特許第6055856号(P6055856)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6055856-画像形成装置 図000002
  • 特許6055856-画像形成装置 図000003
  • 特許6055856-画像形成装置 図000004
  • 特許6055856-画像形成装置 図000005
  • 特許6055856-画像形成装置 図000006
  • 特許6055856-画像形成装置 図000007
  • 特許6055856-画像形成装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055856
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20161219BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20161219BHJP
   G03G 21/02 20060101ALI20161219BHJP
   B41J 29/06 20060101ALI20161219BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20161219BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20161219BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20161219BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   G03G21/16 104
   G03G21/00 390
   G03G21/02
   B41J29/06
   B41J29/38 Z
   B41J29/00 Z
   H04N1/00 C
   H04N1/00 D
   H04N1/00 106Z
   G06F3/12 338
   G06F3/12 322
   G06F3/12 392
   G06F3/12 367
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-34471(P2015-34471)
(22)【出願日】2015年2月24日
(65)【公開番号】特開2016-156949(P2016-156949A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2016年6月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】渡部 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】黒木 裕文
【審査官】 野口 聖彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−260904(JP,A)
【文献】 特開平11−314826(JP,A)
【文献】 特開2001−130094(JP,A)
【文献】 特開平06−189825(JP,A)
【文献】 特開2007−237701(JP,A)
【文献】 実開昭60−080942(JP,U)
【文献】 特開2002−337420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 21/00
G03G 21/02
B41J 29/06
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置において、
本画像形成装置の外郭を構成する筐体が、平面状の作業面を有する天板部と、当該天板部を支持する脚部とを含む机形状を有し、
前記画像形成部が、前記天板部内に収容され、
前記天板部に、画像形成済みの記録紙を排出する記録紙排出口が設けられ
画像を読み取る画像読取部が、更に、前記天板部内に収容され、
前記天板部に、画像の読み取り対象となる記録紙を挿入する記録紙挿入口が設けられ、
画像読取済みの記録紙が前記記録紙排出口から排出され、
前記作業面は、前記天板部の上面に設けられ、
前記記録紙挿入口は、前記天板部の側面に設けられ、
前記天板部の側面には、前記天板部の側面方向外側に向けて前記作業面側に傾斜した平板状の部材であって、記録紙を前記記録紙挿入口に案内する挿入ガイド部材が設けられ、
前記天板部の上面には、上方から見て前記記録紙挿入口および前記挿入ガイド部材を覆う第2の傘部が設けられている、画像形成装置。
【請求項2】
前記作業面は、前記天板部の上面に設けられ、
前記記録紙排出口は、前記天板部の側面に設けられ、
前記天板部の側面には、前記天板部の側面方向外側に向けて前記作業面側に傾斜した平板状の部材であって、前記記録紙排出口から排出された記録紙を案内する排出ガイド部材が設けられている、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記天板部の上面には、上方から見て前記記録紙排出口および前記排出ガイド部材を覆う第1の傘部が設けられている、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記天板部内には、更に、トナーコンテナが収容され、
前記天板部の上面は、開閉可能とされ、当該上面が開かれた状態において、前記トナーコンテナが露出して前記天板部内から取り外し可能となる、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2の傘部は、光透過性を有する部材で構成され、上方から見て前記挿入ガイド部材が視認可能になっている、請求項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記天板部の上面に設けられ、接近した被読取物からユーザー固有の識別情報を読み取る読取部と、
前記読取部が読み取った識別情報を用いてユーザー認証を行う認証部と、
外部機器との間でデータの送受信を行う通信部と、
前記外部機器から送信されたデータを受け付ける受付部と、
前記認証部による認証が成功し、かつ、当該認証されたユーザーが用いる外部機器から送信された画像形成指示を前記受付部が受け付けた場合に、前記画像形成部に、前記画像形成指示に示される画像データの画像を記録紙に形成させる制御部と、を更に備える、請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記画像形成部が記録紙に画像を形成する場合に、前記通信部に、画像を形成する枚数に応じた課金情報を前記識別情報とともに外部に設けられたサーバーへ送信させる、請求項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録紙に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PC(Personal Computer)等の外部機器から出力された画像データに基づき、記録紙に画像を形成する画像形成装置が知られている。画像形成装置は、オフィス内や自宅内だけでなく、コンビニエンスストア等の商業施設内にも設置されている。当該画像形成装置を利用することで、ユーザーが外出先で画像データを出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−66946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、オフィスや自宅ではなく、喫茶店やファーストフード店等の机でノート型PCやタブレット端末等を用いて仕事をする人、所謂ノマドワーカーが増加している。生成・編集した画像データを店内で出力したいというノマドワーカーの要望があると考えられ、このため、喫茶店やファーストフード店等の店内に専用のスペースを設け、当該専用のスペースに画像形成装置を設置することが考えられる。
【0005】
しかしながら、ユーザーは、自身の座席から画像形成装置が設置された専用のスペースまで出力された記録紙を取りに行く必要がある。このため、ユーザーが記録紙を取りに行っている間に、机に置かれたノート型PCやタブレット端末等が盗難されたり、ノート型PCやタブレット端末等の画面が盗み見されるおそれがある。また、画像形成装置から出力された記録紙が盗難されるおそれもある。
【0006】
喫茶店やファーストフード店等は不特定の人間が入店可能な施設であるため、上記のようにユーザーが取り扱っている情報が漏洩するおそれがあるのでは、店内に画像形成装置を設置してもユーザーが安心して利用することができない。
【0007】
また、限られた面積の店内でより多くの座席数を確保したい店側からしてみれば、ノマドワーカー向けに画像形成手段を提供するためだけに専用のスペースを確保するのは好ましくない。更には、画像形成装置の外観は、オフィスや自宅に設置されることを想定したデザインになっているため、画像形成装置を設置することで喫茶店やファーストフード店等の店内の雰囲気が損なわれるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、専用のスペースを設けることなく、喫茶店やファーストフード店等の不特定の人間が入店可能な施設に画像形成手段を提供し、かつ、ユーザーが当該画像形成手段を情報漏洩のおそれがない方法で利用可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面にかかる画像形成装置は、記録紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置において、本画像形成装置の外郭を構成する筐体が、平面状の作業面を有する天板部と、当該天板部を支持する脚部とを含む机形状を有し、前記画像形成部が、前記天板部内に収容され、前記天板部に、画像形成済みの記録紙を排出する記録紙排出口が設けられ、画像を読み取る画像読取部が、更に、前記天板部内に収容され、前記天板部に、画像の読み取り対象となる記録紙を挿入する記録紙挿入口が設けられ、画像読取済みの記録紙が前記記録紙排出口から排出され、前記作業面は、前記天板部の上面に設けられ、前記記録紙挿入口は、前記天板部の側面に設けられ、前記天板部の側面には、前記天板部の側面方向外側に向けて前記作業面側に傾斜した平板状の部材であって、記録紙を前記記録紙挿入口に案内する挿入ガイド部材が設けられ、前記天板部の上面には、上方から見て前記記録紙挿入口および前記挿入ガイド部材を覆う第2の傘部が設けられている、画像形成装置である。
【発明の効果】
【0010】
上記の本発明の一局面にかかる画像形成装置によれば、専用のスペースを設けることなく、喫茶店やファーストフード店等の不特定の人間が入店可能な施設に画像形成手段を提供でき、かつ、ユーザーが当該画像形成手段を情報漏洩のおそれがない方法で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(A)〜(C)は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の外観を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は上面図、(C)は側面図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の設置場所の一例を示す。
図4】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置において、記録紙を排出または挿入する様子を示す図である。
図5】(A)は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の給紙カセットに記録紙を補充する作業を示す図であり、(B)は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置のトナーコンテナにトナーを補充する作業を示す図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図7】(A)および(B)は、変形例にかかる画像形成装置の外観を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置について図面を参照して説明する。
【0013】
まず、画像形成装置1の外観構成を説明する。図1(A)〜図1(C)は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の外観を示す図であり、図1(A)は斜視図、図1(B)は上面図、図1(C)は側面図である。
【0014】
画像形成装置1は、コピー機能、プリンター機能、およびスキャナー機能等の複数の機能を兼ね備えた複合機である。図1(A)〜図1(C)に示すように、画像形成装置1は、画像形成装置1の外郭を構成する筐体が、天板部20と、当該天板部20を支持する脚部10とを含む机形状を有している。
【0015】
脚部10は、床面等の設置面上に設置される略円形状の台座部12と、当該台座部12に立設される略円柱状の支柱部11とを備える。支柱部11は、天板部20の底面に固着されており、天板部20を予め定められた高さ位置で保持する役割を果たす。
【0016】
天板部20は、略板形状を有しており、その内部に後述する画像形成部51や画像読取部52(図2参照)等を収容している。天板部20の側面40Aには、天板部20の内部に収容された画像形成部51により画像形成された記録紙を排出する記録紙排出口43が設けられている。記録紙排出口43の下方には、側面40Aから外側に向けて延設された平板状の排出ガイド部材41が設けられている。排出ガイド部材41は、外側に向かうにつれて上面30側に傾斜しており、記録紙排出口43から排出された記録紙を斜め上方に案内する。このため、記録紙排出口43から排出された記録紙をユーザーが上方から取りやすくすることができる。
【0017】
一方、天板部20の側面40Aに対向する位置にある側面40Bには、天板部20の内部に収容された画像読取部52による画像の読み取り対象となる記録紙を挿入する記録紙挿入口44が設けられている。記録紙挿入口44の下方には、側面40Bから外側に向けて延設された平板状の挿入ガイド部材42が設けられている。挿入ガイド部材42は、外側に向かうにつれて上面30側に傾斜しており、ユーザーが上方から挿入した記録紙を記録紙挿入口44まで案内する。
【0018】
天板部20の上面30は、略平面状であって、ノート型PCやタブレット端末等の電子機器や記録紙等が載置され、各種作業が行われる作業面としての役割を果たす。また、天板部20の上面30を構成する4つの辺30A、30B、30C、および30Dのうち、左辺30Aはその中央部が縁部よりも内側(右側)に引っ込んだ略円弧状になっている。このため、上面視で、排出ガイド部材41の記録紙排出口43側とは反対側の端部が視認可能になっている。このため、記録紙排出口43から排出された記録紙をユーザーが確認し易い。また、左辺30Aに対向する右辺30Bも、その中央部が縁部よりも内側(左側)に引っ込んだ略円弧状になっている。このため、上面視で、挿入ガイド部材42の記録紙挿入口44側とは反対側の端部が視認可能になっている。このため、記録紙の挿入先をユーザーが確認し易い。
【0019】
天板部20の上面30には、QRコード(登録商標)31等のパターン画像が描かれている。ユーザーは、スマートフォン等の電子機器を用いて当該QRコード(登録商標)31を読み取ることで、予め定められたURL(Uniform Resource Locator)のサイトにアクセス可能となる。当該サイトでは、画像形成装置1の操作手順が示されたマニュアル情報等を閲覧することができる。
【0020】
また、天板部20の上面30の左端部には発光部32が設けられ、および右端部には発光部33が設けられている。発光部32および発光部33は、LED(light emitting diode)等の光源であって、後述する動作制御部102による制御のもと、画像形成部51による画像形成動作および画像読取部52による画像読取動作に応じて発光する。
【0021】
更には、天板部20の上面には、カード読取装置60が設けられている。カード読取装置60は、接近した被読取物からユーザー固有の識別情報を読み取る読取部62を有する。読取部62は、例えば、NFC(Near Field Communication)リーダーである。NFCタグが内蔵された会員カード等の被読取物がNFCリーダーに接近すると、電磁誘導によりNFCタグに内蔵されたアンテナコイルに電力が供給される。そして、当該供給された電力を用いてアンテナコイルが、NFCタグに内蔵されたメモリーに記憶された識別情報を送信する。NFCリーダーは、当該送信された識別情報を受信することで、接近した被読取物から識別情報を読み取る。
【0022】
カード読取装置60は、更に、読取部62の周りを取り囲むように設けられた発光部61を有する。発光部61は、LED等の光源であって、後述する動作制御部102による制御のもと、読取部62による読取動作に応じて発光する。
【0023】
続いて、画像形成装置1の内部構成を説明する。図2は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置1の内部構成を示すブロック図である。なお、既に説明した構成については、その説明を簡略または省略する。
【0024】
給紙部53は、ピックアップローラー(不図示)を有し、当該ピックアップローラーにより後述する給紙カセット541(図5(A)参照)に収容された記録紙を天板部20内に設けられた記録紙搬送路に向けて搬送(給紙)する。
【0025】
搬送部54は、天板部20内の記録紙搬送路上の複数箇所に設けられた複数の搬送ローラー対(不図示)を有し、記録紙搬送路上で記録紙を搬送する。
【0026】
画像形成部51は、天板部20内の記録紙搬送路上の予め定められた位置に配設される。画像形成部51は、不図示の感光体ドラム、帯電装置、露光装置、および現像装置等を備え、帯電、露光、現像の工程により、PC300等の外部機器から出力された画像データに基づき、給紙部53から給紙された記録紙に画像を形成する。画像形成部51により画像が記録された記録紙は、搬送部54により搬送されて記録紙排出口43から排出される。
【0027】
画像読取部52は、LED等の発光部(不図示)とCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー等の受光部(不図示)とを有するスキャナーであ
る。画像読取部52は、天板部20内の記録紙搬送路上の予め定められた位置に配設され、記録紙挿入口44から挿入され搬送部54により搬送されてくる記録紙(原稿)を光学的に読み取る。画像読取部52により生成された画像データは、シェーディング補正、ガンマ補正、色収差補正、MTF(Modulation Transfer Function)補正およびスキャナー色補正等の様々な画像処理が施された後に記憶部70に記憶される。
【0028】
記憶部70は、HDD(Hard Disk Drive)等の大容量の記憶装置である。
【0029】
通信部80は、LANチップ等の通信モジュールを備える通信インターフェイスである。通信部80は、無線または有線で接続されたネットワークを介してPC300等の外部機器や後述する管理サーバー200と接続されている。
【0030】
画像形成装置1は、更に、制御ユニット100を備えている。制御ユニット100は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等から構成される。制御ユニット100は、上記のROM又は記憶部70に記憶された制御プログラムが上記のCPUに実行されることにより、受付部101、動作制御部102、通信制御部103、認証部104、および課金制御部105として機能する。なお、制御ユニット100の受付部101、動作制御部102、通信制御部103、認証部104、および課金制御部105は、前述の制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
【0031】
通信制御部103は、通信部80を介して、PC300等の外部機器や管理サーバー200との間でデータの送受信を行う機能を有する。
【0032】
受付部101は、通信制御部103による制御のもとPC300等の外部機器から受信した画像形成に関する指示(画像形成指示)や画像読取に関する指示(画像読取指示)を受け付ける機能を有する。
【0033】
動作制御部102(制御部)は、画像形成部51による画像形成動作や画像読取部52による画像読取動作等を制御する機能を有する。
【0034】
認証部104は、カード読取装置60の読取部62が読み取った識別情報を用いてユーザー認証を行う機能を有する。
【0035】
ここで、管理サーバー200の記憶部212には、予め複数の識別情報が記憶されている。認証部104は、通信制御部103に、記憶部212に記憶された複数の識別情報を管理サーバー200から受信させる。そして、認証部104は、受信した識別情報の中に読取部62が読み取った識別情報と一致するものがあるか否かを判定することでユーザー認証を行う。
【0036】
課金制御部105(制御部)は、画像形成部51が記録紙に画像を形成する場合や画像読取部52が記録紙(原稿)を読み取る場合に、画像を形成する枚数等の画像形成内容や記録紙を読み取る枚数等の画像読取内容に応じた課金情報を生成する機能を有する。課金制御部105は、通信制御部103に、生成した課金情報をカード読取装置60の読取部62が読み取った識別情報とともに管理サーバー200へ送信させる。管理サーバー200の制御ユニット210は、画像形成装置1から送信された上記の課金情報を識別情報に関連付けて記憶部212に記憶させる。
【0037】
続いて、画像形成装置1の使用形態について説明する。図3は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置1の設置場所の一例を示す。画像形成装置1は、喫茶店やファーストフード店等の複数の机と椅子(座席)が設置された施設に設置される。画像形成装置1は、机形状を有し、天板部20の上面30がノート型PCやタブレット端末等の電子機器や記録紙等を載置して各種作業を行う作業面としての役割を果たすことができるため、喫茶店やファーストフード店等に設置されている既存の机の一部を画像形成装置1に替えることで、店内の座席数を減らさずにノマドワーカー等のユーザー(客)に画像形成手段や画像読取手段を提供することができる。また、画像形成装置1は机形状を有するため、画像形成装置1を設置することで喫茶店やファーストフード店等の店内の雰囲気が損なわれ難い。
【0038】
ユーザーは、画像データを出力する作業や原稿を読み取る作業を伴う作業を行う場合、店内の座席のうち画像形成装置1が設けられた座席に座る。図3に示す例では、ユーザーが椅子400に座って、天板部20に載置されたPC300を用いて作業を行っている状態を示している。ユーザーは、PC300を用いて生成・編集した画像データを出力したい場合、無線LANを介して自身が座っている座席の画像形成装置1に画像形成指示を送信する。後述する認証処理および課金処理の後、図4に示すように、送信した画像形成指示に示される画像データの画像が形成された記録紙Pが、記録紙排出口43から排出ガイド部材41に案内されて斜め上方に向けて排出される。記録紙Pが斜め上方に向けて排出されるため、ユーザーは椅子400に座った状態で、記録紙Pを取り出すことができる。なお、記録紙Pが記録紙排出口43から排出される直前に、動作制御部102は、天板部20の上面30の左端部に設けられた発光部32を点滅または点灯させる。これにより、ユーザーに記録紙Pが記録紙排出口43から排出されることを報知することができる。
【0039】
一方、喫茶店やファーストフード店等の店内に専用のスペースを設け、当該専用のスペースに画像形成装置を設置した場合、ユーザーは、自身の座席から画像形成装置が設置された専用のスペースまで出力された記録紙を取りに行く必要がある。このため、ユーザーが記録紙を取りに行っている間に、机に置かれたノート型PCやタブレット端末等が盗難されたり、ノート型PCやタブレット端末等の画面が盗み見されるおそれがある。また、画像形成装置から出力された記録紙が盗難されるおそれもある。喫茶店やファーストフード店等は不特定の人間が入店可能な施設であるため、上記のようにユーザーが取り扱っている情報が漏洩するおそれがあるのでは、店内に画像形成装置を設置してもユーザーが安心して利用することができない。
【0040】
この点、本発明の一実施形態1にかかる画像形成装置1によれば、上記のように、ユーザーは、椅子400に座ったまま、PC300を用いた作業、および、生成・編集した画像データの画像が形成された記録紙Pを取得する作業を完結させることができる。このため、ユーザーが取り扱っている情報が漏洩するおそれが低く、ユーザーが安心して画像形成手段を利用することができる。
【0041】
また、記録紙(原稿)を読み取りたい場合、ユーザーは、無線LANを介して自身が座っている座席の画像形成装置1に画像読取指示を送信する。後述する認証処理および課金処理の後、図4に示すように、ユーザーは記録紙挿入口44に記録紙Pを挿入する。このとき、上面視で挿入ガイド部材42の記録紙挿入口44側とは反対側の端部が視認可能になっているため、ユーザーが椅子400に座った状態で記録紙の挿入先をユーザーが確認しやすく、また、挿入ガイド部材42が外側に向かうにつれて上面30側に傾斜しているため、ユーザーが椅子400に座った状態で上方から記録紙を挿入しやすくなっている。なお、画像形成装置1の受付部101が画像読取指示を受け付け、認証処理および課金処理の後に、動作制御部102は、天板部20の上面30の右端部に設けられた発光部33を点滅または点灯させる。これにより、ユーザーに記録紙Pを記録紙挿入口44に挿入すべきことを報知することができる。
【0042】
このように、画像読取作業においても画像形成作業と同様に、椅子400に座ったまま作業を完結させることができる。このため、ユーザーが取り扱っている情報が漏洩するおそれが低く、ユーザーが安心して画像読取手段を利用することができる。
【0043】
図5(A)は、給紙カセット541に記録紙を補充する作業を示す図である。本図に示すように、天板部20の側面40Aには、引き出し可能な給紙カセット541が設けられている。通常の状態においては、給紙カセット541は不図示のロック機構によりロックされており、側面40Aから引き出すことができなくなっている。
【0044】
記録紙を補充する場合、管理者は、管理者用のカードをカード読取装置60の読取部62上にかざす。これにより、読取部62が管理者用のカードのメモリーに記憶された識別情報を読み取る。管理サーバー200の記憶部212には、予め管理者用の識別情報が記憶されている。認証部104は、通信制御部103に、記憶部212に記憶された管理者用の識別情報を管理サーバー200から受信させる。そして、認証部104は、受信した管理者用の識別情報の中に読取部62が読み取った識別情報と一致するものがあるか否かを判定する。受信した管理者用の識別情報の中に読取部62が読み取った識別情報と一致するものがある場合、動作制御部102は、ロック機構を解除して、給紙カセット541を側面40Aから引き出し可能な状態にする。
【0045】
図5(B)は、トナーコンテナ47にトナーを補充する作業を示す図である。本図に示すように、天板部20の上面30は、開閉可能になっている。上面30が開かれた状態において、トナーコンテナ47が露出して天板部20内から取り外し可能となる。通常の状態においては、天板部20の上面30は不図示のロック機構によりロックされており、開くことができなくなっている。
【0046】
トナーを補充する場合、記録紙を補充する場合と同様に、管理者は、管理者用のカードをカード読取装置60の読取部62上にかざす。認証部104によるユーザー認証が行われ、管理者用の識別情報の中に読取部62が読み取った識別情報と一致するものがある場合、動作制御部102は、ロック機構を解除して、天板部20の上面30を開閉可能な状態にする。
【0047】
記録紙の補充やトナーの補充は、画像形成装置に不可欠な作業である。一般の画像形成装置では、誰でも、筐体の一部を開閉させたり引き出したりして、記録紙の補充やトナーの補充を行うことができる。しかしながら、喫茶店やファーストフード店等の不特定の人間が入店可能な施設に設置する画像形成装置では、管理者等の特定の人間のみが記録紙の補充やトナーの補充を行うことができるのが好ましい。この点、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置1では、後述する課金処理で用いる読取部62を用いて、記録紙の補充やトナーの補充を行うことができる人間を制限することができる。
【0048】
続いて、画像形成装置1の具体的な動作の流れについて説明する。図6は、画像形成装置1の動作の流れを示すフローチャートである。
【0049】
画像形成装置1の受付部101がPC300から送信された画像形成指示を受け付けた場合(ステップS10においてYES)、課金制御部105は、代金を支払うべき旨を報知する処理を行う(ステップS11)。
【0050】
例えば、課金制御部105は、カード読取装置60の発光部61を点灯または点滅させる。これにより、NFCタグが内蔵された会員カードをカード読取装置60の読取部62上にかざして代金の支払いを行うべき旨をユーザーに報知することができる。また、課金制御部105は、通信制御部103に、画像形成指示の送信元であるPC300へ課金情報を送信させてもよい。当該課金情報には、画像を形成する枚数等の画像形成内容に応じた課金額が示されている。課金情報を受信したPC300は、表示部に課金情報に示される課金額を表示させる。これにより、ユーザーは、画像の形成に必要な金額を知ることができる。
【0051】
ステップS11の処理後、認証部104は、カード読取装置60の読取部62が識別情報を読み取ったか否かを判定する(ステップS12)。
【0052】
識別情報の読み取りに成功した場合(ステップS12においてYES)、認証部104はユーザー認証処理を実行する(ステップS13)。すなわち、認証部104は、管理サーバー200から受信した識別情報の中に読取部62が読み取った識別情報と一致するものがあるか否かを判定する。
【0053】
管理サーバー200から受信した識別情報の中に読取部62が読み取った識別情報と一致するものがあり、ユーザー認証に成功した場合(ステップS14においてYES)、課金制御部105は、通信制御部103に、画像を形成する枚数等の画像形成内容に応じた課金額が示された課金情報を読取部62が読み取った識別情報とともに管理サーバー200へ送信させる。
【0054】
管理サーバー200の制御ユニット210は、画像形成装置1から送信された上記の課金情報を識別情報に関連付けて記憶部212に記憶させる。画像形成装置1を設置した店は、管理サーバー200の記憶部212に情報を参照することで、課金情報に示される代金の請求を識別情報で特定されるユーザーに対して行うことができる。
【0055】
ステップS15の後、動作制御部102は、画像形成部51に画像形成指示に示される画像データの画像を記録紙に形成させる画像形成処理を実行する(ステップS16)。
【0056】
一方、識別情報の読み取りに失敗した場合(ステップS12においてNO)、予め定められた時間が経過するまでステップS12の処理を繰り返し行う。そして、予め定められた時間の間に識別情報の読み取りに成功しない場合(ステップS17においてYES)、課金制御部105は、代金の支払いに失敗した旨を報知する処理を行う(ステップS18)。具体的には、課金制御部105は、カード読取装置60の発光部61をステップS11で行った発光形態(点灯または点滅)とは異なる発光形態で発光させる。例えば、課金制御部105は、カード読取装置60の発光部61を赤色発光させる。
【0057】
また、ユーザー認証に失敗した場合(ステップS14においてNO)も同様に、予め定められた時間が経過するまでステップS12の処理を繰り返し行う。そして、予め定められた時間の間に識別情報の読み取りに成功しない場合(ステップS17においてYES)、課金制御部105は、代金の支払いに失敗した旨を報知する処理を行う(ステップS18)。
【0058】
このように、動作制御部102は、認証部104によるユーザー認証が成功し、かつ、当該認証されたユーザーが用いるPC300等の外部機器から送信された画像形成指示を受付部101が受け付けた場合に、画像形成部51に、画像形成指示に示される画像データの画像を記録紙に形成させている。
【0059】
なお、上記のフローチャートでは、画像形成装置1が画像形成指示を受け付けた場合における動作の流れを示しているが、画像形成装置1が画像読取指示を受け付けた場合における動作の流れも基本的には同様の流れとなる。
【0060】
続いて、画像形成装置1の変形例について説明する。画像形成装置1は、上記の実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。
【0061】
図7(A)および図7(B)は、変形例にかかる画像形成装置1の外観を示す図であり、図7(A)は斜視図、図7(B)は上面図である。変形例にかかる画像形成装置1は、天板部20の上面30に、上方から見て記録紙排出口43(図1参照)および排出ガイド部材41を覆う第1の傘部34が設けられている。また、変形例にかかる画像形成装置1は、天板部20の上面30に、上方から見て記録紙挿入口44(図1参照)および挿入ガイド部材42を覆う第2の傘部35が設けられている。
【0062】
画像形成装置1は、喫茶店やファーストフード店等の複数の机と椅子(座席)が設置された施設に設置されるため、天板部20の上面30には飲み物や食べ物が載置されている。このため、飲み物をこぼした場合や食べ物を食い散らかした場合には、記録紙排出口43や記録紙挿入口44に異物が混入するおそれがある。記録紙排出口43や記録紙挿入口44への異物は、画像形成装置1の故障に繋がる。
【0063】
この点、変形例にかかる画像形成装置1では、上記の第1の傘部34および第2の傘部35を設けたため、飲み物をこぼした場合や食べ物を食い散らかした場合であっても、記録紙排出口43や記録紙挿入口44に異物が混入するおそれが低い。
【0064】
また、変形例にかかる画像形成装置では、上記の第1の傘部34および第2の傘部35を、光透過性を有する部材で構成する。これにより、上方から見て
排出ガイド部材41および挿入ガイド部材42が視認可能になっている。このため、記録紙の挿入先および排出先をユーザーが確認し易くなっている。
【符号の説明】
【0065】
1 画像形成装置
10 脚部
11 支柱部
12 台座部
20 天板部
30 上面
34 第1の傘部
35 第2の傘部
41 排出ガイド部材
42 挿入ガイド部材
43 記録紙排出口
44 記録紙挿入口
51 画像形成部
52 画像読取部
53 給紙部
54 搬送部
60 カード読取装置
61 発光部
62 読取部
70 記憶部
80 通信部
100 制御ユニット
101 受付部
102 動作制御部
103 通信制御部
104 認証部
105 課金制御部
200 管理サーバー
210 制御ユニット
212 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7