(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ベース部に動作可能に接続され、かつ前記照明デバイスに隣接して配置された反射器であって、前記光電センサへ反射するために前記受像部材の前記表面の方に前記送信光を向けるように構成されたレンズ反射器をさらに含む、請求項1に記載のプリンタ。
前記ベース部が、第1部分と第2部分の間に配置されたチャンネルを画定し、前記第1部分および前記第2部分は、前記受像部材の前記表面と接触しているように構成され、前記チャンネルは、インク画像と非接触関係で間隔を空けて配置されるための十分な深さを含むように構成された、請求項2に記載のプリンタ。
モータ、滑車およびラインをさらに含み、前記ラインが、前記滑車および前記移動可能部材に動作可能に接続され、前記モータが、前記ラインに動作可能に接続され、前記モータは、前記ラインの位置を調整して、前記移動可能部材を前記受像部材の前記表面を横切って移動させるように構成された、請求項1に記載のプリンタ。
第1端部と第2端部とを有する像形成ドラムにインクを堆積させる複数のインクジェットノズルを備える印字ヘッドを有するオフセット相転移インクジェットプリンタにおいて、作動しないノズルの位置を判定する方法であって、
前記像形成ドラムにインクを堆積するステップと、
前記像形成ドラムの前記第1端部から前記第2端部まで第1の方向に移動する光電センサによって前記堆積されたインクをスキャンするステップと、
前記像形成ドラムの前記第2端部から前記第1端部まで第2の方向に移動する前記光電センサによって前記堆積されたインクをスキャンするステップと、
前記第1の方向および前記第2の方向における前記堆積されたインクのスキャン中、前記像形成ドラムに接触するが、前記像形成ドラムに堆積された前記インクには実質的に接触しないよう互いに十分に間隔を空けて配置されている第1の接触部と第2の接触部とを有するそりで、前記光電センサを支持するステップと、
を含む、方法。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印字ヘッドにおいて、個々の圧電、サーマル(熱)、または音響アクチュエータは、印字ヘッドのフェイスプレート内の、通常はノズルと呼ばれる開口部を通してインクを放出する機械力を発生させる。アクチュエータは、ときには発射信号と呼ばれることもある電気信号に応じて、インク液滴を放出する。発射信号の大きさ、または電圧レベルは、インク液滴内に吐出されたインクの量に影響する。発射信号は、印字ヘッドコントローラによって画像データに関連して発生する。インクジェットプリンタ内の印刷エンジンは、画像データを処理して、プリンタの印字ヘッド内のインク噴出口を特定し、特定されたインク噴出口は、受像面の特定の場所でインク液滴のパターンを吐出するように動作して、画像データに対応するインク画像を形成する。インク液滴が落ちた場所は、ときには「インク液滴場所」、「インク液滴位置」、または「画素」と呼ばれることもある。
【0003】
相転移インクジェットプリンタは、ダイレクト(直接)印刷工程またはオフセット印刷工程を用いて画像を形成する。ダイレクト印刷工程では、溶融インクは、記録媒体上へ直接に噴出されて画像を形成する。インダイレクト(間接)印刷工程とも呼ばれるオフセット印刷工程では、溶融インクは、回転ドラム、ベルト、またはバンドの表面などの回転部材の表面上へ噴出される。記録媒体は、回転部材の表面に形成されたインク画像に同期して、同表面のもっとも近くに移動する。次いで記録媒体は、同媒体が回転部材とトランスフィックス(転写定着)ローラとの間に形成されたニップ(挟持部)の中を通過しながら、回転部材の表面に押し付けられる。インク画像は、ニップ内の圧力によって記録媒体に転写され、付着される。媒体に画像を転写するこの工程は、「トランスフィックス」工程として知られている。
【0004】
画像データによって表された画像物体およびカラーへの忠実性に関して、印刷された画像が画像データに密接に対応するように、印字ヘッドは、受像面の基準と、およびプリンタ内の残りの印字ヘッドとレジストレーションすることができる。印字ヘッドのレジストレーションは、印字ヘッドが周知のパターンでインクを吐出し、かつ印刷された周知のパターンが分析されて、画像形成面に関しておよびプリンタ内の残りの印字ヘッドに関して、印字ヘッドの位置合わせを決定する工程である。しかしながら、印字ヘッドの適切な位置合わせは、しばしば検証される。さらに加えて、インクジェット吐出部の適切な動作の検証は、印刷された画像の分析によって行うことができる。この分析は、印字ヘッドの位置または印字ヘッドの動作を調整するのに用いられるデータを発生させて、推定された状態からの印字ヘッドの偏位を補償する。
【0005】
印刷された画像の分析は、2つの方向に関連して行われる。「工程方向」は、受像面が印字ヘッドのそばを通過しながら、受像部材が移動している方向を指す。「工程直交方向」は、工程方向に実質的に直角の、典型的には受像部材の幅を横切る、方向を指す。印刷された画像を分析するために、受像部材上にテストパターンを発生させて、駆動したインク噴出口がインクを吐出したかどうか、および吐出されたインクが正確な場所に落ちたかどうかを判断し、それによって受像部材との、およびプリンタ内の他の印字ヘッドとの、印字ヘッドの適切な位置合わせを推測する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図6は、本明細書と関連のあるエレメントを有する先行技術のインクジェットプリンタ10を図示する。示された実施形態において、プリンタ10は、シート記録媒体上へ印刷する固体インク印刷工程を実装する。インクジェットプリンタおよびインクジェット印字ヘッドは、
図6に描写されたプリンタ10に関連して以下で説明されるが、本明細書で開示される主題の方法および装置は、ロール紙画像基板またはシート記録媒体上へ直接にインクを吐出する印字ヘッドを有する、任意のプリンタ、連続ロール紙インクジェットプリンタまたはカートリッジ・インクジェット・プリンタにおいて用いることができる。
【0010】
インクジェットプリンタ10は、高速相転移インク画像生成機またはプリンタである。図示されるように、プリンタ10は、以下で説明されるような動作サブシステムおよびコンポーネントを直接にまたは間接的に支持するフレーム11を含む。プリンタ10は、画像形成ドラムの形で示された受像部材12を含むが、画像形成面を有する画像形成ベルトまたはバンドも含むことができ、それぞれはエンドレスベルトまたはバンドとすることができる。受像部材12は、方向16に移動可能な画像形成面14を有し、相転移インク画像は画像形成面14に形成される。方向17に回転可能なトランスフィックスローラ19は、ドラム12の表面14に対して荷重をかけられて、トランスフィックスニップ18を形成し、トランスフィックスニップ18内で、表面14に形成されたインク画像は、加熱媒体シートなどの記録媒体49上へトランスフィックスされる。
【0011】
高速相転移インクプリンタ10は、固形の1つのカラー相転移インクから成る少なくとも1つの供給源を有する相転移インク供給サブシステム20も含む。相転移インクプリンタ10が多色画像の生成機であるので、インク供給システム20は、相転移インクの4つの異なるカラーCYMK(シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック)を表す4つの供給源22、24、26、28を含む。相転移インク供給システム20は、少なくとも1つの印字ヘッドアセンブリ32を含む印字ヘッドシステム30に、液体形態を供給するのに適している。各印字ヘッドアセンブリ32は、受像部材12の表面14上へインク液滴を吐出して同表面にインク画像を生成するように構成された少なくとも1つの印字ヘッドを含む。
【0012】
さらに示されるように、相転移インクプリンタ10は、媒体搬送体としても知られている記録媒体供給および取扱システム40を含む。記録媒体供給および取扱システム40は、シートまたは基板供給源42、44、48を含むことができ、例えば同供給源のうちの供給源48は、カット媒体シート49の形をした受像基板を保管しかつ供給する高容量用紙供給源またはフィーダである。記録媒体供給および取扱システム40は、基板加熱または予熱アセンブリ52を有する基板取扱および処理システム50も含む。示されるような相転移インクプリンタ10は、ドキュメント保持トレイ72、ドキュメントシート供給および回収デバイス74、ならびにドキュメント露光およびスキャンシステム76を有する原ドキュメントフィーダ70も含むことができる。
【0013】
機械またはプリンタ10に属する種々のサブシステム、コンポーネントおよび機能の動作および制御は、コントローラまたは電子サブシステム(ESS)80の助けを借りて行われる。ESSまたはコントローラ80は、受像部材12、溶融および制御装置20、印字ヘッドアセンブリ32、34(およびそれゆえに印字ヘッド)、ならびに基板供給および取扱システム40に動作可能に接続される。ESSまたはコントローラ80は、例えば、電子記憶装置84を備えた中央処理装置(CPU)82、およびディスプレイまたはユーザインターフェース(UI)86を有する、内蔵式の専用ミニコンピュータである。温度センサ54は、コントローラ80に動作可能に接続される。温度センサ54は、受像部材12が回転して温度センサ54のそばを通り過ぎながら、受像部材表面14の温度を測定するように構成される。一実施形態において、温度センサは、受像部材12の選択された部分の温度を測定するように構成されたサーミスタである。コントローラ80は、温度センサからデータを受信し、受像部材12の表面14の1つ以上の部分の温度を特定するように構成される。
【0014】
ESSまたはコントローラ80は、センサ入力および制御回路88ならびに画素配置および制御回路89を含むことができる。加えて、CPU82は、スキャンシステム76などの画像入力源またはオンラインもしくは作業ステーション接続部90と、印字ヘッドアセンブリ32および34との間の画像データフローを読み取り、取り込み、調整し、管理する。そういうわけで、ESSまたはコントローラ80は、以下で説明される印刷工程を含む残りの機械サブシステムおよび機能のすべてを動作させかつ制御する主要なマルチ・タスク・プロセッサである。
【0015】
コントローラ80は、例えば、操作者によるユーザインターフェース86を介した入力からの、関連したサブシステムおよびコンポーネント制御を決定しおよび/または受け取り、それに応じてこのような制御を実行する。結果として、適切なカラー固形式相転移インクは、溶融され、印字ヘッドアセンブリ32および34へ供給される。加えて、操作者は、ユーザインターフェースにおいてなされた入力コマンドを通じて、本明細書で説明されるように、1つ以上の印字ヘッドの浄化を実行することができる。いくつかの印刷動作において、単一のインク画像が、画像形成部材12の全表面を覆うことができ(単一ピッチ)、または複数のインク画像が、画像形成部材12に堆積することができる(多ピッチ)。その上に、インク画像は、単一通過で堆積することができ(単一通過法)、または同画像は、複数通過で堆積することができる(多数通過法)。多ピッチ印刷アーキテクチャにおいて、受像部材の表面は、多数のセグメントに分割され、各セグメントは、全ページ画像(すなわち、単一ピッチ)およびパネル間ゾーンまたはスペースを含む。例えば、2ピッチ受像部材12は、2つの画像であって、受像部材12の回転中に、それぞれ単一シートの記録媒体に対応する2つの画像を含むことができる。同様に、例えば、3ピッチ中間転写ドラムは、3つの画像であって、受像部材12の通過または回転中に、それぞれ単一シートの記録媒体に対応する3つの画像を含むことができる。
【0016】
画像形成方法によって、コントローラ80の制御の下で受像部材12上に画像がいったん形成されると、典型的なインクジェットプリンタ10は、同画像を転写して定着する工程に転換する、またはトランスフィックスローラ19において受像部材12から記録媒体49上へ画像形成する。同工程によれば、1シートの記録媒体49は、コントローラ80の制御の下で、トランスフィックスローラ19に隣接する位置へ、次いでトランスフィックスローラ19と受像部材12の間に形成されたニップの中を搬送体によって搬送される。トランスフィックスローラ19は、記録媒体49の前面を受像部材12に押し付けるように、記録媒体49の背面に対して圧力を加える。
【0017】
図1は、画像形成ドラム12に隣接して配置されたトランスフィックスローラ19の斜視図である。画像形成ドラム12は、シリンダ102の各端部と係合する複数のスポーク100を含む。複数のスポーク100は、ハブ104に動作可能に接続される。ドラム12の各端部は、開口していて、ハブ104および複数のスポーク100によって支持することができる。ハブ104は、必要ならば、ドラム内部に電気配線を通すための通路を含むことができる。さらに加えて、図示されない軸受をハブ104の外面に用いて、ハブ104の縦軸に沿って画定された回転軸106の周りに、シリンダ102の回転移動を可能にする。スポーク100は、ハブ104から延びて、ドラム12のシリンダ102を支持し、かつドラム12内部の空気循環用通気路を提供する。
【0018】
光電センサデバイス110は、画像形成そり112、第1滑車114および第2滑車116、ならびに第1滑車114と第2滑車116を係合する、ライン、コード、またはケーブル、ベルトもしくはひもなどの、1本の材料118を含む。デバイス110は、第1滑車114に動作可能に接続された歯車120をさらに含み、同歯車は、プリンタの支持構造体(図示せず)によって支持されたモータ122によって駆動される。モータ122は、軸128の周りを回転移動する歯車126を支持するシャフト124を含む。1本の材料118は、可撓性および非弾力性の特徴を含むさまざまな材料から作ることができる。モータ122を含む駆動機構は、ACモータ、DCモータ、およびステッピングモータなどの、相当数の異なる種類の電気モータを含むことができる。加えて、コントローラによって多くの重なり合う画像が取得され、互いに縫い合わされてテストパターンの完全な画像を形成することができるので、モータ122を含む駆動機構は、画像形成そりを移動させる精密駆動機構である必要がない。加えて、モータを有する駆動機構ならびに第1および第2滑車が説明されているが、モータ駆動式送りねじおよびラック・アンド・ピニオン式駆動などの他の種類の駆動機構を用いて、そりを移動させることができる。
【0019】
画像形成そり112は、ライン118に動作可能に接続され、モータ122によって駆動される第1滑車114の移動に応じて、ドラムの表面14を横切って移動する。画像形成そり112は、第1端部130から第2端部132まで、およびシリンダ102の両端部間の場所を移動して、表面14を画像形成し、ドラム12の表面14に堆積したインク画像を形成することができる。第1端部130から第2端部132まで移動すること、および第2端部から第1端部130まで戻ることに加えて、画像形成そり112は、第1端部130と第1滑車112の間に配置された場所134へ、ドラム12の表面14から全体に離れて移動させることができる。図示されないが、説明した実施形態は、画像形成そり112がドラム12の表面14から離れて移動するとき、画像形成そり112が支持用に位置決めすることができるステーションまたはプラットホームを含むことができる。モータ122は、コントローラ80に動作可能に接続される。モータ122は、コントローラ80によって提供される信号に応じて、画像形成そりをドラム12の表面14との係合状態に入れたり、同状態から出したりする。
【0020】
上述したように、インクは、オイル被覆ドラムを含むことができる画像形成面14に堆積し、次いでオフセット固体インク印刷工程において用紙上へ転写される。インクがドラム上に形成されるので、画像形成そり112は、インク液滴の場所がドラムに堆積するように決定することができる。画像形成そり112を工程直交方向にドラム12を横切って移動させることによって、画像形成そり112は、ドラム12の表面14を、および表面に堆積しているインクをスキャンすることができる。画像形成そり112は、少なくとも1つのセンサを含み、ドラムの表面の画像および/またはドラムに堆積したインクの画像を提供する。本明細書で使用されるように、画像形成面にインクを堆積させることは、インクを有するドラムまたはインクを有しないドラムの表面にインクを堆積させることを含むことができる。
【0021】
画像形成そり112は、印字ヘッド内の噴出不足を検出することができ、多数の印字ヘッドを有するインクジェットプリンタにおいて隣接する印字ヘッドを整列させるのに用いることができる。加えて、画像形成そり112を用いてテストパターンなどのインク画像をスキャンすると、インクジェットプリンタにおける全幅アレイ印字ヘッドのアラインメント(整列)情報および性能情報を提供することができる。加えて、工程方向に隣接するインク噴出口からのインク液滴のアラインメントを判断することができる。当業者には周知の他の多くの欠陥およびアラインメントを修正することができる。説明した実施形態における1つの固有の属性は、同一のセンサ素子を用いて画像形成ドラムの幅全体をスキャンする能力である。例えば、先行技術のインク・オン・ドラム(IOD)スキャン処理システムは、多数のセンサを備えた長いアレイを用いていた。この配列では、較正画像の幅を横切る異なるセンサが用いられている。これらの異なるセンサ素子がかなりの雑音を有することは、よく知られている。多くの属性にとって、このセンサ雑音は、測定された信号と比較して極めて大きい。例えば、従来の「強度バンディング」または「カラーバンディング」を、長いセンサアレイを用いて測定するのは困難である。しかしながら説明した実施形態では、画像の幅を横切って測定するために正確に同一のセンサが用いられる。これにより、センサはセンサ感度があるようになり、バンディングなどの避けられないページ幅大の欠陥を測定して修正する能力を高めることが可能となる。
【0022】
インクジェット印字ヘッド技術は、極めて多数のインク噴出口を含み、必要なときにどのインク噴出口ノズルからも一貫性のあるようにかつ適切にインクを吐出することは、不可能ではないにしても困難とすることができる。コマンド信号に応じてどのインク噴出口からもインクを堆積させるように、印字ヘッドが製造されてはいるが、印刷環境によっては、1つ以上のインク噴出口が毎日のように故障することがある。例えば、プリンタは、省エネルギ要件を満たすために、夜間に低減された電力で動作することができ、または夜にオフすることもある。プリンタがいったん印刷するための動作温度に回復すると、印字ヘッドのインク噴出口は、浄化されてインク噴出口から気泡を取り除く。しかしながらこれらの条件の下で、インク噴出口の一部は、1回の浄化の後では取り除くことができず、すべてのインク噴出口から取り除くために、インクの追加の浄化が必要となることがある。
【0023】
印刷を改善するために、かつ印字ヘッドを浄化するのに必要なインクの量を低減するために、画像形成そり112を用いて、表面14に堆積したテスト画像を形成するによって、1つ以上の不足しているインク噴出口を検出して特定することができる。不足している1つのインク噴出口または複数のインク噴出口の特定後、コントローラ80は、印刷アルゴリズムを修正して、不足しているインク噴出口を実質的に隠すことができる。印刷アルゴリズムを修正することによって、印刷の変則性が修正印刷アルゴリズムによって隠すことができるので、結果として生じる画像は、依然として十分な細部および正確さを含むことができる。同様に、非活動期間後またはそうでない期間後に印字ヘッドを浄化するのに必要なインクの量は、印刷アルゴリズムを用いて不足しているインク噴出口を隠すことができるので、浄化がより少なくてよいことになり、それによって低減することができる。場合によっては、かなりの量のインクを節約することができる。
【0024】
図2は、滑車114に動作可能に接続された画像形成そり112を含む、
図1の画像形成ドラムの部分斜視図を図示する。画像形成そり112は、デッキ状体146に動作可能に接続された第1滑走部142および第2滑走部144を含むベース部140を含み、デッキ状体146は、第1滑走部142および第2滑走部144にまたがる。第1突出部148は、デッキ状体146の一端部に動作可能に接続される。
図2には示されていない第2突出部150は、第1突出部148に動作可能に接続された端部の反対側にある、デッキ状体の第2端部において位置決めされる。ライン118は、第1突出部148および第2突出部150に固定されて、歯車120およびウォーム歯車126によって駆動される滑車114の回転移動が、画像形成そり112をドラム12の表面14を横切って移動させるようにする。
【0025】
デッキ状体146は、画像形成回路156および照明デバイス158を含む回路基板154を支持する。照明デバイス158は、回路基板154上に配置されて、レンズ反射器160によってドラム12の表面14に光を向ける。
図3は、ベース部140、回路基板154、画像形成回路156、照明デバイス158、およびレンズ反射器160を含む画像形成そり112の分解図を図示する。
図3のレンズ反射器160は、照明デバイス158の出力がドラム12の表面14の方に反射されることを指し示すように、模式的に図示される。
図4に説明した構成などの、他の構成が可能である。
図3は、ベース部140に動作可能に接続されたカバーであって、画像形成回路156、照明デバイス158、およびレンズ反射器160用にベース部140と組み合わせて囲いを提供するカバー162も図示する。
【0026】
画像形成回路156は、光検知素子または光検知素子のアレイ、およびデッキ状体146によって接続されかつ移動用に支持された関連電子機器を含む。ドラム12の表面14を横切って移動するように構成されたデッキ状体146は、ドラムの一部または実質的に全部を横切って工程直交方向に、光検知素子を含む画像形成回路156を移動させる。一実施形態において、画像形成回路156は、フォト(光)ダイオードの2次元アレイ、例えば16x16フォトダイオードのアレイ、を含む電子デバイスとすることができる。フォトダイオードの長方形アレイを含む、他のより多数のまたはより少数のフォトダイオードのアレイを用いることができる。フォトダイオードのアレイは、1インチ当たり約400〜800ドット(dpi)の解像度で画像を提供する。加えて、光路回路は、フォトダイオードのアレイに動作可能に接続されて、フォトダイオードのアレイによって検知された画像を代表する電子信号を提供する。
【0027】
画像形成回路156は、照らされたドラム面またはドラムに堆積した、照らされたインク画像に応じて、画像情報および位置情報を提供することができる。ドラム面またはインク画像は、照明デバイス158によってレンズ反射器160と組み合わせて照らすことができる。照明デバイス158が、図示されている発光ダイオード(LED)を含むことができるが、照明の他の発生源を用いることもできる。LEDは、レンズ反射器160に隣接して配置されて、
図4で説明したように、その放射光がレンズ反射器160の第1レンズ164に向けられるようにする。第1レンズ164は、ドラム面14および/またはドラム面14のインクに放射光を向けるように構成された反射器160の指向部166に位置決めされる。放射光は、同ドラム面および/または同インクから反射され、レンズ反射器160の受信部170内に配置された第2レンズ168を通して画像形成回路156に向けられる。
【0028】
図4において理解できるように、レンズ反射器は、側壁172および174ならびに端部壁176および178を含み、ドラム面に隣接して配置された開口端を有するチャンバを画定する。各壁172、174、176、および178は、ドラム面に隣接して配置された平面180を画定する終端部を含む。一実施形態において、平面180は、ドラム12の表面14〜約5ミリメートルにある。指向部166は、回路基板154の開口部182を通して延びて(
図3を参照)、第2レンズ168が画像形成回路156のフォトダイオードに隣接して配置されるようにする。
【0029】
レンズ反射器160は、第1レンズ164および第2レンズ168を一体の部品として含むように形成された単一部品から作ることができる。レンズ反射器160は、個々のレンズを支持する支持構造体、または1つの一体レンズおよび1つの単一レンズを含むように形成された支持構造体を含む多数の部品から形成することもできる。別の一実施形態において、レンズのうちの一方または両方は、レンズ反射器160の構造体、および照明デバイス158の特徴または画像形成回路156のフォトダイオードの特徴に依存して、省くことができる。加えて、レンズ反射器160が、各端部壁176および178において角度のついた部分または側面を含む明瞭な形状を含むように示されるが、他の構成も可能である。
【0030】
画像形成回路156のフォトダイオードアレイは、相当数のベンダから入手することができるASICであって、ドラム12の表面14の画像または表面14に堆積したインク画像、および表面14の画像形成そり112の場所、を提供するように構成することができるASICを含むことができる。ASICは、コントローラ80内でプログラム命令として構成することができる高速画像処理ルーチンを用いて、表面14内のまたは表面14にある小さい特徴を測定し、xおよびy座標情報を含む位置情報を出力することができる。座標情報を提供することに加えて、センサは、表面の2次元画像を提供することができる。したがって、画像形成回路156は、画像形成そり112がコントローラ80に位置制御情報を提供し、それによってエンコーダとして機能し、かつ画像形成そり112がコントローラ80に画像情報を提供し、それによって撮像素子または画像発生器として機能する、ことを可能にする情報を提供することができる。画像形成回路156もしくは回路基板154またはこれらの両方は、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、無線、マイクロ波、赤外線または他の通信技術などの、有線接続または無線通信を通して、コントローラ80へ信号情報を送信し、コントローラ80から信号情報を受信することができる。画像形成そりがコントローラ80に位置制御情報を提供することができるので、説明した実施形態は、別個の位置エンコーダを用いずに動作することができるが、これは、センサによって画像形成されたインク液滴テストパターン情報が位置エンコーダとして機能することができるからである。
【0031】
フォトダイオードアレイが画像形成用に説明されるが、画像形成回路は、単一のセンサ素子、多数のセンサ素子、レーザセンサ、および内蔵フィルタ付センサを含むように構成することができる。一実施形態において、画像形成回路156は、約1000画像フレーム/秒で多数の画像を取り込むことができる。回路156は、移動の距離、すなわちx/y移動のエンコーダ信号を計算するために、これらの画像を互いに比較する内蔵電子機器を含むことができる。ASICは、低速度(5〜10フレーム/秒)でフレームグラブ(フレーム単位の取り込みデータ化)を可能にするシリアルポートも含む。
【0032】
フォトダイオードは、「光」を画像形成してまたは見て、デジタルシステムにおいて理解される、「光」の量に比例する単一値(典型的には0〜255値)を出力する単色デバイスである。フォトダイオードは広範囲のカラーを検出することができるものの、場合によっては、フィルタをチップ内に組み込んで、かつフィルタを異なるフォトダイオード全部に配置して、光の一定波長だけを検出することができる。いくつかの実施形態において、センサは、赤色、緑色、および青色フィルタを(それぞれ対応するフォトダイオードとともに)有することができる。例えば赤色フィルタは、赤色波長だけを透過する。白色光がシアンインクを有する表面を照らすと、赤色フィルタを有するフォトダイオードは、極めて低い値、例えば約ゼロを有することになり、緑色および青色フィルタを有するフォトダイオードは、極めて高い値を有することになる(それでもシアンインクが緑色および青色光を放出するので)。照明源として白色光とフィルタを有する3つのフォトダイオードとを用いると、画像形成回路がカラーを区別することが可能となる。カラーを区別することによって、画像形成そりは、プリンタにおける色補正(カラー補正)およびグレーバランスを提供することができる。色補正は、種々のカラーを生み出す、インクを混ぜ合わせる工程である。グレーバランスは、グレーの色相または濃淡を調整することができる色補正の一タイプである。
【0033】
一実施形態において、画像形成回路156もしくはコントローラ80、またはこれらの両方は、1つのフォトダイオードまたは複数のフォトダイオードによって検知された画像に適用することができるしきい値処理アルゴリズムを提供して、検知された画像のコントラストを増大させることができる。例えば、インク画像が、工程方向に関してある角度で間隔を空けて印刷されたラインから成るとき、しきい値処理アルゴリズムは、離型剤で覆われたドラム12の表面14を含む背景と比較するとき、インクラインのコントラストを増大させるように適用することができる。一しきい値処理アルゴリズムにおいて、例えば100IU(IU)を下回るより暗いグレー値は、インクで塗布されたラインを表す、より暗い画素である。100を上回る値は、より明るい背景雑音であり、一般にドラムの表面およびもしあれば離型剤である。単一の光素子または単一の光センサ画像形成回路156が一般に100のしきい値を決定することができるものの、多数の光素子または多数の光センサアレイを用いて、信号対雑音比を増大させることができる。
【0034】
画像形成回路156は、1つ以上の異なる種類の、さまざまな異なるベンダから入手可能な相補型金属酸化物半導体(CMOS)チップまたはマイクロプロセッサを含むことができる。一実施形態において、選択されたチップは、さまざまな照明条件においてホワイト・カラー・バランスを提供して、画像のカラー一貫性を維持することができる。チップは、人間の眼によって決定されるような光強度およびカラーを測定しながら光源スペクトル誤差を除去する、内部の赤外線阻止フィルタも含むことができる。このようなセンサは、チップに組み込まれたアナログ・トゥー・デジタル(AC/DC)コンバータも含み、それゆえにAC/DCコンバータを含まない他のチップと比較すると、電子機器に対して費用対効果を提供することができる。このようなチップは、単一のCMOSチップ上に、設定可能なカラーフィルタ処理したシリコンフォトダイオードおよび電流/周波数コンバータの組み合わせも含むことができる。
【0035】
照明デバイス158は、レンズ反射器160と組み合わせてドラム12の表面のインクに光を向ける。別の一実施形態において、照明デバイスは、多色のLEDアレイを含むことができる。2つ以上の異なるカラーのLEDを選択することによって、発生した照明を用いて、ドラムに堆積した異なるカラーインクの信号対雑音比を増大させることができる。例えば、インクの異なる種類および異なるカラーの吸収特性は変化することがあり、したがって、LEDの種類は、画像形成回路156によって受信された反射画像の特徴を最適化するように選択することができる。
【0036】
例えば、カラー情報は、RGB(赤色、緑色、および青色)LEDを用いて得ることができる。一例として、カラーの黄色は青色光を吸収する。白色光(白色はすべてのカラーを含有する)が黄色材料を照らす場合、黄色材料は、大部分の短い(青色)波長を吸収し、緑色波長から赤色波長を反射して、黄色として見られる。したがって、ドラム面に堆積した黄色インクラインを画像形成するために、青色LEDはもっとも効果的である。それゆえに、黄色ラインは大部分の青色カラーを吸収し、光はほとんど戻らないので、フォトダイオードセンサには黒色のように見える。周囲のドラム面は、青色波長を反射してフォトダイオードに戻し、アルミニウムドラム上の黄色ラインは、フォトダイオードアレイには白色背景上の黒色ラインのように見える。青色LEDを用いて黄色インクの画像を形成することができ、緑色LEDを用いてマゼンタインクの画像を形成することができ、赤色LEDを用いてシアンインクの画像を形成することができる。したがって、異なるRGBカラーがオンされると、異なるCMYカラーが、ドラム上で(白色背景に対してすべて黒色として)画像形成することができる。カラーの黒色は、黒色がすべての波長を吸収するので、カラーのうちのいずれかによって画像形成することができる。
【0037】
上述したように、画像形成そり112は、印刷動作中にドラムをオフ位置にすることができ、用紙粒子、ハウスダスト、またはインク粒子などの破片から画像形成そり112を保護することができる。スキャン動作が必要になると、そり112は、ドラム面14上へ移動することができる。そり112がいったんドラム面と接触すると、そり112は、上述したようにドラムの表面を横切って第1滑走部142および第2滑走部144上を移動する。画像形成そり112のベース部140の底面斜視図を示す
図5においてさらに説明されるように、第1滑走部142および第2滑走部144は、デッキ状体146から離れて延び、かつデッキ状体146の長さに沿って延びる。滑走部142および144は、それぞれ接触面184および186を含み、各接触面は、デッキ状体146によって画定された平面に関して角度がついている。表面184および186が、例示のために特定の角度で示されるが、このような表面の角度は、一般に、滑走部142および144によって接触したドラム面14の半径によって画定することができる。加えて、滑走部142および144の先頭および後尾エッジ190は、
図3に説明したように丸いとすることができ、またはドラム12の表面14と係合するときに滑走部142および144によって発生した摩擦の量を低減するために角度のついたとすることができる。別の一実施形態において、滑走部142および144のうちの1つ以上は、除去することができ、車輪などの他の構造体を用いて、画像形成そり112をドラム12の表面14を横切って移動させることができる。滑走部142および144を含むベース部140全体は、低摩擦係数を有する材料から作られ、または表面184および186は、低摩擦係数を有する材料で被覆されて、表面14を横切るそり112の移動を可能にすることができる。ベースの接触している部分は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびポリカーボネートを含む、多くの異なる種類のプラスチック材料から作ることができる。ベース部140は、別個の部品から組み立てることもできる。
【0038】
ベースの形状および特にドラム12の表面14からのデッキ状体146の距離は、ドラムの表面およびドラムに堆積したインク画像に関して、フォトダイオードの焦点距離を制御する。一実施形態において、フォトダイオードから表面14までの距離は、約5ミリメートルである。プラットホーム146から測定された滑走部142および144の高さを用いて、表面からのフォトダイオードの間隔を制御することができるものの、プラットホーム146の厚さおよび回路基板154の厚さもまた焦点距離を決定することができる。焦点距離の選択は、画像形成回路156へ組み込まれた画像形成デバイスの種類も考慮に入れることができる。
【0039】
ベース部140は、第1突出部148および第2突出部150も含み、各突出部は開口部192を含む。開口部192は、ライン118を画像形成そり112に固定することを可能にするのに十分なサイズを有する孔を画定する。一実施形態においてライン118は、連続的であり、各開口部192を通ってかつベース部140の長さに沿って延びて、連続的ループを画定する。別の一実施形態において、ライン118は、第1突出部148において終端し、滑車114および116の周りに巻き付いて、第2突出部150において終端する。開口部を有する突出部が説明されるが、ライン118は、他の場所に動作可能に接続することができ、および他の手段によってベース部140に動作可能に接続することができる。ベース部は、回路基板154の開口部182に整列した開口部194を含み、上述したようにレンズ反射器160の場所を提供する。
【0040】
第1滑走部142および第2滑走部144は、距離Dだけ離れて配置される。距離Dは、ドラム12の表面14に堆積したインクの量およびインク画像のサイズに従って選択される。一インク画像において、画像は、ドラムの全幅を実質的に横切って延び、工程方向に沿って約0.1インチ〜0.5インチ延びる。本実施形態において距離Dは、1インチの4分の1よりも大きく、第1滑走部142および第2滑走部144がスキャン動作中にインク画像と接触しないことを保証する。第1滑走部142、第2滑走部144、およびデッキ状体146は、通路またはチャンネルを画定して、ドラムの表面14を横切る画像形成そり112の移動が、移動中にインク画像と接触しないようにする。
【0041】
ドラムに堆積したインクの画像を形成するために、画像形成そり112は、ライン118を移動させるモータ122の制御の下で、場所134から第2滑車116の方に移動する。画像形成そり112がドラム12の表面14を横切って移動しながら、画像形成(イメージング)センサ156は、ドラムの表面における工程直交方向のそり112の場所の情報を提供する。代替策としては、実際のインクパターンは、場所および速度制御用のフィードバックとして用いることもできる。同時に、画像形成回路156は、ドラムの表面に堆積したインクの画像情報を提供する。画像形成そり112が、滑車116にもっとも近いドラム12の側面にいったん達すると、モータ122は、コントローラ80の制御の下で滑車114および116の回転を通して方向を反転し、そり112を、ドラムを横切って滑車114の方に戻す。別の一実施形態において、そり112が、必要ならばドラム12の表面から離れて移動することを可能にするために、滑車116は、ドラム12の端部から十分な距離に配置される。