特許第6056056号(P6056056)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6056056
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】LED照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20161226BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20161226BHJP
【FI】
   F21S2/00 310
   F21Y115:10
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-61241(P2012-61241)
(22)【出願日】2012年3月16日
(65)【公開番号】特開2013-196868(P2013-196868A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2015年3月14日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度経済産業省、戦略的基盤技術高度化支援事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】513256000
【氏名又は名称】株式会社ナオコ
(74)【代理人】
【識別番号】100147740
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 俊
(72)【発明者】
【氏名】小串 憲明
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 豊
(72)【発明者】
【氏名】尾崎好栄
(72)【発明者】
【氏名】春山真一郎
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/019753(WO,A1)
【文献】 特開2006−344599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲面反射鏡の内部空間に、複数のLEDが縦方向および縦方向に垂直な横方向の2次元に配列された、LED配列灯が配置されたLED照明装置であって、
前記曲面反射鏡は下側半曲面反射鏡と上側半曲面反射鏡からなり、
前記上側半曲面反射鏡は透明ガラスまたは透明プラスチックから構成されており、
前記LED配列灯は前記下側半曲面反射鏡の中心部に配置され、ここで、前記LED配列灯の縦方向は前記曲面反射鏡の上下方向であり、
前記LED配列灯から出射されるLED光は、LED前方の前記下側半曲面反射鏡で反射して(これを第1の反射光とする)前記上側半曲面反射鏡に入射し、
第1の反射光の一部または全部は前記上側半曲面反射鏡で反射して(これを第2の反射光とする)前記上側半曲面反射鏡に入射し、
第2の反射光の一部は前記上側半曲面反射鏡で透過して前記上側半曲面反射鏡の外側へ照射されることを特徴とするLED照明装置。
【請求項2】
前記曲面反射鏡は回転曲面体であることを特徴とする、請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項3】
前記回転曲面体は楕円球体であることを特徴とする、請求項2に記載のLED照明装置。
【請求項4】
前記LED配列灯は回転することを特徴とする、請求項2または3に記載のLED照明装置。
【請求項5】
第1の反射光が前記上側半曲面反射鏡に入射する入射角をβ、前記上側半曲面反射鏡の屈折率をgとしたとき、sinβ>1/gとなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの項に記載のLED照明装置。
【請求項6】
前記曲面反射鏡の内部空間は前記上側半曲面反射鏡の屈折率に近い屈折率を持つ液体材料で満たされていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかの項に記載のLED照明装置。
【請求項7】
前記上側半曲面反射鏡はガラスであり、前記液体材料はパラフィン油であることを特徴とする、請求項6に記載のLED照明装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを用いた照明装置に関するもので、特にLED放射光の反射光を利用した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のエネルギー問題の高まりの中で省エネルギーかつ長寿命であるLED照明が注目されている。LED照明に用いられているものは、基板に発光体であるLEDおよびそれを制御するICを搭載し、LEDからの放射光を直接照射するLED電球が大半である。LEDは点光源であり、LEDの放射光は指向性があり直進性が大きいため、放射光の進行方向から外れると暗くなるという問題がある。そこで、光拡散板を用いて光を拡散(分散)させ防眩効果を持たせたものが使用されている。たとえば、光拡散板としてアクリル等のプラスチック板の使用、サンドブラストなどにより表面を荒くしたガラスの使用、さらには、ガラス板に低融点ガラス粉および無機質フィラーを含むペーストをコートし、加熱処理し散光性膜を形成した防眩ガラスも提案されている。(特許文献1、特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−81545号公報
【特許文献2】特許4875198
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、光拡散板として用いられるアクリル等は透過率が低いという問題がある。また、サンドブラストなどにより表面を荒くしたガラスは強度が低下することが懸念されている。一方、散光性膜を形成した防眩ガラスは無機質フィラーを添加しているため透過率が低下し、ヘイズ値も不十分である。またLED放射光の反射光を用いた照明装置の開示は少なく、実際の利用も少ないので、技術的要素が提供されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、LEDからの放射光を直接使用せず、その反射光を利用する照明方法を提案するものであり、本発明の主要な構成要件は以下の通りである。
(1)本発明は、縦方向、または縦方向かつ横方向に配置された複数のLEDを含むLED配列灯、前記LEDから放射される直進光を反射させる第1の反射鏡、および前記第1の反射鏡で反射された第1の反射光の一部または全部を反射させる第2の反射鏡を有するLED照明装置であって、
第2の反射鏡で反射された第2の反射光は前記LED配列灯の上部後方から前記LED照明装置の外側へ照射されることを特徴とするLED照明装置であり、特に第2の反射光は、前記LEDからの直進光と逆方向に進行することを特徴とする。
【0006】
(2)本発明は、上記に加えて、縦方向に配列されたn個のLED列において、最下部のLED(L1)から放射された直進光が第1の反射鏡に入射する入射角をα1、最下部のLED(L1)から数えてi番目のLED(Li)から放射されたLED直進光が第1の反射鏡に入射する入射角をαi、最上部のLED(i=n)から放射されたLED直進光が第1の反射鏡に入射する入射角をαnとしたとき、第1の反射鏡はα1<・・・<αi−1<αi<αi+1<・・・<αnを満足する曲面であり、かつなめらかで連続した(微分可能)曲面であるか、あるいは、第1の反射鏡は平面鏡であり、縦方向に配列されたn個のLED列におけるLED(Li)(i=1、・・・、i、・・・、n)から放射されたLED直進光が入射する入射角αiはαi=α(一定)であることを特徴とする。
【0007】
(3)本発明は、上記に加えて、縦方向に配列されたn個のLED列において、最下部のLED(L1)から放射されたLED直進光の第1反射光が第2の反射鏡に入射する入射角をβ1、最下部のLED(L1)から数えてi番目のLED(Li)から放射されたLED直進光の第1の反射光が第2の反射鏡に入射する入射角をβi、最上部のLED(i=n)から放射されたLED直進光の第1の反射光が第2の反射鏡に入射する入射角をβnとしたとき、第2の反射鏡はβ1>・・・>βi−1<βi<βi+1<・・・<βnを満足する曲面であり、かつなめらかで連続した(微分可能)曲面であるか、あるいは、第2の反射鏡は平面鏡であり、縦方向に配列されたn個のLED列におけるLED(Li)(i=1、・・・、i、・・・、n)から放射されたLED直進光の第1の反射光が第2の反射鏡に入射する入射角βiはβi=β(一定)であることを特徴とする。
【0008】
(4)本発明は、上記に加えて、80度<αi+βi<90度、好適には85度<αi+βi<95度、最適にはαi+βi=90度であることを特徴とする。
(5)本発明は、上記に加えて、第2の反射鏡は透明ガラスまたは透明プラスチックであり、さらに第2の反射鏡に入射した第1の反射光は全反射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の照明装置はLED放射光の反射光を照明用として使用する。本発明によって、所望のLED放射光の反射光を照明として利用できる。用途に合わせて装置の大きさや形状を設計できるので実用性が高い。LED放射光は第1の反射鏡および第2の反射鏡によって適度に分散されるので、従来のLED電球の問題点であった周辺が暗いという問題を解消することができる。拡散板やコーティング材を透過した光は使用しないので、透過率の低下やヘイズ等の問題も発生しない。また、LEDの向きと逆方向に光を放射することが可能である。LED光源は反射鏡に虚像として写され、外部から視認も容易にできるので、フィラメント型電球と比較しても違和感が小さい。複数のLEDを配列したLED配列灯からの光線を平行に並べて取りだすこともできるので、所定の照明を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明のLED照明装置における第1の実施形態を示す図である。
図2図2は、第1の反射鏡(平面鏡)と第2の反射鏡(平面鏡)のなす角度γが90度より小さい場合を示す図である。
図3図3は、第1の反射鏡(平面鏡)と第2の反射鏡(平面鏡)のなす角度γが90度より大きい場合を示す図である。
図4図4は、反射鏡が曲面である本発明の別の実施形態を示す図である。
図5図5は、図4に示す第2の反射鏡を小型にした設計例を示す図である。
図6図6は、第2の反射光および第1の反射光が混在してLED配列灯の後方に照射される場合における実施形態を示す図である。
図7図7は、本発明の応用例を示す図である。
図8図8は、LED配列灯を横(水平)置きにし、(平面)反射鏡を使用したときの反射光を示す図である。
図9図9は、LEDマトリックス配列灯(m行xn列LEDマトリックス面光源)およびこれに対応した第1の反射鏡、並びに第2の反射鏡を有するLED照明装置61の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、指向性が強く直進性があるLED放射光を反射鏡にて反射させて、適度に分散させながらLED光源も視認できるとともに周囲も明るく照らせる照明装置を提供するものである。
【0012】
図1は、本発明のLED照明装置における第1の実施形態を示す図である。本発明のLED照明装置11は、LED配列灯13、第1の反射鏡(平面反射鏡)15、および第2の反射鏡(平面反射鏡)17を含む。図1において、複数(n個)のLED(L1、・・・、Li、・・・、Ln)を一方向(表現上および照明装置をセットするときに基本的には縦置きにするので、以下「縦方向」と称する)に配列したLED配列灯13があり、このLED配列灯13の複数(n個)のLEDからの光線(直進性がある)が一方向(縦方向に垂直方向、表現上、横方向と称する)に放射されている。すなわち各LEDからの直進光は横方向に進む平行光線である。
【0013】
これらのLEDから放射された直進光が入射し反射する第1の反射鏡15が、LED配列灯13の直進光の方向(横方向)において、直進光に対して入射角度αを有して配置されている。図1に示す第1の反射鏡15は平面反射鏡であるから、各LEDからの直進光に対して反射角も一定であり、αである。すなわち各第1の反射光は平行光線である。
【0014】
LED配列灯13の直進光が第1の反射鏡(平面鏡)15で反射した反射光(第1の反射光)は、次に第2の反射鏡17に入射し、反射光(第2の反射光)として反射されて、その後第2の反射光はLED照明装置外へ出ていく。第1の反射光と第2の反射鏡17とのなす入射角度をβとすると、第2の反射鏡17は平面(反射)鏡であるから、各第1の反射光の第2の反射鏡17からの第2の反射光の反射角も一定であり、βである。すなわち、各第2の反射光は平行光線となる。第1の反射鏡15と第2の反射鏡17のなす角度をγとすると、α+β=γである。
【0015】
たとえば、LED配列灯13の最下部(縦方向に配置されたLED配列灯13における各LEDのうちで、第1の反射鏡15に距離が最も近いLED)におけるLED(L1)から放射された直進光P1は、第1の反射鏡15に入射しかつ反射し、(入射角=反射角=α)第1の反射光P1−1となる。第1の反射光P1−1は第2の反射鏡17に入射しかつ反射し、(入射角=反射角=β)第2の反射光P1−2となる。
【0016】
また、LED配列灯13の最上部(縦方向に配置されたLED配列灯13における各LEDのうちで、第1の反射鏡15から距離が最も遠いLED)におけるLED(Ln)から放射された直進光Pnは、第1の反射鏡15に入射しかつ反射し、(入射角=反射角=α)第1の反射光Pn−1となる。第1の反射光Pn−1は第2の反射鏡17に入射しかつ反射し、(入射角=反射角=β)第2の反射光Pn−2となる。
【0017】
LED配列灯13のL1とLnとの間に配置されている各LEDのLi(i=2〜n-1、この順に並んでいる)からの直進光Pi、第1の反射光Pi−1、第2の反射光Pi−2も同様の関係となる。(Pi、Pi−1、Pi−2は図示せず)また、直進光P1、・・・、Pi、・・・、Pnは平行であり、第1の反射光P1−1、・・・、Pi−1、・・・、Pn−1は平行であり、第2の反射光P1−2、・・・、Pi−2、・・・、Pn−2は平行である。また、直進光P1、・・・、Pi、・・・、Pnおよび第1の反射光P1−1、・・・、Pi−1、・・・、Pn−1はLED照明装置11内に存在するが、第2の反射光P1−2、・・・、Pi−2、・・・、Pn−2はLED照明装置11外に放射され、外部の物体や空間を照射するとともに、外部からLEDの存在を視認できる。また図1から分かるように、LED配列灯13は外部から確認すると、R1の方向とは異なり、逆方向側R2となる。また、その大きさも異なっている。(R1≠R2)
【0018】
図1は、第1の反射鏡(平面鏡)15と第2の反射鏡(平面鏡)17のなす角度γは90度として描写している。このとき、第2の反射光Pi−2(i=1〜n)は直進光Pi(i=1〜n)と逆向きで平行な光線となる。すなわち、第2の反射光Pi−2(i=1〜n)の向きは、直進光Pi(i=1〜n)の向きに対して、180度となる。LED配列灯13の向きから見れば、第2の反射光Pi−2(i=1〜n)の向きは横方向であり、LED配列灯13の上側後方に放射される。すなわち、LED配列灯13、第1反射鏡(平面鏡)、および15と第2の反射鏡(平面鏡)17によって、LED放射光は平行な反射光線となって、その上側後方にあるLED照明装置11の外側にある物体や空間を照らすことができる。
【0019】
尚、LEDも厳密に言えば完全な点(あるいは線)光源ではなくある程度の幅があり、その放射方向も同じ方向ではなくある程度広がって放射される。さらに複数のLEDを基板等に配置してLED配列灯を作製する際の実装方法によるLEDの配置バラツキによる反射光の広がりバラツキもある。また直進性があると言っても距離が長くなるに従い徐々に散乱され広がっていく。また第1の反射鏡や第2の反射鏡の反射面自体の実際の入射角度や反射角度がバラツク場合も考慮する必要がある。さらにはLEDにキャップを被せる場合もあるので、LED光が分散される。従ってLED光を一定の方向に取りだす場合には一定の幅を考慮する必要がある。そこで、LEDの放射光の第2の反射光をある方向に取りだす場合にも、第1の反射鏡および第2の反射鏡のなす角度γの範囲を一定範囲内で許容する必要がある。たとえば、LED光を完全な後方(LEDの直進光に対して180度方向)に対する一定の幅を持った方向へ照射する(取りだす場合)には、好適には、80度<γ=α+β<100度、もっと好適には85度<γ=α+β<95度、最適にはγ=α+β=90度とするように第1の反射鏡15および第2の反射鏡17をLED配列灯13に対して配置すると良い。
【0020】
図2は、第1の反射鏡(平面鏡)15と第2の反射鏡(平面鏡)17のなす角度γが90度より小さい場合を示す。α+β=γであるから、α+β=γ<90度である。図2に示すように、第2の反射光Pi−2(i=1〜n)は直進光Pi(i=1〜n)と逆向きであるが、平行光線よりも下向きになる。LED配列灯13の向きから見れば、第2の反射光Pi−2(i=1〜n)の向きは横方向よりも下方であり、互いに平行な光線となってLED配列灯13の後方に放射される。図2から分かるように、LED(Ln)から出た直進光の第2の反射光Pn−2はLED配列灯13の上部に当たり、外部へ放射されない場合があるので、全部のLEDの光を外部へ照射したい場合は、LEDからの直進光Piからの第1の入射角α、LED配列灯13と第1の反射鏡15、第1の反射鏡15および第2の反射鏡17の大きさを調節する必要がある。
【0021】
図3は、第1の反射鏡(平面鏡)15と第2の反射鏡(平面鏡)17のなす角度γが90度より大きい場合を示す。(ただし、γ<180度である。)α+β=γであるから、α+β=γ>90度である。第2の反射光Pi−2(i=1〜n)は直進光Pi(i=1〜n)と逆向きであるが、横方向光線よりも上向きになる。LED配列灯13の向きから見れば、第2の反射光Pi−2(i=1〜n)の向きは横方向よりも上方であり、LED配列灯13の後方に放射される。図1図3から分かるように、平面反射鏡を2枚組み合わせることによって、LEDからの直進光をLEDの後方へ放射し、互いに平行な光線となってLEDの後方にある物体や空間を照射することができる。さらに、2枚の平面反射鏡の角度γを調節することによって、LED配列灯よりも後方下方側、あるいは180度(完全後方)方向、あるいは後方上方側を照射するLED照明装置を作製できる。これらの向きは用途(たとえば、照射する方向を選択するとき)によって適宜選択することができる。
【0022】
図4は、反射鏡が曲面である本発明の別の実施形態を示す図である。図4に示す本発明の照明装置21は、LED配列灯23、第1の曲面反射鏡25、および第2の曲面反射鏡27を有する。LED配列灯23のうちの最下部のLEDのL1から放射された直進光P1は第1の曲面反射鏡25に入射すると、入射点D1において反射して第1の反射光P1−1となる。入射点D1における第1の曲面反射鏡25の接平面をG1とすると、入射点D1において接平面G1の法線と直進光P1とのなす角度が入射角で、これをα1とすると、反射角α1で反射光P1−1が進んでいく。第1の反射光P1−1は次に第2の曲面反射鏡27の入射点E1において反射して第2の反射光P1−2となる。入射点E1における第2の曲面反射鏡27の接平面をH1とすると、入射点E1において接平面H1と第1の反射光P1−1の法線とのなす角度が入射角で、これをβ1とすると、反射角β1で反射光P1−2が進んでいき、LED照明装置21の外側へ放射されて、LED照明装置21の外側の物体や空間を照射する。
【0023】
LED配列灯23のうちの最上部のLEDのLnから放射された直進光Pnは第1の曲面反射鏡25に入射すると、入射点Dnにおいて反射して第1の反射光Pn−1となる。入射点Dnにおける第1の曲面反射鏡25の接平面をGnとすると、入射点Dnにおいて接平面Gnの法線と直進光Pnとのなす角度が入射角で、これをαnとすると、反射角αnで第1の反射光Pn−1が進んでいく。第1の反射光Pn−1は次に第2の曲面反射鏡27の入射点Enにおいて反射して第2の反射光Pn−2となる。入射点Enにおける第2の曲面反射鏡27の接平面をHnとすると、入射点Enにおいて接平面Hnの法線と第1の反射光Pn−1とのなす角度が入射角で、これをβnとすると、反射角βnで反射光Pn−2が進んでいき、LED照明装置21の外側へ放射されて、LED照明装置21の外側の物体や空間を照射する。
【0024】
LED配列灯23のうちの最上部のLEDのLnと最下部のLEDのL1との間におけるLEDのLiから放射された直進光Piは第1の曲面反射鏡25に入射すると、入射点Diにおいて反射して第1の反射光Pi−1となる。入射点Diにおける第1の曲面反射鏡25の接平面をGiとすると、入射点Diにおいて接平面Giの法線と直進光Piとのなす角度が入射角で、これをαiとすると、反射角αiで第1の反射光Pi−1が進んでいく。第1の反射光Pi−1は次に第2の曲面反射鏡27の入射点Eiにおいて反射して第2の反射光Pi−2となる。入射点Enにおける第2の曲面反射鏡27の接平面をHiとすると、入射点Eiにおいて接平面Hiの法線と第1の反射光Pi−1とのなす角度が入射角で、これをβiとすると、反射角βiで反射光Pi−2が進んでいき、LED照明装置21の外側へ放射されて、LED照明装置21の外側の物体や空間を照射する。
【0025】
接平面Giと接平面Hiとのなす角度をγiとするとαi+βi=γiとなる。図1図3において説明した様に、0<γi<90度のとき、第2の反射光Pi−2(i=1〜n)は直進光Pi(i=1〜n)と逆向きであるが、横方向光線よりも下向きになる。LED配列灯23の向きから見れば、第2の反射光Pi−2(i=1〜n)の向きは横方向よりも下方であり、LED配列灯23の上側後方に放射される。γi=γ0(一定)(i=1、2、・・、n)であれば、各LED放射光の第2の反射光は平行光線である。90度<γi<180度のとき、第2の反射光Pi−2(i=1〜n)は直進光Pi(i=1〜n)と逆向きであるが、横方向光線よりも上向きになる。LED配列灯23の向きから見れば、第2の反射光Pi−2(i=1〜n)の向きは横方向よりも上方であり、LED配列灯23の上側後方に放射される。γi=γ0(一定)(i=1、2、・・、n)であれば、各LED放射光の第2の反射光は平行光線である。
【0026】
γi=90度のときに、第2の反射光Pi−2(i=1〜n)は直進光Pi(i=1〜n)と逆向きで平行な光線となる。すなわち、第2の反射光Pi−2(i=1〜n)の向きは、直進光Pi(i=1〜n)の向きに対して、180度となる。LED配列灯23の向きから見れば、第2の反射光Pi−2(i=1〜n)の向きは横方向(180度の向き)であり、LED配列灯23の上側後方に放射される。すなわち、LED配列灯23によって、その後方(上側真後ろ)にあるLED照明装置21の外側にある物体や空間を照らすことができる。各LED放射光の第2の反射光は平行光線である。
【0027】
尚、LEDも厳密に言えば完全な点(あるいは線)光源ではなくある程度の幅があり、その放射方向も同じ方向ではなくある程度広がって放射される。さらに複数のLEDを基板等に配置してLED配列灯を作製する際の実装方法によるLEDの配置バラツキによるバラツキもある。また直進性があると言っても距離が長くなるに従い徐々に散乱され広がっていく。また第1の反射鏡や第2の反射鏡の反射面自体の実際の入射角度や反射角度がバラツク場合も考慮する必要がある。さらにLEDにキャップをカバーする場合はある程度の広がりを持って放射される。
【0028】
従ってLED光を一定の方向に取りだす場合には一定の幅を考慮する必要がある。そこで、LEDの放射光の第2の反射光をある方向に取りだす場合にも、第1の反射鏡および第2の反射鏡のなす角度γの範囲を一定範囲内で許容する必要がある。たとえば、LED光を完全な後方(LEDの直進光に対して180度方向)に対する一定の幅を持った方向へ照射する(取りだす場合)には、好適には、80度<γ=α+β<100度、もっと好適には85度<γ=α+β<95度、最適にはγ=α+β=90度とするように第1の反射鏡25および第2の反射鏡27をLED配列灯23に対して配置すると良い。
【0029】
LED配列灯23内における各LED(Li(i=1〜n)、nは正の整数)の第2の反射光Pi−2がこの順番で第2の反射光P1−2およびPn−2の間に存在するためには、入射角αi(i=1〜n)に関して、90度−α1<・・・<90度−αi<・・・<90度−αn、すなわち、α1>・・・>αi>・・・>αnとなるような接平面Gi(i=1〜n)を有する曲面25を作製すれば良い。かつ入射角βi(i=1〜n)に関して、90度−β1>・・・>90度−βi>・・・>90度−βn、すなわち、β1<・・・<βi<・・・<βnとなるような接平面Hi(i=1〜n)を有する曲面27を作製すれば良い。
【0030】
さらに、第1の曲面反射鏡25はなめらかに連続しているので、D1、・・・、Di、・・・、Dnを結ぶ第1の曲面反射鏡25の曲線は、D1〜Dnの区間で微分可能である必要がある。第2の曲面反射鏡27もなめらかに連続しているので、E1、・・・、Ei、・・・、Enを結ぶ第2の曲面反射鏡27の曲線は、E1〜Enの区間で微分可能である必要がある。
【0031】
さらに、上述したように、α+β=γが成り立ち、たとえば、LED配列灯23に対して完全に後方(180度)に第2の反射光を照射するには、α+β=γ=90度であり、バラツキ(一定幅)を考慮すれば、好適には80度<γ=α+β<100度、もっと好適には85度<γ=α+β<95度、最適にはγ=α+β=90度とする。)また、第1の曲面反射鏡25と第2の曲面反射鏡27は接続する必要はなく、LED配列灯23内のLEDの反射光が及ばない部分に曲面反射鏡を設ける必要はない。たとえば、図4においては、第1の曲面反射鏡25上のDnおよび第2の曲面反射鏡27のE1点の間の曲面は不要であるから、LED照明装置21は小型化することもできる。
【0032】
図5は、図4に示す第2の反射鏡27を小型にした第2の反射鏡29を示す図である。LED(L1)の第1の反射光P1−1におけるD1点からE1点の間のE1’点において、接平面H1と平行な接平面H1’を作製すると、E1’点で入射角β1に対して反射角β1を有する第2の反射光P’1−2を得る。各LEDのLi(i=2〜n)の第1の反射光Pi−1上でE1’点になめらかに連続する(微分可能な曲線になる)ように接平面Hi’との交点Ei’を求め、その交点Ei’で入射角βiに対して反射角βiを有する第2の反射光P’i−2を得る。これをEn’点まで繰り返すことによって、新しい第2の曲面反射鏡29を得ることができる。このことから、第2の曲面反射鏡は多数作製でき、LED照明装置の大きさに対応させることができる。一方、第1の曲面反射鏡25についても別の曲面反射鏡も作製できる。すなわち、第1の曲面反射鏡25も、なめらかに連続する(微分可能な曲線になる)ような、別の曲面反射鏡も多数作製できるので、第1の曲面反射鏡25についてもLED照明装置の大きさに対応させることができる。このようにLED照明装置の用途や大きさに合わせて所望のサイズや形状を有するLED配列灯、第1の反射鏡、および第2の反射鏡を適宜選択することができる。
【0033】
図6は、第2の反射光および第1の反射光が混在してLED配列灯の後方に照射される場合における実施形態を示す図である。LED配列灯33の最下部のLEDであるL1から放射される直進光P1は第1の曲面反射鏡35のD1点で入射角α1を有して入射し、D1点において反射角α1を有し反射されて第1の反射光P1−1となる。この第1の反射光P1−1は第2の曲面反射鏡37のE1点で入射角β1を有して入射し、E1点において反射角β1を有し反射されて第2の反射光P1−2となる。第2の反射光P1−2はLED照明装置31の外側へ放射されて、外部の物体や空間を照射する。
【0034】
LED配列灯33の最上部のLEDであるLnから放射される直進光Pnは第1の曲面反射鏡35のDn点で入射角αnを有して入射し、Dn点において反射角αnを有し反射されて第1の反射光Pn−1となる。この第1の反射光Pn−1は第2の曲面反射鏡37に入射することなく、LED照明装置31の外側へ放射されて、外部の物体や空間を照射する。従って、第2の反射光は存在しない。
【0035】
LED配列灯33の最上部のLEDであるLnと最下部のLEDであるL1との間に配置されているLEDであるLiから放射される直進光Piは第1の曲面反射鏡35のDi点で入射角αiを有して入射し、Di点において反射角αiを有し反射されて第1の反射光Pi−1となる。この第1の反射光Pi−1はi≦m−1のときには、第1の反射光P1−1と同様に、第2の曲面反射鏡37のEi点で入射角βiを有して第2の曲面反射鏡37に入射し、Ei点において反射角βiを有し反射されて第2の反射光Pi−2となる。第2の反射光Pi−2はLED照明装置31の外側へ放射されて、外部の物体や空間を照射する。一方、第1の反射光Pi−1はi≧mのときには、第1の反射光Pn−1と同様に、第1の反射光Pi−1は第2の曲面反射鏡37に入射することなく、LED照明装置31の外側へ放射されて、外部の物体や空間を照射する。
【0036】
以上のように本実施形態では、LED配列灯33のすべてのLEDからの直進光は第1の曲面反射鏡35に入射して反射し、第1の反射光となるが、この第1の反射光が第2の曲面反射鏡35に入射せずに、そのままLED照明装置31の外側へ放射される場合と、第1の反射光が第2の曲面反射鏡35に入射して、第2の反射光となってLED照明装置31の外側へ放射される場合とが存在する。すなわち、第1の反射光および第2の反射光が混在してLED照明装置31の外側へ放射されて、外部の物体や空間を照射する。このような混在型でもLED配列灯33の後方へLEDの反射光を放射して、外部の物体や空間を照射することができる。
【0037】
図7は、本発明の応用例を示す図である。図7は、曲面反射鏡の下側における略半曲面反射鏡45および46の略中心部において縦方向に、複数のLED(Li(i=1、・・、a、・・、b、・・・、n)、最下部のLEDをL1、最上部のLEDをLnとする)を有するLED配列灯43が配置されている。曲面反射鏡の上側における略半曲面反射鏡47および48は透明ガラスまたは透明プラスチックで構成されている。LED(L1)から放射された直進光はLED前方にある下側曲面反射鏡45で反射して反射光(第1の反射光)となり、上側曲面反射鏡47に入射する。上側曲面反射鏡47は透明ガラスまたは透明プラスチックであるから、一部は反射してLED配列灯43の上側の後方へ反射光Q1(第2の反射光)となる。この反射光Q1はLED配列灯43の上側の後方にある曲面反射鏡48に入射する。一部は曲面反射鏡48を透過してLED照明装置41の外側へ放射されて、外部にある物体や空間を照射する。あるいは、目を向ければLEDを視認できる。曲面反射鏡48がなければ、曲面反射鏡48で反射した反射光Q1は全部LED照明装置41の外側へ放射される。他の複数のLED(たとえば、La、Lb)からの放射光も下側曲面反射鏡45で反射して、この反射光(第1の反射光)が上側曲面反射鏡47に入射し、さらに上側曲面反射鏡47で反射して反射光(たとえば、Qa、Qb)(第2の反射光)がLED配列灯43の上側の後方にある曲面反射鏡48に入射し、一部は曲面反射鏡48を透過してLED照明装置41の外側へ放射されて、外部にある物体や空間を照射する。
【0038】
上側曲面反射鏡47に入射する光の一部は透過してLED照明装置41の外側へ放射されるので、その外側も照射されるし、LED光を視認することもできる。しかし、曲面反射鏡47に入射する光を全反射することができれば、反射光Q1等による後方照射の効率を高めることができる。曲面反射鏡47は透明ガラスまたは透明プラスチックであるから入射光がこの曲面反射鏡47の内部へ入っていく。通常はこの光は曲面反射鏡47の内部で吸収されたり散乱されたりしながら、外側へ透過していくが、曲面反射鏡47の屈折率をg47としたとき、sinβ1>1/g47を満足したときに、曲面反射鏡47の外側へ透過せずに全反射していく。たとえば、g47=1.5とすれば、sinβ1>0.67すなわち、β1>42度となるように入射角β1を調整すれば良い。尚、曲面反射鏡47に光が入射するときに一部が散乱したり反射したりして失われるので、LED照明装置41内空間49を曲面反射鏡47の屈折率と同じ(または近い)液体材料で満たすことによって、全反射する光の効率を高めることができる。たとえば、曲面反射鏡47を屈折率1.5のガラスとして、液体材料をパラフィン油(屈折率1.48)とすれば良い。
【0039】
図7においては、図6と同様に、LEDからの第1の反射光がすべて第2の反射鏡である上側曲面反射鏡47に入射するわけではなく、LED配列灯43の上部にあるLED(Li、・・・、Ln)からの第1の反射光は、たとえばQi、・・・、Qnとして、LED配列灯43の上側の後方にある曲面反射鏡48に入射し、一部は曲面反射鏡48を透過してLED照明装置41の外側へ放射されて、外部にある物体や空間を照射する。
【0040】
LED(Li)からの直進光が曲面反射鏡45に入射する所をDiとし、入射角をαiとする。LED(Li)とDiまでの距離をti、LED(Li)からLED配列灯の最上部(第1の反射光を遮る最上部)までの長さをhiとすると、第1の反射光Qiを遮らないようにするためには、hi<ti(tan2αi)を満足するようにすれば良い。また、LED(Li)から上側曲面反射鏡47の最上部までの距離をuiとすれば、第1の反射光Qiが上側曲面反射鏡47に入射しないようにするためには、ui>ti(tan2αi)とすれば良い。以上のように設計することによって、LED配列灯の下側に配置されたLEDからの放射光を2回反射させて外部へ放射し、LED配列灯の上側に配置されたLEDからの放射光を1回だけ反射させてLED装置等43の後方の外部へ放射させる図7に示すLED照明装置41を作製することができる。
【0041】
図7に示すLED照明装置41における曲面反射鏡45、46並びに47、48が回転体(たとえば、楕円球体)であるとすれば、LED配列灯43を回転させることによって、全方位へ光を放射することができる。(たとえば、ミラーボールのように使用できる。)LED照明装置41自体を回転させても良いが、LED照明装置41自体の移動(回転)はないため不思議な雰囲気を演出することができる。尚、図7に示すLEDはLEDの進行方向にキャップを被せているので、このキャップによって少しブロードな光として放射される。このことは、上述した一定の幅を有したLED放射光として解釈すれば良い。
【0042】
図8は、LED配列灯53を横(水平)置きにし、(平面)反射鏡55を使用したときの反射光を示す図である。LED配列灯53を横(水平)置きにし、LED配列灯53の各LED(L1、・・・、Ln)から(平面)反射鏡55への入射角をαとすると、LED配列灯53の各LED(L1、・、Li、・・、Ln)から出た光は、0<α<90度のときに横(水平)方向に第1の反射光Qi(i=1、2、・・・、n)が反射されて、LED照明装置51の外側へ出ていき、外部の物体や空間を照射する。また外側からLEDを視認できる。0<α<45度のときに第1の反射光Qiは下向きに平行に出ていくが、αの角度によっては第1の反射光QiはLED配列灯53に当たる場合がある。45度<αのときには、第1の反射光Qiは上向きに平行に出ていく。α=45度のときに、第1の反射光Qiは横方向に平行に出ていき、装置51から見れば後方に照射されている。このようにLED配列灯53を横置きにすると、1枚の(平面)反射鏡55で、後方への反射光(照射光)を得ることができる。
【0043】
本発明のLED照明装置は、LEDからの指向性の強い直進光を反射鏡で反射させた反射光を外部へ照射する装置であるが、反射鏡で適度に拡散分散し、また適度に広げて外部へ放射するものであるから、LEDからの直進光と比較すると、ブロードな光となり周辺も比較的明るくなる。しかも反射鏡を用いているのでLED光源を視認できるという利点もある。図1図7においては、LED配列灯は縦方向に対して一列で記載しているが、奥行き側に複数列のLED配列灯を配置しても良い。この場合、各反射鏡(第1の反射鏡、第2の反射鏡)は同じ大きさで同じ形状のものを奥行き側に作製しても良いし、奥行き側に曲面を持たせて作製しても良い。これらの奥行き側の曲面は、上述した様に多数の曲面反射鏡を用いることができるので、本発明に記載した条件に基づいて適宜設計すれば良い。また、第1の反射鏡に上述した平面鏡を用いて、第2の反射鏡に上述した曲面反射鏡を用いても良いし、あるいは、第1の反射鏡に上述した曲面反射鏡を用いても良いし、第2の反射鏡に上述した平面反射鏡を用いても良い。これらを適宜組み合わせたとき、図6および図7で述べたように、第1の反射光の一部はLED配列灯の後方へそのまま放射される場合もあるが、用途に応じてそのような方法を適宜選択すれば良い。本発明で述べた反射鏡は、たとえば球面、楕円面、双曲面、
あるいは円錐面である。また反射鏡としてガラス、プラスチック、金属等通常使用している材料を使うことができる。反射面に反射塗膜や金属膜等をコーティングしても良い。
【0044】
図9は、縦(Z方向)にm個、横(X方向)にn個マトリックス状に配列したLED(Lij(i=1、・・、m;j=1、・・、n)を有するLED配列灯(m行xn列LEDマトリックス面光源、たとえば、12行12列、24行24列、24行36列等種々作成できる)63、これに対応した第1の反射鏡65、および第2の反射鏡67を有するLED照明装置61の一実施形態を示す図である。図9におけるLED照明装置61は立体的に示されている。このmxnLED配列灯は一つの基板内にLEDがマトリックス状に配置されたものであるが、m個のLEDが縦(Z方向)に一列に配置したn個のL11、・・・、Lmnが横(列状)につながったLED配列灯と考えれば良く、図1図7等に基づいて説明したLED照明装置に関する内容を適用できる。図9では、LED配列灯63およびそこから出た直進光による反射光Qij(i=1、・・、m;j=1、・・、n)が分かりやすいように、第1の反射鏡65および第2の反射鏡67を破線で示しているが、これらの第1の反射鏡65および第2の反射鏡67は実際には連続した曲面である。LED配列灯の上部後方は反射光を放出するために開放されている。(あるいは図7に示すように透明なガラスやプラスチックでカバーされても良い。)
【0045】
横に並べたj列目のLED(Lij)(i=1、・・、m)からの直進光は、第1の反射鏡の曲面(曲線)Sjで反射し、この第1の反射光が第2の反射鏡の曲面(曲線)Tjで反射し、第2の反射光QijとしてLED照明装置61の外側へ出ていく。図1図7で説明した条件を満たせば、この反射光QijはLED配列灯63の後方外側(逆Y方向)へ出ていく。上述したようにSjは(j=1〜n)同じ曲線でなくても良いし、Tjも(j=1〜n)同じ曲線でなくても良い。その場合は、第1の反射鏡65は、図9に示すようにn列側(X方向)に曲線状(Oi)になり、また、第2の反射鏡67も、図9に示すようにn列側(X方向)に曲線状(Ui)になる。第1の反射鏡65における接平面と第2の反射鏡67における接平面のなす角度が90度を有する場合、第2の反射光QilはLED直進光と逆方向(逆Y方向)へLED照明灯61の上側後方の開放部から外側へ放射される。すなわち、すべてのQijは平行光線となって逆Y方向へ放射され、外部の物体や空間を照射する。尚、Sjおよび/またはTjが同じ曲線となる場合には、上述したように、奥行き側(X方向)は同じ曲面となる。あるいは、Sjおよび/またはTjが直線(平面鏡)の場合には奥行き側(X方向)も同じ平面鏡となっている。尚、上記ではm行xn列LEDマトリックス面光源と記載したが、その中の一部を取り除いているものに関しても含むことは言うまでもない。たとえば、マトリックス平面の角側を省いたものや、マトリックス平面の内側の一部を省いたものも含まれる。
【0046】
尚、明細書のある部分に記載し説明した内容について記載しなかった他の部分においても矛盾なく適用できることに関しては、当該他の部分に当該内容を適用できることは言うまでもない。さらに、前記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、本発明の権利範囲が前記実施形態に限定されないことも言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の反射鏡を用いたLED照明装置は、照明装置だけでなく、玩具、置物としても使用できる。
【符号の説明】
【0048】
11・・・LED照明装置、13・・・LED配列灯、
15・・・第1の反射鏡(平面反射鏡)、17・・・第2の反射鏡(平面反射鏡)、
21・・・LED照明装置、23・・・LED配列灯、
25・・・第1の曲面反射鏡、27・・・第2の曲面反射鏡、
29・・・第2の曲面反射鏡、
31・・・LED照明装置、33・・・LED配列灯、
35・・・第1の曲面反射鏡、37・・・第2の曲面反射鏡、
41・・・LED照明装置、43・・・LED配列灯、
45・・・第1の曲面反射鏡、46・・・第1の曲面反射鏡、
47・・・第2の曲面反射鏡、48・・・第2の曲面反射鏡、
49・・・LED照明装置内空間、
51・・・LED照明装置、53・・・LED配列灯、
55・・・平面反射鏡、
61・・・LED照明装置、
63・・・LED配列灯(m行xn列LEDマトリックス面光源)、
65・・・第1の(曲面)反射鏡、67・・・第2の(曲面)反射鏡、

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9