特許第6055974号(P6055974)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6055974-粒状物の排出器 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6055974
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】粒状物の排出器
(51)【国際特許分類】
   A01C 7/02 20060101AFI20161226BHJP
【FI】
   A01C7/02 A
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-99320(P2015-99320)
(22)【出願日】2015年5月14日
(65)【公開番号】特開2016-214090(P2016-214090A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2015年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】303008080
【氏名又は名称】渡邉 興平
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 興平
【審査官】 中澤 真吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−283035(JP,A)
【文献】 特開2010−268744(JP,A)
【文献】 特開2012−170451(JP,A)
【文献】 特開昭55−68204(JP,A)
【文献】 特開2004−49150(JP,A)
【文献】 特開2008−136444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C7/00−9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
種子ホッパーの中に入れた種子が本体フレーム上板、本体フレーム中板、本体フレーム下板を3枚重ねにした本体フレームの上板の孔から、本体フレーム中板の幅の中央部に嵌め込まれて且つ、摺動可能な種子押し出し棒が常時スプリングで押し出された初期の位置で待機する孔に落下して、その孔の容積により小粒な種子の大きさや数量が決まり、次に前期押し出し棒を所定の位置まで押し込むことにより前進端で、本体フレーム下板の中央部の孔の下部の出口パイプから下方に種子が落下する種まき器の装置で、本体フレーム中板の形状はボルトを緩めた本体フレーム上板と本体フレーム下板の隙間から、スライドさせて出し入れできる形状を特徴とする排出器
【請求項2】
種子ホッパーと本体フレーム上板、本体フレーム中板、本体フレーム下板外を透明な部材としたことを特徴とする請求項1に記載の排出器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として小粒な粒状物から大粒な粒状物まで定量ずつ排出できる器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
野菜や草花の種は、一カ所に2〜3粒ずつ蒔き生育の良いものを残して間引くことが一般的である。そのため袋などに入っている粒状で極小の種子を掴み取り、定量を取り出して蒔くことが普通である。
【0003】
しかし、小粒な種子は指の間などにはまり込んだり、ピンセットでつまむにも一苦労であり、手のひらに載せれば隙間から落下したりして、定量を所定の位置に落として行くには熟練を要し、初めて作業をする人にとっては困難な作業である。そのために特開2004-283035号公報の図1図2のような種まき器が考案された。種子ホッパー2の中に入れた種子が、本体フレーム上板4、本体フレーム中板5、本体フレーム下板6を3枚重ねにした本体フレームの上板の孔から、本体フレーム中板の幅の中央部に嵌め込まれて且つ、摺動可能な種子押し棒7が常時スプリングで押し出された初期の位置で待機する孔10に落下して、その孔の容積により小粒な種子の大きさや数量が決まり、次に前記押し出し棒を所定の位置まで押し込むことにより前進端で、下板の中央部の孔11の下部の出口パイプから下方に種子が落下する種まき器が考案された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-283035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開2004-283035号公報の図1図2のような種まき器が考えられたが、本体フレームの上板4・本体フレームの中板5・本体フレームの下板6の3枚重ねの板が合体していると、同じ大きさの種子のみの播種にしか利用ができなかった。種子にはいろいろな大きさの種子があり、短時間に交換して播種できる器具が求められた。
【0006】
また、種まき以外に、ケーキ作り等のトッピングに使う小さな粒状のお菓子から大きい粒状のお菓子にも対応できる器具が求められた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、このような課題を解決すべく図3・4に示しているように本体フレーム4、本体フレーム中板5-A、本体フレーム下板6を3枚重ねにした本体フレーム中板5-Aを、厚みの違う中板と同じ厚みで孔の大きさの違う押し出し棒7-Aに同時に交換して対応できるように改良した点にある。
【0008】
また、ナットを緩め本体フレーム中板5-Aを交換する時に、孔の中や周囲を掃除することもできるようにした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、厚みの違う本体フレーム中板と厚みが本体フレームと同じで孔の大きさの違う押し出し棒に同時に交換することによって、短時間に多種類の粒状の物を排出するのに対応でき、利便性が増す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来の種まき器の全体斜視図
図2図1に示す種まき器の分解図
図3】本発明に基づく種まき器の全体斜視図
図4図3に示す種まき器の分解図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、家庭菜園等で行う、いろいろな大きさの少量の粒状種子の播種作業に利用できる、軽くて、ハンディタイプの種まき器に関する。
【0012】
家庭菜園等で行われる自家用消費のために播種される野菜や花の種子をまくとき、タネ袋から指やピンセットで取り出して播種することが一般的に行われている。しかし、小さな粒状種子等は、指やピンセットで一粒をつまむのに器用さが要求され、意図した場所へ播種することは、難解な作業であった。
【0013】
一方、小規模農家等においては、播種器を用いたりハンドタイプの器具を用いたりして効率的に播種作業が行われているが、家庭菜園での狭い範囲での作業には高価であるため、わずかな面積での家庭栽培づくりで利用するには不向きであった。
【0014】
また、小さな粒状種子とは言っても1mmぐらいから2ミリ、3ミリ等といろいろな大きさがあり、変化する大きさに対応するには、特開2004-283035号公報の図1図2のような種まき器では、無理であった。
【0015】
このような課題を解決すべく特開2004-283035号公報の図1図2のような種まき器の改良点として次のような考案をした。
【0016】
この器具を透明なアクリルや樹脂などで成型し、種子の流れている様子を外から観察しながら播種できるようにする。
【0017】
また、大きさの違う種子やお菓子等のトッピングにも利用出来る様にするため、本体フレームの上板4・本体フレームの中板5−A・本体フレームの下板6の3枚重ねにしたナットを緩めて、厚みの違う本体フレーム中板5−Aと大きさの違う孔の押し出し棒7−Aに同時に交換して対応出来る様に改良した点にある。
【0018】
また、本体フレーム中板の形状は図3図4の5-Aのように、ボルトの通る穴を無くし、横からスライドして差し込むことが出来る形状を考案した。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、粒状物の排出が簡単に出来る様に考案されたものであり、その主な目的は、定量の粒状の種子やお菓子をスプリングのついた押し出し棒の一方を指で押すだけの簡単な操作で排出できる器具を提供することにある。
【0020】
大きさの違う粒状物に対しては、中板と押し出し棒を横からスライドさせて短時間に交換でき、従来よりも作業効率もよく、外からも観察しながら作業のできるハンディタイプの種まき器を提供することにある。
【符号の説明】
【0021】
1 種子ホッパーの蓋
2 種子ホッパー
3 種子
4 本体フレーム上板
5 本体フレーム中板
5−A 本体フレームの(変形)中板
6 本体フレーム下板
7 摺動可能な種子押し棒
7−A 摺動可能な(大きい孔の)種子押し棒
8 出口パイプ
9 上板開口孔
10 中板貫通孔
11 下板出口孔
12 スプリング
13 ボルトとナット
図1
図2
図3
図4