(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
本実施形態では、順番待ちを管理する施設として病院を例に説明するが、これに限る趣旨ではなく、本発明に係る順番管理システムは、銀行、店舗、役所、レストラン、ショッピングモール、デパートなど、訪れた顧客に対し順番に従って応対するあらゆる施設に適用可能である。
【0016】
(1)実施形態の構成
図1は、本実施形態に係る順番管理システム1の概略構成を示す図である。
順番管理システム1は、病院等の施設を訪れた顧客の順番待ちを管理するシステムである。同図に示すように、順番管理システム1は、新規の順番待ちの入力を受け付ける受付端末100と、順番待ちの受付伝票(番号券)を印刷するプリンタ200と、順番待ち状況(ステータス)を表示すると共にステータスの変更を受け付ける順番管理端末300と、順番待ち状況の一覧を表示する外部表示端末(表示端末)400および外部ディスプレイ450と、順番待ち状況を管理する順番管理サーバ500と、順番の到来した顧客の呼び出しを行う通知端末600とを備える。このうち、受付端末100と、順番管理端末300と、外部表示端末400と、順番管理サーバ500と、通知端末600とは、通信ネットワークNを介して接続される。また、携帯端末700は、施設を訪れた顧客に携帯され、通信ネットワークNに接続される。
【0017】
通信ネットワークNは、受付端末100、順番管理端末300、および順番管理サーバ500の間で相互に情報を送受信可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0018】
ここで、
図1においては、受付端末100、順番管理端末300、外部表示端末400、通知端末600を1台ずつ図示しているが、これに限る趣旨ではなく、これらの機器を複数台ずつ設けて通信ネットワークNに接続してもよい。例えば、1つの病院に受付端末100、順番管理端末300、外部表示端末400、および通知端末600を複数台ずつ設置しても良いし、同じ系列の複数の病院に、これらの機器を1台ずつまたは複数台ずつ設置しても良い。受付端末100、順番管理端末300、外部表示端末400、および通知端末600には、各端末が設置された施設を特定するための識別情報として施設IDが与えられている。また、受付端末100、順番管理端末300および外部表示端末400をそれぞれ別体のものとして構成する代わりに、各々端末のうち任意の機能を1台の端末装置にまとめて構成してもよい。
【0019】
図2は、受付端末100、順番管理端末300、および外部表示端末400の主要構成を示すブロック図である。受付端末100、順番管理端末300、および外部表示端末400は、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)など、通信ネットワークを介して他の通信機器とデータの授受が可能なあらゆる端末装置を利用することができる。本実施形態においては、
図2に示すタブレット端末110に専用のアプリケーションをインストールし、このアプリケーションの実行中における動作モードを切り換えることにより、タブレット端末110を受付端末100、順番管理端末300、または外部表示端末400として使用する。動作モードについては後述する。
【0020】
タブレット端末110は、通信インタフェース120と、信号受発信部130と、入力部140と、表示部150と、記憶部160と、プロセッサ170とを備える。
【0021】
通信インタフェース120は、タブレット端末110を通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークN上の他の端末と通信をするためのハードウェアモジュールである。通信インタフェース120は、例えば、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルモデム、光モデム、ソフトモデム等の変調復調装置である。
【0022】
信号受発信部130は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)などの通信規格に基づき、所定の電波を利用した近距離無線信号(特定の無線信号。以下、ビーコンという)を周囲に発信すると共に、ビーコンに応答して他の機器から発信された信号を受信する。本実施形態において、信号受発信部130は、タブレット端末110から数cm〜数mの範囲内にある携帯端末700、具体的には、タブレット端末110を操作している顧客が携帯する携帯端末700との間でビーコンの発信および信号の受信を行う。
【0023】
入力部140は、各種操作ボタンやタッチパネル141等の入力デバイスであり、新規顧客の順番待ちの受付や、順番待ちのステータスの変更や、順番待ちリストの消込み等の入力操作を受け付ける。
【0024】
表示部150は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、順番待ちを受け付けるための操作画面や、顧客の順番待ちリストや、順番待ち状況の一覧等を表示する。
【0025】
記憶部160は、例えば、物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスである。物理デバイスは、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶部160は、複数の物理デバイスを1つの論理デバイスにマッピングして構築してもよいし、1つの物理デバイスを複数の論理デバイスにマッピングして構築してもよい。
【0026】
記憶部160は、オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、各種データ等を記憶する。ドライバプログラムとしては、例えば、通信インタフェース120を制御するための通信インタフェースドライバプログラム等がある。また、記憶部160は、これら各種プログラムや各種データのほか、プロセッサ170が実行することにより、顧客の順番待ちを管理するための順番管理アプリケーションAP1を記憶している。
【0027】
プロセッサ170は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、記憶部160に格納されている各種プログラムを実行することでタブレット端末110の各部を中枢的に制御する。各種レジスタは、例えば、プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等である。
【0028】
プロセッサ170が順番管理アプリケーションAP1を実行することにより実現される機能部には、施設を訪れた顧客にタブレット端末110を操作させて順番待ちの受付を行うお客様モードを実行するお客様モード実行部171と、施設のスタッフや管理者(以下、これらをまとめてスタッフという)にタブレット端末110を操作させて順番待ちのステータスを管理するスタッフモードを実行するスタッフモード実行部172と、順番待ち状況の一覧を大型の外部ディスプレイに表示させる外部ディスプレイモードを実行する外部ディスプレイモード実行部173と、お客様モードとスタッフモードと外部ディスプレイモードとを切り換えるモード切換部174とがある。
【0029】
図3は、表示部150に表示されるモード切換ウィンドウを例示した図である。
図3に示すように、モード切換ウィンドウM1には、お客様モードを選択するためのボタンm11と、スタッフモードを選択するためのボタンm12と、外部ディスプレイモードを選択するためのボタンm13と、変更内容を決定するための変更ボタンm14と、モード切換ウィンドウM1を閉じるための操作ボタンm15とが設けられている。
【0030】
モード切換操作は、スタッフなどの操作権限を有する者によって行われる。操作権限を有する者が正しい施設IDおよびパスコードをタブレット端末110に入力し、認証に成功すると、モード切換部174は、
図3に示すモード切換ウィンドウM1を表示部150に表示する。操作権限を有する者がタッチパネル141を操作することにより、お客様モードとスタッフモードと外部ディスプレイモードとのいずれかを選択し、モード切換ウィンドウM1を閉じると、選択されたモードが当該タブレット端末110に設定される。
【0031】
<お客様モード>
お客様モードは、現在の待ち時間や待ち人数等の順番待ち状況の概要を表示すると共に、施設を訪れた顧客にタッチパネル141を操作させることで新規の順番待ちの入力を受け付け可能とするモードである。
【0032】
図4は、お客様モード実行部171の主要構成を示すブロック図である。
図4に示すように、お客様モード実行部171は、表示部150に対する表示制御を行う表示制御部171aと、新規の順番待ちの受付を指示する受付指示部171bと、信号受発信部130の動作を制御する信号制御部171cとを有する。
【0033】
図5および
図6は、お客様モード実行部171の制御の下で表示部150に表示される操作画面を例示した図である。
【0034】
図5は、タッチパネル141の操作により新規の順番待ちを受け付ける受付画面M2を示している。受付画面M2は、順番待ちをしている顧客の受付番号が表示される順番待ちリスト表示欄m21と、順番待ちをしている顧客の数(待ち人数)や待ち時間の目安が表示される待ち情報表示欄m22と、受付開始ボタンm23とを含む。
【0035】
図6は、タッチパネル141の操作により顧客に所望の受付項目を選択させる受付項目選択画面M3を示している。受付項目選択画面M3は、受付項目の種類の指定操作を促すメッセージm31と、受付項目の種類指定ボタンm32〜m36とを含む。各種類指定ボタンm32〜m36には、受付項目(新規受付、初診受付、再診受付、人間ドック受付、入院受付等)が表示されている。これらの種類指定ボタンm32〜m36に対し、現在の待ち時間や現在順番待ちをしている人数を受付項目ごとに表示しても良い。
【0036】
なお、いかなる項目を入力対象とするかについては、施設の管理者等の意向に応じて決定すればよい。例えば、受付項目別に受付をせず、顧客が来た順に一律に受付を行う場合には、
図6に示す受付項目選択画面M3の表示を省略しても良い。また、順番管理システム1が適用される施設に応じて、入力項目を追加しても良い。一例として、順番管理システム1を飲食店に適用する場合には、来店者の人数や希望する席のタイプ(テーブル席、カウンター等)を入力させるようにしても良い。
【0037】
表示制御部171aは、順番管理サーバ500から最新の順番待ち状況に関する情報(以下、ステータス情報という)を受信した場合に、このステータス情報に基づき、受付画面M2における順番待ちリストや待ち人数等を更新すると共に、タッチパネル141に対する所定の操作(例えば、受付開始ボタンm23に対するタップ操作)に応じて受付項目選択画面M3を表示部150に表示させる。
【0038】
受付指示部171bは、受付項目選択画面M3の種類指定ボタンm32〜m36のいずれかに所定の操作(例えばタップ操作)がなされた場合に、新規の順番待ちを受け付けた旨を示す受付情報を生成し、通信ネットワークNを介して順番管理サーバ500に送信する。また、受付指示部171bは、順番待ちの番号が記載された受付伝票(番号表)をプリンタ200に出力させる。受付情報には、順番待ちをする顧客に与えられる識別情報や、受付時刻や、受付項目や、後述する顧客の携帯端末700の識別情報(携帯端末ID)等が含まれる。
【0039】
ここで、順番待ちをする顧客に与えられる識別情報としては、例えば、数字によって表される受付番号、アルファベットや仮名等の符号、数字とアルファベットもしくは仮名の組み合わせ、または顧客に入力させた特定の語(例えば姓)等を用いることができる。受付番号を用いる場合には、必ずしも昇順の連番にする必要はなく、ランダムの番号であっても良いし、受付項目別の連番としても良い。以下においては、順番待ちをする顧客に与えられる識別情報として受付番号を用いる場合を説明する。
【0040】
信号制御部171cは、信号受発信部130に対し、ビーコンを発信させると共に、携帯端末700から発信された信号を受信させる制御を行う。詳細には、信号制御部171cは、受付画面M2の受付開始ボタンm23に対する操作をトリガーとして、信号受発信部130にビーコンを発信させる。このビーコンには、携帯端末700に専用のアプリケーションが実装されている場合に、当該携帯端末700に対して携帯端末700に予め登録されている携帯端末IDを要求する指示情報が重畳されている。また、信号制御部171cは、信号受発信部130が携帯端末700から信号を受信した際に、このビーコンに重畳されている携帯端末IDを取得し、取得された携帯端末IDを受付情報と共に通信ネットワークNを介して順番管理サーバ500に送信する。この際、ビーコンに応答して、複数の携帯端末700のそれぞれから発信された複数の信号を信号受発信部130が受信した場合、信号制御部171cは、例えば、信号強度が第1の閾値(例えば−60dB等)より大きく(すなわち、携帯端末700が受付端末100の近傍にあり)、かつ、信号強度が最も強い信号を選択的に受信させる。
【0041】
<スタッフモード>
スタッフモードは、各受付番号の順番待ちのステータスを表示すると共に、施設のスタッフにタッチパネル141を操作させることで順番待ちのステータスの変更を受け付けるモードである。
【0042】
図7は、スタッフモードにおいて表示部150に表示される操作画面を例示した図であり、タッチパネル141の操作により順番待ちのステータスの変更を受け付けるステータス操作画面M4を示している。ステータス操作画面M4は、受付端末100が発行した受付番号ごとに順番待ちリストが表示されるリスト表示欄m41を含む。
【0043】
リスト表示欄m41の各行m42には、受付番号と、受付項目と、受付時刻と、現在のステータスとが表示されている。これらの行m42は、受付項目によらず受付時刻順に並べて表示しても良いし、受付項目別に受付時刻順に並べて表示しても良い。行m42の配列は、ステータス操作画面M4に対する操作により適宜変更できるようにしても良い。
【0044】
本実施形態においては、順番待ちのステータスを変更するための操作ボタン群m43が、所定の操作により各行m42に表示されるようになっている。操作ボタン群m43を表示させるための操作としては、例えば、ステータスの変更対象とする行を右から左へとスワイプする操作が挙げられる。なお、
図7は、受付番号「223」の行m42に対して操作ボタン群m43を表示させた状態を示している。
【0045】
操作ボタン群m43のうち、「取消」は、順番待ちをキャンセルする際に操作される。「変更」は、いったん入力された順番待ちの詳細(受付項目など)を変更する際に操作される。「呼出」は、順番が到来して顧客を呼び出す際に操作される。「案内」は、顧客をサービス提供(例えば診察)のために案内する際に操作される。なお、変更操作は、「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」に限定する趣旨ではなく、施設の業務形態等に応じて、管理者等が適宜設定および変更することが可能である。
【0046】
スタッフモード実行部172は、最新のステータス情報を順番管理サーバ500から受信した場合に、受信したステータス情報に基づいて、ステータス操作画面M4に表示されている順番待ちリストを更新する。
【0047】
また、スタッフモード実行部172は、ステータス操作画面M4の操作ボタン群m43のいずれかに対して所定の操作(例えばタップ操作)がなされた場合に、操作に応じたステータス変更情報を生成し、通信ネットワークNを介して順番管理サーバ500に送信する。
【0048】
<外部ディスプレイモード>
外部ディスプレイモードは、施設内に設置されている大型ディスプレイなどに順番待ち状況を表示するためのモードである。外部ディスプレイモードで利用する場合には、タブレット端末110を、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイなどの外部ディスプレイ450にケーブルで接続して利用する。外部ディスプレイモードでは、順番待ちリストに基づき、順番待ち状況の一覧が画面に大きく表示される。
図8は、外部ディスプレイ450における順番待ち状況の表示画面M5を例示した図である。
図8に示す表示画面M5は、受付項目ごとに表示領域が分かれている。各表示領域は、受付項目表示欄m51と、顧客の順番の到来を表す情報として呼出中の受付番号が表示される呼出番号表示欄m52と、まだ順番が到来していない受付番号が表示される待ち番号表示欄m53とを含む。順番待ちをする顧客は、このような表示画面M5で自分の受付番号を確認することにより、順番待ちのステータスやおおよその待ち時間等を把握することが可能となる。
【0049】
本実施形態においては、タブレット端末110に順番管理アプリケーションAP1を実装し、お客様モードに設定したタブレット端末110を受付端末100として使用し、スタッフモードに設定したタブレット端末110を順番管理端末300として使用し、外部ディスプレイモードに設定したタブレット端末110を外部表示端末400として使用する。受付端末100として使用するタブレット端末110と、順番管理端末300として使用するタブレット端末110と、外部表示端末400として使用するタブレット端末110とは同じ機種であっても良いし、異なる機種であっても良い。
【0050】
受付端末100には、有線ケーブルまたは無線によってプリンタ200が接続されている。プリンタ200は、受付端末100に対する操作に応じて、順番待ちの受付伝票(番号券)などを発券する。施設によっては、受付伝票の他、クーポンなどを発券しても良い。
【0051】
図9は、順番管理サーバ500の主要構成を示すブロック図である。順番管理サーバ500は、例えば、演算処理能力の高いコンピュータによって構成され、所定のプログラムを実行することにより、受付端末100および順番管理端末300と連携して順番待ちを管理するサーバ機能を実現するものである。ここで、順番管理サーバ500を構成するコンピュータは、必ずしも1台である必要はなく、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。
【0052】
図9に示すように、順番管理サーバ500は、通信インタフェース510と、記憶部520と、プロセッサ530とを備える。
【0053】
通信インタフェース510は、通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークN上の他の端末と通信をするためのハードウェアモジュールである。通信インタフェース510は、例えば、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルモデム、光モデム、ソフトモデム等の変調復調装置である。
【0054】
記憶部520は、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からなる物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスである。記憶部520は、複数の物理デバイスを1つの論理デバイスにマッピングして構築してもよいし、1つの物理デバイスを複数の論理デバイスにマッピングして構築してもよい。記憶部520は、オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラムを含む各種プログラムおよびこれらのプログラムの実行中に使用される各種データを格納する。具体的には、記憶部520は、プロセッサ530に実行させる順番管理プログラムAP2と、このプログラムの実行中に使用される管理データベースDB1とを記憶している。
【0055】
管理データベースDB1は、施設ごとに受付端末100および順番管理端末300を管理するためのデータベースであり、クライアント管理テーブルTA1およびステータス管理テーブルTA2を含む。
【0056】
クライアント管理テーブルTA1には、施設ごとに固有のIDとパスコード(アカウント)が対応づけて登録されている。例えば、複数の系列病院が存在する場合、「病院A」で利用される受付端末100および順番管理端末300に対して「ID:A1・・・」、「パスコード:AA2・・・」が設定されている。施設ごとのIDおよびパスコードは、例えば、システム導入の際に各施設で順番待ちの管理を行う管理者によって設定される。1つの施設で受付端末100および順番管理端末300を複数台ずつ利用する場合には、同一のIDとパスコードを利用しても良いが、例えば所定の条件に従い、複数のIDとパスワードを使い分けるようにしても良い。
【0057】
ステータス管理テーブルTA2には、受付端末100が発行した受付番号の一覧と、各受付番号の順番待ちのステータスとを含む順番待ちリストが、施設ごとに格納されている。各順番待ちリストにおいては、受付端末100から送信される受付情報に基づいて新たな順番待ちの受付番号が登録されると共に、順番管理端末300から送信されるステータス変更情報に基づいて各受付番号の順番待ちのステータスが更新される。また、ステータス管理テーブルTA2においては、受付端末100から受付情報と共に送信された携帯端末IDが受付番号に関連付けられて格納されている。
【0058】
ここで、順番待ちのステータスには、「未呼出」と、「呼出」と、「案内済」とがある。「未呼出」は順番が到来していない状態である。「呼出」は順番が到来して呼び出しを行っている状態である。「案内済」はサービス提供のため顧客を案内し終えた状態である。なお、どのようなステータスを設定するかについては、各施設の管理者等が適宜設定し、あるいは変更することができる。
【0059】
プロセッサ530は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、記憶部520に格納されている各種プログラムを実行することにより順番管理サーバ500の各部を中枢的に制御する。また、プロセッサ530は、順番管理プログラムAP2を実行することにより、受付端末100および順番管理端末300と連携して、以下に説明する順番管理部531の機能を実現する。
【0060】
順番管理部531は、受付端末100から受付情報を受信した際、または順番管理端末300からステータス変更情報を受信した際に、受信した受付情報またはステータス変更情報に従ってステータス管理テーブルTA2を更新する。また、順番管理部531は、更新したステータス管理テーブルTA2に基づく最新のステータス情報を受付端末100、順番管理端末300、外部表示端末400、および通知端末600に送信することにより、各端末が格納する順番待ちリストを更新させる。なお、どのような情報をステータス情報に含めるかについては、各施設の管理者等が適宜設定および変更することができる。
【0061】
再び
図1を参照すると、通知端末600は、順番が到来した顧客、即ち、ステータスが「呼出」となった受付番号の顧客に向けて、順番が到来した旨を通知する通知手段である。本実施形態においては通知端末600として、演算処理能力の高いコンピュータに機械的な移動機構を組み合わせた自走可能なロボットを用いている。
【0062】
図10は、通知端末600の概略構成を示すブロック図である。
図10に示すように、通知端末600は、通信ネットワークNに接続して通信ネットワークN上の他の機器と通信をするための通信インタフェース610と、信号受発信部620と、音声発生部630と、表示部640と、駆動部650と、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAM等)などの記憶部660と、プロセッサ670とを備える。
【0063】
信号受発信部620は、BLEなどの通信規格に基づき、特定の無線信号(ビーコン)を周囲に発信すると共に、他の機器から発信された信号を受信する。本実施形態において、信号受発信部620は、通知端末600から所定の範囲内にある携帯端末700との間でビーコンの発信および信号の受信を行う。
【0064】
音声発生部630は、音声の合成機能およびスピーカーを有し、プロセッサ670の制御の下で所定のメッセージを読み上げる。
【0065】
表示部640は、例えば液晶ディスプレイであり、プロセッサ670の制御の下で施設の案内や順番待ち状況等を表示する。
【0066】
駆動部650は、通知端末600を自走させる移動機構である。本実施形態においては、2つの車輪およびこれらの車輪を回転させるモータを用いて駆動部650を構成する。なお、移動機構の構成はこれに限定されない。例えば3つ以上の車輪や複数の軸回りに回転可能な球体を用いて移動機構を構成しても良いし、キャタピラーや2足歩行方式の移動機構を用いても良い。
【0067】
記憶部660は、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からなる物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスであり、オペレーティングシステムプログラムおよびドライバプログラム等を含む各種プログラム、ならびにこれらのプログラムの実行中に使用される各種データを格納する。具体的には、記憶部660は、プロセッサ670に実行させるプログラムとして、通知制御プログラムAP3と、駆動部650を制御するための移動制御プログラムAP4と、順番待ちリストが格納されたテーブルTA3とを記憶している。このテーブル(順番待ちリスト)TA3には、受付番号ならびに該受付番号の受付項目、順番待ちのステータス、および該受付番号に関連づけられた携帯端末ID等の情報が、例えば受付時刻順にリスト化されて格納されている。
【0068】
プロセッサ670は、記憶部660に格納されている各種プログラムを実行することにより通知端末600の各部を中枢的に制御する。プロセッサ670が通知制御プログラムAP3を実行することにより実現される機能部には、信号制御部671と、ID照会部672と、通知制御部673と、駆動制御部674とが含まれる。
【0069】
信号制御部671は、信号受発信部620に対し、ビーコンを発信させると共に、携帯端末700から発信された信号を受信させる制御を行い、さらに、受信した信号から、そこに重畳された携帯端末700の携帯端末IDを取得する。
【0070】
ID照会部672は、受信信号から取得された携帯端末IDが、ステータスが「呼出」となった受付番号(以下、呼出中の受付番号ともいう)に関連づけられた携帯端末IDと一致するか否かを照会する。
【0071】
通知制御部673は、受信信号から取得された携帯端末IDと呼出中の受付番号に関連づけられた携帯端末IDとが一致する場合に、音声発生部630に対し、ステータスが「呼出」になった当該受付番号を音声により通知させる制御を行う。また、通知制御部673は、表示部640に対して当該受付番号を文字情報により通知させる制御を行っても良い。
【0072】
駆動制御部674は、予めプログラムされたルートで通知端末600を移動させると共に、呼出中の受付番号に関連づけられた携帯端末IDと一致する携帯端末IDが受信信号から取得された場合には、この受信信号を発生した携帯端末700の方向に通知端末600を移動させる制御を行うことができる。
【0073】
携帯端末700は、顧客が携帯している携帯端末であり、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)など、あらゆる端末装置を利用することができる。本実施形態において、携帯端末700は、受付端末100との間でビーコンの受信および信号の発信が可能であるものとする。携帯端末700は、プロセッサ、各種操作ボタンやタッチパネルなどの入力装置、液晶ディスプレイなどの表示装置、通信ネットワークNに接続するための通信インタフェース、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)などの記憶資源を備えている。
【0074】
記憶資源には、オペレーティングシステムプログラム、通信インタフェースドライバプログラム、各種データの他、当該携帯端末700自体を識別するための識別情報として携帯端末IDが格納されている。また、記憶資源には、プロセッサが実行することにより、受付端末100と連携して順番管理サービスを利用するための専用アプリケーションが記憶されている。
【0075】
順番管理サービスを利用するための専用アプリケーションは、携帯端末700に対し、受付端末100および通知端末600が発信するビーコンを受信可能な設定にすると共に、受付端末100または通知端末600からビーコンを受信した場合に、自身に登録されている携帯端末IDを重畳した信号を発信する機能を実行させる。
【0076】
(2)実施形態の動作
次に、順番管理システム1の動作を説明する。
図11は、順番管理システム1の動作を示すシーケンス図である。以下においては、順番管理システム1が病院に適用されるものとして説明する。
【0077】
顧客は、病院を訪れるとまず、受付端末100に表示された画面を見て所定の入力操作を行う。具体的には、受付画面M2(
図5参照)の受付開始ボタンm23をタップし、続いて表示される受付項目選択画面M3(
図6参照)において所望の受付項目を示す種類指定ボタンm32〜m36をタップする。この際、顧客に代わって、病院の案内スタッフが受付端末100を操作しても良い。
【0078】
受付端末100は、タッチパネル141に対する入力操作を検知すると(ステップS100:Yes)、ビーコンを発信する(ステップS101)。顧客の携帯端末700は、受付端末100から発信されたビーコンを受信すると、自身の携帯端末IDを重畳した信号を発信する。受付端末100は、顧客の携帯端末700から発信された信号を受信し、該受信信号から携帯端末IDを取得する(ステップS102)。
【0079】
また、受付端末100は、新規の順番待ちの受付番号を発行すると共に、この受付番号および携帯端末IDを含む受付情報を生成し、通信ネットワークNを介して順番管理サーバ500に送信する(ステップS103)。
【0080】
さらに、受付端末100は、番号券を発行してプリンタ200に出力させる(ステップS104)。この際、受付端末100は、
図12に例示する受付完了画面M6を表示し、メッセージm61により受付番号とおおよその待ち時間を顧客に通知したり、発券された番号券の使用方法を案内したりしても良い。例えば、顧客は、番号券に印刷された二次元コードを携帯端末700で読み取ることにより、呼出状況の確認サービスや、メールまたは電話での呼出サービスを受けることができる。この場合、携帯端末700は、自身に登録されている電話番号やメールアドレス等の情報を、受付番号と共に通信ネットワークNを介して順番管理サーバ500に送信する。
【0081】
順番管理サーバ500は、受付端末100から受付情報を受信すると(ステップS200:Yes)、受信した受付情報に基づいてステータス管理テーブルTA2を更新する(ステップS201)。具体的には、新規の順番待ちを登録する。
【0082】
続いて、順番管理サーバ500は、更新したステータス管理テーブルTA2に基づいて、最新のステータス情報を受付端末100、順番管理端末300、外部表示端末400、および通知端末600の各端末に送信する(ステップS202)。
【0083】
ここで、順番管理サーバ500は、ステータス管理テーブルTA2を更新するたびに、ステータス情報を上記各端末に送信しても良いし、ステータス管理テーブルTA2を更新したか否かにかかわらず、所定の時間間隔でステータス情報を上記各端末に送信しても良い。あるいは、順番管理サーバ500は、上記各端末から要求が来たときのみ、ステータス情報を送信するようにしても良い。この場合、上記各端末は、所定の時間間隔で順番管理サーバ500にステータス情報を要求するように設定される。
【0084】
一方、順番管理サーバ500が受付端末100から受付情報を受信しない場合(ステップS200:No)、順番管理サーバ500の動作はそのままステップS203に移行する。
【0085】
受付端末100は、順番管理サーバ500から最新のステータス情報を受信すると(ステップS105:Yes)、受信したステータス情報に基づいて受付画面M2(
図5参照)を更新表示する(ステップS106)。また、外部表示端末400も順番管理サーバ500から最新のステータス情報を受信して、順番待ち状況の表示画面M5(
図8参照)を更新表示する。
【0086】
一方、受付端末100が順番管理サーバ500から最新のステータス情報を受信しない場合(ステップS105:No)、受付端末100の動作はそのままステップS107に移行する。
【0087】
順番管理端末300は、順番管理サーバ500から最新のステータス情報を受信すると(ステップS300:Yes)、受信したステータス情報に基づいてステータス操作画面M4(
図7参照)の順番待ちリストを更新表示する(ステップS301)一方、順番管理端末300が最新のステータス情報を受信しない場合(ステップS300:No)、順番管理端末300の動作はそのままステップS302に移行する。
【0088】
病院のスタッフは、順番待ちのステータスを変更する場合、順番管理端末300に表示されたステータス操作画面M4においてステータス変更操作を行う。具体的には、順番待ちリストの先頭の行(
図7においては受付番号「223」の行)をスワイプして操作ボタン群m43を表示させ、所望の操作ボタン(取消、変更、呼出、案内のいずれか)をタップすることでステータスの変更操作を行う。
【0089】
順番管理端末300は、ステータス変更操作を検知すると(ステップS302:Yes)、このステータス変更操作に応じたステータス変更情報を生成し、通信ネットワークNを介して順番管理サーバ500に送信する(ステップS303)。
【0090】
一方、順番管理端末300がステータス変更操作を検知しない場合(ステップS302:No)、順番管理端末300の動作はそのままステップS304に移行する。
【0091】
順番管理サーバ500は、順番管理端末300からステータス変更情報を受信すると(ステップS203:Yes)、受信したステータス変更情報に基づいてステータス管理テーブルTA2を更新する(ステップS204)。この際、順番管理サーバ500は、受信したステータス変更情報が、ある受付番号の順番待ちのステータスを「呼出」に変更する情報であった場合、当該受付番号に関連付けられたメールアドレスや電話番号に向けて呼出メールを送ったり電話をかけたりして呼び出しを行っても良い。
【0092】
続いて、順番管理サーバ500は、更新したステータス管理テーブルTA2に基づいて、最新のステータス情報を受付端末100、順番管理端末300、外部表示端末400、および通知端末600の各端末に送信する(ステップS205)。順番管理サーバ500は、ステータス管理テーブルTA2を更新するたびにステータス情報をこれらの各端末に送信しても良いし、所定の時間間隔で、あるいはこれらの各端末からの要求に応じて、ステータス情報をこれらの各端末に送信しても良い。上述したとおり、受付端末100、順番管理端末300、外部表示端末400及び外部ディスプレイ450は、受信したステータス情報に基づいて表示画面を更新し、最新の順番待ち状況を表示させる。
【0093】
一方、順番管理サーバ500が順番管理端末300からステータス変更情報を受信しない場合(ステップS203:No)、順番管理サーバ500の動作はそのままステップS206に移行する。
【0094】
通知端末600は、順番管理サーバ500から最新のステータス情報を受信すると(ステップS400:Yes)、受信したステータス情報に基づいて順番待ちリストを更新する(ステップS401)。一方、通知端末600が最新のステータス情報を受信しない場合(ステップS400:No)、通知端末600の動作はそのままステップS407に移行する。
【0095】
通知端末600は、受信したステータス情報が、ある受付番号のステータスを「呼出」に変更するものであった場合(ステップS402:Yes)、ビーコンを発信する(ステップS403)。通知端末600の近傍に位置する携帯端末700は、通知端末600から発信されたビーコンを受信すると、自身の携帯端末IDを重畳した信号を発信する。通知端末600は、近傍の携帯端末700から発信された信号を受信し、該受信信号から携帯端末IDを取得する(ステップS404)。一方、受信したステータス情報がステータスを「呼出」に変更するものでなかった場合(ステップS402:No)、通知端末600の動作はそのままステップS407に移行する。
【0096】
通知端末600は、受信信号から取得した携帯端末IDが、呼出中の受付番号に関連づけられた携帯端末IDと一致するか否かを判定する(ステップS405)。ここで、通知端末600は、ステップS404において複数の受信信号から複数の携帯端末IDをそれぞれ取得した場合には、各携帯端末IDについて判定を行う。
【0097】
受信信号から取得した携帯端末IDが、呼出中の受付番号に関連づけられた携帯端末IDと一致する場合(ステップS405:Yes)、通知端末600は、当該受付番号の呼び出しを行う(ステップS406)。具体的には、
図13に示すように、「受付番号〇○○番のお客様、お待たせしました。」といったメッセージを音声で読み上げる。併せて、同様のメッセージを表示部640に文字で表示しても良い。
【0098】
この際、通知端末600は、受信信号の信号強度に基づき、呼出中の受付番号に関連づけられた携帯端末IDに対して携帯端末IDが一致する携帯端末700が、通知端末600から離れた場所に位置していると判断される場合、当該携帯端末700の近くに移動した上で呼び出しを行っても良い。つまり、通知端末600は、当該携帯端末700が発信するビーコンの信号強度が所定値未満の状態では呼び出しを行わず、受信信号の発信方向を頼りに移動し、受信信号の信号強度が所定値以上となった段階で呼び出しを行うこととしても良い。
【0099】
一方、受信信号から取得した携帯端末IDが、呼出中の受付番号に関連づけられた携帯端末IDと一致しない場合(ステップS405:No)、通知端末600の動作はそのままステップS407に移行する。また、通知端末600がビーコンを発信したものの、携帯端末700が発信した信号を受信できなかった場合や、受信した信号の信号強度が所定の閾値未満である場合にも、通知端末600の動作はステップS407に移行する。
【0100】
その後、順番管理システム1が動作を継続する場合(ステップS107、S206、S304、S407:No)、受付端末100、順番管理端末300、順番管理サーバ500、および通知端末600の動作はステップS100、S200、S300、S400にそれぞれ戻る。一方、順番管理システム1が動作を終了する場合(例えば、1日の業務を終了する場合、ステップS107、S206、S304、S407:Yes)、受付端末100、順番管理端末300、順番管理サーバ500、および通知端末600の動作は終了する。
【0101】
以上説明したように、本実施形態によれば、自走可能な通知端末600を順番管理システム1に組み込み、ビーコンを用いて取得された携帯端末IDと呼出中の受付番号に関連づけられた携帯端末IDとを対比することにより、順番が到来した顧客の携帯端末700が通知端末600の近傍に位置しているか否かを判定し、近傍に位置している場合に当該受付番号を読み上げるので、顧客は自分が呼び出されたことを容易に認識することができる。また、本実施形態によれば、通知端末600を自走させるので、顧客の注意を引きやすくなるという効果も得られる。従って、順番が到来した顧客をスムーズに案内することができ、その後に続く顧客の待ち時間を低減することも可能となる。
【0102】
変形例
図14は、本実施形態の変形例に係る順番管理システムの概略構成を示す図である。
図14に示すように、本変形例に係る順番管理システム2は、
図1に示す通知端末600の代わりに通知システム800を備える。通知システム800は、複数の通知手段、すなわち、通知端末801、802、803、…を含む。
【0103】
複数の通知端末801、802、803、…は、施設内の複数箇所にそれぞれ設置されている。各通知端末801、802、803、…は、
図10に示す通知端末600と同様に、通信ネットワークNとの間で情報を送受信する通信インタフェースと、携帯端末700との間でビーコンおよびその応答信号の受発信を行う信号受発信部と、音声の合成機能およびスピーカーを含む音声発生部と、プロセッサとを備える。
【0104】
本変形例においては、順番管理サーバ500が、ある受付番号のステータスを「呼出」に変更するステータス情報を受信すると(
図11のステップS203参照)、当該受付番号に関連づけられた携帯端末IDを各通知端末801、802、803、…に送信する。これに応じて、各通知端末801、802、803、…はビーコンを送信し、近傍に位置する携帯端末700が発信した信号を受信して該受信信号から携帯端末IDを取得する。そして、順番管理サーバ500から受信した携帯端末IDと一致する携帯端末IDを取得した通知端末が、当該受付番号を含む呼び出しの音声メッセージを発生する。複数の通知端末が携帯端末700の携帯端末IDを取得したときは、携帯端末700から受信した信号の信号強度が最大である通知端末から音声メッセージを発生することにより、顧客に最も近い場所に位置する通知端末から、音声メッセージを発生する。
【0105】
なお、本変形例においても、各通知端末801、802、803、…は、携帯端末700から受信した信号から取得した携帯端末IDが順番管理サーバ500から受信した携帯端末IDと一致する場合であっても、受信したビーコンの信号強度が所定値以上の場合にのみ音声メッセージを発生することとしても良い。
【0106】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述の各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で処理ステップの一部を省略したり、各処理ステップの順番を任意に変更して又は並列に実行することができる。
【0107】
例えば、上記した実施形態においては、通知端末600ないし通知端末801、802、803、…(以下、これらを総称して「通知端末600」という。)は、順番管理サーバ500から最新のスタータス情報を受信し、受信したステータス情報が、ある受付番号のステータスを「呼出」に変更するものであった場合にビーコンを発信するものとしたが、これに限られず、通知端末600は、順番管理サーバ500からステータス情報の代わりに、呼出を要する顧客の携帯端末IDを受信するものとしてもよい。このとき、通知端末600は、順番管理サーバ500から携帯端末IDを受信した場合にビーコンを発信する。
【0108】
また、
図1においては、受付端末100と通知端末600を異なる場所に設置するものとして図示したが、これに限られず、通知端末600の胸部等に受付端末100を設置するなどして、受付端末100と通知端末600を一体のものとして構成してもよい。
【0109】
さらに、上記した実施形態においては、順番待ちの受付時に、ビーコンを用いて顧客の携帯端末IDを取得するものとしたが、携帯端末IDの取得を取得するタイミング及び手法はこれに限られない。例えば、上述のとおり、順番待ちの受付時に出力される番号券に印刷された二次元コードを用いて、電話番号やメールアドレス等の情報を順番管理サーバ500に登録できるようになっている場合、顧客が携帯端末700に当該二次元コードを読み込ませて順番待ちに関する所定のウェブページにアクセスしたときに、順番管理サーバ500は携帯端末700の携帯端末IDを取得してもよい。
【0110】
なお、顧客は、受付端末100を用いて順番待ちの受付をするものとしたが、これに限られず、順番管理サーバ500が提供ないし管理する所定のウェブサイトにアクセスして、当該ウェブサイト経由で順番待ちの登録をしてもよい。このとき、順番管理サーバ500は、順番待ちのリクエストとともに、携帯端末700の携帯端末IDを取得してもよい。
【0111】
また、上記した実施形態においては、ビーコンを用いて、顧客の携帯端末700が通知端末600の近傍に位置するか否かを判断するものとしたが、他の手法を用いて顧客の携帯端末700が通知端末600の近傍に位置するか否かを判断してもよい。例えば、携帯端末700と通知端末600がそれぞれ位置を計測する手段を備えている場合には、各々の位置情報に基づいて両者の距離を算出し、距離が所定の閾値未満であるか否かによって、両者が近傍に位置するか否かを判断してもよい。携帯端末700及び通知端末600の位置情報は、GPS(Global Positioning System)、その他任意の位置計測手段により計測された位置情報を用いることができる。なお、位置情報を用いる場合、通知端末600が携帯端末700の位置情報を取得して、両者の距離を算出してもよいし、順番管理サーバ500が携帯端末700の位置情報及び通知端末600の位置情報を収集して、両者の距離を算出してもよい。
【解決手段】顧客の順番待ちを管理する順番管理システムであって、顧客から順番待ちの入力操作を受け付ける受付端末と、施設における順番待ち状況に対する変更操作を受け付ける順番管理端末と、施設における顧客の順番待ち状況を表示する表示端末と、受付端末、順番管理端末および表示端末の各々と通信ネットワークを介して接続され、受付端末が受け付けた入力操作と、順番管理端末が受け付けた変更操作とに基づいて、施設における順番待ち状況を管理し、表示端末に順番待ち状況を表示させる順番管理サーバと、順番管理サーバと通信ネットワークを介して接続される通知手段を備える。通知手段は、順番が到来した顧客の携帯端末が、当該通知手段から所定の範囲内にあるとき、顧客の順番が到来した旨を音声で通知する。