特許第6055745号(P6055745)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055745
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】車両の後部車体構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/06 20060101AFI20161219BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   B62D25/06 A
   B60R11/02 A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-192565(P2013-192565)
(22)【出願日】2013年9月18日
(65)【公開番号】特開2015-58762(P2015-58762A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2015年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】特許業務法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】加藤 明範
(72)【発明者】
【氏名】辻 政志
【審査官】 田合 弘幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−017428(JP,A)
【文献】 特開2012−131338(JP,A)
【文献】 特開2001−341667(JP,A)
【文献】 実開昭62−179820(JP,U)
【文献】 特開昭60−259523(JP,A)
【文献】 特開平03−033385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/06
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室を覆うルーフパネルと、車幅方向に延び、前記ルーフパネルの後縁部の下面に固定されるリヤヘッダとを備えた車両の後部車体構造において、
前記ルーフパネルには、機能モジュールが固定される開口が貫設され、
前記リヤヘッダは、前記車幅方向に延びる延在部を有し、
前記延在部は、前記ルーフパネルとともに又は前記リヤヘッダにより閉断面状に形成され、
前記延在部には、前記開口と対向し、前記機能モジュールを前記車室側から前記ルーフパネルに固定可能とする作業穴が形成され
前記リヤヘッダは、前記作業穴を前記開口に近づける立壁部を有し、
前記リヤヘッダは、前記作業穴周りに前記作業穴を前記開口に近づける環状壁部を有していることを特徴とする車両の後部車体構造。
【請求項2】
車室を覆うルーフパネルと、車幅方向に延び、前記ルーフパネルの後縁部の下面に固定されるリヤヘッダとを備えた車両の後部車体構造において、
前記ルーフパネルには、機能モジュールが固定される開口が貫設され、
前記リヤヘッダは、前記車幅方向に延びる延在部を有し、
前記延在部は、前記ルーフパネルとともに又は前記リヤヘッダにより閉断面状に形成され、
前記延在部には、前記開口と対向し、前記機能モジュールを前記車室側から前記ルーフパネルに固定可能とする作業穴が形成され、
前記延在部はリヤヘッダアッパとリヤヘッダロアとにより形成され、
前記作業穴は、前記リヤヘッダアッパに形成され、前記開口と対向する上部作業穴と、前記リヤヘッダロアに形成され、前記上部作業穴と対向する下部作業穴とからなり、
前記リヤヘッダロアは、前記下部作業穴を前記上部作業穴に近づける立壁部を有し、
前記リヤヘッダロアは、前記下部作業穴周りに前記下部作業穴を前記上部作業穴に近づける環状壁部を有していることを特徴とする車両の後部車体構造。
【請求項3】
前記機能モジュールは、前記開口に装着されるアンテナである請求項1又は2記載の車両の後部車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の後部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図6に従来の車両の後部車体構造が開示されている。この後部車体構造は、ルーフパネルとリヤヘッダとを備えている。ルーフパネルは、車体の上部に位置し、車室を覆っている。リヤヘッダは、車幅方向に延び、ルーフパネルの後縁部の下面に固定されている。リヤヘッダは、リヤヘッダアッパとリヤヘッダロアとを有し、リヤヘッダアッパとリヤヘッダロアとが接合されて閉断面状に形成されている。リヤヘッダよりも前方に位置するルーフパネルには、車室を外部に開き、アンテナが固定される開口が貫設されている。アンテナは車室側からナットで締結され、固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−131338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の後部車体構造では、リヤヘッダの前方におけるルーフパネルに機能モジュールとしてのアンテナが取り付けられているため、例えば、ルーフパネルにサンルーフを設ける場合、サンルーフの前後方向の幅をより大きくとることができないという問題がある。
【0005】
このため、機能モジュールをルーフパネルのできるだけ後方に取り付け、サンルーフの前後方向の幅を大きくとることが考えられる。しかしながら、この場合、ルーフパネルの下面に固定されるリヤヘッダが機能モジュールを取り付ける作業の障害となってしまう。
【0006】
また、サンルーフの前後方向の幅を大きくする一方、リヤヘッダの前後方向の幅を小さくすることも考えられる。しかしながら、この場合には、ルーフパネルの後縁部の剛性が下がってしまう。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、ルーフパネルにおけるリヤヘッダと対応する位置に機能モジュールを設けたとしても、機能モジュールの取り付け作業の作業性を悪化させることがなく、かつルーフパネルの後縁部の剛性を確保することが可能な車両の後部車体構造を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の車両の後部車体構造は、車室を覆うルーフパネルと、車幅方向に延び、前記ルーフパネルの後縁部の下面に固定されるリヤヘッダとを備えた車両の後部車体構造において、
前記ルーフパネルには、機能モジュールが固定される開口が貫設され、
前記リヤヘッダは、前記車幅方向に延びる延在部を有し、
前記延在部は、前記ルーフパネルとともに又は前記リヤヘッダにより閉断面状に形成され、
前記延在部には、前記開口と対向し、前記機能モジュールを前記車室側から前記ルーフパネルに固定可能とする作業穴が形成され
前記リヤヘッダは、前記作業穴を前記開口に近づける立壁部を有し、
前記リヤヘッダは、前記作業穴周りに前記作業穴を前記開口に近づける環状壁部を有していることを特徴とする。
【0009】
本発明の後部車体構造では、ルーフパネルの下面に固定されているリヤヘッダの延在部に開口と対向する作業穴が形成され、作業穴がアンテナ等の機能モジュールを車室側からルーフパネルに固定可能としている。このため、作業穴から機能モジュールを取り付ける作業が簡易となる。
【0010】
また、この後部車体構造では、延在部がルーフパネルとともに閉断面状に形成されているか、又はリヤヘッダにより閉断面状に形成されている。つまり、延在部が立体形状である。また、この後部車体構造では、リヤヘッダがルーフパネルの開口周辺を補強している。このため、この後部車体構造では、ルーフパネルの後縁部の剛性を維持し易い。
【0011】
したがって、本発明の後部車体構造では、リヤヘッダと対応する位置に機能モジュールをルーフパネルに設けたとしても、機能モジュールの取り付け作業の作業性を悪化させることがなく、かつルーフパネルの剛性を確保することができる。
【0012】
本発明の後部車体構造において、リヤヘッダとは、車体のルーフパネルの後方に接合され、ルーフパネルを補強する部材である。このリヤヘッダは、1部材で構成されてもよく、複数の部材で構成されてもよい。
【0013】
延在部はルーフパネルとともに閉断面状に形成され得る。リヤヘッダは、作業穴を開口に近づける立壁部を有していることが好ましい。この場合、リヤヘッダは、ルーフパネルとともに閉断面状に形成される。そして、立壁部が作業穴を開口に近づけるため、作業性が高くなる。
【0014】
リヤヘッダは、作業穴周りに作業穴を開口に近づける環状壁部を有していることが好ましい。この場合、環状壁部が作業穴を開口により近づけるため、作業性がより高くなる。また、リヤヘッダは、立体形状の環状壁部を有しているため、剛性をより確保することができる。
【0015】
延在部はリヤヘッダアッパとリヤヘッダロアとにより形成され得る。作業穴は、リヤヘッダアッパに形成され、開口と対向する上部作業穴と、リヤヘッダロアに形成され、上部作業穴と対向する下部作業穴とからなることが好ましい。リヤヘッダロアは、下部作業穴を上部作業穴に近づける立壁部を有していることが好ましい。この場合、リヤヘッダアッパ及びリヤヘッダロアが閉断面状に形成される。そして、立壁部が上部作業穴及び下部作業穴を開口に近づけるため、作業性が高くなる。
【0016】
リヤヘッダロアは、下部作業穴周りに下部作業穴を上部作業穴に近づける環状壁部を有していることが好ましい。この場合、環状壁部が下部作業穴を上部作業穴に近づけるため、作業性が高くなる。また、リヤヘッダロアは、立体形状の環状壁部を有しているため、剛性をより確保することができる。
【0017】
機能モジュールは、開口に装着されるアンテナであることが好ましい。この場合、アンテナをルーフパネルに固定する際に本発明の作用効果が発揮される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の車両の後部車体構造によれば、リヤヘッダと対応する位置に機能モジュールをルーフパネルに設けたとしても、機能モジュールの取り付け作業の作業性を悪化させることがなく、かつルーフパネルの剛性を確保することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1、2の後部車体構造が用いられる車両の斜視図である。
図2】実施例1、2の後部車体構造に係り、車室側から上面後方を見て、フロントルーフトリム及びリヤルーフトリムを外した状態における平面図である。
図3】実施例1の後部車体構造に係り、図2のA−A矢視断面図である。
図4】実施例1の後部車体構造に係り、図2のB−B矢視断面図である。
図5】実施例2の後部車体構造に係り、図2のA−A矢視断面図である。
図6】実施例2の後部車体構造に係り、図2のB−B矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
【0021】
(実施例1)
実施例1の後部車体構造は、図1に示す車両1に用いられている。この車両1は、車体1aと、4本の車輪1bとを備えている。車体1aの後部は、ルーフパネル3と、1部材からなるリヤヘッダ2と、リヤドア8とを備えている。
【0022】
ルーフパネル3は、車体1aの上部に位置し、図3及び図4に示すように、車室1cを覆っている。ルーフパネル3には、図1及び図2に示すように、車室1cを外部に開くルーフ開口3aが貫設されている。ルーフ開口3aには、ルーフ開口3aを前後方向で開閉可能なサンルーフ9が設けられている。なお、図3に示すように、ルーフ開口3aとサンルーフ9との間にはウエザストリップ10が固定されている。また、ルーフパネル3には、図4に示すように、車室1cを外部に開くアンテナ開口3bが貫設されている。アンテナ開口3bには、アンテナ11が支持されている。アンテナ開口3bがルーフパネル3に貫設されている開口に該当する。
【0023】
ルーフパネル3は、図3及び図4に示すように、ルーフパネル3の後方下面において、リヤヘッダ2を固定するための後縁部4を有している。後縁部4は、縦壁部4aと、ヒンジ取付部4bと、傾斜部4cと、シール取付部4dとを有している。縦壁部4aは、ルーフパネル3の後縁から下方に延びている。ヒンジ取付部4bは、縦壁部4aの下端から水平状態で後方に延びている。傾斜部4cは、ヒンジ取付部4bの後端から下り傾斜で後方に延びている。シール取付部4dは、傾斜部4cの後端から上方に立上っている。ヒンジ取付部4bには、図2及び図4に示すように、左右で2個ずつの挿通孔4eが形成されている。シール取付部4dには、ウエザストリップ13が支持されている。
【0024】
リヤヘッダ2は、図3に示すように、接合部2aと、縦壁部2bと、傾斜壁部2cと、ヒンジ固定部2dとを有している。接合部2aは、リヤヘッダ2の前方に位置している。接合部2aはルーフパネル3の裏面に沿って延びている。縦壁部2bは、接合部2aの後端から下方に延びている。傾斜壁部2cは、縦壁部2bの下端からヒンジ取付部4bに向って下り傾斜で延びている。
【0025】
傾斜壁部2cは、図4に示すように、筒状の立壁部2xと、筒状の環状壁部2yとを有している。立壁部2xは、傾斜壁部2cからアンテナ開口3bに向って上方に延びている。立壁部2xは環状壁部2yよりも大径である。環状壁部2yは、立壁部2xの上縁から上方に向って延びている。環状壁部2yの上端には、作業穴2eが形成されている。作業穴2eはアンテナ開口3bと対向している。立壁部2x及び環状壁部2yが作業穴2eをルーフパネル3のアンテナ開口3bに近づけている。作業穴2eはアンテナ開口3bより大径に形成されている。
【0026】
ヒンジ固定部2dは、傾斜壁部2cの後端から水平状態で後方に延びている。ヒンジ固定部2dは、ルーフパネル3の後縁部4に設けられているヒンジ取付部4bの裏面に当接している。ヒンジ固定部2dには、図2及び図4に示すように、各挿通孔4eと整合する挿通孔2fが形成されている。
【0027】
図3及び図4に示すように、ルーフパネル3の裏面とリヤヘッダ2の接合部2aとが溶接されている。図1及び図2に示すように、リヤヘッダ2がルーフパネル3の裏面に固定されている。
【0028】
こうしてルーフパネル3に固定されたリヤヘッダ2は車幅方向に延びている。リヤヘッダ2は、図2に示すように、左右で一対のヒンジ固定部2dの他に、左右で一対の延在部2gと、凹部2hとを有している。延在部2gは、リヤヘッダ2の右端及び左端に位置している。延在部2gは、図4に示すように、ルーフパネル3とともに又はリヤヘッダ2により閉断面状に形成されている。図2に示すように、アンテナ開口3bと対向する作業穴2eは左端の延在部2gに形成されている。凹部2hは、両延在部2gの間に位置し、両延在部2gよりも後方に向って凹んでいる。両ヒンジ固定部2dはそれぞれ延在部2gの後方に位置している。
【0029】
また、図3及び図4に示すように、リヤドア8は、リヤドアアッパパネル8aと、リヤドアロアパネル8bと、リヤウインドガラス8cと、リヤルーフトリム8dとを有している。リヤドアアッパパネル8aは、車体1aの外側に位置している。リヤドアロアパネル8bは、リヤドアアッパパネル8aに対して車室1c側に位置している。リヤドアアッパパネル8a及びリヤドアロアパネル8bの後方には、リヤウインドガラス8cが設けられている。リヤルーフトリム8dは、リヤドアロアパネル8bの裏面を介し、ウエザストリップ13側からリヤウインドガラス8cの前方までを覆うように設けられている。リヤドアロアパネル8bの裏面には、ウエザストリップ13が当接している。ウエザストリップ13は、車体1aとリヤドア8との間を封止している。
【0030】
ルーフパネル3のヒンジ取付部4b及びリヤヘッダ2のヒンジ固定部2dと、リヤドアロアパネル8bとの間には、それぞれヒンジ12が設けられている。すなわち、リヤドアロアパネル8bには、一対のリヤドア側ヒンジブラケット12bによって一対のボデー側ヒンジブラケット12aが設けられている。各ボデー側ヒンジブラケット12aではボルト17aが突出している。この後部車体構造を組み付ける場合、作業者は、各ボルト17aをそれぞれ挿通孔4e、2fに上方から挿入し、各ボルト17aにそれぞれナット17bを螺合する。こうして、リヤドア8は、両ヒンジ12を介し、ルーフパネル3のヒンジ取付部4b及びリヤヘッダ2のヒンジ固定部2dに支持される。こうして、リヤドア8は、車幅方向に延びる揺動軸心O周りで揺動可能になっている。
【0031】
図2に示すように、ルーフ開口3aは、リヤヘッダ2の両延在部2gの直前まで設けられている。そして、図3にも示すように、リヤヘッダ2の凹部2hには、図示しないモータハウジングを介して駆動装置19が収容されている。この駆動装置19は、モータとギヤ列とからなる。サンルーフ9は、この駆動装置19によってルーフ開口3aを開閉可能とされている。なお、駆動装置19は、車室1c内の図示しないスイッチによって作動する。
【0032】
また、図2及び図4に示すように、アンテナ11にはボルト11aが突出している。この後部車体構造を組み付ける場合、作業者は、ボルト11aをアンテナ開口3bに上方から挿通し、ボルト11aを車室1c側に突出させる。そして、作業者は、作業穴2eからナット11bと工具とを挿入し、ボルト11aにナット11bを螺合する。こうして、アンテナ11がルーフパネル3に支持される。なお、アンテナ11には、図示しないワイヤハーネスが接続されている。
【0033】
そして、図3及び図4に示すように、車室1c側には、フロントルーフトリム21が設けられている。フロントルーフトリム21は、ルーフ開口3aの下方から、リヤヘッダ2の裏面を介し、ウエザストリップ13までを覆うように設けられている。
【0034】
以上のように構成された後部車体構造では、ルーフパネル3の下面に固定されているリヤヘッダ2の延在部2gにアンテナ開口3bと対向する作業穴2eが形成され、作業穴2eがアンテナ11を車室1c側からルーフパネル3に固定可能としている。このため、作業穴2eからアンテナ11を取り付ける作業が簡易となっている。
【0035】
特に、この後部車体構造では、立壁部2xと環状壁部2yとが延在部2gの作業穴2eをアンテナ開口3bに近づけているため、作業穴2eからアンテナ11を取り付ける作業が簡易となり、作業性を高めることができる。
【0036】
また、この後部車体構造では、図2〜4に示すように、リヤヘッダ2の接合部2aが溶接によってルーフパネル3の裏面に固定され、リヤヘッダ2の両ヒンジ固定部2dがボルト17a及びナット17bによってルーフパネル3のヒンジ取付部4bに固定されている。こうして、延在部2gがルーフパネル3とともに閉断面状に形成されている。つまり、延在部2gが立体形状である。また、この後部車体構造では、リヤヘッダ2がルーフパネル3のアンテナ開口3b周辺を補強している。このため、この後部車体構造では、ルーフパネル3の後縁部4の剛性を維持し易い。
【0037】
したがって、この後部車体構造では、リヤヘッダ2と対応する位置にアンテナ11をルーフパネル3に設けたとしても、アンテナ11の取り付け作業の作業性を悪化させることがなく、かつルーフパネル3の剛性を確保することができる。
【0038】
また、この後部車体構造では、アンテナ開口3bと作業穴2eとの厳格な位置合わせを必要としない。このため、位置合わせのための厳格な部品管理を簡略化できるため、歩留まりを上げることができる。
【0039】
また、この後部車体構造では、図1及び図2に示すように、リヤヘッダ2の凹部2hが駆動装置19を回避するよう凹んでいるため、凹部2hに駆動装置19を配置することが可能となっている。そして、凹部2hに駆動装置19を配置すれば、リヤヘッダ2が駆動装置19によって車両1のより後方に位置される必要がない。このため、車両1を設計変更することなく車両1のデザインを保つことが可能となる。
【0040】
さらに、この後部車体構造では、図2に示すように、ルーフ開口3aがリヤヘッダ2の両延在部2gの直前まで設けられている。このため、サンルーフ9を大型化しても、ルーフパネル3が大型化することもなくなる。
【0041】
また、この後部車体構造では、図3及び図4に示すように、リヤドア8が左右一対のヒンジ12を介し、ルーフパネル3のヒンジ取付部4b及びリヤヘッダ2の各ヒンジ固定部2dに固定されているため、ルーフパネル3の後部におけるリヤドア8の支持も含め、剛性が確保されている。
【0042】
(実施例2)
実施例2の後部車体構造では、図5及び図6に示すように、リヤヘッダ5は、リヤヘッダアッパ6とリヤヘッダロア7とを有している。リヤヘッダアッパ6とリヤヘッダロア7ととにより延在部12gが形成されている。
【0043】
リヤヘッダアッパ6は、接合部6aと、ビード部6bと、縦壁部6cと、アッパ側ヒンジ固定部6dとを有している。接合部6aは、リヤヘッダアッパ6の前方に位置している。接合部6aはルーフパネル3の裏面に沿って延びている。ビード部6bは、接合部6aの後縁から縦壁部4aに向って水平方向に延びている。ビード部6bには、図6に示すように、アンテナ開口3bと対向する上部作業穴6eが形成されている。上部作業穴6eはアンテナ開口3bより大径に形成されている。
【0044】
縦壁部6cは、図5及び図6に示すように、ビード部6bの後端から下方に延びている。アッパ側ヒンジ固定部6dは、縦壁部6cの後端から水平状態で後方に延びている。アッパ側ヒンジ固定部6dは、ルーフパネル3のヒンジ取付部4bの裏面に当接している。アッパ側ヒンジ固定部6dには、図2及び図6に示すように、各挿通孔4eと整合する挿通孔6fが形成されている。
【0045】
リヤヘッダロア7は、図6に示すように、接合部7aと、縦壁部7bと、傾斜壁部7cと、ロア側ヒンジ固定部7dとを有している。接合部7aはリヤヘッダアッパ6の接合部6aに沿って延びている。縦壁部7bは、接合部7aの後端から下方に延びている。傾斜壁部7cは、縦壁部7bの下端からアッパ側ヒンジ固定部6dに向って下り傾斜で延びている。
【0046】
傾斜壁部7cは、筒状の立壁部7xと、筒状の環状壁部7yとを有している。立壁部7xは、傾斜壁部7cからアンテナ開口3b及び上部作業穴6eに向って上方に延びている。立壁部7xは環状壁部7yよりも大径である。環状壁部7yは、立壁部7xの上縁から上方に向って延びている。環状壁部7yの上端には、作業穴7eが形成されている。作業穴7eはアンテナ開口3b及び上部作業穴6eと対向している。立壁部7x及び環状壁部7yが作業穴7eをルーフパネル3のアンテナ開口3b及び上部作業穴6eに近づけている。作業穴7eはアンテナ開口3bより大径に形成されている。
【0047】
ロア側ヒンジ固定部7dは、傾斜壁部7cの後端から水平状態で後方に延びている。ロア側ヒンジ固定部7dは、リヤヘッダアッパ6のアッパ側ヒンジ固定部6dの裏面に設けられている。ロア側ヒンジ固定部7dには、図2及び図6に示すように、各挿通孔4e及び各挿通孔6fと整合する挿通孔7fが形成されている。図6に示すように、ビード部6bと、縦壁部6cと、縦壁部7bと、傾斜壁部7cと、ロア側ヒンジ固定部7dとにより閉断面が形成されている。
【0048】
図5及び図6に示すように、リヤヘッダアッパ6とリヤヘッダロア7とは、接合部6aと接合部7aとが溶接されているとともに、アッパ側ヒンジ固定部6dとロア側ヒンジ固定部7dとが溶接されている。図1及び図2に示すように、予め組み付けられたリヤヘッダ2がルーフパネル3の後縁部4の裏面に固定されている。
【0049】
図2に示すように、アンテナ開口3bと対向する上部作業穴6e及び下部作業穴7eは左端の延在部12gに形成されている。アッパ側ヒンジ固定部6dとロア側ヒンジ固定部7dとが各ヒンジ固定部15dとなる。
【0050】
この後部車体構造を組み付ける場合、作業者は、各ボルト17aをそれぞれ挿通孔4e、6f、7fに上方から挿入し、各ボルト17aにそれぞれナット17bを螺合する。こうして、リヤドア8は、両ヒンジ12を介し、ルーフパネル3のヒンジ取付部4b、リヤヘッダアッパ6のアッパ側ヒンジ固定部6d及びリヤヘッダロア7のロア側ヒンジ固定部7dに支持される。
【0051】
また、この後部車体構造を組み付ける場合、図2及び図6に示すように、作業者は、下部作業穴7e及び上部作業穴6eからナット11bと工具とを挿入し、ボルト11aにナット11bを螺合する。他の構成は実施例1と同様である。
【0052】
この後部車体構造では、立壁部7xと環状壁部7yとが下部作業穴7eを上部作業穴6eに近づけているため、作業性が高くなる。このため、アンテナ11を車室1c側の下部作業穴7eから取り付ける作業が簡易となる。
【0053】
また、この後部車体構造では、リヤヘッダ5がリヤヘッダアッパ6とリヤヘッダロア7とからなり、リヤヘッダアッパ6及びリヤヘッダロア7が閉断面状に形成されているため、ルーフパネル3の剛性をより確保することができる。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0054】
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0055】
例えば、機能モジュールはアンテナに限定されない。また、リヤヘッダは1部材、2部材に限定されず、3部材以上で構成されてもよい。さらに、リヤヘッダが3部材以上で構成されている場合でも、アンテナ開口3bと対向する作業穴が各リヤヘッダに形成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は車両に利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1…車両
1c…車室
2、5…リヤヘッダ
2e…作業穴
2g、12g…延在部
2x、7x…立壁部
2y、7y…環状壁部
3…ルーフパネル
3b…アンテナ開口(開口)
4…後縁部
6…リヤヘッダアッパ
6e…上部作業穴
7…リヤヘッダロア
7e…下部作業穴
11…機能モジュール、アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6