特許第6055813号(P6055813)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6055813送信機、それにおける送信方法、送信機から無線信号を受信する受信機およびそれらを備える無線通信システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055813
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】送信機、それにおける送信方法、送信機から無線信号を受信する受信機およびそれらを備える無線通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/04 20060101AFI20161219BHJP
   H04B 1/16 20060101ALI20161219BHJP
   H04B 1/40 20150101ALI20161219BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20161219BHJP
   H04W 72/08 20090101ALI20161219BHJP
【FI】
   H04B1/04 Z
   H04B1/16 R
   H04B1/40
   H04W52/02 111
   H04W72/08 110
【請求項の数】14
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2014-504796(P2014-504796)
(86)(22)【出願日】2013年3月4日
(86)【国際出願番号】JP2013055790
(87)【国際公開番号】WO2013137036
(87)【国際公開日】20130919
【審査請求日】2016年2月3日
(31)【優先権主張番号】特願2012-58562(P2012-58562)
(32)【優先日】2012年3月15日
(33)【優先権主張国】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度、支出負担行為担当官、総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「無駄な消費電力量を削減するRadio On Demand Networksの研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】393031586
【氏名又は名称】株式会社国際電気通信基礎技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100112715
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(72)【発明者】
【氏名】近藤 良久
(72)【発明者】
【氏名】四方 博之
(72)【発明者】
【氏名】湯 素華
(72)【発明者】
【氏名】木村 貴寿
(72)【発明者】
【氏名】岩井 優仁
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 哲也
【審査官】 佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−64613(JP,A)
【文献】 特開2009−77375(JP,A)
【文献】 特開平3−268626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/04
H04B 1/16
H04B 1/40
H04W 52/02
H04W 72/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアセンスを行い、無線通信空間が空いているとき無線信号を送信し、前記無線通信空間が空いていないとき前記無線信号の送信を待機する無線通信方式に従って無線フレームを送信する送信機であって、
複数の周波数チャネルを含む所望の周波数帯でキャリアセンスするキャリアセンス手段と、
前記キャリアセンス手段によるキャリアセンスの結果、無線通信空間が空いているとき、受信先の無線装置における無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が識別子を表す1つまたは複数の信号検出間隔のうちの1つまたは複数の信号検出間隔を構成するように1つの無線フレームを前記所望の周波数帯で送信し、前記キャリアセンスの結果、前記無線通信空間が空いていないとき、前記1つの無線フレームの送信を待機する送信処理を前記キャリアセンスを行う毎に実行する送信手段とを備える送信機。
【請求項2】
前記送信手段は、前記無線通信空間が空いているとき、前記無線装置における前記識別子の検出タイミングを跨ぐように前記1つの無線フレームを送信する、請求項1に記載の送信機。
【請求項3】
前記送信手段は、任意の基準時刻に基づいて前記1つの無線フレームの送信タイミングを決定し、その決定した送信タイミングで前記1つの無線フレームを送信する、請求項2に記載の送信機。
【請求項4】
前記送信手段は、前記無線通信空間が空いているとき、前記無線通信方式における最大の遅延時間に前記無線装置におけるサンプリング周期を加算した値からなるフレーム長を有する前記1つの無線フレームを前記識別子の検出タイミングを跨ぐように送信する、請求項2に記載の送信機。
【請求項5】
前記送信手段は、最初の無線フレームの送信開始時刻から少なくとも1つの信号検出間隔に相当する時間が経過すると、前記1つの無線フレームを送信する、請求項4に記載の送信機。
【請求項6】
キャリアセンスを行い、無線通信空間が空いているとき無線信号を送信し、前記無線通信空間が空いていないとき前記無線信号の送信を待機する無線通信方式に従って無線フレームを送信する送信方法であって、
複数の周波数チャネルを含む所望の周波数帯でキャリアセンスする第1のステップと、
前記キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いているとき、受信先の無線装置における無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が識別子を表す1つまたは複数の信号検出間隔のうちの1つまたは複数の信号検出間隔を構成するように1つの無線フレームを前記所望の周波数帯で送信し、前記キャリアセンスの結果、前記無線通信空間が空いていないとき、前記1つの無線フレームの送信を待機する送信処理を前記キャリアセンスを行う毎に実行する第2のステップとを備える送信方法。
【請求項7】
前記第2のステップにおいて、前記1つの無線フレームは、前記無線装置における前記識別子の検出タイミングを跨ぐように送信される、請求項6に記載の送信方法。
【請求項8】
前記第2のステップにおいて、前記1つの無線フレームは、任意の基準時刻に基づいて決定された送信タイミングで送信される、請求項7に記載の送信方法。
【請求項9】
前記第2のステップにおいて、前記無線通信空間が空いているとき、前記無線通信方式における最大の遅延時間に前記無線装置におけるサンプリング周期を加算した値からなるフレーム長を有する前記1つの無線フレームが前記識別子の検出タイミングを跨ぐように送信される、請求項7に記載の送信方法。
【請求項10】
前記第2のステップにおいて、前記無線通信空間が空いているとき、前記1つの無線フレームは、最初の無線フレームの送信開始時刻から少なくとも1つの信号検出間隔に相当する時間が経過すると送信される、請求項9に記載の送信方法。
【請求項11】
無線フレームの受信信号を複数の周波数チャネルを含む所望の帯域幅で通過させるフィルタと、
前記フィルタを通過した受信信号を検波する検波手段と、
前記検波手段による検波結果をサンプリング周期でサンプリングして前記検波結果をディジタル信号列に変換する変換手段と、
前記ディジタル信号列に基づいて検出された1つまたは複数の信号検出間隔が識別子に一致するとき、所望の制御を行う制御手段とを備える受信機。
【請求項12】
前記制御手段は、
前記ディジタル信号列に基づいて識別子を表す1つまたは複数の信号検出間隔を検出するための複数の検出タイミングの全てにおいて第1の閾値よりも大きい値からなる信号が検出されていると判定したとき、前記識別子を受信したことを示す信号を出力するマッチング回路と、
前記マッチング回路から前記識別子を受信したことを示す信号を受けると、所望の制御を行う制御回路とを含む、請求項11に記載の受信機。
【請求項13】
前記検波手段による検波結果に基づいて第2の閾値よりも大きい受信信号強度を有する検波信号を検出し、その検出した検波信号を前記変換手段へ出力する検出手段を更に備え、
前記変換手段は、前記検出手段からの検波信号をサンプリング周期でサンプリングして前記検波信号をディジタル信号列に変換する、請求項11または請求項12に記載の受信機。
【請求項14】
請求項1に記載の送信機と、
請求項11に記載の受信機とを備える無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、送信機、それにおける送信方法、送信機から無線信号を受信する受信機およびそれらを備える無線通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある無線機が無線フレーム長(時間の長さ)または振幅を変化させながら無線フレームを送信することによって、無線フレームのペイロードのデータの持つ意味を通信することとは別に、無線フレームを受信した受信機が無線フレームのフレーム長または振幅の変化を検出し、その検出したフレーム長または振幅の変化を情報として扱うことで、送信機は、ある識別子に対応した無線信号を送信し、受信機が識別子を受信した場合に、その識別子の受信に応じてスリープ状態から起動状態へ移行するための指示等の制御を遠隔から行うことができるシステムがある。
【0003】
このシステムにおいて、無線方式にISM(Industry Science Medical band)帯のIEEE802.11方式の無線LAN(Local Area Network)を用いると、送信側の無線機は、同期検波回路を備え、ISM帯の中でチャネルCH1からチャネルCH14に区切られた無線チャネルのうちの特定の1チャネルの周波数幅(22MHz幅)で帯域制限した信号の強度からCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)によるキャリアセンスを実行し、その結果に基づいて無線フレームを送信する。
【0004】
無線フレームを受信する無線機は、通常の無線LANの通信処理であれば、同期検波を備えた無線インタフェースによって、無線LANフレームをペイロードデータに復調および復号する。
【0005】
一方、フレーム長または振幅の変化を検出する制御においては、回路規模、処理を単純化し、省電力な構成とする目的のために、RFフィルタで帯域制限された信号は、非同期検波である包絡線検波によって受信される。
【0006】
同期検波では、RFフィルタで帯域制限した信号を中間周波数信号または基底帯域信号に変換し、その変換した周波数で更に狭帯域のフィルタを適用して所望の帯域幅に帯域制限を行うが、非同期検波では、周波数変換を行わないため、RFフィルタの特性に応じた周波数帯域幅の信号を観測する。
【0007】
2.4GHzのISM帯を帯域通過させるRFフィルタは、ISM帯の全帯域(チャネルCH1からチャネルCH14(約100MHz幅))をカバーできるように、比較的広帯域なものが広く流通しており、狭帯域のフィルタを追加することは、価格面および実装面積の面でも、現実的ではない。
【0008】
非同期検波を行う無線通信方式において、従来、無線フレームの有無または無線フレームの振幅の変化を制御識別子とする方式が知られている(特許文献1)。
【0009】
また、IEEE802.11による信号で無線フレームの送信タイミングの制御を行い、無線フレームの有無によってOOK(On Off Keying)信号を送信する方式が知られている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2009−055533号公報
【特許文献2】特開2009−077375号公報
【非特許文献1】E. H. Armstrong, “Some recent developments of regenerative circuits,” Proc. Inst. Radio Eng., Vol. 10, pp. 244-260, Aug. 1922.
【発明の開示】
【0010】
しかし、特許文献1,2においては、別のチャネルからの干渉波が考慮されていないため、別のチャネルからの干渉波が存在する場合、スリープ状態から起動状態へ移行させたい無線装置が起動状態へ移行しないという問題がある。つまり、干渉波が存在する場合、無線装置を正確に制御することが困難であるという問題がある。
【0011】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、干渉波が存在する場合でも所望の制御が可能な送信機を提供することである。
【0012】
また、この発明の別の目的は、干渉波が存在する場合でも所望の制御が可能な送信方法を提供することである。
【0013】
更に、この発明の別の目的は、干渉波が存在する場合でも所望の制御が可能な送信機から無線信号を受信する受信機を提供することである。
【0014】
更に、この発明の別の目的は、干渉波が存在する場合でも所望の制御が可能な無線通信システムを提供することである。
【0015】
この発明の実施の形態によれば、送信機は、キャリアセンスを行い、無線通信空間が空いているとき無線信号を送信し、無線通信空間が空いていないとき無線信号の送信を待機する無線通信方式に従って無線フレームを送信する送信機であって、キャリアセンス手段と、送信手段とを備える。キャリアセンス手段は、複数の周波数チャネルを含む所望の周波数帯でキャリアセンスする。送信手段は、キャリアセンス手段によるキャリアセンスの結果、無線通信空間が空いているとき、受信先の無線装置における無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が識別子を表す1つまたは複数の信号検出間隔のうちの1つまたは複数の信号検出間隔を構成するように1つの無線フレームを所望の周波数帯で送信し、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いていないとき、1つの無線フレームの送信を待機する送信処理をキャリアセンスを行う毎に実行する。
【0016】
また、この発明の実施の形態によれば、送信方法は、キャリアセンスを行い、無線通信空間が空いているとき無線信号を送信し、無線通信空間が空いていないとき無線信号の送信を待機する無線通信方式に従って無線フレームを送信する送信方法であって、複数の周波数チャネルを含む所望の周波数帯でキャリアセンスする第1のステップと、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いているとき、受信先の無線装置における無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が識別子を表す1つまたは複数の信号検出間隔のうちの1つまたは複数の信号検出間隔を構成するように1つの無線フレームを所望の周波数帯で送信し、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いていないとき、1つの無線フレームの送信を待機する送信処理をキャリアセンスを行う毎に実行する第2のステップとを備える。
【0017】
更に、この発明の実施の形態によれば、受信機は、フィルタと、検波手段と、変換手段と、制御手段とを備える。フィルタは、無線フレームの受信信号を複数の周波数チャネルを含む所望の帯域幅で通過させる。検波手段は、フィルタを通過した受信信号を検波する。変換手段は、検波手段による検波結果をサンプリング周期でサンプリングして検波結果をディジタル信号列に変換する。制御手段は、ディジタル信号列に基づいて検出された1つまたは複数の信号検出間隔が識別子に一致するとき、所望の制御を行う。
【0018】
更に、この発明の実施の形態によれば、無線通信システムは、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の送信機と、請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の受信機とを備える。
【0019】
この発明の実施の形態による送信機は、無線通信空間が空いているとき、受信先の無線装置における無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が識別子を表す1つまたは複数の信号検出間隔のうちの1つまたは複数の信号検出間隔を構成するように1つの無線フレームを所望の周波数帯で送信し、無線通信空間が空いていないとき、無線フレームの送信を待機する。そして、無線通信空間が空いていないとき、送信機以外の無線装置が無線フレームを送信する。その結果、受信先の無線装置は、無線通信空間が空いているとき、送信機からの無線フレームを受信し、無線通信空間が空いていないとき、送信機以外の無線装置から無線フレームを受信する。そして、受信先の無線装置は、送信機、および送信機以外の無線装置から受信した無線フレームの受信信号に基づいて検出された1つまたは複数の信号検出間隔が識別子に一致するとき、所望の制御を行う。
【0020】
従って、干渉波が存在する場合でも、所望の制御を行うことができる。
【0021】
また、この発明の実施の形態による送信方法は、無線通信空間が空いているとき、受信先の無線装置における無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が識別子を表す1つまたは複数の信号検出間隔のうちの1つまたは複数の信号検出間隔を構成するように1つの無線フレームを所望の周波数帯で送信し、無線通信空間が空いていないとき、無線フレームの送信を待機する。
【0022】
従って、上述したように、干渉波が存在する場合でも、所望の制御を行うことができる。
【0023】
更に、この発明の実施の形態による受信機は、複数の周波数チャネルを含む帯域幅を通過した受信信号の検波結果をディジタル信号列に変換し、その変換したディジタル信号列に基づいて検出された1つまたは複数の信号検出間隔が識別子に一致するとき、所望の制御を行う。その結果、送信機からの受信信号と、送信機以外の無線装置からの受信信号との少なくとも一方に基づいて1つまたは複数の信号検出間隔が検出され、その検出された1つまたは複数の信号検出間隔が識別子に一致するとき、所望の制御が行われる。
【0024】
従って、干渉波が存在する場合でも、所望の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明の実施の形態1による無線通信システムの概略図である。
図2図1に示す送信機の構成を示す概略図である。
図3図1に示す受信機の構成を示す概略図である。
図4図3に示すマッチング回路の回路図である。
図5】周波数帯の概念図である。
図6】受信機のIDを表す信号検出間隔の概念図である。
図7図1に示す送信機における無線フレームの送信方法を説明するための図である。
図8】送信機1における無線フレームの送信方法を示すフローチャートである。
図9図1に示す送信機における無線フレームの他の送信方法を説明するための図である。
図10】送信機における無線フレームの他の送信方法を示すフローチャートである。
図11】無線信号および包絡線の概念図である。
図12】マッチング回路の具体例を示す回路図である。
図13】非同期検波における受信信号の概念図である。
図14】複数のチャネルからの無線信号を受信する場合の概念図である。
図15】無線通信システムにおいて受信機をスリープ状態から起動状態へ移行させる動作を示すフローチャートである。
図16図1に示す受信機の他の構成を示す概略図である。
図17】閾値の決定方法を説明する図である。
図18】無線通信システムにおいて図16に示す受信機をスリープ状態から起動状態へ移行させる動作を示すフローチャートである。
図19図1に示す受信機の更に他の構成を示す概略図である。
図20図19に示す同期検波回路の構成を示す概略図である。
図21】無線通信システムにおいて受信機をスリープ状態から起動状態へ移行させる他の動作を示すフローチャートである。
図22】実施の形態2による無線通信システムの構成を示す概略図である。
図23図22に示す受信機の構成を示す概略図である。
図24図22に示す無線通信システムにおける動作を示すフローチャートである。
図25】実施の形態3による無線通信システムの構成を示す概略図である。
図26図25に示す送信機の構成を示す概略図である。
図27図25に示す受信機の構成を示す概略図である。
図28図25に示すサーバの構成を示す概略図である。
図29図25に示す無線通信システムにおける動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0027】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による無線通信システムの概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による無線通信システム10は、送信機1と、受信機2とを備える。
【0028】
送信機1は、受信機2をスリープ状態から起動状態へ移行させるとき、CSMA/CAの無線通信方式に従って、受信機2のID(=識別子)が受信機2で検出されるように複数の周波数チャネルを含む所望の周波数帯で無線フレームを受信機2へ送信する。なお、所望の周波数帯は、例えば、ISM帯からなる。また、CSMA/CAの無線通信方式とは、キャリアセンスを行い、無線通信空間が空いているとき無線信号を送信し、無線通信空間が空いていないとき無線信号の送信を待機する無線通信方式を言う。
【0029】
受信機2は、複数の周波数チャネルを含む所望の周波数帯で無線フレームを送信機1から受信し、その受信した無線フレームが自己のIDに一致するとき、スリープ状態から起動状態へ移行する。
【0030】
図2は、図1に示す送信機1の構成を示す概略図である。図2を参照して、送信機1は、ホストシステム11と、無線インタフェース12と、アンテナ13とを含む。
【0031】
ホストシステム11は、受信機2のIDを保持している。そして、ホストシステム11は、受信機2をスリープ状態から起動状態へ移行させたい場合、保持している受信機2のIDを表す信号検出間隔が受信機2で検出されるように無線インタフェース12における無線フレームの送信タイミングを制御する。
【0032】
無線インタフェース12は、ホストシステム11からの制御に従ってアンテナ13を介してキャリアセンスを行い、そのキャリアセンスの結果をホストシステム11へ出力する。また、無線インタフェース12は、ホストシステム11によって制御された送信タイミングで無線フレームをアンテナ13を介して受信機2へ送信する。
【0033】
ホストシステム11は、キャリアセンス結果取得部111と、送信タイミング制御部112とを含む。
【0034】
キャリアセンス結果取得部111は、キャリアセンスを行うように無線インターフェース12を制御する。また、キャリアセンス結果取得部111は、無線インタフェース12からキャリアセンスの結果を受け、その受けたキャリアセンスの結果を送信タイミング制御部112へ出力する。
【0035】
送信タイミング制御部112は、キャリアセンス結果取得部111からキャリアセンスの結果を受け、その受けたキャリアセンスの結果に基づいて送信制御を行い、受信機2のIDに基づいて、無線インタフェース12における無線フレームの送信タイミングを制御し、無線フレームを送信したい時間帯に、キャリアセンスの結果に基づいて無線通信空間が空いていると判定したとき、無線フレームを送信する。また、送信タイミング制御部112は、無線フレームを送信したい時間帯に、キャリアセンスの結果に基づいて、無線通信空間が空いていないと判定したとき、無線インタフェース12における無線フレームを送信しない。
【0036】
図3は、図1に示す受信機2の構成を示す概略図である。図3を参照して、受信機2は、アンテナ21と、広帯域RFフィルタ22と、スイッチ23と、端子24,25と、包絡線検波回路26と、信号検出回路27と、マッチング回路28と、制御回路29と、無線インタフェース30と、ホストシステム31とを含む。
【0037】
広帯域RFフィルタ22は、アンテナ21とスイッチ23との間に接続される。端子24は、包絡線検波回路26に接続される。端子25は、無線インタフェース30に接続される。
【0038】
広帯域RFフィルタ22は、アンテナ21を介して無線フレームの受信信号を受信し、その受信した受信信号のうち、所望の周波数帯に含まれる受信信号だけをスイッチ23へ出力する。
【0039】
スイッチ23は、制御回路29からの制御に従って端子24または端子25に接続される。より具体的には、スイッチ23は、L(論理ロー)レベルの信号を制御回路29から受けると、端子24に接続される。また、スイッチ23は、H(論理ハイ)レベルの信号を制御回路29から受けると、端子25に接続される。そして、スイッチ23は、広帯域RFフィルタ22から受信信号を受け、その受けた受信信号を包絡線検波回路26または無線インタフェース30へ出力する。
【0040】
包絡線検波回路26は、スイッチ23から端子24を介して受信信号を受け、その受けた受信信号を包絡線検波し、その検波した包絡線を信号検出回路27へ出力する。
【0041】
信号検出回路27は、包絡線を包絡線検波回路26から受ける。そして、信号検出回路27は、サンプリング周期で包絡線をサンプリングしてディジタル信号列に変換し、その変換したディジタル信号列をマッチング回路28へ出力する。
【0042】
マッチング回路28は、サンプリング結果を信号検出回路27から受け、その受けたサンプリング結果に基づいて、受信機2が受信した受信信号が受信機2のIDに一致するか否かを判定する。そして、マッチング回路28は、受信機2が受信した受信信号が受信機2のIDに一致するとき、“1”からなる信号を制御回路29へ出力し、受信機2が受信した受信信号が受信機2のIDに一致しないとき、“0”からなる信号を制御回路29へ出力する。ここで、“1”からなる信号は、受信機2のIDを受信したことを示す信号であり、“0”からなる信号は、受信機2のIDを受信しなかったことを示す信号である。
【0043】
制御回路29は、マッチング回路28からHレベルの信号を受けると、無線インタフェース30およびホストシステム31をスリープ状態から起動状態へ移行させる。そして、制御回路29は、Hレベルの信号をスイッチ23へ出力する。
【0044】
また、制御回路29は、マッチング回路28からLレベルの信号を受けると、無線インタフェース30およびホストシステム31のスリープ状態を維持する。
【0045】
更に、制御回路29は、無線インタフェース30およびホストシステム31が起動状態にあるときに、ホストシステム31が、一定期間、無線通信を行っていないことを検知したとき、無線インタフェース30およびホストシステム31を起動状態からスリープ状態へ移行させ、Lレベルの信号をスイッチ23へ出力する。
【0046】
無線インタフェース30は、制御回路29からの制御に従ってスリープ状態から起動状態へ移行し、または起動状態からスリープ状態へ移行する。また、無線インタフェース30は、端子25を介してスイッチ23から受信信号を受け、その受けた受信信号を復調および復号してホストシステム31へ出力する。更に、無線インタフェース30は、ホストシステム31から送信信号を受けると、その受けた送信信号を変調して端子25、スイッチ23、広帯域RFフィルタ22およびアンテナ21を介して送信する。
【0047】
ホストシステム31は、制御回路29からの制御に従ってスリープ状態から起動状態へ移行し、または起動状態からスリープ状態へ移行する。また、ホストシステム31は、無線インタフェース30から信号を受ける。更に、ホストシステム31は、送信信号を生成し、その生成した送信信号を無線インタフェース30へ出力する。
【0048】
なお、受信機2においては、無線インタフェース30およびホストシステム31が動作を停止し、かつ、広帯域RFフィルタ22、包絡線検波回路26、信号検出回路27、マッチング回路28および制御回路29が動作している状態を「スリープ状態」と言い、広帯域RFフィルタ22、包絡線検波回路26、信号検出回路27、マッチング回路28、制御回路29、無線インタフェース30およびホストシステム31が動作している状態を「起動状態」と言う。
【0049】
また、受信機2は、図3に示す構成において、スイッチ23および端子24,25を削除し、アンテナ21および広帯域RFフィルタ22に代えて、広帯域RFフィルタを介して包絡線検波回路26に接続されたアンテナと、広帯域RFフィルタを介して無線インタフェース30に接続されたアンテナとを備えていてもよい。
【0050】
図4は、図3に示すマッチング回路28の回路図である。図4を参照して、マッチング回路28は、フリップフロップ41〜4i(iは正の整数),51〜5j(jは正の整数),p1〜pk(pは、受信機2のIDを構成する信号検出間隔の個数に等しい整数、kは、正の整数)と、AND回路61〜6pとを含む。
【0051】
フリップフロップ41〜4i,51〜5j,・・・,p1〜pkは、直列に接続される。フリップフロップ41〜4i,51〜5j,・・・,p1〜pkの各々は、クロックCLKに同期して動作する。なお、クロックCLKの周期は、受信機2におけるサンプリング周期Tと同じである。
【0052】
フリップフロップ41〜4i,51〜5j,・・・,p1〜pk−1は、それぞれ、フリップフロップ42〜4i,51,52〜5j,・・・,p1,p2〜pkから信号を受ける。フリップフロップpkは、信号検出回路27からディジタル信号を受ける。そして、フリップフロップ42〜4i,51〜5j,・・・,p1〜pkは、信号をクロックCLKの一周期分保持し、その保持した信号をそれぞれフリップフロップ41〜4i−1,4i,51〜5j−1,5j,・・・,p1〜pk−1へ出力する。また、フリップフロップ41は、信号をAND回路61へ出力し、フリップフロップ51は、信号をAND回路62へも出力し、以下、同様にして、フリップフロップ回路p1は、信号をAND回路6pへも出力する。
【0053】
AND回路61は、フリップフロップ41からの信号とAND回路62からの信号との論理積を演算し、その演算結果を制御回路29へ出力する。AND回路62は、フリップフロップ51からの信号と、AND回路63(図示せず)からの信号との論理積を演算し、その演算結果をAND回路61へ出力する。以下、同様にして、AND回路6pは、フリップフロップp1からの信号と信号検出回路27からの信号との論理積を演算し、その演算結果をAND回路6p−1(図示せず)へ出力する。
【0054】
受信機2のIDを信号検出間隔によって表した場合、フリップフロップ41〜4iは、IDを構成する複数の信号検出間隔のうち、最初の信号検出間隔に相当する時間間隔を検出し、フリップフロップ51〜5jは、IDを構成する複数の信号検出間隔のうち、2番目の信号検出間隔に相当する時間間隔を検出し、以下、同様にして、フリップフロップp1〜pkは、IDを構成する複数の信号検出間隔のうち、最後の信号検出間隔に相当する時間間隔を検出する。
【0055】
図5は、周波数帯の概念図である。図5を参照して、周波数帯BWは、ISM帯の周波数帯である。そして、周波数帯BWは、チャネルCH1〜CH14を含む。
【0056】
スペクトラムSP1は、所望波のスペクトラムであり、スペクトラムSP2は、他チャネルの所望波以外のスペクトラムである。
【0057】
このように、周波数帯BWは、複数の周波数チャネルを含む周波数帯である。
【0058】
送信機1は、チャネルCH1の周波数帯でキャリアセンスし、チャネルCH1の周波数帯が空いていれば、無線フレームを送信する。
【0059】
図3に示す広帯域RFフィルタ22は、無線信号の受信信号のうち、周波数帯BWの信号を通過させる。従って、受信機2は、送信機1が送信する無線フレーム以外にも、チャネルCH1と異なるチャネルCH9等で送信される無線フレームを受信する。
【0060】
図6は、受信機2のIDを表す信号検出間隔の概念図である。図6を参照して、受信機2のIDは、例えば、3個の信号検出間隔S,S,Sのパターン[S]からなる。受信機2における包絡線のサンプリング周期をTとすると、信号検出間隔Sは、2Tからなり、信号検出間隔Sは、3Tからなり、信号検出間隔Sは、4Tからなる。なお、サンプリング周期Tは、例えば、500μsである。
【0061】
3個の信号検出間隔S,S,Sを検出するためには、4個の検出タイミングDT1〜DT4において受信信号が“1”であることを検出する必要がある。
【0062】
そこで、検出タイミングの個数をk(kは、2以上の整数)とすると、受信機2のIDは、k−1個の信号検出間隔S〜Sk−1によって表される。例えば、k=n、0≦S≦mT(i=1,2,・・・,n−1、mは正の整数)とすると、表1に示すmn−1個のIDを信号検出間隔S〜Sn−1によって表すことができる。
【0063】
【表1】
【0064】
従って、この発明の実施の形態1においては、スリープ状態から起動状態へ移行させたい受信機2のIDを表1に示すmn−1個のIDのいずれかによって表す。
【0065】
図7は、図1に示す送信機1における無線フレームの送信方法を説明するための図である。
【0066】
図7の(a)は、受信機2における信号検出間隔の検出タイミングを示し、図7の(b)は、送信機1における無線フレームの送信制御基準タイミングを示す。
【0067】
図7を参照して、受信機2のIDは、上述した信号検出間隔のパターン[S]からなる。送信機1は、受信機2が検出タイミングDT1〜DT4において受信信号が“1”であることを検出することによって、2Tの信号検出間隔S、3Tの信号検出間隔S、および4Tの信号検出間隔Sを検出できるように、4個の無線フレームFR1〜FR4を順次送信する。
【0068】
より具体的に説明する。送信機1は、Tのフレーム長を有する無線フレームFR1を送信する。そして、送信機1は、無線フレームFR1の送信終了時刻を無線フレームFR2〜FR4の送信基準時刻とする(図7の(b)参照)。
【0069】
受信機2は、無線フレームFR1を受信することによって、検出タイミングDT1で受信信号が“1”であることを検出できる。その結果、信号検出間隔S,S,Sを検出する基準が決定されることになる。
【0070】
その後、送信機1は、受信機2が検出タイミングDT2で受信信号が“1”であることを検出できるように、無線フレームFR2を送信する。即ち、送信機1は、送信予備時刻dだけ送信制御基準タイミングよりも前から無線フレームFR2の送信を試み、無線フレームFR2が検出タイミングDT2を跨ぐように送信する。なお、送信予備時刻dは、例えば、100μsである。
【0071】
引き続いて、送信機1は、同様にして、無線フレームFR3,FR4を順次送信する(図7の(b)参照)。
【0072】
図8は、送信機1における無線フレームの送信方法を示すフローチャートである。なお、図8に示すフローチャートは、下位レイヤ(MAC層および物理層)で実行されるフローチャートである。
【0073】
図8を参照して、無線フレームの送信が開始されると、送信機1において、送信タイミング制御部112は、無線フレームの長さLをL=Tに設定する(ステップS1)。
【0074】
そして、キャリアセンス結果取得部111は、キャリアセンスを行うように無線インタフェース12を制御し、無線インタフェース12は、例えば、チャネルCH1の周波数帯でキャリアセンスを行い(ステップS2)、そのキャリアセンスの結果をキャリアセンス結果取得部111へ出力する。
【0075】
そして、キャリアセンス結果取得部111は、その受けたキャリアセンスの結果を送信タイミング制御部112へ出力する。
【0076】
送信タイミング制御部112は、キャリアセンス結果取得部111から受けたキャリアセンスの結果に基づいて、チャネルCH1の周波数帯が空いているか否かを判定する(ステップS3)。
【0077】
ステップS3において、チャネルCH1の周波数帯が空いていないと判定されたとき、ステップS2,S3が繰り返し実行される。即ち、送信機1は、無線フレームの送信を待機する。
【0078】
そして、ステップS3において、チャネルCH1の周波数帯が空いていると判定されると、送信タイミング制御部112は、Tのフレーム長を有する無線フレームを送信するように無線インタフェース12を制御し、無線インタフェース12は、送信タイミング制御部112からの制御に従って、無線フレームをアンテナ13を介して送信する(ステップS4)。
【0079】
そうすると、送信タイミング制御部112は、内蔵しているタイマーの時刻tをt=0に設定し(ステップS5)、フレーム送信終了時刻yをy=0に設定する(ステップS6)。
【0080】
そして、送信タイミング制御部112は、i=1を設定し(ステップS7)、y=y+Sを設定する(ステップS8)。
【0081】
その後、送信タイミング制御部112は、t≧y−T−dであるか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9において、t≧y−T−dであると判定されると、送信タイミング制御部112は、t≧yであるか否かを更に判定する(ステップS10)。ステップS10において、t≧yであると判定されると、一連の動作は、ステップS15へ移行する。
【0082】
一方、ステップS10において、t<yであると判定されると、キャリアセンス結果取得部111は、キャリアセンスを行うように無線インタフェース12を制御し、無線インタフェース12は、例えば、チャネルCH1の周波数帯でキャリアセンスを行い(ステップS11)、そのキャリアセンスの結果をキャリアセンス結果取得部111へ出力する。
【0083】
キャリアセンス結果取得部111は、無線インタフェース12からキャリアセンスの結果を受け、その受けたキャリアセンスの結果を送信タイミング制御部112へ出力する。
【0084】
送信タイミング制御部112は、キャリアセンス結果取得部111から受けたキャリアセンスの結果に基づいて、チャネルCH1の周波数帯が空いているか否かを判定する(ステップS12)。
【0085】
ステップS12において、チャネルCH1の周波数帯が空いていないと判定されたとき、ステップS11,S12が繰り返し実行される。即ち、送信機1は、無線フレームの送信を待機する。
【0086】
ステップS12において、チャネルCH1の周波数帯が空いていると判定されたとき、送信タイミング制御部112は、フレーム長LをL=y−tに設定し(ステップS13)、L=y−tのフレーム長を有する無線フレームを送信するように無線インタフェース12を制御する。そして、無線インタフェース12は、送信タイミング制御部112からの制御に従って、無線フレームを送信する(ステップS14)。
【0087】
そうすると、ステップS10においてt≧yであると判定されたとき、またはステップS14の後、送信タイミング制御部112は、i=n−1であるか否かを判定する(ステップS15)。
【0088】
ステップS15において、i=n−1でないと判定されたとき、送信タイミング制御部112は、i=i+1を設定する(ステップS16)。その後、一連の動作は、ステップS8へ戻り、ステップS15において、i=n−1であると判定されるまで、上述したステップS8〜ステップS16が繰り返し実行される。そして、ステップS15において、i=n−1であると判定されると、送信機1における無線フレームの送信動作は、終了する。
【0089】
上述したステップS1〜ステップS4によって、図7の(b)に示す無線フレームFR1が送信される。そして、無線フレームFR1の送信終了時刻がタイマー時刻tの基準(=0)に設定される(ステップS5参照)。その後、フレーム送信終了時刻yが“0”に設定される(ステップS6)。
【0090】
ステップS8〜ステップS14が1回目に実行されることによって、無線フレームFR2が送信される。より具体的に説明する。S=2Tであるので、フレーム送信終了時yは、ステップS8のy=y+Sによって、無線フレームFR1の送信終了時刻から2T経過後の送信制御基準タイミングt1に設定される(図7の(b)参照)。
【0091】
また、y−T−dは、タイミングt2である(図7の(b)参照)。従って、ステップS9において、t≧y−T−dであるか否かを判定することは、タイマー時刻tがタイミングt2に達しているか否かを判定することに相当する。そして、t≧y−T−dであると判定されることは、無線フレームFR2を送信するタイミングに達していると判定することに相当する。
【0092】
更に、ステップS10において、t≧yであるか否かを判定するのは、タイマー時刻tがフレーム送信終了時刻y(=送信制御基準タイミングt1)に達しているか否かを判定するためである。そして、タイマー時刻tがフレーム送信終了時刻y(=送信制御基準タイミングt1)に達していないとき、キャリアセンスが行われ、チャネルCH1の周波数帯が空いているとき、フレーム長L=y−t(=t1−t2)の無線フレームFR2が送信される(ステップS10の“NO”,ステップS11〜ステップS14参照)。
【0093】
ステップS8〜ステップS14が2回目に実行されることによって、無線フレームFR3が送信される。S=3Tであるので、フレーム送信終了時刻yは、ステップS8のy=y+Sによって、無線フレームFR2の送信終了時刻(=t1)から3T経過後の送信制御基準タイミングt3に設定される(図7の(b)参照)。
【0094】
また、y−T−dは、タイミングt4である(図7の(b)参照)。従って、タイマー時刻tがタイミングt4に達し、かつ、送信制御基準タイミングt3を経過していないとき、無線フレームFR3が送信される(ステップS9の“YES”,ステップS10の“NO”,ステップS11〜ステップS14参照)。
【0095】
それ以降、同様にして、無線フレームFR4が送信される。
【0096】
なお、無線フレームFR1〜FR4が図8に示すフローチャートに従って送信される場合、無線フレームFR1は、Tのフレーム長を有し、無線フレームFR2〜FR4の各々は、y−tのフレーム長を有する。
【0097】
図9は、図1に示す送信機1における無線フレームの他の送信方法を説明するための図である。
【0098】
図9の(a)は、受信機2における信号検出間隔の検出タイミングを示し、図9の(b)は、送信機1における無線フレームの送信制御基準タイミングを示す。
【0099】
図9を参照して、受信機2のIDは、上述した信号検出間隔のパターン[S]からなる。送信機1は、受信機2が検出タイミングDT1〜DT4において受信信号が“1”であることを検出することによって、2Tの信号検出間隔S、3Tの信号検出間隔S、および4Tの信号検出間隔Sを検出できるように、4個の無線フレームFR1〜FR4を順次送信する。
【0100】
より具体的に説明する。送信機1は、任意の送信制御基準タイミング(=送信基準時刻)に同期して無線フレームFR1を送信する。そして、送信機1は、送信基準時刻から2Tの信号検出間隔Sに相当する時間が経過すると、無線フレームFR2を送信する。更に、送信機1は、無線フレームFR2の送信開始時刻から3Tの信号検出間隔Sに相当する時間が経過すると、無線フレームFR3を送信する。更に、送信機1は、無線フレームFR3の送信開始時刻から4Tの信号検出間隔Sに相当する時間が経過すると、無線フレームFR4を送信する(図9の(b)参照)。
【0101】
受信機2は、無線フレームFR1〜FR4を受信することによって、それぞれ、検出タイミングDT1〜DT4で受信信号が“1”であることを検出できる。その結果、信号検出間隔S,S,Sが検出される。
【0102】
無線フレームFR1〜FR4の各々は、T+M以上のフレーム長を有する。ここで、Mは、CSMA/CAの無線通信方式によって無線フレームを送信するときの送信機1と受信機2との間におけるタイミングの最大のずれ量であり、M=50(DIFS)+15×20(バックオフ)=350μsである。
【0103】
従って、無線フレームFR1〜FR4の各々のフレーム長をT+M以上に設定することによって、無線フレームFR1〜FR4は、それぞれ、受信機2における検出タイミングDT1〜DT4を跨ぐように送信されるので、受信機2が3個の信号検出間隔S,S,Sを安定して検出できる。
【0104】
図10は、送信機1における無線フレームの他の送信方法を示すフローチャートである。なお、図10に示すフローチャートは、上位レイヤ(アプリケーション層)で実行されるフローチャートである。
【0105】
図10を参照して、無線フレームの送信が開始されると、送信タイミング制御部112は、タイマー時刻tをt=0に設定し(ステップS21)、最初の無線フレームFR1を送信する(ステップS22)。
【0106】
そして、送信タイミング制御部112は、i=1を設定し(ステップS23)、タイマー時刻tが信号検出間隔S以上であるか否かを判定する(ステップS24)。
【0107】
ステップS24において、タイマー時刻tが信号検出間隔S以上であると判定されると、無線フレームFR2を送信する(ステップS25)。
【0108】
その後、送信タイミング制御部112は、i=n−1であるか否かを判定する(ステップS26)。ステップS26において、i=n−1でないと判定されたとき、送信タイミング制御部112は、i=i+1を設定する(ステップS27)。その後、一連の動作は、ステップS24へ戻り、ステップS26において、i=n−1であると判定されるまで、上述したステップS24〜ステップS27が繰り返し実行される。そして、ステップS26において、i=n−1であると判定されると、送信機1における無線フレームの送信動作は、終了する。
【0109】
上述したステップS22によって、図9の(b)に示す無線フレームFR1が送信される。そして、ステップS24,S25を1回目に実行するとき、無線フレームFR1の送信開始時刻から信号検出間隔Sに相当する時間が経過すると、無線フレームFR2が送信される(図9の(b)参照)。
【0110】
また、ステップS24,S25を2回目に実行するとき、無線フレームFR2の送信開始時刻から信号検出間隔Sに相当する時間が経過すると、無線フレームFR3が送信される(図9の(b)参照)。
【0111】
更に、ステップS24,S25を3回目に実行するとき、無線フレームFR3の送信開始時刻から信号検出間隔Sに相当する時間が経過すると、無線フレームFR4が送信される(図9の(b)参照)。
【0112】
図10に示す示すフローチャートは、上述したように上位レイヤ(アプリケーション層)で実行されるので、キャリアセンスを行うステップと、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いているか否かを判定するステップとが図10に示されていないが、送信機1の上位レイヤ(アプリケーション層)がステップS25において無線フレームを送信した後、送信機1の下位レイヤ(MAC層および物理層)が、キャリアセンスを行い、無線通信空間が空いているときに無線フレームを送信し、無線通信空間が空いていないとき無線フレームの送信を待機する。
【0113】
従って、送信機1は、図10に示すフローチャートに従って無線フレームを送信する場合も、無線通信空間が空いているとき無線フレームを送信し、無線通信空間が空いていないとき無線フレームの送信を待機する。
【0114】
図11は、無線信号および包絡線の概念図である。受信機2の広帯域RFフィルタ22は、アンテナ21を介して無線フレームの受信信号を受信し、その受信した受信信号のうち、上述した周波数帯BWの受信信号RF(図11の(a)参照)をスイッチ23および端子24を介して包絡線検波回路26へ出力する。
【0115】
そして、包絡線検波回路26は、受信信号RFを包絡線検波し、包絡線EVL(図11の(b)参照)を信号検出回路27へ出力する。
【0116】
信号検出回路27は、包絡線EVLをサンプリング周期Tでサンプリングして包絡線EVLをディジタル信号に変換する。そして、信号検出回路27は、ディジタル信号をマッチング回路28へ出力する。
【0117】
図12は、マッチング回路28の具体例を示す回路図である。受信機2のIDが信号検出間隔のパターン[S]からなる場合、マッチング回路28は、図12に示すマッチング回路28−1からなる。
【0118】
図12を参照して、マッチング回路28−1は、フリップフロップ41,42,51〜53,p1〜p4と、AND回路61〜63とを含む。
【0119】
フリップフロップ41,42,51〜53,p1〜p4は、直列に接続される。フリップフロップ41,42,51〜53,p1〜p3は、それぞれ、フリップフロップ42,51〜53,p1〜p4から信号を受け、その受けた信号をそれぞれAND回路61、フリップフロップ41,42,51〜53,p1,p2へ出力する。また、フリップフロップ51は、信号をAND回路62へも出力し、フリップフロップp1は、信号をAND回路63へも出力する。更に、フリップフロップp4は、信号検出回路27から信号を受け、その受けた信号をフリップフロップp3へ出力する。
【0120】
AND回路61は、フリップフロップ41からの信号とAND回路62からの信号との論理積を演算し、その演算結果を制御回路29へ出力する。AND回路62は、フリップフロップ51からの信号とAND回路63からの信号との論理積を演算し、その演算結果をAND回路61へ出力する。AND回路63は、フリップフロップp1からの信号と信号検出回路27からの信号との論理積を演算し、その演算した論理積をAND回路62へ出力する。
【0121】
受信機2のIDが信号検出間隔のパターン[S]からなる場合、信号検出回路27は、検出タイミングDT1で包絡線EVLをサンプリングし、“1”からなる信号をマッチング回路28−1へ出力する(図7の(a)参照)。
【0122】
その後、信号検出回路27は、サンプリング周期Tで包絡線EVLをサンプリングし、“0”からなる信号をマッチング回路28−1へ出力する(図7の(a)参照)。
【0123】
引き続いて、信号検出回路27は、検出タイミングDT2で“1”からなる信号をマッチング回路28−1へ出力し、検出タイミングDT2と検出タイミングDT3との間の2つのサンプリングタイミングでは、“0”からなる信号をマッチング回路28−1へ出力する(図7の(a)参照)。
【0124】
更に、信号検出回路27は、検出タイミングDT3で“1”からなる信号をマッチング回路28−1へ出力し、検出タイミングDT3と検出タイミングDT4との間の3つのサンプリングタイミングでは、“0”からなる信号をマッチング回路28−1へ出力し、検出タイミングDT4で“1”からなる信号をマッチング回路28−1へ出力する(図7の(a)参照)。
【0125】
その結果、マッチング回路28−1は、ディジタル信号列[1010010001]を信号検出回路27から受ける。
【0126】
そして、検出タイミングDT4で検出された“1”からなる信号がマッチング回路28−1へ入力された時点で、フリップフロップ41,42,51〜53,p1〜p4は、それぞれ“1”,“0”,“1”,“0”,“0”,“1”,“0”,“0”,“0”からなる信号を出力する。
【0127】
そうすると、AND回路63は、フリップフロップp1からの信号(=1)と、信号検出回路27からの信号(=1)との論理積を演算し、その演算結果(=1)をAND回路62へ出力する。
【0128】
また、AND回路62は、フリップフロップ51からの信号(=1)と、AND回路63からの信号(=1)との論理積を演算し、その演算結果(=1)をAND回路61へ出力する。
【0129】
更に、AND回路61は、フリップフロップ41からの信号(=1)と、AND回路62からの信号(=1)との論理積を演算し、その演算結果(=1)を制御回路29へ出力する。
【0130】
このように、マッチング回路28−1は、フリップフロップ41,42によって2Tの信号検出間隔Sを検出し、フリップフロップ51〜53によって3Tの信号検出間隔Sを検出し、フリップフロップp1〜p4によって4Tの信号検出間隔Sを検出することによって、送信機1から受信した受信信号がID=[S]に一致することを検知する。
【0131】
従って、マッチング回路28から制御回路29へ出力される信号が“1”からなる場合、送信機1から受信した受信信号がID=[S]に一致することを表し、マッチング回路28から制御回路29へ出力される信号が“0”からなる場合、送信機1から受信した受信信号がID=[S]に一致しないことを表す。
【0132】
なお、フリップフロップ41が出力する“1”からなる信号は、検出タイミングDT1において検出された信号が“1”であることを表し、フリップフロップ51が出力する“1”からなる信号は、検出タイミングDT2において検出された信号が“1”であることを表し、フリップフロップp1が出力する“1”からなる信号は、検出タイミングDT3において検出された信号が“1”であることを表し、フリップフロップp4およびAND回路63へ入力される“1”からなる信号は、検出タイミングDT4において検出された信号が“1”であることを表す。
【0133】
従って、フリップフロップ41,51,p1の全てが“1”からなる信号を出力し、フリップフロップ41,51,p1の全てが“1”からなる信号を出力した時点で“1”からなる信号が制御回路29に入力されることは、ディジタル信号列[1010010001]に基づいて受信機2の識別子を表す複数の信号検出間隔S,S,Sを検出するための複数の検出タイミングDT1〜DT4の全てにおいて“1”からなる信号が検出されていると判定することに相当する。
【0134】
また、フリップフロップ41,42は、2Tの信号検出間隔Sを検出し、フリップフロップ51〜53は、3Tの信号検出間隔Sを検出し、フリップフロップp1〜p4は、4Tの信号検出間隔Sを検出するので、フリップフロップ41,51,p1の全てが“1”からなる信号を出力し、フリップフロップ41,51,p1の全てが“1”からなる信号を出力した時点で“1”からなる信号が制御回路29に入力されることは、信号検出回路27から受けたディジタル信号列[1010010001]に基づいて検出された複数の信号検出間隔S,S,Sが受信機2の識別子に一致することに相当する。
【0135】
図13は、非同期検波における受信信号の概念図である。図13を参照して、非同期検波においては、複数のチャネルで送信された複数の無線フレームの複数の受信信号が重なって検出される。
【0136】
従って、受信機2は、送信機1から送信された無線フレームと、送信機1以外の無線装置から送信された無線フレームとを受信する。
【0137】
そこで、この発明の実施の形態1においては、図7に示す検出タイミングDT1〜DT4で検出される“1”からなる信号は、送信機1から送信された無線フレームに基づいていなくてもよく、送信機1以外のいずれの無線装置から送信された無線フレームに基づいていてもよい。
【0138】
つまり、この発明の実施の形態1においては、信号検出回路27は、検出タイミングDT1〜DT4で無線フレームの受信信号が有れば、“1”からなる信号を検出し、検出タイミングDT1〜DT4で無線フレームの受信信号が無ければ、“0”からなる信号を検出し、“1”からなる信号を受信することだけに意味を持たせる。
【0139】
図14は、複数のチャネルからの無線フレームを受信する場合の概念図である。図14を参照して、送信機1は、例えば、チャネルCH1で無線フレームを送信し、受信機2は、例えば、チャネルCH1,CH6,CH11で送信された複数の無線フレームを受信するものとする。
【0140】
受信機2における検出タイミングDT1を跨ぐ無線フレームは、チャネルCH1で送信された無線フレームと、チャネルCH6で送信された無線フレームとが重ね合わされたものからなる。
【0141】
また、受信機2における検出タイミングDT2を跨ぐ無線フレームは、チャネルCH1で送信された無線フレームと、チャネルCH6で送信された無線フレームと、チャネルCH11で送信された無線フレームとが重ね合わされたものからなる。
【0142】
更に、受信機2における検出タイミングDT3を跨ぐ無線フレームは、チャネルCH6で送信された無線フレームと、チャネルCH11で送信された無線フレームとが重ね合わされたものからなる。
【0143】
更に、受信機2における検出タイミングDT4を跨ぐ無線フレームは、チャネルCH1で送信された無線フレームと、チャネルCH6で送信された無線フレームと、チャネルCH11で送信された無線フレームとが重ね合わされたものからなる。
【0144】
その結果、検出タイミングDT3においては、送信機1から送信された無線フレームが存在しないにも拘わらず、受信機2は、検出タイミングDT1〜DT4の全てにおいて“1”からなる信号を検出し、受信した無線フレームの受信信号が受信機2のID=[S]に一致すると判定する。
【0145】
このように、この発明の実施の形態1においては、受信機2は、送信機1が送信した無線フレームと、送信機1以外の無線装置が送信した無線フレームとの両方に基づいて各検出タイミングDT1〜DT4において“1”からなる信号を検出するので、たとえ、送信機1が検出タイミングDT1〜DT4を跨ぐように無線フレームを送信できなくても、送信機1以外の無線装置が検出タイミングDT1〜DT4を跨ぐように無線フレームを送信すれば、受信機2は、受信した無線フレームの受信信号が受信機2のID=[S]に一致すると判定する。
【0146】
従って、受信機2が起動状態へ移行しないのを抑制できる。即ち、干渉波が存在する場合でも、所望の制御を行うことができる。
【0147】
特に、送信機1にとっての隠れ端末が存在する場合、隠れ端末が送信した無線フレームを受信機2のIDを検出するための無線フレームとして使用できる。
【0148】
図15は、無線通信システム10において受信機2をスリープ状態から起動状態へ移行させる動作を示すフローチャートである。
【0149】
なお、図15においては、受信機2がスリープ状態にあり、スイッチ23が端子24に接続されていることを前提として、受信機2をスリープ状態から起動状態へ移行させる動作を説明する。
【0150】
図15を参照して、受信機2をスリープ状態から起動状態へ移行させる動作が開始されると、送信機1は、図8または図10に示すフローチャートに従って複数の無線フレームを送信する(ステップS31)。
【0151】
そして、受信機2の広帯域RFフィルタ22は、アンテナ21を介して無線フレームを受信し(ステップS32)、その受信した無線フレームの受信信号のうち、周波数帯域BWを有する信号を通過させ、周波数帯域BWを有する受信信号をスイッチ23および端子24を介して包絡線検波回路26へ出力する。
【0152】
その後、包絡線検波回路26は、無線フレームの受信信号を包絡線検波し(ステップS33)、その検波した包絡線を信号検出回路27へ出力する。
【0153】
信号検出回路27は、包絡線をサンプリング周期でサンプリングして包絡線をディジタル信号列に変換し(ステップS34)、その変換したディジタル信号列をマッチング回路28へ出力する。
【0154】
マッチング回路28は、ディジタル信号列における“1”の間隔を、受信機2のIDを表す1つまたは複数の信号検出間隔にマッチングする(ステップS35)。
【0155】
そして、制御回路29は、“1”からなる信号をマッチング回路28から受けたか否かを判定する(ステップS36)。
【0156】
ステップS36において、制御回路29は、“1”からなる信号をマッチング回路28から受けたと判定したとき、スリープ状態から起動状態へ移行するように無線インタフェース30およびホストシステム31を制御し、無線インタフェース30およびホストシステム31は、スリープ状態から起動状態へ移行する(ステップS37)。
【0157】
一方、ステップS36において、制御回路29は、“1”からなる信号をマッチング回路28から受けなかったと判定したとき、スリープ状態を維持するように無線インタフェース30およびホストシステム31を制御し、無線インタフェース30およびホストシステム31は、スリープ状態を維持する(ステップS38)。
【0158】
そして、ステップS37またはステップS38の後、一連の動作が終了する。
【0159】
ステップS1において、送信機1が図8または図10に示すフローチャートに従って複数の無線フレームを送信した結果、受信機2は、送信機1から受信した受信信号が受信機2のIDを表す複数の信号検出間隔のパターン[S]に一致することを検出する(ステップS35参照)。ここで、受信機2は、検出タイミングDT1〜DT4の各々において受信信号が“1”であることを検出し、隣接する2つの検出タイミング(DT1,DT2等)間の時間間隔は、複数の信号検出間隔Sのうちの1つの信号検出間隔に等しくなる。また、送信機1は、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いているとき、1つの無線フレームを送信する(図8のステップS11,S12の“YES”,S13,S14および図10のステップS25参照)。更に、送信機1は、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いていると判定するまで、無線フレームの送信を待機する(図8のステップS11,S12の“NO”参照)。更に、上述したように、送信機1は、図10に示すフローチャートに従って無線フレームを送信する場合も、無線通信空間が空いているとき無線フレームを送信し、無線通信空間が空いていないとき無線フレームの送信を待機する。
【0160】
従って、送信機1がステップS1において図8または図10に示すフローチャートに従って複数の無線フレームを送信することは、送信機1が、無線通信空間が空いているとき、スリープ状態から起動状態へ移行させたい無線装置(=受信機2)における無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が無線装置(=受信機2)を識別するための識別子を表す1つまたは複数の信号検出間隔のうちの1つまたは複数の信号検出間隔を構成するように1つの無線フレームを所望の周波数帯で送信し、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いていないとき、1つの無線フレームの送信を待機する送信処理をキャリアセンスを行う毎に実行することに相当する。
【0161】
この場合、1つの無線フレームによって複数の信号検出間隔を構成することができる。例えば、図9の(a)に示す検出タイミングDT1から検出タイミングDT3までの時間長に相当するフレーム長を有する1つの無線フレームを送信することによって、受信機2は、その1つの無線フレームの受信信号に基づいて検出タイミングDT1,DT2,DT3で“1”を検出し、複数の信号検出間隔S,Sを検出する。
【0162】
従って、送信機1は、無線通信空間が空いているとき、スリープ状態から起動状態へ移行させたい無線装置(=受信機2)における無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が無線装置(=受信機2)を識別するための識別子を表す1つまたは複数の信号検出間隔のうちの1つまたは複数の信号検出間隔を構成するように1つの無線フレームを所望の周波数帯で送信することにした。
【0163】
図16は、図1に示す受信機2の他の構成を示す概略図である。この発明の実施の形態1による無線通信システム10は、受信機2に代えて図16に示す受信機2Aを備えていてもよい。
【0164】
図16を参照して、受信機2Aは、図3に示す受信機2に強度検出回路32を追加したものであり、その他は、受信機2と同じである。
【0165】
強度検出回路32は、包絡線検波回路26と信号検出回路27との間に配置される。強度検出回路32は、包絡線検波回路26から検波結果を受け、その受けた検波結果の強度である受信信号強度を検出する。そして、強度検出回路32は、その検出した受信信号強度を閾値TIと比較し、受信信号強度が閾値TIよりも大きいとき、その検出した受信信号強度を有する検波信号を信号検出回路27へ出力する。一方、強度検出回路32は、その検出した受信信号強度が閾値TI以下であるとき、その検出した受信信号強度を有する検波信号を破棄する。
【0166】
このように、強度検出回路32は、包絡線検波回路26から受けた検波結果のうち、閾値TIよりも大きい受信信号強度を有する検波信号のみを信号検出回路27へ出力する。そして、信号検出回路27は、強度検出回路32からの検波信号をサンプリング周期でサンプリングして検波信号をディジタル信号列に変換する。
【0167】
なお、受信機2Aにおいては、無線インタフェース30およびホストシステム31が動作を停止し、かつ、広帯域RFフィルタ22、包絡線検波回路26、強度検出回路32、信号検出回路27、マッチング回路28および制御回路29が動作している状態を「スリープ状態」と言い、広帯域RFフィルタ22、包絡線検波回路26、強度検出回路32、信号検出回路27、マッチング回路28、制御回路29、無線インタフェース30およびホストシステム31が動作している状態を「起動状態」と言う。
【0168】
図17は、閾値TIの決定方法を説明する図である。受信機2Aの動作状態を制御する送信機1からの無線フレームを受信機2Aで正常に受信できたときの無線フレームの受信信号強度の最小値(=c)を予め測定する。
【0169】
そして、閾値TIをTI=c−β(β>0)と決定する。ここで、βは、マージンであり、例えば、6dBである。即ち、受信信号強度の最小値(=c)よりもβだけ低い受信信号強度を閾値TIと決定する。
【0170】
これによって、無線フレームFR7〜FR12が除外され、無線フレームFR6,FR13が受信信号と受信機2AのIDとのマッチングに用いられる。
【0171】
一般的には、送信機1が使用するチャネル(=CH1)と異なるチャネルで信号を送信する無線装置EXは、送信機1よりも受信機2Aから遠い位置に存在する場合が多い。その結果、無線装置EXから送信された無線フレームの受信信号強度は、送信機1から送信された無線フレームの受信信号強度よりも弱くなる。
【0172】
従って、閾値TIを導入することによって、受信機2Aは、無線装置EXから送信された干渉フレーム(無線フレームFR7〜FR12)を除外して受信信号が自己のIDにマッチングするか否かを判定できる。
【0173】
図18は、無線通信システム10において図16に示す受信機2Aをスリープ状態から起動状態へ移行させる動作を示すフローチャートである。
【0174】
なお、図18においては、受信機2Aがスリープ状態にあり、スイッチ23が端子24に接続されていることを前提として、受信機2Aをスリープ状態から起動状態へ移行させる動作を説明する。
【0175】
図18に示すフローチャートは、図15に示すフローチャートのステップS33とステップS34との間にステップS32Aを追加したものであり、その他は、図15に示すフローチャートと同じである。
【0176】
図18を参照して、受信機2Aをスリープ状態から起動状態へ移行させる動作が開始されると、上述したステップS31〜S33が順次実行される。
【0177】
ステップS33の後、受信機2Aの強度検出回路32は、包絡線検波回路26から受けた検波結果の受信信号強度を検出する。そして、強度検出回路32は、受信信号強度を閾値TIと比較し、閾値TIよりも大きい受信信号強度を有する検波信号を検出して信号検出回路27へ出力する。
【0178】
その後、上述したステップS34〜ステップS38が順次実行され、一連の動作が終了する。
【0179】
このように、受信機2Aは、閾値TIよりも大きい受信信号強度を有する検波信号を検出し、その検出した検波信号が受信機2AのIDに一致するか否かを判定するので、送信機1以外の無線装置EXから送信された干渉フレームを除外して無線フレームの受信信号が受信機2AのIDに一致するか否かを判定できる。
【0180】
図19は、図1に示す受信機2の更に他の構成を示す概略図である。この発明の実施の形態1による無線通信システム10は、受信機2に代えて図19に示す受信機2Bを備えていてもよい。
【0181】
図19を参照して、受信機2Bは、図3に示す受信機2の包絡線検波回路26を同期検波回路26Aに代えたものであり、その他は、受信機2と同じである。
【0182】
同期検波回路26Aは、広帯域RFフィルタ22から端子24を介して無線信号の受信信号を受け、その受けた受信信号を同期検波する。そして、同期検波回路26Aは、その同期検波の結果を信号検出回路27へ出力する。
【0183】
図20は、図19に示す同期検波回路26Aの構成を示す概略図である。図20を参照して、同期検波回路26Aは、乗算器261と、搬送波再生回路262と、ローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)263とを含む。
【0184】
乗算器261は、無線信号の受信信号を広帯域RFフィルタ22から端子24を介して受け、搬送波再生回路262から搬送波を受ける。そして、乗算器261は、無線信号の受信信号に搬送波を乗算し、その乗算結果をLPF263へ出力する。
【0185】
搬送波再生回路262は、無線信号の受信信号を広帯域RFフィルタ22から端子24を介して受け、その受けた無線信号の受信信号に基づいて、搬送波を再生する。この搬送波は、無線信号が送信されたときの搬送波と同じ周波数および位相を有する。そして、搬送波再生回路262は、その再生した搬送波を乗算器261へ出力する。
【0186】
LPF263は、乗算器261から乗算結果を受け、その受けた乗算結果の高域成分を除去して乗算結果の低域成分を検波結果として信号検出回路27へ出力する。
【0187】
受信機2Bにおいては、信号検出回路27は、同期検波回路26Aからの検波結果をサンプリング周期でサンプリングしてディジタル信号列に変換する。
【0188】
このように、受信機2Bは、無線信号の受信信号を同期検波して受信信号をディジタル信号列に変換する。
【0189】
なお、実施の形態1による無線通信システム10は、図16に示す受信機2Aの包絡線検波回路26を同期検波回路26Aに代えた受信機を備えていてもよい。
【0190】
また、実施の形態1による無線通信システム10は、図3に示す受信機2および図16に示す受信機2Aの包絡線検波回路26を再生検波回路に代えた受信機を備えていてもよい。
【0191】
再生検波回路は、無線信号の受信信号を広帯域RFフィルタ22から端子24を介して受け、その受けた無線信号の受信信号を再生検波(非特許文献1)によって検波する。そして、再生検波回路は、その検波結果を信号検出回路27へ出力する。また、再生検波回路は、閾値以上の強度を有する受信信号を強度検出回路32から受け、その受けた受信信号を再生検波し、その検波結果を信号検出回路27へ出力する。
【0192】
このように、実施の形態1による無線通信システム10は、包絡線検波、同期検波および再生検波等によって無線信号の受信信号を検波する受信機を備えていてもよく、一般的には、任意の方法によって無線信号の受信信号を検波する受信機を備えていてもよい。
【0193】
図21は、無線通信システム10において受信機2をスリープ状態から起動状態へ移行させる他の動作を示すフローチャートである。
【0194】
図21に示すフローチャートは、図15に示すフローチャートのステップS33,S34をそれぞれステップS33A,34Aに代えたものであり、その他は、図15に示すフローチャートと同じである。
【0195】
図21を参照して、受信機2をスリープ状態から起動状態へ移行させる動作が開始されると、上述したステップS31,S32が順次実行される。
【0196】
そして、ステップS32の後、受信機2は、無線フレームの受信信号を検波し(ステップS33A)、検波結果をサンプリング周期でサンプリングして検波結果をディジタル信号列に変換する(ステップS34A)。
【0197】
その後、上述したステップS35〜ステップS38が順次実行され、一連の動作が終了する。
【0198】
なお、無線通信システム10において図16に示す受信機2Aをスリープ状態から起動状態へ移行させる動作は、図18に示すフローチャートのステップS33,S34をそれぞれ図21に示すステップS33A,S34Aに代えたフローチャートに従って実行されてもよい。
【0199】
上述したように、実施の形態1による無線通信システム10においては、送信機1は、受信機2,2A,2Bにおける信号検出間隔が受信機2,2A,2BのIDになるように複数の無線フレームを送信し、受信機2,2A,2Bは、送信機1または送信機1以外の無線装置から受信した無線信号の受信信号に基づいて自己のIDに一致する信号検出間隔を検出すれば、スリープ状態から起動状態へ移行する。
【0200】
従って、干渉波が存在する場合でも、受信機2,2A,2Bがスリープ状態から起動状態しないことを抑制できる。即ち、干渉波が存在する場合でも、所望の制御を行うことができる。
【0201】
上記においては、信号検出回路27は、各検出タイミングDT1〜DT4において“1”からなる信号を検出すると説明したが、実施の形態1においては、これに限らず、信号検出回路27は、各検出タイミングDT1〜DT4において閾値Vthよりも大きい値からなる信号を検出してもよい。即ち、信号検出回路27は、各検出タイミングDT1〜DT4において受信信号が存在すれば、閾値Vthよりも大きい値からなる信号を検出してもよい。そして、閾値Vthよりも大きい値は、正の整数からなる。
【0202】
閾値Vthよりも大きい値は、マッチング回路28に入力されるが、閾値Vthよりも大きい値が“1”以外の値からなっていても、閾値Vthよりも大きい値は、マッチング回路28においてHレベルの信号として処理される。
【0203】
また、上記においては、送信基準時刻は、最初の無線フレームFR1の送信終了時刻に設定されると説明したが、実施の形態1においては、これに限らず、送信基準時刻は、任意の時刻に設定されてもよい。
【0204】
[実施の形態2]
図22は、実施の形態2による無線通信システムの構成を示す概略図である。図22を参照して、実施の形態2による無線通信システム100は、送信機101と、受信機102と、機器103とを備える。
【0205】
送信機101は、実施の形態1における送信機1と同じ構成からなる。そして、送信機101は、機器103を制御するとき、CSMA/CAの無線通信方式に従って、機器103のID(=識別子)を表わす1つまたは複数の信号検出間隔が受信機102で検出されるように複数の周波数チャネルを含む所望の周波数帯で無線フレームを受信機102へ送信する。なお、所望の周波数帯については、実施の形態1において説明したとおりである。
【0206】
受信機102は、機器103のIDを保持している、そして、受信機102は、複数の周波数チャネルを含む所望の周波数帯で無線フレームを送信機101から受信し、その受信した無線フレームが機器103のIDに一致するとき、機器103を制御する。
【0207】
機器103は、照明、スピーカ、モニター、カメラおよびモータ等のいずれかの電気機器からなる。そして、機器103は、受信機102によって制御される。例えば、機器103は、照明からなる場合、オン/オフを制御され、または明るさを制御される。また、機器103は、スピーカからなる場合、音量を制御される。
【0208】
図23は、図22に示す受信機102の構成を示す概略図である。図23を参照して、受信機102は、図3に示す受信機2のスイッチ23、端子24,25、無線インターフェース30およびホストシステム31を削除し、包絡線検波回路26を検波回路1021に代えたものであり、その他は、受信機2と同じである。
【0209】
検波回路1021は、広帯域RFフィルタ22と信号検出回路27との間に配置される。そして、検波回路1021は、上述した包絡線検波、同期検波および再生検波のいずれかによって受信信号を検波し、その検波結果を信号検出回路27へ出力する。
【0210】
受信機102においては、マッチング回路28は、機器103のIDを表わす信号検出間隔[S・・・Sk−1]に対応して直列に接続されたフリップフロップを含む。また、受信機102においては、制御回路29は、“1”からなる信号をマッチング回路28から受けると、機器103に対して所望の制御を行う。
【0211】
図24は、図22に示す無線通信システム100における動作を示すフローチャートである。
【0212】
図24に示すフローチャートは、図21に示すフローチャートのステップS35,S37をそれぞれステップS35A,S37Aに代え、ステップS38を削除し、ステップS39を追加したものであり、その他は、図21に示すフローチャートと同じである。
【0213】
図24を参照して、無線通信システム100における動作が開始されると、送信機101は、上述したステップS31を実行し、受信機102は、上述したステップS32,S33A,S34Aを順次実行する。この場合、送信機101は、ステップS31において、機器103のIDを表わす1つまたは複数の信号検出間隔が受信先の受信機102で検出されるように複数の無線フレームをCSMA/CAの無線通信方式に従って送信する。また、受信機102は、ステップS33Aにおいて、包絡線検波、同期検波および再生検波のいずれかによって無線信号の受信信号を検波する。
【0214】
そして、ステップS34Aの後、受信機102のマッチング回路28は、ディジタル信号列における“1”の間隔を、機器103のIDを表わす1つまたは複数の信号検出間隔にマッチングする(ステップS35A)。
【0215】
その後、受信機102は、上述したステップS36を実行する。
【0216】
ステップS36において、“1”からなる信号を受けなかった判定されたとき、一連の動作は、終了する。
【0217】
一方、ステップS36において、“1”からなる信号を受けたと判定されたとき、受信機102の制御回路29は、機器103を制御する(ステップS37A)。例えば、機器103が照明からなるとき、制御回路29は、オンするように照明を制御し、またはオフするように照明を制御し、明るさを暗くするように照明を制御する。
【0218】
そして、機器103は、制御回路29からの制御に従って制御内容を実行する(ステップS39)。より具体的には、機器103は、照明からなるとき、制御回路29からの制御に従って、オンし、またはオフし、または明るさを明るくする。これによって、一連の動作が終了する。
【0219】
このように、送信機101は、無線通信空間が空いているとき、機器103のIDを表わす1つまたは複数の信号検出間隔が受信機102で検出されるように無線フレームを受信機102へ送信し、無線通信空間が空いていないとき、無線フレームの送信を待機する。そして、無線通信空間が空いていないとき、送信機101以外の無線装置が無線フレームを送信する。その結果、受信機102は、無線通信空間が空いているとき、送信機101からの無線フレームを受信し、無線通信空間が空いていないとき、送信機101以外の無線装置から無線フレームを受信する。そして、受信機102は、機器103の識別子を表す1つまたは複数の信号検出間隔の各々を検出する検出タイミングにおいて閾値Vthよりも大きい値からなる信号を検出して受信信号が機器103の識別子に一致すると判定し、機器103を制御する。また、機器103における制御内容は、機器103の具体例に応じて各種の内容からなり、機器103の1つの具体例においても、「オン」、「オフ」、および「明るくする」等、各種の内容からなり、受信機102の制御回路29は、各種の制御内容から所望の制御内容を選択し、その選択した制御内容を実行するように機器103を制御する。
【0220】
従って、干渉波が存在する場合でも、所望の制御を行うことができる。
【0221】
なお、実施の形態2においては、無線通信システム100は、受信機102に強度検出回路32を追加した構成からなる受信機を受信機102に代えて備えていてもよい。
【0222】
実施の形態2におけるその他の説明は、実施の形態1における説明と同じである。
【0223】
[実施の形態3]
図25は、実施の形態3による無線通信システムの構成を示す概略図である。図25を参照して、実施の形態3による無線通信システム300は、送信機301〜30i(iは1以上の整数)と、受信機311〜31j(jは、1以上の整数)とを備える。
【0224】
無線通信システム300は、例えば、病院内に配置される。
【0225】
受信機311〜31jは、ケーブル320を介してサーバ330に接続される。そして、受信機311〜31jは、予め決められた位置に所望の間隔で配置される。
【0226】
送信機301〜30iの各々は、自己のIDを表わす信号検出間隔のパターン[S・・・Sk−1]が受信機(受信機311〜31jのいずれか)で検出されるように複数の無線フレームを一定周期毎にブロードキャストする。一定周期は、例えば、10分である。そして、送信機301〜30iの各々は、例えば、病院内の職員によって携帯される。
【0227】
受信機311〜31jの各々は、送信機301〜30iの全てのIDを予め保持している。そして、受信機311〜31jの各々は、送信機301〜30iのいずれかから複数の無線フレームを受信し、その受信した複数の無線フレームの受信信号が送信機のID(送信機301〜30iのいずれかのID)に一致することを検出すると、自己のIDと、送信機のID(送信機301〜30iのいずれかのID)とをケーブル320を介してサーバ330へ送信する。
【0228】
サーバ330は、受信機311〜31jのIDと、受信機311〜31jの配置位置とを対応付けて記憶している。また、サーバ330は、送信機301〜30iのIDと職員の名前とを対応付けて記憶している。そして、サーバ330は、受信機(受信機311〜31jのいずれか)から、受信機のID(受信機311〜31jのいずれかのID)と送信機のID(送信機301〜30iのいずれかのID)とを受信すると、その受信した受信機のIDに対応付けられた位置情報を検出するとともに、送信機のIDに対応付けられた職員の名前を検出し、その検出した職員の名前と位置情報とを対応付けて表示する。サーバ330は、この動作を受信機のIDおよび送信機のIDを受信する毎に行う。
【0229】
図26は、図25に示す送信機301の構成を示す概略図である。図26を参照して、送信機301は、図2に示す送信機1のホストシステム11をホストシステム11Aに代えたものであり、その他は、送信機1と同じである。
【0230】
ホストシステム11Aは、機器103のIDを予め保持している。そして、ホストシステム11Aは、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いているとき、機器103のIDを表わす1つまたは複数の信号検出間隔のうちの1つの信号検出間隔を構成する1つの無線フレームを送信するように無線インターフェース12を制御し、無線通信空間が空いていないとき、1つの無線フレームの送信を待機するように無線インターフェース12を制御する。
【0231】
ホストシステム11Aは、図2に示すホストシステム11の送信タイミング制御部112を送信タイミング制御部112Aに代えたものであり、その他は、ホストシステム11と同じである。
【0232】
送信タイミング制御部112Aは、キャリアセンス結果取得部111からキャリアセンスの結果を受け、その受けたキャリアセンスの結果に基づいて送信制御を行い、送信機301のIDに基づいて、無線インタフェース12における無線フレームの送信タイミングを制御し、無線フレームを送信したい時間帯に、キャリアセンスの結果に基づいて無線通信空間が空いていると判定したとき、無線フレームを送信する。また、送信タイミング制御部112Aは、無線フレームを送信したい時間帯に、キャリアセンスの結果に基づいて、無線通信空間が空いていないと判定したとき、無線インタフェース12における無線フレームを送信しない。
【0233】
なお、図25に示す送信機302〜30iの各々も、図26に示す送信機301と同じ構成からなる。
【0234】
図27は、図25に示す受信機311の構成を示す概略図である。図27を参照して、受信機311は、図3に示す受信機2のスイッチ23、端子24,25、無線インターフェース30およびホストシステム31を削除し、包絡線検波回路26を検波回路3111に代え、マッチング回路28を間隔検出回路3112に代え、制御回路29を制御回路3113に代え、記憶手段3114を追加したものであり、その他は、受信機2と同じである。
【0235】
検波回路3111は、広帯域RFフィルタ22と信号検出回路27との間に配置される。そして、検波回路3111は、上述した包絡線検波、同期検波および再生検波のいずれかによって受信信号を検波し、その検波結果を信号検出回路27へ出力する。
【0236】
間隔検出回路3112は、信号検出回路27からディジタル信号列を受け、その受けたディジタル信号列における“1”と“1”との間に存在する“0”の個数をカウントし、そのカウントした“0”の個数に基づいて1つまたは複数の信号検出間隔を検出する。そして、間隔検出回路3112は、その検出した1つまたは複数の信号検出間隔を制御回路3113へ出力する。
【0237】
制御回路3113は、受信機311のIDを保持している。また、制御回路3113は、1つまたは複数の信号検出間隔を間隔検出回路3112から受ける。そして、制御回路3113は、その受けた1つまたは複数の信号検出間隔に一致する送信機のIDを記憶手段3114で検索する。制御回路3113は、検索の結果、1つまたは複数の信号検出間隔に一致する送信機のIDを検出すると、その検出した送信機のIDと、受信機311のIDとをケーブル320を介してサーバ330へ送信する。
【0238】
一方、制御回路3113は、1つまたは複数の信号検出間隔に一致する送信機のIDを検出しないとき、1つまたは複数の信号検出間隔を破棄する。
【0239】
記憶手段3114は、送信機301〜30iの全てのIDを記憶する。
【0240】
なお、図25に示す受信機312〜31jの各々も、図27に示す受信機311と同じ構成からなる。
【0241】
図28は、図25に示すサーバ330の構成を示す概略図である。図28を参照して、サーバ330は、制御手段3301と、記憶手段3302と、表示手段3303とを含む。
【0242】
制御手段3301は、送信機のID(送信機301〜30iのいずれかのID)と、受信機のID(受信機311〜31jのいずれかのID)とをケーブル320を介して受信する。
【0243】
そして、制御手段3301は、記憶手段3302を検索し、その受けた受信機のIDに対応付けられた位置情報を記憶手段3302から検出する。また、制御手段3301は、位置情報を検出すると、記憶手段3302を検索し、送信機のIDに対応付けられた職員の名前を検出する。そうすると、制御手段3301は、内蔵したタイマーから現在時刻を取得し、現在時刻、位置情報および職員の名前を相互に対応付け、その対応付けた現在時刻、位置情報および職員の名前を表示手段3303へ出力する。
【0244】
記憶手段3302は、受信機のIDと、受信機が配置された位置の位置情報とを対応付けて記憶する。また、記憶手段3302は、送信機のIDと職員の名前とを対応付けて記憶する。
【0245】
表示手段3303は、対応付けられた現在時刻、位置情報および職員の名前を制御手段3301から受け、その受けた現在時刻、位置情報および職員の名前を対応付けて表示する。
【0246】
図29は、図25に示す無線通信システム300における動作を示すフローチャートである。
【0247】
なお、図29においては、図25に示す送信機301が自己のIDを示す1つまたは複数の信号検出間隔が受信機312で検出される場合を例として無線通信システム300の動作を説明する。
【0248】
図29に示すフローチャートは、図24に示すフローチャートのステップS35A,S36,S37AをそれぞれステップS35B,S36A,S37Bに代え、ステップS39をステップS40〜S43に代えたものであり、その他は、図24に示すフローチャートと同じである。
【0249】
図29を参照して、一連の動作が開始されると、送信機301は、上述したステップS31を実行する。この場合、送信機301は、自己のIDを表わす1つまたは複数の信号検出間隔が受信機312で検出されるように複数の無線フレームをブロードキャストする。
【0250】
そして、受信機312は、上述したステップS32,S33A,S34Aを順次実行する。
【0251】
ステップS34Aの後、受信機312の間隔検出回路3111は、信号検出回路27から受けたディジタル信号列における“1”と“1”との間の“0”の個数をカウントし、そのカウントした“0”の個数に基づいて、1つまたは複数の信号検出間隔を検出する(ステップS35B)。そして、受信機312の間隔検出回路3112は、その検出した1つまたは複数の信号検出間隔を制御回路3113へ出力する。
【0252】
制御回路3113は、1つまたは複数の信号検出間隔を間隔検出回路3112から受けると、記憶手段3114を検索し、その受けた1つまたは複数の信号検出間隔に一致する送信機301のIDを検出する(ステップS36A)。
【0253】
そして、受信機312の制御手段3112は、自己のID(受信機312のID)および送信機301のIDをケーブル320を介してサーバ330へ送信する(ステップS37B)。
【0254】
サーバ330の制御手段3301は、受信機312のIDおよび送信機301のIDを受信する(ステップS40)。そして、サーバ330の制御手段3301は、記憶手段3302を検索し、その受信した受信機のIDに対応付けられた位置情報を検出する(ステップS41)。
【0255】
その後、サーバ330の制御手段3301は、記憶手段3302を検索し、送信機301のIDに対応付けられた職員の名前を検出する(ステップS42)。
【0256】
そうすると、サーバ330の制御手段3301は、内蔵したタイマーから現在時刻を取得し、現在時刻、職員の名前および位置情報を相互に対応付けて表示手段3303へ出力し、表示手段3303は、現在時刻、職員の名前および位置情報を相互に対応付けて表示する(ステップS43)。これによって一連の動作が終了する。
【0257】
なお、送信機301が自己のIDを表わす1つまたは複数の信号検出間隔が受信機312以外の受信機311,313〜31jのいずれかで検出される場合も、無線通信システム300の動作は、図29に示すフローチャートに従って実行される。
【0258】
また、送信機301以外の送信機302〜30iのIDを表わす1つまたは複数の信号検出間隔が受信機311〜31jのいずれかで検出される場合も、無線通信システム300の動作は、図29に示すフローチャートに従って実行される。
【0259】
そして、図29に示すステップS31,S32,S33A,S34A,S35B,S36A,S37B,S40〜S43は、一定周期で繰り返し実行される。また、各送信機301〜30iは、一定周期毎に、自己のIDを表わす1つまたは複数の信号検出間隔が受信機(受信機311〜31jのいずれか)で検出されるように複数の無線フレームをブロードキャストする(ステップS31)。その結果、サーバ330は、一定周期毎に、現在時刻における各職員の位置情報を表示する。従って、病院内の各職員が各時刻にどこに居るかを把握できる。
【0260】
図29に示すフローチャートに従えば、受信機が自己のID(受信機のID)と送信機のIDとをサーバ330へ送信することによって、サーバ330における動作(ステップS40〜S43)が実行される。そして、サーバ330は、送信機のIDに対応する職員の名前を、その職員の位置情報に対応付けて表示するという動作を実行する。その結果、受信機が自己のID(受信機のID)と送信機のIDとをサーバ330へ送信すれば、サーバ330の動作が実行され、受信機が自己のID(受信機のID)と送信機のIDとをサーバ330へ送信しなければ、サーバ330の動作が実行されない。これは、例えば、照明をオンまたはオフするのと同等である。
【0261】
従って、受信機が自己のID(受信機のID)と送信機のIDとをサーバ330へ送信することは、受信機がサーバ330の動作を制御することに相当する。
【0262】
上述したように、図29に示すフローチャートにおいては、各送信機301〜30iは、無線通信空間が空いているとき、自己のIDを表わす信号検出間隔が受信機311〜31jのいずれかで検出されるように無線フレームをブロードキャストし、無線通信空間が空いていないとき、無線フレームの送信を待機する。そして、無線通信空間が空いていないとき、送信機301〜30i以外の無線装置が無線フレームを送信する。その結果、各受信機311〜31jは、無線通信空間が空いているとき、各送信機301〜30iからの無線フレームを受信し、無線通信空間が空いていないとき、各送信機301〜30i以外の無線装置から無線フレームを受信する。そして、各受信機311〜31jは、受信した無線フレームに基づいて検出した1つまたは複数の信号検出間隔が送信機(送信機301〜30iのいずれか)のIDに一致するとき、自己のID(受信機のID)と送信機のIDとをサーバ330へ送信し、サーバ330の動作を制御する。
【0263】
従って、干渉波が存在する場合でも、所望の制御を行うことができる。
【0264】
なお、実施の形態3においては、無線通信システム300は、各受信機311〜31jに強度検出回路32を追加した構成からなるj個の受信機を受信機311〜31jに代えて備えていてもよい。この場合、無線通信システム300における動作は、図29に示すフローチャートのステップS32とステップS33Aとの間に、上述したステップS32A(図18参照)を追加したフローチャートに従って実行される。
【0265】
また、実施の形態3においては、無線通信システム300は、病院内に限らず、ビル内に配置されていてもよく、一般的には、複数人が行動する施設内に配置されていればよい。
【0266】
実施の形態3においては、1つの送信機および1つの受信機があれば、受信機がサーバ330の動作を制御できるので、実施の形態3による無線通信システム300は、上述したように、送信機301〜30i(iは1以上の整数)と、受信機311〜31j(jは、1以上の整数)とを備えていればよい。
【0267】
実施の形態3におけるその他の説明は、実施の形態1における説明と同じである。
【0268】
上述した実施の形態1においては、送信機1は、スリープ状態から起動状態へ移行させたい受信機2のIDを表わす1つまたは複数の信号検出間隔が受信機2で検出されるように複数の無線フレームを送信し、受信機2は、送信機1から受信した無線フレームの受信信号が自己のIDに一致するとき、スリープ状態から起動状態へ移行することを説明した。即ち、受信機2が自己の動作を制御することを説明した。
【0269】
また、実施の形態2においては、送信機101は、機器103のIDを表わす1つまたは複数の信号検出間隔が受信機102で検出されるように複数の無線フレームを送信し、受信機102は、送信機101から受信した無線フレームの受信信号が機器103のIDに一致するとき、機器103に対して各種の制御を行うことを説明した。即ち、受信機2が自己以外の機器103の動作を制御することを説明した。
【0270】
更に、実施の形態3においては、各送信機301〜30iは、自己のID(送信機のID)を表わす1つまたは複数の信号検出間隔が受信機(受信機311〜31jのいずれか)で検出されるように複数の無線フレームを送信し、各受信機311〜31jは、送信機(送信機301〜30iのいずれか)から受信した無線フレームの受信信号が送信機(送信機301〜30iのいずれか)のIDに一致するとき、サーバ330に対して、送信機(送信機301〜30iのいずれか)のIDに対応する職員の名前と位置情報とを対応付けて表示する動作を行うように制御することを説明した。即ち、各受信機311〜31jが自己以外のサーバ330の動作を制御することを説明した。
【0271】
従って、この発明の実施の形態による送信機は、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いているとき、受信先の無線装置における無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が識別子を表す1つまたは複数の信号検出間隔のうちの1つの信号検出間隔を構成するように1つの無線フレームを所望の周波数帯で送信し、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いていないとき、1つの無線フレームの送信を待機する送信処理をキャリアセンスを行う毎に実行すればよい。
【0272】
また、この発明の実施の形態による送信方法は、キャリアセンスを行い、無線通信空間が空いているとき無線信号を送信し、無線通信空間が空いていないとき無線信号の送信を待機する無線通信方式に従って無線フレームを送信する送信方法であって、複数の周波数チャネルを含む所望の周波数帯でキャリアセンスする第1のステップと、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いているとき、受信先の無線装置における無線フレームの検出タイミング間の時間間隔が識別子を表す1つまたは複数の信号検出間隔のうちの1つの信号検出間隔を構成するように1つの無線フレームを所望の周波数帯で送信し、キャリアセンスの結果、無線通信空間が空いていないとき、1つの無線フレームの送信を待機する送信処理をキャリアセンスを行う毎に実行する第2のステップとを備えていればよい。
【0273】
更に、この発明の実施の形態による受信機は、送信機から送信された無線フレームの受信信号を検波し、その検波結果から得られたディジタル信号列に基づいて検出された1つまたは複数の信号検出間隔が識別子に一致するとき、所望の制御を行うものであればよい。
【0274】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0275】
この発明は、送信機、それにおける送信方法、送信機から無線信号を受信する受信機およびそれらを備える無線通信システムに適用される。
図1
図2
図3
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図5
図6
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