(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055818
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】乗員拘束システム
(51)【国際特許分類】
B60R 22/18 20060101AFI20161219BHJP
B60R 22/12 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
B60R22/18
B60R22/12
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-510365(P2014-510365)
(86)(22)【出願日】2012年5月3日
(65)【公表番号】特表2014-513011(P2014-513011A)
(43)【公表日】2014年5月29日
(86)【国際出願番号】US2012036345
(87)【国際公開番号】WO2012154504
(87)【国際公開日】20121115
【審査請求日】2015年5月1日
(31)【優先権主張番号】13/103,941
(32)【優先日】2011年5月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509307495
【氏名又は名称】ティーケー ホールディングス インク.
【氏名又は名称原語表記】TK HOLDINGS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100118267
【弁理士】
【氏名又は名称】越前 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】グドー, ダレン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】バウナー, ジョナソン エム.
【審査官】
飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−080803(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第00184172(EP,A2)
【文献】
特開平06−179347(JP,A)
【文献】
特開2006−182103(JP,A)
【文献】
米国特許第06250684(US,B1)
【文献】
米国特許第04550951(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 22/00−22/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗員拘束システムに用いられるタングアセンブリであって、
前記乗員拘束システムは、バックル機構及びウェビングを有し、
開口部を有し、選択的に前記乗員拘束システムの前記バックル機構と係合するように構成されるタング部材と、
前記タング部材の一部を覆って形成され、接触面と第1の壁と該第1の壁に対向する第2の壁とを含む本体と、
前記本体の前記第1の壁と前記第2の壁との間に設けられ、第1の係止位置と第2の自由位置との間で回転軸を中心に回転するように構成されるとともに、カム面を含むカムと、
回転して前記カムに付勢するように構成される付勢部材と、を備え、
前記カムが前記第2の自由位置にあるとき、前記タングアセンブリは乗員前記拘束システムの前記ウェビングに沿って摺動することができ、前記カムが前記第1の係止位置にあるとき、前記ウェビングの一部は前記カムの前記カム面と前記本体の前記接触面との間で挟持されることによって、前記タングアセンブリが前記ウェビングに沿って摺動することを抑止し、
前記第1の壁は第1の穴を含み、前記第2の壁は第1の穴に対向する第2の穴を含み、
前記本体に対して回転することが抑制されるように前記第1の穴に係合するように構成される第1の端部と、前記付勢部材の一部を受け入れるように構成される第2の端部と、を有する固定ピンをさらに備える、
ことを特徴とするタングアセンブリ。
【請求項2】
前記付勢部材の一部を受け入れるように構成される第1の端部と、前記本体に対して回転できるように前記第2の穴に嵌入するように構成される第2の端部と、を有するピボットピンをさらに備える、請求項1に記載のタングアセンブリ。
【請求項3】
前記付勢部材は、前記ピボットピンの前記第1の端部及び前記固定ピンの前記第2の端部を係合するように構成されることによって、前記固定ピンと前記ピボットピンとの間に捩れのエネルギーが与えられる、請求項2に記載のタングアセンブリ。
【請求項4】
前記カムは、少なくとも前記固定ピン、前記ピボットピンの一部及び前記付勢部材を受け入れるように構成される開口部を含む、請求項2に記載のタングアセンブリ。
【請求項5】
前記ピボットピンは、前記カムと前記ピボットピンとの間の相対的回転を抑制する回転防止機構を含むことによって、前記カム及び前記ピボットピンがともに前記回転軸を中心に回転することが可能である、請求項4に記載のタングアセンブリ。
【請求項6】
前記固定ピンの第1の端部は、前記固定ピンが前記本体に対して回転することを抑制する回転防止機構を含む、請求項1に記載のタングアセンブリ。
【請求項7】
前記本体は、前記カムの回転運動を制限するように構成されるストッパを含む、請求項1に記載のタングアセンブリ。
【請求項8】
前記本体は、二枚の対向する前記壁の間に延在する後部壁を含むことによって、該後部壁と前記本体との間に間隙を形成し、前記ウェビングの一部を通すことができる、請求項1に記載のタングアセンブリ。
【請求項9】
前記第2の穴は、前記固定ピン、前記付勢部材及び前記ピボットピンを挿通することができるように構成される、請求項1に記載のタングアセンブリ。
【請求項10】
前記固定ピン、前記付勢部材及び前記ピボットピンが前記第2の穴から挿通されて戻ることを防ぐように構成されるキャップをさらに備える、請求項9に記載のタングアセンブリ。
【請求項11】
前記カムの前記カム面は、アルキメデス曲線として構成される、請求項1に記載のタングアセンブリ。
【請求項12】
バックル機構及びウェビングを有する乗員拘束システムのタングアセンブリ内で用いられるカムであって、
前記タングアセンブリは、選択的に前記乗員拘束システムの前記バックル機構と係合するように構成されるとともに、前記ウェビングに沿って摺動することを防止するために選択的に前記ウェビングを挟持するように構成され、
前記タングアセンブリは、前記ウェビングに沿って摺動するのを防止するために選択的に前記ウェビングを前記タングアセンブリに挟持するように前記ウェビングに接触するカム面と、選択的に前記ウェビングを挟持するために前記タングアセンブリに対して前記カムが周りを回転する回転軸と、を備え、
前記カムの前記カム面は、アルキメデス曲線として構成される、ことを特徴とするカム。
【請求項13】
着座した車両乗員を選択的に拘束するように構成される乗員拘束システムであって、
アンカーに接続された第1の端部と第2の端部とを有するウェビングと、
開口部及びリリースを有するバックル機構と、
前記ウェビングに沿って前記第1の端部及び前記第2の端部との間を選択的に摺動するように構成されるタングアセンブリと、を備え、
前記タングアセンブリは、請求項1〜11の何れか一項に記載のタングアセンブリである、ことを特徴とする乗員拘束システム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2011年5月9日に提出された米国仮出願第13/103,941号の35U.S.C.§119(e)に基づく利益を主張し、参照することにより本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
本出願は、一般に、車両乗員に拘束を提供するために車両で用いられる乗員拘束システムの分野に関する。より詳細には、本出願は、カムを含み選択的な固定をシートベルトウェビングに提供するように構成されるタングアセンブリを有する乗員拘束システム(例えば、シートベルトアセンブリ)に関する。
【発明の概要】
【0003】
開示された実施形態によれば、バックル機構及びウェビングを有する乗員拘束システムで用いられるタングアセンブリが提供される。タングアセンブリは、開口部を有し選択的に乗員拘束システムのバックル機構と係合するように構成されるタング部材と、タング部材の一部を覆って形成され、接触面と第1の壁と第1の壁に対向する第2の壁とを含む本体と、本体の第1の壁と第2の壁との間に設けられ、第1の係止位置と第2の自由位置との間の回転軸を中心に回転するように構成されるカム面を含むカムと、回転してカムに付勢するように構成される付勢部材と、を含む。カムが第2の自由位置にあるとき、タングアセンブリは乗員拘束システムのウェビングに沿って摺動可能である。カムが第1の係止位置にあるとき、ウェビングの一部はカムのカム面と本体の接触面との間で挟持されることによって、タングアセンブリがウェビングに沿って摺動することを抑止する。カムのカム面は、アルキメデス曲線として構成されてもよい。
【0004】
第1の壁は穴を含んでいてもよく、第2の壁は第1の壁の穴に対向する穴を含んでいてもよい。タングアセンブリは、本体に対して回転することが抑制されるように第1の壁の穴に係合するように構成される第1の端部と、付勢部材の一部を受け入れるように構成される第2の端部と、を有する固定ピンを含んでいてもよい。タングアセンブリは、付勢部材の一部を受け入れるように構成される第1の端部と、本体に対して回転できるように第2の壁の穴に嵌入するように構成される第2の端部と、を有するピボットピンを含んでいてもよい。付勢部材は、ピボットピンの第1の端部及び固定ピンの第2の端部に係合するように構成されることによって、固定ピンとピボットピンとの間に捩れのエネルギーが与えられてもよい。カムは、少なくとも固定ピン、ピボットピンの一部及び付勢部材を受け入れるように構成される開口部を含んでいてもよい。
【0005】
ピボットピンは、カムとピボットピンとの間の相対的回転を抑制する回転防止機構を含むことによって、カム及びピボットピンがともに回転軸を中心に回転することが可能であってもよい。固定ピンの第1の端部は、固定ピンが本体に対して回転することを抑制する回転防止機構を含んでいてもよい。本体は、カムの回転運動を制限するように構成されるストッパを含んでいてもよい。本体は、二枚の対向する壁の間に延在する後部壁を含むことによって、後部壁と本体との間に間隙が生じ、ウェビングの一部を通すことができてもよい。
【0006】
第1の壁は穴を含んでいてもよく、第2の壁は第1の壁の穴に対向する開口部を含んでいてもよい。本体の第2の壁の開口部は、固定ピン、付勢部材及び/又はピボットピンを通すことができるように構成されてもよい。タングアセンブリは、固定ピン、付勢部材及び/又はピボットピンが第2の壁の開口部から通されて戻ることを防ぐように構成されるキャップをさらに含んでいてもよい。
【0007】
別の開示された実施形態によれば、車両用乗員拘束システムのタングアセンブリ内で用いられるカムが提供される。乗員拘束システムは、バックル機構及びウェビングを含んでおり、タングアセンブリは、選択的にバックル機構と係合するように構成され、また、タングアセンブリは、ウェビングに沿って摺動することを防止するために選択的にウェビングを挟持するようにも構成される。カムは、タングアセンブリがウェビングに沿って摺動することを防止するために選択的にウェビングをタングアセンブリで挟持するようにウェビングに接触するカム面と、選択的にウェビングを挟持するためにタングアセンブリに対してカムが周りを回転する回転軸と、を含む。カムのカム面は、アルキメデス曲線として構成されてもよい。
【0008】
別の開示された実施形態によれば、着座した車両乗員を選択的に拘束するように構成される乗員拘束システムが提供される。乗員拘束システムは、アンカーに接続された第1の端部と第2の端部とを有するウェビングと、開口部及びリリースを有するバックル機構と、ウェビングに沿って第1の端部と第2の端部との間を選択的に摺動するように構成されるタングアセンブリと、を含む。タングアセンブリは、選択的にバックル機構と係合するためにバックル機構の開口部を通るように構成されるラッチプレートを含むことによって、タングアセンブリをバックル機構に係止し、バックル機構のリリースを作動させるとラッチプレートが解除され、バックル機構からタングアセンブリが外される。タングアセンブリは、選択的にカムとタングアセンブリとの間のウェビングの一部を挟持するために回転軸を中心に回転するように構成されるカムを含むことによって、タングアセンブリがウェビングに沿って摺動することを防止する。
【0009】
ウェビングの第2の端部は、ウェビングにプリテンションをかけるように構成されるリトラクタ機構に巻き取り可能に接続されてもよい。タングアセンブリは、カムと係合するように構成されるピボットピンを含んでいてもよく、これによって、カム及びピボットピンがともにタングアセンブリに対して回転する。タングアセンブリは、カム及びピボットピンを回転させるために捩れのエネルギーを与える付勢部材も含んでいてもよい。タングアセンブリは、ラッチプレートの一部を覆うように形成され、穴を有する第1の壁と穴を有する第2の対向する壁とを有する本体を含んでいてもよく、これによって、ピボットピンの一部は、第2の壁の穴に嵌入される。タングアセンブリは、本体の第1の壁の穴に係合するように構成される固定ピンを含んでいてもよく、カムは、固定ピンに対して回転する。カムは、少なくとも固定ピン、ピボットピンの一部及び付勢部材を受け入れるように構成される開口部を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】自動車(例えば、
図1の自動車)の乗員区画において、提供されるシートシステムの乗員に拘束を提供する乗員拘束システムの例示的実施形態の斜視図である。
【
図3】乗員拘束システム(例えば、
図2の乗員拘束システム)内で用いられるタングアセンブリの例示的実施形態の斜視図である。
【
図4】
図3のタングアセンブリの分解斜視図である。
【
図5】ウェビングを固定又は挟持し、タングアセンブリがウェビングに沿って摺動することを防止するカムを有する
図3のタングアセンブリの断面図である。
【
図6】カムに固定されず、タングアセンブリが自由に摺動できるウェビングを有する
図3のタングアセンブリの断面図である。
【
図7】乗員拘束システム(例えば、
図2の乗員拘束システム)内で用いられるタングアセンブリの別の例示的実施形態の斜視図である。
【
図8】タングアセンブリ(例えば、
図7のタングアセンブリ)内で用いられるキャップの例示的実施形態の正面図である。
【
図10】タングアセンブリ(例えば、
図7のタングアセンブリ)内で用いられるカムの例示的実施形態の斜視図である
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1及び2に、乗員(図示せず)に座席を提供するように構成されるシートシステム15と、能動的拘束を着座した乗員に提供する能動的乗員拘束システム(又はシートベルトシステム)20と、を有する乗員区画11を含む自動車10の例示的実施形態を図示する。シートシステム15は、シートバック16及びシート座部17を含んでいてもよい。乗員拘束システム20は、車両(例えば、Bピラー13又は床(図示せず)に接続するように構成されてもよいし、シートシステム15(例えば、シート座部17)に接続するように構成されてもよいし、車両及びシートシステムの組み合わせに接続するように構成されてもよい。本願明細書において、開示されるように、乗員拘束システムは、任意の車両乗員を保持するために任意のシートシステム(例えば、運転席、助手席、2列目シート、3列目シートなど)で用いられるように構成されてもよい。さらに、本願明細書において、開示される乗員拘束システムは、任意の車両(例えば、トラック、SUV、ボート及び/又はトラック)内で用いられてもよい。
【0012】
例示的実施形態によれば、能動的乗員拘束システムは、シートシステムに組み込まれる。つまり、乗員拘束システムは、シートアセンブリに直接的に接続される。別の例示的実施形態によれば、乗員拘束システムは、シートシステムから独立して動作する。つまり、乗員拘束システムは、シートシステム以外の車両構成要素に直接的に接続される。さらに別の例示的実施形態によれば、乗員拘束システムは、部分的にシートシステムに組み込まれ、部分的にシートシステムから独立している。つまり、乗員拘束システムは、シートシステム以外のシートシステム及び車両構成要素の両方に直接的に接続される。本願明細書において、開示される乗員安全システムは任意の適切な構成を使用している任意の自動車用に構成されてもよく、本願明細書における具体例に限定されない。
【0013】
図2に、部分的にシートシステム15に組み込まれ、部分的にシートシステム15から独立している能動的乗員拘束システム20の例示的実施形態を図示する。例示的実施形態によれば、乗員拘束システム20は、シートベルトウェビング21と、バックル機構23と、選択的にバックル機構23と係合するように構成されるタングアセンブリ30と、を含む。乗員拘束システム20は、ウェビング21に巻き取りを提供する及び/又はプリテンションをかける従来のリトラクタ機構(図示せず)と、ウェビング21を案内するDリング24と、及び/又はウェビング21を据え付ける又は固定するアンカー部材22と、をさらに含んでいてもよい。リトラクタ機構の例示的実施形態は、米国特許第6,499,554号において、Yano et al.により開示されているが、リトラクタ機構は、任意の周知の方法又は今後開発される任意の将来の方法を用いて構成されてもよい。Dリング及びアンカー部材も、任意の周知の方法又は今後開発される任意の将来の方法を用いて構成されてもよい。
【0014】
シートベルトウェビング21は、第1の端部及び第2の端部を含むように、任意の適切な材料(例えば、柔軟性のあるナイロンメッシュ織物)で作製されてもよい。例示的実施形態によれば、ウェビング21の第1の端部は、リトラクタ機構(図示せず)に接続される。他の実施形態によれば、ウェビングの第1の端部は、車両に接続してもよいし、シートシステムに接続してもよいし、任意のプリテンション装置に接続してもよいし、任意の他の適切な構成要素に接続してもよい。例示的実施形態によれば、ウェビング21の第2の端部は、アンカー部材22に接続される。他の実施形態によれば、ウェビングの第2の端部は、車両に接続してもよいし、シートシステムに接続してもよいし、任意のプリテンション装置に接続してもよいし、任意の他の適切な構成要素に接続してもよい。タングアセンブリ30がウェビング21に沿って選択的に摺動できるように、第1の端部と第2の端部との間において、ウェビング21はDリング24及びタングアセンブリ30に通されていてもよい。
【0015】
例示的実施形態によれば、ウェビング21は、第1の部分(又はショルダー部)21aと、第2の部分(又はラップ部)21bと、を含む。ショルダー部21aは、Dリング24とタングアセンブリ30との間に延在するように構成されてもよく、これによって、ショルダー部21aは、車両の動的事象(例えば、正面衝突)時に、乗員の胸又は胸部を拘束することによって、能動的拘束を乗員に提供するように乗員の肩の上に通される。ラップ部21bは、タングアセンブリ30とアンカー部材22との間に延在するように構成されてもよく、これによって、ラップ部21bは、車両動的事象時に、乗員の腹部及び腰を拘束することによって、拘束を乗員に提供するように乗員の膝の上に通される。
【0016】
バックル機構23は、選択的にタングアセンブリ30を受け入れ、タングアセンブリ30に連結するように構成されてもよい。バックル機構23は、タングアセンブリ30の一部(例えば、ラッチプレート)を受け入れるように構成される開口部23aと、バックル機構23にタングアセンブリ30の一部を係止するように構成されるロック機構と、押下される又は作動されるときに、バックル機構23からタングアセンブリ30の解除を行うように構成されるボタン(又はリリース)23bと、を含んでいてもよい。バックル機構23は、任意の周知の方法又は今後開発される任意の将来の方法を用いて構成されてもよい。
【0017】
図3〜6に、乗員拘束システム20内で用いられるタングアセンブリ30の例示的実施形態を図示する。例示的実施形態によれば、タングアセンブリ30は、選択的にバックル機構23と係合するように構成されるタング部材31と、少なくともタング部材31の一部の周りに設けられた本体34と、カム面42を有するカム41と、固定ピン50と、ピボットピン60と、付勢部材(又はばね)70と、を含む。カム41は、少なくとも固定ピン50の一部、ばね70及び少なくともピボットピン60の一部を受け入れように構成される開口部43を含んでいてもよい。固定ピン50及びピボットピン60の両方の少なくとも一部は、タングアセンブリ30の本体34と係合するように構成されてもよい。カム41及びピボットピン60は、タングアセンブリ30がウェビング21に沿って自由に摺動できるように構成される第1の自由(又は開カム)位置と、タングアセンブリ30をウェビング21の挟持された部分に係止するように構成される(すなわち、タングアセンブリ30がウェビング21に沿って自由に摺動することが抑制される)第2の閉(又は係止カム)位置との間で回転軸44を中心に回転してもよい。
【0018】
タング部材31は、スチール、又は車両の急減速時といった事象時の乗員拘束システム20による乗員拘束時にラッチプレート32に作用する力に耐え得るほど強い任意の適切な材料で作製されたラッチプレート32であっても(又は含んでいても)よい。ラッチプレート32は、選択的にバックル機構23と係合するように構成される開口部33を有する長方形の第1の端部を有していてもよい。
図5に示すように、ラッチプレート32は、タングアセンブリ30の本体34によって、(少なくとも部分的に)囲まれるように構成される比較的大きい長方形の第2の端部を有していてもよい。
【0019】
本体34は、ポリマー材料、複合材料、又は乗員を拘束する力に耐え得るほど強い任意の適切な材料で作製されていてもよく、少なくともタング部材31の一部の周りでポリマー材料をオーバーモールドすることにより作製されてもよい。例示的実施形態によれば、本体34は、タング部材31の周りに設けられたベース35と、ベース35から延在する二枚の対向する側壁36と、を含む。ベース35は、カム41上のカム面42の輪郭と類似している(又は異なる)形状であるように構成される接触面37を含んでいてもよく、これによって、カム41のカム面42は、ウェビング21の一部をタングアセンブリ30の本体34の接触面37に挟持(又は拘束又は固定又は束縛)してもよい。
【0020】
本体34の壁36は、ピンを受け入れるように構成される穴38を含んでいてもよい。例示的実施形態によれば、第1の壁36は、壁36の内面から壁36の奥行き未満(又は奥行きと等しい)の長さにわたって延在し、固定ピン50を受け入れるように構成される第1の穴38を含み、第2の壁36は、ピボットピン60を受け入れるように構成される第2の穴(図示せず)を含む。第1の穴38は、類似した形状である固定ピン50の端部を受け入れるように構成されてもよい。例えば、第1の穴38は、実質的に円形であって、長方形の回転防止機構38aを有していてもよく、これによって、固定ピン50は、類似した形状である少なくとも一つの端部を有するので、本体34と固定ピン50との間の回転軸44を中心とした相対的回転が防止される。第2の穴は、類似した形状であるピボットピン60の端部を受け入れるように構成されてもよい。例えば、第2の穴38は、円形であってもよく、これによって、ピボットピン60は、本体34に対して回転軸を中心にピボットピン60が回転できるように、類似した形状である少なくとも一つの端部を有する。
【0021】
本体34は、壁36の間の長さにわたる(又は延在する)ように構成される後部壁39を含んでいてもよい。後部壁39は、本体34のベース35と離隔されることによって、後部壁39とベース35との間に間隙80を作り出していてもよい。間隙80は、ウェビング21の一部(例えば、ショルダー部21a)を通すことができるように構成されてもよい。本体34は、回転軸44を中心としたカム41の角度回転を制限するように構成されるストッパ40をさらに含んでいてもよい。例示的実施形態によれば、ストッパ40は、壁36の内面から延在する円弧状押出し加工部として構成され、これによって、
図6に示すように、円弧状ストッパ40は、カム41の角度回転を制限する位置に設けられる。
【0022】
例示的実施形態によれば、カム41は、タングアセンブリ30がウェビング21に沿って自由に摺動できる第1の自由(又は開カム)位置とタングアセンブリ30がウェビング21に沿って自由に摺動することが抑制されるようにウェビング21の一部を挟持する(又は固定する)第2の閉(又は係止カム)位置との間で回転軸44を中心に回転するように構成される。カム41は、スチール、又は乗員を拘束するとともに、ウェビング21を固定するのに必要な力に耐え得るほど強い任意の適切な材料で作製されてもよい。例示的実施形態によれば、カム41は、ウェビング21を挟持又は固定するように構成されるカム面42と、回転軸44と実質的に同心に構成される開口部43と、を含む。カム面42は、回転軸44と離隔した偏心輪として構成されてもよい。カム面42は、アルキメデス曲線として構成されてもよい。カム41は、本体34のストッパ40と接触させるように構成される停止面46を含むことによって、
図6に示すように、カム41の回転運動を制限してもよい。カムは、カムの回転運動を制限するストッパとの接触面と対向する接触線を含むようにも構成されてもよい。
【0023】
カム41の開口部43は、少なくとも固定ピン50の一部、ばね70及び少なくともピボットピン60の一部を受け入れるように構成されてもよい。例示的実施形態によれば、開口部43は、略円形部分から延在するキー溝(例えば、四角形部分)を有する略円形部分を含み、これによって、開口部43は、固定ピン50、ばね70及びピボットピン60が開口部43の一端から挿入され、少なくともカム41の一部を通るように構成され、固定ピン50の一部及びピボットピン60の一部は、カム41の各側面の二つの表面を超えて延在してもよい。
【0024】
例示的実施形態によれば、固定ピン50は、実質的に円形断面を有する実質的に円筒体であり、回転軸44と同心に構成される。固定ピン50は、カム41が固定ピン50に対して回転軸44を中心に回転するように、タングアセンブリ30の本体34に対して回転可能に固定されたままであるように構成されてもよい。固定ピン50は、タングアセンブリ30の本体34の第1の壁36の穴38に係合するように構成される回転防止機構53を有する第1の端部51と、ばね70と係合するように構成される第2の端部52と、を含んでいてもよい。本体34の第1の壁36の穴38は、本体34と固定ピン50との間の相対的回転を防止するために類似した形状であってもよい。例示的実施形態によれば、第1の端部51の回転防止機構53は、円筒状部分から延在する長方形の突起として構成され、これによって、長方形の回転防止機構53は、固定ピン50が開口部43を通るようにカム41の開口部43内を通るように構成される。回転防止機構53は、固定ピン50が本体34に対して回転することを抑制するように構成されてもよい。回転防止機構53は、カム41が固定ピン50に対して回転できるように固定ピン50の円形部分がカム41の開口部43に嵌入するように、本体34の穴38の中に収容される長さとなるように構成されてもよい。固定ピン50の第2の端部52は、ばね70の第1の端部71を受け入れて保持するように構成される保持機構54を含んでいてもよい。例示的実施形態によれば、保持機構54は、固定ピン50の幅まで延在する溝穴として構成され、これによって、溝穴の高さ及び奥行きは、ばね70の第1の端部71上のサイズに基づいて調整される。
【0025】
例示的実施形態によれば、ピボットピン60は、実質的に円形断面を有する実質的に円筒体であり、回転軸44と実質的に同心に構成される。ピボットピン60は、カム41及びピボットピン60が本体34及び固定ピン50に対してともに回転軸44を中心に回転するように、カム41に回転可能に接続されてもよい。ピボットピン60は、第1の端部61と、本体34の第2の壁36の穴に係合するように構成される第2の端部62と、ピボットピン60に沿って第1の端部61と第2の端部62との間に設けられる回転防止機構63と、を含んでいてもよい。例示的実施形態によれば、回転防止機構63は、ピボットピン60の円筒状部分から延在する長方形の突出部として構成され、これによって、長方形の回転防止機構63は、ピボットピン60が開口部43を通るようにカム41の開口部43内を通るように構成される。回転防止機構63は、ピボットピン60がカム41に対して回転軸44を中心に回転することを抑制するように構成されてもよい。このように、ピボットピン60は、カム41とともに回転するように構成されてもよい。回転防止機構63は、ピボットピン60が本体34に対して回転できるように、カム41内に収容される長さとなるように構成されることによって、本体34の第2の壁36の(固定ピン50により係合される第1の壁36の穴38の反対側の)円形穴38に挿入される円形断面を有していてもよい。ピボットピン60の第1の端部61は、ばね70の第2の端部72を受け入れて保持するように構成される保持機構64を含んでいてもよい。例示的実施形態によれば、保持機構64は、ピボットピン60の幅まで延在する溝穴として構成され、これによって、溝穴の高さ及び奥行きは、ばね70の第2の端部72上のサイズに基づいて調整される。
【0026】
例示的実施形態によれば、付勢部材(又はばね)70は、第1の端部71及び第2の端部72を有するコイルばねとして構成される。一端又は両端から軸方向に圧縮力が加えられる時、コイルばね70は圧縮される(すなわち、回転軸44に沿って縮む)ように構成されてもよい。例えば、カム41及びピボットピン60を回転させるために、コイルばね70は、回転可能に蓄積されたエネルギー(例えば、捩れのエネルギー)を与えるように構成されてもよい。例示的実施形態によれば、ばね70の第1の端部71は、固定ピン50の保持機構54と係合してもよく、ばね70の第2の端部72は、ピボットピン60の保持機構64と係合することによって、ピボットピン60(そして、カム41)を固定ピン50及び本体34に対して回転させる捩れのエネルギーを与えてもよい。
【0027】
タングアセンブリ30の組み立て時に、固定ピン50、ばね70及びピボットピン60は、カム41の開口部43に嵌入されてもよく、これによって、自由な(すなわち、非圧縮の)状態であるばね70を伴ったピン50,60の全幅は、本体34の壁36の内面と内面との間の幅だけでなく、カム41の幅より広い。次に、固定ピン50の第1の端部51及び/又はピボットピン60の第2の端部62に力が加えられることによって、ばね70を回転軸44に沿った方向に圧縮して圧縮エネルギーをばね70に蓄積し、ばね70の幅と固定ピン50の第1の端部51のエッジ面からピボットピン60の第2の端部62のエッジ面までの全幅を、本体34の壁36の内面と内面との間の全幅未満であるようにする狭くしてもよい。次に、固定ピン50が本体34の第1の壁36の穴38と実質的に同心に位置し、ピボットピン60が本体34の第2の壁36の穴38と実質的に同心に位置するように配置されてもよい。圧縮力が除去される時、ばね70に蓄積された圧縮力は、ばね70の幅を広げることによって、固定ピン50の第1の端部51を本体34の第1の壁36の穴38(ただし、回転防止機構が位置合わせをされている場合)に嵌入させ、ピボットピン60の第2の端部62を本体34の第2の壁36の穴38に嵌入させる。このように、本体34は、カム41、固定ピン50、ピボットピン60及びばね70を保持する。
【0028】
図5に示すタングアセンブリ30は、第2の閉(又は係止カム)位置にあるように構成されており、ウェビング21の一部は、カム41のカム面42と本体34の接触面37との間に挟持又は固定されることによって、タングアセンブリ30がウェビング21に沿って自由に摺動することが抑制される。
図6に示すタングアセンブリ30は、第1の自由(又は開カム)位置にあるように構成されており、タングアセンブリ30は、ウェビング21に沿って自由に摺動できる。
【0029】
例示的実施形態によれば、ばね70は、捩れのエネルギー(又は回転力又はトルク)をカム41に与えるように構成されることによって、カム41を(
図6に示す)開カム位置まで回転させてもよい。通常の車両使用時では、ウェビング21は、カム41に挟持又は固定されていない状態であり、タングアセンブリ30がウェビング21に沿って自由に摺動できる。この構成の場合、例えば、快適さを改善するために、タングアセンブリ30はウェビング21に沿って自由に調整されてもよい。車両が急減速されると、カム41は(
図5に示す)閉位置又は係止位置まで回転するように構成されてもよい。例示的実施形態によれば、カム41は、慣性を用いて構成されてもよく、これによって、減速車両によって、生じる力は、カムを閉位置まで回転させ、ウェビング21の一部をカム41と接触面37との間の適当な位置に挟持又は束縛する。タングアセンブリ30は、車両が停止又は比較的小さい減速をして、力が除去されるまで、ウェビング21を挟持又は固定するように構成されてもよい。
【0030】
図7〜9に、乗員拘束システム(例えば、乗員拘束システム20)内で用いられるタングアセンブリ130の別の例示的実施形態を図示する。タングアセンブリ130は、選択的にバックル機構23と係合するように構成されるタング部材131と、少なくともタング部材131の一部の周りに設けられた本体134と、カム(明確にするため図示せず)と、固定ピン150と、ピボットピン160と、付勢部材(又はばね)170と、を含む。カムは、少なくとも固定ピン150の一部、ばね170及び少なくともピボットピン160の一部を受け入れるように構成されてもよい。固定ピン150及びピボットピン160の両方の少なくとも一部は、タングアセンブリ130の本体134(例えば、壁136)と係合するように構成されてもよい。カム及びピボットピン160は、タングアセンブリ130がウェビング21に沿って自由に摺動できるように構成される第1の自由(又は開カム)位置とタングアセンブリ130をウェビング21の挟持された部分に係止するように構成される(すなわち、タングアセンブリ130がウェビング21に沿って自由に摺動することが抑制される)第2の閉(又は係止カム)位置との間で回転軸を中心に回転してもよい。
【0031】
タング部材131は、選択的にバックル機構23と係合するように構成される開口部133を有するラッチプレート132であっても(又は含んでいても)よい。ラッチプレート132は、タングアセンブリ130の本体134によって、(少なくとも部分的に)囲まれるように構成される比較的より大きい長方形の第2の端部を有していてもよい。本体134は、タング部材131の一部周りに設けられたベース135と、ベース135から延在する二枚の対向する側壁136と、を含んでいてもよい。ベース135は、カム上のカム面の輪郭と類似している(又は異なる)形状であるように構成される接触面137を含んでいてもよく、これによって、カムは、ウェビング21をタングアセンブリ130の本体134の接触面に挟持(又は拘束、束縛、固定)してもよい。本体134の第1の壁136は、少なくとも固定ピン150の一部を受け入れるように構成される穴38を含んでいてもよい。第2の壁136は、壁136を貫いて延在する開口部138を含み、これによって、開口部138は、固定ピン150、ばね170及びピボットピン160を通すことができるように構成される。第1の穴38は、類似した形状である固定ピン150の端部を受け入れるように構成されてもよい。開口部138は、実質的に円形の部分及び長方形の部分138aを含んでいてもよい本体134は、回転軸を中心としたカムの角度回転を制限するように構成されるストッパ140をさらに含んでいてもよい。例示的実施形態によれば、ストッパ140は、第1の壁136の内面から延在する円弧状押出し加工部として構成され、これによって、円弧状ストッパ140は、カムの角度回転を制限する位置設けられる。
【0032】
タングアセンブリ130の組み立て時に、固定ピン150、ばね170及びピボットピン160は、壁136の外側から本体134の第2の壁136の開口部138に嵌入されてもよく、これによって、固定ピン150及びバネ170は開口部138に通され、少なくともピボットピン160の一部は開口部138に通されてもよく、一部はそこに留まっていてもよい。固定ピン150は、本体134の第1の壁136の穴と実質的に同心に位置し、ピボットピン160は、第2の壁136の開口部138と実質的に同心に位置していてもよい。ばね170は、固定ピン150とピボットピン160との間に設けられ、ばね170の一端は固定ピン150と係合し、ばね170の他端はピボットピン160と係合してピンとピンとの間に捩れを生じさせてもよい。
【0033】
タングアセンブリ130は、ピボットピン160が開口部138から挿入されて戻ることを抑制するために、第2の壁136の少なくとも開口部138の一部と係合するように構成されるキャップ190を含み、ピン150,160及びばね170を適切な位置に保持してもよい。キャップ190の構成は、変更してもよく、好ましくは、開口部138と類似するように調整されてもよい。例示的実施形態によれば、キャップ190は、ベース191と、円筒状の突出部192と、長方形の突出部193と、を含む。ベース191は、円筒状で、開口部138より大きく構成されることによって、壁136に接触してもよい。突出部192,193は、開口部138と係合するように構成されてもよい。突出部192,193の長さは、開口部138の残りの部分と係合するピボットピン160の長さを決定してもよい。キャップ190は、任意の適切な方法(例えば、熱かしめ、音波溶接、締結、接着)を用いてタングアセンブリ130に接続してもよい。
【0034】
図10及び11に、タングアセンブリ(例えば、タングアセンブリ130)内で用いられるように構成されるカム141の別の例示的実施形態を示す。例示的実施形態によれば、カム141は、カム面142によって、カム作用をするために回転軸144を中心に回転するように構成される。カム141は、ウェビングに沿ったタングアセンブリ130の相対運動を抑制するために、カム面142から乗員拘束システムのウェビング上にクランプ力を与えるように回転してもよい。また、カム141は、ウェビングに沿ったタングアセンブリ130の相対運動を可能にするために、ウェビングとの係合から外れるように回転してもよい。カム141は、スチール又は乗員を拘束するとともにウェビングを固定するのに必要な力に耐え得るほど強い任意の適切な材料で作製されてもよい。カム141は、回転軸144と実質的に同心に構成される開口部143と、カム141の回転運動を制限するために本体134のストッパ140と接触するように構成される停止面146と、をさらに含んでいてもよい。
【0035】
開口部143は、少なくとも固定ピン150の一部、ばね170及び少なくともピボットピン160の一部を受け入れるように構成されてもよい。開口部143は、固定ピン150、ばね170及びピボットピン160が開口部143の一端から挿入され、カム141を通るように、略円形部分から延在する押出し部145を有する略円形であってもよい。押出し部145は、長方形であってもよいし、又は任意の適切な形状を用いて構成されてもよく、好ましくはピンの回転防止機構と類似するように構成される。開口部143は、カムの全長にわたって延在するように構成されてもよい。
【0036】
例示的実施形態によれば、
図11に示すように、カム面142は、回転軸144から延在するアルキメデス曲線147の少なくとも一部であるように構成される。乗員拘束システムのウェビングを挟持するカム面142の形(又は輪郭)としてアルキメデス曲線147を用いることにより、カムと本体134の接触面137との間の間隙が一定の速度で比較的広い面積にわたって均一に閉じることができる。アルキメデス曲線147の形をしたカム面142を有するカム141によって、他のカム形状によって得られる線接触ではなく、面接触が可能となる。接触面が増加することにより、大きいクランプ力が加えられてもウェビングに対する圧力が低下し、ウェビングの損傷する可能性を低下することができる。
【0037】
本願明細書において、開示されるタングアセンブリは、タングアセンブリを通るウェビングの選択的なクランプを提供し、様々な顧客の要求に適応するようにスプリング力を容易に調整することができる。本願明細書において、開示されるタングアセンブリは、ウェビングの選択的なクランプを提供する他のタングアセンブリと比較して、比較的小さいパッケージサイズ及び軽量の係止タングを提供する。本願明細書において、開示されるタングアセンブリは、他のタングアセンブリと比較して、含まれる構成要素が少なく、組み立て時間を短くすることができ、相対的な干渉を防止する構成を提供する。タングアセンブリは、構成要素の確実な係合により、酷使されても(例えば、車のドアに激しく叩きつけられる)比較的抵抗力を有する。
【0038】
本願明細書で使用される、「およそ」、「約」、「実質的に」及び同様の用語は、一般常識に即して広い意味をもち、本開示の主題が属する技術分野の当業者によって、慣用表現であると認められることを意図されたものである。これらの用語は、記載され、特許請求されている特定の特徴の範囲を与えられた正確な数値範囲に限定することなく、これらの特徴の説明が可能となるように意図されるものであることを、本開示を検討する当業者なら理解するであろう。したがって、記載され、特許請求された主題に関する実質的でない又は重要でない修正又は変更が、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内であるとみなされるものとして、これらの用語は解釈されるべきである。
【0039】
なお、本明細書で様々な実施形態について使用される用語「例示的な」は、かかる実施形態が、可能な実施形態の可能な具体例、表現及び/又は説明図であることを示すように意図されたものである(また、この用語は、かかる実施形態が必ずしも特別又は最良の具体例であることを暗示するように意図されたものではない)ことに留意すべきである。
【0040】
用語「結合された」、「連結された」及び本明細書で使用される類似の用語は、二つの部材を直接的又は間接的に互いに接合することを意味する。かかる接合は、固定式(例えば、永続的)でも可動式(例えば、取外し可能又は解放可能な)でもよい。かかる接合は、二つの部材又は二つの部材と任意に追加される中間部材により単一で単体の物体として一体的に形成してもよい。あるいは、二つの部材又は二つの部材と任意に追加される中間部材を互いに取り付けて形成してもよい。
【0041】
本明細書における要素(例えば、「上部」、「底部」、「上に」、「下に」等)の位置の言及は、各図面における様々な要素の方向を説明するために使用されるに過ぎない。様々な要素の方向は、その他の例示的実施形態に応じて異なり、このようなバリエーションが本開示に包含されるように意図されたものである点に留意すべきである。
【0042】
様々な例示的実施形態に示す乗員拘束システム及びタングアセンブリの構造及び構成は、例示的なものに過ぎない点に留意することが重要である。本開示においては、いくつかの実施形態のみを詳細に説明してきたが、本明細書に開示されている主題の新規な教示及び効果から著しく逸脱することなく多くの変更態様(例えば、サイズ、寸法、構造、様々な要素の形状及び比率、パラメータの値、取り付け構成、使用される材料、色、方向等におけるバリエーション)が可能であることを、この開示を検討する当業者なら容易に理解するであろう。例えば、一体的に形成されるように示される要素は、複数の部品又は要素で構成してもよく、要素の位置を逆にする又は変更してもよく、個別の要素又は位置の性質又は数は、変更又は変化してもよい。任意のプロセス又は方法ステップの順序又は配列は、代替実施例により変更する又は再配列してもよい。様々な例示的実施形態の設計、動作条件及び構成において、本発明の範囲から逸脱することなく、その他の置換、改変、変更及び省略を行うことが可能である。