(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記メールデータ生成部は、前記送信先情報をエンベロープ情報に含め、前記送信宛先一覧情報をヘッダ情報に含め、当該エンベロープ情報およびヘッダ情報を前記メール本文に付随させて前記メールデータを生成する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態にかかる通信装置および通信制御プログラムについて図面を参照して説明する。
【0013】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1にかかるメール送受信システムの概念図である。メール送受信システムは、インターネットを介して互いに接続されたメールクライアント(通信装置)およびメールサーバーからなる。
【0014】
メールクライアント1Aおよびメールクライアント1B(以下、まとめて「メールクライアント1」と呼ぶ場合がある)は、スマートフォン等の携帯端末やPC(Personal Computer)である。メールクライアント1は、携帯電話会社の通信網や公衆無線LAN(Local Area Network)等を介してインターネットに接続することで、メールサーバー2Aとデータ通信が可能となる。メールクライアント1は、メール作成者のユーザー操作に応じたメールデータを生成し、当該生成したメールデータをSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)を用いてメールサーバー2Aに送信する。
【0015】
メールサーバー2Aは、メールクライアント1から送信されたメールデータに基づき、他のメールサーバー2Bまたはメールサーバー2Cにメールデータを配送する。
【0016】
メールクライアント3やメールクライアント4は、メールサーバー2Bまたはメールサーバー2Cと通信して、メールデータが配送されている場合にメールデータをダウンロード(受信)する。
【0017】
図2は、メールクライアント1の構成を示すブロック図である。メールクライアント1は、通信部11、表示部12、操作部13、および記憶部14を備える。
【0018】
通信部11は、LANチップ等の通信モジュールを備え、後述する通信制御部54による制御の下、メールサーバー2Aとの間でデータの送受信を行う。
【0019】
表示部12は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイを含んで構成される。表示部12は後述する表示制御部55による制御の下、メールデータ生成画面やメールデータ表示画面等を表示する。
【0020】
操作部13は、キーボード等の入力装置やマウス等のポインティングデバイスを含んで構成される。操作部13は、表示部12に表示される画面に対するユーザー操作をメール作成者から受け付ける。
【0021】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)等の大容量の記憶装置である。
【0022】
メールクライアント1は、更に、制御ユニット50を備えている。制御ユニット50は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等から構成される。制御ユニット50は、上記のROM又は記憶部14に記憶された通信制御プログラム等のプログラムが上記のCPUに実行されることにより、制御部51、受付部52、メールデータ生成部53、通信制御部54、および表示制御部55として機能する。なお、制御ユニット50の制御部51、受付部52、メールデータ生成部53、通信制御部54、および表示制御部55は、前述のプログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
【0023】
制御部51は、メールクライアント1の全体的な動作制御を司る。制御部51は、通信部11、表示部12、操作部13、および記憶部14等と接続されており、接続されている上記各構成の動作制御や各構成との間での信号又はデータの送受信を行う。
【0024】
受付部52は、メール作成者の操作部13を用いたユーザー操作に基づき、通信部11が受信したメールデータに対する返信指示、メール本文の入力指示、送信先のメールアドレスの入力指示、および送信宛先の種別の選択指示等の指示を受け付ける機能を有する。
【0025】
メールデータ生成部53は、受付部52が受け付けた上記指示に基づいてメールデータを生成する機能を有する。
【0026】
図3は、表示部12に表示されるメールデータ生成画面D1の一例を示す図である。メールデータ生成画面D1には、TO宛先の入力指示を受け付けるためのTO宛先入力欄d1、CC(Carbon Copy)宛先の入力指示を受け付けるためのCC宛先入力欄d2、BCC(Blind Carbon Copy)宛先の入力指示を受け付けるためのBCC宛先入力欄d3、件名の入力指示を受け付けるための件名入力欄d4、およびメール本文の入力指示を受け付けるためのメール本文入力欄d5が設けられている。また、メールデータ生成画面D1には、送信ボタンd6が設けられている。受付部52が送信ボタンd6の選択を受け付けると、メールデータ生成部53は、上記の各入力欄に入力された情報に応じたメールデータを生成する。
【0027】
メールクライアント1は、メールデータを生成する処理に関して、第1のメールデータ生成モードと、第2のメールデータ生成モードとの2つの動作モードを有する。第1のメールデータ生成モードは、一般のメールクライアントと同様に、TO宛先入力欄d1に入力された順に送信先のメールアドレスの一覧が示されたTo情報(送信宛先一覧情報)を含むメールデータを生成する動作モードである。一方、第2のメールデータ生成モードは、TO宛先入力欄d1に入力された順に送信先のメールアドレスの一覧が示されたTo情報を生成するのではなく、TO宛先入力欄d1に入力された順序から変更した順序でメールアドレスの一覧が示されたTo情報を生成して、当該生成したTO情報を含むメールデータを生成する動作モードである。
【0028】
まず、第1のメールデータ生成モードについて説明する。
図4は、
図3に示すメールデータ生成画面D1において入力された情報に基づき、第1のメールデータ生成モードにおいて生成されるメールデータM1の内容の一例を示す図である。メールデータM1は、エンベロープ情報F1、ヘッダ情報F2、およびメール本文情報F3から構成される。エンベロープ情報F1は、メールデータの送信元のメールアドレスを示すMAIL FROM情報と、メールデータの送信先のメールアドレスの情報を示すRECPT TO情報(送信先情報)とを含む。メールデータ生成部53は、メール作成者のメールアドレスをMAIL FROM情報とし、TO宛先入力欄d1、CC宛先入力欄d2、およびBCC宛先入力欄d3に入力された全てのメールアドレスをRECPT TO情報としたエンベロープ情報F1を生成する(
図4中の点線領域f1内を参照)。当該生成されたエンベロープ情報F1は、メールサーバー2Aにおいて、配送先のメールサーバーを特定する際に用いられる。
【0029】
ヘッダ情報F2は、メールデータの送信時刻を示すData情報と、メールデータの送信元のメールアドレスを示すFrom情報と、TO送信先のメールアドレスの一覧を示すTo情報と、CC送信先のメールアドレスの一覧を示すCC情報と、件名を示すSubject情報と、メールデータ毎の固有の識別子であるMessage−id情報等とを含む。メールデータ生成部53は、TO宛先入力欄d1に入力されたメールアドレスの一覧をTo情報とし、CC宛先入力欄d2に入力されたメールアドレスの一覧をCC情報とし、件名入力欄d4に入力された内容をSubject情報としたヘッダ情報F2を生成する。特に、第1のメールデータ生成モードでは、メールデータ生成部53は、TO宛先入力欄d1に入力された順にメールアドレスの一覧が示されたTo情報を生成する(
図4中の点線領域f2内を参照)。なお、メールデータ生成部53は、BCC情報入力欄d3に入力されたメールアドレスをヘッダ情報F2に含めない。
【0030】
当該生成されたヘッダ情報F2は、メールデータM1を受信したメールクライアント1、メールクライアント3またはメールクライアント4等により解析される。メールデータM1を受信したメールクライアントは、その解析結果に基づいて、表示部に表示させる表示画面の内容を決定する。
図5(A)は、
図4に示されるメールデータM1を受信したメールクライアントの表示部に表示されるメールデータ表示画面D2の一例を示す図である。メールデータ表示画面D2には、送信者表示欄d11、TO宛先表示欄d12、CC宛先表示欄d13、件名表示欄d14、およびメール本文表示欄d15が設けられている。メールデータM1を受信したメールクライアントは、表示部に、ヘッダ情報F2のFrom情報に示されるメールアドレスを送信者表示欄d11に表示し、To情報に示されるメールアドレスの一覧をTO宛先表示欄d12に表示し、CC情報に示されるメールアドレスの一覧をCC宛先表示欄d13に表示し、Subject情報に示される内容を件名表示欄d14に表示し、メール本文情報F3に示される内容をメール本文表示欄d15に表示する。特に、メールデータM1を受信したメールクライアントは、メールデータM1に含まれるTO情報に示されるメールアドレスの順に、TO宛先表示欄d12にメールアドレスの一覧を表示する。すなわち、メールデータM1を受信したメールクライアントの表示部のTO宛先表示欄d12には、第1のメールデータ生成モードにおいてTO宛先入力欄d1に入力された入力順にメールアドレスの一覧が表示されることになる。
【0031】
次に、第2のメールデータ生成モードについて説明する。第2のメールデータ生成モードでは、メールデータ生成部53は、TO宛先入力欄d1に入力された複数のメールアドレスのうち1つのメールアドレスを送信先としたRECPT TO情報と、当該1つのメールアドレスの順番を先頭にしたTO情報とを有するメールデータを、当該1つのメールアドレス毎に生成する。この結果、TO宛先入力欄d1に入力された複数のメールアドレスのそれぞれについて、エンベロープ情報F1およびヘッダ情報F2が異なる(メール本文情報F3は共通する)メールデータが生成されることになる。
【0032】
図6(A)および
図6(B)は、
図3に示すメールデータ生成画面D1において入力された情報に基づき、第2のメールデータ生成モードにおいて生成されるメールデータM1の内容の一例を示す図である。
図6(A)に示されるメールデータM1は、メールアドレス「ddd@ddd.com」を送信先としたメールデータであり、RECPT TO情報にはメールアドレス「ddd@ddd.com」のみが含まれている(
図6(A)中の点線領域f1内を参照)。また、当該メールデータM1のTO情報には、TO宛先入力欄d1に入力された入力順に並ぶメールアドレスの一覧から、メールアドレス「ddd@ddd.com」の順番を先頭に変更したメールアドレスの一覧が含まれている(
図6(A)中の点線領域f2内を参照)。
【0033】
この
図6(A)に示すメールデータM1は、メールアドレス「ddd@ddd.com」に対応するメールクライアントにより受信される。当該受信したメールクライアントの表示部には、
図5(B)に示すメールデータ表示画面D2が表示される。すなわち、メールクライアントの表示部のTO宛先表示欄d12には、TO宛先入力欄d1に入力された入力順にメールアドレスの一覧が表示されるのではなく、自身(メールデータM1を受信したメールクライアント)のメールアドレス「ddd@ddd.com」の順番を先頭にしたメールアドレスの一覧が表示される。
【0034】
また、
図6(B)に示されるメールデータM1は、メールアドレス「eee@eee.com」を送信先としたメールデータであり、RECPT TO情報にはメールアドレス「eee@eee.com」のみが含まれ、TO情報にはTO宛先入力欄d1に入力された入力順に並ぶメールアドレスの一覧からメールアドレス「eee@eee.com」の順番を先頭に変更したメールアドレ
スの一覧が含まれている。
【0035】
図6(A)に示すメールデータは、メールアドレス「ddd@ddd.com」を送信先としたメールデータであり、
図6(B)に示すメールデータは、メールアドレス「eee@eee.com」を送信先としたメールデータであるが、メールデータ生成部53は、この他に、
図3に示すTO宛先入力欄d1に入力された他のメールアドレスであるメールアドレス「bbb@bbb.com」を送信先としたメールデータ、および、メールアドレス「ccc@ccc.com」を送信先としたメールデータを生成する。
【0036】
メールデータM1を受信したメールクライアントにおいて、TO宛先表示欄d12に表示されるメールアドレスの一覧の順序が、受信したメールデータM1に対するユーザーの関心度に影響を及ぼす場合がある。例えば、TO宛先表示欄d12に自身のメールアドレスが先頭に表示されたメールデータM1に対しては、ユーザーが高い関心度を持つ可能性が高い。一方、TO宛先表示欄d12に表示されるメールアドレスの一覧において自身のメールアドレスが後ろの方に表示されたメールデータM1に対しては、ユーザーが低い関心度しか持たない場合がある。
【0037】
一般のメールクライアントにおいてメールデータを生成した場合、受信側のメールクライアントのTO宛先表示欄には、送信宛先入力欄に入力された入力順にメールアドレスの一覧が表示される。このため、全ての送信先のメールアドレスのユーザーに、高い関心度を持ってもらいたい場合には、各メールアドレスに対して個別にメールデータを生成する必要があり煩わしい。
【0038】
これに対して、本実施形態にかかるメールクライアント1では、メールデータ生成部53が、TO宛先入力欄d1に入力された複数のメールアドレスのうち1つのメールアドレスを送信先としたRECPT TO情報と、当該1つのメールアドレスの順番を先頭にしたTO情報とを有するメールデータを、当該1つのメールアドレス毎に生成する。これにより、受信側の各メールクライアントにおいて、当該各メールクライアントのメールアドレスの順番を先頭にしたメールアドレスの一覧をTO宛先表示欄d12に表示させることができる。その結果、全ての送信先のメールアドレスのユーザーに、メールデータに対して高い関心度を持たせることができる。
【0039】
通信制御部54は、通信部11によるデータの通信動作を制御して、メールデータを送信する送信部とメールデータを受信する受信部として機能する。具体的には、通信制御部54は、通信部11を介してメールデータ生成部53が生成したメールデータをメールサーバー2Aへ送信する。また、通信制御部54は、受付部52がメール受信確認指示を受け付けたタイミングや予め定められた時間が経過したタイミングで、通信部11を介してメールサーバー2Aと通信してメールデータが配送されているか否かの確認を行う。メールデータが配送されている場合、通信制御部54は、通信部11を介してメールサーバー2Aからメールデータをダウンロードする。
【0040】
表示制御部55は、表示部12による画像の表示動作を制御する機能を有する。例えば、表示制御部55は、上記のメールデータ生成画面D1やメールデータ表示画面D2を表示部12に表示させる。また、表示制御部55は、
図7に示す送信済みメールデータ表示画面D3を表示部12に表示させる。送信済みメールデータ表示画面D3には、通信制御部54により送信されたメールデータの送信先のメールアドレスの一覧やメール本文の情報とともに、送信済みである旨を示す情報d21およびメールアドレスの表示順序を変更してメールデータを送信した旨を示す情報d22が含まれる。これにより、メールデータ生成部53がTO宛先入力欄d1に入力された順序から変更した順序でメールアドレスの一覧が示されたTo情報を生成して、通信制御部54が当該生成したTO情報を含むメールデータを送信した場合に、ユーザーに対してメールアドレスの表示順序を変更してメールデータを送信した旨を報知することができる。
【0041】
次に、上記構成を備えるメールクライアント1の動作の流れについて説明する。
図8は、メールクライアント1によるメールデータ生成処理および送信処理の動作の流れを示すフローチャートである。メールクライアント1の制御部51は、メールクライアント1の動作モードが第2のメールデータ生成モードであるか否かを判定する(ステップS10)。制御部51は、受付部52が操作部13等を用いたユーザー操作に基づき第2のメールデータ生成モードに遷移すべき指示を受け付けた場合に、メールクライアント1の動作モードを第2のメールデータ生成モードに切り替える。
【0042】
動作モードが第2のメールデータ生成モードではなく、第1のメールデータ生成モードである場合(ステップS10においてNO)、メールデータ生成部53や通信制御部54は、通常のメールデータ生成処理および送信処理を行う(ステップS18)。これらの処理は、一般のメールクライアントにおける処理と同様の処理であるため説明を略する。
【0043】
動作モードが第2のメールデータ生成モードである場合(ステップS10においてYES)、表示制御部55は、メールデータ生成画面D1を表示部12に表示させる(ステップS11)。
【0044】
そして受付部52が送信先の複数のメールアドレスおよびメール本文等を受け付け(ステップS12)、その後に受付部52がメールデータ送信指示を受け付けると(ステップS13においてYES)、メールデータ生成部53は、TO宛先入力欄d1に入力された複数のメールアドレスのうち1つのメールアドレスを送信先としたRECPT TO情報と、当該1つのメールアドレスの順番を先頭にしたTO情報とを有するメールデータを生成する(ステップS14)。
【0045】
そして、メールデータ生成部53は、ステップS14のメールデータ生成処理を、TO宛先入力欄d1に入力された全てのメールアドレスに対して実行する(ステップS15)。
【0046】
TO宛先入力欄d1に入力された全てのメールアドレスに対してメールデータを生成した場合(ステップS15においてYES)、通信制御部54は、通信部11を介してメールデータ生成部53が生成した複数のメールデータをメールサーバー2Aへ送信する(ステップS16)
【0047】
メールデータの送信後、制御部51は、ステップS16の処理で送信したメールデータを、メールアドレスの順序を変更してメールデータを送信した旨を示す情報とともに記憶部14に記憶させる(ステップS17)。記憶部14に記憶された当該情報は、表示制御部55により送信済みメールデータ表示画面D3を表示部12に表示させる際に読み出される。
【0048】
<補足1>
上記の実施形態1では、メールデータ生成部53が、TO宛先入力欄d1に入力された複数のメールアドレスのうち1つのメールアドレスの順番を先頭にしたTO情報を有するメールデータを生成する場合を説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。メールデータ生成部53は、上記の1つのメールアドレスの順番を先頭にしたTO情報を生成しなくとも、上記の1つのメールアドレスの順番を受付部52が受け付けた順番よりも前の順番に繰り上げたTO情報を生成してもよい。これにより、受信側のTO宛先表示欄d12に表示される各メールクライアントのメールアドレスの順序を、一般のメールクライアントでメールデータを生成した場合と比較して前の順序にすることができる。その結果、全ての送信先のメールアドレスのユーザーに、メールデータに対する高い関心度を持たせることが可能になる。
【0049】
<補足2>
上記の実施形態1では、メールデータ生成部53が、TO宛先入力欄d1に入力された複数のメールアドレスのうち1つのメールアドレスを送信先としたRECPT TO情報と、当該1つのメールアドレスの順番を先頭にしたTO情報とを有するメールデータを、当該1つのメールアドレス毎に生成する場合を説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。メールデータ生成部53は、CC宛先入力欄d2に入力された複数のメールアドレスのうち1つのメールアドレスを送信先としたRECPT TO情報と、当該1つのメールアドレスの順番を先頭にしたCC情報(CC宛先一覧情報)とを有するメールデータを、当該1つのメールアドレス毎に生成するとしてもよい。
【0050】
図9は、補足2にかかるメールクライアント1の表示部12に表示されるメールデータ生成画面D1の一例を示す図である。
図10は、
図9に示すメールデータ生成画面D1において入力された情報に基づき、第1のメールデータ生成モードにおいて生成されるメールデータM1の内容の一例を示す図である。第1のメールデータ生成モードでは、メールデータ生成部53は、CC宛先入力欄d2に入力された順にメールアドレスの一覧が示されたCC情報を生成する(
図10中の点線領域f3内を参照)。
【0051】
図11(A)は、
図9に示すメールデータ生成画面D1において入力された情報に基づき、第2のメールデータ生成モードにおいて生成されるメールデータM1の内容の一例を示す図である。第2のメールデータ生成モードでは、メールデータ生成部53は、CC宛先入力欄d2に入力された順にメールアドレスの一覧が示されたCC情報を生成するのではなく、CC宛先入力欄d2に入力された複数のメールアドレスのうち1つのメールアドレスの順番を先頭にしたCC情報を有するメールデータを生成する。
図11(A)に示されるメールデータM1は、メールアドレス「hhh@hhh.com」を送信先としたメールデータ
であり、RECPT TO情報にはメールアドレス「hhh@hhh.com」のみが含まれている(
図11(A)中の点線領域f1内を参照)。また、当該メールデータM1のTO情報には、TO宛先入力欄d1に入力された入力順に並ぶメールアドレスの一覧が含まれている(
図11(A)中の点線領域f2内を参照)。また、当該メールデータM1のCC情報には、CC宛先入力欄d2に入力された入力順に並ぶメールアドレスの一覧から、メールアドレス「hhh@hhh.com」の順番を先頭に変更したメールアドレスの一覧が含まれている(
図11(A)中の点線領域f3内を参照)。
【0052】
この
図11(A)に示すメールデータM1は、メールアドレス「hhh@hhh.com」に対応
するメールクライアントにより受信される。当該受信したメールクライアントの表示部には、
図11(B)に示すメールデータ表示画面D2が表示される。すなわち、メールクライアントの表示部のCC宛先表示欄d13には、CC宛先入力欄d2に入力された入力順にメールアドレスの一覧が表示されるのではなく、自身(メールデータM1を受信したメールクライアント)のメールアドレス「hhh@hhh.com」の順番を先頭にしたメールアドレスの一覧が表示される。
【0053】
以上のように補足2にかかるメールクライアント1では、受付部52が、送信先の複数のメールアドレスについて、TO宛先およびCC宛先を含むメールアドレスの種別の指定を受け付ける。そして、メールデータ生成部53は、メールアドレスの種別がTO宛先である1つのメールアドレスについて、当該1つのメールアドレスを送信先としたRECPT TO情報と、当該1つのメールアドレスの順番を先頭にしたTO情報とを有するメールデータを生成する。また、メールデータ生成部53は、メールアドレスの種別がCC宛先である1つのメールアドレスについて、当該1つのメールアドレスを送信先としたRECPT TO情報と、当該1つのメールアドレスの順番を先頭にしたCC情報とを有するメールデータを生成する。この場合においても、上記の実施形態1で説明した効果と同様の効果が得られる。
【0054】
<実施形態2>
実施形態1にかかるメールクライアント1では、受付部52が送信先の複数のメールアドレスについて、TO宛先およびCC宛先を含むメールアドレスの種別の指定を受け付け、メールデータ生成部53が同じ種別の複数のメールアドレス内でメールアドレスの順序を変更していた。これに対して、実施形態2にかかるメールクライアント1では、メールデータ生成部53が同じ種別の複数のメールアドレス内でメールアドレスの順序を変更するのではなく、異なる種別の複数のメールアドレスに跨がってメールアドレスの順序を変更する。
【0055】
図12は、実施形態2にかかるメールクライアント1の表示部12に表示されるメールデータ生成画面D4の一例を示す図である。メールデータ生成画面D4は、メールデータ生成画面D1と異なり、TO宛先入力欄d1、CC宛先入力欄d2、およびBCC宛先入力欄d3が設けられていない(
図3参照)。その代わりに、メールデータ生成画面D4には、送信先のメールアドレスを受け付けるための宛先入力欄d7が設けられている。受付部52は、TO宛先、CC宛先、BCC宛先といったメールデータの種別の指定を受け付けず、送信先のメールアドレスとして宛先入力欄d7に入力された複数のメールアドレスを受け付ける。
【0056】
メールデータ生成部53は、宛先入力欄d7に入力された複数のメールアドレスのうち1つのメールアドレスを送信先としたRECPT TO情報と、当該1つのメールアドレスのみをTO情報に含め、当該1つのメールアドレス以外のメールアドレスをCC情報に含めたメールデータを、当該1つのメールアドレス毎に生成する。
【0057】
図13(A)および
図13(B)は、
図12に示すメールデータ生成画面D4において入力された情報に基づき生成されるメールデータM1の内容の一例を示す図である。
図13(A)に示されるメールデータM1は、メールアドレス「ddd@ddd.com」を送信先としたメールデータであり、RECPT TO情報にはメールアドレス「ddd@ddd.com」のみが含まれている(
図13(A)中の点線領域f1内を参照)。また、当該メールデータM1のTO情報には、宛先入力欄d7に入力された複数のメールアドレスから、メールアドレス「ddd@ddd.com」のみが含まれている(
図13(A)中の点線領域f2内を参照)。また、当該メールデータM1のCC情報には、宛先入力欄d7に入力された複数のメールアドレスから、メールアドレス「ddd@ddd.com」以外のメールアドレスが含まれている(
図13(A)中の点線領域f3内を参照)。
【0058】
また、
図13(B)に示されるメールデータM1は、メールアドレス「eee@eee.com」を送信先としたメールデータであり、RECPT TO情報にはメールアドレス「eee@eee.com」のみが含まれ、TO情報には宛先入力欄d7に入力された複数のメールアドレスからメールアドレス「eee@eee.com」のみが含まれ、CC情報にはメールアドレス「eee@eee.com」以外のメールアドレスが含まれている。
【0059】
図13(A)に示すメールデータは、メールアドレス「ddd@ddd.com」を送信先としたメールデータであり、
図13(B)に示すメールデータは、メールアドレス「eee@eee.com」を送信先としたメールデータであるが、メールデータ生成部53は、この他に、
図12に示す宛先入力欄d7に入力された他のメールアドレスであるメールアドレス「bbb@bbb.com」を送信先としたメールデータ、および、メールアドレス「ccc@ccc.com」を送信先としたメールデータを生成する。
【0060】
このように実施形態2にかかるメールクライアント1では、送信先のメールアドレスの一覧が示された送信宛先一覧情報は、TO情報およびCC情報からなる。TO情報に含まれるメールアドレスは、CC情報に含まれるメールアドレスよりも、送信宛先一覧情報におけるメールアドレスの並びが先となる。このため、実施形態2にかかるメールクライアント1では、メールデータ生成部53が、宛先入力欄d7に入力された複数のメールアドレスのうち1つのメールアドレスのみをTO情報に含め、当該1つのメールアドレス以外のメールアドレスをCC情報に含めることで、当該1つのメールアドレスの順序を先頭にした送信宛先一覧情報を生成しているといえる。
【0061】
メールデータM1を受信したメールクライアントにおいて、自身のメールアドレスがTO宛先表示欄d12に表示されるか、または、CC宛先表示欄d13に表示されるかにより、受信したメールデータM1に対するユーザーの関心度に影響を及ぼす場合がある。例えば、TO宛先表示欄d12に自身のメールアドレスが表示されたメールデータM1に対しては、ユーザーが高い関心度を持つ可能性が高い。一方、CC宛先表示欄d13に自身のメールアドレスが表示されたメールデータM1に対しては、ユーザーが低い関心度しか持たない場合がある。
【0062】
これに対して、実施形態2にかかるメールクライアント1では、受信側の各メールクライアントにおいて、当該各メールクライアントのメールアドレスをTO宛先表示欄d12に表示させることができる。その結果、全ての送信先のメールアドレスのユーザーに、メールデータに対して高い関心度を持たせることができる。
【0063】
図14は、実施形態2にかかるメールクライアント1によるメールデータ生成処理および送信処理の動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図8に示すフローチャートと同内容の処理については同符号を付して説明を略する。
【0064】
受付部52がメールデータ送信指示を受け付けると(ステップS13においてYES)、メールデータ生成部53は、宛先入力欄d7に入力された複数のメールアドレスのうち1つのメールアドレスを送信先としたRECPT TO情報と、当該1つのメールアドレスのみをTO情報に含め、当該1つのメールアドレス以外のメールアドレスをCC情報に含めたメールデータを生成する(ステップS24)。
【0065】
そして、メールデータ生成部53は、ステップS24のメールデータ生成処理を、宛先入力欄d7に入力された全てのメールアドレスに対して実行する(ステップS25)。
【0066】
宛先入力欄d7に入力された全てのメールアドレスに対してメールデータを生成した場合(ステップS25においてYES)、通信制御部54は、通信部11を介してメールデータ生成部53が生成した複数のメールデータをメールサーバー2Aへ送信する(ステップS16)。
【0067】
<補足>
上記の実施形態2の説明では、メールクライアント1の表示部12に表示されるメールデータ生成画面D4にTO宛先入力欄d1、CC宛先入力欄d2、およびBCC宛先入力欄d3が設けられておらず、受付部52が、TO宛先、CC宛先、BCC宛先といったメールデータの種別の指定を受け付けない場合を説明した(
図12参照)が、本実施形態2にかかる発明は必ずしもこの場合に限定されない。
【0068】
受付部52は、TO宛先およびCC宛先を含む送信宛先の種別の指定を受け付けてもよい。この場合、メールデータ生成部53は、
図14に示すステップS24の処理において、受付部52が受け付けた送信宛先の種別の指定に限られず、メールアドレスのうち1つのメールアドレスを送信先としたRECPT TO情報と、当該1つのメールアドレスのみをTO情報に含め、当該1つのメールアドレス以外のメールアドレスをCC情報に含めたメールデータを生成する。
【0069】
<実施形態3>
実施形態3にかかるメールクライアント1では、メールアドレスの表示順序に関する優先順位を予め記憶しておき、当該優先順位に基づき、TO情報に含まれる複数のメールアドレス順番を変更する。そして、複数のメールアドレスに優先順番が同じメールアドレスが含まれる場合、当該優先順番が同じメールアドレスのうち1つのメールアドレスの順番を優先順番が同じ他のメールアドレスの順番よりも前の順番にしたTO情報を生成する。
【0070】
図15は、記憶部14に記憶されるメールアドレスの表示順序に関する優先順位の内容の一例を示す図である。
図15に示すように、記憶部14には、複数のメールアドレスと当該複数のメールアドレスのそれぞれに付随する名前、年齢、役職等の付随情報とが含まれている。これらの情報は、メールクライアント1の予め定められた動作モード(アドレス帳登録モード)において、受付部52によりメール作成者の操作部13を用いたユーザー操作に基づいて受け付けられる。受付部52は、当該受け付けた情報を記憶部14に記憶させる。制御部51は、記憶部14に記憶された年齢、役職等の付随情報に基づき、複数のメールアドレスの優先順番を決定し、当該決定した優先順位を記憶部14に記憶させる。この場合、制御部51は、メールアドレスの優先順位を決定する優先順位決定部として機能する。
【0071】
制御部51は、メールアドレスに付随された役職の情報に基づきメールアドレスの優先順位を決定し、序列が高い役職の情報が付随されたメールアドレスの順位が高くなるように優先順位を決定する。また、制御部51は、役職の序列が同じメールアドレスについては、その優先順位を同じ順位とする。
図15に示す例では、メールアドレス「ggg@ggg.com」「hhh@hhh.com」に付随された役職の情報はともに「係長」である。このため、制御部51は、メールアドレス「ggg@ggg.com」「hhh@hhh.com」の優先順位を同じ順序に決定している。
【0072】
図16(A)は、実施形態3にかかるメールクライアント1の表示部12に表示されるメールデータ生成画面D1の一例を示す図である。
図16(B)は、
図15に示される優先順位に基づき決定されるメールアドレスの表示順序を示す図である。メールデータ生成部53は、TO宛先入力欄d1に入力された複数のメールアドレスの表示順序を、記憶部14に記憶された優先順位順になるように決定する。優先順位が同じメールアドレス「ggg@ggg.com」「hhh@hhh.com」については、TO宛先入力欄d1に入力された順序が前のメールアドレスである「ggg@ggg.com」の表示順序をメールアドレス「hhh@hhh.com」の表示順序よりも前に決定している。
【0073】
メールデータ生成部53は、TO宛先入力欄d1に入力された複数のメールアドレスに優先順番が同じメールアドレスが含まれる場合に、優先順番が同じメールアドレスのうち1つのメールアドレスの順番を優先順番が同じ他のメールアドレスの順番よりも前の順番にしたTO情報を生成する
【0074】
図17(A)および
図17(B)は、
図16(A)に示すメールデータ生成画面D1において入力された情報に基づき生成されるメールデータM1の内容の一例を示す図である。
図17(A)に示されるメールデータM1は、メールアドレス「ggg@ggg.com」を送信先としたメールデータであり、RECPT TO情報にはメールアドレス「ggg@ggg.com」のみが含まれている(
図17(A)中の点線領域f1内を参照)。また、当該メールデータM1のTO情報には、メールアドレス「ggg@ggg.com」の順番をメールアドレス「hhh@hhh.com」の順番よりも前の順番にしたメールアドレスの一覧が含まれている(
図17(A)中の点線領域f2内を参照)。
【0075】
また、
図17(B)に示されるメールデータM1は、メールアドレス「hhh@hhh.com」を送信先としたメールデータであり、RECPT TO情報にはメールアドレス「hhh@hhh.com」のみが含まれる。また、TO情報には、TO宛先入力欄d1に入力された入力順に並ぶメールアドレスの一覧からメールアドレス「hhh@hhh.com」の順番とメールアドレス「ggg@ggg.com」の順番とを入れ替えて、メールアドレス「hhh@hhh.com」の順番をメールアドレス「ggg@ggg.com」の順番よりも前の順番にしたメールアドレスの一覧が含まれている。
【0076】
このように実施形態3にかかるメールクライアント1では、序列が高い役職の情報が付随されたメールアドレスについて、表示順序を前の順序に変更し、序列が低い役職の情報が付随されたメールアドレスについて、表示順序を後ろの順序に変更することで、受信側のメールクライアントの表示部に表示されるメールアドレスの一覧の表示順序を、役職の序列を考慮したものにしている。そして、役職の序列が同じメールアドレスについては、当該同じメールアドレスのうち1つのメールアドレスの順番を優先順番が同じ他のメールアドレスの順番よりも前の順番にしたTO情報を生成することで、受信側の各メールクライアントのTO宛先表示欄d12に、当該各メールクライアントのメールアドレスを優先順番が同じ他のメールアドレスよりも前の順番に表示させることができる。その結果、各送信先のメールアドレスのユーザーに、メールデータに対して高い関心度を持たせることができる。
【0077】
図18は、実施形態3にかかるメールクライアント1によるメールデータ生成処理および送信処理の動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図8に示すフローチャートと同内容の処理については同符号を付して説明を略する。
【0078】
受付部52がメールデータ送信指示を受け付けると(ステップS13においてYES)、メールデータ生成部53は、記憶部14に記憶された年齢、役職等の付随情報に基づき、TO宛先入力欄d1に入力された複数のメールアドレスの優先順番を決定する(ステップS31)。
【0079】
ステップS31の処理後、メールデータ生成部53は、TO宛先入力欄d1に入力された複数のメールアドレスに優先順番が同じメールアドレスが含まれる場合に、優先順番が同じメールアドレスのうち1つのメールアドレスの順番を優先順番が同じ他のメールアドレスの順番よりも前の順番にしたTO情報を生成する(ステップS32)
【0080】
そして、メールデータ生成部53は、ステップS32のメールデータ生成処理を、優先順位が同じ全てのメールアドレスに対して実行する(ステップS33)。
【0081】
優先順位が同じ全てのメールアドレスに対してメールデータを生成した場合(ステップS33においてYES)、通信制御部54は、通信部11を介してメールデータ生成部53が生成した複数のメールデータをメールサーバー2Aへ送信する(ステップS16)。
【0082】
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記の実施形態および上記の各変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【0083】
また、上記の実施形態や変形例で説明した通信制御プログラムをコンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリーなどに記録されたものとしてもよい。この場合、当該通信制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体が、本発明の一実施形態となる。