特許第6055812号(P6055812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンナイ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6055812-温度検出装置 図000002
  • 特許6055812-温度検出装置 図000003
  • 特許6055812-温度検出装置 図000004
  • 特許6055812-温度検出装置 図000005
  • 特許6055812-温度検出装置 図000006
  • 特許6055812-温度検出装置 図000007
  • 特許6055812-温度検出装置 図000008
  • 特許6055812-温度検出装置 図000009
  • 特許6055812-温度検出装置 図000010
  • 特許6055812-温度検出装置 図000011
  • 特許6055812-温度検出装置 図000012
  • 特許6055812-温度検出装置 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055812
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】温度検出装置
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   F24C3/12 J
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-242382(P2014-242382)
(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公開番号】特開2016-102634(P2016-102634A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2015年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111970
【弁理士】
【氏名又は名称】三林 大介
(72)【発明者】
【氏名】小島 洋一
(72)【発明者】
【氏名】後藤 真一
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−160589(JP,A)
【文献】 実開昭59−049802(JP,U)
【文献】 米国特許第04509531(US,A)
【文献】 特開平07−043218(JP,A)
【文献】 特開2008−170038(JP,A)
【文献】 特開2014−159921(JP,A)
【文献】 特開昭59−210224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C3/00−3/14
G01K1/00−19/00
A47J27/00−27/13
A47J27/20−29/06
A47J33/00−36/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンロバーナーに設けられて、五徳上に置かれた調理容器の温度を検出する温度検出装置において、
前記コンロバーナーから上方に向けて取り付けられた支持パイプと、
上下方向に移動可能な態様で前記支持パイプに取り付けられたホルダーと、
前記ホルダーの上端に取り付けられた感熱ヘッドと、
前記ホルダーを上方に付勢するコイルバネと
を備え、
前記感熱ヘッドは、
底面外周に凸部が形成された銅またはアルミニウムの少なくとも一方を主成分とする金属製の有底カップと、
前記有底カップ内に充填材と共に収納される温度センサーと、
中央に開口部を有する円形形状に形成され、該開口部で前記有底カップの前記凸部を押さえるカップ押板と、
前記カップ押よりも大きな外径を有し、外周部が折り曲げ加工されることによって前記カップ押をカシメ止めする鉄合金製の集熱板と
を備えることを特徴とする温度検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の温度検出装置において、
前記ホルダーは、上端に円形のフランジ部が形成されており、
前記ホルダーのフランジ部は、前記カップ押板と共に前記集熱板にカシメ止めされている
ことを特徴とする温度検出装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の温度検出装置において、
前記ホルダーおよび前記カップ押板が鉄合金材料によって形成されている
ことを特徴とする温度検出装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の温度検出装置において、
前記カップ押板が前記有底カップの凸部を押さえる部分は凹形状に形成されており、
前記有底カップおよび前記カップ押板の前記集熱板に面する側は、前記有底カップが前記カップ押板よりも前記集熱板側に突出した状態となっている
ことを特徴とする温度検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスコンロの五徳上に載置された調理容器の底部に当接されて、調理容器の温度を検出する温度検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンロバーナーの中央から突設されて、コンロバーナーで加熱調理される調理容器の温度を検出する温度検出装置が広く知られている。この温度検出装置は、温度センサーを内蔵する感熱ヘッドと、感熱ヘッドが上端に取り付けられたホルダーと、ホルダーが上下方向に移動可能な態様で取り付けられた支持パイプと、ホルダーと支持パイプとの間に設けられてホルダーを上方に付勢するコイルスプリングとを備えている。温度検出装置は、五徳上に調理容器が載置されていない状態では、調理容器が載置される面よりも感熱ヘッドが突出した状態となっている。このため、五徳上に調理容器が載置されると、温度検出装置が調理容器の底部で押し下げられて、感熱ヘッドが調理容器の底部に当接した状態となる。その結果、感熱ヘッドに内蔵された温度センサーで調理容器の温度を検出することが可能となる。
【0003】
ここで、感熱ヘッドは、当接する調理容器の温度を、内蔵する温度センサーに素速く伝えられること(すなわち、温度応答性がよいこと)が望まれる。また、個体差による特性のバラツキが少ないことも重要である。更に、感熱ヘッドは、調理中に調理容器の底部と擦れ合うので、調理容器の底部による摩耗や削れに対して十分な耐久性を有していることも必要となる。もちろん、大量生産によって安価に製造可能なことも強く要請される。
【0004】
このように様々なことが要請される感熱ヘッドには、従来は、削り出し加工などによって形成した金属製の一体構造の感熱ヘッドや(特許文献1)、プレス加工したステンレス製の板金部品を組み合わせた感熱ヘッド(特許文献2)が用いられてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−283856号公報
【特許文献2】特開2008−170038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来から用いられてきた何れの感熱ヘッドも、実際には感熱ヘッドに対する様々な要請を十分なレベルで同時に満足させることができないという問題があった。例えば、ステンレス製の板金部品を組み合わせた感熱ヘッドは、プレス加工によって大量に且つ安価に製造することが可能であり、また、ステンレスで感熱ヘッドを形成することができるので、調理容器の底部による摩耗や削れに対しても十分な耐久性を確保することができる。ところが、ステンレスは熱伝導性が悪いので温度応答性を十分に満足させることができず、加えて、板金部品の製造バラツキの影響で板金部品の間に隙間が生じてしまい、個体差による特性のバラツキが発生し易い欠点がある。
【0007】
一方、削り出し加工などによる一体構造の感熱ヘッドは、熱伝導性の良い金属(真鍮など)を用いて形成することで十分な温度応答性を確保することができ、加えて、一体構造なので個体差による特性のバラツキも発生しにくくなる。ところが、熱伝導性の良い金属は調理容器の底部による摩耗や削れが発生し易く、更に、削り出し加工は大量生産によって安価に製造することが難しいという欠点がある。このように従来の感熱ヘッドは、温度応答性およびバラツキに対する要請を満足させようとすると、耐久性および大量生産に対する要請が満足できず、逆に、耐久性および大量生産に対する要請を満足させようとすると、温度応答性およびバラツキに対する要請が満足できなくなるという問題があった。
【0008】
この発明は、従来の技術が有する上述した課題に対応してなされたものであり、温度応答性、個体差による特性のバラツキ、摩耗や削れに対する耐久性、大量生産の容易さに関しての感熱ヘッドに対する全ての要請を、十分なレベルで同時に満足させることが可能な温度検出装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の温度検出装置は次の構成を採用した。すなわち、
コンロバーナーに設けられて、五徳上に置かれた調理容器の温度を検出する温度検出装置において、
前記コンロバーナーから上方に向けて取り付けられた支持パイプと、
上下方向に移動可能な態様で前記支持パイプに取り付けられたホルダーと、
前記ホルダーの上端に取り付けられた感熱ヘッドと、
前記ホルダーを上方に付勢するコイルバネと
を備え、
前記感熱ヘッドは、
底面外周に凸部が形成された銅またはアルミニウムの少なくとも一方を主成分とする金属製の有底カップと、
前記有底カップ内に充填材と共に収納される温度センサーと、
中央に開口部を有する円形形状に形成され、該開口部で前記有底カップの前記凸部を押さえるカップ押板と、
前記カップ押よりも大きな外径を有し、外周部が折り曲げ加工されることによって前記カップ押をカシメ止めする鉄合金製の集熱板と
を備えることを特徴とする。
【0010】
かかる本発明の温度検出装置においては、五徳上に調理容器が置かれると、コイルバネによって付勢された状態で感熱ヘッドが調理容器に当接する。この感熱ヘッドは、銅またはアルミニウムの少なくとも一方を主成分とする金属製の有底カップ内に、充填材と共に温度センサーを収納して、その有底カップをカップ押板で押さえた状態で、鉄合金製の集熱板の外周部でカシメ止めすることによって形成されている。
【0011】
こうすれば、調理容器の底部と擦れ合う集熱板を鉄合金製とすることができるので、調理容器の底部による摩耗や削れに対して十分な耐久性を確保することができ、プレスによるカシメ加工によって組み立てることができるので、大量生産によって安価に製造することも可能である。また、詳細なメカニズムについては後述するが、温度センサーが有底カップ内に収納されており、更に、有底カップが銅またはアルミニウムの少なくとも一方を主成分とする金属材料によって形成されているので、個体差による特性のバラツキがなく、且つ、十分な温度応答性も確保することができる。その結果、感熱ヘッドに対する様々な要請を十分なレベルで同時に満足させることが可能な温度検出装置を実現することが可能となる。
【0012】
また、上述した本発明の温度検出装置においては、ホルダーの上端に円形のフランジ部を形成して、そのフランジ部を、カップ押板と共に集熱板にカシメ止めすることとしてもよい。
【0013】
こうすれば、ホルダーの上端に集熱板を取り付ける際に、カップ押板と有底カップとを同時に取り付けることができる。加えて、ホルダーのフランジ部の全周に亘ってカシメ止めすることができるので、カシメ止めした部分から温度検出装置の内部に油煙や煮零れ汁が侵入して、特性を劣化させる虞も生じない。
【0014】
また、上述した本発明の温度検出装置においては、ホルダーおよびカップ押板についても、集熱板と同様に鉄合金材料によって形成してもよい。
【0015】
こうすれば、集熱板でホルダーおよびカップ押板をカシメ止めした時に、ホルダーやカップ押板が押し伸ばされた状態となる(いわゆるヘタリが発生する)ことが無いので、しっかりと気密にカシメ止めすることができる。その結果、カシメ止めした箇所から油煙や煮零れ汁などが温度検出装置の内部に侵入することがなく、長期に亘って使用した場合でも、特性が劣化することを防止することができる。
【0016】
また、上述した本発明の温度検出装置においては、カップ押板が有底カップの凸部を押さえる部分を凹形状に形成し、有底カップおよびカップ押板の集熱板に面する側は、有底カップをカップ押板よりも、集熱板側に突出させた状態としてもよい。
【0017】
こうすれば、有底カップがカップ押板から突出した分だけ、カップ押板と集熱板との間に隙間ができる。そして、その状態で集熱板をカシメ止めすると、カップ押板との間にできた隙間を狭める方向に集熱板が撓んだ状態でカシメ止めされる。このため、集熱板の弾性によって、集熱板が有底カップに押し付けされた状態となるので、集熱板と有底カップとを確実に接触させることが可能となる。その結果、集熱板と有底カップとの間に隙間が生じることに起因して特性にバラツキが生じることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施例の温度検出装置100を搭載したガスコンロ1の構造を示す断面図である。
図2】本実施例の温度検出装置100の内部構造を示す断面図である。
図3】本実施例の有底カップ113内に温度センサー114を組み付ける方法を例示した説明図である。
図4】有底カップ113内に気泡が閉じ込められた場合についての説明図である。
図5】本実施例の感熱ヘッド110をホルダー120に組み付ける様子を示す説明図である。
図6】従来の温度検出装置100で感熱ヘッドを組み付ける様子を示す説明図である。
図7】従来の感熱ヘッドでは集熱板111の脱落に起因して特性のバラツキが生じ易い理由を示す説明図である。
図8】従来の感熱ヘッドで集熱板111にセンサー収納部213を圧入しても特性のバラツキが解消されない理由を示す説明図である。
図9】従来の感熱ヘッドでは集熱板111のカシメ止めに起因して特性のバラツキが生じ易い理由を示す説明図である。
図10】本実施例の温度検出装置100では集熱板111のカシメ止めに起因する特性のバラツキが生じない理由を示す説明図である。
図11】本実施例の温度検出装置100の温度応答性についての評価結果を示す説明図である。
図12】本実施例の温度検出装置100で良好な温度応答性が得られる理由についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本実施例の温度検出装置100を搭載したガスコンロ1の構造を示す断面図である。ガスコンロ1は、コンロ本体(図示せず)の上面を覆って設けられ且つバーナー用開口4が形成された天板2と、バーナー用開口4に臨んで設けられて燃料ガスを燃焼させることによって調理容器を加熱するコンロバーナー10と、鍋などの調理容器が置かれる五徳3と、五徳3上に置かれた調理容器の底部に当接して調理容器の温度を検出する温度検出装置100などを備えている。
【0020】
コンロバーナー10は、円環形状に形成されたバーナーボディ11と、バーナーボディ11から延設された混合管12と、バーナーボディ11の上面に載置された円環形状のバーナーヘッド13とを備えている。バーナーヘッド13は、アルミニウムなどのダイカスト製あるいは鍛造製であり、外周部の下面側には複数の溝(炎口溝)が形成されている。そして、バーナーヘッド13をバーナーボディ11に載置すると、バーナーヘッド13に形成された複数の炎口溝とバーナーボディ11の上面との間に複数の炎口13aが形成される。また、バーナーボディ11の上部には、板金製のバーナーキャップ14が取り付けられている。
【0021】
バーナーボディ11から延設された混合管12の上流側開口端12aから混合管12内に向けて燃料ガスを噴射すると、混合管12の内部で燃料ガスと空気との混合ガスが生成されて、バーナーボディ11に供給され、炎口13aから混合ガスが流出する。そして、この混合ガスに点火プラグ15で点火することによって、コンロバーナー10の燃焼を開始することができる。また、コンロバーナー10の中央には空気供給通路10aが形成されており、空気供給通路10aの内側には、温度検出装置100が設けられている。
【0022】
温度検出装置100は、空気供給通路10a内に立設された支持パイプ130と、上下方向に移動可能な状態で支持パイプ130に取り付けられたホルダー120と、ホルダー120の上端に取り付けられた感熱ヘッド110とを備えている。詳細には後述するが、感熱ヘッド110内には温度センサーが内蔵されており、ホルダー120内にはコイルバネが内蔵されている。そして、コイルバネがホルダー120を上方に付勢する結果、五徳3上に調理容器が置かれていない状態では、感熱ヘッド110の上端が五徳3の上面(調理容器が置かれる面)よりも突出した状態となっている。そして、五徳3上に調理容器が置かれると、調理容器の底部で感熱ヘッド110が押し下げられると共に、感熱ヘッド110の上端面がコイルバネによって押し上げられて調理容器の底部に当接する。このため、感熱ヘッド110に内蔵した温度センサーによって調理容器の底部の温度を検出することが可能となる。
【0023】
図2は、本実施例の温度検出装置100の内部構造を示した断面図である。温度検出装置100を構成するホルダー120は、ステンレス製の板金によって略円筒形状に形成されている。ホルダー120の上端には後述する感熱ヘッド110が取り付けられており、ホルダー120の下端側は所定長さに亘って縮径されて、移動可能な状態で支持パイプ130に取り付けられている。また、ホルダー120の下端側の縮径された箇所には、煮零れ汁カバー123が取り付けられている。
【0024】
感熱ヘッド110は、調理容器の底部に当接するステンレス製の集熱板111と、リード線114aが引き出された温度センサー114と、温度センサー114を収納する筒形状の有底カップ113と、有底カップ113と温度センサー114との隙間に充填される充填材115と、有底カップ113の底部外周に形成された凸部113aを押さえるカップ押板112とを備えている。カップ押板112は、集熱板111と同様にステンレスによって形成されているが、有底カップ113は、銅またはアルミニウムを主成分とする金属材料によって形成されている。ここで、銅またはアルミニウムを主成分とする金属材料とは、銅またはアルミニウムを3分の1以上の割合で含有する金属材料を指している。従って、純銅または純アルミニウムも、銅またはアルミニウムを主成分とする金属材料に該当する。また、銅およびアルミニウムの何れについても、含有割合が3分の1以上の金属材料であっても良い。充填材115は、有底カップ113と温度センサー114との隙間に充填されることによって、有底カップ113から温度センサー114への伝熱を促進すると共に、温度センサー114が有底カップ113から抜け落ちることを防止する機能を有している。そして、感熱ヘッド110は、集熱板111の外周部分を、ホルダー120の上端に形成されたフランジ部120aに、カップ押板112の外周部分と共にカシメ止めすることによって、ホルダー120に取り付けられている。
【0025】
ホルダー120内部の下方の箇所には、コイルバネ121を支えるバネ受け122が設けられている。このバネ受け122は、支持パイプ130の上端に取り付けられているが、ホルダー120に対しては上下方向に移動可能となっている。また、ホルダー120内部の感熱ヘッド110とバネ受け122との間には、少し圧縮された状態でコイルバネ121が収納されている。このためホルダー120は、コイルバネ121によって常に上方に付勢された状態となっている。
【0026】
図3は、有底カップ113内に温度センサー114を組み付ける方法を例示した説明図である。有底カップ113内に温度センサー114を組み付ける一つの方法としては、次のような方法を採ることができる。先ず、図3(a)に示すように、有底カップ113の筒形状の胴部113b内に、開口部から温度センサー114を挿入する。そして、図3(b)に示すように、有底カップ113の開口部を上に向けた状態で、固化する前の液体状の充填材115を、有底カップ113と温度センサー114との隙間に所定分量だけ流し込む。充填材115としては、セラミックス系の耐熱性接着剤を好適に使用することができる。その状態で暫く放置すると、液体状の充填材115が固化することによって、温度センサー114が組み付けられる(図3(c)参照)。
【0027】
このような方法で温度センサー114を組み付ける際には、有底カップ113と温度センサー114との隙間に流し込む充填材115の分量を、有底カップ113をちょうど満たして、充填材115の液面が凹んだ形状となるような所定分量に定めておくと良い(図3(c)参照)。こうすれば以下の理由から、有底カップ113と温度センサー114との隙間に気泡を封じ込めてしまうことを回避することができる。すなわち、仮に、充填材115を流し込む際に、有底カップ113と温度センサー114との隙間に気泡を封じ込めてしまったとする。流し込む充填材115の体積は、上述した所定分量に設定されているので、図4(a)に示すように、充填材115の表面が有底カップ113から盛り上がったり、充填材115が有底カップ113から溢れ出たりする。このため、有底カップ113に充填材115を流し込む段階で、気泡を封じ込めてしまったことを容易に認識することができる。もちろん、充填材115を流し込む工程を自動化するなどして、充填材115を流し込む段階では気泡を封じ込めてしまったことに気付かない場合もある。しかし、この場合でも、気泡が封じ込められていれば、図4(b)に示したように、充填材115の表面が有底カップ113から盛り上がった状態で固化するので、気泡が封じ込められていることを容易に認識することができる。このため、有底カップ113と温度センサー114との隙間に気泡が封じ込められた有底カップ113を用いて、感熱ヘッド110を組み立ててしまうことを回避することができる。こうして有底カップ113に温度センサー114を取り付けたら、続いて、有底カップ113を集熱板111に取り付けることによって感熱ヘッド110を組み立てる。
【0028】
図5は、有底カップ113をホルダー120と共に集熱板111に取り付けることによって、本実施例の感熱ヘッド110を組み立てる様子を示す分解組立図である。図5(a)には、本実施例の感熱ヘッド110をホルダー120に組み付ける分解組立図が示されている。尚、図が煩雑となることを回避するために、コイルバネ121については図示が省略されている。
【0029】
図示されるように、ホルダー120に組み付けられる前の集熱板111は、ステンレスの板金を浅く絞ってプレス加工した円板形状の部品であり、円板の外周には、全周に亘ってカシメ加工部111aが形成されている。尚、図では、カシメ加工部111aは集熱板111に対してほぼ直角に立設されているものとして表示されている。しかし、カシメ加工部111aは、集熱板111の外周に形成されていれば良く、例えば、集熱板111から斜め上方に向けて立設されていてもよいし、更には、集熱板111と同じ平面上に形成されていても構わない。尚、本実施例では、カシメ加工部111aが本発明における「外周部」に対応する。
【0030】
この集熱板111のほぼ中央に有底カップ113を置いて、上から有底カップ113の凸部113aを押さえるようにして、カップ押板112を載せる。図5(a)に示されるように、カップ押板112は中央に開口部112aを有する円板形状のステンレス製の部品であり、開口部112aの大きさは有底カップ113の胴部113bの外径よりは大きいが、凸部113aよりは小さく形成されている。このため、有底カップ113の胴部113bを開口部112aに通すようにして、有底カップ113の上からカップ押板112を被せることによって、カップ押板112の開口部112aで有底カップ113の凸部113aを押さえることができる。尚、図5(a)では、カップ押板112の開口部112aが円形であるものとして表示しているが、開口部112aの形状は、有底カップ113の凸部113aを押さえることができるのであれば円形でなくても構わない。
【0031】
また、カップ押板112の外径は、集熱板111のカシメ加工部111aの内径よりも小さく形成されている。更に、カップ押板112の有底カップ113に接する側は、有底カップ113の凸部113aが収まるような凹形状に形成されている。このため、有底カップ113の上からカップ押板112を被せることによって、カップ押板112が集熱板111内に収まった状態となる。
【0032】
そして、その上から、カップ押板112の外周部分をフランジ部120aで押さえるようにしてホルダー120を載せる。ホルダー120のフランジ部120aの外径は、カップ押板112の外径とほぼ同じ大きさに形成されている。このため、カップ押板112の上からホルダー120を載せると、ホルダー120のフランジ部120aも集熱板111内に収まった状態となる。その後、図5(b)に示すように、集熱板111のカシメ加工部111aを内側に折り曲げるようにして、ホルダー120のフランジ部120aを集熱板111にカシメ止めする。このとき、ホルダー120のフランジ部120aと共にカップ押板112も集熱板111にカシメ止めされて、感熱ヘッド110がホルダー120に組み付けられる。
【0033】
本実施例の温度検出装置100は、このようにして感熱ヘッド110をホルダー120に組み付けることができるので、従来の温度検出装置に比べて、個体差による特性のバラツキを大幅に抑制することが可能である。この点について説明する準備として、従来の温度検出装置で感熱ヘッドをホルダー120に組み付ける方法について説明する。
【0034】
図6は、従来の温度検出装置で感熱ヘッドをホルダー120に組み付ける方法を示した説明図である。従来の温度検出装置で感熱ヘッドをホルダー120に組み付ける際には、図6(a)に示されるように、先ず始めに、大きなフランジ部213aと筒形状の胴部213bとを有するステンレス製のセンサー収納部213を集熱板111の上に載せる。フランジ部213aの外径は、集熱板111のカシメ加工部111aの内径よりも小さく形成されているので、集熱板111の上にセンサー収納部213を載せると、センサー収納部213は集熱板111内に収まった状態となる。続いて、筒形状のセンサー収納部213の胴部213bの中に温度センサー114を挿入する。
【0035】
その後、図6(b)に示したように、センサー収納部213の胴部213bと温度センサー114との隙間に充填材115を流し込んで、充填材115が固化するまで放置する(図6(c)参照)。そして、センサー収納部213のフランジ部213aを、ホルダー120のフランジ部120aで上から押さえるようにホルダー120を載せた後、図6(d)に示すように、集熱板111のカシメ加工部111aを内側に折り曲げるようにして、ホルダー120のフランジ部120aを集熱板111にカシメ止めする。このとき、センサー収納部213のフランジ部213aも集熱板111にカシメ止めされる。
【0036】
このようにして感熱ヘッドがホルダー120に組み付けられる従来の温度検出装置は、以下の理由から、個体差による特性のバラツキが大きくなっていた。図7には、従来の温度検出装置では感熱ヘッドの特性のバラツキが生じ易い理由の1つが示されている。すなわち、従来の温度検出装置では、胴部213bに流し込んだ充填材115が固化(図6(c)参照)してから、センサー収納部213をホルダー120と共に集熱板111にカシメ止めする(図6(d)参照)までの間は、充填材115の接着力によって集熱板111がセンサー収納部213に接着された状態となっている。そして、図7(a)に示したように、集熱板111を接着しているのは、センサー収納部213の胴部213bの部分にすぎない。このため、集熱板111に外力が加わるなどすると、図7(b)に示すように、集熱板111が外れてしまう。そしてこの時、固化した充填材115の一部が剥がれ落ちて、センサー収納部213をホルダー120と共に集熱板111にカシメ止めした時に、充填材115が剥がれ落ちた部分が空洞になってしまうことがある。こうして空洞ができると、その部分では集熱板111からの熱が温度センサー114に伝わらなくなるので、温度応答性が低下してしまう。
【0037】
あるいは、図7(b)に示すように、集熱板111が外れたときに、固化した充填材115の一部が集熱板111に付着していることがある。そして、ホルダー120にカシメ止めする際に、集熱板111に付着した充填材115がセンサー収納部213側の充填材115にできた窪みにちょうど嵌るように、集熱板111を戻すことができればよいが、実際にはそのようなことは難しい。このため、集熱板111をセンサー収納部213と共にホルダー120にカシメ止めする際に、集熱板111に付着した充填材115の一部をセンサー収納部213のフランジ部213aで押し潰してしまう。その結果、集熱板111とフランジ部213aとの間に僅かな隙間ができて、その部分が断熱層となってしまうので、集熱板111からの熱が温度センサー114に伝わり難くなって温度応答性が低下してしまう。
【0038】
もちろん、実際には、センサー収納部213の胴部213bから外側に向けて充填材115が染み出して、図7(c)に示したように、充填材115の接着部分の面積が広くなり、集熱板111がセンサー収納部213から外れにくくなることもある。しかし、充填材115が外側に染み出すということは、センサー収納部213のフランジ部213aが集熱板111から浮き上がっていることに他ならない。その隙間に胴部213bからの充填材115が染み出して充填材115の層が形成されると、集熱板111がフランジ部213aに直接接触した場合よりも集熱板111からの熱が温度センサー114に伝わり難くなる。更に、センサー収納部213のフランジ部213aが集熱板111から浮き上がる程度は一定ではないので、隙間に形成される充填材115の層の大きさや厚みにもバラツキが発生し、結果的に、特性のバラツキを生じさせる。
【0039】
加えて実際には、充填材115の染み出しは、程度の差はあっても常に発生しており、従って、センサー収納部213の胴部213bに充填材115を流し込む際には、充填材115の染み出しを考慮して多めに流し込まなければならない。このため、充填材115が溢れそうになった時に、その原因が、外側への染み出し量が少ないためなのか、あるいは気泡を閉じ込めてしまったためなのかを判断することができない。
【0040】
以上のような問題を回避するためには、図8(a)に示したようにセンサー収納部213のフランジ部213aを、集熱板111のカシメ加工部111aの内周面に圧入することも考えられる。こうすれば、センサー収納部213から集熱板111が脱落することがないので、上述した問題は生じないように思われる。しかし、集熱板111の外周部分からカシメ加工部111aが立ち上がる箇所には必ずR部分(図8(a)を参照)ができるので、センサー収納部213を圧入してもR部分が邪魔になって、図8(b)に示したようにフランジ部213aと集熱板111との間に隙間ができてしまう。そして、この隙間の大きさは、センサー収納部213および集熱板111の製造バラツキによって大きく変動する。このため、センサー収納部213を集熱板111に圧入しても特性のバラツキが発生することは回避することができない。
【0041】
また、集熱板111がセンサー収納部213から脱落しなかった場合でも、センサー収納部213をホルダー120と共に集熱板111にカシメ止めする際に、集熱板111が充填材115から剥がれて、充填材115(および温度センサー114)との間に隙間ができてしまうことがある。すなわち、集熱板111をカシメ止めする際には、図9(a)に斜線を付した矢印で示したように、集熱板111のカシメ加工部111aを折り曲げようとする力が集熱板111に伝わって、図中に実線の矢印で示したように集熱板111を充填材115から引き剥がそうとする。その結果、図9(b)のように、集熱板111が充填材115から剥がれてしまい、集熱板111と充填材115(および温度センサー114)との間に隙間が生じることがある。このようなことが生じると、集熱板111からの熱が温度センサー114に伝わり難くなるので、温度検出装置の特性が大きく低下する。
【0042】
これに対して、本実施例の温度検出装置100では、充填材115は有底カップ113に流し込まれるので、固化した充填材115が剥がれ落ちたり、一部が剥がれたりすることによる特性のバラツキが生じることはない。また、本実施例の温度検出装置100では、図4を用いて前述したように、温度センサー114と一緒に気泡が閉じ込められた場合には、そのことを容易に認識できる。このため、気泡が閉じ込められたことに起因する特性のバラツキが生じることもない。
【0043】
更に、本実施例の温度検出装置100は、図10(a)に示したように、有底カップ113がカップ押板112よりも僅かに突出しており、集熱板111をホルダー120およびカップ押板112にカシメ止めする前の段階では、集熱板111とカップ押板112との間にギャップGが形成されている。このため、集熱板111のカシメ加工部111aをカシメ止めすると、図10(b)に示したように、カシメ加工部111aがホルダー120のフランジ部120aの上に斜めに倒れ込むような形となり、カシメ加工部111aによって集熱板111の外周が僅かに引き上げられる。そして、その状態で、カシメ止めが行われる。その結果、図10(c)に示したように、集熱板111が外側に向けて僅かに凸状に撓んだ状態でカシメ止めされることになり、集熱板111の弾性によって、集熱板111と有底カップ113とを確実に密着させることができる。このため、本実施例の温度検出装置100では、製造バラツキによって集熱板111と有底カップ113との間に隙間が生じることもなく、個体差による特性のバラツキが生じることがない。
【0044】
また、集熱板111のカシメ加工部111aは、カップ押板112を間に挟み込んだ状態で、ホルダー120の全周をカシメ止めしている。加えて、カップ押板112は、集熱板111やホルダー120と同様に、ステンレスによって形成されている。このため、集熱板111のカシメ加工部111aとホルダー120との間に挟まれた状態でカシメ止めされても、カップ押板112が押し伸ばされる(いわゆるヘタリが生じる)ことがない。その結果、しっかりと気密にカシメ止めすることができるので、温度検出装置100を長期に亘って使用しても、カシメの部分から油煙や煮零れ汁などが侵入して特性の劣化を生じさせることもない。以上のように、本実施例の温度検出装置100では、従来の温度検出装置で特性のバラツキを生じさせていた様々な原因が解消されるため、個体差による特性のバラツキを大幅に抑制することが可能となる。
【0045】
次に、本実施例の温度検出装置100の温度応答性について説明する。前述したように本実施例の温度検出装置100は、調理容器の底部に当接する集熱板111がステンレス製となっており、この点では、従来の温度検出装置と同様である。このため、温度応答性に関しては、本実施例の温度検出装置100は、従来の温度検出装置と同等になってしまうことが懸念される。加えて、本実施例の温度検出装置100は、従来の温度検出装置に対して、集熱板111と温度センサー114との間に、有底カップ113を形成する金属板が追加された構造となっている。従って本実施例の温度検出装置100は、従来の温度検出装置よりも、更に温度応答性が低下する可能性もある。そこで、一定温度(144℃)のアルミニウム板に押し付けた時の温度変化を計測することにより、本実施例の温度検出装置100の温度応答性と、従来の温度検出装置の温度応答性とを比較した。
【0046】
図11は、本実施例の温度検出装置100および従来の温度検出装置について温度応答性を実測した結果を示した説明図である。図11(a)には計測した結果が示されている。図中に実線で示した温度変化は、本実施例の温度検出装置100の計測結果を表しており、図中に破線で示した温度変化は、従来の温度検出装置の計測結果を表している。また、参考として、真鍮の削り出しによって形成した一体の感熱ヘッド310を備えた温度検出装置についても温度応答性を計測した。図中には、真鍮の削り出しによる参考例の温度検出装置についての計測結果を、一点鎖線で表示してある。尚、真鍮は、温度応答性に優れる金属材料として知られている。また、理解の便宜から、図11(b)〜(d)には、本実施例、従来例、および参考として挙げた温度検出装置のそれぞれについて、感熱ヘッドの断面図を示してある。
【0047】
図11(a)の実測結果に示されるように、実線で示した本実施例の温度検出装置100は、破線で示した従来の温度検出装置に比べて、温度応答性が大きく改善されている。更に、参考として挙げた一点鎖線の温度応答性に対しても、ほとんど遜色のない優れた温度応答性を示している。集熱板111がステンレス製であるにも拘わらず、本実施例の温度検出装置100がこのように優れた温度応答性を示すのは、次のような理由であると考えられる。
【0048】
図12は、本実施例の温度検出装置100が優れた温度応答性を示す理由についての説明図である。図12では、本実施例の温度検出装置100および従来の温度検出装置のそれぞれの場合について、温度センサー114に熱が伝わる様子が概念的に示されている。始めに、図12(b)を参照して、従来の温度検出装置の場合について説明する。前述したように従来の温度検出装置では、集熱板111もセンサー収納部213もステンレスによって形成されている。ステンレスは熱伝導性が低いので、集熱板111が加熱されても、その熱がセンサー収納部213の胴部213bに伝わるには時間がかかる。このため、集熱板111が調理容器の底部に当接しても、調理容器の熱はセンサー収納部213の胴部213bにはなかなか伝わらず、胴部213bが高温になるまでの間は、もっぱら集熱板111の側からしか温度センサー114に熱が伝わらない。図12(b)中に示した破線の矢印は、もっぱら集熱板111の側から、温度センサー114に熱が伝わる様子を概念的に表している。
【0049】
これに対して、本実施例の温度検出装置100では、有底カップ113が、銅またはアルミニウムを主成分とする金属材料によって形成されている。銅またはアルミニウムを主成分とする金属材料は熱伝導性が高いので、集熱板111が調理容器の底部に当接すると、調理容器の熱が直ちに有底カップ113の全体に伝わって、有底カップ113の胴部113bも高温となる。このため、集熱板111の側からだけでなく、有底カップ113の胴部113bの側からも、温度センサー114に熱が伝わるので、調理容器の熱を速やかに温度センサー114に伝えることができる。図12(a)中に示した破線の矢印は、集熱板111の側からだけでなく、有底カップ113の胴部113bの側からも温度センサー114に熱が伝わる様子を概念的に表している。このように本実施例の温度検出装置100では、集熱板111と温度センサー114との間に、熱伝導性の良い金属材料で形成した有底カップ113を介在させることで、調理容器から集熱板111に流れ込んだ熱を速やかに温度センサー114の側部にも導いて、側方からも温度センサー114を加熱する。その結果として、温度応答性が大幅に改善することが可能である。
【0050】
加えて、本実施例の温度検出装置100は、有底カップ113をカップ押板112で押さえた状態で、カップ押板112をホルダー120と共に集熱板111でカシメ止めすることによって形成することができる。このため、従来の温度検出装置と同様に、容易に製造することができる。更に加えて、調理容器に当接する集熱板111は、従来の温度検出装置と同様にステンレスで形成することができるので、調理容器の底部による摩耗や削れに対しても十分な耐久性を確保することができる。以上のような理由から、本実施例の温度検出装置100は、個体差によるバラツキがなく、温度応答性に優れ、製造が容易で、尚且つ耐久性に優れた感熱ヘッド110を備える温度検出装置100となっている。
【0051】
以上、本実施例の温度検出装置100について説明したが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1…ガスコンロ、 2…天板、 3…五徳、 4…バーナー用開口、
10…コンロバーナー、 10a…空気供給通路、 11…バーナーボディ、
12…混合管、 13…バーナーヘッド、 100…温度検出装置、
110…感熱ヘッド、 111…集熱板、 111a…カシメ加工部、
112…カップ押板、 112a…開口部、 113…有底カップ、
113a…凸部、 113b…胴部、 114…温度センサー、
114a…リード線、 115…充填材、 120…ホルダー、
120a…フランジ部、 121…コイルバネ、 122…バネ受け、
123…煮零れ汁カバー、 130…支持パイプ、 213…センサー収納部、
213a…フランジ部、 213b…胴部、 310…感熱ヘッド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12