特許第6055712号(P6055712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6055712自己剥離型フューザー部材およびこれを製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055712
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】自己剥離型フューザー部材およびこれを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20161219BHJP
   C08J 7/12 20060101ALI20161219BHJP
   F16C 13/00 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   G03G15/20 515
   C08J7/12 ACEW
   F16C13/00 A
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-85418(P2013-85418)
(22)【出願日】2013年4月16日
(65)【公開番号】特開2013-228733(P2013-228733A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2016年4月7日
(31)【優先権主張番号】13/455,796
(32)【優先日】2012年4月25日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブリン・エム・ドゥーリー
(72)【発明者】
【氏名】ユー・チ
(72)【発明者】
【氏名】キャロライン・ピー・ムーアラグ
(72)【発明者】
【氏名】チー・ツァン
(72)【発明者】
【氏名】ナン−シン・フー
【審査官】 杉山 輝和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−122680(JP,A)
【文献】 特開2010−122681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材の上を覆う、表面を有する外層ポリマーマトリックスとを含む、自己剥離型フューザー部材であって、
前記外層ポリマーマトリックスは、フルオロポリマーおよびフルオロカーボン鎖を含み、前記フルオロカーボン鎖は、前記フルオロポリマーに結合し、式(I)で表される:
【化1】
式中、xは、1〜3であり、Rは、反応基であり、Cは、第4級、第3級または第2級炭素原子であり、各Lは、独立して、結合基であり、各Rfは、独立して、1〜40個の炭素原子を有する完全フッ素化フルオロカーボン鎖またはエーテル、エステルまたはシリルエーテルの1つ以上を含み、1〜40個の炭素原子を有する半フッ素化フルオロカーボン鎖であり、
Rは、下記式で表される反応基である
【化2】
自己剥離型フューザー部材。
【請求項2】
前記フルオロカーボン鎖は、前記フルオロポリマーの骨格の外へ遠ざかるように配向し、前記フルオロカーボン鎖は、前記表面に対し平行でないように配向される、請求項1に記載の自己剥離型フューザー部材。
【請求項3】
Rは、さらに、1〜35個の炭素原子を有する脂肪族鎖である、請求項に記載の自己剥離型フューザー部材。
【請求項4】
前記結合基は、1〜30個の炭素原子を有し、エーテル基、エステル基、アミド基、イミン基、シリルエーテル基、酸無水物基、芳香環およびヘテロ芳香環のうちの1つ以上を含む、飽和または不飽和の炭化水素鎖を含む、請求項1に記載の自己剥離型フューザー部材。
【請求項5】
fは、式(CF2nCF3で表され、nは、0〜20である、完全フッ素化脂肪族フルオロカーボン鎖である、請求項1に記載の自己剥離型フューザー部材。
【請求項6】
fは、少なくとも1つの不飽和炭素−炭素結合を含む、請求項1に記載の自己剥離型フューザー部材。
【請求項7】
fは、分枝鎖状である、請求項1に記載の自己剥離型フューザー部材。
【請求項8】
前記フルオロポリマーは、フルオロエラストマ―を含み、
前記フルオロエラストマ―は、ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンもしくはテトラフルオロエチレンのコポリマー;ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンのターポリマー;またはビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンと硬化部位モノマーとのテトラポリマーを含む、請求項1に記載の自己剥離型フューザー部材。
【請求項9】
前記フルオロポリマーは、フルオロエラストマ―を含み、
前記フルオロエラストマ―は、ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンと硬化部位モノマーとのテトラポリマーを含む、請求項1に記載の自己剥離型フューザー部材。
【請求項10】
前記外層ポリマーマトリックスは、パーフルオロアルコキシ、ポリテトラフルオロエチレンおよびフッ素化エチレンプロピレン樹脂の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の自己剥離型フューザー部材。
【請求項11】
記録媒体に画像を形成するためのオイル不使用の画像形成装置であって、
静電潜像を受容するための電荷保持表面と、
トナーを電荷保持表面に塗布して静電潜像を現像し、電荷保持表面上に現像した画像を形成するための現像部品と、
現像した画像を電荷保持表面からコピー基材に移動するための移動部品と、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の自己剥離型フューザー部材と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された実施形態は、一般に、静電複写装置において有用な自己剥離型フューザー部材に関する。
【背景技術】
【0002】
静電複写印刷装置において、複写される原画の光画像が、感光性部材上に静電潜像の形で記録され、その後、一般的にトナーと称される検電性熱可塑性樹脂粒子が塗布されることによって、この潜像が可視化される。このトナー画像は、通常、支持体(これは、感光性部材自体であってもよく、または普通紙のような他の支持体であってもよい)上に定着または融合される。
【0003】
検電性トナー材料を、熱によって支持体表面に永久的に融合させるために、トナー材料の温度を、トナー材料の構成成分が合体し粘着性になる温度まで上げる必要がある。この加熱は、トナーを支持体(例えば、一葉の紙)の繊維または小孔内にある程度まで流動させる。その後、トナー材料を冷却させると、トナー材料が固化し、トナー材料を支持体に固く結合させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存のフューザー材料(例えば、VITON(登録商標)材料)の現在の問題は、トナーおよび他の汚染物質を剥離するために、剥離剤、例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン)ベースのフューザーオイルなどを必要とすることである。フューザーオイルの使用は、フューザー剥離システムの費用を増大させ、そしてシリコンオイルがしばしば印刷物に残るので、最終用途の問題を引き起こす。フューザーオイルは、印刷された材料の最終用途、例えば、結合、積層または他の表面接着を必要とする手順において、困難を生じ得る。低オイルまたはオイル不使用の(剥離剤またはフューザーオイルを必要としない機械)、耐用年数の長い、高性能の融合適用のための、新しいトップコート材料が、必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書中に含まれる開示は、上記問題の1つ以上に対処する実施形態を記載する。
【0006】
特定の実施形態は、基材と、それを覆う表面を有する外層ポリマーマトリックスとを含むフューザー部材を指向する。この外層ポリマーマトリックスは、フルオロポリマーおよびフルオロカーボン鎖を含む。このフルオロカーボン鎖は、上記フルオロポリマーに結合し、以下の式(I)を有する:
【化1】
式中、xは約1〜約3であり、Rは、反応基であり、Cは、第4級、第3級または第2級炭素原子であり、各Lは、独立して結合基であり、各Rは、独立して、約1〜約40個の炭素原子を有する完全フッ素化フルオロカーボン鎖であるか、またはエーテル、エステルもしくはシリルエーテルの1つ以上を含み約1〜約40個の炭素原子を有する半フッ素化フルオロカーボン鎖である。幾つかの実施形態は、このようなフューザー部材を有する記録媒体上に画像を形成するための画像形成装置を指向する。
【0007】
幾つかの実施形態は、基材と、それを覆う表面を有する外層ポリマーマトリックスとを含むフューザー部材を指向する。この外層ポリマーマトリックスは、少なくとも1種のフルオロポリマーを含み、このフルオロポリマーは、式(II)を有する反復単位を、反復単位の総数の約40%以下含む。ここで、式(II)は、以下である:
【化2】
xは約1〜約3であり、Rは、反応基であり、各Lは、独立して結合基であり、各Rは、独立して約1〜約40個の炭素原子を有する完全フッ素化フルオロカーボン鎖であるか、またはエーテル、エステルもしくはシリルエーテルの1つ以上を含み約1〜約40個の炭素原子を有する半フッ素化フルオロカーボン鎖である。幾つかの実施形態は、このようなフューザー部材を有する記録媒体上に画像を形成するための画像形成装置を指向する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一般的な静電複写装置の図である。
図2図2は、本明細書中に開示される1つの実施形態にしたがう融合アセンブリの断面図である。
図3図3は、3層構造を有するフューザーローラーの断面図である。
図4図4は、HF除去およびパーフルオロアルキルアミノ化を受けているVITON(登録商標)フィルムについての接触角の大きさを示す。
図5図5は、パーフルオロアルキル化トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンのための合成スキームを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態において、ポリマーを含むビニリデンフルオリド(例えば、VITON(登録商標)GF)が、その表面上に反応性官能基を導入するように化学的に修飾され得る。表面置換は、次いで、反応種へのパーフルオロアルキル化求核剤の付加を介して達成され得る。処理されたポリマーの表面自由エネルギーは、パーフルオロアルキル化基の導入後に有意に低減し得、このポリマーがフューザー部材において使用される際には、改善されたトナー剥離をもたらし得る。
【0010】
本明細書中で記載されるフルオロポリマー(例えば、中でもフルオロエラストマー)の分枝鎖状ポリパーフルオロアルキル化誘導体は、ペンダントのまたは架橋された直鎖状パーフルオロアルキルアミンを有する特定のフルオロエラストマー/フルオロポリマー誘導体よりもよい剥離特性(および増大した表面自由エネルギー)を有し得る。これは、分枝が、表面フッ素密度をかなり増大し得、パーフルオロアルキル鎖がフューザー部材の表面に平行に向くことを防ぎ得るからである。さらに、実施形態の方法を用いて架橋密度は増大することができないので、フルオロポリマー系の機械的特性は、その誘導体化にもかかわらず、保存され得る。
【0011】
幾つかの静電複写手順において、2つの主要なタイプのフューザートップコート材料、例えば、フルオロエラストマーおよびフルオロプラスチックが、フューザー部材表面に使用される。フルオロエラストマー(例えば、VITON(登録商標)GF、テトラフルオロエチレン(TFE)のテトラポリマー、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ビニリデンフルオリド(VF2)および硬化部位モノマー)は、ショックエネルギーを吸収する能力を有する良い機械的柔軟性を提供し得、また、高印刷品質で高速を提供し得る。しかし、フルオロエラストマーおよびフルオロプラスチックフューザーは、このようなフルオロポリマーの低フッ素含量の性質に起因するオフセットを防ぐために、剥離剤を必要とし得る。このような剥離剤(例えば、シリコンオイル)の使用は、フューザー剥離システムのコストを増大させ得、シリコンオイルが頻繁に印刷物上に残るために、最終用途の問題を引き起こし得る。
【0012】
フルオロポリマー(例えば、中でもフルオロエラストマー)を含むVF2の剥離性質は、実施形態において、材料の表面自由エネルギー(SFE)の改善によって、改善され得る。従来的な方法を用いるフルオロポリマー含有VF2のSFEの改変は、VF2単位の化学的修飾がフルオロポリマー/フルオロエラストマーを脆弱にし得るさらなる架橋に導き得るので、フルオロポリマーの望ましい機械的特性の破壊をもたらし得る。
【0013】
本明細書中で、実施形態は、フルオロポリマーとフルオロカーボン鎖とを含む外層ポリマーマトリックスを含むフューザー部材を指向する。このフルオロカーボン鎖の幾つかまたは全ては、フルオロポリマーに化学的に結合している。このフューザー部材は、自己剥離型であってもよく、または部分的に自己剥離型であってもよい。フルオロカーボン鎖は、以下の式(I)を有し得る:
【化3】
式中、xは、約1〜約3であり、Rは、反応基であり、Cは、第4級、第3級または第2級炭素原子であり、各Lは、独立して結合基であり、および各Rは、独立して、約1〜約40個の炭素原子、約1〜約35個の炭素原子、約1〜約25個の炭素、または約3〜約20個の原子を有する完全フッ素化フルオロカーボン鎖であるか、またはエーテル、エステルもしくはシリルエーテルの1つ以上を含み約1〜約40個の炭素原子、約1〜約35個の炭素原子、約1〜約25個の炭素原子、または約3〜20個の原子を有する半フッ素化フルオロカーボン鎖である。したがって、外層ポリマーマトリックスにおけるフルオロカーボン鎖は、反応性官能基によってフルオロポリマーに結合される。実施形態において、xは、2であるか、またはxは、3である。幾つかの実施形態において、Rは、第1級アミンである。特定の実施形態において、Cは、第2級炭素原子である。幾つかの実施形態において、結合基は、芳香環またはアリールアルケンを含み得る。この結合基は、エーテル、エステル、シリルエーテルまたは炭化水素であってもよい。実施形態において、各Rは、独立して、約1〜約40個の炭素原子、約1〜約35個の炭素原子、約1〜約25個の炭素原子、または約3〜約20個の原子を有する完全フッ素化フルオロカーボン鎖である。実施形態において、各Rは、独立して、エーテル、エステルまたはシリルエーテルの1つ以上を含み約1〜約40個の炭素原子、約1〜約35個の炭素原子、約1〜約25個の炭素原子、または約3〜約20個の原子を有する半フッ素化フルオロカーボン鎖である。
【0014】
実施形態において、この組成物は、融合表面において高い程度のフッ素化を付与することができ、それによって、最小限の量のフューザーオイルで、またはフューザーオイルを使用することなく、剥離を容易にする。これは、印刷支持体(例えば、中でも紙のシート)上へのフューザーオイルの移動を低減するかまたはなくし得る。印刷支持体に移動したフューザーオイルは、例えば積層または製本のような、表面への接着を必要とするその後の適用に関する望ましくない問題を生じ得る。本明細書中で記載されるフューザー部材を含む機械の製造費用は、オイル不使用機器の例において、フューザーオイル溜めおよびその構成部分が不必要であるので、低減し得る。
【0015】
図1を参照すると、静電複写装置において、複写される原画の光画像が、光感受性部材上に静電潜像の形態で記録され得、その後、この潜像が、検電性熱可塑性樹脂粒子(一般にトナーと呼ばれる)の塗布によって可視化され得る。具体的には、光受容体10が、電源11から電圧が供給されているチャージャー12によって表面上に帯電され得る。次いで、光受容体は、レーザーおよび発光ダイオードのような光学式システム、つまり画像入力装置13から発生する光に画像毎に露光され得、その上に静電潜像が形成される。
【0016】
一般に、静電潜像は、現像ステーション14から送られる現像剤混合物に接触することによって現像され得る。現像は、磁気ブラシ法、パウダークラウド法、または他の既知の現像プロセスを用いて行い得る。乾燥現像剤混合物は、通常、キャリア粒子を含み、このキャリア粒子は、摩擦帯電によって付着するトナー粒子を有する。トナー粒子は、キャリア粒子から潜像へ誘引され、その上にトナー粉末画像を形成する。あるいは、トナー粒子を分散させた液体キャリアを含む液体現像剤材料が、使用されてもよい。液体現像材料は、静電潜像に接触し得、トナー粒子は、その上に画像を構成して堆積する。
【0017】
トナー粒子は、光導電性表面に画像を構成して堆積した後、転写手段15でコピーシート16に転写される。転写は圧力転写でも静電転写でもよい。他に、現像された画像を中間転写部材に転写し、その後でコピーシートに転写することもできる。
【0018】
現像された画像の転写が完了した後、コピーシート16は融合ステーション19に進む。融合ステーション19は、図1では融合および圧力ロールとして示されており、現像された画像は、フューザー部材5と圧力部材6との間にコピーシート16を通過させることによってコピーシート16に融合され、永久画像が形成される。光受容体10は、転写に引き続いて、クリーニングステーション17に進み、ここで光受容体10に残留したトナーは、ブレード(図1を参照)、ブラシ、または他のクリーニング装置を用いてそこからクリーニングされる。
【0019】
図2において、フューザーローラー5は、任意の好適な金属(例えば、アルミニウム、陽極処理アルミニウム、鋼、ニッケル、銅など)で製造された中空の円筒またはコアであり得、円筒と同一の広がりをもち得るその中空部分に配置された、好適な加熱エレメント8を備える。
【0020】
バックアップロールまたは圧力ロール6は、フューザーロール5とともに、ニップまたは接触弧9を形成する。コピー紙または他の支持体16が、このニップまたは接触弧を通過すると、トナー画像21がフューザーロール5の表面2に接触する。図2に示されるように、バックアップロール6は、硬い鋼製のコア7およびその上に表面または層18を被せたものである。
【0021】
フューザー部材は、少なくとも3つの異なる構造からなってもよい。1つの実施形態において、フューザー部材は、図2で示されるような2層構造であってもよい。加熱エレメント8を有するフューザー部材5は、基材4を含む。基材4の上には、外層2が位置付けられてもよい。
【0022】
図3は、フューザーローラー5が内部に加熱部材8を有し、その上に基材4および基材4上に位置する中間層26を有し、そして外層2が中間層26の上に位置する3層構造を示す。図3は、必要に応じたフィラー3および28を示す。これらは、同じであっても異なっていてもよく、必要に応じて中間層26中および/または必要に応じて外層2中に分散し得る。層中には、フィラーがなくてもよく、あるいはフィラーが1種あっても複数あってもよい。
【0023】
中間層4は、その上にトップコートすなわち外側ポリマーマトリックス2を有し、外側ポリマーマトリックス2は、分散されてその中のフルオロポリマーに化学的に結合するフルオロカーボン鎖を有する。実施形態において、この外層は、フューザー部材の表面に平行ではない向きのフルオロカーボン鎖を含む。
【0024】
実施形態において、フューザー部材は、自己剥離型であるか、または部分的に自己剥離型であり、僅かな剥離剤しか必要としないか、全く剥離剤を必要としない。剥離剤が必要とされない場合、このようなフューザー部材を含む画像形成装置は剥離剤溜めおよび剥離剤ドナー部材を必要としない。フルオロカーボン鎖は、フルオロポリマーに化学的に結合し、フルオロポリマー骨格の外へ遠ざかるように配向され、それによって、フューザー層の外側は、主にフッ素化炭素鎖からなり得る。フッ素化炭素鎖は、融合表面において高い程度のフッ素化を与え、フューザーオイルまたは剥離剤なしで剥離を容易にし得る。このように、表面が、フューザー部材の融合表面と接触するトナー、トナー添加剤および他の汚染物質の剥離を、フューザー剥離剤(剥離オイル)なしで容易にする場合、トップコート/外層は、「自己剥離型」である。フューザー剥離剤は、ポリジメチルシロキサンまたはポリジメチルシロキサン誘導体/オイルを含み得る。実施形態はまた、部分的に自己剥離型であり、融合表面における所要の性能仕様を満たすために最小量の剥離剤の使用を必要とする、フューザー部材も含む。
【0025】
特定の実施形態は、基材とその上を覆い表面を有する外層ポリマーマトリックスを備えたフューザー部材を指向する。フューザー部材は、自己剥離型であってもまたは部分的に自己剥離型であってもよい。外層ポリマーマトリックスは、フルオロポリマーおよびフルオロカーボン鎖を含み得、このフルオロカーボン鎖は、フルオロポリマーに結合していて、上述のとおり以下の式(I)を有する。
【化4】
【0026】
実施形態において、フルオロカーボン鎖は、フルオロポリマーの骨格の外へ遠ざかるように配向され得、このフルオロカーボン鎖は、フューザー部材の表面に平行しないで配向され得る。フューザー部材の外側剥離層におけるフッ素化基(R)は、完全にフッ素化されていても、半フッ素化されていてもよい。完全フッ素化鎖は、完全にフッ素化された炭素鎖である。フッ素化炭素鎖は、中間基(すなわち、結合基および反応基)を介して、フルオロポリマー(例えば、フルオロエラストマー)のポリマー性骨格に結合し得る。
【0027】
(式(I)中の)Rは、
【化5】
を含み得る。幾つかの実施形態において、Rはさらに、約1〜約40個の炭素原子、約1〜約35個の炭素原子、または約1〜約20個の炭素原子を含む脂肪族鎖を含み得る。
【0028】
(式(I)および(II)中の)結合基(L)は、約1〜約40個の炭素原子、約1〜約35個の炭素原子、約1〜約25個の炭素原子、または約3〜約20個の原子を有する飽和または不飽和の炭化水素鎖を含み得、エーテル基、エステル基、アミド基、イミン基、シリルエーテル基、酸無水物基、芳香環およびヘテロ芳香環の1つ以上を含む。実施形態において、結合基は、芳香環またはアリールアルケンを含む。結合基は、エーテル、エステル、シリルエーテルまたは炭化水素であり得る。幾つかの実施形態において、結合基は、少なくとも1つの不飽和炭素−炭素結合を含む。
【0029】
幾つかの実施形態において、(式(I)および(II)中の)各Rは、(CFCFの式を有する完全フッ素化脂肪族フルオロカーボン鎖であってもよく、式中、nは、0〜約20、約4〜約19または約4〜約10である。実施形態において、Rは、少なくとも1つの不飽和炭素−炭素結合を有し得る。幾つかの実施形態において、RまたはC−(L−Rは、分枝鎖状である。実施形態において、Rは、(CFCF、(CFCFまたは(CFCFであってもよい。
【0030】
実施形態において、フルオロカーボン鎖が結合しているフルオロポリマーは、ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンもしくはテトラフルオロエチレンのコポリマー;ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンのターポリマー;またはビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンと硬化部位モノマーとのテトラポリマーを含むフルオロエラストマーを含み得る。特定の実施形態において、フルオロポリマーは、ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンと硬化部位モノマーとのテトラポリマーを含むフルオロエラストマーを含み得る。幾つかの実施形態において、フルオロポリマーは、VITON(登録商標)GFであってもよい。
【0031】
幾つかの実施形態において、外層ポリマーマトリックスは、パーフルオロアルコキシ、ポリテトラフルオロエチレンおよびフッ素化エチレンプロピレン樹脂の少なくとも1つをさらに含み得る。他のフルオロポリマーの例としては、フルオロプラスチックまたはフルオロポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン樹脂、パーフルオロアルコキシ(PFA)および他のTEFLON(登録商標)様材料)、ならびにこれらのポリマーが挙げられる。外層は、フルオロカーボン鎖が結合しているフルオロポリマーに加えて、約0.1重量%〜約60重量%、約1重量%〜約50重量%または約5重量%〜約30重量%のフルオロポリマーを含み得る。
【0032】
幾つかの実施形態は、記録媒体に画像を形成するための画像形成装置を指向し、この装置は、静電潜像を受容するための電荷保持表面;トナーを電荷保持表面に塗布して静電潜像を現像し、電荷保持表面上に現像した画像を形成するための現像部品;現像した画像を電荷保持表面からコピー基材に移動するための移動部品;および上述の式(I)を有するフルオロポリマーに結合したフルオロカーボン鎖を含むフューザー部材を、備える。実施形態において、フューザー部材は、自己剥離型であるか、または部分的に自己剥離型であり得、画像形成装置は、オイル不使用であってもよく、またはほぼオイル不使用であってもよい。
【0033】
特定の実施形態は、基材と、その上を覆う、表面を有する外層ポリマーマトリックスとを含む、フューザー部材を指向する。実施形態において、フューザー部材は、自己剥離型であっても、または部分的に自己剥離型であってもよい。外層ポリマーマトリックスは、少なくとも1種のフルオロポリマーを含み得、このフルオロポリマーは、式(II)を有する反復単位を、反復単位の総数の約40%以下含み、ここで、式(II)は、以下である:
【化6】
xは、約1〜約3であり、Rは、反応基であり、各Lは、独立して結合基であり、そして各Rは、独立して約1〜約40個の炭素原子を有する完全フッ素化フルオロカーボン鎖であるか、またはエーテル、エステルまたはシリルエーテルの1つ以上を含み約1〜約40個の炭素原子を有する半フッ素化フルオロカーボン鎖である。実施形態において、xは2であるか、またはxは3である。幾つかの実施形態において、反応基Rは、独立して第2級アミンである。特定の実施形態において、L結合基は、芳香族基またはアリールアルケンを含み得る。幾つかの実施形態において、結合基は、不飽和炭素−炭素結合を含み得る。幾つかの実施形態において、結合基は、エーテル、エステル、シリルエーテルまたは炭化水素を含み得る。実施形態において、各Rは、独立して、約1〜約40個の炭素原子、約1〜約35個の炭素原子、約1〜約25個の炭素原子、または約3〜約20個の原子を有する完全フッ素化フルオロカーボン鎖である。実施形態において、各Rは、独立して、約1〜約40個の炭素原子、約1〜約35個の炭素原子、約1〜約25個の炭素原子、約3〜約20個の原子を有する半フッ素化フルオロカーボン鎖である。フルオロポリマーは、約0.5%〜約40%、約2%〜約30%または約5%〜約15%の式(II)の反復単位を含み得る。外層は、約80重量%〜約100重量%のフルオロポリマー、約85重量%〜約99.5重量%のフルオロポリマー、または約90重量%〜約99重量%のフルオロポリマーを含み得る。外層はまた、約0重量%〜約20重量%、約0.5重量%〜約15重量%または約1重量%〜約10重量%のフィラーを含み得る。
【0034】
実施形態において、フルオロポリマーは、約0.5%〜約40%、約2%〜約30%、または約5%〜約15%の、以下の式(V)を有する反復単位を含み得る:
【化7】
、式中、nは、約2〜約20であるか、または約5〜約10である。
【0035】
実施形態において、フルオロポリマーは、約0.5%〜約40%、約2%〜約30%、または約5%〜約15%の、式(IX)を有する反復単位を含み得る:
【化8】
【0036】
実施形態において、フルオロポリマーは、約0.5%〜約40%、約2%〜約30%、または約5%〜約15%の、式(VI)を有する反復単位を含み得る:
【化9】
、式中、各nは、独立して、約1〜約20、約5〜約20、または約5〜約10である。
【0037】
実施形態において、フルオロポリマーは、約0.5%〜約40%、約2%〜約30%、または約5%〜約15%の、式(X)を有する反復単位を含み得る:
【化10】
【0038】
実施形態において、フルオロポリマーは、約5重量%〜約80重量%、約10重量%〜約65重量%、または約15重量%〜約40重量%の、式(III)を有する反復単位:
【化11】

および/または
約5重量%〜約80重量%、約10重量%〜約65重量%、または約15重量%〜約40重量%の、式(IV)を有する反復単位:
【化12】
を、さらに含み得る。
【0039】
実施形態において、フルオロポリマーは、VITON(登録商標)GFを含むフルオロエラストマー骨格を含み得る。例えば、VITON GF(登録商標)およびVITON GH(登録商標)は、約35重量%のビニリデンフルオリドの反復単位、約34重量%のヘキサフルオロプロピレン反復単位、および約29重量%のテトラフルオロエチレン反復単位、および約2重量%の硬化部位モノマー反復単位を、有する。
【0040】
上述のように、(式(II)中の)Rは、第2級アミン基、ヒドロキシフェニル基またはスルホニルアジド基を含み得る。実施形態において、Rは、第2級アミンを含み得る。結合基(L)は、飽和または不飽和の約1〜約30個の炭素原子を有する炭化水素鎖を含み得、エーテル基、エステル基、アミド基、イミン基、シリルエーテル基、酸無水物基、芳香環およびヘテロ芳香環の1つ以上を含む。特定の実施形態において、L結合基は、芳香族基またはアリールアルケンを含み得る。幾つかの実施形態において、結合基は、不飽和炭素−炭素結合を含み得る。実施形態において、結合基は、エーテル、エステル、シリルエーテルまたは炭化水素であってもよい。
【0041】
特定の実施形態は、記録媒体上に画像を形成するための画像形成装置を指向する。この装置は、画像化部材;静電荷を画像化部材に適用するチャージユニット;トナー画像を画像化部材上に現像する現像ユニット;トナー画像を画像化部材から媒体に移動する移動ユニット;および外層ポリマーマトリックスを含むフューザー部材を備え、外層ポリマーマトリックスは、反復単位の総数の約40%以下の、式(II)を有する反復単位(式(II)は、上述のとおりである)を含む、少なくとも1種のフルオロポリマーを含む。
【0042】
好適なフルオロポリマーの例としては、フルオロエラストマーが挙げられる。具体的には、好適なフルオロエラストマーは、米国特許第5,166,031号、同第5,281,506号、同第5,366,772号および同第5,370,931号、および米国特許第4,257,699号、同第5,017,432号および同第5,061,965号に詳細に記載されるものである。本明細書中に記載される場合、これらのエラストマーは、(1)ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(VITON(登録商標)Aとして市場で知られる)、またはビニリデンフルオリド、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンのうち2つのコポリマー;(2)ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとのターポリマー(VITON(登録商標)Bとして市場で知られる);ならびに(3)ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンと硬化部位モノマーとのテトラポリマー(VITON(登録商標)GHおよびVITON(登録商標)GFとして市場で知られる)のクラス由来である。市販のフルオロエラストマーの例としては、種々の名称、例えばVITON(登録商標)A、VITON(登録商標)B、VITON(登録商標)E、VITON(登録商標)E60C、VITON(登録商標)E430、VITON(登録商標)910、VITON(登録商標)GH;VITON(登録商標)GF;およびVITON(登録商標)ETPの名称の下で販売されるものが挙げられる。VITON(登録商標)の名称は、E.I.DuPont de Nemours,Inc.の商標である。硬化部位モノマーは、4−ブロモパーフルオロブテン−1,1,1−ジヒドロ−4−ブロモパーフルオロブテン−1,3−ブロモパーフルオロプロペン−1,1,1−ジヒドロ−3−ブロモパーフルオロプロペン−1であってもよく、または任意の他の好適な公知の硬化部位モノマーであってもよい。上記は、DuPontから市販されている。フルオロエラストマーVITON(登録商標)GHおよびVITON(登録商標)GFは、比較的低量のビニリデンフルオリドを有する。VITON(登録商標)GFおよびVITON(登録商標)GHは、 約35重量%のビニリデンフルオリド、約34重量%のヘキサフルオロプロピレン、約29重量%のテトラフルオロエチレンおよび約2重量%の硬化部位モノマーを有する。実施形態において、フルオロカーボン鎖は、このようなフルオロポリマーに結合され得る。
【0043】
他の市販のフルオロエラストマーとしては、(1)ビニリデンフルオリド、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンのうち2つのコポリマー(例えば、VITON A(登録商標)として市場で知られる);(2)ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとのターポリマー(例えば、VITON B(登録商標)として市場で知られる);ならびに(3)ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンと硬化部位モノマーとのテトラポリマー(例えば、VITON GH(登録商標)またはVITON GF(登録商標)として市場で知られる)のクラス由来のフルオロエラストマーが挙げられる。これらのフルオロエラストマーは、種々の名称、例えば、上記したものと共に、VITON E(登録商標)、VITON E 60C(登録商標)、VITON E430(登録商標)、VITON 910(登録商標)およびVITON ETP(登録商標)の下で、市場で知られる。VITON(登録商標)名称は、E.I.DuPont de Nemours,Inc.の商標である。硬化部位モノマーは、4−ブロモパーフルオロブテン−1,1,1−ジヒドロ−4−ブロモパーフルオロブテン−1,3−ブロモパーフルオロプロペン−1,1,1−ジヒドロ−3−ブロモパーフルオロプロペン−1であってもよく、または任意の他の好適な公知の硬化部位モノマー、例えばDuPontから市販されるものであってもよい。他の市販のフルオロポリマーとしては、FLUOREL 2170(登録商標),FLUOREL 2174(登録商標),FLUOREL 2176(登録商標),FLUOREL 2177(登録商標)およびFLUOREL LVS 76(登録商標)が挙げられ、FLUOREL(登録商標)は、3M Companyの登録商標である。さらなる市販の材料としては、AFLASTMポリ(プロピレン−テトラフルオロエチレン)およびFLUOREL II(登録商標)(LII900)ポリプロピレン−テトラフルオロエチレンビニリデンフルオリド(これらは両方とも、3M Companyから入手可能である)、ならびにFOR−60KIR(登録商標)、FOR−LHF(登録商標)、NM(登録商標)FOR−THF(登録商標)、FOR−TFS(登録商標)、TH(登録商標)、NH(登録商標)、P757(登録商標)、TNS(登録商標)、T439(登録商標)、PL958(登録商標)、BR9151(登録商標)およびTN505(登録商標)として識別されるテクノフロン(Ausimontから入手可能)が挙げられる。実施形態において、フルオロカーボン鎖は、このようなフルオロポリマーに結合され得る。
【0044】
フルオロエラストマーVITON GH(登録商標)およびVITON GF(登録商標)は、比較的低い量のビニリデンフルオリドを有する。VITON GF(登録商標)およびVITON GH(登録商標)は、約35重量%のビニリデンフルオリド、約34重量%のヘキサフルオロプロピレン、約29重量%のテトラフルオロエチレン、および約2重量%の硬化部位モノマーを有する。実施形態において、フルオロカーボン鎖は、このようなフルオロポリマーに結合され得る。
【0045】
フューザー部材の外層を調製するために使用される溶液中のフルオロエラストマーの量は、総固体の重量%で約10〜約40%、または総固体の重量%で約15〜約35%であってもよい。本明細書中で使用される総固体は、ポリマー、脱フッ化水素剤(存在する場合)および必要に応じたアジュバント、添加剤およびフィラーの量を含む。外層を形成するための溶液中のフルオロカーボン鎖の量は、約1pph〜約100pph(百分率、フルオロポリマー/フルオロエラストマー(溶液中に存在する)の重量と比較して)または約5pph〜約40pphであってもよい。
【0046】
本明細書中のフューザー部材の外表面層の厚みは、約10〜約100マイクロメートル、または約15〜約40マイクロメートルであってもよい。
【0047】
必要に応じた中間付着層および/または中間ポリマーすなわちエラストマー層が、フューザー部材の所望の特性および目的の性能を達成するために適用され得る。中間層は、基材とポリマー性外層との間に存在し得る。好適な中間層の例としては、シリコンゴム、例えば室温加硫(RTV)シリコンゴム;高温加硫(HTV)シリコンゴムおよび低温加硫(LTV)シリコンゴムが挙げられる。これらのゴムは、公知であり、容易に購入可能である。(例えば、SILASTIC(登録商標)735 black RTVおよびSILASTIC(登録商標)732 RTV(両方ともDow Corning製);ならびに106 RTVシリコンゴムおよび90 RTVシリコンゴム(両方ともGeneral Electric製))。他の好適なシリコン材料としては、シロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン);フルオロシリコン(例えば、Silicone Rubber 552、Sampson Coatings,Richmond,Va.から入手可能);液体シリコンゴム、(例えば、ビニル架橋熱硬化性ゴムまたはシラノール室温架橋材料などが挙げられる。別の特定の例は、Dow Corning Sylgard 182である。付着中間層は、例えば、エポキシ樹脂およびポリシロキサンから選択され得る。
【0048】
基材と中間層との間に、付着層が提供されてもよい。また、中間層と外層との間に付着層があってもよい。中間層の非存在下で、ポリマー性外層は、付着層を介して基材に結合し得る。中間層の厚みは、約0.5mm〜約20mmであってもよく、または約1mm〜約5mmであってもよい。
【0049】
外層のフルオロポリマーおよび他の構成成分(例えば、必要に応じて、フルオロプラスチック、フィラーなど)は、任意の好適な公知の様式で基材上を被覆し得る。このような材料を補強する部材(基材)上に被覆するための技術の例としては、液体および乾燥粉末のスプレー被覆、浸漬被覆、ワイヤー巻き上げロッド被覆、流動層被覆、粉末被覆、静電スプレー、音波スプレー、ブレード被覆などが挙げられる。実施形態において、被覆は、基材上に被覆されたスプレーまたは流動であり得る。流動被覆手順の詳細は、米国特許第5,945,223号に見出され得る。フルオロカーボン鎖が添加され得、基材上に被覆された後、フルオロポリマーと反応させられる。幾つかの実施形態において、被覆された基材は、炭化水素鎖と反応する前に、乾燥され、および/または硬化され得る。
【0050】
実施形態において、(炭化水素鎖との結合の前または後の)外層は、任意の公知の技術(例えば、サンディング、研磨、研削、ブラスティング、被覆など)によって改変され得る。実施形態において、(炭化水素鎖との結合の前または後の)他のフルオロポリマーマトリックス層は、約0.02マイクロメートル〜約1.5マイクロメートル、または約0.3マイクロメートル〜約0.8マイクロメートルの表面粗度を有し得る。
【0051】
他のフィラーが、外層中に存在し得るか、および/または中間層に含まれ得る。フィラーとしては、金属および金属合金、金属酸化物、ポリマーフィラー、カーボンフィラーなどおよびこれらの混合物が挙げられる。金属酸化物の例としては、酸化銅、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化インジウムスズなど、およびこれらの混合物が挙げられる。ポリマーフィラーの例としては、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリピロール、ポリテトラフルオロエチレンなど、およびこれらの混合物が挙げられる。好適なカーボンフィラーの例としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フッ素化カーボンブラック、黒鉛など、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0052】
フューザー部材の好適な基材材料の例としては、ローラー基材の場合、アルミニウム、ステンレス鋼、鋼、ニッケルなどの金属が挙げられる。フィルム型基材の場合(基材がフューザーベルト、フィルム、drelt(ドラムとベルトとの間の交点)などの場合)、好適な基材は、高い操作温度(すなわち、80℃を超えるか、または200℃を超える)を可能にするために好適であり高い機械的強度を示す高温プラスチックを含む。
【0053】
特定の実施形態は、フューザー部材の方法を指向する。この方法は、以下を包含する:基材とそれを覆う、表面を有する外層ポリマーマトリックスとを含むフューザー部材を提供することであって、ここで、このポリマーマトリックスは、ビニリデンフルオリド反復単位を含むフルオロポリマーを含む。外層ポリマーは、上述のように、当該分野で公知の方法によって基材に適用され得る。フルオロポリマーを含むフューザー部材の外層は、当該分野で公知の他の成分(例えば、中でも、上述のポリマーフィラーまたはカーボンフィラー)を含み得る。フューザー部材は、相間移動触媒および塩基性水溶液に接触して、ポリマー中に不飽和−CH=CF−結合を形成することができ、ここで、不飽和結合は、外層ポリマーマトリックスの少なくとも表面においてフルオロポリマーを生成する;次いで、フューザー部材は、少なくとも1つのパーフルオロアルキル基を含むアミンと接触して、少なくとも1つのパーフルオロアルキル基を含むアミン基を、ビニリデンフルオリド反復単位へ結合させ、ここで、各パーフルオロアルキル基は、独立して約5〜約50個の炭素原子、約5〜約20個の炭素原子、または約5〜約10個の炭素原子を含む。実施形態において、アミンは、第3級アミンであってもよい。このアミンは、アミン基を少なくとも1つのパーフルオロアルキル基に結合させる結合基をさらに含み得る。幾つかの実施形態において、結合基は、芳香族基またはアリールアルケンを含み得る。特定の実施形態において、結合基は、少なくとも1つの不飽和炭素−炭素結合を含む。実施形態において、結合基は、エーテル、エステル、シリルエーテル、または炭化水素であってもよい。アミンの例としては、中でも、1H,1H−パーフルオロヘキシルアミン、1H,1H−パーフルオロヘプチルアミン、1H,1H−パーフルオロオクチルアミンおよび1H,1H−パーフルオロノニルアミンが挙げられる。
【0054】
実施形態において、相間移動触媒は、テトラブチルアンモニウムブロミド(nBUNBr)であってもよく、塩基性水溶液は、水酸化ナトリウム(NaOH)の水溶液であってもよい。
【0055】
アミンは、特定の実施形態において、以下の式(VII)を有し得る:
【化13】
、式中、nは約4〜約19である。
【0056】
実施形態において、アミンは、以下の式(VIII)を有し得る:
【化14】
、式中、各nは独立して約4〜約19である。
【0057】
幾つかの実施形態において、アミンは、以下の式(XI)を有し得る:
【化15】
【0058】
実施形態において、ポリマー含有のVF2の表面は、相間移動触媒(例えば、テトラブチルアンモニウムブロミド(nBuBr))および塩基性水溶液(例えば、NaOH水溶液)を用いて、ビニリデンフルオリド単位(VITON(登録商標)GFの約30%以上)の脱フッ化水素を介して不飽和−CH=CF−結合を導入することによって、改変され得る。除去された表面の深さは、使用される除去条件によって制御され得る(例えば、有機塩基(例えば、トリエチルアミンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)が表面を水酸基イオン水溶液よりも透過し得、より深い反応層の形成をもたらす)。実施形態において、低表面エネルギーフッ素化化学基の、フルオロポリマー(例えばフルオロエラストマー)上に作製された反応部位への移植は、材料の嵩を損なうことなく、したがって機械的特性を維持しながら、VITON(登録商標)のSFEを低下させ得る。
【0059】
実施形態において、ポリマー/エラストマー(例えば、VITON(登録商標))を含むフルオロアミノ化VF2の表面置換は、相間移動触媒(例えば、除去反応の間、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、または水酸化物塩をテトラブチルアンモニウムのハライド塩もしくは水酸化物塩または炭酸塩と組み合わせて、18−クラウン−6などのクラウンエーテルと組み合わせ、その後、必要に応じて中間乾燥工程によって、そして最後にパーフルオロアルキル化アミンのマイケル型付加によって)を用いて、達成され得る。処理したフルオロポリマーのSTEは、パーフルオロアルキル化アミンによる表面官能性付与により有意に低減し得、これが、トナー剥離を改善し得る。高度フッ素化分枝鎖状アミンの使用は、外層にこのようなフルオロポリマーを含むフューザー部材の表面におけるフッ素密度の増大により、SFEを低減し得る。
【0060】
外層ポリマーマトリックスは、フルオロポリマーおよびフルオロカーボン鎖を含み得、ここで、フルオロカーボン鎖は、フルオロポリマーに結合していて、式(I)を有する
【化16】
。フルオロカーボン鎖による外層の官能性付与は、フルオロポリマー層の表面自由エネルギーを、約5%−約50%または約10%〜約30%低下し得、トナー剥離の改善をもたらす。例えば、1つの実施形態において、外層(Viton−GF(登録商標))の(炭素鎖による)官能性付与は、表面自由エネルギー(SFE)の約18%の低減をもたらし得る(約26.5mN/mから約21.7mN/m)。
【実施例】
【0061】
実施例1−表面過フッ素化ビニリデンフルオリドポリマー
VITON(登録商標)GF(AO700硬化)の独立の5cm片を、触媒量のテトラブチルアンモニウムブロミド(nBuNBr)を含む8M NaOH水溶液に浸漬し、リンスし、そして減圧下で乾燥させた。接触角測定を、図4に示すように行った。表面自由エネルギー(SFE)は、26.5mN/mから19.5mN/mまで低下した(図4)。このことは、脱フッ化水素が起きたことを裏付ける。水溶液はポリマーを膨ませないので、ビニリデンフルオリドのNaOH水溶液/触媒nBuNBr溶液による処理は、最外層(40〜80Å)の脱フッ化水素しか生じないことが以前に示されている。この理由により、硬化VITON(登録商標)GFの脱フッ化水素は、フィルム−水界面においてのみ起こることが仮定された。UV−VisおよびIRの分光光度測定により、除去前後のスペクトルの間で相違が認識されず、材料の嵩は、維持されていることが確認された。
【0062】
脱フッ化水素後、VITON(登録商標)GFの表面を、1H,1H−パーフルオロヘキシルアミンの1:1w/w MeOH/HO中0.017M溶液で処理した。フィルムを反復して洗浄し、減圧下で乾燥させた。UV−VisおよびIR分光光度測定は、材料の嵩が変わらないことを明らかにし、一方、SFE測定は、表面が官能性付与されたことを確認した(図4)。図4上:本実施例においてVITON(登録商標)フィルムの表面において起きた除去/アミノ化化学の図。下:左から右へ、VITON(登録商標)GF上の水滴、HF除去後のVITON(登録商標)GF上の水滴、およびパーフルオロアルキルアミノ化後のVITON(登録商標)GF上の水滴。
【0063】
SFEは、1H,1H−パーフルオロヘキシルアミンによるアミノ化により、19.5mN/mから21.7mN/mに僅かに増大した(図4)。それでもなお、パーフルオロアミンによる表面処理は、未処理のVITON(登録商標)GF開始材料よりもほぼ5mN/m低いSFEをもたらし、これは、優れたトナー剥離を示すパーフルオロアルキルオキシ樹脂(PFA、SFEは約18mN/m)とほぼ同じく良好である。パーフルオロアルキル鎖の付加は、SFEの低下を予測させたが、僅かな増大が観察された。1つの可能性のある説明は(理論に束縛されないが)、(特に、アルキル鎖が表面から垂直に配向されない場合)、曝露されたN−H結合の存在が、親水性効果の競合をもたらしたことである。これらの2つの現象は、ほぼ互いに相殺し得、直鎖状パーフルオロアミンによるアミノ化の際に観察されるSFEの、僅かな増加を生じる。
【0064】
実施例2−パーフルオロアルキル化トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの合成
パーフルオロアルキル鎖を表面から遠ざけるように配向させる分子幾何学を有する分枝鎖状アミン(または他の求核剤)は、曝露した水素結合ドナーおよび/またはアクセプターの存在を除去し得、さらにSFEを低下させると仮定される。トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)コアに基づくポリフルオロアルキル化アミンを、図5に示されるように合成した。
【0065】
パーフルオロアルキル化TRIS分子(図5のように合成される)の構造を最適化する気相幾何学において、アミンコアの幾何学およびフェニルビニルリンカーの剛性は、パーフルオロアルキル鎖がポリマー骨格の外へ遠ざかるように配向する錐型分子を生じる。分枝が表面フッ素密度を増大させ鎖が表面と平行に配向することを防止すると予測されるので、分枝鎖状ポリパーフルオロアルキル化誘導体は、直鎖状(非分枝鎖状)パーフルオロアルキルアミンを含む組成物を改良することが予測される。
図1
図2
図3
図5
図4