特許第6055760号(P6055760)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055760
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】接着プロモーター系及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 123/16 20060101AFI20161219BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20161219BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20161219BHJP
   C09D 123/16 20060101ALI20161219BHJP
   C09D 7/12 20060101ALI20161219BHJP
   C08L 23/16 20060101ALI20161219BHJP
   C08F 8/46 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   C09J123/16
   C09J11/04
   C09J11/06
   C09D123/16
   C09D7/12
   C08L23/16
   C08F8/46
【請求項の数】8
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-510109(P2013-510109)
(86)(22)【出願日】2011年4月20日
(65)【公表番号】特表2013-531700(P2013-531700A)
(43)【公表日】2013年8月8日
(86)【国際出願番号】US2011033233
(87)【国際公開番号】WO2011142946
(87)【国際公開日】20111117
【審査請求日】2014年1月20日
(31)【優先権主張番号】61/333,001
(32)【優先日】2010年5月10日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,サンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ディール,チャールズ エフ.
(72)【発明者】
【氏名】マロツキー,デイヴィッド エル.
【審査官】 富永 久子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−532761(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0084764(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D1/00−10/00;101/00−201/10
C09J1/00−5/10;9/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形分の総重量に基づき90〜97.5重量%のベースポリマーであって、前記ベースポリマーがプロピレン/エチレンコポリマー組成物を含み、前記プロピレン/エチレンコポリマーが1〜30重量%の範囲の結晶化度、2〜15ジュール/gの範囲の融解熱及び25〜110℃の範囲のDSC融点を有するベースポリマー、及び
固形分の総重量に基づき2.5〜10重量%の官能化ポリマー組成物であって、前記官能化ポリマー組成物がプロピレンとヘキセンとのコポリマーを含み、前記コポリマーが1つの不飽和を有し、無水コハク酸の末端部分を有し、ポリプロピレン主鎖がさらなる無水コハク酸で置換されており、前記無水コハク酸の置換が官能化ポリマー組成物の5〜45重量%であり、
前記官能化ポリマー組成物が、(a)末端不飽和を有するプロピレン/ヘキセンコポリマーと無水マレイン酸をモル比1:1で反応させて、無水コハク酸末端部分及び1つの不飽和を有する無水コハク酸末端官能化プロピレン/ヘキセンコポリマーを製造する工程、次いで(b)前記無水コハク酸末端部分と1つの不飽和を有する無水コハク酸末端官能化プロピレン/ヘキセンコポリマーをフリーラジカル開始剤の存在下でさらなる無水マレイン酸と反応させて、前記官能化ポリマー組成物を製造する工程であって、前記官能化ポリマー組成物が、前記官能化ポリマー組成物の重量に基づいて5〜45重量%の範囲で無水コハク酸置換されている工程を含む方法によって得られるものである、前記官能化ポリマー組成物
の、1又はそれ以上の溶剤の存在下での混合生成物を含む、基材の表面と結合する被膜を形成するための接着プロモーター系。
【請求項2】
1又はそれ以上のフィラー、1又はそれ以上のバインダー、1又はそれ以上の顔料をさらに含む、請求項1に記載の接着プロモーター系。
【請求項3】
固形分の総重量に基づき90〜97.5重量%のベースポリマーを選択する工程であって、前記ベースポリマーがプロピレン/エチレンコポリマー組成物を含み、前記プロピレン/エチレンコポリマーが1〜30重量%の範囲の結晶化度、2〜50ジュール/gの範囲の融解熱及び25〜110℃の範囲のDSC融点を有する工程、
固形分の総重量に基づき2.5〜10重量%の官能化ポリマー組成物を選択する工程であって、前記官能化ポリマー組成物がプロピレンとヘキセンとのコポリマーを含み、前記コポリマーが1つの不飽和を有し、無水コハク酸末端部分を有し、ポリプロピレン主鎖がさらなる無水コハク酸で置換されており、前記無水コハク酸の置換が官能化ポリマー組成物の5〜45重量%である工程であって、
前記官能化ポリマー組成物が、(a)末端不飽和を有するプロピレン/ヘキセンコポリマーと無水マレイン酸をモル比1:1で反応させて、無水コハク酸末端部分及び1つの不飽和を有する無水コハク酸末端官能化プロピレン/ヘキセンコポリマーを製造する工程、次いで(b)前記無水コハク酸末端部分と1つの不飽和を有する無水コハク酸末端官能化プロピレン/ヘキセンコポリマーをフリーラジカル開始剤の存在下でさらなる無水マレイン酸と反応させて、前記官能化ポリマー組成物を製造する工程であって、前記官能化ポリマー組成物が、前記官能化ポリマー組成物の重量に基づいて5〜45重量%の範囲で無水コハク酸置換されている工程、を含む方法によって得られるものである工程
前記ベースポリマー及び前記官能化ポリマー組成物を1又はそれ以上の溶剤の存在下で混合する工程、並びに
それによって接着プロモーター系を製造する工程
を含む、基材の表面と結合する被膜を形成するための接着プロモーター系の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の接着プロモーター系から生じる被膜を含む接着層。
【請求項5】
少なくとも1又はそれ以上の基材層、
少なくとも1又はそれ以上の接着層であって、請求項1又は2に記載の接着プロモーター系から生じる被膜を含む接着層、
少なくとも1又はそれ以上の外層
を含む多層構造体であって、前記接着層が前記1又はそれ以上の基材層と前記1又はそれ以上の外層との間に配置されている、多層構造体。
【請求項6】
少なくとも1又はそれ以上の基材層を選択する工程、
請求項1又は2に記載の接着プロモーター系を選択する工程、
前記基材層の少なくとも1つの表面に前記接着プロモーター系を塗布する工程、
溶剤の少なくとも一部を除去する工程、
それによって前記基材層に付着した接着層を形成する工程、
前記接着層の上に少なくとも1又はそれ以上の外層を形成する工程、及び
それによって多層構造体を製造する工程
を含む、多層構造体の製造方法。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の接着プロモーター系を含む、被覆組成物。
【請求項8】
少なくとも1又はそれ以上の基剤層、及び
請求項1又は2に記載の接着プロモーター系並びに任意の他の成分及び添加物を含む配合組成物から生じる被膜を含む、少なくとも1又はそれ以上の被覆層、
を含む多層構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年5月10日に出願された米国仮特許出願第61/333,001号、発明の名称「ADHESION PROMOTER SYSTEM, AND METHOD OF PRODUCING THE SAME」に基づく優先権を主張する非仮特許出願で、該仮出願中の教示はここで参照することにより、以下にその全文を記載したかのように本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本発明は接着プロモーター系及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
熱可塑性ポリオレフィン(「TPO」)のようなある種の低表面エネルギーのプラスチック基材の塗装を容易にするために、種々の技術が用いられている。このような技術は、例えば、自動車産業、例えば自動車外層の塗装用途、例えば自動車バンパー、及び自動車内装の塗装用途、例えば計器パネルで広く用いられている。さらに、多数のさらなる非自動車用途、例えば包装用途、ジオテキスタイル用途、水産養殖、スポーツ用品、家電、消費者エレクトロニクス、家具、船舶、屋根及び玩具などの、ポリプロピレン基材へのトップコートの良好な接着性が要求される用途がある。
【0004】
接着プロモーターはまた、ガラス繊維強化されたポリプロピレン又はTPOを製造する際に用いられるガラス繊維用のサイズ剤として用いることができ、又は天然繊維とPP基材又はTPO基材とを接着させて強化を可能にするのに用いることができる。
【0005】
典型的には、接着プロモーターは異なる層の間の接着性を向上させるために用いられる。そのような接着層は独立した層、配合されたプライマー層として用いられ得、又は基材コート又はプライマー配合物の中のブレンド成分として用いられ得る。コーティングは溶剤ベース又は水媒体で施され得るが、水媒体の場合は、典型的に少なくとも何らかの表面活性化処理、例えば火炎処理、プラズマ処理、又はコロナ処理が必要である。溶剤ベースのシステムにおける未解決の主要なニーズは、利点と見なされる塩素を含まない低価格の商品を提供することにある。
【0006】
現在入手できる溶剤ベースの接着プロモーターは、TPO基材及び/又はPP基材の被覆用途に関する全ての問題に対処できていない。例えば現在入手できる接着プロモーターは、塩素を含有する接着プロモーター配合物に関する問題には対処できていない。
【0007】
改良された接着プロモーター配合物を製造する研究努力にも拘らず、改良された性質を有する、塩素を含まない接着プロモーター系に対するニーズがなお存在する。さらに、そのような、改良された性質を有する塩素を含まない接着プロモーター系を安価に製造する方法についてのニーズがなお存在する。本発明の接着プロモーター系は、他の性質を損なわないで接着性を改善した塩素を含まない接着プロモーター系を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は接着プロモーター系及びその製造方法である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一つの実施形態では、本発明は、(a)固形分の総重量に基づき少なくとも60重量%のベースポリマーであって、該ベースポリマーがプロピレン/エチレンコポリマー組成物を含み、該プロピレン/エチレンコポリマーが1〜30重量%の範囲の結晶化度、2〜50ジュール/gの範囲の融解熱及び25〜110℃の範囲のDSC融点を有する、ベースポリマー、(b)固形分の総重量に基づき40重量%未満の官能化ポリマー組成物であって、該官能化ポリマー組成物が、プロピレンのホモポリマー、又はプロピレンとヘキセン、オクテン及び/若しくは他の同様なα−オレフィンとのコポリマーを含み、該ホモポリマー又はコポリマーが1つの不飽和、無水コハク酸の末端部分、及びポリプロピレン主鎖上のさらなる無水コハク酸置換を有し、該無水コハク酸置換が官能化ポリマー組成物の約5〜約45重量%の範囲である官能化ポリマー組成物を、(c)1又はそれ以上の溶剤の存在下で、25〜120℃の範囲の温度で混合してなる混合生成物を含む接着プロモーター系を提供する。
【0010】
一つの代替実施形態では、本発明はさらに、(1)固形分の総重量に対して少なくとも60重量%のベースポリマーであって、該ベースポリマーがプロピレン/エチレンコポリマー組成物を含み、該プロピレン/エチレンコポリマーが、1〜30重量%の範囲の結晶化度、2〜50ジュール/gの範囲の融解熱、及び25〜110℃の範囲のDSC融点を有するベースポリマーを選択する工程、(2)固形分の総重量に対して40重量%未満の官能化ポリマー組成物であって、該官能化ポリマー組成物がプロピレンのホモポリマー、又はプロピレンとヘキセン、オクテン及び/若しくは他の同様なα−オレフィンとのコポリマーを含み、該ホモポリマー又は該コポリマーが1つの不飽和、無水コハク酸の末端部分、及びポリプロピレン主鎖上のさらなる無水コハク酸置換を有し、該無水コハク酸置換が官能化ポリマー組成物の約5〜約45重量%である、官能化ポリマー組成物を選択する工程、(3)該ベースポリマーと該官能化ポリマー組成物を1又はそれ以上の溶剤の存在下で混合する工程、並びに(4)それによって接着プロモーター系を製造する工程を含む、接着プロモーター系の製造方法を提供する。
【0011】
他の一つの代替実施形態では、本発明はさらに、上記のいずれかの実施形態による接着プロモーター系から生じる被膜を含む接着層を提供する。
【0012】
他の一つの代替実施形態では、本発明はさらに、(a)少なくとも1又はそれ以上の基材層、(b)少なくとも1又はそれ以上の接着層であって、該1又はそれ以上の接着層が上記のいずれかの実施形態による接着プロモーター系から生じる被膜を含む接着層、(c)少なくとも1又はそれ以上の外層であって、該接着層が該1又はそれ以上の基材層と該1又はそれ以上の外層との間に配置された外層、を含む多層構造体を提供する。
【0013】
他の一つの代替実施形態では、本発明はさらに、(1)少なくとも1又はそれ以上の基材層を選択する工程、(2)上記のいずれかの実施形態による接着プロモーター系を選択する工程、(3)上記基材層の少なくとも1つの表面に該接着プロモーター系を塗布する工程、(4)溶剤の少なくとも一部を除去する工程、(5)それによって該基材層に付着した接着層を形成する工程、(6)該接着層に少なくとも1又はそれ以上の外層を形成する工程、及び(7)それによって、多層構造体を製造する工程を含む、多層構造体の製造方法を提供する。
【0014】
他の一つの実施形態では、本発明は、接着プロモーター系がさらに1又はそれ以上のフィラー、1又はそれ以上のバインダー、1又はそれ以上の顔料、1又はそれ以上の被膜形成助剤、1又はそれ以上の架橋剤、1又はそれ以上の導電性増強剤、1又はそれ以上のレオロジー改質剤を含むことを除いて上記のいずれかの実施形態による組成物、その製造方法、それから得られる物品、及びそのような物品の製造方法を提供する。
【0015】
他の一つの代替実施形態では、本発明はさらに、上記のように少なくとも接着プロモーター系を含む被覆配合物を提供する。
【0016】
他の一つの代替実施形態では、本発明はさらに、上記のように上記被覆配合物から生じる被膜を含む被覆層を提供する。
【0017】
他の一つの代替実施形態では、本発明はさらに、(a)少なくとも1又はそれ以上の基材層、(b)上記のように被覆配合物から生じる被膜を含む少なくとも1又はそれ以上の被覆層、及び(c)任意の1又はそれ以上の外層を含む多層構造体を提供する。
【0018】
他の一つの実施形態では、本発明は、(a)末端不飽和を有するプロピレン/ヘキセンコポリマーと無水マレイン酸とをモル比1:1で反応させて無水コハク酸末端部分及び1つの不飽和を有する、無水コハク酸末端官能化プロピレン/ヘキセンコポリマーを製造する工程、次いで(b)前記無水コハク酸の末端部分及び1つの不飽和を有する無水コハク酸末端官能化プロピレン/ヘキセンコポリマーとさらなる無水マレイン酸とをフリーラジカル開始剤の存在下で反応させて、官能化ポリマー組成物の重量基準で5〜45重量%の範囲の無水コハク酸置換を有する官能化ポリマー組成物を製造する工程を含む方法によって官能化ポリマー組成物が得られることを除いて、上記のいずれかの実施形態による組成物、その製造方法、それから得られる物品、及びその物品の製造方法を提供する。
【0019】
他のもう一つの代替実施形態では、本発明はさらに、(1)少なくとも1又はそれ以上の基材層を選択する工程、(2)上記のように被覆配合物を選択する工程、(3)該被覆配合物を該基材層の少なくとも1つの表面に塗布する工程、(4)溶剤の少なくとも一部を除去する工程、(5)それによって該基材層に付着した被覆層を形成する工程、(6)任意に、該被覆層上に1又はそれ以上の外層を形成する工程、及び(7)それによって多層構造体を形成する工程を含む多層構造体の製造方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は接着プロモーター系及びその製造方法である。
【0021】
一つの実施形態では、本発明は、(a)固形分の総重量に基づき少なくとも60重量%のベースポリマーであって、該ベースポリマーがプロピレン/エチレンコポリマー組成物を含み、該プロピレン/エチレンコポリマーが1〜30重量%の範囲の結晶化度、2〜50ジュール/gの範囲の融解熱及び25〜110℃の範囲のDSC融点を有するベースポリマー、(b)固形分の総重量に基づき40重量%未満の官能化ポリマー組成物であって、該官能化ポリマー組成物がプロピレンのホモポリマー、又はプロピレンとヘキセン、オクテン及び/若しくは他の同様なα−オレフィンとのコポリマーを含み、該ホモポリマー又は該コポリマーが1つの不飽和を有し、無水コハク酸の末端部分を有し、ポリプロピレン主鎖がさらなる無水コハク酸で置換されており、該無水コハク酸置換が官能化ポリマー組成物の約5〜約45重量%である官能化ポリマー組成物を、(c)1又はそれ以上の溶剤の存在下で混合してなる混合物を含む接着プロモーター系を提供する。
【0022】
接着プロモーター系は、接着プロモーター系の重量に基づき少なくとも20重量%の上記混合物を含むことができる。全ての個々の値及び少なくとも20重量%からの部分的な範囲は本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば接着プロモーター系は、接着プロモーター系の重量に基づき少なくとも30重量%の混合物を含むことができ、又はその代替では、接着プロモーター系は、接着プロモーター系の重量に基づき少なくとも40重量%の混合物を含むことができ、又はその代替では、接着プロモーター系は、接着プロモーター系の重量に基づき少なくとも50重量%の混合物を含むことができ、又はその代替では、接着プロモーター系は、接着プロモーター系の重量に基づき少なくとも55重量%の混合物を含むことができ、又はその代替では、接着プロモーター系は、接着プロモーター系の重量に基づき少なくとも65重量%の混合物を含むことができ、又はその代替では、接着プロモーター系は、接着プロモーター系の重量に基づき少なくとも75重量%の混合物を含むことができる。
【0023】
接着プロモーター系はさらに1又はそれ以上のフィラー、1又はそれ以上のバインダー、1又はそれ以上の顔料、1又はそれ以上の被膜形成助剤、1又はそれ以上の架橋剤、1又はそれ以上の導電性増強剤、1又はそれ以上のレオロジー改質剤を含むことができる。
【0024】
接着プロモーター系は、基材の表面に別の層として施用することができ、又は被覆系の中に組み込むことができる。
【0025】
該混合物は以下に詳細に述べるように、固形分の総重量に基づいて、少なくとも60重量%のベースポリマーを含むことができる。少なくとも60重量%に由来する全ての個別の値及び部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、ベースポリマーの重量%は下限の60、70、75、80、85、90又は95重量%から、上限の70、75、80、85、90、95又は100重量%とすることができる。例えば、混合物は固形分の総重量に基づいて、ベースポリマー60〜95重量%、又は70〜90重量%、又は75〜95重量%、又は80〜99重量%、又は85〜99重量%、又は90〜100重量%を含むことができる。
【0026】
上記混合物は、以下にさらに詳細に述べるように、固形分の総重量に基づいて、40重量%未満の官能化ポリマー組成物を含むことができる。40重量%未満のうちの全ての個別の値及び部分範囲は本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば官能化ポリマー組成物の重量%は下限の0、5、10、15、20、30、又は35重量%から上限の5、10、15、20、30又は40重量%とすることができる。例えば混合物は、固形分の総重量に基づいて、官能化ポリマー組成物0〜35重量%、又は0〜30重量%、又は0〜25重量%、又は0〜15重量%、又は5〜15重量%、又は0〜10重量%を含むことができる。
【0027】
上記混合物は、混合物の総重量に基づいて、任意のフィラーの重量を除く固形分を少なくとも5重量%含むことができる。少なくとも5重量%のうちの全ての個別の値及び部分範囲は本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば重量%は下限の5、10、20、30、40、50、55、60、65、70、75、又は80重量%から、上限の45、50、55、60、65、70、75、80又は85重量%とすることができる。例えば、混合物は、混合物の総重量に基づき任意のフィラーの重量を除く固形分を少なくとも10重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも30重量%、又は少なくとも40重量%、又は少なくとも45重量%、又は少なくとも50重量%、又は少なくとも55重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも65重量%、又は少なくとも70重量%含むことができる。
【0028】
ベースポリマー
ベースポリマーはポリオレフィン組成物、例えばプロピレン/α−オレフィンコポリマー組成物、例えばプロピレン/エチレンコポリマー組成物を含む。該プロピレン/α−オレフィンコポリマー組成物は、任意にさらに1又はそれ以上のポリマー、例えばランダムコポリマーポリプロピレン(RCP)を含むことができる。一つの特定の実施形態では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは実質的にアイソタクチックなプロピレンの連鎖を有するという特徴がある。「実質的にアイソタクチックなプロピレンの連鎖」とは、連鎖が有する13C NMRで測定したアイソタクチックトライアッド (isotactic triad)(mm)が約0.85より大きく、別の代替では約0.90より大きく、別の代替では約0.92より大きく、別の代替では約0.93より大きいことを意味する。アイソタクチックトライアッドは当分野で周知であり、例えば米国特許第5,504,172号明細書及び国際公開第00/01745号パンフレットに記載されており、これらは、13C NMRスペクトルで決定されるコポリマー分子鎖中のトライアッド単位に関するアイソタクチック連鎖を参照している。
【0029】
プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、ASTMD−1238 (230℃/2.16kg) にしたがって測定された、0.1〜500g/10分の範囲のメルトフローレートを有し得る。0.1〜15g/10分のうちの全ての個別の値及び部分範囲は本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、メルトフローレートは下限0.1g/10分、0.2g/10分、又は0.5g/10分から上限500g/10分、200g/10分、100g/10分又は25g/10分とすることができる。例えば、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは0.1〜200g/10分の範囲のメルトフローレートを有してもよく、又はその代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは0.2〜100g/10分の範囲のメルトフローレートを有していてもよく、又はその代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは0.2〜50g/10分の範囲のメルトフローレートを有していてもよく、又はその代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは0.5〜50g/10分の範囲のメルトフローレートを有していてもよく、又はその代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは1〜50g/10分の範囲のメルトフローレートを有していてもよく、又はその代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは1〜40g/10分の範囲のメルトフローレートを有していてもよく、又はその代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは1〜30g/10分の範囲のメルトフローレートを有していてもよい。
【0030】
プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、少なくとも1重量%(融解熱が少なくとも2ジュール/g)から30重量%(融解熱が50ジュール/g未満)の範囲の結晶化度を有する。1重量%(融解熱が少なくとも2ジュール/g)から30重量%(融解熱が50ジュール/g未満)のうちの全ての個別の値及び部分範囲は本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、結晶化度は下限1重量%(融解熱が少なくとも2ジュール/g)、2.5重量%(融解熱が少なくとも4ジュール/g)、又は3重量%(融解熱が少なくとも5ジュール/g)から上限の30重量%(融解熱が50ジュール/g未満)、24重量%(融解熱が40ジュール/g未満)、15重量%(融解熱が24.8ジュール/g未満)又は7重量%(融解熱が11ジュール/g未満)とすることができる。例えば、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは結晶化度が少なくとも1重量%(融解熱が少なくとも2ジュール/g)から24重量%(融解熱が40ジュール/g未満)の範囲であってもよく、又はその代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは結晶化度が少なくとも1重量%(融解熱が少なくとも2ジュール/g)から15重量%(融解熱が24.8ジュール/g未満)の範囲であってもよく、又はその代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは結晶化度が少なくとも1重量%(融解熱が少なくとも2ジュール/g)から7重量%(融解熱が11ジュール/g未満)の範囲であってもよく、又はその代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは結晶化度が少なくとも1重量%(融解熱が少なくとも2ジュール/g)から5重量%(融解熱が8.3ジュール/g未満)の範囲であってもよい。結晶化度は上記のとおりDSC法で測定される。プロピレン/α−オレフィンコポリマーはプロピレンから導かれる単位と1又はそれ以上の/α−オレフィンコモノマーから導かれるポリマー単位とを含む。プロピレン/α−オレフィンコポリマーを製造するために用いられる例示的なコモノマーとして、C及びC−C10のα−オレフィン、例えばC、C、C、及びCのα−オレフィンが挙げられる。
【0031】
プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、1又はそれ以上の/α−オレフィンコモノマーを1〜40重量%含む。1〜40重量%のうちの全ての個別の値及び部分範囲は本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えばコモノマー含量は下限の1重量%、3重量%、4重量%、5重量%、7重量%、又は9重量%から、上限の40重量%、35重量%、30重量%、27重量%、20重量%、15重量%、12重量%、又は9重量%とすることができる。例えばプロピレン/α−オレフィンコポリマーは、1〜35重量%の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを含み、又はその代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、1〜30重量%の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを含み、又はその代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、3〜27重量%の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを含み、又はその代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは3〜20重量%の1又はそれ以上の/α−オレフィンコモノマーを含み、またその代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは3〜15重量%の1又はそれ以上の/α−オレフィンコモノマーを含む。
【0032】
プロピレン/α−オレフィンコポリマーが有する、重量平均分子量を数平均分子量で割ったもの(M/M)として定義される分子量分布(MWD)は、3.5又はそれ以下、又はその代替では3.0又はそれ以下、又はその代替では1.8〜3.0である。
【0033】
このようなプロピレン/α−オレフィンコポリマーは、米国特許第6,960,635号明細書及び米国特許第6,525,157号明細書にさらに詳細に記載されており、参照することにより、本明細書に組み込まれる。このようなプロピレン/α−オレフィンコポリマーはThe Dow Chemical Companyから商品名VERSIFY(商標)として、又はExxonMobil Chemical Companyから商品名VISTAMAXX(商標)として入手できる。一つの実施形態では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、(A)プロピレン由来の単位の重量%が60と100未満の間、好ましくは80と99の間、さらに好ましくは85と99の間、及び(B)エチレン及び/又はC4−10 α−オレフィンの少なくとも1つに由来する単位の重量%が、0超と40の間、好ましくは1と20の間、さらに好ましくは4と16の間、なおさらに好ましくは4と15の間であり、さらに含まれる合計炭素数1000個あたりの長鎖分岐(long chain branch)の数が、平均して少なくとも0.001、好ましくは平均して少なくとも0.005、さらに好ましくは平均して少なくとも0.01である。プロピレン/α−オレフィンコポリマー中の長鎖分岐の最大数は重要ではないが、典型的には合計炭素数1000個あたり長鎖分岐数は3を超えない。本明細書で使用される用語、長鎖分岐とは、短鎖分岐(short chain branch)よりも少なくとも1炭素多い鎖長をいい、本明細書で使用される短鎖分岐とは、コモノマーの炭素数よりも2炭素少ない鎖長をいう。例えば、プロピレン/1−オクテンインターポリマーは少なくとも7個の炭素長の長鎖分岐を有する主鎖を有するが、この主鎖は6個だけの炭素長の短鎖分岐も有する。このようなプロピレン/α−オレフィンコポリマーは、各々が参照して本明細書に組み込まれる米国仮特許出願第60/988,999号明細書及び国際特許出願PCT/US08/082599にさらに詳細に記載されている。
【0034】
官能化ポリマー組成物
官能化ポリマー組成物は、ポリプロピレン、すなわちホモポリマー、並びにポリプロピレンと1又はそれ以上のα−オレフィン、例えばエチレン、ヘキセン及びオクテンとのコポリマーであって、ポリプロピレン及びその加水分解誘導体の物理的性質に実質的に影響しない多量の無水コハク酸が付加したものを含む。本明細書で用語 「ポリプロピレン」を使用する場合、ポリプロピレンのホモポリマーとコポリマーを含むことが意図される。例えば、使用されるコモノマーとしては、必ずしも限定されるものではないが、エチレン、ヘキセン、オクテンなどが挙げられる。
【0035】
本明細書に記載の方法の要点は、ビニリデン末端化ポリプロピレンへのエン反応によって生じたコハク酸末端化ポリプロピレンを使用することにある。このポリプロピレンは、限定的ではないが、しばしばメタロセン触媒反応によって調製される。このポリマーへの無水マレイン酸のグラフト化によっては、分子鎖の大した切断や重合にはならないことが知られている。ある非限定的な実施形態において、この方法は、メタロセン触媒を使って生成したポリプロピレンの存在下で、1つの末端ビニリデン基が各々の分子に生じる方法で、無水マレイン酸を加熱することに関する。最も一般的には、これらのメタロセン重合は、水素の存在下で行われ(これは重合を速くし、ポリマーの分子量を低下させる)、末端ビニリデン基のないポリマーが得られる。これらの飽和ポリマーは、本発明の方法では機能しないので、メタロセン触媒の存在下のプロピレンの重合は好ましくは、水素や他の転移剤、例えばトリエチルシランなどが非常に少量の存在下、又は非存在下で行われる。
【0036】
エン反応を以下に概略的に示す:
【化1】
【0037】
任意の構造のポリプロピレンを使用することができる。例えば、シンディオタクチック、ヘミシンディオタクチック、イソタクチック、ヘミイソタクチック、及びアタクチックポリプロピレン。ポリプロピレンは多種の遷移金属触媒によって作製できる。
【0038】
上記グラフト化ポリマー上により多くの無水マレイン酸をさらにグラフト化させても二重結合には基本的に影響はない。全ての無水マレイン酸はポリプロピレンの主鎖に付加される。これを以下に概略的に示す:
【化2】
【0039】
5重量%未満の無水マレイン酸組込レベルは確かに可能であるが、本発明に記載の方法によって、より高レベルの無水マレイン酸の組込合計量を、例えば約5〜約45重量%のオーダーで、又は約10〜約45重量%で達成することが容易となる。
【0040】
エン反応における方法の非限定的な1つの実施形態では、(末端に不飽和を有する)ポリプロピレン1モル当量と無水マレイン酸約1モル当量とを反応させる。加熱を行うが、一般的にはこの加熱は反応物を混ぜることができるようにポリプロピレンを溶融させるのに十分に必要なだけである。
【0041】
この方法の非限定な他の一つの実施形態において、さらに無水マレイン酸を付加する場合、エン反応に由来する無水コハク酸末端部分及び一つの不飽和を有するポリプロピレンは、フリーラジカル開始剤の存在下で、さらなる無水マレイン酸と結合する。フリーラジカル開始剤としては通常使用されるいかなるフリーラジカル開始剤でもよく、必ずしも限定されるものではないが、過酸化物、紫外線照射、ガンマ線照射などの光開始、金属錯体及びそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の非限定的な1つの実施形態では、過酸化物開始剤は、ジ−t−ブチルパーオキサイドである。
【0042】
無水マレイン酸のさらなる付加が適切に行われる場合、反応物の混合を可能にするために混合物を少なくとも溶融状態まで加熱することが必要である。反応温度はラジカル供給源及びポリマーの融点に依存するものであり、約60〜約200℃の範囲であり得る。本方法のうちの両工程はともに周囲温度で行うことができる。無水マレイン酸はより高温では揮発性なので、反応は密閉容器内で行うことができる。
【0043】
本方法の非限定的な他の一つの実施形態では、無水コハク酸末端部分及び1つの不飽和を有するポリプロピレンは溶剤に溶解することができ、混合中の加熱を減らし又は加熱を省略することができる。ポリプロピレン反応物の好適な溶剤としては、必ずしも限定的ではないがトルエン、キシレン、AROMATIC100、N−アルキルプロピオネート及びそれらの混合物が挙げられる。
【0044】
無水マレイン酸で置換されるポリプロピレン製品の分子量(M)は、約500〜約150,000ダルトン、又は約50,000ダルトンまで、非限定的な他の一つの実施形態では約10,000ダルトンまで、及び非限定的な他の一つの実施形態では600〜約5,000ダルトンであり得る。
【0045】
一つの実施形態では、官能化ポリマー組成物は、(a)末端不飽和を有するプロピレン/ヘキセンコポリマーと無水マレイン酸をモル比1:1で反応させて、無水コハク酸末端部分及び1つの不飽和を有する無水コハク酸末端官能化プロピレン/ヘキセンコポリマーを製造する工程、及び(b)無水コハク酸末端部分及び1つの不飽和を有する無水コハク酸末端官能化プロピレン/ヘキセンコポリマーを、フリーラジカル開始剤の存在下でさらなる無水マレイン酸と反応させて、官能化ポリマー組成物を製造し、該官能化ポリマー組成物が、官能化ポリマー組成物の重量に基づき5〜45重量%の範囲内で無水コハク酸置換基を有するものである、官能化ポリマー組成物を製造する工程を含む方法により得られる。
【0046】
このような官能化ポリマーは、さらに米国特許出願第2006/0084764号明細書、及び米国特許出願第2005/0203255号明細書、及び米国特許第7,183,359号明細書に記載されており、これらの各々を、このような官能化ポリマーを記載している範囲で参照することにより本明細書に組み込む。
【0047】
溶剤
接着プロモーター系はさらに溶剤を含む。溶剤はいかなる溶剤でもよく、溶剤としては例えば有機溶剤、無機溶剤、それらの組み合わせ、及びそれらの混合物でもよい。本発明の接着プロモーター系は、接着プロモーター系の全容積に基づいて、35〜80容積%の1又はそれ以上の溶剤を含むことができる。特定の実施形態では、溶剤の分量は接着プロモーター系の全容量に基づいて、35〜75容積%、又はその代替では35〜70容積%、又は代替では45〜60容積%の範囲とすることができる。このような溶剤としては、限定的ではないが、トルエン、キシレン、AROMATIC100、N−プロピルプロピオネート、N−ブチルプロピオネート、N−ペンチルプロピオネート、それらの混合物、又はそれらの組み合わせが挙げられる。このような溶剤は、商品として入手でき、例えばExxonMobilの商品名AROMATIC100及びThe Dow Chemical Companyの商品名UCAR N−Alkyl Propionatesが挙げられる。
【0048】
追加成分
本発明による接着プロモーター系は任意に1又はそれ以上のバインダー組成物、例えばThe Dow Chemical Companyの商品名PARALOID、例えばB48N又はB99として入手できる熱可塑性アクリレート、又はポリエステル、例えばBayer社の商品名Desmophenとして入手できる、OH含有ポリエステル、ポリイソシアネート、例えばBayer社の商品名Desmodurとして入手できる芳香族、任意には1又はそれ以上の添加剤、任意の1又はそれ以上のフィラー及び顔料、例えば二酸化チタン、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、ミルドグラス、三水和アルミナ、タルク、三酸化アンチモン、フライアッシュ、及び粘土、任意の1又はそれ以上のカーボンブラックのような導電性フィラー、任意の1又はそれ以上の共溶剤、例えばグリコール酸、グリコールエーテル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、アルコール類、ミネラルスピリッツ類、及びベンゾエートエステル類、任意の1又はそれ以上の界面活性剤、任意の1又はそれ以上の消泡剤、任意の1又はそれ以上の保存剤、例えば殺生剤、防かび剤、殺菌剤、殺藻剤及びこれらの組み合わせ、任意の1又はそれ以上のレオロジー変性剤、任意の1又はそれ以上の中和剤、例えば水酸化物類、アミン類、アンモニア及びカーボネート類を含み得る。
【0049】
追加の着色成分
本発明の実施形態では、接着プロモーター系の一部として着色剤を用いることもできる。種々の色を用いることができ、例えば黄色、マゼンタ及びシアンのような色が挙げられる。黒色の着色剤としては、カーボンブラック、及び以下に示す黄色/マゼンタ/シアン着色剤を用いて黒色に調整した着色剤を用いることができる。本明細書で用いられる着色剤としては、なかでも染料、顔料、及び予備分散物(predispersion)が挙げられる。これらの着色剤は、単独で、混合して、又は固溶体として用いることができる。種々の実施形態では、顔料は、原料顔料、処理済顔料、予備粉砕した顔料、顔料粉末、顔料プレスケーキ、顔料マスターバッチ、リサイクル顔料、及び固体又は液体の顔料予備分散物の形態として供給される。本明細書で使用される原料顔料は、その表面に種々の被覆を施すために、表面の湿式処理をしていない顔料粒子である。原料顔料及び処理済の顔料は、国際公開第2005/095277号パンフレット及び米国特許出願公開第WO2006/0078485号明細書に詳細に述べられており、その関連部分はここで参照することにより本明細書中に組み込まれる。対照的に、処理済の顔料は粒子の表面を金属酸化物で被覆するために湿式処理をしたものであり得る。金属酸化物被覆の例としては、アルミナ、シリカ、及びジルコニアが挙げられる。リサイクル顔料は、被覆された顔料として販売されるには不十分な品質のものを湿式処理した後の顔料であり、リサイクル顔料も原料の顔料粒子として用いることができる。
【0050】
例示的な着色剤粒子としては、限定的ではないが、顔料、例えば黄色着色剤、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾメタル錯体メチン化合物及びアリルアミド化合物などで代表される顔料として使用できる化合物類が挙げられる。マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、ベースダイレーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物を用いることができる。シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、ベースダイレーキ化合物などが使用できる。
【0051】
接着プロモーター系の製造
本発明による接着プロモーター系は、当業者に知られる任意の様々な方法で製造することができる。一つの実施形態では、上記の1又はそれ以上のベースポリマー、1又はそれ以上の官能化ポリマー組成物が上記の1又はそれ以上の溶剤に、例えば25〜120℃の温度で溶解される。
【0052】
1又はそれ以上のベースポリマー及び1又はそれ以上の官能化ポリマー組成物は、1又はそれ以上の溶剤に同時に溶解してもよいし、又はその代替では、1又はそれ以上のベースポリマー及び1又はそれ以上の官能化ポリマー組成物は1又はそれ以上の溶剤に順次に溶解させてもよいし、又はその代替では、1又はそれ以上のベースポリマー及び1又はそれ以上の官能化ポリマー組成物が1又はそれ以上の溶剤に連続して又は並行して溶解されてそのまま1つに合わせられてもよい。代替の実施形態では、1又はそれ以上のベースポリマー及び1又はそれ以上の官能化ポリマー組成物を、過酸化物と熱の任意の存在下で混合し、次いで1又はそれ以上の溶剤に溶解できる。本発明による接着プロモーター系の製造方法は特に限定されない。1又はそれ以上のベースポリマー又は1又はそれ以上の官能化ポリマー組成物はペレット、粉末、又はフレークの形状にすることができる。
【0053】
一つの実施形態では、本発明はさらに、(1)固形分の全重量に基づき少なくとも60重量%のベースポリマーであって、該ベースポリマーがプロピレン/エチレンコポリマー組成物を含み、該プロピレン/エチレンコポリマーが1〜30重量%の範囲の結晶化度、2〜50ジュール/gの範囲の融解熱、及び25〜110℃の範囲のDSC融点であるベースポリマーを選択する工程、(2)固形分の全重量に基づき40重量%未満の官能化ポリマー組成物であって、該官能化ポリマー組成物がプロピレンのホモポリマー、又はプロピレンとヘキセン、オクテン及び/若しくは他の同様なα−オレフィンとのコポリマーを含み、該ホモポリマー又は該コポリマーが1つの不飽和、無水コハク酸末端部分、及びポリプロピレン主鎖上のさらなる無水コハク酸置換を有し、この無水コハク酸置換が官能化ポリマー組成物の約5〜約45重量%である、官能化ポリマー組成物を選択する工程、(3)該ベースポリマー及び該官能化ポリマー組成物を1又はそれ以上の溶剤の存在下で、例えば25〜120℃の範囲の温度で混合する工程、並びに(4)それによって接着プロモーター系を製造する工程を含む、接着プロモーター系の製造方法を提供する。
【0054】
最終用途
本発明の接着プロモーター系は、ある種の低表面エネルギープラスチック基材、例えば熱可塑性ポリオレフィン(「TPO」)への接着プロモーターとして、例えば種々の被覆用途、例えば自動車塗装用途に使用できる。
【0055】
接着プロモーター系は、あらゆる方法で基材、物品、又は構造物の1又はそれ以上の表面に適用される。このような方法としては、限定的ではないが、スプレー処理、浸漬処理、ローラーかけ、印刷、及びその他の当業者に一般に知られている任意の慣用技術が挙げられる。接着プロモーター系は、基材、物品、又は構造物の1又はそれ以上の表面に約5℃よりも高い範囲の温度、例えば25〜400℃で適用される、またその代替では、基材、例えばグラスファイバーへのサイズ剤として使用することができ、ガラス繊維強化ポリプロピレン又はTPOを製造し、又は天然繊維とPP基材又はTPO基材とを接着し、強化することができる。このような基材としては、限定的ではないが、熱可塑性ポリオレフィン(「TPO」)及びガラス繊維強化ポリプロピレン基材、又は天然繊維強化PP又はTPOが挙げられる。本発明の接着プロモーター系は、自動車内装用途、例えば計器パネル、自動車外装用途、例えばバンパー、又は他の非自動車用途、例えばパッケージング、おもちゃ、レジャー、水産養殖、ジオテキスタイル、スポーツ用品、家電、消費者エレクトロニクス、家具、海洋、ルーフィング膜及びおもちゃへの、接着促進層として使用することができる。
【0056】
このように被覆された基材は、他のトップコート系によってさらに被覆され得る。
【0057】
本発明の接着プロモーター系は、基材、物品、構造物の1又はそれ以上の表面に塗布され、それからトップコートが塗布される。トップコートは、中間の焼付け工程の後、例えば、溶剤の少なくとも一部を除いてから施すことができ、又は他の方法では、中間の焼付け工程なしに、トップコートを施すこともできる。その代替では、本発明の接着プロモーター系は、基材、物品又は構造物の1又はそれ以上の表面に塗布され、その後、トップコートが塗布される前に少なくとも溶剤の一部が除かれる。トップコートを少なくとも一部乾燥させた後に、クリアコートをさらに施すことができる。その代替では、接着プロモーター系はトップコートと混合することができ、その後、混合物は基材、物品、又は構造物の1又はそれ以上の表面に施すことができる。
【0058】
一つの実施形態では、接着プロモーター系は接着層、すなわち被膜を形成し、この接着層は基材、物品又は構造物の1又はそれ以上の表面と結合する。接着層は1〜30μm、例えば5〜15μmの厚さとすることができる。
【0059】
もう一つの代替実施形態では、多層構造体は、(a)少なくとも1又はそれ以上の基材層、(b)接着プロモーター系から導かれた被膜を含む、少なくとも1又はそれ以上の接着層プロモーター、(c)少なくとも1又はそれ以上の外層を含み、該接着層が該1又はそれ以上の基材層と該1又はそれ以上の外層との間に配置されている。
【0060】
他の代替実施形態では、本発明はさらに、上記の少なくとも接着プロモーター系を含む被覆配合物を提供する。
【0061】
他の代替実施形態では、本発明はさらに、上記の被覆配合物から得られる被膜を含む被覆層を提供する。
【0062】
他の代替実施形態では、本発明はさらに、(a)少なくとも1又はそれ以上の基材層、(b)上記の被覆配合物から得られる被膜を含む少なくとも1又はそれ以上の被覆層、及び(c)任意の1又はそれ以上の外層を含む多層構造体を提供する。
【0063】
他の代替実施形態では、本発明はさらに、(1)少なくとも1又はそれ以上の基材層を選択する工程、(2)上記の接着プロモーター系を選択する工程、(3)該基材層の少なくとも1つの表面に該接着プロモーター系を施す工程、(4)溶剤の少なくとも一部を除去する工程、(5)それによって該基材層と付着した接着層を形成する工程、(6)該接着層の上に少なくとも1又はそれ以上の外層を形成する工程、及び(7)それによって多層構造体を製造する工程を含む、多層構造体の製造方法を提供する。
【0064】
他の代替実施形態では、本発明はさらに、(1)少なくとも1又はそれ以上の基材層を
選択する工程、(2)上記の被覆配合物を選択する工程、(3)該被覆配合物を該基材層
の少なくとも1つの表面に施す工程、(4)溶剤の少なくとも一部を除去する工程、(5
)それによって該基材層と付着した被覆層を形成する工程、(6)任意に該被覆層の上に
1又はそれ以上の外層を形成する工程、(7)それによって多層構造体を製造する工程を
含む、多層構造体の製造方法を提供する。
以上の開示によって提供される本願発明の具体例として、以下の発明が挙げられる。
[1] 固形分の総重量に基づき少なくとも60重量%のベースポリマーであって、前記ベースポリマーがプロピレン/エチレンコポリマー組成物を含み、前記プロピレン/エチレンコポリマーが1〜30重量%の範囲の結晶化度、2〜15ジュール/gの範囲の融解熱及び25〜110℃の範囲のDSC融点を有するベースポリマー、及び
固形分の総重量に基づき40重量%未満の官能化ポリマー組成物であって、前記官能化ポリマー組成物がプロピレンホモポリマー、又はプロプレンとヘキセン、オクテン及び/若しくは他の同様のα−オレフィンとのコポリマーを含み、前記ホモポリマー又はコポリマーが1つの不飽和を有し、無水コハク酸の末端部分を有し、ポリプロピレン主鎖がさらなる無水コハク酸で置換されており、前記無水コハク酸の置換が官能化ポリマー組成物の約5〜約45重量%である官能化ポリマー組成物
を1又はそれ以上の溶剤の存在下で混合してなる混合生成物を含む、接着プロモーター系。
[2] 固形分の総重量に基づき少なくとも60重量%のベースポリマーを選択する工程であって、前記ベースポリマーがプロピレン/エチレンコポリマー組成物を含み、前記プロピレン/エチレンコポリマーが1〜30重量%の範囲の結晶化度、2〜50ジュール/gの範囲の融解熱及び25〜110℃の範囲のDSC融点を有する工程、
固形分の総重量に基づき40重量%未満の官能化ポリマー組成物を選択する工程であって、前記官能化ポリマー組成物がプロピレンのホモポリマー、又はプロピレンとヘキセン、オクテン及び/若しくはその他の同様なα−オレフィンとのコポリマーを含み、前記ホモポリマー又はコポリマーが1つの不飽和を有し、無水コハク酸末端部分を有し、ポリプロピレン主鎖がさらなる無水コハク酸で置換されており、前記無水コハク酸の置換が官能化ポリマー組成物の約5〜約45重量%である工程、
前記ベースポリマー及び前記官能化ポリマー組成物を1又はそれ以上の溶剤の存在下で混合する工程、並びに
それによって接着プロモーター系を製造する工程
を含む、接着プロモーター系の製造方法。
[3] [1]に記載の接着プロモーター系から生じる被膜を含む接着層。
[4] 少なくとも1又はそれ以上の基材層、
少なくとも1又はそれ以上の接着層であって、[1]に記載の接着プロモーター系から生じる被膜を含む接着層、
少なくとも1又はそれ以上の外層
を含む多層構造体であって、前記接着層が前記1又はそれ以上の基材層と前記1又はそれ以上の外層との間に配置されている、多層構造体。
[5] 少なくとも1又はそれ以上の基材層を選択する工程、
[1]に記載の接着プロモーター系を選択する工程、
前記基材層の少なくとも1つの表面に前記接着プロモーター系を塗布する工程、
溶剤の少なくとも一部を除去する工程、
それによって前記基材層に付着した接着層を形成する工程、
前記接着層の上に少なくとも1又はそれ以上の外層を形成する工程、及び
それによって多層構造体を製造する工程
を含む、多層構造体の製造方法。
[6] 前記接着プロモーター系が1又はそれ以上のフィラー、1又はそれ以上のバインダー、1又はそれ以上の顔料をさらに含む、[1]から[5]のいずれか一項。
[7] 前記官能化ポリマー組成物が、
(a)末端不飽和を有するプロピレン/ヘキセンコポリマーと無水マレイン酸をモル比1:1で反応させて、無水コハク酸末端部分及び1つの不飽和を有する無水コハク酸末端官能化プロピレン/ヘキセンコポリマーを製造する工程、次いで
(b)前記無水コハク酸末端部分と1つの不飽和を有する無水コハク酸末端官能化プロピレン/ヘキセンコポリマーをフリーラジカル開始剤の存在下でさらなる無水マレイン酸と反応させて、前記官能化ポリマー組成物を製造する工程であって、前記官能化ポリマー組成物が、前記官能化ポリマー組成物の重量に基づいて5〜45重量%の範囲で無水コハク酸置換されている工程
を含む方法によって得られる、[1]から[5]のいずれか一項。
[8] [1]から[5]に記載の接着プロモーター系を少なくとも1重量%含む、被覆組成物。
[9] 少なくとも1又はそれ以上の基剤層、
前記接着プロモーター系並びに任意の他の成分及び添加物を含む配合組成物から生じる被膜を含む、少なくとも1又はそれ以上の被覆層、
を含む多層構造体。
【実施例】
【0065】
以下の実施例は、本発明を説明するが、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【0066】
溶剤ベースの接着プロモーターの調製
(1)溶液混合
比較例1:比較用接着プロモーターの溶液混合
2.5gのVersify4301.05、及び22.5gの溶剤AROMATIC100(Exxon Mobil Company)を磁気撹拌棒を備えたビーカーに入れた。混合物を磁気撹拌器の上に置いた。温度を約90℃に上げ、樹脂が完全に溶解するまで温度を90℃に維持しながら、約30分撹拌した。溶液を加熱器から外し、放冷した。24時間後、このポリマー溶液を、Baker Petrolite resin X10075を含まない接着プロモーターの例として、接着プロモーターとして用いた。
【0067】
本発明実施例1a:接着プロモーターの溶液混合
2.4375gのVersify4301.05、0.0625gのBaker Petrolite X10075、及び22.5gの溶剤AROMATIC100(Exxon Mobil Company)を磁気撹拌棒を備えたビーカーに入れた。混合物を磁気撹拌器上に置いた。温度を約90℃に上げ、樹脂が完全に溶解するまで温度を90℃に維持しながら約30分撹拌した。溶液を加熱器から外し、放冷した。24時間後、このポリマー溶液を、固体樹脂相中にBaker Petrolite resin X10075を2.5重量%含有する接着プロモーターとして、実施例で用いた。
【0068】
実施例1b:接着プロモーターの溶液混合
2.375gのVersify4301.05、0.125gのBaker Petrolite X10075、及び22.5gの溶剤AROMATIC100(Exxon Mobil Company)を磁気撹拌棒を備えたビーカーに入れた。混合物を磁気撹拌器の上に置いた。温度を約90℃に上げ、樹脂が完全に溶解するまで温度を90℃に維持しながら約30分撹拌した。溶液を加熱器から外し、放冷した。24時間後、このポリマー溶液を、固体樹脂相中にBaker Petrolite resin X10075を5重量%含有する接着プロモーターとして、実施例で用いた。
【0069】
本発明実施例1c:接着プロモーターの溶液混合
2.25gのVersify4301.05、0.25gのBaker Petrolite X10075、及び22.5gの溶剤AROMATIC100(Exxon Mobil Company)を磁気撹拌棒を備えたビーカーに入れた。混合物を磁気撹拌棒の上に置いた。温度を約90℃に上げ、樹脂が完全に溶解するまで温度を90℃に維持しながら約30分撹拌した。溶液を加熱器から外し、放冷した。24時間後、このポリマー溶液を、固形樹脂相の中にBaker Petrolite resin X10075を10重量%含有する接着プロモーターとして、実施例で用いた。
【0070】
(2)混合とその後の溶解
実施例2:接着プロモーター樹脂の予備混合とその後の溶解
Banbury Rotorsを備えたThermo Haake Rheomix3000を用いて混合物を調製した。混合室(ミキシングチャンバ)を170℃に加熱し、ローターの速度を30rpmに設定した。ベースポリマー、すなわちVersify4301.05を混合室に入れ、融解させた。引き続いてBaker Petrolite製の官能化ポリマー組成物X10075を加えて、密閉室内でさらに約15分混合した。実施例の一部では、最後の樹脂を添加してから5分後にAkzo Nobel製の過酸化物Perkadox14−40も添加し、その後、混合物を170℃で15分反応させた。次いで、その混合物を入れたHaakeミキサー室を約130℃に冷却し、ローターの速度を落として、混合物をミキサーから取り出した。樹脂の組成を表Iで詳述する。溶剤ベースの接着プロモーターは、上記で得られた予備混合した樹脂組成物を用いて、下記の方法で調製した。
【0071】
表Iに示すように、上記で得られた種々の予備混合した2.5gの樹脂組成物及び22.5gの溶剤AROMATIC100(Exxon Mobil Company)を磁気撹拌棒を備えたビーカーに入れた。混合物を磁気撹拌器の上に置いた。温度を約90℃に上げ、樹脂が完全に溶解するまで温度を90℃に維持しながら約30分、撹拌した。溶液をヒーターから外し、放冷した。24時間後、これらのポリマー溶液を、固形樹脂相にBaker Petrolite resin X10075の種々の重量%(2.5重量%、5重量%及び10重量%)で含有する接着プロモーターのため、実施例の接着プロモーターとして用いた。全ての組成物を表Iに記載する。
【0072】
溶剤ベースのトップコート及び2成分ポリウレタンクリアコートの系への接着
本発明実施例1a−cは、50gの溶剤(AROMATIC100)を追加することにより、固形分3.33%にさらに希釈した。射出成形されたTPOパネル(DTF0808SC、The Dow Chemical Company)をクレンザーMultiprep DX103(PPG)で完全に拭いた。次いで、接着プロモーターを、溶剤を除いた後の乾燥被膜厚が約5μmになるようにスプレーで塗布し、接着プロモーター層を90℃で15分、乾燥させた。その後、PPG製の溶剤ベースのトップコートDBC Deltron2000をスプレーで3層に塗布し、溶剤を蒸発させた。次いで、PPG製の2成分ポリウレタンクリアコート、DC3010及びDCH3620硬化剤を2つのスプレー層に塗布した。その後、60℃で30分、最後の焼付けを行った。7日後、被覆したパネルに試験前にクロスハッチを施し、次の媒体に対する試験を行った。ASTM3359methodBによる初期の接着、水中に50℃、40時間浸漬後の接着、燃料に2時間浸漬後の接着。それらの結果を表IIに示す。
【0073】
溶剤ベーストップコート及び2成分ポリウレタンクリアコートの系への接着
本発明実施例2a−g及び比較例2は、50gの溶剤(AROMATIC100)を追加することにより、固形分3.33%にさらに希釈した。射出成形したTPOパネル(DTF0808SC、The Dow Chemical Company)をクレンザーMultiprep DX103(PPG)で完全に拭いた。次いで接着プロモーターを、溶剤を除いた後の乾燥被膜厚が約5μmになるようにスプレーで塗布し、接着プロモーター層を90℃で15分乾燥させた。続いて、PPG製の溶剤ベースのトップコートDBC Deltron2000を3層にスプレーで塗布し、溶剤を蒸発させた。その後、PPG製の2成分ポリウレタンクリアコート、DC3010及びDCH3620硬化剤を2つのスプレー層に塗布した。次いで、60℃で30分、最後の焼付けを行った。7日後、被覆したパネルに試験前にクロスハッチを施して、次の媒体に対する試験を行った。ASTM3359methodBによる初期の接着、水中に50℃、40時間浸漬後の接着、燃料に2時間浸漬後の接着。それらの結果を表IIIに示す。
【0074】
水系トップコート及び2成分ポリウレタンクリアコートの系への接着
本発明実施例1a−c及び比較例1は、50gの溶剤AROMATIC100を追加することにより、固形分3.33%にさらに希釈した。TPOパネル(DTF0808SC)をPPG製のクレンザーMultiprep DX103で完全に拭いた。次いで、接着プロモーターを、溶剤を除いた後の乾燥被膜厚が約5μmになるようにスプレーで塗布し、接着プロモーター層を90℃で15分乾燥させた。その後、PPG製の水系トップコートGM blackを3層にスプレーで塗布し、溶剤を除いた。次いでPPG製の2成分ポリウレタンクリアコートDC3010及びDCH3620硬化剤を2つのスプレー層に塗布した。60℃で約30分、最後の焼付けを行った。7日後、被覆したパネルに試験前にクロスハッチを施し、種々の媒体に対する試験を行った。ASTM3359methodBによる初期の接着、水中に50℃、40時間浸漬後の接着、燃料に2時間浸漬後の接着。それらの結果を表IVに示す。
【0075】
水系トップコート及び2成分ポリウレタンクリアコートの系への接着
本発明実施例2a−gと比較例2に、50gの溶剤AROMATIC100をさらに追加して固形分3.33%に希釈した。TPOパネル(DTF0808SC)を、PPG製のクレンザーMultiprep DX103で完全に拭いた。次いで、接着プロモーターを、溶剤を除いた後の乾燥被膜厚が約5μmになるようにスプレーで塗布し、接着層を90℃で15分、乾燥させた。次に、PPG製の水系トップコートGM blackをスプレーで3層に塗布し、溶剤を蒸発させた。次いで、PPG製の2成分ポリウレタンクリアコートDC3010及びDCH3620硬化剤を2つのスプレー層に塗布した。60℃で30分、最後の焼付けを行った。7日後、被覆したパネルに試験前にクロスハッチを施し、種々の媒体に対する試験を行った。ASTM3359methodBによる最初の接着、水中に50℃、40時間浸漬後の接着、燃料に2時間浸漬後の接着。それらの結果を表Vに示す。
【0076】
ウェットオンウェット方法における溶剤ベースのトップコート及び2成分ポリウレタンクリアコートの系への接着
実施例1a−cと比較例1に50gの溶剤AROMATIC100をさらに追加して固形分3.33%に希釈した。TPOパネル(DTF0808SC)を、PPG製のクレンザーMultiprep DX103で完全に拭いた。次いで、接着プロモーターを乾燥被膜厚が約5μmになるようにスプレーで塗布し、蒸発させるため放置のみ行った。中間焼付け工程なしに、PPG製の溶剤ベースのトップコートDBC Deltron2000を3層にスプレーで塗布し、溶剤を蒸発させた。次いで、PPG製の2成分ポリウレタンクリアコートDC3010及びDCH3620硬化剤を2つのスプレー層に塗布した。60℃、30分最後の焼付けを行った。7日後、被覆したパネルに試験前にクロスハッチを施し、種々の媒体に対する試験を行った。ASTM3359methodBによる最初の接着、水中に50℃、40時間浸漬後の接着、燃料に2時間浸漬後の接着。結果を表VIに示す。
【0077】
ウェットオンウェット方法における溶剤ベースのトップコート及び2成分ポリウレタンクリアコート系への接着
本発明実施例2a−g及び比較例2に50gの溶剤AROMATIC100をさらに追加して固形分3.33%に希釈した。TPOパネル(DTF0808SC)を、PPG製のクレンザーMultiprep DX103で完全に拭いた。次いで、接着プロモーターを乾燥被膜厚が約5μmになるようにスプレーで塗布し、溶剤を蒸発させるため放置のみ行った。中間焼付け工程なしに、PPG製の溶剤ベースのトップコートDBC Deltron2000を3層にスプレーで塗布し、溶剤を蒸発させた。次いで、PPG製の2成分ポリウレタンクリアコートDC3010及びDCH3620硬化剤を2つのスプレー層に塗布した。60℃、30分の最後の焼付けを行った。7日後、被覆したパネルに試験前にクロスハッチを施し、種々の媒体に対する試験を行った。ASTM3359methodBによる最初の接着、水中に50℃、40時間浸漬後の接着、燃料に2時間浸漬後の接着。結果を表VIIに示す。
【0078】
本発明は、その本質及び基本属性から逸脱することなく他の形態で具現化することができ、したがって、本発明の範囲を示すものとしては、以上の明細書よりも添付の特許請求の範囲を参酌すべきである。
【0079】
【表1】
VERSIFY4301は、The Dow Chemical Company製のプロピレンエチレンコポリマーであり、メルトフローレート25g/10分(230℃)及び融点62℃を有する。
BHX-10075は、Baker Petrolite製の無水マレイン酸グラフト化ポリ(プロピレン−CO−ヘキセン)であり、酸価100mg KOH/gポリマー、Mw4000、融点80℃を有する。
Perkadox14-40は、Akzo Nobel製の有機過酸化物1,4−ビス(2−tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンであり、活性酸化物含量40%を有する。
【表2】
接着性評価:0−接着せず、5−優れた接着性
【表3】
接着性評価:0−接着せず、5−優れた接着性
【表4】
接着性評価:0−接着せず、5−優れた接着性
【表5】
接着性評価:0−接着せず、5−優れた接着性
【表6】
接着性評価:0−接着せず、5−優れた接着性
【表7】
接着性評価:0−接着せず、5−優れた接着性