(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記絶縁パターンは、SiOx(x=2〜4)、SiNx(x=4)、高分子化合物PMMA(Polymethyl methacrylate)、ポリイミド(polyimide)、ポリプロピレン(polypropylene)のうち、いずれか1つで形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を説明するに当たって、各基板、層、膜、または電極などが、各基板、層、膜、または電極などの“上(on)”に、または“下(under)”に形成されることと記載される場合において、“上(on)”と“下(under)”は、“直接(directly)”または“他の構成要素を介して(indirectly)”形成されることを全て含む。また、各構成要素の上または下に対する基準は、図面を基準として説明する。図面において、各構成要素のサイズは説明のために誇張することがあり、実際に適用されるサイズを意味するものではない。
【0020】
図1乃至
図10は、本発明の第1実施形態に係る太陽電池の製造方法を示す断面図である。
【0021】
まず、
図1に示すように、基板100の上に後面電極201を形成する。
【0022】
上記基板100はガラス(glass)が使われており、アルミナのようなセラミック基板、ステンレススチール、チタニウム基板、またはポリマー基板なども使用できる。
【0023】
ガラス基板にはソーダライムガラス(soda lime glass)を使用することができ、ポリマー基板にはポリイミド(polyimide)を使用することができる。
【0024】
また、上記基板100は、リジド(rigid)、またはフレキシブル(flexible)である。
【0025】
上記後面電極201は、金属などの導電体で形成される。
【0026】
例えば、上記後面電極201はモリブデン(Mo)ターゲットを使用して、スパッタリング(sputtering)工程により形成される。
【0027】
これは、モリブデン(Mo)が有する高い電気伝導度、光吸収層とのオーミック(ohmic)接合、Se雰囲気下での高温安全性のためである。
【0028】
また、図面に図示してはいないが、上記後面電極201は、少なくとも1つ以上の層に形成される。
【0029】
上記後面電極201が複数個の層に形成される時、上記後面電極201をなす層は互いに異なる物質で形成される。
【0030】
そして、
図2に示すように、上記後面電極201の上に複数個の第1絶縁パターン10を形成する。
【0031】
上記第1絶縁パターン10は、上記後面電極201の上に絶縁膜を形成した後、上記絶縁膜にパターニング工程を進行して形成される。
【0032】
上記絶縁膜は、スパッタリング(sputtering)工程、熱蒸着工程、スプレー(spray)工程、スピンコーティング(spin coating)工程のうち、いずれか1つで進行して形成される。
【0033】
上記第1絶縁パターン10を形成するためのパターニング工程は、フォトリソグラフィ(photolithography)工程を用いた湿式または乾式エッチング工程により進行される。
【0034】
上記第1絶縁パターン10は、上記後面電極201及び以後に形成される光吸収層と反応が起こらない絶縁物質または高分子化合物で形成される。
【0035】
その例に、上記第1絶縁パターン10は、SiO
x(x=2〜4)、SiN
x(x=4)、高分子化合物PMMA(Polymethyl methacrylate)、ポリイミド(polyimide)、ポリプロピレン(polypropylene)のうち、いずれか1つで形成される。
【0036】
この際、上記第1絶縁パターン10は、各々のセルを分離できるように、各セルの間に配置される。
【0037】
即ち、以後に形成される光吸収層と前面電極の位置を考慮して、各セルの間に配置されるように形成する。
【0038】
次に、
図3に示すように、上記後面電極201にパターニング工程を進行して後面電極パターン200を形成する。
【0039】
上記後面電極パターン200は、上記第1絶縁パターン10の間に上記基板100が露出するように形成される。
【0040】
また、上記後面電極パターン200は、ストライプ(stripe)形態またはマトリックス(matrix)形態に配置され、各々のセルに対応することができる。
【0041】
しかしながら、上記後面電極パターン200は、上記の形態に限定されず、多様な形態に形成できる。
【0042】
そして、
図4に示すように、上記後面電極201の上に光吸収層300、第1バッファ層400、及び第2バッファ層500を形成する。
【0043】
上記光吸収層300は、Ib−IIIb−VIb系の化合物を含む。
【0044】
より詳しくは、上記光吸収層300は、銅−インジウム−ガリウム−セレナイド系(Cu(In、Ga)Se
2、CIGS系)化合物を含む。
【0045】
これとは異なり、上記光吸収層300は、銅−インジウム−セレナイド系(CuInSe
2、CIS系)化合物、または銅−ガリウム−セレナイド系(CuGaSe
2、CGS系)化合物を含むことができる。
【0046】
例えば、上記光吸収層300を形成するために、銅ターゲット、インジウムターゲット、及びガリウムターゲットを使用して、上記後面電極201の上にCIG系金属プリカーソル(precursor)膜が形成される。
【0047】
以後、上記金属プリカーソル膜は、セレニゼーション(selenization)工程によって、セレニウム(Se)と反応してCIGS系光吸収層300が形成される。
【0048】
また、上記金属プリカーソル膜を形成する工程及びセレニゼーション工程の間に、上記基板100に含まれたアルカリ(alkali)成分が上記後面電極パターン200を通じて、上記金属プリカーソル膜及び上記光吸収層300に拡散される。
【0049】
アルカリ(alkali)成分は、上記光吸収層300のグレーン(grain)サイズを向上させ、結晶性を向上させることができる。
【0050】
上記光吸収層300は外部の光の入射を受けて、電気エネルギーに変換させる。上記光吸収層300は光電効果により光起電力を生成する。
【0051】
上記第1バッファ層400は、硫化カドミウム(CdS)が上記光吸収層300の上に積層して形成される。
【0052】
この際、上記第1バッファ層400はn型半導体層であり、上記光吸収層300はp型半導体層である。したがって、上記光吸収層300及び第1バッファ層400はpn接合を形成する。
【0053】
そして、上記第2バッファ層500は、ITO、ZnO、i−ZnOのうち、いずれか1つを含む透明電極層に形成される。
【0054】
上記第1バッファ層400及び第2バッファ層500は、上記光吸収層300と以後に形成される前面電極との間に配置される。
【0055】
即ち、上記光吸収層300と前面電極は格子定数とエネルギーバンドギャップの差が大きいため、バンドギャップが2物質の中間に位置する上記第1バッファ層400及び第2バッファ層500を挿入して良好な接合を形成することができる。
【0056】
本実施形態では、2つのバッファ層を上記光吸収層300の上に形成したが、これに限定されず、上記バッファ層は1つの層のみで形成されることもできる。
【0057】
次に、
図5に示すように、上記光吸収層300、第1バッファ層400、及び第2バッファ層500を貫通するコンタクトパターン310を形成する。
【0058】
上記コンタクトパターン310は、レーザー(laser)を照射(irradiate)して形成することができ、上記後面電極パターン200の一部が露出する。
【0059】
この際、上記第2バッファ層500は、上記光吸収層300及び第1バッファ層400と異なる波長のレーザーを使用して工程が進行されることもでき、またはレンズを介してレーザーの集光程度に従う強度(intensity)を調節して進行されることもできる。
【0060】
上記第2バッファ層500は、高いエネルギーバンドギャップを有するため、相対的に高い出力のレーザーを使用し、上記第1バッファ層400及び光吸収層300は相対的に低いエネルギーバンドギャップを有するため、相対的に低い出力のレーザーを使用して上記コンタクトパターン310を形成することができる。
【0061】
そして、
図6に示すように、上記第2バッファ層500の上に透明な導電物質を積層して前面電極600及び接続配線700を形成する。
【0062】
上記透明な導電物質を上記第2バッファ層500の上に積層させる時、上記透明な導電物質が上記コンタクトパターン310の内部にも挿入されて、上記接続配線700を形成することができる。
【0063】
上記後面電極パターン200と前面電極600は、上記接続配線700により電気的に連結される。
【0064】
上記前面電極600は、上記第2バッファ層500の上にスパッタリング工程を進行してアルミニウムまたはアルミナでドーピングされた酸化亜鉛で形成される。
【0065】
上記前面電極600は、上記光吸収層300とpn接合を形成するウィンドウ(window)層であって、太陽電池の前面の透明電極の機能をするため、光透過率が高く、電気伝導性の良い酸化亜鉛(ZnO)で形成される。
【0066】
この際、上記酸化亜鉛にアルミニウムまたはアルミナをドーピングすることで、低い抵抗値を有する電極を形成することができる。
【0067】
上記前面電極600である酸化亜鉛薄膜は、RFスパッタリング方法によりZnOターゲットを使用して蒸着する方法と、Znターゲットを用いた反応性スパッタリング、そして有機金属化学蒸着法等により形成できる。
【0068】
また、電気光学的特性に優れるITO(Indium tin Oxide)薄膜を酸化亜鉛薄膜の上に蒸着した2重構造を形成することもできる。
【0069】
次に、
図7に示すように、上記光吸収層300、第1バッファ層400、及び第2バッファ層500を貫通する分離パターン320を形成する。
【0070】
上記分離パターン320は、レーザー(laser)を照射(irradiate)して形成することができ、上記第1絶縁パターン10の上面が露出するように形成することができる。
【0071】
上記分離パターン320を形成するためのレーザーは、532〜1064nmの波長を有し、5〜20Wのパワーを有することができる。
【0072】
上記第1バッファ層400、第2バッファ層500、及び前面電極600は、上記分離パターン320により区分され、上記第1絶縁パターン10と分離パターン320により各々のセルC1、C2は互いに分離できる。
【0073】
この際、上記第1絶縁パターン10が上記後面電極パターン200の上に配置されて、レーザーによりパターニングされる時、下部の上記後面電極パターン200が損傷することを防止することができる。
【0074】
また、上記分離パターン320が形成された後にも上記第1絶縁パターン10により上記後面電極パターン200が外部に露出しないので、上記後面電極パターン200の酸化を防止し、不純物から上記後面電極パターン200を保護することができる。
【0075】
この際、上記分離パターン320の形成時、隣り合うセルを互いに電気的に分離するために、オーバーエッチング(overetch)を進行して上記第1絶縁パターン10の一部も除去されることもできる。
【0076】
しかしながら、上記第1絶縁パターン10が全て除去されることなく、上記後面電極パターン200は露出しない。
【0077】
本実施形態で、上記分離パターン320の幅と上記第1絶縁パターン10の幅が同一に形成されたが、これに限定されず、上記分離パターン320の幅は上記第1絶縁パターン10の幅より狭く形成される。
【0078】
即ち、
図8に示すように、上記分離パターン320は、各セルC1、C2を分離させることができるパターンの幅で形成され、上記第1絶縁パターン10が上記分離パターン320の幅より広く形成される。
【0079】
また、
図9に示すように、上記分離パターン320は、上記第1絶縁パターン10の幅より広く形成されることもできる。
【0080】
そして、上記分離パターン320により上記第1バッファ層400、第2バッファ層500、及び光吸収層300は、ストライプ形態またはマトリックス形態に配置される。
【0081】
上記分離パターン320は、上記の形態に限定されず、多様な形態に形成できる。
【0082】
上記分離パターン320により上記後面電極パターン200、光吸収層300、第1バッファ層400、第2バッファ層500、及び前面電極600を含むセルC1、C2が形成される。
【0083】
この際、上記接続配線700により各々のセルC1、C2は互いに連結できる。即ち、上記接続配線700は、第2セルC2の後面電極パターン200と上記第2セルC2に隣接する上記第1セルC1の前面電極600を電気的に連結する。
【0084】
次に、
図10に示すように、上記前面電極600の上に透明樹脂800及び上部基板900を形成する。
【0085】
上記透明樹脂800は、EVA(Ethylene Vinyle Acetate copolymer)を用いた熱工程を進行して形成することができ、上記上部基板900は半強化ガラスで形成することができる。
【0086】
この際、上記透明樹脂800は、上記分離パターン320の内部にも挿入されて、上記分離パターン320には上記第1絶縁パターン10と透明樹脂800の積層構造が形成される。
【0087】
図11乃至
図14は、本発明の第2実施形態に係る太陽電池の製造方法を示す断面図である。
【0088】
第2実施形態において、第1実施形態と同一に構成及び動作する構成要素に対しては同一な符号を与えて、これに対する詳細な説明は省略する。
【0089】
まず、
図11に示すように、基板100の上に後面電極201を形成する。
【0090】
上記基板100はガラス(glass)が使われており、アルミナのようなセラミック基板、ステンレススチール、チタニウム基板、またはポリマー基板なども使用できる。
【0091】
上記後面電極201は、金属などの導電体で形成される。
【0092】
また、図面に図示してはいないが、上記後面電極201は少なくとも1つ以上の層に形成される。
【0093】
次に、
図12に示すように、上記後面電極201にパターニング工程を進行して後面電極パターン200を形成する。
【0094】
上記後面電極パターン200は、上記基板100が露出するように形成される。
【0095】
また、上記後面電極パターン200は、ストライプ(stripe)形態またはマトリックス(matrix)形態に配置され、各々のセルに対応することができる。
【0096】
そして、
図13に示すように、上記後面電極パターン200が形成された上記基板100の上に絶縁膜5を形成する。
【0097】
上記絶縁膜5は、スパッタリング(sputtering)工程、熱蒸着工程、スプレー(spray)工程、スピンコーティング(spin coating)工程のうち、いずれか1つで進行して形成される。
【0098】
上記絶縁膜5は、上記後面電極201及び以後に形成される光吸収層と反応が起こらない絶縁物質または高分子化合物で形成される。
【0099】
その例に、上記絶縁膜5は、SiO
x(x=2〜4)、SiN
x(x=4)、高分子化合物PMMA(Polymethyl methacrylate)、ポリイミド(polyimide)、ポリプロピレン(polypropylene)のうち、いずれか1つで形成される。
【0100】
次に、
図14に示すように、上記後面電極パターン200の上に複数個の第1絶縁パターン10を形成する。
【0101】
上記第1絶縁パターン10は、上記後面電極パターン200の上に形成された上記絶縁膜5にフォトリソグラフィ(photolithography)工程を用いた湿式または乾式エッチング工程により進行して形成される。
【0102】
この際、上記第1絶縁パターン10は、各々のセルを分離することができるように、各セルの間に配置される。
【0103】
即ち、以後に形成される光吸収層と前面電極の位置を考慮して、各セルの間に配置されるように形成する。
【0104】
そして、上記第1絶縁パターン10の上に光吸収層300及び前面電極600を形成する工程は、第1実施形態の
図4乃至
図10に図示された方法と同一であるので、以後の工程は省略する。
【0105】
以上、説明した第1及び第2実施形態に係る太陽電池及びその製造方法は、第1絶縁パターンが後面電極パターンの上に配置されて、各セルを区分するためのレーザーパターニング工程時、下部の後面電極パターンが損傷することを防止することができる。
【0106】
また、分離パターンが形成された後にも、第1絶縁パターンによって後面電極パターンが外部に露出しないので、後面電極パターンの酸化を防止し、不純物から後面電極パターンを保護することができる。
【0107】
また、レーザーを用いて各々のセルを分離するので、隣接するセルの間隔を縮めることができ、工程が単純化することができ、外部の光が入射される領域の面積を増大させることができる。
【0108】
また、機械的なストレスによる損傷を減らして、太陽電池の効率を向上させることができる。
【0109】
図15乃至
図22は、本発明の第3実施形態に係る太陽電池の製造方法を示す断面図である。
【0110】
まず、
図15に示すように、基板100の上に第2絶縁パターン110を形成する。
【0111】
上記基板100はガラス(glass)が使われており、アルミナのようなセラミック基板、ステンレススチール、チタニウム基板、またはポリマー基板なども使用できる。
【0112】
ガラス基板には、ソーダライムガラス(soda lime glass)を使用することができる。
【0113】
また、上記基板100は、リジド(rigid)またはフレキシブル(flexible)である。
【0114】
上記第2絶縁パターン110は、上記基板100の上に絶縁膜(図示せず)を形成した後、上記絶縁膜をパターニング(patterning)して形成することができ、上記第2絶縁パターン110の間の基板100が露出するように形成される。
【0115】
この際、上記絶縁膜は、フォトレジスト(photoresist)で形成され、上記フォトレジスト(photoresist)にフォトリソグラフィ(photolithography)工程を進行して上記第2絶縁パターン110を形成することができる。
【0116】
しかしながら、上記第2絶縁パターン110を形成する方法は、これに限定されず、上記基板100にフォトレジストまたは絶縁物質をスクリーンプリンティング(screen printing)方式を進行したり、インクジェットプリンティング(inkjet printing)、またはグラビアプリンティング(gravure printing)方式を進行して形成することができる。
【0117】
また、上記基板100に直接フォトリソグラフィ工程を進行して、上記基板100の一部を除去することで、上記第2絶縁パターン110を形成することができる。
【0118】
即ち、上記第2絶縁パターン110は、上記基板100と同じ物質で形成されたり、フォトレジストまたは絶縁物質で形成される。
【0119】
そして、上記第2絶縁パターン110は、以後に形成される後面電極パターンの位置を考慮して、上記後面電極パターンの間に配置できるように形成する。
【0120】
そして、
図16に示すように、上記第2絶縁パターン110が形成された上記基板100の上に後面電極膜201を形成する。
【0121】
上記後面電極膜201は、金属などの導電体で形成される。
【0122】
例えば、上記後面電極膜201は、モリブデン(Mo)ターゲットを使用して、スパッタリング(sputtering)工程により形成される。
【0123】
これは、モリブデン(Mo)が有する高い電気伝導度、光吸収層とのオーミック(ohmic)接合、Se雰囲気下での高温安全性のためである。
【0124】
また、図面に図示してはいないが、上記後面電極膜201は、少なくとも1つ以上の層に形成される。
【0125】
上記後面電極膜201が複数個の層に形成される時、上記後面電極膜201をなす層は互いに異なる物質で形成される。
【0126】
次に、
図17に示すように、上記第2絶縁パターン110の間の上記基板100の上に後面電極パターン200を形成する。
【0127】
上記後面電極パターン200は、上記第2絶縁パターン110が露出するように上記後面電極201の一部を除去して形成される。
【0128】
この際、化学機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)、湿式エッチング(wet etch)、乾式エッチング(dry etch)、及びサンドブラスト(sandblast)のうち、いずれか1つの工程により上記後面電極201の一部を除去することができる。
【0129】
この際、上記第2絶縁パターン110と上記後面電極パターン200の高さは同一に形成される。
【0130】
即ち、上記第2絶縁パターン110の上面と上記後面電極パターン200の上面は同一水平面上に配置される。
【0131】
しかしながら、上記第2絶縁パターン110と後面電極パターン200の高さは、これに限定されず、上記後面電極パターン200の高さは上記第2絶縁パターン110の高さより低く形成される。
【0132】
即ち、上記第2絶縁パターン110が露出するように上記後面電極201の一部を除去する工程のうち、上記後面電極201にオーバーエッチング(over etch)を行って上記後面電極パターン200の高さを上記第2絶縁パターン110の高さより低く形成することができる。
【0133】
この際、上記後面電極パターン200の間に上記第2絶縁パターン110が配置されて、上記後面電極パターン200と第2絶縁パターン110との結合力を増大させることができる。
【0134】
即ち、上記後面電極パターン200と第2絶縁パターン110との結合力が増大して、上記後面電極パターン200が上記基板100から剥離される現象を防止することができる。
【0135】
そして、上記第2絶縁パターン110の幅は、上記後面電極パターン200の幅より狭く形成される。
【0136】
また、上記後面電極パターン200は、ストライプ(stripe)形態またはマトリックス(matrix)形態に配置され、各々のセルに対応することができる。
【0137】
しかしながら、上記後面電極パターン200は、上記の形態に限定されず、多様な形態に形成できる。
【0138】
この際、上記第2絶縁パターン110が形成された後、上記第2絶縁パターン110の間に上記後面電極パターン200を形成して、上記後面電極パターン200を別にパターニングしなくてもよい。
【0139】
即ち、上記後面電極パターン200を形成するために、レーザーでパターニングする場合、後面電極パターンのエッジ(edge)領域が浮き上がるとか、剥離される現象が発生するが、本実施形態では後面電極パターンを形成するためにはレーザーを使用しないので、レーザーパターニングに対する上記後面電極パターン200の変形を防止することができる。
【0140】
また、上記後面電極パターン200が浮き上がらないので、以後、光吸収層が安定的に形成されて太陽電池の品質及び効率を向上させることができる。
【0141】
そして、図面に図示してはいないが、上記後面電極パターン200を形成した後、上記第2絶縁パターン110を除去することもできる。
【0142】
また、上記基板100の上に後面電極パターン200を形成する方法は、これに限定されるものではない。
【0143】
即ち、
図18に示すように、上記基板100の一部を除去して上記基板100から延びた第2絶縁パターン110を形成した後、上記後面電極パターン200を上記第2絶縁パターン110の間に形成することができる。
【0144】
この際、上記第2絶縁パターン110は、上記基板100と同じ物質で形成される。
【0145】
そして、
図19に示すように、上記後面電極パターン200及び第2絶縁パターン110が形成された上記基板100の上に光吸収層300、第1バッファ層400、及び第2バッファ層500を形成する。
【0146】
上記光吸収層300は、Ib−IIIb−VIb系の化合物を含む。
【0147】
より詳しくは、上記光吸収層300は、銅−インジウム−ガリウム−セレナイド系(Cu(In、Ga)Se
2、CIGS系)化合物を含む。
【0148】
これとは異なり、上記光吸収層300は、銅−インジウム−セレナイド系(CuInSe
2、CIS系)化合物、または銅−ガリウム−セレナイド系(CuGaSe
2、CGS系)化合物を含むことができる。
【0149】
例えば、上記光吸収層300を形成するために、銅ターゲット、インジウムターゲット、及びガリウムターゲットを使用して、上記後面電極201の上にCIG系金属プリカーソル(precursor)膜が形成される。
【0150】
以後、上記金属プリカーソル膜は、セレニゼーション(selenization)工程により、セレニウム(Se)と反応してCIGS系光吸収層300が形成される。
【0151】
また、上記金属プリカーソル膜を形成する工程及びセレニゼーション工程の間に、上記基板100に含まれたアルカリ(alkali)成分が上記後面電極パターン200を通じて、上記金属プリカーソル膜及び上記光吸収層300に拡散される。
【0152】
アルカリ(alkali)成分は、上記光吸収層300のグレーン(grain)サイズを向上させ、結晶性を向上させることができる。
【0153】
上記光吸収層300は外部の光の入射を受けて、電気エネルギーに変換させる。上記光吸収層300は光電効果によって光起電力を生成する。
【0154】
この際、上記後面電極パターン200の間に上記第2絶縁パターン110が形成されて、各々の上記後面電極パターン200の間に発生する漏洩電流を防止することができる。
【0155】
上記第1バッファ層400は、硫化カドミウム(CdS)が上記光吸収層300の上に積層して形成される。
【0156】
この際、上記第1バッファ層400はn型半導体層であり、上記光吸収層300はp型半導体層である。したがって、上記光吸収層300及び第1バッファ層400はpn接合を形成する。
【0157】
そして、上記第2バッファ層500は、酸化亜鉛(ZnO)をターゲットにしてスパッタリング工程を進行して形成される。
【0158】
上記第1バッファ層400及び第2バッファ層500は、上記光吸収層300と以後に形成される前面電極との間に配置される。
【0159】
即ち、上記光吸収層300と前面電極は格子定数とエネルギーバンドギャップの差が大きいため、バンドギャップが2物質の中間に位置する上記第1バッファ層400及び第2バッファ層500を挿入して良好な接合を形成することができる。
【0160】
次に、
図20に示すように、上記光吸収層300、第1バッファ層400、及び第2バッファ層500を貫通するコンタクトパターン310を形成する。
【0161】
上記コンタクトパターン310は、上記第1バッファ層400、第2バッファ層500、及び光吸収層300を貫通するように形成される。
【0162】
また、上記コンタクトパターン310は機械的パターニングにより形成され、これに限定されず、レーザー(laser)を照射(irradiate)してパターニングされることもできる。
【0163】
この際、上記コンタクトパターン310の形成により上記後面電極パターン200の一部が露出する。
【0164】
そして、
図21に示すように、上記第2バッファ層500の上に透明な導電物質を積層して前面電極600及び接続配線700を形成する。
【0165】
上記透明な導電物質を上記第2バッファ層500の上に積層させる時、上記透明な導電物質が上記コンタクトパターン310の内部にも挿入されて、上記接続配線700を形成することができる。
【0166】
上記後面電極パターン200と前面電極600は、上記接続配線700により電気的に連結される。
【0167】
上記前面電極600は、上記第2バッファ層500の上にスパッタリング工程を進行してアルミナでドーピングされた酸化亜鉛、または酸化亜鉛に伝導性物質がドーピングされた物質で形成される。
【0168】
上記前面電極600は、上記光吸収層300とpn接合を形成するウィンドウ(window)層であって、太陽電池の前面の透明電極の機能をするため、光透過率が高く、電気伝導性の良い酸化亜鉛(ZnO)で形成される。
【0169】
この際、上記酸化亜鉛に、アルミニウム、アルミナ、または伝導性物質をドーピングすることで、低い抵抗値を有する電極を形成することができる。
【0170】
上記前面電極600である酸化亜鉛薄膜は、スパッタリング方法によりZnOターゲットを使用して蒸着する方法と、Znターゲットを用いた反応性スパッタリング、そして有機金属化学蒸着法等により形成される。
【0171】
また、電気光学的特性に優れるITO(Indium tin Oxide)薄膜を酸化亜鉛薄膜の上に蒸着した2重構造を形成することもできる。
【0172】
次に、
図22に示すように、上記光吸収層300、第1バッファ層400、及び第2バッファ層500を貫通する分離パターン320を形成する。
【0173】
上記分離パターン320は、上記前面電極600、光吸収層300、第1バッファ層400、及び第2バッファ層500貫通するように形成される。
【0174】
また、上記分離パターン320は、機械的パターニングにより形成され、これに限定されず、レーザー(laser)を照射(irradiate)してパターニングされることもできる。
【0175】
また、この際、上記分離パターン320の形成により上記後面電極パターン200の一部が露出する。
【0176】
上記第1バッファ層400、第2バッファ層500、及び前面電極600は、上記分離パターン320により区分され、上記分離パターン320により各々のセルC1、C2は互いに分離できる。
【0177】
そして、上記分離パターン320により上記第1バッファ層400、第2バッファ層500、及び光吸収層300は、ストライプ形態またはマトリックス形態に配置される。
【0178】
上記分離パターン320は、上記の形態に限定されず、多様な形態に形成できる。
【0179】
上記分離パターン320により上記後面電極パターン200、光吸収層300、第1バッファ層400、第2バッファ層500、及び前面電極600を含むセルC1、C2が形成される。
【0180】
この際、上記接続配線700により各々のセルC1、C2は互いに連結できる。即ち、上記接続配線700は、第2セルC2の後面電極パターン200と上記第2セルC2に隣接する上記第1セルC1の前面電極600を電気的に連結する。
【0181】
そして、
図23に示すように、上記前面電極600の上に透明樹脂800及び上部基板900を形成する。
【0182】
上記透明樹脂800は、EVA(Ethylene Vinyle Acetate copolymer)を用いた熱工程を進行して形成することができ、上記上部基板900は半強化ガラスで形成することができる。
【0183】
以上、説明した第3実施形態に係る太陽電池及びその製造方法は、後面電極パターンの間に第2絶縁パターンが配置されて、後面電極パターンと第2絶縁パターンとの結合力を増大させることができる。
【0184】
即ち、後面電極パターンと第2絶縁パターンとの結合力が増大して、後面電極パターンが基板から剥離される現象を防止することができる。
【0185】
また、後面電極パターンを形成するために、レーザーでパターニングする場合、後面電極パターンのエッジ(edge)領域が浮き上がるとか、剥離される現象が発生するが、本実施形態では、後面電極パターンを形成するためにはレーザーを使用しないので、レーザーパターニングに対する後面電極パターンの変形を防止することができる。
【0186】
また、後面電極パターンが浮き上がらないので、以後、光吸収層が安定的に形成されて太陽電池の品質及び効率を向上させることができる。
【0187】
また、後面電極パターンの間に第2絶縁パターンが形成されて、各々の後面電極パターンの間に発生する漏洩電流を防止することができる。