特許第6056089号(P6056089)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6056089二台のコンピュータによるホットスタンバイの方法、機器およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6056089
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】二台のコンピュータによるホットスタンバイの方法、機器およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/713 20130101AFI20161226BHJP
【FI】
   H04L12/713
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-514335(P2012-514335)
(86)(22)【出願日】2010年6月1日
(65)【公表番号】特表2012-529805(P2012-529805A)
(43)【公表日】2012年11月22日
(86)【国際出願番号】CN2010073413
(87)【国際公開番号】WO2010142210
(87)【国際公開日】20101216
【審査請求日】2012年1月5日
【審判番号】不服2014-24989(P2014-24989/J1)
【審判請求日】2014年12月5日
(31)【優先権主張番号】200910108021.4
(32)【優先日】2009年6月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504277388
【氏名又は名称】▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ ▲瑩▼
【合議体】
【審判長】 大塚 良平
【審判官】 山本 章裕
【審判官】 林 毅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−232463(JP,A)
【文献】 特開2005−130049(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/120267(WO,A1)
【文献】 Olivier Bonaventure,Achieving Sub−50 Milliseconds Recovery Upon BGP Peering Link Failures,Networking,IEEE/ACM Transactions on,IEEE,2007年10月,Vol.15,NO.5,pp.1123−1135
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/28, 12/44-12/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2ノードクラスタのホットバックアップのための方法であって、
第1のネットワークノードの第1のアクセスポートに対して調整するために、第2のネットワークノードによって、第2のネットワークノードの第2のアクセスポートにおける冗長性プロトコルを、設定するステップであって、前記第1のアクセスポートは、アクティブアクセスポートとして動作するとともに、前記第2のアクセスポートは、前記第1のアクセスポートのスタンバイアクセスポートとして動作するステップと、
第1のネットワークノードが障害をおこす前に、ユーザーのネットワークセグメントに対する第2のルートを第2のネットワークノードによって、コアネットワークへ広告するステップと、
前記第1のネットワークノードに対して前記第2のネットワークノードによって、保護チャネルを確立または指定するステップと、
前記第1のネットワークノードに対して前記第2のネットワークノードによって、ユーザー情報を同期するステップであって、前記ユーザー情報は、前記ユーザーへの下りトラフィックを送信するための情報を含む、ステップと、
前記第1のアクセスポートまたは前記第1のネットワークノードの前記ユーザーのアクセスリンクに障害がある場合、前記第2のネットワークノードによって、前記冗長性プロトコルに従ってサービス切替を実行し、前記ユーザーへの前記下りのトラフィックが最初に前記第1のネットワークノードに到達する場合、前記第2のネットワークノードによって、前記保護チャネルを介して前記第1のネットワークノードによって送信された前記下りトラフィックを受信し、第2のネットワークノードによって、前記ユーザー情報に従って前記第2のアクセスポートを通じて前記ユーザーに前記下りのトラフィックを送信し、前記下りトラフィックが最初に前記第2のネットワークノードに到達する場合、前記第2のネットワークノードによって、前記下りトラフィックを前記ユーザー情報に従って前記第2のアクセスポートを通じて前記ユーザーへ送信するステップと
を含むことを特徴とし、
前記第1のネットワークノードが障害をおこす前に、前記ユーザーの前記ネットワークセグメントに対する第1のルートが、前記第1のネットワークノードによってコアネットワークへ広告され、
前記第1のルートは、第1のネットワークノードを指示するとともに、前記第2のルートは、第2のネットワークノードを指示する、方法。
【請求項2】
パケットに対してスプリットホライズンを第2のネットワークノードによって、実行するステップであって、前記パケットが前記保護チャネルから受信され、前記パケットの宛先アドレスが前記ユーザーの前記ネットワークセグメントに属す、ステップ、または、
前記ユーザーの前記ネットワークセグメントに属す宛先アドレスを有するパケットのTTLが設定した値を超えた場合、前記パケットの前記TTLを第2のネットワークノードによって、前記設定した値に変更し、前記パケットの前記TTLが前記設定した値を超えない場合、前記TTLから1を引くステップ
をさらに含み、
前記設定した値は、2または3に設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記保護チャネルが双方向通信能力を保証する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のネットワークノードが障害から回復するときに、第2のネットワークノードによって、前記冗長性プロトコルに従ってサービス復帰切替を実行するステップ
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
第2のアクセスポート、同期モジュール、広告モジュール、確立モジュールおよび送信モジュールを含むネットワークノードであって、
前記第2のアクセスポートが、第1のネットワークノードの第1のアクセスポートに対して調整するために、冗長性プロトコルを設定するように構成され、前記第1のアクセスポートは、アクティブアクセスポートとして動作し、前記第2のアクセスポートは前記第1のアクセスポートのスタンバイアクセスポートとして動作し、
前記同期モジュールが、前記第1のネットワークノードに対してユーザー情報を同期するように構成され、
前記ユーザー情報は、ユーザーへの下りトラフィックを送信するための情報を含み、
前記広告モジュールが、前記第1のネットワークノードが障害をおこす前に前記ユーザーのネットワークセグメントに対する第2のルートをコアネットワークへ広告するように構成され、前記ユーザーの前記ネットワークセグメントに対する第1のルートが、前記第1のネットワークノードによってコアネットワークへ広告され、
前記第1のルートは、第1のネットワークノードを指示するとともに、前記第2のルートは、第2のネットワークノードを指示し、
前記確立モジュールが、前記第1のネットワークノードに対して保護チャネルを確立または指定するように構成され、
前記第1のアクセスポートまたは前記第1のネットワークノードの前記ユーザーのアクセスリンクに障害がある場合、前記送信モジュールが、前記冗長性プロトコルに従ってサービス切替を実行し、前記ユーザーへの前記下りのトラフィックが最初に前記第1のネットワークノードに到達する場合、前記第1のネットワークノードによって送信された前記下りのトラフィックを、前記保護チャネルを介して受信し、ユーザー情報に従って前記第2のアクセスポートを通じて前記下りのトラフィックを前記ユーザーに送信し、前記下りトラフィックが最初に第2のネットワークノードに到達する場合、下りトラフィックを前記ユーザー情報に従って前記第2のアクセスポートを通じて前記ユーザーへ送信するように構成されることを特徴とする、ネットワークノード。
【請求項6】
前記ネットワークノードがさらに、
パケットに対してスプリットホライズンを実行し、前記パケットが前記保護チャネルから受信され、前記パケットの宛先アドレスが前記ユーザーの前記ネットワークセグメントに属すか、または、
前記ユーザーの前記ネットワークセグメントに属す宛先アドレスを有するパケットのTTLが設定した値を超えた場合、前記パケットの前記TTLを前記設定した値に変更し、前記パケットの前記TTLが前記設定した値を超えない場合、前記TTLから1を引く
ように構成され、
前記設定した値が、2または3に設定される、請求項5に記載のネットワークノード。
【請求項7】
第1のネットワークノードおよび第2のネットワークノードを含む、2ノードクラスタのホットバックアップのためのシステムであって、前記第1のネットワークノードは第1のアクセスポートを有し、前記第2のネットワークノードは第2のアクセスポートを有し、
前記第1のネットワークノードが、前記第1のアクセスポートにおける冗長性プロトコルを前記第2のアクセスポートに対して設定し、前記第1のアクセスポートは、アクティブアクセスポートとして動作し、かつ前記第2のアクセスポートは、前記第1のアクセスポートのスタンバイアクセスポートとして動作し、ユーザーのネットワークセグメントに対する第1のルートをコアネットワークへ広告するように構成され、前記第1のルートは、第1のネットワークノードを指示し、
前記第2のネットワークノードが、前記ユーザーの前記ネットワークセグメントに対する第2のルートをコアネットワークへ広告し、前記第2のルートは、前記第2のネットワークノードを指示し、前記第1のネットワークノードに対して保護チャネルを確立または指定し、前記第1のネットワークノードに対してユーザー情報を同期し、前記ユーザー情報は、前記ユーザーへ下りトラフィックを送信するための情報を含み、前記第1のアクセスポートまたは前記第1のネットワークノードの前記ユーザーのアクセスリンクに障害がある場合、前記冗長性プロトコルに従ってサービス切替を実行し、前記ユーザーへの前記下りのトラフィックが最初に前記第1のネットワークノードに到達する場合、前記第1のネットワークノードによって送信された前記下りのトラフィックを、前記保護チャネルを介して受信し、前記ユーザー情報に従って前記第2のアクセスポートを通じて下りのトラフィックを前記ユーザーに送信し、前記下りトラフィックが最初に前記第2のネットワークノードに到達する場合、前記下りトラフィックを前記ユーザー情報に従って前記第2のアクセスポートを通じて前記ユーザーへ送信するように構成されることを特徴とする、
システム。
【請求項8】
前記第2のネットワークノードがさらに、
パケットに対してスプリットホライズンを実行し、前記パケットが前記保護チャネルから受信され、前記パケットの宛先アドレスが前記ユーザーの前記ネットワークセグメントに属すか、または、
前記ユーザーの前記ネットワークセグメントに属す宛先アドレスを有するパケットのTTLが設定した値を超えた場合、前記パケットの前記TTLを前記設定した値に変更し、前記パケットの前記TTLが前記設定した値を超えない場合、前記TTLから1を引く
ように構成され、
前記設定した値は、2または3に設定される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2のネットワークノードが、前記第1のネットワークノードが障害から回復するときに、前記冗長性プロトコルに従ってサービス復帰切替を実行するようにさらに構成される、請求項7または8に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【0002】
本発明は、ネットワーク通信の分野に関し、特に、2ノードクラスタのホットバックアップのための方法、装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
今日、インターネットプロトコル(IP)ネットワークはマルチサービスに向けて発展しており、次世代ネットワーク(NGN)、第3世代(3G)、インターネットプロトコルテレビ(IPTV)およびデータサービスのような複数のサービスに対応する必要がある。IPネットワークは、ネットワーク全体において基幹ネットワークとして働く。従来のデータサービスと比べ、マルチサービスネットワークは基幹ネットワークの信頼性に対する要求が大きく、サービスの信頼性は次第に、データ通信装置の中核的な競争力の1つとなりつつある。
【0004】
IP基幹ネットワークまたはマルチプロトコルラベルスイッチ(MPLS)基幹ネットワークの、ルータまたはレイヤ3スイッチにおいては、サービスの信頼性は、ルーティングプロトコル、グレースフルリスタート(Graceful Restart)(GR)、高速迂回(Fast Reroute)(FRR)、またはトラフィックエンジニアリング(TE)保護グループのような技術を通じて、実現することができる。レイヤ2ネットワークのイーサネット(登録商標)LANスイッチでは、サービスの信頼性は、スパニングツリープロトコル(STP)、ラピッドスパニングツリープロトコル(RSTP)または多重スパニングツリープロトコル(MSTP)のようなレイヤ2冗長性プロトコルを通じて、実現することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンバージェンスレイヤ(convergence layer)またはエッジレイヤ(edge layer)のサービスノードは、機器間の2ノードクラスタのホットバックアップに対応する必要がある(筐体間/ノード間冗長性)。2ノードクラスタのホットバックアップのための既存の方法は、アクセスポートのアクティブ/スタンバイポートを調整するために、2ノードのアクセスポートにおいて冗長性プロトコルを設定するステップと、ピアポートに障害がある場合にサービス保護切替を発動するステップと、プライマリノードが回復した後にサービス復帰切替を発動するステップとを含む。ノード全体に障害がある場合、またはリンクに障害がある場合に、バックアップノードがサービスを迅速に回復させるための適切な情報を確実に有するように、2つのノードは、あるプロトコルを用いてユーザー情報(セッション情報またはユーザー情報)を互いに同期する。
【0006】
冗長性プロトコルおよびユーザー情報の同期を実現するだけでなく、2ノードクラスタのバックアップ解決法は、様々な障害の状況(リンク障害、ポート障害、ラインカード障害、ノード全体の障害およびサービス復帰切替を含む)において、基幹ネットワークからユーザーへのトラフィック、すなわち下りのトラフィックの転送についての問題を解決する必要もある。
【0007】
既存の解決法は、下りのトラフィックを転送することについての問題を、ルートを広告または取り消すことによって解決する。
【0008】
例えば、ネットワークセグメントは、1つのアクセスポートにおいてのみ適用することができる。アクセスポートがアクティブアクセスポートとなった場合、アクティブアクセスポートが位置するノードは、ネットワークセグメントのルートを広告する。また、アクセスポートがアクティブアクセスポートからスタンバイアクセスポートに切り替わった場合、ネットワークセグメントのルートは取り消される
【0009】
この解決法では、障害によるサービス切替またはサービス復帰切替の後で、ルートが収束するまで下りのトラフィックが通常の状態に回復することができない。ルートの収束時間は、主にルーティングプロトコルのルーティング計算間隔によって決まる。ルーティング計算間隔の設定が短すぎると、ルータの中央演算処理装置(CPU)の負荷が増大する。またルーティング計算間隔の設定が長すぎると、ルート収束時間がそれに従って長くなり、サービスの迅速な回復を妨げる。さらに、サービスノードに対しては、通常、IPアドレスネットワークセグメントはグローバルに割り当てられているか、サービスに従って割り当てられている。IPネットワークセグメントが1つのアクセスポートでしか適用できないというように制限されると、ユーザーアドレスが無駄になり、同時に、サービスの展開が難しくなる。
【0010】
別の解決法では、ノードはオンラインユーザーのホストルートを広告する。ユーザーがアクセスポートにおいてオンラインである場合、アクセスポートが位置するノードは、ユーザーのホストルートを広告する。また、ユーザーが位置するアクセスポートがスタンバイ状態に切り替わると、ユーザーのホストルートは取り消される。この方式は、ノードにおいてネットワークセグメントをグローバルに割り当てることに対応する。しかし、この技術もルートの収束についての問題を抱える。ユーザーの障害によるサービス切替またはサービス復帰切替の後で、ルートが収束するまでユーザーのサービスを通常の状態に回復することができない。加えて、各ユーザーのホストルートを広告しなければならないので、ホットバックアップノード、ならびにネットワーク中の別のルータのルーティング能力および性能に対する要求が高くなる。障害によるサービス切替またはサービス復帰切替の間、ノードは各ユーザーのホストルートを広告または取り消す必要があり、このことはホットバックアップノード、別のルータのCPU、およびネットワーク中のレイヤ3スイッチに対して大きな影響を与える。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、2ノードクラスタのホットバックアップの障害発生時に下りのトラフィックの切替および復帰切替が遅いという問題を解決するために、2ノードクラスタのホットバックアップのための方法、装置およびシステムを提供することを目的とする。
【0012】
本発明の実施形態の目的は、以下の技術的な解決法によって実現される。
【0013】
本発明のある態様によれば、2ノードクラスタのホットバックアップのための方法は、
各ローカルアクセスポートと第1のネットワークノードの各アクセスポートとの間のアクティブ/スタンバイ関係を調整するために、冗長性プロトコルを、第2のネットワークノードによって、アクセスポートにおいて第1のネットワークノードに対して設定するステップと、
ユーザーのネットワークセグメントのルートを第2のネットワークノードによって広告するステップであって、上記のユーザーのネットワークセグメントが、第1のネットワークノードが広告するルートが属するユーザーのネットワークセグメントと同一である、ステップと、
第1のネットワークノードに対して第2のネットワークノードによって保護チャネルを確立または指定するステップと、
第1のネットワークノードに対して第2のネットワークノードによってユーザー情報を同期するステップと、
第1のネットワークノードに障害がある場合、第2のネットワークノードによって、冗長性プロトコルに従ってサービス切替を実行し、ユーザー情報に従ってユーザーに下りのトラフィックを送信するステップとを含む。
【0014】
ネットワークノードは少なくとも1つのアクセスポート、同期モジュール、広告モジュール、確立モジュールおよび送信モジュールを含み、
アクセスポートが、第1のネットワークノードのアクセスポートに対してアクティブ/スタンバイ関係を調整するために、冗長性プロトコルを第1のネットワークノードに対して設定するように構成され、
同期モジュールが、第1のネットワークノードに対してユーザー情報を同期するように構成され、
広告モジュールが、ユーザーのネットワークセグメントのルートを解放するように構成され、上記のユーザーのネットワークセグメントが、第1のネットワークノードが解放するルートが属するユーザーのネットワークセグメントと同一であり、
確立モジュールが、第1のネットワークノードに対して保護チャネルを確立または指定するように構成され、
送信モジュールが、ユーザー情報および冗長性プロトコルに従って、下りのトラフィックをユーザーに送信するように構成される。
【0015】
本発明の別の態様によれば、2ノードクラスタのホットバックアップのためのシステムは、第1のネットワークノードおよび第2のネットワークノードを含み、
第1のネットワークノードが、第1のネットワークノードの各アクセスポートと第2のネットワークノードの各アクセスポートとの間のアクティブ/スタンバイ関係を調整するために、冗長性プロトコルをアクセスポートにおいて第2のネットワークノードに対して設定し、ユーザーのネットワークセグメントのルートを広告するように構成され、
第2のネットワークノードが、第2のネットワークノードの各アクセスポートと第1のネットワークノードの各アクセスポートとの間のアクティブ/スタンバイ関係を調整するために、冗長性プロトコルをアクセスポートにおいて第1のネットワークノードに対して設定し、第1のネットワークノードが広告するルートが属するユーザーのネットワークセグメントと同一である、ユーザーのネットワークセグメントのルートを広告し、第1のネットワークノードに対して保護チャネルを確立または指定し、第1のネットワークノードに対してユーザー情報を同期し、第1のネットワークノードに障害がある場合、冗長性プロトコルに従ってサービス切替を実行し、ユーザー情報に従って下りのトラフィックをユーザーに送信するように構成される。
【0016】
実施形態において提供される技術的な解決法を採用することによって、保護チャネルが2ノードクラスタのホットバックアップのネットワークノード間で確立または指定され、2つのネットワークノードはユーザーのネットワークセグメントの同じルートを広告し、したがって、ユーザーのネットワークセグメントのルートを、下りのトラフィックの切替または復帰切替処理中に広告または取り消す必要がなく、かつ多くの場合、ネットワークはルートを再計算する必要がない。したがって、下りのトラフィックの切替およびサービス復帰切替の性能が大幅に向上し、これによってサービス中断時間が大幅に短縮し、2ノードクラスタのホットバックアップの障害発生時に下りのトラフィックの切替および復帰切替が遅いという問題を解決する。
【0017】
本発明の実施形態または従来技術による技術的な解決法をより明確に示すために、実施形態または従来技術の説明に必要な添付の図面が、以下で簡単に紹介される。当然、以下の説明における添付の図面は、単なる本発明の一部の実施形態であり、当業者は、創造的な作業を伴うことなく、添付の図面に従って別の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明のある実施形態による、2ノードクラスタのホットバックアップのための方法のフローチャートである。
図2】本発明のある実施形態による、ネットワークノードのブロック図である。
図3】本発明のある実施形態による、2ノードクラスタのホットバックアップのためのシステムのブロック図である。
図4】本発明のある実施形態による、2ノードクラスタのホットバックアップのためのシステムの障害時の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態の前述の目的、特徴および利点をより明確にして理解しやすくするために、本発明の実施形態が、添付の図面および特定の実装形態を参照して以下でさらに詳細に説明される。
【0020】
本発明の実施形態が、図1図3を参照して以下で説明される。
【0021】
図1は、本発明のある実施形態による、2ノードクラスタのホットバックアップのための方法のフローチャートである。この方法は、以下のステップを含む。
【0022】
102:各ローカルアクセスポートと第1のネットワークノードの各アクセスポートとの間の、アクティブ/スタンバイ関係を調整するために、冗長性プロトコルをアクセスポートにおいて第1のネットワークノードに対して設定する。
【0023】
具体的には、第1のネットワークノードに対する冗長性プロトコルは、第2のネットワークノードの各アクセスポートと第1のネットワークノードの各アクセスポートの間の、アクティブ/スタンバイ関係を調整するように、第2のネットワークノードのアクセスポートにおいて設定されてもよい。例えば、第2のネットワークノードのアクセスポートBが、第1のネットワークノードのアクセスポートAのスタンバイアクセスポートとして動作することが、調整によって決まり、第1のネットワークノードのアクセスポートCが、第2のネットワークノードの別のアクセスポートDのスタンバイアクセスポートとして動作することが、調整によって決まる。1つのアクセスポートは、同時にアクティブアクセスポートとスタンバイアクセスポートの両方になることはできない。冗長性プロトコルに従って、第1のネットワークノードのアクセスポートに障害があるときにサービス切替が発動し、第1のネットワークノードのアクセスポートが障害から回復した後に、サービス復帰切替が発動する。
【0024】
104:ユーザーのネットワークセグメントのルートを広告し、上記のユーザーのネットワークセグメントが、第1のネットワークノードが広告するルートが属するユーザーのネットワークセグメントと同一である。
【0025】
同じネットワークセグメントの異なるユーザーが、第1のネットワークノードのアクティブアクセスポートまたは第2のネットワークノードのアクティブアクセスポートを通じてオンライン上にいてもよい。
【0026】
106:第1のネットワークノードに対して保護チャネルを確立または指定する。
【0027】
保護チャネルは、IPまたはMPLS基幹ネットワークを介して、第2のネットワークノードと第1のネットワークノードとの間で確立または指定され、または、保護チャネルは、直接接続されたリンクを介して、第2のネットワークノードと第1のネットワークノードとの間で確立される。保護チャネルは、TEトンネル、Generic Routing Encapsulation(GRE)トンネル、Label Distribution Protocol(LDP) Label Switched Path(LSP)トンネルまたはIPセキュリティ(IPSEC)トンネルであってよく、また直接接続されたイーサネット(登録商標)リンク、非同期転送モード(ATM)リンクまたはポイントツーポイントプロトコル(PPP)リンクであってもよい。保護チャネルが、第2のネットワークノードと第1のネットワークノードとの間に存在するトンネル、例えばLDP LSPトンネルであるとき、存在するトンネルは保護チャネルとして指定されるだけでよい。保護チャネルは、双方向通信容量を確保しなければならない。したがって、保護チャネルがTEトンネルのような単方向のトンネルである場合、第2のネットワークノードから第1のネットワークノードへのトンネルと第1のネットワークノードから第2のネットワークノードへのトンネルの2つのトンネルがそれぞれ、確立または指定される必要がある。また、保護チャネルが双方向のトンネルである場合、1つのトンネルのみが確立または指定されればよい。
【0028】
ユーザーに送信されるパケットに関しては、パケットが第2のネットワークノードまたは第1のネットワークノードのどちらかに到達できる限り、パケットはユーザーに直接到達してもよいし、保護チャネルを介して別のネットワークノードによってユーザーに到達してもよい。例えば、ユーザーは第1のネットワークノードのアクティブアクセスポートを介してオンライン上にいる。ユーザーに送信されるパケットが第2のネットワークノードに到達すると、パケットは保護チャネルを介して第1のネットワークノードに到達し、ユーザーがそれを介してオンライン上にいるアクティブアクセスポートによって、ユーザーに到達する。したがって、本実施形態でのルート配置は簡単であり、障害によるサービス切替またはサービス復帰切替の間に、ルートを広告または取り消す必要はない。代わりに、ユーザーのネットワークセグメントのルートは、両方のネットワークノードにおいて広告される。ルートを最適化する必要があるときは、ルーティング方針を設定することによって干渉を実装することができ、したがって、ネットワークセグメントのルートが、高い優先度であるネットワークノードに優先的に向けられる。例えば、第1のネットワークノードのアクセスポートの全てまたは大部分がアクティブアクセスポートである場合、管理者は、ルーティング効率を改善するために、ネットワークセグメントのルートを第1のネットワークノードに優先的に向けることを望む。このように、ルーティング方針を設定することができるので、第1のネットワークノードへの優先度が高くなる。
【0029】
2つのノードの間でのパケットのループを避けるために、2つの解決法が提供される。(1)パケットに対してスプリットホライズンを実行し、このとき、パケットは保護チャネルから受信され、パケットの宛先アドレスはユーザーのネットワークセグメントに属し、ループしたパケットを保護チャネルに再送することを禁止する。また、(2)ユーザーのネットワークセグメントに属す宛先アドレスを有するパケットのTTLが設定した値を超えた場合、TTLをその設定した値に変更し、TTLが設定した値を超えない場合、従来の方法でTTLから1を引き、このとき設定した値は保護チャネルの特定の性質に従って設定され、通常、例えば2または3のような小さな値である。
【0030】
第1のネットワークノードに対して保護チャネルを確立または指定することは、相対的に独立しており、特定の状況に従って102および104の前または後に実施されてもよいことを、当業者は理解することができる。
【0031】
108:第1のネットワークノードに対してユーザー情報を同期する。
【0032】
第2のネットワークノードは、第1のネットワークノードに対してユーザー情報を同期するので、第2のネットワークノードは、第1のネットワークノードに障害がある場合、またはリンクに障害がある場合に下りのトラフィックをユーザーに送信するための適切な情報を有しており、したがってサービスを迅速に回復する。
【0033】
110:第1のネットワークノードに障害がある場合、冗長性プロトコルに従ってサービス切替を実行し、ユーザー情報に従ってユーザーに下りのトラフィックを送信する。
【0034】
第1のネットワークノードは、様々な原因により障害を有し得る。
【0035】
本発明の実施形態を適用する状況では、第1のネットワークノードのユーザーのアクセスリンクまたはアクセスポートに障害がある。この場合、ユーザーサービスは、障害が起きているアクセスポートのスタンバイアクセスポートに切り替えられ、このとき障害が起きているアクセスポートのスタンバイアクセスポートは、冗長性プロトコルおよび第2のネットワークノードでの調整に従って決定され、スタンバイアクセスポートはアクティブアクセスポートにされる。第1のネットワークノードと第2のネットワークノードの両方がユーザーのネットワークセグメントのルートを広告するので、下りのトラフィックは直接第2のネットワークノードに到達してもよく、または最初に第1のネットワークノードに到達してもよい。下りのトラフィックが最初に第1のネットワークノードに到達する場合、第1のネットワークノードは、保護チャネルを介して下りのトラフィックを第2のネットワークノードに送信し、第2のネットワークノードは、調整によってかつプロトコルに従って決定されるアクセスポートによって、ユーザー情報に従い、下りのトラフィックをユーザーに送信する。下りのトラフィックが第2のネットワークノードに直接到達する場合、第2のネットワークノードは、調整によってかつプロトコルに従って決定されるアクセスポートによって、ユーザー情報に従い、下りのトラフィックをユーザーに直接送信する。いずれの場合でも、下りのトラフィックはユーザーに到達することができ、したがって、ルートを変更する必要はない。第1のネットワークノードのアクセスリンクまたは第1のネットワークノードのアクセスポートが障害から回復した後の、サービス復帰切替の間でも、ルートを切り替える必要はない。
【0036】
上記の適用状況でのサービス切替およびサービス復帰切替の間、ユーザーのネットワークセグメントのルートを広告または取り消す必要はなく、ネットワークはルートを再計算する必要がない。したがって、サービス切替およびサービス復帰切替の性能が大幅に向上し、したがって、サービス中断時間が大幅に短縮する。
【0037】
本発明の実施形態を適用する別の状況では、第1のネットワークノードは複数のラインカードを有する機器であり、複数のラインカードのポートを介して基幹ネットワークに接続される。第1のネットワークノードのユーザーのアクセスポートが位置するラインカードに、障害がある。この場合、第1のネットワークノードの別のラインカードは正常に動作し、第1のネットワークノードおよび基幹ネットワークは依然として接続されており、第2のネットワークへの保護チャネルは依然として正常である。したがって、第1のネットワークノードのユーザーのアクセスリンクまたはアクセスポートに障害がある状況と同様に、サービス切替およびサービス復帰切替処理の間に、ユーザーのネットワークセグメントのルートを広告または取り消す必要はなく、ネットワークはルートを再計算する必要がない。その結果、サービス切替およびサービス復帰切替の性能は大幅に向上し、したがって、サービス中断時間が大幅に短縮する。
【0038】
本発明の実施形態を適用する別の状況では、第1のネットワークノード全体に障害がある。この場合、第1のネットワークノードから第2のネットワークノードへの保護チャネルが正常に動作できない。したがって、ユーザーのネットワークセグメントのルートは、ルートが収束するまで第2のネットワークノードに自動的に向けられない。このとき、ユーザーに送信されるパケットは、基幹ネットワークを介して第2のネットワークノードに直接送信される。この状況では、第2のネットワークノードは既にユーザーのネットワークセグメントのルートを広告しているので、ルートをサービス切替の間に再び広告する必要がない。したがって、サービス切替の性能はある程度改善する。加えて、第1のネットワークノードが回復する限り、保護チャネルは正常な状態に回復する。下りのトラフィックは、第1のネットワークノードまたは第2のネットワークノードのどちらかを介して、最終的にユーザーに到達することができる。したがって、サービス復帰切替処理の間に、第1のネットワークノードはルートを広告する必要がなく、第2のネットワークノードもルートを取り消す必要がない。サービス復帰切替の性能は大幅に向上し、したがって、サービス中断時間が大幅に短縮する。
【0039】
図2は、本発明のある実施形態による、ネットワークノードのブロック図である。ネットワークノードは少なくとも1つのアクセスポート202、同期モジュール204、広告モジュール206、確立モジュール208、および送信モジュール210を含む。
【0040】
アクセスポート202は、第1のネットワークノードに対して冗長性プロトコルを設定するように構成される。
【0041】
アクセスポート202は、第1のネットワークノードに対して冗長性プロトコルを設定し、冗長性プロトコルは、第1のネットワークノードのアクセスポートについてアクティブ/スタンバイポートを調整するのに使用される。例えば、アクセスポート202が第1のネットワークノードのアクセスポートのスタンバイアクセスポートであるということが、調整によって決まり、または、第1のネットワークノードのアクセスポートがアクセスポート202のスタンバイアクセスポートであるということが、調整によって決まる。冗長性プロトコルに従って、第1のネットワークノードのアクセスポートに障害がある場合にサービス切替が発動し、第1のネットワークノードのアクセスポートが障害から回復した後に、サービス復帰切替が発動する。
【0042】
同期モジュール204は、第1のネットワークノードに対して、ユーザー情報を同期するように構成される。
【0043】
同期モジュール204は、第1のネットワークノードに対してユーザー情報を同期するので、第2のネットワークノードは、第1のネットワークノードに障害がある場合、またはリンクに障害がある場合にサービスを迅速に回復するための適切な情報を有する。
【0044】
解放モジュール206は、ユーザーのネットワークセグメントのルートを広告するように構成され、上記のユーザーのネットワークセグメントは、第1のネットワークノードが広告するルートが属するユーザーのネットワークセグメントと同一である。
【0045】
確立モジュール208は、第1のネットワークノードに対して保護チャネルを確立または指定するように構成される。
【0046】
確立モジュール208は、保護チャネルを、IPまたはMPLS基幹ネットワークを介して、第2のネットワークノードと第1のネットワークノードとの間で確立または指定し、または、保護チャネルを、直接接続されたリンクを介して、第2のネットワークノードと第1のネットワークノードとの間で確立する。保護チャネルは、TEトンネル、GREトンネル、LDP LSPトンネルまたはIPSECトンネルであってよく、また直接接続されたイーサネット(登録商標)リンク、ATMリンクまたはPPPリンクであってもよい。保護チャネルが、第2のネットワークノードおよび第1のネットワークノードの間に存在するトンネル、例えばLDP LSPトンネルであるとき、存在するトンネルは保護チャネルとして指定されるだけでよい。保護チャネルは、双方向通信容量を確保しなければならない。したがって、保護チャネルがTEトンネルのような単方向のトンネルである場合、第2のネットワークノードから第1のネットワークノードへのトンネルと第1のネットワークノードから第2のネットワークノードへのトンネルの2つのトンネルがそれぞれ、確立または指定される必要がある。また、保護チャネルが双方向のトンネルである場合、1つのトンネルのみが確立または指定されればよい。
【0047】
ユーザーに送信されるパケットに関しては、パケットが第2のネットワークノードまたは第1のネットワークノードのどちらかに到達できる限り、パケットはユーザーに直接到達してもよいし、保護チャネルを介して別のネットワークノードによってユーザーに到達してもよい。例えば、ユーザーは第1のネットワークノードのアクティブアクセスポートを介してオンライン上にいる。ユーザーに送信されるパケットが第2のネットワークノードに到達すると、パケットは保護チャネルを介して第1のネットワークノードに到達し、ユーザーがそれを介してオンライン上にいるアクセスポートによって、ユーザーに到達する。したがって、ルート配置は簡単であり、障害によるサービス切替またはサービス復帰切替の間に、ルートを広告または取り消す必要はない。代わりに、ユーザーのIPネットワークセグメントのルートは、両方のネットワークノードにおいて広告され得る。ルートを最適化する必要があるときは、ルーティング方針を設定することによって干渉を実装することができ、したがって、IPネットワークセグメントのルートが、高い優先度であるネットワークノードに優先的に向けられる。例えば、第1のネットワークノードのアクセスポートの全てまたは大部分がアクティブアクセスポートである場合、管理者は、ルーティング効率を改善するために、ネットワークセグメントのルートを第1のネットワークノードに優先的に向けることを望む。このように、ルーティング方針を設定することができるので、第1のネットワークノードへの優先度が高くなる。
【0048】
2つのノードの間でのパケットのループを避けるために、2つの解決法が提供される。(1)パケットに対してスプリットホライズンを実行し、このとき、パケットは保護チャネルから受信され、パケットの宛先アドレスはユーザーのネットワークセグメントに属し、ループしたパケットを保護チャネルに再送することを禁止する。また、(2)ユーザーのネットワークセグメントに属す宛先アドレスを有するパケットのTTLが設定した値を超えた場合、TTLをその設定した値に変更し、TTLが設定した値を超えない場合、従来の方法でTTLから1を引き、このとき設定した値は保護チャネルの特定の性質に従って設定され、通常、例えば2または3のような小さな値である。
【0049】
送信モジュール210は、ユーザー情報および冗長性プロトコルに従って、下りのトラフィックをユーザーに送信するように構成される。
【0050】
第1のネットワークノードに障害がない場合、送信モジュール210は、ユーザー情報に従って、下りのトラフィックをユーザーに送信する。
【0051】
第1のネットワークノードに障害がある場合、送信モジュール210は、冗長性プロトコルに従ってサービス切替を実行し、ユーザー情報に従って下りのトラフィックをユーザーに送信する。
【0052】
第1のネットワークノードは、様々な原因により障害を有し得る。
【0053】
本発明の実施形態を適用する状況では、第1のネットワークノードのユーザーのアクセスリンクまたはアクセスポートに障害がある。この場合、ユーザーサービスは、障害が起きているアクセスポートのスタンバイアクセスポートに切り替えられ、このとき障害が起きているアクセスポートのスタンバイアクセスポートは、冗長性プロトコルおよび調整に従って決定され、スタンバイアクセスポートはアクティブアクセスポートにされる。第1のネットワークノードと第2のネットワークノードの両方がユーザーのネットワークセグメントのルートを広告するので、下りのトラフィックは直接第2のネットワークノードに到達してもよく、または最初に第1のネットワークノードに到達してもよい。例えば、アクセスポート202が第1のネットワークノードのアクセスポートのスタンバイアクセスポートであることが、冗長性プロトコルまたは調整に従って決定される。第1のネットワークノードのアクセスポートに障害がある場合、アクセスポート202はアクティブアクセスポートにされる。下りのトラフィックが最初に第1のネットワークノードに到達する場合、第1のネットワークノードは、保護チャネルを介して下りのトラフィックを第2のネットワークノードに送信し、第2のネットワークノードの送信モジュール210は、アクセスポート202によって、ユーザー情報に従い、下りのトラフィックをユーザーに送信する。下りのトラフィックが第2のネットワークノードに直接到達する場合、送信モジュール210は、アクセスポート202によって、ユーザー情報に従い、下りのトラフィックをユーザーに送信する。いずれの場合でも、下りのトラフィックはユーザーに到達することができ、したがって、ルートを変更する必要はない。第1のネットワークノードのアクセスリンクまたは第1のネットワークノードのアクセスポートが障害から回復した後の、サービス復帰切替の間でも、ルートを切り替える必要はない。
【0054】
上記の適用状況でのサービス切替およびサービス復帰切替処理の間、ユーザーのネットワークセグメントのルートを広告または取り消す必要はなく、ネットワークはルートを再計算する必要がない。したがって、サービス切替およびサービス復帰切替の性能が大幅に向上し、したがって、サービス中断時間が大幅に短縮する。
【0055】
本発明の実施形態を適用する別の状況では、第1のネットワークノードは複数のラインカードを有する機器であり、複数のラインカードのポートを介して基幹ネットワークに接続される。第1のネットワークノードのユーザーのアクセスポートが位置するラインカードに、障害がある。この場合、第1のネットワークノードの別のラインカードは正常に動作し、第1のネットワークノードおよび基幹ネットワークは依然として接続されており、第2のネットワークへの保護チャネルは依然として正常である。したがって、第1のネットワークノードのユーザーのアクセスリンクまたはアクセスポートに障害がある状況と同様に、サービス切替およびサービス復帰切替処理の間に、ユーザーのネットワークセグメントのルートを広告または取り消す必要はなく、ネットワークはルートを再計算する必要がない。その結果、サービス切替およびサービス復帰切替の性能は大幅に向上し、したがって、サービス中断時間が大幅に短縮する。
【0056】
本発明の実施形態を適用する別の状況では、第1のネットワークノード全体に障害がある。この場合、第1のネットワークノードから第2のネットワークノードへの保護チャネルが正常に動作できない。したがって、ユーザーのネットワークセグメントのルートは、ルートが収束するまで第2のネットワークノードに自動的に向けることができない。ユーザーに送信されるパケットは、基幹ネットワークを介して第2のネットワークノードに直接送信される。この状況では、第2のネットワークノードは既にユーザーのネットワークセグメントのルートを広告しているので、ルートをサービス切替の間に再び広告する必要がない。したがって、サービス切替の性能はある程度改善する。加えて、第1のネットワークノードが回復する限り、保護チャネルは正常な状態に回復する。下りのトラフィックは、第1のネットワークノードまたは第2のネットワークノードのどちらかを介して、最終的にユーザーに到達することができる。したがって、サービス復帰切替処理の間に、第1のネットワークノードはルートを広告する必要がなく、第2のネットワークノードもルートを取り消す必要がない。サービス復帰切替の性能は大幅に向上し、したがって、サービス中断時間が大幅に短縮する。
【0057】
図3は、本発明のある実施形態による、2ノードクラスタのホットバックアップのためのシステムのブロック図である。このシステムは、第1のネットワークノードおよび第2のネットワークノードを含む。
【0058】
第1のネットワークノード302は、第1のネットワークノード302の各アクセスポートと第2のネットワークノード304の各アクセスポートとの間のアクティブ/スタンバイ関係を調整するために、アクセスポートにおいて、第2のネットワークノード304に対して冗長性プロトコルを設定し、ユーザーのネットワークセグメントのルートを広告するように構成される。
【0059】
第2のネットワークノード304は、第2のネットワークノード304の各アクセスポートと第1のネットワークノード302の各アクセスポートとの間のアクティブ/スタンバイ関係を調整するために、アクセスポートにおいて、第1のネットワークノード302に対して冗長性プロトコルを設定し、第1のネットワークノード302が広告するルートが属するユーザーのネットワークセグメントと同一である、ユーザーのネットワークセグメントのルートを広告し、第1のネットワークノード302に対して保護チャネルを確立または指定し、第1のネットワークノード302に対してユーザー情報を同期し、第1のネットワークノードに障害があるときに、冗長性プロトコルに従ってサービス切替を実行し、ユーザー情報に従って下りのトラフィックをユーザーに送信するように構成される。
【0060】
図4を参照すると、図4は、本発明のある実施形態による、2ノードクラスタのホットバックアップのための、システムの障害時の概略図である。2ノードクラスタのホットバックアップのためのシステムでは、同一のネットワークセグメントの異なるユーザーが、第1のネットワークノード302のアクセスポートを介してオンライン上にいてもよく、第2のネットワークノード304のアクセスポートを介してオンライン上にいてもよい。例えば、ユーザー1は第1のネットワークノード302のアクセスポートAを介してオンライン上におり、冗長性プロトコルおよび調整に従って、第2のネットワークノード304のアクセスポートBがアクセスポートAのスタンバイアクセスポートであることが決まる。ユーザー2は第2のネットワークノード304のアクセスポートDを介してオンライン上におり、冗長性プロトコルおよび調整に従って、第1のネットワークノード302のアクセスポートCがアクセスポートDのスタンバイアクセスポートであることが決まる。特定の障害時には、第1のネットワークノード302のユーザー1のアクセスリンクまたはアクセスポートに、障害がある。この場合、ユーザー1のサービスは、障害が発生しているアクセスポートのスタンバイアクセスポートBに切り替えられ、このとき、障害が発生しているアクセスポートのスタンバイアクセスポートBは、第2のネットワークノード304での冗長性プロトコルおよび調整に従って決定され、アクセスポートBはアクティブアクセスポートにされ、ユーザー2を切り替える必要はない。第1のネットワークノード302と第2のネットワークノード304の両方がユーザーのネットワークセグメントのルートを広告するので、下りのトラフィックは第2のネットワークノード304に直接到達してもよく、最初に第1のネットワークノード302に到達してもよい。下りのトラフィックが最初に第1のネットワークノード302に到達する場合、第1のネットワークノード302は、ユーザー情報に従い、保護チャネルを介して下りのトラフィックを第2のネットワークノード304に送信し、第2のネットワークノード304は、対応するアクセスポートを介して、ユーザー情報に従い、下りのトラフィックをユーザーに送信する。下りのトラフィックが第2のネットワークノード304に直接到達する場合、第2のネットワークノード304は、対応するアクセスポートを介して、ユーザー情報に従い、下りのトラフィックをユーザーに送信する。いずれの場合でも、下りのトラフィックはユーザーに到達することができ、したがって、ルートを変更する必要はない。第1のネットワークノードのアクセスリンクまたは第1のネットワークノードのアクセスポートが障害から回復した後の、サービス復帰切替の間でも、ルートを切り替える必要はない。
【0061】
図4に示される適用状況でのサービス切替およびサービス復帰切替処理の間、ユーザーのネットワークセグメントのルートを広告または取り消す必要はなく、ネットワークはルートを再計算する必要がない。したがって、サービス切替およびサービス復帰切替の性能が大幅に向上し、したがって、サービス中断時間が大幅に短縮する。
【0062】
実施形態で提供される技術的な解決法を採用することで、2ノードクラスタのホットバックアップのネットワークノードの間で保護チャネルが確立または指定され、2つのネットワークノードはユーザーのネットワークセグメントの同一のルートを広告するので、ユーザーのネットワークセグメントのルートを、下りのトラフィックの切替および復帰切替処理の間に広告または取り消す必要がなく、多くの場合、ネットワークはルートを再計算する必要がない。したがって、下りのトラフィックの切替およびサービス復帰切替の性能が大幅に向上し、これによってサービス中断時間が大幅に短縮し、2ノードクラスタのホットバックアップの障害発生時に下りのトラフィックの切替および復帰切替が遅いという問題を解決する。
【0063】
上述の実施形態の方法における全てまたは一部のステップは、関連するハードウェアに命令するプログラムによって実装され得ることを、当業者は理解されたい。プログラムは、コンピュータ可読媒体に保存され得る。保存媒体は、ROM/RAM、磁気ディスク、または光ディスクであってよい。
【0064】
上述の実施形態は、本発明の単なる例示的な実施形態であって、本発明の保護範囲を限定することを意図していない。本発明の原理から逸脱することなく、あらゆる修正、等価な置換または改良が、本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0065】
202 アクセスポート
204 同期モジュール
206 解放モジュール
208 確立モジュール
210 送信モジュール
302 第1のネットワークノード
304 第2のネットワークノード
図1
図2
図3
図4