(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているパネル付きデスクは、バックパネル上端のレールに取付装置を固定した後、アッパーパネルを取り付ける構成である。そのため、2つ以上の固定部を備えるアッパーパネルを取り付けるにあたっては、アッパーパネルの各固定部に対応する各取付装置の位置調整に手間がかかる。また、取付装置の構造上、取付装置をアッパーパネルに取り付けた後に、レールに固定することも可能である。しかし、レールに対して装置を固定しなければ、アッパーパネル等をレールに仮保持させることができず、手で押さえる等の操作を行って、アッパーパネルの落下を防止しつつ取付装置を固定する必要があり、手間がかかる。
【0006】
特許文献2に記載されている取付装置は、レールに対して取付装置が水平になるようにして、取付装置の端部をレール内に挿入した後、垂直になるように90度回転させて固定する構成である。そのため、2つ以上の固定部を備えるアッパーパネル等を取り付ける場合には、取付装置をレールに固定した後に、アッパーパネル等を取り付ける必要がある。したがって、アッパーパネル等の各固定部に対応する各取付装置の位置調整に手間がかかる。
【0007】
特許文献3に記載されている取付装置は、上下2つのレールに対しフックを掛けることで取付装置を仮保持させ、その後ねじで固定するという構成である。したがって、この取付装置では大型となり、レールも複数必要であるため、見栄えが悪く、コストもかかる。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構成により、2つ以上の固定部を備えるアッパーパネル等に取付装置を取り付けた状態で、アッパーパネル等を容易にレールに仮保持させることが可能であり、且つ、手で押さえる等の操作を行うことによってアッパーパネル等の落下を防止することなく、取付装置をレールに固定できる取付構造及び取付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による取付構造は、第1の側に開口する第1溝部及び前記第1溝部よりも幅広で前記第1の側と逆側の第2の側に
おいて前記第1溝部と繋がる第2溝部からな
るアリ溝を有し、
前記アリ溝が第1方向に延在す
るレール部に
、取付装置を用いて被取付部材を取り付ける構造であって、前記レール部は、前記第2溝部を挟んで第1方向と直交する第2方向に対向配置された第1壁部及び第2壁部と、前記第1壁部の前記第2の側の端部と、前記第2壁部の前記第2の側の端部とをつなぐ第3壁部と、前記第1壁部の前記第1の側の端部から第2方向の一方側に延出する第1鉤部と、前記第2壁部の前記第1の側の端部から第2方向の他方側に延出し前記第1溝部を挟んで前記第1鉤部と第2方向に対向配置された第2鉤部と、を備え、前記取付装置は、前記被取付部材の前記第1の側に設けられる第1挟持部と、前記被取付部材の前記第2の側に設けられる第2挟持部と、
前記取付装置を
前記レール部に締結固定させる締結部材と、を備え、前記第2挟持部は、前記第1溝部に挿入される
第1部分と、前記
第1部分の前記第2の側に
おいて前記第1部分に接続され、前記第2溝部に挿入される
第2部分と、を備え、
前記第2挟持部には、前記第1部分及び前記第2部分に跨って前記第2挟持部を前記第1方向及び前記第2方向の両方と直交する第3方向に貫通する第1貫通孔が形成され、前記第1貫通孔には、前記締結部材が螺合される雌ネジが形成され、前記第1貫通孔は、前記第1部分において前記第2方向の他方側に開口し、前記第1部分が前記第1溝部に挿入された状態において前記第1溝部における前記第1鉤部と前記第1部分との隙間と繋がり、前記締結部材は、前記第1挟持部及び前記被取付部材に形成された第2貫通孔を介して前記第1貫通孔に螺合することで、前記隙間の少なくとも一部を塞ぎ、先端が前記第3壁部に当接することにより、前記取付装置を前記レール部に締結固定させ、前記
第2部分は、前記
第1部分よりも前記第2方向の他方側に延出する第1突起部と、前記
第1部分よりも前記第2方向の一方側に延出する第2突起部とを備え、前記第1突起部の前記第2方向の他方側の端部が前記第2溝部の前記第2方向の他方側に挿入されたときに、前記第2突起部の前記第2方向の一方側の端部が前記第1溝部において前記第2鉤部と離間する全長を有し、且つ、前記
第1部分が前記第2鉤部に当接しているときに、前記第1突起部が前記第1鉤部に前記第2の側から係合する前記第1突起部の長さを有する。
【0010】
また、本発明による取付装置は、第1の側に開口する第1溝部及び前記第1溝部よりも幅広で前記第1の側と逆側の第2の側に
おいて前記第1溝部と繋がる第2溝部からな
るアリ溝を有し、
前記アリ溝が第1方向に延在す
るレール部に
、被取付部材を取り付けるための取付装置であって、前記レール部は、前記第2溝部を挟んで第1方向と直交する第2方向に対向配置された第1壁部及び第2壁部と、前記第1壁部の前記第2の側の端部と、前記第2壁部の前記第2の側の端部とをつなぐ第3壁部と、前記第1壁部の前記第1の側の端部から第2方向の一方側に延出する第1鉤部と、前記第2壁部の前記第1の側の端部から第2方向の他方側に延出し前記第1溝部を挟んで前記第1鉤部と第2方向に対向配置された第2鉤部と、を備え、前記取付装置は、前記被取付部材の前記第1の側に設けられる第1挟持部と、前記被取付部材の前記第2の側に設けられる第2挟持部と、
前記取付装置を
前記レール部に締結固定させる締結部材と、を備え、前記第2挟持部は、前記第1溝部に挿入される
第1部分と、前記
第1部分の前記第2の側に
おいて前記第1部分に接続され、前記第2溝部に挿入される
第2部分と、を備え、
前記第2挟持部には、前記第1部分及び前記第2部分に跨って前記第2挟持部を前記第1方向及び前記第2方向の両方と直交する第3方向に貫通する第1貫通孔が形成され、前記第1貫通孔には、前記締結部材が螺合される雌ネジが形成され、前記第1貫通孔は、前記第1部分において前記第2方向の他方側に開口し、前記第1部分が前記第1溝部に挿入された状態において前記第1溝部における前記第1鉤部と前記第1部分との隙間と繋がり、前記締結部材は、前記第1挟持部及び前記被取付部材に形成された第2貫通孔を介して前記第1貫通孔に螺合することで、前記隙間の少なくとも一部を塞ぎ、先端が前記第3壁部に当接することにより、前記取付装置を前記レール部に締結固定させ、前記
第2部分は、前記
第1部分よりも前記第2方向の他方側に延出する第1突起部と、前記
第1部分よりも前記第2方向の一方側に延出する第2突起部とを備え、前記第1突起部の前記第2方向の他方側の端部が前記第2溝部の前記第2方向の他方側に挿入されたときに、前記第2突起部の前記第2方向の一方側の端部が前記第1溝部において前記第2鉤部と離間する全長を有し、且つ、前記
第1部分が前記第2鉤部に当接しているときに、前記第1突起部が前記第1鉤部に前記第2の側から係合する前記第1突起部の長さを有する。
【0011】
この構造及び装置によれば、取付装置をレール部に対して第2の側に傾けて、第1突起部を第2溝部に挿入していくことで、第2フック部を第2溝部に挿入する構成である。そのため、アリ溝に第1フック部及び第2フック部を挿入する際に、取付装置を第1方向の側に傾ける必要がない。
【0012】
また、第1フック部が第1溝部に、第2フック部が第2溝部にそれぞれ挿入され、第1フック部が第2鉤部と当接している状態においては、第1突起部が第1鉤部に第2の側から係合している。そのため、取付装置のレール部からの脱落が抑制され、取付装置をレール部に仮保持させることができる。
【0013】
さらに、第1フック部及び第2フック部がアリ溝に挿入された後に、取付装置をレール部に固定する際には、締結部材を用いて締結固定する。そのため、取付装置の姿勢を変更する必要なく、取付装置をレール部に固定することができる。
【0014】
本発明の取付構造においては、前記取付装置は、前記第1方向に間隔をあけて複数設けられる、ものとすることができる。
【0015】
また、本発明の取付装置は、前記第1方向に間隔をあけて複数設けられる、ものとすることができる。
【0016】
この構造及び装置によれば、被取付部材に取付装置を複数取り付けた状態で、被取付部材をレール部に仮保持させることができる。
【0017】
本発明の取付構造においては、前記第2挟持部は、前記第1フック部の前記第1の側の端部を支持する支持部を備え、前記支持部は、前記第1フック部との交差部を起点として、前記第2方向の他方側に向かうに従って、前記第1フック部から前記第1の側に漸次離間する傾斜面を備える、ものとすることができる。
【0018】
また、本発明の取付装置においては、前記第2挟持部は、前記第1フック部の前記第1の側の端部を支持する支持部を備え、前記支持部は、前記第1フック部との交差部を起点として、前記第2方向の他方側に向かうに従って、前記第1フック部から前記第1の側に漸次離間する傾斜面を備える、ものとすることができる。
【0019】
この構造及び装置によれば、支持部における第1フック部の第2の方向の他方側に切欠きが形成される。そのため、第2フック部を第2溝部に挿入する際に、取付装置を第2の側に傾けても、第1鉤部が支持部に干渉することを防止できる。
これにより、第2フック部を第2溝部に挿入することが容易となる。
【発明の効果】
【0020】
この取付構造及び装置によれば、アリ溝に取付装置の第1フック部及び第2フック部を挿入する際に、取付装置を第1方向の側に傾ける必要がない。また、その後締結部材によって取付装置をレール部に締結固定する際には、取付装置の姿勢を変更する必要がない。そのため、取付装置を、2つ以上の固定部を備えるアッパーパネル等の被取付部材にあらかじめ取り付けた状態で、レール部に固定することができる。したがって、被取付部材の各固定部に対応する取付装置を設置する位置の調整をする必要がない。
【0021】
また、第2溝部に挿入した第2フック部の第1突起部によって、取付装置のレール部からの脱落を抑制できるため、レール部に取付装置を仮保持させることができる。そのため、締結部材による取付装置の締結固定に際して、アッパーパネル等の被取付部材の落下を防止するための手間を省くことができる。したがって、容易にアッパーパネル等の被取付部材をレール部に固定することができる。
【0022】
さらに、取付装置は、簡単な構成であり、部材も少ない。そのため、コストを抑えることができ、アッパーパネル等の被取付部材を取り付けた際の見栄えも良いものとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
説明中の方向は、
図1に示すXYZ軸の方向に従うものとする。すなわち、Z軸を鉛直方向、Y軸をZ軸に垂直でバックパネル13の面と平行な方向、X軸をY軸及びZ軸と垂直に交わる方向に取る。鉛直方向上側を+Z軸方向、紙面奥側から手前側に向かう方向を+Y軸方向、デスク14から使用者が座る側に向かう方向を+X軸方向とする。
【0025】
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0026】
図1は、本実施形態の取付装置11を用いて、デスク14に取り付けられたバックパネル13に、アッパーパネル(被取付部材)12が取り付けられている外観斜視図である。
図1に示すように、レール部10は、バックパネル13の+X軸方向側(第1の側)の面の+Z軸方向側(第2方向の他方側)の端部に、長手方向がY軸方向(第1方向)となるように取り付けられている。アッパーパネル12は、アッパーパネル12の−Z軸方向側(第2方向の一方側)の端部近傍の±Y軸方向両端部近傍にそれぞれ取り付けられた取付装置11によってレール部10に固定されている。
【0027】
デスク14は、脚体15と、脚体間に懸架された横連結ビーム(不図示)と、主天板14aと、主天板14aの−X軸方向側(第2の側)に位置する補助天板14bと、ブラケット14eを備えている。
脚体15は、補助天板14bの±Y軸方向両端部近傍の−Z軸方向側にそれぞれ設けられている。
補助天板14bは、前天板14cと、前天板14cの−X軸方向側に位置する後天板14dを備えている。前天板14cと後天板14dの間には補助天板14bの−Z軸方向側に挿通する隙間14fが形成されている。
ブラケット14eは、後天板14dの±Y軸方向両端部近傍における、−X軸方向端部近傍の−Z軸方向側にそれぞれ設けられている。ブラケット14eは設置箇所から−X軸方向に延出し、その端部から−Z軸方向に延出している。
ブラケット14eの−Z軸方向に延出した部分の−X軸方向側の面には、Z軸方向(第2方向)に沿ってバックパネル13が取り付けられている。
【0028】
図2は、本実施形態の取付構造を示す部分拡大図である。
図2(a)は、
図1における、A−A断面を示している。
図2(b)は、
図1における、後段において示すビス30(貫通孔35b)の軸線を含む面で断面したB−B断面を示している。
図2(a)では、取付装置11によってアッパーパネル12がレール部10に固定されて取り付けられている。
【0029】
レール部10は、上壁部(第1壁部)21aと、下壁部(第2壁部)21bと、上鉤部(第1鉤部)21cと、下鉤部(第2鉤部)21dと、側壁部(第3壁部)21eを備えている。上壁部21a及び下壁部21bは、側壁部21eのZ軸方向の両端部からそれぞれ+X軸方向に延出して設けられており、Z軸方向に対向配置されている。上鉤部21cは、上壁部21aの+X軸方向側の端部から−Z軸方向側に延出している。下鉤部21dは、下壁部21bの+X軸方向側の端部から+Z軸方向側に延出し、上鉤部21cとZ軸方向に対向配置されている。
第1溝部22aは、+X軸方向側に開口し、Y軸方向に延在している。第2溝部22bは、第1溝部22aよりも幅広で−X軸方向側に位置している。第1溝部22aと第2溝部22bにより、Y軸方向に延在するアリ溝22が形成される。
【0030】
レール部10の材質は、特に限定されないが、例えばアルミニウム合金を用いることができる。
【0031】
図3(a)は、取付装置11を+X軸方向側から見た外観斜視図であり、
図3(b)は、−X軸方向側から見た外観斜視図である。
図2及び
図3に示すように、取付装置11は、第1挟持部23と、第2挟持部24と、締結部材28と、ワッシャー29と、ビス30と、を備えている。
【0032】
第1挟持部23は、第1基部31と、第1基部31の−X軸方向側の面の±Y軸方向両端部近傍に凸部31aを備えている。凸部31aには、−X軸方向側から孔部35aが同心で形成されている。第1基部31のY軸方向及びZ軸方向の中心にはX軸方向に貫通する貫通孔34aが設けられている。第1基部31の+X軸方向側の面には貫通孔34aと同心でザグリ34cが設けられている。
【0033】
第2挟持部24は、第2基部32と、支持部27と、第1フック部25と、第2フック部26と、を備えている。第2挟持部24におけるY軸方向及びZ軸方向の中心には、第2基部32、支持部27、第1フック部25及び第2フック部26に跨って貫通する貫通孔34bが形成されている。貫通孔34bには雌ネジが形成されている。また、第2基部32の±Y軸方向両端部近傍には、X軸方向に貫通する貫通孔35bが設けられている。貫通孔35bには、ビス30の雄ネジ部が挿通される。2つの貫通孔35bは、孔部35aの間隔と同一の間隔で設けられている。第2基部32の+X軸方向側の面には、貫通孔35bと同心で、且つ、凸部31aと嵌合するような凹部32aが設けられている。凹部32aの−X軸方向の陥没量は、アッパーパネル12のX軸方向の厚さと合わせて、凸部31aの−X軸方向の突出量と等しくなるものである。
【0034】
支持部27は第2基部32の−X軸方向側に設けられている。第1フック部25は支持部27の−X軸方向側に設けられている。第2フック部26は第1フック部25の−X軸方向側に設けられている。
【0035】
第2フック部26は、上突起部(第1突起部)26aと下突起部(第2突起部)26bとを備えている。
第2フック部26は、上突起部26aを第2溝部22bの+Z軸方向側に挿入したときに、下突起部26bの−Z軸方向側の端部が、第1溝部22aを介して第2溝部22bに入り込めるように、下鉤部21dと離間する長さを有している。
上突起部26aは、第2フック部26が第2溝部22bに挿入され、且つ、第1フック部25の−Z軸方向側の面が下鉤部21dに当接しているときに、上鉤部21cに−X軸方向側から係合する長さを有している。
【0036】
第1フック部25は、第2フック部26の上突起部26aを第2溝部22bの+Z軸方向側に挿入し、下突起部26bが下鉤部21dと離間したときに、第1フック部25の+Z軸方向側の面が上鉤部21aと当接し、且つ、第1溝部22aのZ軸方向の長さより短くなるような、Z軸方向の長さを有する。
【0037】
支持部27は、上方部27aと下方部27bを備えている。上方部27aは、−X軸方向側の面に、支持部27と第1フック部25との交差部を起点として、+Z軸方向に向かうに従って、第1フック部25から+X軸方向側に漸次離間する−X軸方向側に傾く傾斜面27dを備えている。下方部27bは、−X軸方向側の面の−Z軸方向側の端部に−X軸方向に突出し、Y軸方向に延在している補助部27cを備えている。補助部27cの−X軸方向への突出量は、補助部27cの−X軸方向側の端面と下突起部26bの+X軸方向側の面との距離が、下鉤部21dの+X軸方向側の面と第2溝部22b内で下突起部26bと当接する面との距離と等しくなるものである。
【0038】
締結部材28は、頭部28aと雄ネジ部28bとを備えている。締結部材28は、貫通孔34bに螺合され、且つ、−X軸方向側の端部が側壁部21eの+X軸方向側の面に当接したときに、頭部28aがザグリ34cに埋没する長さを有している。このとき、頭部28aの−X軸方向側の面は、ザグリ34cの+X軸方向側の面に当接するワッシャー29の+X軸方向側の面と当接している。
【0039】
第1挟持部23と第2挟持部24の材質は、特に限定されないが、例えばアルミニウム合金を用いることができる。
【0040】
図4は、アッパーパネル12に取付装置11を取り付ける方法を示した外観斜視図である。
図4に示すように、アッパーパネル12は、−Z軸方向側から+Z軸方向側に向かって、+X軸方向側に、なだらかな円弧状を描いて湾曲するパネルである。
アッパーパネル12は、−Z軸方向の端部近傍の±Y軸方向端部近傍にそれぞれ固定部40を備えている。固定部40は、X軸方向に貫通する、貫通孔41及び2つの貫通孔42を備えている。2つの貫通孔42の間隔は、第2挟持部24に備えられた2つの貫通孔35bの間隔と同一である。貫通孔41は、2つの貫通孔42の間のY軸方向及びZ軸方向の中心に設けられている。
【0041】
アッパーパネル12の材質は、特に限定されず、例えばアクリルを用いることができる。デスクの上方から射す照明光を遮るために、光の透過率が低いものを用いることが好ましい。
また、アッパーパネル12の形状は、
図4に示す形状に限られない。
【0042】
図2から
図4に示すように、アッパーパネル12は、第1挟持部23と第2挟持部24との間で挟持され、ビス30の雄ネジ部が貫通孔35bを介して、孔部35aと螺合することで締結されている。アッパーパネル12の固定部40の+X軸方向側の面に第1基部31の−X軸方向側の面が、アッパーパネル12の固定部40の−X軸方向側の面に第2基部32の+X軸方向側の面が、それぞれ当接している。凸部31aは、貫通孔42を介して凹部32aに嵌合されている。
【0043】
第1フック部25は第1溝部22aに、第2フック部26は第2溝部22bに、それぞれ挿入されている。第1フック部25の−Z軸方向側の面は下鉤部21dに当接している。第2フック部26の上突起部26aは、−X軸方向側から上鉤部21cに係合しており、下突起部26bは、−X軸方向側から下鉤部21dに係合している。
補助部27cは、下鉤部21dの+X軸方向側の面に当接している。
【0044】
締結部材28は、貫通孔34a及び貫通孔41を介して、貫通孔34bに螺合されている。締結部材28の−X軸方向側の端部は第1溝部22a及び第2溝部22bに挿入され、締結部材28の−X軸方向側の端面は側壁部21eの+X軸方向側の面に当接している。
【0045】
以下、アッパーパネル12の取り付け手順を説明する。
まず、アッパーパネル12の2つの固定部40に、それぞれ取付装置11を固定する(
図4参照)。アッパーパネル12への取付装置11の固定は、第1挟持部23と第2挟持部24とを、ビス30によってアッパーパネル12を介して締結することにより行う。第1挟持部23と第2挟持部24の締結は、ビス30を、貫通孔35bを介して孔部35aに螺合することで行う。
【0046】
より詳細には、
図2(b)に示すように、凸部31aを、アッパーパネル12の貫通孔42に+X軸方向側から貫通させて−X軸方向側に突出させ、−X軸方向側に突出した凸部31aを第2挟持部24の凹部32aに嵌合させる。これにより、第1挟持部23と第2挟持部24との間に、アッパーパネル12の厚さに相当する隙間が形成され、アッパーパネル12は当該隙間に保持される。そして、ビス30を−X軸方向側から貫通孔35bを介して挿入し、凸部31aの孔部35aに螺合させる。これにより、アッパーパネル12は第1挟持部23と第2挟持部24との間で挟持される。
【0047】
次に、アッパーパネル12に固定した状態の取付装置11をレール部10に仮保持させる。
図5は、取付装置11をレール部10に仮保持させる手順を示した部分拡大図である。
図5(a)に示すように、取付装置11における第2フック部26の上突起部26aを、第1溝部22aから、第2溝部22bへと挿入し、下突起部26bの下端部が下鉤部21dと離間するまで、上突起部26aの+Z軸方向側の端部を第2溝部22bの+Z軸方向側に差しこむ。この際、支持部27は、傾斜面27dによって形成される切欠きを備えているため、レール部10に接触しない。
そして、上突起部26aの+Z軸方向側の端部を支点として、Y軸と平行な軸線回りに取付装置11を+Y軸方向側から見て反時計回りに回転させ、下突起部26bを第1溝部22aから、第2溝部22bへと挿入する。第2フック部26全体が第2溝部22bに挿入された後、第1フック部25の−Z軸方向側の面が下鉤部21dに当接するまで、下突起部26bの下端部を第2溝部22bの−Z軸方向側へ落とし込む。
【0048】
これにより、
図5(b)に示すように、第2フック部26全体が第2溝部22bに挿入される。このとき、上突起部26aは上鉤部21cに−X軸方向側から係合し、下突起部26bは下鉤部21dに−X軸方向側から係合する。そのため、第2フック部26は第2溝部22bから離脱せず、レール部10に仮保持される。
【0049】
補助部27cは下鉤部21dの+X軸方向側の面に当接する。
取付装置11には、アッパーパネル12及び取付装置11自体の重さによって、+Y軸方向側から見て反時計回り方向にY軸回りのモーメントが発生する。これに対して、上突起部26aと上鉤部21cの当接面には−X軸方向の抗力が、補助部27cと下鉤部21dの当接面には+X軸方向の抗力が、それぞれ発生する。これらの抗力により+Y軸方向側から見て時計回りのY軸回りのモーメントが発生するため、Y軸回りのモーメントがつり合い、取付装置11はレール部10に仮保持される。
【0050】
この後、
図2に示すように、締結部材28によって、取付装置11をレール部10に締結固定する。
具体的には、締結部材28を、ワッシャー29を介して、第1挟持部23の+X軸方向側から、貫通孔34a及びアッパーパネル12の貫通孔41を介して、第2挟持部24の貫通孔34bに螺合させる。そして、締結部材28を回転させ、締結部材28の−X軸方向側の端部がレール部10の側壁部21eの+X軸方向側の面に当接するまで、貫通孔34bに螺入する。
これにより、第1溝部22aにおける、上鉤部21cと第1フック部25の間の隙間の一部を締結部材28で塞ぐことができる。これにより、取付装置11を+Z軸方向に動かそうとすると、締結部材28が上鉤部21cの−Z軸方向側の端部に当接する。その結果、取付装置11が+Z軸方向側に動くことを抑制できる。
【0051】
そして、締結部材28が側壁部21eに当接した状態で、さらに締結部材28を回転させ、−X軸方向側に螺進させようとすると、側壁部21eに阻まれるため、相対的に取付装置11が+X軸方向側に移動する方向の力を受ける。しかし、取付装置11も上突起部26aと下突起部26bが、それぞれ上鉤部21cと下鉤部21dに−X軸方向側から係合しているため、+X軸方向側への移動は阻害される。その結果、上突起部26aと上鉤部21cの間と、下突起部26bと下鉤部21dの間とに、それぞれ締結力が発生する。
これにより、レール部10と取付装置11を締結固定することができ、アッパーパネル12をレール部10に固定することができる。
【0052】
以上に詳細に説明した本実施形態の取付構造によれば、取付装置11が複数(ここでは2つ)設けられる場合であっても、取付装置11をY軸と平行な軸線回りに回転させる動作により、第2溝部22bに第2フック部26を容易に挿入することができ、結果として+X軸方向側からアッパーパネル12をレール部10に容易に仮保持させることができる。
また、その後、締結部材28を用いているため、取付装置11の姿勢を変更することなく、取付装置11をレール部10に容易に固定することができる。
【0053】
そのため、アッパーパネル12のY軸方向に備えられている2つの固定部40に、あらかじめ取付装置11を取り付けた状態で、アッパーパネル12をレール部10に容易に固定することができる。
【0054】
これにより、簡単な構成、且つ、少ない部材で、アッパーパネル12をレール部10に固定することができるため、コストを抑えることができる。また、アッパーパネル12をレール部10に固定した際の見栄えも良いものとなる。
【0055】
また、本実施形態の取付構造においては、アッパーパネル12の取り付け姿勢が、仮保持状態と固定状態とで同一であることが望ましい。例えば、仮保持状態におけるアッパーパネル12の取り付け姿勢が、固定状態に比べて、Y軸方向と平行な軸線回りに+Y軸方向側から見て反時計回りに傾いているような場合には、取付装置を固定する際にアッパーパネル12が取り付け者の邪魔になるだけでなく、取り付け者にアッパーパネル12が落下するのではないかという不安感を与えるものとなるためである。
【0056】
アッパーパネル12は取付装置11に挟持締結固定されているため、アッパーパネル12の取り付け姿勢は、取付装置11の取り付け姿勢によって決まる。ここで、レール部10に対する取付装置11の取り付け姿勢が、固定状態に比べて、Y軸方向と平行な軸線回りに+Y軸方向側から見て反時計回りに傾いているような場合、例えそれがわずかなものであっても、アッパーパネル12のY軸方向と平行な軸線回りに+Y軸方向側から見て反時計回りの傾きは、+Z軸方向に向かうに従って、大きいものとなる。
【0057】
これに対して、本実施形態の取付構造によれば、支持部27の補助部27cの−X軸方向への突出量は、補助部27cの−X軸方向側の端面と第2フック部26の下突起部26bの+X軸方向側の面との距離が、下鉤部21dの+X軸方向側の面と第2溝部22b内で下突起部26bと当接する面との距離と等しくなるものである。そのため、取付装置11は、仮保持状態において、上突起部26aと下突起部26bが−X軸方向側からそれぞれ上鉤部21cと下鉤部21dに係合し、且つ、補助部27cが下鉤部21dの+X軸方向側の面に当接する姿勢となる。これは、固定状態における取付装置11の取り付け姿勢と同一である。
したがって、取付装置11に締結固定されているアッパーパネル12の取り付け姿勢を、仮保持状態と固定状態とで同じものとすることができるため、上記問題を解消することができる。
【0058】
なお、第1フック部25のZ軸方向の長さは、第2フック部26の上突起部26aを第2溝部22bの+Z軸方向側に挿入し、下突起部26bが下鉤部21dと離間したときに、第1フック部25の+Z軸方向側の面が上鉤部21aと離間し、且つ、第1溝部22aのZ軸方向の長さより短くなるようなものであってもよい。
【0059】
また、本実施形態においては、2つの固定部40を備えるアッパーパネル12を被取付部材として用いたが、固定部を1つ又は3つ以上備える被取付部材であってもよい。
【0060】
また、被取付部材は、アッパーパネル12に限られるものでなく、どのような部材であってもよい。
【0061】
また、本実施形態においては、レール部10をその長手方向がY軸方向になるようにバックパネル13の+Z軸方向側の端部に取り付けたが、これに限られない。例えば、バックパネル13のZ軸方向の中心に取り付けてもよい。
【0062】
また、レール部10を取り付ける方向についても、長手方向がY軸方向になる方向に限られない。例えば、長手方向がZ軸方向となる方向であってもよい。
【0063】
また、レール部10を取り付ける部材についても、バックパネル13に限られず、どのような部材であってもよい。
【0064】
また、本実施形態においては、レール部10の形状は直線形のものを用いたが、本発明の取付構造により被取付部材を取り付けることができるものであれば、これに限られない。
【0065】
また、レール部10の−X軸方向側の面にも、アリ溝22と同様のアリ溝が設けられている。該アリ溝は、アリ溝22と、バックパネル13のX軸方向の中心を通るYZ平面に対して対称となるようにして配置されている(
図2参照)。該アリ溝に対して、アッパーパネル12等の被取付部材を取り付けてもよい。