特許第6055811号(P6055811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055811
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】インターロック回路及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20161219BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H02J1/00 309R
   G03G21/00 398
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-240844(P2014-240844)
(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公開番号】特開2016-103906(P2016-103906A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2016年5月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】高山 亮
【審査官】 赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−216857(JP,A)
【文献】 特開2012−157146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源部から供給される直流電圧を負荷に供給する電源ラインと、
前記電源ラインを導通又は開放させるインターロックスイッチと、
前記電源ラインにおいて、前記インターロックスイッチの前記負荷側に接続され、前記インターロックスイッチが前記電源ラインを導通したときに前記電源ラインに印加される電源電圧の応答を遅延させる時定数回路と、
前記時定数回路と前記負荷との間に接続された第1スイッチと、
前記インターロックスイッチ間の電圧差を平滑化し、得られた平滑電圧が閾値より大きくなった場合、前記第1スイッチをオフさせるスイッチ制御部とを備え、
前記閾値は、ユーザが意図的に前記インターロックスイッチをオン/オフする場合に想定されるオン期間の最大値とオフ期間の最小値とから規定されるデューティー比で、前記インターロックスイッチがオン/オフされた場合の前記インターロックスイッチ間の電圧差を平滑化した値であるインターロック回路。
【請求項2】
前記スイッチ制御部は、
前記インターロックスイッチ間の電圧差を平滑化する平滑化回路と、
前記平滑化された平滑電圧が前記閾値より大きいか否かを判定する判定回路と、
前記判定回路により、前記平滑電圧が前記閾値より大きいと判定された場合、前記第1スイッチをオフさせる第2スイッチとを備える請求項1に記載のインターロック回路。
【請求項3】
前記インターロックスイッチは、画像形成装置のカバーが開けられた場合、前記電源ラインを導通させ、前記カバーが閉じられた場合、前記電源ラインを開放させる機械式スイッチである請求項1又は2に記載のインターロック回路。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか1項に記載されたインターロック回路を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源ラインを導通又は開放させるインターロック回路及びそのインターロック回路を備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機といった画像形成装置では、トナーカートリッジといった消耗品の交換作業を行う際に開閉されるカバーや、紙ジャムの発生により装置内に残存する用紙を除去する作業を行う際に開閉されるカバーが設けられている。これらの作業中にユーザが装置内の電気部品(電気負荷)に接触すると、ユーザは火傷や感電する虞がある。そのため、画像形成装置には、カバーが開けられた場合に、電気負荷に供給される電源電圧を遮断し、カバーが閉じられると電気負荷に供給される電源電圧を導通するためのインターロック回路が設けられているのが一般的である。
【0003】
ここで、インターロック回路は、カバーが閉じられると、それに連動してインターロックスイッチがオンし、電気負荷への電源電圧の供給を再開させるが、この際、突入電流が発生し、電気負荷やインターロック回路を構成する回路素子を劣化及び破損させる虞がある。
【0004】
そこで、特許文献1には、時定数回路をインターロック回路に設け、突入電流の発生を抑制する技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、直流電圧発生回路から電気負荷への直流電圧の供給を切り替えるスイッチが閉状態になった場合、直流電圧を所定の値まで低下させ、電気負荷に流れる突入電流を抑制する技術が開示さている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−216857号公報
【特許文献2】特開2011−250523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、インターロックスイッチはカバーの開閉を機械的に検知する機械式のスイッチで構成されており、筐体内のカバー近傍の位置に配置されている。そのため、カバーを開けた際、ユーザはインターロックスイッチの存在を容易に認識することができる。よって、ユーザは、カバーを開けて、インターロックスイッチに直接触れて、インターロックスイッチを故意にオン/オフすることができる。
【0008】
時定数回路は、インターロックスイッチのオン時に電荷を蓄積し、インターロックスイッチのオフ時に蓄積した電荷を放電する。したがって、インターロックスイッチが一定の期間に繰り返しオン/オフされると、時定数回路は、オン時に蓄積した電荷の放電が完了する前に、再び電荷が注入されてしまい、蓄積する電荷が増大していく。これにより、電気負荷やインターロック回路を構成する回路素子に過大な突入電流が流れ、これらの部品を劣化及び破損させる虞がある。
【0009】
このように、時定数回路を設けて突入電流を防止する特許文献1の構成では、ユーザによってインターロックスイッチが一定期間内に繰り返しオン/オフされた場合、過大な突入電流が発生するという問題がある。つまり、突入電流を防止するために設けた時定数回路が、却って、過大な突入電流を発生させてしまうという問題がある。
【0010】
また、特許文献2では、直流電圧を低下させることで突入電流の抑制が図られており、本願発明とは前提となる構成が異なっている。
【0011】
本発明の目的は、ユーザーが意図的にインターロックスイッチを開閉した場合であっても、過大な突入電流が流れることを防止できるインターロック回路及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によるインターロック回路は、電源部から供給される直流電圧を負荷に供給する電源ラインと、
前記電源ラインを導通又は開放させるインターロックスイッチと、
前記電源ラインにおいて、前記インターロックスイッチの前記負荷側に接続され、前記インターロックスイッチが前記電源ラインを導通したときに前記電源ラインに印加される電源電圧の応答を遅延させる時定数回路と、
前記時定数回路と前記負荷との間に接続された第1スイッチと、
前記インターロックスイッチ間の電圧差を平滑化し、得られた平滑電圧が閾値より大きくなった場合、前記第1スイッチをオフさせるスイッチ制御部とを備え、
前記閾値は、ユーザが意図的に前記インターロックスイッチをオン/オフする場合に想定されるオン期間の最大値とオフ期間の最小値とから規定されるデューティー比で、前記インターロックスイッチがオン/オフされた場合の前記インターロックスイッチ間の電圧差を平滑化した値である
【0013】
ユーザによりインターロックスイッチのオン/オフが故意に繰り返されると、インターロックスイッチの電源側のノードの電圧は一定の電圧を維持するが、インターロックスイッチの負荷側のノードの電圧はパルス状に変化する。そのため、インターロックスイッチのノード間の電圧差の平滑電圧は、デューティー比にもよるが、オン/オフが繰り返された場合、オン/オフが繰り返されなかった場合に比べて増大する。
【0014】
したがって、平滑電圧が閾値より大きければ、インターロックスイッチのオン/オフが繰り返されたと判定できる。そして、平滑電圧が閾値より大きければ、第1スイッチがオフされ、時定数回路が負荷から切り離される。その結果、インターロックスイッチのオン/オフが繰り返されて、時定数回路から過大な突入電流が出力され、電源ラインに過大な突入電流が流れることが防止される。よって、第1スイッチ及び負荷の劣化及び破損を防止できる。
また、ユーザが意図的にインターロックスイッチをオン/オフする場合に想定されるオン期間の最大値とオフ期間の最小値とから規定されるデューティー比を基準デューティー比とする。この場合、ユーザが意図的にインターロックスイッチをオン/オフした場合におけるインターロックスイッチのオン/オフのデューティー比が基準デューティー比を超えることは想定し難い。
一方、インターロックスイッチ間の平滑電圧は、インターロックスイッチのオン/オフのデューティー比が減少するにつれて増大する傾向を持つ。したがって、ユーザが意図的にインターロックスイッチをオン/オフした場合、インターロックスイッチ間の平滑電圧は、基準デューティー比におけるインターロックスイッチ間の平滑電圧よりも大きくなる。そこで、上記のように閾値を設定することで、ユーザがインターロックスイッチを意図的にオン/オフしたのかを正確に判定できる。
【0015】
上記態様において、前記スイッチ制御部は、
前記インターロックスイッチ間の電圧差を平滑化する平滑化回路と、
前記平滑化された平滑電圧が前記閾値より大きいか否かを判定する判定回路と、
前記判定回路により、前記平滑電圧が前記閾値より大きいと判定された場合、前記第1スイッチをオフさせる第2スイッチとを備えてもよい。
【0016】
この場合、スイッチ制御部は、第2スイッチを用いて第1スイッチのオン/オフを制御できるため、第1スイッチのオン/オフを正確に行うことができる。
【0017】
また、上記態様において、前記インターロックスイッチは、電子機器のカバーが開けられた場合、前記電源ラインを導通させ、前記電子機器のカバーが閉じられた場合、前記電源ラインを開放させる機械式スイッチであってもよい。
【0018】
この場合、インターロックスイッチは、画像形成装置のカバーに連動して開閉される。そのため、ユーザがカバーを開けてインターロックスイッチを意図的にオン/オフさせた場合に電源ラインに過大な突入電流が流れることを防止できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、インターロックスイッチのオン/オフが繰り返されて、時定数回路から過大な突入電流が出力され、電源ラインに過大な突入電流が流れることが防止される。よって、第1スイッチ及び負荷の劣化及び破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施の形態に係るインターロック回路が適用可能な画像形成装置の内部構造の概略を示す図である。
図2】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施の形態におけるインターロック回路の回路図である。
図4】比較例のインターロック回路の回路図である。
図5】インターロックスイッチが繰り返しオン/オフされたときの分圧ノードN3の電圧と、分圧ノードN4の平滑電圧とを示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るインターロック回路が適用可能な画像形成装置の内部構造の概略を示す図である。画像形成装置1は例えば、コピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリの機能を有するデジタル複合機に適用することができる。画像形成装置1は装置本体100、装置本体100の上に配置された原稿読取部200、原稿読取部200の上に配置された原稿給送部300及び装置本体100の上部前面に配置された操作部400を備える。
【0025】
原稿給送部300は自動原稿送り装置として機能し、原稿載置部301に置かれた複数枚の原稿を、原稿読取部200が連続的に読み取るように原稿読取部200に搬送する。
【0026】
原稿読取部200は露光ランプ等を搭載したキャリッジ201、ガラス等の透明部材により構成された原稿台203、不図示のCCD(Charge Coupled Device)センサー及び原稿読取スリット205を備える。原稿台203に載置された原稿を読み取る場合、キャリッジ201を原稿台203の長手方向に移動させながらCCDセンサーにより原稿を読み取る。これに対して、原稿給送部300から給送された原稿を読み取る場合、キャリッジ201を原稿読取スリット205と対向する位置に移動させて、原稿給送部300から送られてきた原稿を、原稿読取スリット205を通してCCDセンサーにより読み取る。CCDセンサーは読み取った原稿を画像データとして出力する。
【0027】
装置本体100は用紙貯留部101、画像形成部103、及び定着部105を備える。用紙貯留部101は装置本体100の最下部に配置されており、用紙の束を貯留する用紙トレイ107を備える。用紙トレイ107に貯留された用紙の束において、最上位の用紙は、ピックアップローラー109により、用紙搬送路111へ向けて送出される。用紙は用紙搬送路111を通って、画像形成部103へ搬送される。
【0028】
画像形成部103は搬送された用紙にトナー画像を形成する。画像形成部103は感光体ドラム113、露光部115、現像部117、及び転写部119を備える。露光部115は画像データ(原稿読取部200から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリ受信の画像データ等)に対応して変調された光を生成し、一様に帯電された感光体ドラム113の周面に照射する。これにより、感光体ドラム113の周面には画像データに対応する静電潜像が形成される。この状態で感光体ドラム113の周面に対して現像部117からトナーが供給され、周面には画像データに対応するトナー画像が形成される。このトナー画像は転写部119によって用紙貯留部101から搬送された用紙に転写される。
【0029】
トナー画像が転写された用紙は定着部105に送られる。定着部105において、トナー画像及び用紙に熱及び圧力が加えられ、トナー画像は用紙に定着される。用紙はスタックトレイ121又は排紙トレイ123に排紙される。以上のようにして、画像形成装置1はモノクロ画像を印刷する。
【0030】
操作部400は操作キー部401と表示部403とを備える。表示部403はタッチパネル機能を有しており、ソフトキーを含む画面を表示する。ユーザーは画面を見ながらソフトキーを操作することによって、コピー等の機能の実行に必要な設定等をする。
【0031】
操作キー部401にはハードキーからなる操作キーが設けられている。具体的には、操作キー部401には、スタートキー405、テンキー407、ストップキー409、リセットキー411、並びにコピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリを切り換えるための機能切換キー413等が設けられている。
【0032】
スタートキー405はコピー、ファクシミリ送信等の動作を開始させるキーである。テンキー407はコピー部数、ファクシミリ番号等の数字を入力するキーである。ストップキー409はコピー動作等を途中で中止させるキーである。リセットキー411は設定された内容を初期設定状態に戻すキーである。
【0033】
機能切換キー413はコピーキー及び送信キー等を備えており、コピー機能、送信機能等を相互に切り替えるキーである。コピーキーを操作すれば、コピーの初期画面が表示部403に表示される。送信キーを操作すれば、ファクシミリ送信及びメール送信の初期画面が表示部403に表示される。
【0034】
画像形成装置1の筐体の適所には、開閉可能なカバー130が設けられている。カバー130は、紙ジャムが発生した際に内部に残留する用紙を取り出す作業を行う際に用いられるカバーであってもよい。或いは、カバー130は、画像形成装置1の筐体内部の消耗品(例えば、トナーカートリッジ)を交換する際に用いられるカバーであってもよい。図1の例では、カバー130は、筐体の左側面に設けられ、紙面に直交する方向を回転軸として、時計回り又は反時計回りに回動する。カバー130の表面には、ユーザにより把持される把持部(図略)が設けられている。ユーザはこの把持部を把持して、反時計回りにカバー130を回動させることで、カバー130を開状態にする。これにより、カバー130に対応する筐体の開口部が露出される。ユーザは、この開口部を通じて画像形成装置1の内部に腕を侵入させ、上記の用紙の除去作業等を行う。一方、ユーザは、開状態にあるカバー130を時計回りに回動させることで、カバー130を閉状態にする。これにより開口部は閉塞される。
【0035】
開口部の近傍にはインターロックスイッチSW1が設けられている。インターロックスイッチSW1は、スライド可能に設けられた凸部を備える。カバー130が閉状態になることで、この凸部がカバー130によって画像形成装置1の内部に押し込まれ、インターロックスイッチSW1はオンする。一方、カバー130が開状態になると、この凸部は画像形成装置1の外部に突出され、インターロックスイッチSW1はオフする。
【0036】
図2は、画像形成装置1の構成を示すブロック図である。画像形成装置1は装置本体100、原稿読取部200、原稿給送部300、操作部400、制御部500、及びインターロック回路700がバスによって相互に接続された構成を有する。装置本体100、原稿読取部200、原稿給送部300及び操作部400に関しては既に説明したので、説明を省略する。
【0037】
制御部500はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び画像メモリー等を備える。CPUは画像形成装置1を動作させるために必要な制御を、装置本体100等の画像形成装置1の上記構成要素に対して実行する。ROMは画像形成装置1の動作の制御に必要なソフトウェアを記憶している。RAMはソフトウェアの実行時に発生するデータの一時的な記憶及びアプリケーションソフトの記憶等に利用される。画像メモリーは画像データ(原稿読取部200から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリ受信の画像データ等)を一時的に記憶する。
【0038】
図3は本実施の形態におけるインターロック回路700の回路図である。インターロック回路700は、電源ラインL1、インターロックスイッチSW1、時定数回路2、スイッチQ1(第1スイッチの一例)、スイッチ制御部10を備える。
【0039】
電源ラインL1は、電源部(図略)から供給される直流電圧(Vcc)を負荷3に供給する。インターロックスイッチSW1は、図1で説明したように、機械式のスイッチで構成され、カバー130が閉状態のときオンして電源ラインL1を導通させ、カバー130が開状態のときオフして電源ラインL1を開放させる。ここで、インターロックスイッチSW1において、電源部側のノードをN1とし、負荷3側のノードをN2とする。
【0040】
ノードN1はコンデンサーC1を介して接地され、且つ、電源部が接続されている。
ノードN1は分圧抵抗R1及び分圧抵抗R2を介して接地されている。ノードN2も分圧抵抗R1及び分圧抵抗R2を介して接地されている。
【0041】
時定数回路2は、電源ラインL1において、インターロックスイッチSW1のノードN2側に接続されている。時定数回路2は、インターロックスイッチSW1が電源ラインL1を導通したときに電源ラインL1に印加される直流電圧の応答を遅延させる。
【0042】
時定数回路2は、抵抗21及びコンデンサー22を含む。抵抗21及びコンデンサー22は並列接続され、一端がノードN2に接続され、他端がスイッチQ1のゲートに接続されている。つまり、時定数回路2は、スイッチQ1のソースゲート間に接続されている。
【0043】
インターロックスイッチSW1がオンすると、時定数回路2には電源部から急峻に立ち上がる直流電圧が入力される。時定数回路2は、入力された直流電圧の応答速度を遅延させて負荷3側に出力する。これにより、時定数回路2から出力される直流電圧の立ち上がり時の波形の傾斜が緩やかになり、時定数回路2よりも負荷3側の電源ラインL1において、突入電流が発生することが抑制される。その結果、スイッチQ1及び負荷3に突入電流が流れ、これらの部品の劣化及び破損が抑制されている。ここで、直流電圧の応答速度は、抵抗21の抵抗値とコンデンサー22の容量値との積によって定まる時定数が大きいほど遅くなる。そこで、時定数回路2は、突入電流を抑制するために好適な時定数が予め設定されている。
【0044】
スイッチQ1は、p型のMOSFETで構成され、ソースが電源ラインL1に接続され、ドレインが負荷3に接続されている。
【0045】
スイッチ制御部10は、インターロックスイッチSW1のノードN1及びノードN2間の電圧差を平滑化し、得られた平滑電圧が閾値より大きくなった場合、スイッチQ1をオフさせる。
【0046】
ユーザがカバー130を開状態にして、インターロックスイッチSW1のオン/オフを故意に繰り返したとする。この場合、インターロックスイッチSW1のオフ期間が十分に確保されず、コンデンサー22は、インターロックスイッチSW1のオン時に蓄積した電荷を全て放電する前にインターロックスイッチSW1がオンされて再び電荷が注入されてしまい、蓄積する電荷が増大していく。これにより、過大な突入電流が流れ、スイッチQ1、負荷3、コンデンサーC1、及びコンデンサーC2を破損及び劣化させてしまう。
【0047】
そこで、スイッチ制御部10は、分圧ノードN3,N4間の電圧差を平滑化した平滑電圧が閾値より大きくなった場合、ユーザが意図的にインターロックスイッチSW1をオン/オフしていると判定し、スイッチQ1をオフさせる。これにより、時定数回路2が負荷から切り離され、スイッチQ1及び負荷3の劣化及び破損を防止できる。
【0048】
具体的には、スイッチ制御部10は、平滑回路41、判定回路42、及びスイッチQ2(第2スイッチの一例)を備える。平滑回路41は、分圧抵抗R1,R2の分圧ノードN3と接続され、分圧抵抗R1,R2により分圧されたノードN1の電圧が入力される。また、平滑回路41は、分圧抵抗R1,R2の分圧ノードN4と接続され、分圧抵抗R1,R2により分圧されたノードN2の電圧が入力される。ここで、ノードN1に接続された分圧抵抗R1,R2の抵抗値は、それぞれ、ノードN2に接続された分圧抵抗R1,R2と同じである。これにより、ノードN1に接続された分圧抵抗R1,R2の分圧比はノードN2に接続された分圧抵抗R1,R2の分圧比と等しくされている。ここで、分圧抵抗R1,R2による分圧比は平滑回路41にとって好適な値が設定されている。
【0049】
平滑回路41は、例えば、平滑コンデンサーを含み、ノードN1,ノードN2間の電圧差を平滑化し、得られた平滑電圧を判定回路42に出力する。
【0050】
具体的には、平滑回路41は、分圧ノードN3,N4間の電圧差を平滑化し、得られた平滑電圧を判定回路42に出力する。なお、平滑回路41は、ノードN1,N2間の電圧差ではなく、分圧ノードN3,N4間の電圧差を平滑化しているが、分圧ノードN3,N4の分圧比は同じであるため、本質的には、ノードN1,N2間の電圧差を平滑化しているのと同じである。
【0051】
判定回路42は、例えば、コンパレータで構成され、平滑回路41から出力された平滑電圧が閾値より大きい場合、スイッチQ2のゲートの電圧をハイレベルにし、スイッチQ2をオンする。一方、判定回路42は、平滑電圧が閾値以下の場合、スイッチQ2のゲートの電圧をローレベルにし、スイッチQ2をオフする。
【0052】
スイッチQ2は、n型のMOSFETで構成され、ドレインが接地され、ソースが抵抗R3を介してスイッチQ1のゲートに接続されている。これにより、スイッチQ2がオンすると、スイッチQ1のゲートの電圧はハイレベルになりスイッチQ1はオフする。一方、スイッチQ2がオフすると、スイッチQ1のゲートの電圧はローレベルになり、スイッチQ1はオンする。
【0053】
したがって、平滑電圧が閾値より大きい場合、スイッチQ1がオフし、時定数回路2が負荷3から切り離される。一方、平滑電圧が閾値以下の場合、スイッチQ1がオンし、時定数回路2が負荷3と接続される。
【0054】
CPU5は、図2の制御部500のCPUで構成される。そして、CPU5は、例えば、画像形成装置1をスリープモードに移行させる場合、スイッチQ2をオンにしてスイッチQ1をオフさせ、負荷3を電源部から切り離す。一方、CPU5は、画像形成装置1を待機モードに移行させる場合、スイッチQ2をオフにしてスイッチQ1をオンさせ、負荷3を電源部に接続させる。
【0055】
負荷3は、画像形成装置1を構成する部品で構成され、例えば、図2に示す、定着部105、画像形成部103、原稿読取部200、原稿給送部300、及び操作部400のいずれであってもよい。なお、負荷3には、電源部からの電源供給を遮断するためのリレースイッチ(図略)が設けられている。突入電流が発生すると、このリレースイッチが劣化及び破損する。
【0056】
コンデンサーC2は、負荷3に供給される直流電圧を安定化させるためのコンデンサーである。過大な突入電流が流れると、コンデンサーC2に過大な電荷がチャージされる。これにより、負荷3は、コンデンサーC2から過大な電流が供給される。これによっても、負荷3は劣化及び破損する。
【0057】
図5は、インターロックスイッチSW1が繰り返しオン/オフされたときの分圧ノードN3の電圧と、分圧ノードN4の平滑電圧とを示したグラフであり、縦軸は電圧、横軸は時間(t)を示している。グラフG501は分圧ノードN3の電圧を示し、グラフG502は分圧ノードN4の平滑電圧を示している。
【0058】
時刻t1において、ユーザによりインターロックスイッチSW1のオン/オフが開始されている。これにより、グラフG502に示すように、分圧ノードN4の平滑電圧は減少していく。一方、分圧ノードN3は一定電圧を維持している。
【0059】
ノードN1は、常時、電源部から直流電圧が供給されるため、分圧ノードN3は一定の電圧を維持する。一方、ノードN2は、インターロックスイッチSW1がオンのときはノードN1と同じ直流電圧が印加されるが、インターロックスイッチSW1がオフされると電源部から直流電圧が供給されないため、電圧が下がる。したがって、インターロックスイッチSW1のオン/オフが繰り返されると、ノードN2の電圧はパルス状に変化する。これに伴って、分圧ノードN4の電圧もパルス状に変化する。よって、分圧ノードN4の電圧を平滑化することで得られる平滑電圧は、分圧ノードN3の電圧に比べて低くなる。そして、平滑電圧はインターロックスイッチSW1のオン/オフのデューティー比が減少するにつれて、つまり、オフ期間の占める割合が増大するにつれて負の方向に増大する。よって、ユーザがインターロックスイッチSW1を繰り返しオン/オフした場合、分圧ノードN3の電圧から分圧ノードN4の平滑電圧を差し引いた電圧差は、ユーザがインターロックスイッチSW1を繰り返しオン/オフしない場合の電圧差よりも高くなる。このことは、分圧ノードN3,N4間の電圧差を平滑化した場合も同じである。
【0060】
そこで、平滑回路41は分圧ノードN3の電圧から分圧ノードN4の電圧を差し引いた電圧差を平滑化し、得られた平滑電圧を判定回路42出力する。そして、判定回路42は、平滑電圧が閾値より大きくなった場合、ユーザがインターロックスイッチSW1を意図的にオン/オフしたと判定し、平滑電圧が閾値以下の場合、ユーザがインターロックスイッチSW1を意図的にオン/オフしていないと判定できる。
【0061】
ここで、ユーザがインターロックスイッチSW1を意図的にオンする場合、ユーザはインターロックスイッチSW1を常時押し込んだ状態にしておかなければならないため、インターロックスイッチSW1のオン期間には上限値があると推測できる。また、ユーザがインターロックスイッチSW1を意図的にオン/オフする場合、ユーザがインターロックスイッチSW1を離してから再度、インターロックスイッチSW1を押し込むまでの時間には一定の限界があるため、オフ期間には下限値があると推測できる。
【0062】
そこで、閾値として、ユーザが意図的にインターロックスイッチSW1をオン/オフする場合に想定されるオン期間の最大値とオフ期間の最小値とから規定されるデューティー比で、インターロックスイッチSW1がオン/オフされた場合の分圧ノードN3,N4間の電圧差を平滑化した値が採用できる。
【0063】
図4は、比較例のインターロック回路700Xの回路図である。なお、図4において、図3と同じ回路部品には同じ符号を付している。図4においては、スイッチ制御部10に代えてスイッチ制御部10Xが設けられている。
【0064】
スイッチ制御部10Xは、CPU5及びスイッチQ3を備えている。スイッチQ3は例えば、npnバイポーラトランジスタで構成され、エミッタが接地され、ベースがCPU5に接続され、コレクタが抵抗R3を介してスイッチQ1のゲートに接続されている。
【0065】
また、図4では、ノードN1,N2の電圧がモニタされていないため、インターロック回路700Xからは分圧抵抗R1,R2が省かれている。CPU5は、画像形成装置1をスリープモードにする場合、スイッチQ3をオンして、スイッチQ1をオフさせる。一方、CPU5は、画像形成装置1を待機モードにする場合、スイッチQ3をオフして、スイッチQ1をオンさせる。
【0066】
待機モードにおいて、インターロックスイッチSW1がオフからオンにされたとする。この場合、時定数回路2によって、突入電流が抑制されている。しかしながら、ユーザによりインターロックスイッチSW1のオン/オフが意図的に繰り返されると、コンデンサー22には電荷が積算されていく。これにより、インターロック回路700Xにおいては、電源ラインL1に非常に大きな突入電流が流れるという問題がある。
【0067】
一方、図3のインターロック回路700では、ユーザによりインターロックスイッチSW1のオン/オフが意図的に繰り返された場合、スイッチ制御部10によりスイッチQ1がオフされ、時定数回路2が負荷3から切り離される。そのため、負荷3及びスイッチQ1の劣化及び破損を防止できる。
【0068】
以下、本実施の形態の効果は以下のように纏めることができる。
【0069】
(1)ユーザによりインターロックスイッチSW1のオン/オフが故意に繰り返されると、インターロックスイッチSW1の電源側のノードN1の電圧は一定の電圧を維持するが、インターロックスイッチSW1の負荷3側のノードN2の電圧はパルス状に変化する。そのため、インターロックスイッチSW1のノード間の電圧差の平滑電圧は、デューティー比にもよるが、オン/オフが繰り返された場合、オン/オフが繰り返されなかった場合に比べて増大する。
【0070】
したがって、平滑電圧が閾値より大きければ、インターロックスイッチSW1のオン/オフが繰り返されたと判定できる。そして、平滑電圧が閾値より大きければ、スイッチQ1がオフされ、時定数回路2が負荷3から切り離される。その結果、インターロックスイッチSW1のオン/オフが繰り返されて、時定数回路2から過大な突入電流が出力されず、電源ラインに過大な突入電流が流れることが防止される。よって、スイッチQ1及び負荷3の劣化及び破損を防止できる。
【0071】
(2)スイッチ制御部10は、スイッチQ2を用いてスイッチQ1のオン/オフを制御できるため、スイッチQ1のオン/オフを正確に行うことができる。
【0072】
(3)インターロックスイッチSW1は、画像形成装置1のカバー130に連動して開閉される。そのため、ユーザがカバー130を開けてインターロックスイッチSW1を意図的にオン/オフさせた場合に電源ラインL1に過大な突入電流が流れることを防止できる。
【0073】
(4)ユーザが意図的にインターロックスイッチSW1をオン/オフする場合に想定されるオン期間の最大値とオフ期間の最小値とから規定されるデューティー比を基準デューティー比とする。この場合、ユーザが意図的にインターロックスイッチSW1をオン/オフした場合、インターロックスイッチのオン/オフのデューティー比が基準デューティー比を超えることは想定し難い。
【0074】
一方、インターロックスイッチSW1間の平滑電圧は、インターロックスイッチSW1のオン/オフのデューティー比が減少するにつれて増大する傾向を持つ。したがって、ユーザが意図的にインターロックスイッチSW1をオン/オフした場合、インターロックスイッチSW1間の平滑電圧は、基準デューティー比におけるインターロックスイッチSW1間の平滑電圧よりも大きくなる。そこで、上記のように閾値を設定することで、ユーザがインターロックスイッチSW1を意図的にオン/オフしたのかを正確に判定できる。
【0075】
本発明は、以下の態様が採用できる。
【0076】
(1)図3において、スイッチQ1としてp型のMOSFETが用いられたが、これに限定されず、n型のMOSFETが用いられてもよいし、バイポーラトランジスタが用いられてもよい。
【0077】
(2)図3において、スイッチQ2としてn型のMOSFETが用いられたが、これに限定されず、p型のMOSFETが用いられてもよいし、バイポーラトランジスタが用いられてもよい。
【0078】
(3)平滑回路41は平滑コンデンサーで構成したが、インターロックスイッチSW1がオフしたときのインターロックスイッチSW1間の平滑電圧を保持できる回路であれば、これに限定されず、ヒステリシスコンパレータが採用されてもよい。
【符号の説明】
【0079】
L1 電源ライン
N1 ノード
N2 ノード
Q1,Q2,Q3 スイッチ
R1,R2 分圧抵抗
SW1 インターロックスイッチ
t1 時刻
1 画像形成装置
2 時定数回路
3 負荷
5 CPU
10 スイッチ制御部
21 抵抗
22 コンデンサー
41 平滑回路
42 判定回路
図1
図2
図3
図4
図5