特許第6055462号(P6055462)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーエヌアールエス−セントレ ナショナル デ ラ リシェルシェ サイエンティフィックの特許一覧 ▶ ユニバーサイト ド リモージュの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055462
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】三重シースシングルモード光ファイバ
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/067 20060101AFI20161219BHJP
   G02B 6/036 20060101ALI20161219BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H01S3/067
   G02B6/036
   G02B6/02 376Z
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-506919(P2014-506919)
(86)(22)【出願日】2012年4月24日
(65)【公表番号】特表2014-517508(P2014-517508A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】FR2012050897
(87)【国際公開番号】WO2012146866
(87)【国際公開日】20121101
【審査請求日】2015年4月17日
(31)【優先権主張番号】1153550
(32)【優先日】2011年4月26日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513270132
【氏名又は名称】シーエヌアールエス−セントレ ナショナル デ ラ リシェルシェ サイエンティフィック
(73)【特許権者】
【識別番号】513270143
【氏名又は名称】ユニバーサイト ド リモージュ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロイ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】シュスター,カイ
(72)【発明者】
【氏名】グリム,シュテファン
【審査官】 林 祥恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−316526(JP,A)
【文献】 特開2010−080884(JP,A)
【文献】 特開2008−226885(JP,A)
【文献】 特開2010−003896(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/126472(WO,A1)
【文献】 特開2011−33899(JP,A)
【文献】 O. Schmidt, et. al.,"Single-polarization ultra-large-mode-area Yb-doped photonic crystal fiber",Optics Express,2008年 3月10日,Vol.16, No.6,pp.3918-3923
【文献】 M. D. Nielsen, et. al.,"Predicting macrobending loss for large-mode area photonic crystal fiber",Optics Express,2004年 4月19日,Vol.12, No.8,pp.1775-1779
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/067
H01S 3/10
G02B 6/02
G02B 6/036
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
希土類元素が少なくとも部分的にドープされたシングルモードコア(12、22、32)と、
光学的不活性中間シース(13、23、33)と、
マルチモード・ポンピング・シース(14、24、34)と、
外側シース(15、25、35)と、
を、中心から周縁にかけて備えるシングルモード光ファイバ(11、21、31)であって、
前記中間シース(13、23、33)は、固体長手状素子(13A、23A、33A、33B)の集合体によって形成され、
前記固体長手状素子(13A、23A、33A、33B)の集合体は、前記シングルモードコアの屈折率と最大で10−3異なる屈折率を有する第1の光学材料を含む第1の固体長手状素子と、前記シングルモードコアの屈折率よりも10−3以上低い屈折率を有する第2の光学材料を含む第2の固体長手状素子と、を備え
前記中間シース(13、23、33)の有効屈折率が、前記シングルモードコア(12、22、23)の屈折率(N12、N32)よりも低い、ことを特徴とする、
シングルモード光ファイバ。
【請求項2】
前記固体長手状素子(13A、23A、33A、33B)の集合体は、固体長手状素子(13A)を備え、当該固体長手状素子(13A)は、
前記第1の光学材料から成る中央長手部(13B)と、
前記中央長手部(13B)を囲み、該長手部よりも小さな横断面積を有し、前記第2の光学材料から成る周縁長手部(13C)と、
を含む、
請求項1に記載のシングルモード光ファイバ。
【請求項3】
前記第1の固体長手状素子(33A)は前記第1の光学材料から成り、前記第2の固体長手状素子(33B)は前記第2の光学材料から成る
請求項1に記載のシングルモード光ファイバ。
【請求項4】
前記第1の固体長手状素子(33A)は、前記第1の光学材料から成り
前記第2の固体長手状素子(13A)は、
前記第1の光学材料から成る中央長手部(13B)と、
前記中央長手部(13B)を囲み、該中央長手部よりも小さな横断面積を有し、前記第2の光学材料から成る周縁長手部(13C)と、
含む
請求項1に記載のシングルモード光ファイバ。
【請求項5】
前記集合において、前記中間シース(13、23、33)の前記固体長手状素子がマトリックス状に配置される、
請求項1からのいずれか一項に記載のシングルモード光ファイバ。
【請求項6】
前記中間シース(13、23、33)の前記固体長手状素子(13A、23A、33A、33B)の横寸法が、前記シングルモード光ファイバ(11、21、31)のシングルモード放射波長よりも少なくとも10倍大きい、
請求項1からのいずれか一項に記載のシングルモード光ファイバ。
【請求項7】
前記中間シース(13、23、33)の前記固体長手状素子(13A、23A、33A、33B)の横寸法が、前記シングルモード光ファイバ(11、21、31)のシングルモード放射波長よりも小さい、
請求項1からのいずれか一項に記載のシングルモード光ファイバ。
【請求項8】
モードフィルタリング手段(16、26、36)が前記シングルモードコア(12、22、32)および前記中間シース(13、23、33)の少なくとも一方に配置される、
請求項1からのいずれか一項に記載のシングルモード光ファイバ。
【請求項9】
前記中間シース(13、23、33)の有効屈折率が前記シングルモードコア(12、22、32)の屈折率と最大で10−4異なる、
請求項1からのいずれか一項に記載のシングルモード光ファイバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シングルモード光放射用に設計されたアクティブ光ファイバに関する。
【0002】
限定はしないが、この種の光ファイバは、非線形効果の影響を最小限に抑えつつ高い屈折力を伝達または増幅することが重要な用途において、使用することができる。
【背景技術】
【0003】
二重シースシングルモード光ファイバが既知である。これらのファイバは、最初の光ビームのシングルモード増幅に使用される、希土類元素(たとえばイッテルビウム)がドープされたガラスコア(たとえばアルミノケイ酸塩)から成る。このコアは、コアよりも寸法の大きなマルチモード・ポンピング・シース(たとえばシリカ)によって直接囲まれているため、マルチモードポンプの各種モードで光を伝播させる。コアおよびマルチモード・ポンピング・シースよりもはるかに屈折率が低いガラス、ポリマ、または気腔製の外側シースが、前記マルチモード・ポンピング・シースを囲んでいる。
【0004】
この種の二重シースシングルモード光ファイバでは、大きな表面積の高パワーレーザ光を生成することができる。また、従来のシングルモードポンピングよりも高いポンピング力(したがって、シングルモード増幅)となる。
【0005】
上述の種類のシングルモード光ファイバの増幅効果を高めるには、シングルモードコアによる、マルチモード・ポンピング・シースからの光の吸収速度を改良することが重要であり、この速度はドーピング速度とコア径に左右される。しかしながら、この種の改良は、ファイバのシングルモードの特徴(これもまたシングルモードコアとマルチモード・ポンピング・シース間の屈折率の差に依存する)、材料の量的有効性(共ドーピング剤とホストマトリックスに依存する)、前記ファイバの導光特性を保持しつつ、行わなければならない。
【0006】
しかし、ファイバの増幅効果を向上させるためにドーピング速度(たとえばイッテルビウム)がシングルモードコアで速められた場合、結果的にコアの屈折率が(可能な共ドーピング剤に応じて高く、または低く)増加し、ひいてはコアとマルチモード・ポンピング・シース間の屈折率の差が増加する。したがって、この増大作用を相殺し、コアのシングルモード特徴を保持するため、径を低減させなければならず、事実上、ファイバの増幅効果を低下させる。つまり、ファイバの増幅効果をドーピング速度またはコア径の適切な選択によって向上させることはできない。
【0007】
増幅効果を向上させるための第1の解決策は、シングルモードコアのドーピングが屈折率に及ぼす影響を低減することである。したがって、イッテルビウムはフッ素またはボロンなどの他のドーピング剤と組み合わせることができ、このようにドープされたコアの屈折率を、同一のドーピング速度の場合、イッテルビウムがドープされたコアに比べて低減する効果があり、これによりコアとマルチモード・ポンピング・シース間の屈折率の差を大幅に増大させる必要なく、コアのドーピング速度を速めることができる。
【0008】
しかし、共ドーピング剤のフッ素とボロンは、イッテルビウムなどの非常に高濃度のドーピングによる屈折率の増大を完全には相殺しない。その結果、コア内の光と材料の相互作用が低下するため、光と材料の相互作用の期間を延長させる必要があり、このために一方では非線形効果が出現し、他方では光源のコンパクトさが失われる(特に、コアとシース間の屈折率差が非常に低いために屈曲させることができない大コア寸法のファイバの場合)。さらに、非常に高濃度のイッテルビウムドーピングはコア全体にわたって均一な屈折率プロファイルを得ることが困難であり、放射されるレーザ光の高品質制御の達成を脅かす。
【0009】
この増幅効果を高めるための第2の解決策は、米国特許第6,841,053号公報(特許文献1)に開示されるように、三重シースシングルモード光ファイバを使用してシングルモードコアを直接囲むシースの屈折率を高めることである。この目的で中間シースが、コアとマルチモード・ポンピング・シースとの間に挿入される結果、ファイバは中心から周縁にかけて、
希土類元素がドープされたシングルモードコア(たとえばイッテルビウムがドープされたアルミノケイ酸塩製)と、
屈折率が前記シングルモードコアとわずかに異なる(たとえば10−3以下)光学的不活性(非増幅)中間シース(たとえばゲルマニウムをドープしたシリカ製)と、
マルチモード・ポンピング・シース(たとえばシリカ製)と、
外側シース(屈折率がコア、中間シースおよびマルチモード・ポンピング・シースの屈折率よりもはるかに低い)と、
から成る。
【0010】
この三重シース光ファイバアーキテクチャにより、フッ素とボロンに頼らずに、シングルモードコアと前記コアを直接囲むシースとの間の屈折率の差を適切な差に維持しつつ、イッテルビウム−ドーピング速度(ひいてはコアの吸収速度)を高めることができる。事実、中間シース(たとえばゲルマニウムがドープされたシリカ)の屈折率は、ゲルマニウムドーピング速度を適切に選択することによって調節できるため、シングルモードコアのドーピング速度(ひいては屈折率)を速めつつ、コアと中間シースとの屈折率の差は可能な限り低く維持される。
【0011】
しかし、上記種類のシングルモード光ファイバでは、屈折率プロファイルはシングルモード増幅特性に悪影響を及ぼしかねない重要なパラメータである。しかし特許文献1では、コアおよび中間シースはそれぞれMCVD(内付化学気相堆積法)法を使用して均一層を形成する。その結果、コアを高濃度でドーピングしてファイバの増幅特性を向上させる場合、中間シースを形成する均一層の屈折率プロファイルを、ファイバのシングルモード特徴を保持するように完全に制御することができず、コア径を(たとえば20μmに)制限せざるを得ず、よってファイバの増幅速度をも制限せざるを得ない。
【0012】
別の解決策は、シングルモード特徴が特に気孔の寸法に依存する(大きすぎる径の気孔は必然的にマルチモード増幅を生成するため)ロッド型ファイバを使用することである。しかし、ここでも、気孔のサイズの制御が困難であるため、中間シースの屈折率(したがってファイバのシングルモード特徴)の制御もまた困難である。さらに、この種のファイバでは、コアの屈折率は純粋シリカと等しく、完全に均質でなければならない。したがって、材料の混合物、たとえば、イッテルビウムがドープされたアルミノケイ酸塩とフッ素がドープされたシリカが、誘導された光線によって均質と知覚されるサブミクロン構造が得られるまで、複数の集合−線引き(assembly−drawing)ステップを通じて使用および作製される。よって、この複雑な技法は、一方ではコスト増につながり、他方ではコアの大部分がイッテルビウムでドープされておらず、光学的増幅に貢献しないため、ファイバの増幅効果を最適化しない。
【0013】
別の解決策は「漏れチャネル(leakage channels)」ファイバを使用することであり、このファイバのシングルモードの特徴は同様の方法で、ロッド型ファイバのコアと類似のコアと低屈折率シリカを大量に含めたシースとの間の非常に弱い導光によって得られる。
【0014】
別の解決策はキラル連結コアファイバを使用することであり、このファイバのシングルモードの特徴は、中央コアの周りに巻かれた周縁コアにおける選択的連結によりマルチモード中央コアの高次モードを排除することによって得られる。コア均質性は複数の線引き−集合によって得られるが、イッテルビウムがドープされていないシリカを必要とはしない場合もある。しかしコア径は、非常に多数の高次モードの選択的排除のため、技術的障害によって40μm未満に制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第6,841,053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって本発明の目的は、中間シースの屈折率プロファイルを入念に制御しつつ、(大径コアと高ドーピング速度においても)高シングルモード増幅を促進することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
したがって、本発明に係るシングルモード光ファイバは、中心から周縁にかけて、
希土類元素が少なくとも部分的にドープされたシングルモードコアと、
光学的不活性中間シースと、
マルチモード・ポンピング・シースと、
外側シースと、
を備えており、
前記中間シースが、長手状素子を集合させることによって形成され、
前記中間シースが、前記シングルモードコアの屈折率と最大で10−3異なる屈折率を有する第1の光学材料と、前記シングルモードコアの屈折率と少なくとも10−3異なる屈折率を有する第2の光学材料と、から構成されている、
という点で注目に値する。
【0018】
したがって、本発明によると、中間シースはロッドまたはバーなどの1セットの長手状素子を備え、コアに近い屈折率を有する部分(第1の光学材料)と、コアと異なる屈折率を有する部分(第2の光学材料)と、を備える。
【0019】
したがって、中間シースは、コアに近い有効屈折率の略不均一な材料として光によって知覚される。これにより、コアの屈折率(ドーピング速度のため)が高い場合でも、前記中間シースの屈折率の異なる各部分に関する屈折率、割合、配置を適切に選択することによってこのような屈折率プロファイルは精密に得ることができるので、前記コアと前記中間シース間との屈折率の差を低い値に確実に維持することができる。よって、基本伝播光モードはコア内に限定することができるため、シングルモード特徴を有することができる。その結果、巨視的規模での2つの異なる光学材料の妥当な制御によって、このように形成された中間シースの屈折率プロファイルは微視的規模で適切に制御することができる。
【0020】
このようにして、コアは、確実に中間シースが適切な屈折率プロファイルを有して前記コアと前記シース間の屈折率の差を制限するようにしつつ、大径および高ドーピング速度で製造することができる。したがって、このように形成されるファイバは、強化されたシングルモード増幅と満足のいく導光特性の両方を提供する。
【0021】
さらに本発明によると、中間シースはモジュール式であり、したがって簡易に設計し組み立てることができるという利点を備えた長手状素子(ロッド、バー)で形成されており、これによりファイバの製造は簡易化され、また製造コストは低減される。
【0022】
本発明のもう1つの利点は、屈折率が高い場合でも確実に満足のいく屈折率プロファイルがコアにおいて得られるようにしつつ、ファイバのコアの(少なくとも部分的な)ドーピングを、希土類元素(イッテルビウムなど)を使用して実行できることである。
【0023】
なお、本発明はコアのドーピング速度を速めることができるため、同一のシングルモード増幅速度および同一のコア径の場合、より短い光ファイバを製造でき、このように形成されたファイバ内で伝播される光に及ぼす非線形効果の影響を制限し、使用される光源のさらなるコンパクト化を助ける。
【0024】
前記中間シースが前記長手状素子のみからなる場合、中間シースの屈折率プロファイルは特に精密に制御することができる。
【0025】
長手状素子を中間シース内に容易に集合させるため、長手状素子の少なくとも一部をマトリックス状に前記中間シース内に配置することができる。
【0026】
中間シースの長手状素子を空間の損失なく並べて配置するため、これらの長手状素子の少なくとも一部は好都合には、蜂の巣状のマトリックスを形成できるように横方向六角形断面を有する。しかし、円形や正方形などのその他の断面形状とすることもできる。
【0027】
本発明に係る光ファイバでは、第1の光学材料の屈折率はシングルモードコアの屈折率に等しい、あるいは可能な限り近いが、第2の光学材料の屈折率は前記シングルモードコアの屈折率よりもはるかに低いまたは高いため、前記中間シースの有効屈折率はシングルモードコアの屈折率よりもわずかに低く、または高くしてもよい。
【0028】
第2の光学材料はたとえばランタンがドープされたアルミノケイ酸塩またはシリカであってもよく、第1の光学材料はドーピングがほぼされていない、あるいはドーピングが非常に低濃度であるアルミノケイ酸塩またはシリカであってもよい。当然ながら、これらの例は限定するものではなく、前記第1の光学材料と第2の光学材料は適切な屈折率を有するその他任意の適合性材料とすることができる。
【0029】
本発明に係るシングルモード光ファイバでは、前記第1の光学材料と第2の光学材料とを複数の異なるモードで分布してもよい。
【0030】
第1のモードでは、前記シングルモード光ファイバは、
前記第1の光学材料から成る中央長手部と、
前記中央長手部を囲み、該中央長手部よりも小さい横断面積を有し、前記第2の光学材料から成る周縁長手部と、
を備える長手状素子を備える。
【0031】
第2のモードでは、前記シングルモード光ファイバは、前記第1の光学材料から成る第1の長手状素子と、前記第2の光学材料から成る第2の長手状素子とを備える。
【0032】
変形では、本発明に係るシングルモード光ファイバは、
前記第1の光学材料から成る第1の長手状素子と、
前記第1の光学材料から成る中央長手部と、前記中央長手部を囲み、該中央長手部よりも小さい横断面積を有し、前記第2の光学材料から成る周縁長手部とを備える第2の長手状素子と、
を備えてもよい。
【0033】
中間シースの長手状素子の横寸法は、シングルモード光ファイバのシングルモード放射波長より、たとえば少なくとも10倍大きくてもよい。この場合、中間シースは光によって略不均質な材料として知覚され、光は修正全反射(MTIR)によりコアの内部に閉じ込められる。
【0034】
変形では、中間シースの長手状素子の横寸法は、シングルモード光ファイバのシングルモード放射波長よりも小さくてもよい。この場合、光は、コアに近い有効屈折率を有する略均質の材料として中間シースを知覚し、光は全反射(TIR)によってファイバ内を伝播される。
【0035】
好ましくは、シングルモードコアは、シングルモード放射波長の規模で横方向に均質な屈折率を有することができる。この場合、基本伝播モードのより良好な限定と優先的増幅を達成するため、コアの中央が希土類元素でドープされ、周縁はドープされない。
【0036】
光ファイバのモジュール性を高めるため、コアおよび/またはマルチモード・ポンピング・シースは長手状素子を備えてもよい。
【0037】
コアでのモードの区別は、コアおよび/または中間シースにモードフィルタリング手段を配置することによって向上させることができる。このフィルタリング手段は所望のモードの優先的増幅の選択という点で補完的であり、高次伝播モードを対象とする損失の形であってもよく、たとえばコアおよび/または中間シースに傾斜格子を刻むことによって形成することができる。
【0038】
コアの基本モードのみに限定するため、中間シースの有効屈折率は、100λに近い寸法のコアの場合、シングルモードコアの屈折率とは最大10−4異なってもよい(より小さなコアの場合は約10−4)。
【0039】
上述の実施形態のいずれかに係るシングルモード光ファイバを製造するために、
1セットの粉末が前記中間シースの長手状素子に対応するプレフォーム内に配置され、
前記プレフォームがガラス化され、
前記長手状素子の寸法が前記長手状素子を形成するためのファイバを線引きすることによって調節され、
前記長手状素子が前記中間シースを形成するよう配置され、
真空が前記長手状素子間に形成される(完全な個体である、つまり空気を含まない構造が得られる)、
中間シースを製造する製造工程を使用することができる。
【0040】
粉末のガラス化原理に基づくこの工程により、中間シースを形成する材料の屈折率を特に有効に制御することができ、コアは大径で高屈折率である場合があるにもかかわらず、シングルモード光ビームを放射させつつ、複雑な屈折率プロファイルを用いた部分ドープ構造の製造を可能にする。この工程では直接使用することのできるプレフォームを得ることができるという点で、製造量(MCVD法により合成される量の15〜100倍)により製造工程を簡易化でき、集合させる長手状素子を得るのに機械的または化学的に調整しなければならなかった複数のMCVDプレフォームに取って替わる。
【0041】
加えて、真空が形成されているため、このファイバ製造工程は気孔がほとんどまたは全くない完全固体光ファイバを提供し、前記ファイバとファイバ構成要素との接続、および信頼の置けるソースの集合を容易にする。
【0042】
この工程のもう1つの利点は、製造において利用不能なファイバを少量しか出さないことで、当業者にとって周知の他の三重シースシングルモード光ファイバ製造工程に比べ、本発明に係るシングルモード光ファイバの製造コストを大幅に低減する効果を有する点である。
【0043】
好ましくは、シングルモードコアを製造する際、
粉末がシングルモードコアの長手状素子にそれぞれ対応するプレフォーム内に配置され、
前記プレフォームがガラス化され、
前記プレフォームの寸法が、長手状素子を形成するためのファイバを線引きすることによって調節され、
前記シングルモードコアを形成するよう前記長手状素子が配置され、
真空が前記長手状素子間に形成される。
【0044】
本発明に係る光ファイバの製造を可能にするプレフォームは好ましくは、コアと中間シースとを形成するよう、長手状素子を適切に配置することである。好ましくはプレフォーム線引きステップ中に真空を形成することができ、これにより本発明に係るファイバを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
添付図面は、本発明を如何にして作製できるかを説明するものである。これらの図面では、同一の参照符号は技術上同様の構成要素を指す。
図1A】従来技術に係る三重シースシングルモード光ファイバの断面図である。
図1B図1Aの光ファイバの屈折率の横分布を示す図である。
図2A】本発明に係る三重シースシングルモード光ファイバの第1実施例の断面図である。
図2B図2Aの光ファイバの横方向の屈折率分布を示す図である。
図3A】長手状素子のうちの1つの断面図であり、その集合が図2Aの光ファイバの中間シースの部分的ドープ構造を形成する。
図3B図3Aに示される長手状素子の横方向の屈折率分布を示す図である。
図4図2Aの三重シースシングルモード光ファイバの変形の断面図である。
図5A図2Aおよび図4のシングルモード光ファイバの長手状素子の製造工程の連続ステップを示す。
図5B図2Aおよび図4のシングルモード光ファイバの長手状素子の製造工程の連続ステップを示す。
図5C図2Aおよび図4のシングルモード光ファイバの長手状素子の製造工程の連続ステップを示す。
図5D図2Aおよび図4のシングルモード光ファイバの長手状素子の製造工程の連続ステップを示す。
図6A】本発明に係る三重シースシングルモード光ファイバの第2実施例の断面図である。
図6B図6Aの径X−X’に沿った図6Aの光ファイバの屈折率の径方向分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
従来技術の三重シースシングルモード光ファイバ1は、たとえば1030〜1100nmの波長(イッテルビウムイオンの標準的波長だが、1.5μmまたは2μm、あるいはその他の任意の波長と交換可能である)の光線を放射するように設けられており、その平面の横断面(X−X’;Y−Y’’)が図1Aに示されている。従来技術の三重シースシングルモード光ファイバ1は、中心から周縁にかけて:
希土類元が少なくとも部分的にドープされたシングルモードコア2と、
光学的に不活性であるが、コアにシングルモード特徴を与えるのに役立つ中間シース3と、
マルチモード・ポンピング・シース4と、
外側シース5と、
を備える。
【0047】
コア2は、屈折率n図1B)と約25〜30μmに制限される寸法とを有する。該コアはシリカまたはアルミノケイ酸塩で作製し、イッテルビウム(またはエルビウム、もしくはツリウム)などの希土類元素をドープしてもよく、または均一な屈折率プロファイルを得ることを容易にする利点を備えたその他の任意の材料で作製してもよい。しかしながら、シングルモード(たとえば、基本モード)の優先的増幅を可能にするため、特定ゾーンでは不活性である場合がある。コア径は通常、従来の製造技術(たとえばMCVD)を確保できる様々な材料の屈折率の精度により25〜30μmに制限される。
【0048】
中間シース3はコア2を囲んでいる。このシース3はコア2の屈折率nよりも低い屈折率nを有し(図1B)、たとえばゲルマニウムがドープされたシリカ(またはアルミノケイ酸塩)から作製しうる。
【0049】
シース3の屈折率nは、コア2の屈折率nとシース3の屈折率nとの差Δn3−2が可能な限り小さく、たとえば当業者にとって一般的に容認される限界である10−3になるように決定されなければならない。そうすることにより、コア2内の光のシングルモード伝播を、全反射(TIRとして知られる技術)のセットにしたがい得ることができる。
【0050】
マルチモード・ポンピング・シース4は中間シース3を囲む(図1A)。このシース4は、(コア2の)屈折率nと(シース3の)屈折率n以下である屈折率nを有し、マルチモードポンプの様々なモードの伝播を可能にするように、コア2および中間シース3の寸法と比較して適切な寸法を有する。この目的で、また製造を簡易にするため、シース4は(希土類元素が)ドープされていないシリカまたは(希土類元素が)ドープされていないアルミノケイ酸塩で作製してもよい。当業者にとって周知の技術にしたがい、ポンピング力の吸収を高めるため、マルチモード・ポンピング・シース4の形状は必ずしも円形とは限らない。
【0051】
外側シース5はマルチモード・ポンピング・シース4を囲む。このシース5は屈折率n、n、nよりも低い(好ましくははるかに低い)屈折率n図1B)を有するため、ファイバ1の内部を保護すると同時に、ポンピング光線を誘導することができる。シース5は気腔から成ってもよく、あるいは高温に適した材料(ポリマー、フッ素コーティングなど)で作製してもよい。なお、このシース5の屈折率nは低くなくてはならず、コア2、シース3およびシース4の屈折率と十分に異なっていなくてはならない。
【0052】
なお、コア2は必ずしも光ファイバ1の中心に配置されていなくてもよく、中間シースによって同心に囲まれていなくてもよい。同様に、コアおよび各種シースの形状は必ずしも円形ではない。
【0053】
導光特性を向上させつつ、図1Aおよび1Bの三重シース光ファイバのシングルモード増幅を強化するため、本発明は特定の中間シース構造に関し、その第1実施例を図2A、2B、3A、3Bに示す。
【0054】
たとえば1030nmの波長の光線を放射するように設けられ、面(X−X’、Y−Y’’)の横断面が図2Aに示される本発明に係る三重シースシングルモード光ファイバ11は、中心から周縁にかけて、
コア2に類似し、屈折率N12を有するシングルモードコア12と、
光学的に不活性であり、有効屈折率N13を有する中間シース13(中間シース3と類似)と、
ポンピングシース4に類似し、屈折率N14を有するマルチモード・ポンピング・シース14と、
シース5に類似し、屈折率N15を有する外側シース15と、
を備える。
【0055】
図2Aに示される中間シース13は、コア12を囲む複数の同軸層(図2Aでは2層)を形成するように配置された、ロッドまたはバーなどの複数の長手状素子13Aを備える。
【0056】
好ましくは(必須ではないが)すべて同一であるこれらの長手状素子13Aは、ファイバ11の縦方向および横方向全長を覆うように隣接して配置される。該長手状素子はそれぞれ六角形断面を有し、その六角形断面の側面は、隣接する長手状素子の六角形断面の側面と接触している。しかし、隣接する長手状素子間の横方向範囲に大きすぎる気孔を生成しない限りは、任意のその他の断面形状、具体的には円形、矩形、または三角形を採用することができる。
【0057】
図3Aにより詳細に示されるように、中間シース13の長手状素子13Aは2つの同軸隣接部分、つまり、第2の(周縁)長手部13Cによって囲まれた第1の(中央)長手部13Bを備える。中間シース13の長手状素子13Aでは、周縁長手部13Cはシングルモードコア12の屈折率と少なくとも10−3異なる屈折率を有する光学材料から成り、中央長手部13Bは前記シングルモードコアの屈折率と最大で10−3異なる屈折率を有する光学材料から成る。たとえば、図3Aの長手状素子13Aでは、第1の長手部13Bはたとえばランタンがドープされたシリカ、またはランタンがドープされたアルミノケイ酸塩などの光学材料で作製され、その屈折率N13Bは、たとえばドープされていない、あるいはわずかにしかドープされていないシリカまたはアルミノケイ酸塩製の第2の長手部13Cの屈折率N13Cよりも(屈折率の点で)高い。このように、第2の長手部13Cの屈折率N13Cが、コア12の屈折率N12と大幅に異なる(コアの屈折率よりも、たとえば少なくとも5.10−3低い)ように決定されることによって、光は確実に前記コア12に導かれる。
【0058】
さらに、第1の長手部13Bの横断面積は第2の長手部13Cの横断面積よりも大きいため、コア12のN12に実質上近い(TIRまたはMTIR導光の場合には、好ましくはコア12のN12より低い)中間シース13の有効屈折率N13が得られる。
【0059】
したがって、中間シース13からこのように形成されるシングルモード光ファイバ11は、所定のシングルモード放射波長の光線を誘導し、その光線を効果的に増幅させるのに適する。当業者はこの誘導法を「改良全反射」(MTIR)という名称で認識している。
【0060】
この場合、構造は完全固体であるが、誘導原理は、フォトニック結晶ファイバ(PCF)として知られる気孔を有するミクロ構造のファイバ、またはロッド型ファイバにおいて使用される誘導原理と類似している。
【0061】
なお、可能な変形は、当該構造のその他すべての屈折率よりもはるかに高い(たとえばコア12の屈折率よりも少なくとも10−2高い)屈折率N13Cを有する材料13Cを使用することである。したがって、光ファイバ1は上述の利点を有するが、光は禁止フォトニックバンド(PPB)によって前記ファイバ内で誘導されて、曲げ損失に対する良好な抵抗を提供する。
【0062】
なお、シングルモード放射波長よりも短くなるように第2の長手部13Cの横寸法を選択することができる。この場合、構造材料はパターンサイズよりも高い波長を有する光線によって均質と知覚されるため、光は全反射(TIR)によってファイバ内を伝播される。
【0063】
長手状素子13Aにおける中央長手部13Bと周縁長手部13Cとの配置によって、屈折率の(シース13の横断面に沿った)不均質な横分布が得られる。しかし、その他任意の種類の配置、具体的には屈折率の異なる部分が2つ以上ある配置を使用することができる。これに関し、一方ではコア12の屈折率N12とシース13の有効屈折率N13間の差ΔN13−12が少なくとも10−3(好ましくは、10−4)に等しく、他方では屈折率が最も低い(ここでは屈折率N13C)長手状素子13Aの長手部(ここでは部分13B)がTIRまたはMTIRによって光ファイバ11に制限することを可能にするのに適した寸法を有するように、シース13の横方向の屈折率分布が得られることのみが重要である。
【0064】
中間シース13が上述の特徴を有するには、特に以下のパラメータへの適切な調節を如何にして行うかは当業者にとって周知であろう:
長手状素子13Aから成るリングの数、
屈折率を決定する、各長手状素子13Aの長手部13Bおよび13Cのドーピング速度、
シース13の有効屈折率を決定する、各長手状素子13Aの前記部分13Bと13Cの断面積の比(もしくは、図3Bを参照して寸法D13BおよびD13Aの比)、
長手状素子の寸法。
【0065】
中間シース13は集合させられるのに適した長手状素子13Aから成るため、モジュール式であり、注意深く選択された長手状素子から形成されるが、必ずしもすべて同一であるとは限らない。具体的には、企図される用途に応じて、異なる形状の断面を有し、かつ異なる寸法および/または異なる材料で作製されたおよび/または異なる速度でドープされた構成部分(ただしこれらの部分は適切な屈折率を有する)を有する長手状素子を、同一のシース13内に集合させることが適切であろう。しかしながら、シース13を中心とした回転の対称性によってより良好な均質性を達成するため、シース13の同心層をすべて同一の長手状素子から形成することが好ましい場合もある。さらに、非同一素子の配置または非対称配置により、たとえば、偏光を維持するファイバ、あるいは偏光ファイバの製造が可能となる場合もある。
【0066】
なお、ファイバのモジュール性と同じ理由で、図2Aに示されるコア12(たとえばイッテルビウムがドープされたアルミノケイ酸塩製)も長手状素子12Aから成り、その横断面は中間シース13を形成する長手状素子13Aの横断面と同一の形状および同一の寸法を有する。これらの長手状素子12Aはそれぞれ、たとえばイッテルビウムがドープされたシリカまたはアルミノケイ酸塩から成る単独の光学材料で作製しうる。
【0067】
なお、さらにモジュール性を高めるため、マルチモード・ポンピング・シース14または外側シース15までも長手状素子13Aと同一形状で同一寸法の断面を有する1セットの長手状素子で作製しうる。
【0068】
さらに、図2Aを参照すると、モジュールの区別を向上させ、コア12でのみ基本モードの伝播を増強させるため、損失16をコア12の長手状素子12A一部と中間シース13の長手状素子13Aの一部とのそれぞれに配置させることができる。高次伝播モードを対象としたこれらの損失16によって、高次伝播モードをフィルタすることができる。それらを配置するには、当業者にとって周知である手段、たとえば、傾斜格子刻印技術に頼らなければならない。
【0069】
これに関し当業者は、特定の構造のコア12および中間シース13に対して高次モードを適切にフィルタするためにこれらの損失の最適位置および寸法を決定する方法について知っているであろう。
【0070】
図2Aおよび3Aでは、光ファイバ11の横断面のみが示されているが、明らかにこの断面は前記ファイバ11の縦方向長さ全体を通じて同一とすることができる。
【0071】
同様に、上述の説明は完全に長手状素子13Aのみから成る中間シース13に関するが、明らかに前記中間シース13は部分的にのみこれらの素子から形成され、シースの残りは独自の屈折率を有する単独の長手状素子で形成しうる。
【0072】
図4は、上述の三重シースシングルモード光ファイバの変形実施形態21を示す。この光ファイバ21は図2Aの光ファイバ11に類似し、具体的には中間シース23、マルチモード・ポンピング・シース24および外側シース25は光ファイバ11のシース13、14、15にそれぞれ相当する。同様に、長手状素子23Aは素子13Aに相当する。
【0073】
この光ファイバ21のコア22はコア12と異なり、部分的にドープされており、たとえば中央部には、光ファイバ11の長手状素子12Aに類似する1セットのドープされた長手状素子22A(たとえばイッテルビウムがドープされたアルミノケイ酸塩製)を、周縁部には長手状素子22A(および同様に長手状素子23A)と同一の形状および同一の寸法の断面を有し、長手状素子22Aと同一の屈折率を有する長手状素子22Bを備えており、これらの素子22Bは積極的にドープされていない(たとえば、ランタンまたはゲルマニウムがドープされたアルミノケイ酸塩で作製されているが、イッテルビウムまたはその他の光学的活性希土類元素を含まない)。
【0074】
この場合、図2Aの第1の実施形態と同様、損失26(損失16に類似)を長手状素子22A、22B、23Aの一部に導入しうる。
【0075】
本発明に係るシングルモード光ファイバ11(または21)を製造するため、図5図A〜Dに示される製造工程を使用しうる。このプロセスによると、各長手状素子13A(ならびに12Aおよび12B)は以下のステップにしたがい粉末をガラス化することによって形成しうる:
第1の粉末P1(中央長手部13Bを形成する目的)が第1の管(プレフォームとして機能する)PR1(図5図A)内に配置され、
この第1のプレフォームPR1がより大きな寸法の第2の管(プレフォームとして機能)PR2に挿入されると、第2の粉末P2(周縁長手部13Cを形成する目的)が第2の管PR2内に、第1の管PR1によって残された自由に使用できる空間に配置され(図5図B)、
2つの粉末P1およびP2が第2の管PR2内に配置されると、第1の管PR1は取り除かれ(図5図C)、
最後に、粉末P1およびP2が第2の管P2内でガラス化されて、長手状素子13Aの中央長手部13Bと周縁長手部13Cをそれぞれ形成した後(図5図D)、必要に応じて機械的または化学的研磨で第2の管32を除去する。
【0076】
図5図A〜Dは円柱状の長手状素子の製造例を示しているが、明らかにこの工程は六角形またはその他の形状の断面を有する長手状素子にも適合させることができる。
【0077】
もしくは、各長手状素子13A(ならびに12Aおよび12B)は以下のステップにしたがい、粉末のガラス化、および適宜、材料の外部蒸着によって製造することができる:
第1の粉末(中央長手部13Bまたは12Aを形成する目的)が第1のプレフォーム内に配置され、
このプレフォームがガラス化され、
その後、プレフォームを研磨して部分13Cの厚みを調節する、あるいは完全に除去することで、たとえば素子12Aを形成する際に断面全体にわたって均一な材料を得ることができ、
すべての周縁材料を除去するが周縁部13Cは有益である場合は、たとえばOVDまたはPOVDによる外部蒸着を行って、所要の屈折率を有する部分13Cを形成することができる。
【0078】
次に、このようにしてガラス化された長手状素子13Aが中間シース13を形成するように配置され、真空がこれらの素子13A間に形成されて、これらの素子を集合させて前記中間シース3を形成する。
【0079】
この工程はコア12または22の長手状素子12A、22A、22Bを形成するため、また、必要に応じてマルチモード・ポンピング・シース14、または外側シース15を形成することを目的とする長手状素子を形成するためにも適用することができる。この場合、当該素子が独自の屈折率を有する単独の部分から形成される場合、1つのプレフォームと1つの粉末のみを使用する必要がある。同じことが図4に示される光ファイバ21の長手状素子22A、22B、23Aにも当てはまる。
【0080】
本発明に係るシングルモード光ファイバ11(または21)の長手状素子に適用されるこのガラス化工程によって、具体的には、
コアと中間シース13(または23)を形成する材料の屈折率が有効制御され(ひいては有効断面積が最大化され、非線形効果の影響が最小化される)、
非線形効果の影響を最小化するドーピングレベルが有効制御され(ひいては有効ファイバのゲインおよび長さ)、
CVD法による場合よりも、はるかに大量の合成が行われることで、ファイバ製造工程が大幅に簡易化され、コストが低減され、
ファイバとファイバ構成要素との接続、および信頼のおけるソースの集合を簡易化する完全固体光ファイバが提供され、
使用不能なファイバの製造が少量になることでシングルモード光ファイバの製造コストが大幅に低減される。
【0081】
長手状素子を製造し集合させるその他の製造工程を使用することもできる。一例として、周縁長手部13C(または23C)は、外部蒸着(外付け気相酸化法(OVPO)またはプラズマ強化外面蒸着法(POVDなど)によって、あるいは中央長手部13B(または23B)を含む微細管内へ周縁長手部13C(または23C)を摺動させることによって、中央長手部13B(または23B)周囲に配置することができる。次に、長手状素子に一連の集合−線引きステップを施すことができ、その後、長手状素子間の間隙孔が表面張力によって、および必要に応じ、わずかな圧力低下によって再度閉鎖される。これに関し、六角形断面の長手状素子の蜂の巣状構造によって、全反射により基本モードに限定することができる。
【0082】
本発明に係るシングルモード光ファイバの別の実施形態を図6Aおよび6Bに示す。
【0083】
図6Aおよび6Bに示される本発明に係るシングルモード光ファイバ31は、中心から周縁にかけて、
ファイバ11のコア12と類似し、屈折率N32を有するシングルモードコア32と、
長手状素子33Aおよび33Bから成り、光学的に不活性であるがコアにシングルモードの特徴を与えるのに役立つ中間シース33と、
ファイバ11のポンピングシース14に類似し、屈折率N34を有するマルチモード・ポンピング・シース34と、
ファイバ11の外側シース15と類似し、屈折率N35を有する外側シース35と、
を備える。
【0084】
ファイバ11の中間シース13と同様、中間シース33は2つの光学材料を備え、そのうち、第1の光学材料はシングルモードコア32と最大で10−3異なる屈折率を有し、第2の光学材料はシングルモードコア32と少なくとも10−3異なる屈折率を有する。
【0085】
しかし、シングルモードファイバ31では、これらの2つの光学材料は、(中間シース13の長手状素子13Aの場合のように)中間シースの長手状素子内に共に存在する代わりに、別々の長手状素子33Aおよび33Bそれぞれの均質な構成材料を形成する。長手状素子33Aは(長手状素子13Aの中央部13B同様)前記第1の光学材料から成り、長手状素子33Bは(長手状素子13Aの周縁部13C同様)前記第2の光学材料から成る。
【0086】
図6Bに示される屈折率分布の例では、第1の光学材料の屈折率N33Aはシングルモードコア32の屈折率N32に可能な限り近い。この例では、第2の光学材料の屈折率N33Bはシングルモードコア32の屈折率N32よりも低かったと推定される。その結果、シース33の有効または平均屈折率N33はシングルモードコア32の屈折率N32よりもわずかに低い。しかし、シングルモードファイバ11に関連して説明したように、この第2の光学材料の屈折率N33Bはシングルモードコアの前記屈折率N32よりも高くすることもできる。
【0087】
なお、図6Aのシングルモード光ファイバ31は損失36を備えてもよく、たとえば上述の工程を使用して非常に製造しやすい構造を有しうる。したがって、製造コストは非常に低い。
【0088】
図示しないが、本発明に係るシングルモード光ファイバは素子33Aと同一であり、前記第1の光学材料から成る第1の長手状素子と、
素子13Aと同一であり、前記第1の光学材料から成る中央長手部13Bと、前記中央長手部13Bを囲み、該中央長手部よりも小さな横断面積を有し、前記第2の光学材料から作製される周縁長手部13Cとを備える第2の長手状素子と、
を有することは容易に理解されるであろう。
【0089】
どのような製造モードであれ、本発明に係るシングルモード光ファイバは同一の光学的特性を有し、また完全固体構造、コアの高ドーピング、高次モードの良好な管理などの多数の利点も備える。
【0090】
本発明に係るシングルモード光ファイバは好都合には、限定はしないが、以下のような用途:
マイクロメートルまたはナノメートルの機械加工、
赤外領域などでのレーザ光源生成、
周波数コム、単一周波数源などの生成、
風や渦流を測定する光検知測量(LIDAR)装置;
他のソース、たとえば「軟質ガラス」ファイバ−ベースの光学パラメータ式発振器(OPO)のポンピング、
医療(レーザ柳葉刀、眼科学)、
汚染物質検出、
レーザ武器の製造、
衛星間通信、または
シングルモード光線の伝達または増幅を要するその他任意の用途、
において有効に使用することができる。
図1A-1B】
図2A-2B】
図3A-3B】
図4
図5(A)】
図5(B)】
図5(C)】
図5(D)】
図6A-6B】