説明される。
【0046】
EnSite NavX system 14(発明の名称“カテーテルナビゲーション及びは位置及び心臓内マッピングのための方法及び装置(Method and Apparatus for catheter Navigation and Location and Mapping in the Heart)”である、米国特許第7,263,397号に詳細に説明されており、その全体が参照としてここに組み入れられる)は、現実的な心室の幾何学形状又はモデルを作り出し、不整脈を識別するための活性化タイミング及び電圧データを表示し、そして正確なカテーテル移動を誘導するために設けることができる。EnSite NavX system 14は、カテーテルからの電気データを収集し、この情報を使用してカテーテルの移動を追跡又は操舵し、そして心室の三次元(3−D)モデルを構築することができる。
【0047】
図1図6cを参照して、ロボットカテーテルデバイスカートリッジ400を操作するためのロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300が簡単に説明される。
【0048】
図1図6cにおいて一般的に示されるように、ロボットカテーテルシステム10は、1又は2以上のロボットカテーテルデバイスカートリッジ400の移動又は作動の機械的制御として作用する、1又は2以上のロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300を含むことができる。図1は、アプローチ角度を最小限にするために一般的に垂直に配向されたマニピュレーターアセンブリ300を示し、図2は、概して水平位置から若干角度をもって設置されたマニピュレーターアセンブリ380を示している。図3a及び図6a−図6cは、アセンブリ300の第一〜第四の実施形態、すなわち、アセンブリ302、370、372及び374を示しており、本願と同一出願人による同時係属中の、発明の名称“ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ(Robotic Catheter Manipulator Assembly)”の出願に詳細に説明されている。マニピュレーターアセンブリ302及びその関連構成要素は、ロボットカテーテルシステム10の理解を容易にするためにここで説明される。
【0049】
図1及び図3a〜図5eを参照して、ロボットカテーテルマニピュレーションアセンブリ300のカテーテル及びシース及びロボットカテーテルデバイスカートリッジ400が詳細に説明される。
【0050】
図1及び図3a〜図5eに一般的に示され、そして以下により詳細に説明されるように、マニピュレーターアセンブリ302の第一の実施形態は、それぞれ、カテーテルシースマニピュレーター機構304及びシースマニピュレーター機構306の両方を含むことができる。この配置において、カテーテルシースマニピュレーター機構304及びシースシースマニピュレーター機構306は、カテーテルが共軸配置でシースを通過できるように配列させることができる。各機構304、306は、さらに、個別に前進/後退(方向D及びDで一般的に示される)させることができ、以下により詳細に説明するように、四線式操舵制御(例えば、四つのシース制御ワイヤー及び四つのカテーテル制御ワイヤーからなる八つの総合全操舵ワイヤー)であることができる。
【0051】
図1及び図3a〜図5eに示すようなロボットカテーテルシステム10の構成に関して、カテーテルカートリッジ402及びシースカートリッジ404の第一の実施形態の相対的な動き、及び2つのカートリッジ402、404の間におけるカテーテル406の一部に関連する相対的な動きがある。多くの実施形態において、カテーテルの前進に対する抵抗を時々もたらし得る、水機密性の基部シース開口部408があってよい。カテーテル406の管座屈という潜在的な問題の排除/低減を助けるために、ある長さの剛性素材、例えば、固体金属ロッド又は繊維強化複合体などを、カテーテル406の基部部分の内部上に組み込むことができる。そのような素材は、局所的に、カテーテルの曲げ剛性を高め、そして、座屈に対する支持を強化する。そのため、カテーテル406の全長がシース410に対して延びているときカテーテル406は近接して剛性化され、シースカートリッジ404基部近くから延びるカテーテルの長さが、相対移動の間に座屈しにくいようにすることができる。
【0052】
図1及び図3a〜図5eを参照して、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ302の第一の実施形態が詳細に説明される。
【0053】
図1及び図3a〜図5eにおいて概して示されるように、1つ以上のロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300を備えるロボットカテーテルシステム10は、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ302の第一の実施形態を含む。このアセンブリ302は、例えば、カテーテルカートリッジ402及びシースカートリッジ404を操作するためのカテーテル操作機構304及びシース操作機構306の両方を含んでいる。。マニピュレーターアセンブリ302は、カテーテルカートリッジ402及びシースカートリッジ404のための相互接続された/連動する操作ベース308、310を含むことができ、同様に、以下に説明するような電気的“ハンドシェイク(応答確認)”機能を含むことができる。連動ベース308、310は、カテーテル/シースの長手方向(それぞれD、D)において移動することができるものであってよい。一実施形態において、D及びDは、それぞれ直線でおおよそ8インチの移動運動を示すことができる。図3aに示すように、各連動ベースは、高精度の駆動機構312、314によって移動させることができる。そのような駆動機構は、例えば、これらに限定されるものではないが、モーター駆動リードスクリュー又はボールスクリューを含むことができる。
【0054】
図3a〜図3i及び図4a〜図4gに示されるように、各カートリッジ402、404について、関連する操作ベース308、310は、複数のフィンガーフィンガー316、318、320及び322(例えば、操舵ワイヤー1つにつき1つ)を含むことができ、これらは上方に向かって延びるかあるいは突出して、操舵ワイヤースライダーブロック(例えば、スライダーブロック412、414、416、418のような)に接触してそれらと相互作用することにより、個別に選択的に操舵ワイヤー420、422、424、426を引っ張る。各フィンガーフィンガーは、モーター駆動ボールスクリュー324のような緻密な駆動装置によって個別に動かされるように構成することができ、そして、対応する操舵ワイヤーの張力を測定する力センサーに装備させることができる。(フィンガーフィンガー制御及びカートリッジ移動制御の両方のための)各モーター駆動ボールスクリューは、システムの各要素の相対位置及び/又は絶対位置を測定するためのエンコーダーさらに含むことができる。図4aに示されるように、ボールスクリュー324のベアリング332及び連結器330は、それぞれのベース308、310のフレーム340と連動し、そして対応するフィンガーフィンガー316、318、320又は322は、対応する操舵ワイヤーの張力を測定するための歪みゲージに近接して取り付けることができる。
【0055】
図4a〜図4gを参照すると、ベース308、310は、それぞれがフィンガーフィンガー316、318、320及び322に連結されるモーター342、344、346及び348のような例示的な構成要素を備えることができる。ベアリング354は、トラック356上でのベース308、310の摺動のために設けることができる。各操作ベースを安全な位置に案内するために、複数の誘導センサー(例えばホームセンサー)358を設けることができる。
【0056】
マニピュレーターアセンブリ302は、アプローチ角とカテーテルの距離の両方を最小限にするために垂直に配置することができ(図1を参照)、カテーテルは、患者から延びるかあるいは概して水平位置からわずかに角度を設けて設置しなければならない(図2を参照)。図1の垂直配置において、アプローチ角及びカテーテルの延長距離は、マニピュレーターヘッドの背面を垂直に配向し、互いに固定されたカートリッジを、患者への侵入点(図1において一般的に示される)と実質的に並んで水平に移動することができるように、ほぼ水平極低部に配置することで、最小限にすることができる。そのような実施形態において、垂直に配向されたマニピュレーターヘッドの背面により、マニピュレーターヘッド構造体の配置によって、構造上の実質的な干渉なしに、カテーテル/シースの基部制御を患者の身体近くで保持することができる。一実施形態において、カテーテルカートリッジ402及びシースカートリッジ404のそれぞれを移動させるための高精度駆動機構312、314は、一般的に、マニピュレーターベース308、310の下方に配置することができ、それにより、それぞれのカートリッジを、マニピュレーターの下方領域に向かって配置することができる。近い距離を保持することにより、カテーテル/シースの進入角は、最小化されることができ、マニピュレーター制御は、挿入部位により近づけて配置することができる。
【0057】
図1図3m、特に図3j〜図3mを参照すると、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ302は、本願と同一出願人による同時係属中の、発明の名称“ロボットカテーテル回転可能デバイスカートリッジ(Robotic Catheter Rotatable Device Cartridge)”の出願において説明されるロボットカテーテル回転可能デバイスカートリッジ490と共に使用することができる。図3mに示されるように、マニピュレーターベース308は、本願と同一出願人による同時係属中の、発明の名称“ロボットカテーテル回転可能デバイス機構(Robotic Catheter Rotatable Device Mechanism)”の出願において説明されるロボットカテーテル駆動機構494と置き換えることができる。
【0058】
図1及び図5a〜図5eを参照して、カテーテルカートリッジ402及びシースカートリッジ404が詳細に説明される。
【0059】
上記で簡単に説明したように、ロボットカテーテルシステム10は、少なくとも2つのカートリッジ402、404を含むマニピュレーター302と同様に、1つ以上のカートリッジ400を含むことができ、それらはそれぞれ、カテーテル又はシースのいずれか一方の遠位運動を制御するように設計されることができる。カテーテルカートリッジ402に関して、カテーテル406は、実質的にカートリッジ402に接続されるか、あるいは取り付けることができるため、カートリッジ402の前進は、カテーテル406を対応するように前進させ、そして該カートリッジの後退は、カテーテルを後退させる。図5a〜図5eでさらに示され、上記で説明されたように、一実施形態においては、各カートリッジ402、404は、スライダーブロック(例えば、412、414、416、418)を含むことができ、それぞれがしっかりと(そして個別に)、各操舵ワイヤーの独立した緊張が可能となるような方法で複数のカテーテル操舵ワイヤー(例えば420、422、424、426)のうちの1つに接続されるか又は取り付けられる。カートリッジは、アセンブリ全体中の所定位置に(例えばスナップ留めされて)簡単に配置されることができるような使い捨て品として提供することができる。一実施形態においては、以下に詳細に説明するように、カートリッジは、電気的“ハンドシェイク”デバイス又は要素を含むことができ、それにより、システムは、適切にカートリッジを(種類及び/又は適切な配置/配置することにより)識別することができる。シースカートリッジ404は、カテーテル402と同じ方法で設計することができるが、典型的には、カテーテル406の経路を与えるように構成される。アセンブリ302は、複数の(例えば、10以上より多くの)独立した駆動機構(例えば、モーター駆動ボールスクリュー324)を含むことができる。
【0060】
いくつかの実施形態に関して、カテーテル及びシースカートリッジは、実質的に類似するように設計することができ、その意味において、いずれかへの参照は両方に関連し得る。例えば、図5a〜図5eに示されるように、カテーテル/シースカートリッジの設計は、上部及び下部カートリッジ部分428、430、及び独立したスライダーブロック412、414、416、418を含むことができる。システムは、一般的に、特定の素材選択又は形成技術に限定されない。しかしながら、一実施形態において、上部及び下部カートリッジ部分428、430は、ポリカーボネート素材を用いて射出成形されたものであってよい。各スライダーブロック412、414、416、418は、別々のカテーテル操舵ワイヤー420、422、424、426に接続させることができ、そして、Teflonに似た素材、例えば、Delrin AFで形成することができる。カートリッジハウジング部分428、430と接触する時、そのようなTeflonに似たスライダーブロックは、低い静電及び動的摩擦係数を維持することができ、そのため、追加の潤滑化の必要性を回避することができる。
【0061】
図3a〜図5eを参照して、上記で説明されたように、カテーテルカートリッジ402及びシース404は、それぞれの相互連結するカテーテル操作ベース308及びシース操作ベース310上に固定されるか又は係止するように構成することができる。カートリッジ402(及び404)をベース308(及び310)と連結させるために、カートリッジ上の1又は2以上の止めピン(例えば、図5a、図5d、及び図5eにおける432)を、ベース中の嵌め合わせ凹部360にはめ合わせることができる(図4aを参照)。一実施形態において、そのような凹部360は、ばね戻り止めのような干渉ロックやその他の固定手段を含むことができる。一実施形態において、そのようなその他の固定手段は、使用者によってカートリッジを開放するための積極的な/正の作用を要求し得る物理的な干渉物を含むことができる。そのような作用は、開放レバー362の作動を含むか又は要求することができる。さらには、図5c、図5d及び図5eに示されるように、カートリッジ402(及び404)は、受動的に、ベース中の穴にぴったりと嵌るように構成される1又は2以上の位置決めピン434を含むことができる(例えば図4aの符号364を参照)。
【0062】
一実施形態において、使用者(例えば、EP)は、最初にカテーテル406及びシース410(カテーテル406がシース410に挿入された状態で)を、手動で患者の血管系内に配置することができる。心臓に関していったんデバイスが大まかに配置されると、使用者は、カテーテルカートリッジを、例えば、カートリッジの連結/配置ピン432、434をベース308、310のそれぞれの穴360、364中にはめ合わせることによって、マニピュレーターアセンブリ302の相互接続/相互連結ベース308、310中へかみ合わせるか、接続することができる。カートリッジがベースに相互接続される時、複数のフィンガー316、318、320、又は322のそれぞれは、スライダーブロック412、414、416、418の遠位端とカートリッジハウジングの下方部との間に形成された凹部中にぴったりとはめることができる。そのような凹部は、例えば図5d及び図5e中で示されている。
【0063】
各フィンガーは、近位方向において作動し、各スライダーブロックをそれぞれ対応して押すように設計することができる。スライダーブロックは、最初に接触が生じた時に、その幾何学的配列における自己中心にフィンガーを押すように構成することができる。そのような中心配置(センタリング:centering)特性は、スライダーブロックの接触面によって容易にすることができる。例えば、図5d及び図5eに示されるように、スライダーブロックは、係合面(例えば、前方に向かって面する部分における半円柱状の凹部のような形状の)を含むことができる。この面は、対応するフィンガーの丸い部分と結合する又は連絡するように構成することができる。
【0064】
各スライダーブロックと対応する操舵ワイヤーの間を十分に堅く連結すると、スライダーブロックを近位方向において押すことにより、操舵ワイヤーを緊張させ、それによって、カテーテル406及びシース410の遠位端を横方向に偏向させることができる。さらに、そのような実施形態において、各フィンガーと関連するスライダーブロックとの間の堅牢な接続がないために、マニピュレーターアセンブリ302は、前方方向において操舵ワイヤーを引くことができない。すなわち、各ブロックが稼動されると、操舵ワイヤーを緊張させることだけが可能となる。さらに、各スライダーブロックの押し作用はブロックの底面近部にて起こるため、ブロックに対してモーメントが与えられることがある。このようなモーメントは移動中にブロックが固着する可能性を高め得るため、ブロックの長さを最適化してブロックとカートリッジハウジング間の接触力を低減又は最小限になるようにしてよい。
【0065】
前述の操作ベース308、310及び、カテーテルカートリッジ402とシースカートリッジ404の間の電気的ハンドシェイクが簡単に説明される。
【0066】
ロボットカテーテルシステム10は、様々な処置に有用であり、そして様々な機器及び/又はカテーテルと組み合わせることができる。そのような機器具及び/又はカテーテルとしては、それらに限定されないが、スパイラルカテーテル、アブレーションカテーテル、マッピングカテーテル、バルーンカテーテル、針/拡張器、切断用具、焼灼器具、及び/又は把持具が挙げられる。システムは、使用、及び/又は配置又は関連情報と接続のために組み込まれるカテーテル/機器カートリッジの性質及び/又は種類を識別する手段を追加的に含むことができる。システムは、限定されることなく、作成日、シリアルナンバー、滅菌日、過去の使用などのようなカートリッジに関する追加の情報に自動的にアクセス/獲得することができる。
【0067】
さらに、該システムのいくつかの実施形態は、接続されたカートリッジの種類又は性質を、いくつかのデータ/信号伝達手段と共に使い捨てのカートリッジに付属するメモリーを使用することによる“読み取り”能又は検知能を含むことができる。例として、各カートリッジは、マニピュレーターヘッドによる電子的にインターフェース接続可能なチップ(例えば、EEPROMチップ)を含むことができる。そのようなチップは、例えば、製造工程中にプログラムすることができ、そして、カートリッジ又は機器に関連する型式;モデル;シリアルナンバー;製造日;及び/又はその他の特定特性のような様々なデータを電子的に保存することができる。それに加えて、チップは、従前の使用の表示のようなその他の価値のある情報、カテーテル特別キャリブレーションデータ、及び/又は特定のデバイスの安全性又は性能に関連し得るその他の情報を含むことができる。
【0068】
一実施形態において、カートリッジ(例えば、402、404)をマニピュレーターヘッド(例えば302)と相互接続させると、光学センサー又は磁気センサーのような検出手段により、カートリッジの存在が初期検出される。存在が検出されると、マニピュレーターがチップを作動させて、データ/信号検索を開始する。検索されたそのようなデータ/信号は、その後、様々な特徴を制御又は変更し、及び/又はデバイスの種類及び/又は提供された情報に基づいて表示するためにシステムによって使用される。1つの実施形態がチップ(例えばEEPROM)を使用できる一方で、その設計の柔軟性に起因して、別の実施形態は、チップの代わりに、あるいはチップに加えてデータ保存/伝達を容易にするために使用され得るRFIDのようなワイヤーレスな伝達デバイスを含むことができる。
【0069】
図1図2a〜図2c及び/又は図7a〜図14jを参照して、マニピュレーター支持構造体500の様々な実施形態が開示される。
【0070】
具体的には、図1及び図2a〜図2cを参照すると、ロボットカテーテルマニピュレーター支持構造体510(以下で“マニピュレーター支持構造体”)の等角の概略図が例示されている。マニピュレーター支持構造体550は、一般的に、格納可能なホイール514を含む支持フレーム512及び手術台518に取り付けるための取り付けアセンブリ516を含む。ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300/302を正確に配置するために複数の支持連結器520を設けることができる。マニピュレーター支持構造体の第二の実施形態550に関して図7a及び図7bに示されるように、使用時、マニピュレーター支持構造体550は、手術台518にホイール(車輪)で運ばれて、取り付けアセンブリ516でそこに取り付けられることができる。その後、ホイール514は、図7bに示されるように格納することができる。
【0071】
図7a及び図7bを参照すると、マニピュレーター支持構造体550の第二の実施形態の等角図が示されている。マニピュレーター支持構造体550は、一般的に、格納可能なホイール554を含む支持フレーム552及び手術台518に取り付けるための取り付けアセンブリ556を含む。ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300を正確に配置するために複数の支持連結器558を設けることができる。図7aに示されるように、使用者が取り付けアセンブリ556を手術台518の反対側まで伸ばすのを支持するためのハンドル560を設けることができる。図7a及び図7bに示されるように、使用時、マニピュレーター支持構造体550は、手術台518にホイール(車輪)で運ばれて、取り付けアセンブリ556にてそこに取り付けられることができる。その後、ホイール554は、手術する人の経路から外れて配置される踏み台システム562によって解放されると、上方に向かって旋回することができる。
【0072】
図8a〜図8cを参照すると、マニピュレーター支持構造体600及び様々なその構成要素の第三の実施形態の等角及び関連図が示されている。マニピュレーター支持構造体600は、一般的に、マニピュレーター支持構造体600及びその関連構成要素の輸送のための携帯ユニット602を含むことができる。構造体600は、手術台518に取り付けるための取り付けアセンブリ604、及びロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300を正確に配置するための複数の支持連結器606を含むことができる。図8a及び図8bを参照すると、使用時、マニピュレーター支持構造体600は、手術台518にホイール(車輪)で運ばれて、取り付けアセンブリ604でそこに取り付けられることができ、その後、取り外されて輸送のために携帯ユニット602中に配置されることができる。
【0073】
図9a及び図9bを参照すると、マニピュレーター支持構造体650の第四の実施形態の等角及び関連図が示されている。マニピュレーター支持構造体650は、一般的に、マニピュレーター支持構造体650の移動のためのトラック装備ユニット652、及びその関連構成要素を含むことができる。。構造体650は、天井への取り付け又はその他の方法で取り付けられたトラック656を取り付けるための取り付けアセンブリ654、及びロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300を正確に配置するための複数の支持連結器658を含むことができる。図9a及び図9bを参照すると、マニピュレーター支持構造体650は、手術第518に対して配置されて、使用中、その場所に固定され、そして、使用位置から移動されるか又はその他の方法で支持連結器658の再配置によって収納された配置に再構成されることができる。図9bに示されるように、マニピュレーター支持構造体は、一般的に、配置及び手術台518の領域からの移動のために水平及び垂直に移動することができる。
【0074】
図10a〜図10cを参照すると、マニピュレーター支持構造体700の第五の実施形態の等角及び関連概略図が示されている。マニピュレーター支持構造体700は、一般的に、マニピュレーター支持構造体700及びその関連構成要素の移動のための固定ユニット702を含むことができる。構造体700は、床への取り付けのための取り付けアセンブリ704、及びロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300の正確な配置のための複数の支持連結器706を含むことができる。使用時、マニピュレーター支持構造体700は、その場で手術台518に取り付けることができるか、あるいはまた、手術台518が、構造体700に隣接して配置されることができる。使用後、構造体700は、支持連結器706の再配置によって、収納された配置へ再構成することができる。
【0075】
図11a〜図11hを参照すると、マニピュレーター支持構造体750及び様々な構成要素の第六の実施形態の等角及び関連概略図が示されている。マニピュレーター支持構造体750は、一般的に、マニピュレーター支持構造体750及びその関連構成要素の移動のための携帯ユニット752を含むことができる。構造体750は、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300を正確に配置するための旋回可能な支持体754を含むことができる。旋回可能な支持体754は、一般的に、垂直軸756及び水平軸758について旋回可能であることができる。図11c及び図11dに示されるように、使い捨て可能な滅菌シールド760は、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300上に配置可能である。滅菌シールド760は、手術室/EPラボ環境における滅菌区域からマニピュレーターを隔離することができる。滅菌インターフェースは、任意に、柔軟なカスケットタイプの素材のような密封材または密封要素を含むことによって、操作上の干渉なくマニピュレーターフィンガー(例えば、316、318、320、及び322)がカートリッジ(例えば、402、404)と相互作用することができる一方で、必要な滅菌程度を維持することができる。そのような防壁又は掛け布によって、追加の滅菌の必要なしにマニピュレーターの再使用が可能になる。
【0076】
図11a及び図11hを参照すると、使用時、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300上に配置された適当な滅菌シールド760と共に、マニピュレーター支持構造体750が、手術台518の隣に配置されることができるか、あるいはまた、手術台518が構造体750に隣接して配置されることができる。使用後、構造体750は、図11fに示されるように壊すことができる。図11gに示されるように、カートリッジ402、404は、必要に応じて、マニピュレーターケース764のヒンジで連結されたカバーを介してアクセスすることによって取り付けられるか又は置き換えることができるか、あるいはまた、図11hに示されるように、区分ケース766を、カートリッジの置き換え又はロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300へのアクセスのために設けることができる。
【0077】
図12a〜図12cを参照すると、マニピュレーター支持構造体800及び関連構成要素の第七の実施形態の等角及び関連概略図が示されている。マニピュレーター支持構造体800は、図7a及び図7bの支持構造体550と類似の設計であってよい。マニピュレーター支持構造体800は、一般的に、ホイール804を含む支持フレーム802及び手術台518に取り付けるための取り付けアセンブリ806を含むことができる。複数の支持連結器808は、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300を正確に配置するために設けることができる。図12cに示されるように、ロボットカテーテルマニピュレーター300の操作を制御するためにタッチスクリーンインターフェース810を設けることができる。図12a及び図12b、及び支持構造体550のための図7a及び図7bに示されるように、使用時、マニピュレーター支持構造体800は、手術台518に車輪で運ばれて、取り付けアセンブリ806でそこに取り付けることができる。
【0078】
図13a〜図13oを参照すると、マニピュレーター支持構造体850及び関連構成要素の第八の実施形態の等角及び関連概略図が示されている。マニピュレーター支持構造体850は、図7a及び図7bの支持構造体550と類似の設計であってよい。マニピュレーター支持構造体850、一般的に、ホイール854を含む支持フレーム852及び手術台518に取り付けるための取り付けアセンブリ856を含むことができる。複数の支持連結器858は、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300を正確に配置するために設けることができる。図13a、及び支持構造体550の図7a及び図7bに示されるように、使用時、マニピュレーター支持構造体850は、手術台518に車輪で運ばれて、取り付けアセンブリ856でそこに取り付けることができる。図13d及び図13eを参照すると、使い捨てカバー860がロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300に設けられており、該カバーは、ここで説明されるマニピュレーター支持構造体の実施形態のいずれかに関して使用される。図13d〜図13fに示されるように、使い捨てカバー860及び862は、2つの部分の頂部及び底部カバー864、866を含むことができ、生理食塩水バッグ取り付けループ868及び総合ハンドル870を備えている。図13g及び図13hに示されるように、カバー872は、カテーテル/シース874を露出することによるロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300の使用を可能にするために折りたたみ可能であることができる。図13j〜図13nに示されるように、カバー876は、マニピュレーターアセンブリ300の無制限の操作を可能にするよう、開放及び除去することができる。図13oに示されるように、前述のマニピュレーター支持構造体及び関連構成要素のための別の輸送システムが図示されている。
【0079】
図1及び図14a〜図14jを参照すると、マニピュレーター支持構造体900及びその様々な構成要素の第九の実施形態の等角概略図が示されている。マニピュレーター支持構造体900は、一般的に、格納可能なホイール904を含む支持フレーム902及び手術第518に取り付けるための取り付けアセンブリ906を含むことができる。複数の支持連結器908は、ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ300を正確に配置するために設けることができる。図14a及び図14bに示されるように、マニピュレーター支持構造体900は、使用時にそれぞれ配置されて、格納/輸送構成されるように示されている。図14a及び図14bに示されるように、使用時に、マニピュレーター支持構造体900は、車輪によって手術台518に運ばれて取り付けアセンブリ906によってそこに取り付けられる。その後、ホイール904は、手術する人の経路から外れて配置されるステップペダル(図示せず)によって開放されると上方に向かって旋回することができる。
【0080】
図14a〜図14cを参照すると、マニピュレーター支持構造体900は、マニピュレーターアセンブリ300の上に配置される滅菌カバー910を含むことができる。その他の構成要素は、潅注チューブ912、USB/電源コネクタ914、及び電源ポート、ネットワークポート、及びEnSite(商標) system connectionを含む制御モジュール916を含むことができる。生理食塩水バッグは、ハンガー918に取り外し可能に吊すことができ、折りたたみ可能な棚920を、生理食塩水ポンプ及び/又はアブレーションジェネレーター922のような機器のために設けることができる。
【0081】
図14dを参照すると、図1のマニピュレーターアセンブリ300の拡大図が示されている。図14dに示されるように、滅菌カバー910を含むマニピュレーターアセンブリ300は、電源オン・オフスイッチ924、926、及び緊急電源スイッチ928をさらに含むことができる。マニピュレーター及びカートリッジ電気的/制御接続は、930、932に設けることができる。ハンドル934は、必要に応じてマニピュレーターアセンブリ300を操作するのに使用することができる。適当なLED936、938は、カテーテルカートリッジ及びシースカートリッジの適切な接続を表示するために設けることができる。図14d〜図14fに示されるように、マニピュレーターアセンブリ300は、留め具944及びワッシャー/アライナー946を備える2点剛性連結部942によって回転軸940において支持連結器908に回転可能に接続することができる。
【0082】
図14a〜図14c及び図14g〜図14jを参照すると、マニピュレーターアセンブリ支持構造体900の第九の実施形態に関して、カートリッジ400は、操作ベースの戻り止め952上に抵抗スナップ式固定用の寸法のカットアウト950を含むことができる。マニピュレーターアセンブリ300からカートリッジを開放するために、解放ボタン954を設けることができる。図14gに示されるように、カートリッジ400は、張力緩和接続部956におけるカテーテル・シースの柔軟な接続部、及び電気的接続部968を含むことができる。図14hに示されるように、カートリッジの取り付け、取り外し、及び把持を容易にするための人間工学的把持領域958を設けることができる。図14iを参照すると、各カートリッジは、それぞれが操作ベースの戻り止め及びスロットと係合可能な制御ピンスロット962及び制御戻り止め964を備えるガイドキール960を含むことができる(図14g参照)。さらに、図14jに示されるように、カートリッジの保管及び輸送のために滅菌キャップ966を設けることができ、使用のためにキャップを取り外すことができる。当業者は、本開示を参照して、図14g〜図14jのカートリッジ設計が、本明細書、あるいは上記で特定された本願と同一出願人による同時係属中の出願に開示されたその他のマニピュレーターアセンブリ及び付属の構成要素のいずれとも組み合わせて利用することができることを容易に理解するであろう。
【0083】
上記の説明に基づいて、前述の連結式支持構造体は、処置又は治療をより良好に容易にする位置で(例えば、カテーテル法を促進させるための大腿静脈/動脈の近くで)マニピュレーターアセンブリ300を保持することができる。図2a〜図14jを参照して説明したそのような支持構造体は、限定されることなく、ジョイントを含むことができ、該ジョイントは各ジョイントに対するガス式又は油圧式支援を備えることができ、その場で移動する構成要素を減速させるか固定するためのブレーキ機構をさらに含むことができる。マニピュレーターアセンブリの垂直又はその他の動きを支持するために、全てのジョイントにガス油圧式支援機構を設置することができる。また、全てのジョイントに、電子的又は電子機械的ブレーキをあらゆる自由度で設置することができる。ブレーキは、ロックされた状態がデフォルトとなるように構成し、いかなる動きを可能とするのにも電力が必要とされるようにすることができる。一時的な電力消失がロック解除やジョイントの動きを生じさせないように、通常はロックされた構成を設けることができる。このシステムはまた、小さい衝撃下においても移動を防止するのに十分な安定性で設計することができる。
【0084】
図1図15a及び図15bを参照すると、発明の名称“Robotic Catheter Input Device”及び“Robotic Catheter with Dynamic Response”の本願と同一出願人による同時係属中の出願でより詳細に説明される入力制御システム100に関して、図1のロボットカテーテルシステム10で使用可能な例示的なジョイスティックが開示されている。
【0085】
具体的には、ロボットカテーテルシステム10の実施形態は、ユーザーインターフェースデバイス1000を含むことができる。いくつかの実施形態に関して、そのようなデバイスは、ジョイスティックに類似してよく、使用者(ユーザー)が慣用的なカテーテルハンドル制御様の方法でシステムに入力を付与することができる。一般的に図15a及び図15bに示されるように、システムの実施形態は、機器を備えたシース及びカテーテルハンドル1002、1004(又は逆も同様)をそれぞれ含むことができ、それらは、長手方向で移動することができ(例えば、方向D及びD)、個別に回転可能であり(方向R及びR)、及び/又は1又は2以上の移動可能なサムタブ(例えば、要素1006、1008)を含むことができる。使用者による入力を記録するために、例えば、ポテンショメーター又はモーター/エンコーダーで移動の各程度を測定することができる。
【0086】
慣用的な手動によるカテーテル制御に擬態して、カテーテルシステム10の実施形態は、長手方向に移動する入力ハンドルが、カテーテル/シース遠位先端をそれぞれの長手方向において移動させることができるように構成することができる。しかしながら、慣用的な手動カテーテルと異なって、自動化カテーテルシステムは、一般的に、この移動をカートリッジを、前進させるか又は後退させることによって達成させる。さらに、ロボットカテーテルシステム10は、いずれかのハンドルが回転するとカテーテル/シース先端に仮想的な回転が生じるように、またサムタブが移動すると現在の偏向面における偏向を生じさせるように構成することができる。
【0087】
ユーザーインターフェースデバイス1000の実施形態において、デバイスの運動制御のいずれか又は全ては、要素が開放された後に、各制御要素を設定配置又は“ホーム”配置に戻すバネセンタリング特性を関連させる/採用することができる。そのようなセンタリング特性は、運動全体を絶対的に記録するのではなく、“ホーム”配置からの増分移動として様々な入力運動を登録することで、遠位先端の高精度な運動補正を可能にする。
【0088】
実施例において、サムタブ型の制御の代わりに、ユーザーインターフェースデバイス1000が、ダイアル制御を追加的に含むかまたはそれで置き換えることができる。さらに、使用者の望みに合わせるために、そのようなユーザーインターフェースデバイスの一実施形態は、カテーテル/シース入力に関する制御の様々な組み合わせ(ダイアル及びサムタブハンドル)を使用することができるようハンドルを完全に交換可能にすることができる。別の実施形態において、ユーザーインターフェースデバイス1000は、システムが記録するジョイスティックの動きのいずれかに関して押されなければならない安全ボタン(例えば、“デッドマンスイッチ(dead−man switches)”)をさらに含むことができる。この設計は、実際のカテーテルチップの位置に不慮の動きが影響するのを防ぐ。さらに別の実施形態において、ユーザーインターフェースデバイス1000は、所望又は必要な場合、医師が、心臓環境内に配置することでき(図1を参照)、そして物理的にカテーテルを配置することができる、仮想現実外科システムをさらに含むことができる。
【0089】
図16a〜図16eにおいて一般的に示されるように、ユーザーインターフェースデバイス1000のためのそのようなデバイスの物理的構成は、実際のカテーテルに類似させることができるが、異なるスケールであってよい。図16d及び図16eに示されるように、例示目的で、様々な部分が、プルワイヤー、ワイヤーダクト、及び可変剛性部分1010、1012、1014と共に従来のカテーテルに関連して構成することができる。一実施形態において、このデバイスの全ての動きは、センタリング特性(例えば、バネセンタリング機構1016)と共に構成することができ、該デバイスは開放されると本質的に初期位置に戻る。この構成は、増分入力制御スキームに有用又は適し得る。
【0090】
他の実施形態において、デバイスは、センタリング機構を用いることなく構成することができ、その際、デバイスの絶対位置は、実際のシース及びカテーテルの絶対位置を制御するのに代わりに使用され得る。そのような絶対的なアプローチにおいては、入力デバイスの物理的制限を、実際のカテーテル及びシースの物理的制限(例えば曲げ径に基づく動きの制限、シース中に格納されるカテーテルなど)に模して設計することができる。
【0091】
使用者の入力を記録するために、動きの各程度は、一般的にポテンショメーター又はモーター/エンコーダーのいずれかを用いて測定することができる。モーター/エンコーダーが使用される場合、システムはカテーテルが仮想壁と接触した場合の“感覚(feel)”のような、特定のイベントにおける触覚フィードバックを提供することもできる。本発明の実施形態はまた、デバイスの遠位端上にアブレーション活性化ボタンを含むこともできる。
【0092】
機器を備えたグローブの形態のユーザーインターフェースデバイスを説明する。
【0093】
ロボットカテーテルシステム10のいくつかの実施形態に関して、ユーザーインターフェースデバイス1000は、機器を備えたグローブを含むか又はその形態を取ることができる。実施形態において、使用者の/着用者の人差し指は、仮想カテーテルチップとして作用するよう機器を搭載することができる。別の実施形態において、使用者は、実際のカテーテルチップを先端の仮想表現と相互作用させることによって操作する能力を有することができる。そのようなユーザーインターフェースデバイスに関して、使用者は、(加速度計及び位置センサーのような)センサーを搭載したグローブを着用することができる。次いで、このデバイスは、カテーテル及び/又は心臓生体構造の3次元映像を、例えばホログラフィック像によって、操作又は該映像と相互作用することができる。
【0094】
そのような入力制御手段の一実施形態において、遠隔制御“グローブタイプ”システムは、磁場発生装置(St. Jude Medicalから販売されているNavX(商標) control systemを伴うような)が外部に取り付けられた液体タンク(例えば水タンク)内でもさらに実施することができる。そのような実施形態に関して、機器を備えたグローブは、タンク中に延在させることができる一方、使用者の指(例えば人差し指)又はグローブのその他の部分に電極が搭載されて、グローブ全体に関する位置及び配向情報又はグローブの位置を検出可能である。
【0095】
一実施形態において、電極(例えば、NavXタイプ電極)は、使用者の人差し指に配置されて、カテーテル上の同様の電極に対応させることができ、グローブ電極の動きは、実際のカテーテル電極の対応する動きを生じさせるよう構成することができる。さらに、所望される場合、増分運動制御スキームは、例えばフットペダルのような作動スイッチを導入することによって実施することができる。そのような制御/スイッチは、一連の動きが後の使用のために(例えば制御目的で)記録されるべきシステムに表示することができる。
【0096】
遠位カテーテルチップに対する実際の検知力に基づく触覚フィードバックが説明される。
【0097】
ユーザーインターフェースデバイス1000の一実施形態は、“触覚フィードバック”と呼ばれることの多いタッチ式フィードバックを含むことができ、これは、使用者がデバイスを把持している間に感じることができる、ユーザーインターフェースデバイス1000に接続されたモーターによって発生する力を含むことができ、本願と同一出願人による同時係属中の、発明の名称“Robotic Catheter System including Haptic Feedback”の出願にも開示されており、参照によりその全体が組み入れられる。これらの力は、物理的カテーテルチップに適用された実際の又は計算された力に基づくことができる。一実施形態において、ユニットは、カテーテルの先端中の力及び/又はインピーダンスセンサーを用いて力を検知することができ、入力ハンドルに対応する力を発生させる。別の実施形態において、力は、St. Jude Medical, Inc.のEnSite(商標) systemに関連するような、心臓生体構造の計算された幾何学モデルに基づくことができる。
【0098】
一実施形態において、モーター/エンコーダーを各自由度で装備された入力デバイスを採用することによって、使用者に触覚フィードバックを伝達することができる。処置の大部分に対してモーターは受動モードで作動することができるが、システムがフィードバックを要求する場合、モーターに、特定の自由度で使用者の動きを遅延可能な入力制御においてトルクを発生させるように電圧を加えることができる。受動モードにおいては、モーターは典型的には顕著な遅延力を生成しないが、取り付けられたエンコーダーが視覚化及び制御ルーチンに使用するための入力値を記録することができる。
【0099】
触覚応答が伝達される前に、システムは、最初にそのような力の適切性及び大きさを計算することができる。一実施形態において、そのような力は、実際のカテーテルチップと心臓の生体構造の部分の間の接触を再現しようと試みることができる。一実施形態において、そのような接触は、カテーテル/シースの遠位先端上の1つ以上の力センサーを介して直接検知することができるか、あるいは表示された幾何学的コンピューターモデル内の仮想カテーテル/シース位置に基づいて計算されることができる。
【0100】
一実施形態において、触覚力が実際のカテーテル接触に基づく場合、カテーテルの遠位チップは、力センサーを搭載することができる。そのような力センサーは、限定されることなく、ロードセル、形状記憶合金をベースとする力センサー、圧電力センサー、歪みゲージ、又は光学ベース又は音響ベースの力センサーを含むことができる。別の実施形態において、接触センサーは、検知されたインピーダンスに関連するような電気接触に基づくことができる。
【0101】
一実施形態において、実際の接触検知を採用することにより、センサーは、実際の物理的又は電気的接触の典型信号を生成することができる。力の大きさと方向、並びに入力デバイスの現在の位置に基づいて、システムは、組織による妨害によるさらなる動きに抵抗できる対応トルクを入力デバイスに生成させることができる。システムは、使用者がこの反応力をまるで入力デバイスが“仮想壁”に衝突したと“感じる”ように構成することができる。
【0102】
システムのキャリブレーションに基づいて、使用者が入力ジョイスティックにおいて感じる抵抗力はより多い、あるいはより少ない“弾力”を持つことができる。すなわち、システムを、チップと心臓壁との衝突が、不動対象との剛体衝突であるように感じるか、あるいはおそらくは柔らかいスポンジとの接触のように感じるかのように調整することができる。
【0103】
仮想心臓生体構造に近接した仮想カテーテルチップに基づく触覚フィードバックが説明される。
【0104】
上述したように、一実施形態において、触覚フィードバック力は、仮想カテーテルモデルと心臓生体構造のコンピューター生成表示の間の近似から計算された接触力に基づいて使用者に伝達可能である。一実施形態において、カテーテルの配置は、インピーダンスベースの配置検出システム(例えばSt. Jude MedicalのNavX(商標) systemに関連するようなもの)によって得られる。さらに、そのような心臓生体構造のコンピューター生成表示は、従前のCT又はMRIデータ、又は(St. Jude MedicalのNavX(商標) systemによって創出されるか又は維持されるような)モデルに由来することができる。
【0105】
そのような実施形態/構成により、使用者は、心臓生体構造の事前に得られた幾何学的モデルを有することができる。このモデルは、視覚化システム(St. Jude MedicalのNavX(商標) systemのような)によってEP使用者が見ることができることができる。このモデルは、例えば、予め捉えられたCT又はMRI画像、及び/又は(例えばSt. Jude MedicalのNavX(商標) systemを有する)マッピングカテーテルの実際の位置データを検知することによって得られた“皮をむかれた”幾何学形状を使用することによって組み立てることができる。モデルがいったん組み立てられると、カテーテル配置システム(例えば、St. Jude MedicalのNavX(商標) system)は、作業カテーテルを計算された幾何学的モデルの内側に配置することができる。一実施形態において、カテーテルが幾何学形状内で動かされると、触覚システムは、カテーテルの配置と生成された幾何学形状の配置とを比較するのに使用することができる。カテーテルが、生成された幾何学形状に接触するように認識される場合、抵抗力を、関連する入力デバイスに関連して、例えば取り付けられたモーターを用いて生成することができる。
【0106】
一実施形態において、幾何学的モデルは、例えば、心調律又は呼吸調律のような反復生理学的信号に対して登録することができる。この信号は、実際の処置において検知されると、モデルの幾何学形状は動的に変化され得る。その後、これは、次いで、計算された触覚フィードバックが、患者内で実際に起こっているより正確な接触表示を提供できるようにする。
【0107】
図17を参照すると、サムスイッチ偏向の方向を示すための視覚化ソフトウェア中の方位ベクトルディスプレイが説明される。
【0108】
いくつかの慣用的な、非ロボットカテーテル手技を用いて、カテーテルハンドル上のサムスイッチによって、対応する操舵ワイヤーを緊張させることによってカテーテルが偏向される。そのようなスイッチは、典型的に、カテーテルの遠位先端を単一面における2つの対向する方向において横方向に偏向させることができる。偏向が、1つ以上の面において望まれる場合、使用者は通常、カテーテルをその長手方向軸について物理的に回転させて、偏向面を回転させなければならない。
【0109】
慣用的な非ロボット制御とは異なり、ロボットカテーテルシステム10は、同様の配置結果を達成するのにカテーテルの物理的回転を必要としない。代わりにシステムは、4つ(又はより多くの)操舵ワイヤーの使用(本願と同一出願人による共通の発明の名称“Robotic Catheter Rotatable Device Cartridge”の出願において説明されるような回転可能なカートリッジを使用する場合を除く)によって遠位先端の360度の動きを達成することができる。一実施形態において、4つの操舵ワイヤーのそれぞれは、カテーテルの/シースの周囲に等間隔にある(例えば、90度開けて配置される)。一実施形態において、上記のような機器を備えた慣用的なカテーテルハンドル入力制御の導入することにより、使用者に、サムスイッチが作動されると遠位チップが偏向するという発想を与えるためにインジケーター(図17中の例示矢印を参照)が設けられる。
【0110】
ロボットカテーテルシステム10の一実施形態は、コンピューター視覚化(例えば、St. Jude MedicalのEnSite(商標) systemに関連して提供されるようなディスプレイ)において代表(例えば偏向面ベクター)を含むことによって偏向方向の表示を提供する。一実施形態において、そのような表示(例えばベクター)は、物理的なカテーテルの仮想表示のチップ近くにスーパーインポーズした矢印を含むことができる。そのような矢印は、サムスイッチが使用者に向かって引っ張られた場合に、カテーテルが移動する方向を示すことができる。同様に、制御(例えばサムスイッチ)を押すことにより、カテーテルが反対側、矢印の尾の方向に偏向される。使用者は、次いで、入力ハンドルを回転させることによってこのベクターを回転させることができ、これは、その後、取り付けられたモーター/エンコーダー又はポテンショメーターによって検知することができる。同様に、偏向ベクターは、シース視覚化に関連させることができる。
【0111】
“受動的”操舵ワイヤーの能動的緊張が、図5a〜図5e(上述したような)及び図18を参照して簡単に説明される。
【0112】
ロボットカテーテルシステム10の実施形態は、カテーテルチップの360度の偏向を可能にするために複数の(例えば4つの)個別に制御される操舵ワイヤーを採用する。図18に一般的に示されるように、4つのワイヤーの実施形態は、所与の動きのいずれかについて、所望の遠位先端偏向を生じさせるよう(複数のうちの)1つ又は2つの隣接する操舵ワイヤーを近位方向において緊張させることができる。操舵ワイヤーを緊張させる選択的な制御によって、自動化されたカテーテルシステムは、カテーテルのその長手方向軸での物理的回転を必要とすることなく、遠位先端の360度の偏向を得る能力を有する。
【0113】
図18において簡略化された二線式カテーテルを用いて示されるように、いずれかの偏向の間、直接緊張されない操舵ワイヤー(“受動的”操舵ワイヤー)は、遠位方向に待避する傾向がある。
【0114】
上述したように、ロボットカテーテルシステム10の実施形態は、(例えば、近位方向にフィンラー/スライダーブロックを動かすことによって)操舵ワイヤーに緊張を与えることができる。図18に一般的に示されるように、能動的マニピュレーターフィンガー1050は、スライダーブロック1052を近位方向に押す。この動きによって、取り付けられた操舵ワイヤー1054が緊張し、その結果、カテーテルチップが遠位において偏向する。変位可能とするために、いく分、カテーテルの湾曲部の曲率半径に起因して、操舵ワイヤー1056は、遠位方向で動かなければならない。これは、取り付けられたスライダーブロック1058を遠位方向に引っ張る。一実施形態において、マニピュレーターフィンガーは、(例えば、高精度駆動機構に対する)それらの機械的取り付けに起因して自由に動くことができない。次いで、受動的スライダーブロック1058を遠位に動かせるよう、マニピュレーターフィンガー1060は、遠位方向で動かざるを得ない。
【0115】
一実施形態において、フィンガー1060が受動的操舵ワイヤー1056を妨げることがないように、各フィンガーは、操舵ワイヤーを制御的に緊張できない場合、“ホーム”配置に引っ込められることができる。そのようなホームへ戻る(return−to−home)構成は、少なくともいく分、各フィンガー1060が受動的なスライダーブロック1058の遠位の動きを妨げることがないよう確実にすることができる。。しかしながら、そのような構成を採るにあたり、受動スライダーブロックが求められる動きを生成するように緊張させなければならない際に、フィンガー1060をスライダーブロック1058と接触するように戻すのに必要な時間に起因して、システム応答時間の低減及び起こりうる遠位チップの段階的な動きに関連した問題に対処するための構成が含まれることが好ましい。
【0116】
別の実施形態において、各マニピュレーターフィンガー1060の機械的連携に力センサーを導入することによって受動的スライダーブロック1058は、自由に引っ込めることができるとともに、接触までの待ち時間を避けることができる。そのような実施形態において、各受動的フィンガー1060は、フィンガー1060と受動的操舵ワイヤースライダーブロック1058の間の最小限の接触力が常に維持されるよう制御可能に配置されることができる。これは、全ての受動的操舵ワイヤー1056が、“待機”状態に維持され、それでいて大幅に妨げられることはないことを確実にする。そのような“能動的緊張”は、例えば、歪みゲージを使用して各フィンガー1060に及ぼされる力を絶えず監視する閉ループアルゴリズムに関連する。“能動的緊張”制御ルーチンは、その後、限界領域内(例えば、50〜100gの力)でフィンガー1060とスライダーブロック1058の間の接触を維持するよう、接続された駆動機構を作動させることによって対応する受動的フィンガー1060を移動させる。
【0117】
予め設定されたカテーテル“速度区域(speed zones)”が図19を参照して簡単に説明される。
【0118】
心室の周囲で使用者がカテーテルを安全でありながら迅速に操舵するのを支援するため、ロボットカテーテルシステム10は、カテーテルチップの動きを最適化するのに予め設定された“速度区域”を採用することができる。図19に関連して説明されるように、区域Aは、心室中の最も中心に、かつ安全な領域に設定することができる。区域Aにおいて、カテーテルチップは、カテーテルチップがこの領域を通常の速度より速く、例えば入力運動の200%で横断するように速度を上げることができる。使用者がカテーテルを心臓壁に近づけるよう動かす際、使用者は速度ではなく正確さが強化されることを望み得る。そのため、区域B及び区域Cは、意図的にかつ徐々に入力運動とチップ運動の間の倍率を減少させることができる。最後に、使用者は、幾何学的形状の外部の領域、例えばカテーテルがその中に侵入するのが妨げられる区域Dを画定する能力を有する。あるいはまた、この“外部区域”は、許容可能な領域中にカテーテルを“押し”戻す力を提供するようにモデル化することができる。
【0119】
所望される場合、システムは、対応する触覚応答を入力ジョイスティック中に含むことができる。区域A、B及びCに関して、そのような触覚応答は、(例えば、先端が壁に近づくにつれて、使用者が、あたかも先端が少しずつ深くなる軟泥の中に捕らわれていくと感じるかもしれない)ハンドルにかかる減衰力を変化させることを含み得る。いったん先端が区域Cと区域Dの間の障壁を渡り始めると、この感覚は、不注意な継続運動を妨げる力によって達成され得る。
【0120】
本発明のいくつかの実施形態をある程度の特定性で上述してきたが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対する様々な変更を行うことができるであろう。AU方向に対する言及(例えば、上方、下方、上方に向かって、下方に向かって、左、右、左側に向かって、右側に向かって)は、本発明の読者の理解を助けるために単に識別目的で使用されており、特に、位置、向き、又は本発明の使用に関する制限を創出するものではない。結合に関する言及(例えば、取り付けられた、連結された、接続された、など)は広く解釈されるべきであり、要素の接続間の中間部材及び関連する要素間の運動を含むことができる。従って、結合に関する言及は、2つの要素が直接接続されていること、及び相互に対して固定されていることであると推量する必要はない。前述に含まれた又は添付図面に示された全事項は、単なる例示であると解釈されるべきであり、限定されるものと解釈されるべきではない。細部や構造における変更は、添付の特許請求の範囲に定義される発明から逸脱することなく行うことができる。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
マニピュレーター支持構造体に支持される少なくとも1つのロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリであって、該ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリは、少なくとも1つの取り外し可能なロボットカテーテルデバイスカートリッジ及びロボットシースデバイスカートリッジを備え、各カートリッジは、一般的に、該ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリに対して直線的に移動可能である、上記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ、
前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの作動を制御するための入力制御システム、及び
前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及びロボットシースデバイスカートリッジにそれぞれ取り付けられたカテーテル及びシースの少なくとも1つの位置を表示するための少なくとも1つのディスプレイモニターを備える視覚化システム、
を含む、ロボットカテーテルシステム。
(項目2)
前記マニピュレーター支持構造体が、前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを手術台に取り付けるための取り付けアセンブリを含む、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目3)
前記マニピュレーター支持構造体が、前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの輸送を容易にするための少なくとも1つの格納可能なホイールを含む、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目4)
前記マニピュレーター支持構造体が、前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを調節可能に支持するための少なくとも1つのアームを含む、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目5)
前記支持アームが、概して水平に配置された手術台に対して鋭角に配置された平面において前記カテーテルマニピュレーターアセンブリを調節可能に配置する、項目4に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目6)
前記支持アームが、概して水平に配置された手術台に対して概して直角に配置された平面において前記カテーテルマニピュレーターアセンブリを調節可能に配置する、項目4に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目7)
前記支持アームが、概して水平に配置された手術台に対して概して鋭角に配置された平面における移動のために前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及びロボットシースデバイスカートリッジを調節可能に配置する、項目4に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目8)
前記支持アームが、概して水平に配置された手術台に対して概して直角に配置された平面における移動のために前記ロボットカテーテルデバイスカートリッジ及びロボットシースデバイスカートリッジを調節可能に配置する、項目4に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目9)
前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリ支持構造体が、手術台に対して実質的に固定されて配置される、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目10)
さらに、前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの輸送及び滅菌に使用するためのケースを含む、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目11)
さらに、前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの汚染を防ぐための滅菌シールドを含む、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目12)
前記ロボットカテーテルシステムが、持ち上げることなく移動可能である、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目13)
前記カテーテルカートリッジ及びシースカートリッジの少なくとも1つが、前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリに対して回転可能である、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目14)
前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリが、相対的に移動可能な少なくとも1つのカテーテル操作ベース及び少なくとも1つのシース操作ベースを含む支持部材を含み、各操作ベースはそれぞれ前記カテーテルデバイスカートリッジ及びシースデバイスカートリッジに対して解放可能に接続可能である、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目15)
前記カテーテル操作ベース及びカテーテルデバイスカートリッジの一方が、前記カテーテル操作ベース及びカテーテルデバイスカートリッジの他方に摺動可能に係合される少なくとも1つの相補的第二の要素と係合可能である、少なくとも一つの第1の要素を、前記カテーテル及び前記第一及び第二の要素の一方に取り付けられた操舵ワイヤーを牽引することによって前記カテーテルの動きを制御するために含む、項目14に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目16)
前記シース操作ベース及び前記シースデバイスカートリッジの一方が、前記シース操作ベース及び前記シースデバイスカートリッジの他方に摺動可能に係合される少なくとも1つの相補的第二の要素と係合可能な、少なくとも1つの第一の要素を、前記シース及び前記第一及び第二の要素の一方に取り付けられた操舵ワイヤーを牽引することによって前記シースの動きを制御するために含む、項目14に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目17)
前記カテーテル操作ベース及びシース操作ベースが、相互に対して及び前記支持部材に対して直線的に移動可能である、項目14に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目18)
前記カテーテル操作ベースが、前記カテーテルの前記シース中への挿入を可能にするように前記シース操作ベースの概して背後に配置される、項目14に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目19)
前記入力制御システムが、ジョイスティック、機器を装備したグローブ、マウス、スペースボール及び3D入力デバイスの少なくとも1つを含む、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目20)
前記入力制御システムが、遠位カテーテルチップに対する実際に検知された力、及び前記遠位カテーテルチップから測定されたインピーダンスのいずれか一方に基づく触覚フィードバックを含む、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目21)
前記入力制御システムが、仮想心臓生体構造に近位の仮想カテーテルチップに基づく触覚フィードバックを含む、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目22)
前記視覚化システムが、前記入力制御システムのためのサムスイッチ偏向の方向を示す方位ベクトルディスプレイを含む、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目23)
前記入力制御システムが、前記カテーテル及びシースに取り付けられた操舵ワイヤーの能動的緊張を含む、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目24)
前記入力制御システムが、患者の生体構造中の所定の区域における前記カテーテル及びシースの動きの速度を変更するための予め画定された速度区域を含む、項目1に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目25)
マニピュレーター支持構造体に支持される少なくとも1つのロボットマニピュレーターアセンブリであって、少なくとも1つの、取り外し可能に取り付けられた第一のロボット外科計器装置デバイスカートリッジ及び第二のロボット外科計器装置デバイスカートリッジを含み、各カートリッジは、概して、前記ロボットマニピュレーターアセンブリに対して直線的に移動可能な、上記ロボットマニピュレーターアセンブリ、
前記ロボットマニピュレーターアセンブリの作動を制御するための入力制御システム、及び
前記第一のロボット外科計器装置デバイスカートリッジ及び第二のロボット外科計器装置デバイスカートリッジにそれぞれ取り付けられた第一及び第二の外科計器装置の少なくとも一方の位置を表示するための少なくとも1つのディスプレイを含む視覚化システム、
を含む、ロボットカテーテルシステム。
(項目26)
前記マニピュレーター支持構造体が、前記ロボットマニピュレーターアセンブリを手術台に取り付けるための取り付けアセンブリを含む、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目27)
前記マニピュレーター支持構造体が、前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリの輸送を容易にするための少なくとも1つの格納可能なホイールを含む、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目28)
前記マニピュレーター支持構造体が、前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリを調節可能に支持するための少なくとも1つのアームを含む、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目29)
前記支持アームが、概して水平に配置された手術台に対して鋭角に配置された平面において前記カテーテルマニピュレーターアセンブリを調節可能に配置する、項目28に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目30)
前記支持アームが、概して水平に配置された手術台に対して概して直角に配置された平面において前記カテーテルマニピュレーターアセンブリを調節可能に配置する、項目28に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目31)
前記支持アームが、概して水平に配置された手術台に対して概して鋭角に配置された平面における移動のために前記第一及び第二のロボット外科計器装置デバイスカートリッジを調節可能に配置する、項目28に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目32)
前記支持アームが、概して水平に配置された手術台に対して概して直角に配置された平面における移動のために前記第一及び第二のロボット外科計器装置デバイスカートリッジを調節可能に配置する、項目28に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目33)
前記ロボットマニピュレーターアセンブリ支持構造体が、手術台に対して実質的に固定されて配置される、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目34)
さらに、前記ロボットマニピュレーターアセンブリの輸送及び滅菌使用のためのケースを含む、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目35)
さらに、前記ロボットマニピュレーターアセンブリの汚染を防ぐための滅菌シールドを含む、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目36)
前記ロボットカテーテルシステムが、持ち上げることなく移動可能である、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目37)
前記第一及び第二のロボット外科計器装置デバイスカートリッジの少なくとも1つが、前記ロボットマニピュレーターアセンブリに対して回転可能である、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目38)
前記ロボットマニピュレーターアセンブリが支持部材を含む、該支持部材が、相対的に及び該支持部材に対して移動可能な少なくとも1つの第一の外科計器装置操作ベース及び少なくとも1つの第二の外科計器装置操作ベースを含み、各操作ベースは前記第一及び第二の外科計器装置デバイスカートリッジに対して解放可能に接続可能である、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目39)
前記第一の外科計器装置操作ベース及び前記第一の外科計器装置デバイスカートリッジの一方が、前記第一の外科計器装置操作ベース及び前記第一の外科計器装置デバイスカートリッジの他方に摺動可能に係合される少なくとも1つの相補的第二の要素と係合可能な、少なくとも1つの第一の要素を、前記第一の外科計器装置及び前記第一及び第二の要素の一方に取り付けられた操舵ワイヤーを牽引することによって前記第一の外科計器装置の動きを制御するために含む、項目38に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目40)
前記第二の外科計器装置操作ベース及び前記第二の外科計器装置デバイスカートリッジの一方が、前記第二の外科計器装置操作ベース及び前記第二の外科計器装置デバイスカートリッジの他方に摺動可能に係合される少なくとも1つの相補的第二の要素と係合可能な、少なくとも1つの第一の要素を、前記第二の外科計器装置及び前記第一及び第二の要素の一方に取り付けられた操舵ワイヤーを牽引することによって前記第二の外科計器装置の動きを制御するために含む、項目38に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目41)
前記第一及び第二の外科計器装置操作ベースが、相互に対して及び前記支持部材に対して直線的に移動可能である、項目38に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目42)
前記第一の外科計器装置操作ベースが、前記第一の外科計器装置の前記第二の外科計器装置中への挿入を可能にするように前記第二の外科計器装置操作ベースの概して背後に配置される、項目38に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目43)
前記入力制御システムが、ジョイスティック、機器を装備したグローブ、マウス、スペースボール及び3D入力デバイスの少なくとも1つを含む、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目44)
前記入力制御システムが、遠位第一の外科計器装置チップに対する実際に検知された力、及び前記遠位第一の外科計器装置チップから測定されたインピーダンスのいずれか一方に基づく触覚フィードバックを含む、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目45)
前記入力制御システムが、仮想心臓生体構造に近位の仮想第一の外科計器装置チップに基づく触覚フィードバックを含む、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目46)
前記視覚化システムが、前記入力制御システムのためのサムスイッチ偏向の方向を示す方位ベクトルディスプレイを含む、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目47)
前記入力制御システムが、前記第一及び第二の外科計器装置に取り付けられた操舵ワイヤーの能動的緊張を含む、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目48)
前記入力制御システムが、患者の生体構造中の所定の区域における前記第一及び第二の外科計器装置の動きの速度を変更するための予め画定された速度区域を含む、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目49)
前記第一及び第二の外科計器装置が、中隔ニードル、カテーテル及びシースの1つである、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目50)
前記マニピュレーター支持構造体が、RFジェネレーター、生理食塩水ポンプ及び生理食塩水バッグを含む総合システムである、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
(項目51)
前記ロボットカテーテルマニピュレーターアセンブリが、前記カートリッジの動きを妨げること及び停止させることの少なくとも一方のためのカートリッジオーバーライドを含む、項目25に記載のロボットカテーテルシステム。
図1
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図3g
図3h
図3i
図3j
図3k
図3l
図3m
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図10a
図10b
図10c
図11a
図11b
図11c
図11d
図11e
図11f
図11g
図11h
図12a
図12b
図12c
図13a
図13b
図13c
図13d
図13e
図13f
図13g
図13h
図13i
図13j
図13k
図13l
図13m
図13n
図13o
図14a
図14b
図14c
図14d
図14e
図14f
図14g
図14h
図14i
図14j
図15a
図15b
図16a
図16b
図16c
図16d
図16e
図17
図18
図19