特許第6055503号(P6055503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6055503試料分配システムおよび実験室自動化システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055503
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】試料分配システムおよび実験室自動化システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20161219BHJP
   G01N 35/04 20060101ALI20161219BHJP
   B65G 54/02 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   G01N35/00 F
   G01N35/04 G
   B65G54/02
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-49273(P2015-49273)
(22)【出願日】2015年3月12日
(65)【公開番号】特開2015-197437(P2015-197437A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2015年3月16日
(31)【優先権主張番号】14162952.7
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(72)【発明者】
【氏名】アヒム・ジンツ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・リーター
【審査官】 長谷 潮
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/064656(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/158541(WO,A1)
【文献】 特開2007−322289(JP,A)
【文献】 特開昭56−147209(JP,A)
【文献】 特開2000−105243(JP,A)
【文献】 特開2006−106008(JP,A)
【文献】 特表2013−525232(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/158520(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/064665(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/064662(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00−35/10
B65G 54/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料分配システム(100)であって、
少なくとも1つの試料容器(145)を搬送するように各々が適合された、いくつかの試料容器搬送装置(140)と、
前記いくつかの試料容器搬送装置(140)を搬送するように適合された輸送表面(110)と、
いくつかの電磁作動装置(120)であって、前記輸送表面(110)の下方に静的に配置され、磁気力を前記試料容器搬送装置(140)上にかけることによって、前記輸送表面(110)上に配置された試料容器搬送装置(140)を移動させるように適合される、いくつかの電磁作動装置(120)と、
制御装置(150)であって、前記電磁作動装置(120)を始動するように適合され、それにより、それぞれの試料容器搬送装置(140)が、前記輸送表面(110)上で、事前規定可能な移動通路に沿って移動する、制御装置(150)と、
前記輸送表面(110)上の汚れ(160)を検出するように適合された汚れ検出装置(111)とを備え、
前記汚れ検出装置(111)が、静電容量接触感知領域(112)を含む、試料分配システム(100)。
【請求項2】
前記汚れ検出装置(111)が、いくつかのセンサ場(115)を含み、前記センサ場(115)が、前記輸送表面(110)にわたって分散されることを特徴とする、請求項1に記載の試料分配システム(100)。
【請求項3】
各々の試料容器搬送装置(140)が、汚れセンサ(142)を備え、前記汚れセンサ(142)は、前記汚れ検出装置(111)の構成要素部分であることを特徴とする、請求項1または2に記載の試料分配システム(100)。
【請求項4】
前記制御装置(150)が、前記汚れ検出装置(111)と信号接続しており、前記制御装置(150)は、検出された汚れ(160)に応じて前記試料容器搬送装置(140)の移動を制御するように適合されることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の試料分配システム(100)。
【請求項5】
前記汚れ検出装置(111)が、前記輸送表面(110)上の汚れ(160)の位置を決定するように適合され、前記制御装置(150)は、それぞれの試料容器搬送装置(140)の移動通路を規定するように適合され、それにより、前記容器搬送装置(140)は、汚れ(160)の位置にわたって進まないことを特徴とする、請求項に記載の試料分配システム(100)。
【請求項6】
前記制御装置(150)が、汚れ(160)の検出後、汚れ(160)の位置、または前記汚れから事前に規定可能な距離を離して位置する試料容器搬送装置(140)を停止させるように適合されることを特徴とする、請求項に記載の試料分配システム(100)。
【請求項7】
前記制御装置(150)が、汚れ(160)の検出後にすべての前記試料容器搬送装置(140)を停止させるように適合されることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の試料分配システム(100)。
【請求項8】
実験室自動化システムであって、
試料容器および/または前記試料容器内の試料を処理するように適合された、いくつかの事前分析ステーション、分析ステーションおよび/または事後分析ステーションと、
請求項1からのいずれか一項に記載の、試料容器を前記事前分析ステーションと、分析ステーションと、事後分析ステーションの間で輸送するための試料分配システムとを備える、実験室自動化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの試料容器を搬送するように各々が適合された、いくつかの試料容器搬送装置を備える試料分配システムに関し、さらに、そのような試料分配システムを備える実験室自動化システムに関する。試料分配システムは、試料容器内の試料を実験室自動化システムのいくつかの異なるステーションに輸送するよう意図される。
【背景技術】
【0002】
特許文献の国際公開第2013/064656A1号は、たとえば試料管の形態の試料容器を受け入れる目的で実現されるいくつかの試料容器搬送装置を有する試料分配システムを開示する。試料容器は、分析される試料、たとえば血液試料を含む。試料分配システムは、さらに、試料容器搬送装置を搬送する目的で実現される輸送表面を有する。試料容器搬送装置は、電磁作動装置によって輸送表面にわたって移動され得る。
【0003】
汎用タイプの試料分配システムでは、試料液体の一部が、試料容器から溢出し、潜在的に輸送表面上に汚れを引き起こす恐れがある状況が存在し得ることが見出されている。これは、汚染された場所にわたってその後移動される試料容器搬送装置も同様に汚染され、結果として汚れを輸送表面にわたって広げ、したがって二次汚染を引き起こす事態を招き得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2013/064656号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、汚れの取り扱いに関して改良された試料分配システムおよび実験室自動化システムを提供することである。これは、本発明により、請求項1による試料分配システムおよび請求項による実験室自動化システムによって達成される。請求項の表現は、明示参照によって本説明の内容の一部にされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、試料分配システムであって、
− 少なくとも1つの試料容器を搬送するように各々が適合された、いくつかの試料容器搬送装置と、
− いくつかの試料容器搬送装置を搬送するように適合された輸送表面と、
− 試料容器搬送装置を輸送表面上で移動させるように適合された駆動手段と、
− 輸送表面上の汚れを検出するように適合された汚れ検出装置と
を備える試料分配システムに関する。
【0007】
本発明による試料分配システムにより、輸送表面上の汚れが検出され得、それにより、適切な反応が続くことができる。
汚れ検出装置は、特に、汚れの場所、程度、タイプ、領域、厚さ、および/または何らかの他の特性などのパラメータを検出するように適合され得る。これに応じて、たとえば適切な対策が適合した方法で開始されることが可能である。
【0008】
一実施形態によれば、試料分配システムにおいて、
− それぞれの試料容器搬送装置は、少なくとも1つの磁気的に活性な要素であって、少なくとも1つの電磁作動装置によって生成された磁場と相互作用するように適合され、それにより、駆動力が試料容器搬送装置にかけられる、少なくとも1つの磁気的に活性な要素を備え、
− 駆動手段は、いくつかの電磁作動装置であって、輸送表面の下方に静的に配置され、磁気力を試料容器搬送装置上にかけることによって、輸送表面上に配置された試料容器搬送装置を移動させるように適合される、電磁作動装置を備え、
− 試料分配システムは、制御装置であって、輸送表面の下方に配置された電磁作動装置を始動するように適合され、それにより、それぞれの試料容器搬送装置は、輸送表面上で、特に2次元的に事前規定可能な移動通路に沿って移動する、制御装置を備える。
【0009】
そのような実施形態の場合、試料容器搬送装置は、輸送表面の下方に配置された電磁作動装置、特に電磁石によって移動される。
別の実施形態によれば、
− 駆動手段は、それぞれの試料容器搬送装置内の駆動装置として適合され、
− 試料分配システムは、制御装置であって、それぞれの試料容器搬送装置の駆動装置を始動させるように適合され、それにより、それぞれの試料容器搬送装置は、輸送表面上で事前規定可能な移動通路に沿って移動する、制御装置を備える。
【0010】
この実施形態の場合、試料容器搬送装置は、自力進行体として適合される。移動指令を受け取るために、たとえば無線通信が使用され得る。試料容器搬送装置は、輸送表面にわたって独立的に移動するために、たとえば、電気モータおよび適切な制御手段をそれぞれ備えることができる。
【0011】
一実施形態によれば、汚れ検出装置は、いくつかのセンサ場を含み、この場合、センサ場は、輸送表面上またはそれにわたって分散される。あるいは、センサ場はまた、輸送表面下に分散されてもよい。センサ場は、輸送表面にわたって(その上/その下/その中に)一様に分散され得る。これは、汚れが存在する輸送表面上の場所にあるセンサ場によって検出され得る。
【0012】
一実施形態によれば、それぞれの試料容器搬送装置は、汚れセンサを備え、この場合、汚れセンサは、汚れ検出装置の構成要素部分である。これらは、輸送表面上の汚れ検出装置の構成要素の代替策として、またはこれに加えて設けられ得る。試料容器搬送装置上のこの配置は、汚れセンサが、汚れが試料容器搬送装置上にだけ存在し、まだ輸送表面に達していないときに汚れセンサがすでに警告信号を発し、適切な対策を開始することを可能にする。汚染のさらなる事象は、適切な対策、たとえば試料容器搬送装置を停止させることによって防止され得る。
【0013】
一実施形態によれば、汚れ検出装置は、静電容量接触感知領域を含む。静電容量接触感知領域は、実効静電容量が、接触されるまたは汚染されることに応じて変化する領域を意味すると理解される。静電容量領域は、接触または汚染が起こる位置または場所が決定され得るように適合され得る。静電容量が変化する汚染の事象が、静電容量接触感知領域によって確実に検出され得る。接触感知領域は、特に、輸送表面上またはその下に配置され得る。これは、汚れの位置決定を可能にするために、個々の場に分割され得る。
【0014】
1つの可能な実施形態によれば、汚れ検出装置は、それぞれ電気的に伝導性である、または電気的に伝導的に被覆された第1および第2の(コンデンサ)板を有する。これは、汚れによる静電容量の変化の簡単で確実な検出を可能にする。2つの板のそのような組み合わせは、輸送表面上および試料容器搬送装置上の両方に設けられ得る。
【0015】
一実施形態によれば、制御装置は、汚れ検出装置と信号接続しており、この場合、制御装置は、検出された汚れに応じて試料容器搬送装置の移動を制御するように適合される。これは、適切な反応が、検出された汚れに対してなされることを可能にする。汚れ検出装置が試料容器搬送装置内に形成される場合、たとえば無線リンクが、設けられ得る。
【0016】
汚れ検出装置は、特に、輸送表面上の汚れの位置を決定するように適合されてよく、この場合、制御装置は、それぞれの試料容器搬送装置の移動通路を、これが汚れの位置にわたって進まないように規定するように適合される。このようにして、汚れの広がりおよび二次汚染の場合が、効果的に対処され得る。
【0017】
汚れ検出装置はまた、汚れの場所、程度、タイプ、領域、厚さおよび/または他の特性などのパラメータを決定するように適合されてもよく、制御装置はまた、汚れに応答するそのような特性を使用して、輸送表面上の試料容器搬送装置の移動を制御することもできる。
【0018】
たとえば、排除区域、たとえば特有の半径を有する円、または特有の縁長さを有する正方形が、汚れの位置の周りに確立されてよく、試料容器搬送装置は、汚れが除去されるまで、この排除領域内に移動されない。
【0019】
一実施形態によれば、制御装置は、汚れの検出後、汚れの位置、またはそこから事前に規定された距離を離して位置する試料容器搬送装置の可能な移動を停止させるように適合され得る。このようにして、汚れのすぐそばに位置し、その結果高い可能性で汚れによって汚染されることになる試料容器搬送装置が、輸送表面上を移動し続け、それによって輸送表面上に汚れを広げることが防止され得る。たとえば、上記でさらに説明された排除領域内のすべての試料容器搬送装置が、停止されてよい。この排除領域はまた、試料容器搬送装置を停止させる目的で別個に使用されてもよい。
【0020】
一実施形態によれば、制御装置は、汚れが検出されたときにすべての試料容器搬送装置を停止させるまたは中断させるように適合される。このようにして、特に汚れの広がりの確実な防止が、達成され得る。さらに、この実施形態は、特に、汚れ検出装置が、輸送表面上の汚れの位置を検出するように適合されない場合でも適用され得る。
【0021】
実験室自動化システムは、試料容器および/または試料容器内に含まれた試料上に作用する、またはこれらを処理するように適合された、いくつかの(たとえば2から20の)事前分析ステーションおよび/または分析ステーションおよび/または事後分析ステーションを備える。作用するまたは処理するステップは、たとえば、バーコードを読み取る、管上のキャップを取り外す、試料を遠心分離する、試料を等分する、試料を分析するなどを含むことができる。実験室自動化システムはまた、試料容器を事前分析ステーションと、分析ステーションと、事後分析ステーションの間で輸送するために、前述された試料分配システムも備える。
【0022】
事前分析ステーション、分析ステーション、および事後分析ステーションは、たとえば、以下のステーションのリストからの少なくとも1つのステーションを含むことができる:試料管上のキャップまたは閉鎖具を取り外すためのキャップ取り外しステーション、キャップまたは閉鎖具を試料管上の適所に置くためのキャップ配置ステーション、試料を等分するための等分ステーション、試料を遠心分離するための遠心分離ステーション、試料を記録するための記録ステーション、ピペットで取るためのピペットステーション、試料または試料管を分類するための分類ステーション、試料管のタイプを決定するための試料管タイプ決定ステーション、および試料品質を決定するための試料品質決定ステーション。
【0023】
本発明は、図を参照して以下で詳細に説明される。以下では概略式に示される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】試料分配システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、試料分配システム100を示す。試料分配システム100は、いくつかの試料容器搬送装置140がその上に置かれ得る輸送表面110を含む。ここでは、1つだけの試料容器搬送装置140が、例として示され、このとき試料容器145は、試料管の形態でその中に含まれている。
【0026】
輸送表面110上に形成されるのは、2つの板によって形成された静電容量接触感知領域112を有する汚れ検出装置111である。2つの板の各々は、この場合、電気的に伝導性の被覆を有する。このようにして、汚れ検出装置111上で汚れ160によって引き起こされる静電容量の変化が、図示されない適切な測定装置によって検出され得る。静電容量接触感知領域が基本的にどのように機能するかに関しては、関連する専門文献に参照もなされなければならない。
【0027】
領域112は、非常に多数の場115に分割される。各々の場115は、その静電量容量に関して個々におよび他の場115から独立して測定され得る。これは、輸送表面110上の汚れ160を検出することのみならず、その正確な場所を確認することも可能にする。
【0028】
領域112の下方に配置されるのは、それぞれのコア125を備えた電磁石120の形態のいくつかの電磁作動装置である。試料容器搬送装置140内には、永久磁石が存在し、それにより、電磁石120の適切な始動によって力が試料容器搬送装置140上に及ぼされ得る。このようにして、試料容器搬送装置140は、輸送表面110にわたって移動され得る。
【0029】
輸送表面110上の試料容器搬送装置140の位置を検出するために、いくつかのホールセンサ130が、輸送表面110上に配置される。
図示されるように、場115の各々には、電磁石120が割り当てられ、または電磁石は割り当てられない。場115は、いずれの場合も、正方形であり、輸送表面110にわたって互いに並行して一様に分散される。
【0030】
輸送表面110上の汚れ160が、例として示される。汚れ検出装置111は、汚れ160が位置する対応する場115上の静電容量接触感知領域112によって、2つの板間の静電容量の変化を検出する。このようにして、汚れ160は、検出されその位置が特定される。
【0031】
汚れ検出装置111を監視し、磁石120へのそれぞれの電力供給を制御するために、電子制御装置150が設けられる。電子制御装置150は、汚れ検出装置111、すなわち領域112またはその場115から送られた信号に基づいて、汚れ160の正確な場所を検出し確認することができる。図示されるように、試料容器搬送装置140は、汚れ160のすぐそばに位置する。ここでは、制御装置150は、そのような場合に試料容器搬送装置140の移動を停止させるように適合される。このようにして、試料容器搬送装置140による輸送表面110にわたる汚れ160の広がりは、防止され得る。
【0032】
試料容器搬送装置140は、さらに、汚れ検出センサまたは汚れセンサとして形成される表面142を有し、すべての試料容器搬送装置のそれぞれの汚れ検出センサは、汚れ検出装置111の構成要素部分である。
【0033】
表面または汚れ検出センサ142は、それぞれの電気的に伝導性の被覆を備えた2つの板を有する静電容量センサとして形成され得る。汚れ検出センサにより、試料管145内に含まれる少なくとも部分的に液体の試料が漏出することが、試料の成分が輸送表面110を汚染する前にすでに検出され得る。
【0034】
試料容器搬送装置140は、無線データ伝送装置を有することができ、この無線データ伝送装置は、検出された汚れに関する情報を電子制御装置150に伝送するように適合される。このような場合、試料容器搬送装置140の移動は、汚れのさらなる広がりを回避するために、すぐに停止または中断され得る。
【0035】
制御装置150は、さらに、輸送表面110上で移動している試料容器搬送装置140を検出された汚れ160の周囲に移動させるように適合される。この目的のために、事前規定可能な移動通路が、適切に再算出される。
【0036】
試料分配システムは、輸送表面110に並行して配置された、いくつかの事前分析ステーション、分析ステーション、および事後分析ステーションを備える実験室自動化システムの構成要素部分である。試料分配システム100は、試料容器をこれらのステーション間で輸送する役割を果たす。
図1