(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各々が1回投与分の調合薬(2)を収容したカプセル(3)から前記調合薬(2)を吸入するための吸入器(1)であって、前記吸入器(1)が、吸入中、前記カプセル(3)を空にするために前記カプセル(3)を次々に1つずつ受け入れるたった1つのカプセルチャンバ(4)を有する吸入器において、
前記吸入器(1)は、複数のカプセル(3)を受け入れるカプセルリザーバ(31)を有し、
前記吸入器(1)は、前記カプセルリザーバ(31)から前記カプセルチャンバ(4)にカプセルを自動充填し、かつ、前記カプセルチャンバ(4)を空にする装置(25、32)を有し、前記吸入器(1)は、使用済みカプセル(3)を収容するように構成されており、
吸入中、前記カプセル(3)を空にする目的で前記カプセル(3)を保持するカプセルチャンバ(4)は、前記カプセルリザーバ(31)とは別個であることを特徴とする、
吸入器。
前記カプセル(3)は、特に、可動の仕方、又は、撓むことができる仕方でキャリヤ(11)に解除可能に又は切り離し可能に接合できることを特徴とする、請求項2又は3記載の吸入器。
前記カプセルリザーバ(31)は、マガジンの形態をしており、前記吸入器(1)内に挿入でき、又は、前記吸入器に結合でき、交換でき且つ/又は再充填できることを特徴とする、請求項1に記載の吸入器。
前記カプセルチャンバ(4)は、前記カプセルチャンバ(4)から移動又は引き出すことができるカプセルチャンバ部分(26)を有することを特徴とする、請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の吸入器。
前記カプセルチャンバ(4)は、前記カプセルチャンバ(4)に前記カプセル(3)を充填したり前記カプセルチャンバ(4)を空にしたりするのに役立つカプセルチャンバ部分(26)を有することを特徴とする、請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の吸入器。
前記吸入器は、カプセルリザーバ(31)から前記カプセルチャンバ(4)への運動、ピボット運動又は運搬の際、対応の前記カプセル(3)を自動的に開放する開放装置(5)を有することを特徴とする、請求項13記載の吸入器。
前記カプセルチャンバ(4)は、細長い構造のものであり、空気は、対応の前記カプセル(3)を空にし、且つ/又は、対応の前記1回投与分の調合薬(2)を放出するために、前記カプセルチャンバを通って流れることができることを特徴とする、請求項1〜17のうちいずれか1項に記載の吸入器。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の個々の観点、特徴、性質及び利点は、特許請求の範囲の記載並びに図面を参照して行われる好ましい実施形態及び変形例についての以下の説明から明らかになろう。
【0017】
図中、同一の参照符号は、関連の説明を繰り返さない場合であっても、同一又は類似の部分について用いられている。特に、同一又は対応の利点及び性質が得られる。個々の図は、大抵の場合、例示の目的又は分かりやすくする目的で縮尺通りには描かれていない。
【0018】
図1は、好ましい実施形態として提案された吸入器1の構造を分解組立て斜視図で概略的に示している。吸入器1は、好ましくは、携帯可能であるように構成されていて、特に純粋に機械的に動作する。
【0019】
図2は、上述した意味の好ましくは粉末状の調合薬2をカプセル3から吸入するための組み立て状態の吸入器1を概略断面で示している。
【0020】
概略断面図では、カプセル3は、吸入器1のカプセルチャンバ4の内側に位置した状態で示されている。カプセル3は、依然として密封され、即ち、依然として開かれていない。
【0021】
カプセル3は、好ましくは、細長い構造のものである。しかしながら、理論的には、カプセル3は、任意他の適当な形状のものであって良く、例えば球形であって良い。
【0022】
カプセル3は、理論的には、任意適当な材料で作られて良く又は任意適当な材料から成っていて良い。好ましくは、ゼラチンが、カプセル材料として用いられる。この場合、ゼラチンは、ポリエチレングリコール(PEG)、好ましくはPEG3350、グリセロール、ソルビトール、プロピレングリコール、PEO−PPOブロックコポリマー及び他のポリアルコール並びにポリエステルの中から選択された他の添加物との混合物の状態で用いられるのが良い。ゼラチンをPEG、好ましくはPEG3350との混合物の状態で用いることが特に好ましい。特に好ましくは、ゼラチンカプセル3は、PEGを1〜10重量%、好ましくは3重量%から8重量%の量含む。特に好ましくは、ゼラチンカプセル3は、PEGを4重量%から6重量%の量含み、約5重量%のPEG含有量が、最も好ましい。ゼラチン含有カプセル材料の場合、カプセル3は、好ましくは、12重量%未満、最も好ましくは10重量%以下のTEWS又はハロゲン乾燥剤含水率を有する。
【0023】
セルロース誘導体がカプセル材料として用いられる場合、ヒドロプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースを用いることが好ましい。この場合、カプセル材料としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を用いることが特に好ましく、最も好ましくはHPMCが用いられる。セルロース誘導体がカプセル材料として用いられる場合、TEWS又はハロゲン乾燥剤含水度は、好ましくは、8重量%未満、最も好ましくは5重量%未満である。セルロース誘導体で作られたカプセル3を4重量%未満、最も好ましくは2重量%未満のTEWS又はハロゲン乾燥剤含水率まで乾燥させ、その後チオトロピウム含有吸入可能粉末をこれに充填することが吸入にとって最も好ましい。
【0024】
カプセル3にとって適したプラスチック材料は、射出成形又は吹き込み成形及び熱成形による深絞りによって処理可能な任意の薬理学的に許容できるプラスチック及び(又は)カプセルキャップ又はカプセル本体を形成するよう処理されるために離型剤を必要としないプラスチックである。というのは、離型剤は、内容物をカプセル壁にくっつける場合があるからである。プラスチックは又、薬理学的な化学物質、特に肺向けのサイズの粒子への目立った付着性を備えていてはいけない。材料の好ましいショアDスケール硬度は、好ましくは10〜85であり、好ましくは55〜75であり、最も好ましくは60〜70である。この材料は又、プラスチックカプセル3が、その長手方向軸線に沿って好ましくは最大20Nまでの力に耐えるようなものであるべきである。さらに、カプセル3の壁は、1.3×10
-14kg/(m
2sPa)未満、好ましくは1.5×10
-16kg/(m
2sPa)の水蒸気に対する透過度を有するべきである。溶融体粘度MFR(溶融体流量)は、好ましくは、40〜65g/10分、好ましくは45〜49g/10分、最も好ましくは52g/10分である。
【0025】
カプセル3は、各々、特に国際公開第00/07572(A2)号パンフレットに開示されているようにカプセル本体と、カプセルキャップとから成るのが良い。したがって、この場合、国際公開第00/07572(A2)号パンフレットの内容全体をしっかりと参照されたい。この二部品構造体では、プラスチックは、特にカプセル材料として用いられる。カプセル本体及びカプセルキャップは、特に、同種材料から成る。これらは、規定された容積の安定性のある密閉キャビティを形成するように互いに接合される。プラスチック、特にポリエチレンを用いることが特に好ましい。カプセル3は、カプセルキャップをカプセル本体にしっかりと取り付けるラッチ止め要素を有するのが良い。
【0026】
吸入器1は、これを開放するために、開放装置5、特に各々がカプセルチャンバ4又はカプセル3と関連した複数の開放装置5を有している。特に、図示の実施形態では、カプセル3は、側方に開放される。この目的のため、好ましくは細長いカプセル3は、対応の開放装置5の少なくとも1つの穿通要素6、或いは、図示の実施形態では2つの穿通要素6によりカプセルの長手方向側部に沿って又は側方に且つ(或いは)主流れ方向に対して直角をなして穿通され、かくして開放可能である。カプセルチャンバ4は、好ましくは、穿通要素6に対応した穿通開口部7を有している。好ましくは、穿通要素6は、穿通開口部7内の定位置に位置したままであり、これら穿通開口部を密封している。この位置は、特にカプセル3を開放した後及び吸入中、開放装置5によって占められる。
【0027】
カプセルチャンバ4と関連して、入口8及び出口9が設けられ、かかる入口及び出口は、特に軸方向に又は端面が好ましくは細長い又は円筒形のカプセルチャンバ4に通じている。好ましくは、その幾何学的寸法は、欧州特許出願公開第0147755(A2)号明細書のデータに一致しており、この欧州特許出願公開明細書をこの点に関し追加の開示内容として引用する。
【0028】
吸入中、空気又は他の何らかのガスが、入口8を通ってカプセルチャンバ4内に流入し、カプセルチャンバを通って好ましくは反対側の出口9から流出する。空気又はガスのこの流れを吸入中における吸息及び(又は)吸入器1と関連し、ここでは図示していない圧力発生器、例えば空気ポンプ、加圧ガスリザーバ等により生じさせるのが良い。
【0029】
特に、ベルヌーイ効果の結果として、カプセルチャンバ4を通る空気の流れにより、カプセル3は、特にカプセルチャンバ4内で前後に軸方向に動き又は振動し若しくは揺動する。これにより、特に非常に微細な粒子の形態での空気流中への開放状態のカプセル3からの調合薬2の放出及び空気流中への調合薬の分散が生じ又は助長され、調合薬2は、分散により、出口9を通って送り出され、そして特に隣接のマウスピース10を通ってユーザ又は患者(図示せず)に投与される。調合薬2の投与(送出)又は分散は、特に、欧州特許出願公開第0147755(A2)号明細書に記載されているように起こり、この欧州特許出願公開を補完的開示内容としてこの目的のために引用する。しかしながら、調合薬2は、理論的には、任意他の適当な手段によってカプセル3から放出されても良い。
【0030】
図示の実施形態では、吸入器1は、複数のカプセルチャンバ4を有し、これらカプセルチャンバは各々、カプセル3で満たされ、特に1回だけ用いられる。特に、カプセル3の再充填又は交換は行われない。このことは、キャリヤ11に工場でカプセル3を備えることができ、その結果、ユーザ又は患者が手を使ってカプセル3を挿入し又はこれらを取り扱うことが不要であることを意味している。
【0031】
提案された吸入器1は、好ましくは、開放装置5を1つしか備えていない。しかしながら、必要ならば、吸入器1は、特に複数の開放装置5を有しても良く、したがって、各カプセルチャンバ4は、これと関連したそれ自体の別々の開放装置5を有し、或いは、カプセルチャンバ4又はカプセル3は、
図2に示すように別々の又は互いに異なる穿通要素6等と関連するようになっている。この場合、開放装置5は、好ましくは、必要に応じてカム、スライダ又は他の装置によって制御でき又は作動できる。図示の実施形態では、開放装置5又は穿通要素6は、カプセルチャンバ4又はキャリヤ11と一緒に動かされ、好ましくは、これらから取り外すことはできない。
【0032】
好ましくは、カプセル3及びカプセルチャンバ4は、リングの状態に配列されている。特に、カプセルチャンバ4は、共通の好ましくは環状のキャリヤ11(
図1及び
図3aを比較参照されたい)上に形成され又はこれによって形成される。必要ならばキャリヤ11を交換することができる。この場合、キャリヤ11を多数回用いることができ、即ち、キャリヤ1に多くのキャリヤ11を用いることができる。
【0033】
この実施形態では、複数のカプセル3が、キャリヤ11内に納められ、対応した数のカプセルチャンバ4が形成される。
【0034】
各カプセル3は、好ましくは、1回投与分の調合薬2を収容している。キャリヤ11が複数のカプセル3を収容することができ、それにより対応した数の投与分を収容することができるので、この吸入器1により、例えば1週間又は数週間若しくは1箇月の間、ユーザ又は患者への調合薬2、即ち薬剤等の供給を保証できる。
【0035】
カプセルチャンバ4は、好ましくは、特に、流体密であるように閉鎖され、これらカプセルチャンバは又、好ましくは、ガス密である。例えば、キャリヤ11は、この目的のために、両端面にオプションとして連続したカバー12を備え、その結果、一方において入口8及び他方において出口9並びにこれらの中に挿入され若しくは配置された格子13が、覆われて閉鎖されるようになっている。カバー12は、特に、適当なシール、箔等である。
【0036】
図示の実施形態では、カバー12は、好ましくは、ストリップの形態をしており又は連続設計のものである。しかしながら、必要ならば、個々のカプセルチャンバ4又は入口8及び(又は)出口9について別々のカバーを設けても良い。例えばカバー12のセグメント設計も又可能である。
【0037】
好ましくは、穿通開口部7も又、当初、図示していない壁部分、プラグ、カバー等によって閉鎖され、場合によっては、1つ又は複数のカバー12等によっても閉鎖されている。
【0038】
カプセル3が収納されたカプセルチャンバ4は、それに応じて、好ましくは、気密封止される。これにより、長期間にわたる貯蔵が可能である。というのは、カプセル3は、環境による影響、特に対湿度又は大気汚染の激変から最適に保護されるからである。
【0039】
図示の実施形態では、吸入器1は、特にキャリヤ11及び特にカバーとしてマウスピース10を備えた上側ハウジング部品15を収容する下側ハウジング部品14を有している。
【0040】
組み立て状態の吸入器1では、キャリヤ11を段階的に前進させることができ、その結果、次の吸入に用いることが意図されたカプセル3又はカプセルチャンバ4は、吸入位置、この場合、マウスピース10の下側に動くことができるようになっている。この場合、キャリヤ11の回転によるこの位置への運動中、吸入位置に動いているカプセルチャンバ4は、好ましくは、例えば1つ又は複数のカバー12を対応の入口8及び出口9から引き離すことにより個々に開かれる。これは、好ましくは、吸入器1内に設けられる対応の機構体、装置等によって自動的に行われる。変形例として、入口8及び出口9の開放は、吸入位置でのみ生じても良い。
【0041】
カプセルチャンバ4の好ましくは個々の開放は、例えば、1つ又は複数のカバー12を次々に引き外し又は剥ぎ取り、巻き又はコイル状にすることにより実施できる。しかしながら、カバー12又は各カプセルチャンバ4は、任意他の適当な方法で開かれても良い。例えば、カバー12を半径方向内方に又は外方に及び(又は)軸方向に、特に第1の実施形態において提供されたような環状配列状態で引き、押し、剥ぎ取り又はこれらとは違ったやり方で動かし、取り除き又は取り外すことも可能である。
【0042】
必要ならば、取り除き又は取り外し後、カバー12を再びくっつけて戻すことができ、例えば、カバーを吸入器1のキャリヤ11又は別の適当な部品に再び取り付けることができる。例えば、取り外したカバー12は、吸入中、空気の所望の通過を保証するために穿通開口部7を閉鎖するのに役立っても良い。この目的のため、剥ぎ取ったカバー12を下に向かってそれぞれの穿通開口部7を覆うようにくっつけても良い。
【0043】
図示の実施形態では、吸入器1は、入口8を形成し又はこれに隣接して位置し、特にそのばね力により、この場合、軸方向に作用するばね17によって吸入位置において空気供給側でカプセルチャンバ4に押し付け可能であると共に(或いは)取り付け可能であるコネクタ16を有する。必要ならば、コネクタ16は、適当に構成されている場合、それと同時に対応の連結カプセルチャンバ4の開放をも行うことができる。
【0044】
出口9又は出口チャネル若しくはコネクタを備えたマウスピース10を、出口側で、対応の仕方で又は他の何らかの適当な仕方で、吸入位置においてそれぞれのカプセルチャンバ4に連結することができ、好ましくは、これに取り付けることができ、特に、ユーザが吸息したとき、カプセルチャンバ4を通って十分な空気の流れが生じ又は吸い込まれ、それによりカプセル3をカプセルチャンバ4内で所望の仕方で運動させ、特に、このように調合薬2の送出を行わせ又は助けるようになっている。
【0045】
調合薬2の吸入又は放出中、開放装置5は、好ましくは、
図2に示すようにその穿通要素6で穿通開口部7を塞いで入口8から出口9への空気の所望の流れを生じさせるようになっている。吸入後、開放装置5を穿通開口部7から完全に引き抜くと、その結果、キャリヤ11を更に回転させることができ、このようにすると、新たなカプセルチャンバ4を吸入位置に動かすことができるようになる。
【0046】
しかしながら、カプセル3の穿通又は開放後、穿通開口部7を任意適当な仕方で吸入のために少なくとも一時的に再び密封するのが良い。例えば、穿通開口部7をこれと関連した隔膜(図示せず)によって自動自己密封するよう形成されるのが良く、又は、カプセル3の穿通後、適当なクロージャ要素、例えばストッパ、加圧可能なシール等で少なくとも吸入位置の近くで閉鎖するのが良い。
【0047】
キャリヤ11を前進させるため、開放装置5の強調状態の作動のため及び(又は)対応のカプセルチャンバ4を開放するため、好ましくは、適当な特に共有状態の機構体等が設けられるが、これは図示されていない。特に、吸入器1は、手動で作動される。
【0048】
かかる機構体が適切に設計されている場合、取り扱いが特に容易である。特に、個々のカプセル3を手を使って対応のカプセルチャンバ4内に挿入する必要はない。さらに、適当に設計されている場合、単一の作動要素の作動は、機能の全て、即ち、カプセル3を収容した次のカプセルチャンバ4を吸入位置に前進させ、カプセルチャンバ4を開放し、カプセル3を開放するのに十分な場合がある。
【0049】
提案されている吸入器1の一利点は、空になった又は使用済みのカプセル3及び使用済みのカプセルチャンバ4を排出したり処分する必要はなく、吸入器1内に収納されてその中に位置したままであるということにある。これにより、これらの取り扱いが非常に簡単になると共にこれらを汎用的に用いることができる。
【0050】
この実施形態では、カプセル3及び(又は)カプセルチャンバ4は、好ましくは、運動方向に垂直に且つ(或いは)互いに平行に且つ(或いは)少なくとも実質的に軸方向に位置合わせされる。しかしながら、
図4、
図5又は
図6によれば、カプセル3及び(又は)カプセルチャンバ4は、半径方向に位置合わせされても良い。これにより、吸入器1は、特に低い全体的高さを有することができる。必要ならば、カプセルチャンバ4及び(又は)カプセル3をピボット運動させて半径方向位置から吸入のための軸方向位置に又は特にキャリヤ11がそれに応じて構成されている場合には、吸入位置に動かすことができる。
【0051】
したがって、上述の説明は、カプセル3が当初カプセルチャンバ4内に配置されておらず、例えば次々にカプセルチャンバ4に供給される場合、カプセル3に当てはまる。
【0052】
一般に、カバー12に代えて、カプセルチャンバ4を個々に又はグループをなして若しくはひとまとめに閉鎖するのに他のクロージャ等、例えばストッパ、カバー、ゲート、好ましくは回転式シャッタ、スライダ、スリーブ等を用いることが可能である。
【0053】
代替的に又は追加的に、個々の状態の又はグループをなした状態のカプセルチャンバ4又は全体としてのキャリヤ11にこれを包囲する包装材、例えばブリスタ、溶接箔等を施すことが可能である。これは、長い保存寿命を保証するのに役立つ。
【0054】
この実施形態では、キャリヤ11は、好ましくは、比較的固形の又は硬質の且つ(或いは)耐拡散性の材料、特に適当なプラスチックで作られる。穿通開口部7は、好ましくは、既にキャリヤ11内に形成されており、この穿通開口部は、好ましくは、所望の保存寿命を維持し或いはカプセルチャンバ4並びに入口8及び出口9を気密封止するよう覆われる。この目的のため、連続又は供給状態の若しくは別々のカバー(図示せず)をこの場合も又設けるのが良く、穿通開口部7は、この場合、好ましくは、連続的に開かれ、即ち、特定のカプセルチャンバ4の開口部だけが開かれる。穿通開口部7をキャリヤ11の製造中に形成する代わりに、理論的には、穿通開口部7を個々のカプセルの開放中、穿通要素6等だけで形成することも可能である。この目的のため、穿通要素6は、例えば、キャリヤ11の対応の弱め又は薄い壁部分を穿通しても良い。変形例として、理論的には、カプセル3を特定のカプセルチャンバ4の入口8及び(又は)出口9から開き、その後カプセルをカプセルチャンバ4内に導入することも可能である。特に、カプセル3は又、軸方向に又はこれらの長手方向側部に沿って開放することも可能である。
【0055】
図示の実施形態では、カプセル3は、好ましくは、カプセル3を考えられる限り最善の又は最も完全に空にすることができ又はそのようにするために2箇所で開放される。しかしながら、理論的には、カプセル3を空にするためにカプセル3を1箇所又は一領域でのみ開放することも可能である。これは、特に、対応の開口部の寸法形状及び位置、カプセルの形状、チャンバの形状、カプセルの予想運動距離等で決まる。
【0056】
さらに、理論的には、カプセル3が空にされている間動かず、対応の投与分の調合薬2を例えば開放状態のカプセル3を通る空気の対応の流れ又は空気の放出若しくは例えばカプセル3の完全な開放によって取り出し又は放出することも可能である。
【0057】
オプションとしての格子は、開放又は穿通プロセスで生じるカプセル断片が例えば、空気の流れに乗って運ばれてマウスピース10を通って送出されるのを阻止する。カプセルのかかる断片を格子13により保持して戻すのが良い。代替的に又は追加的に、格子13は又、カプセル3をカプセルチャンバ4内に保持するのにも役立つ。
【0058】
格子13は、好ましくは、特に環状インサート18によって保持され、この環状インサートは、カプセルチャンバ4の出口側に設けられ又はこの中に挿入される。図示の実施形態では、インサート18は好ましくは、それと同時に、結果的に出口側における流れ断面積の所望の減少をもたらして所望の流れ条件を達成し、その結果、カプセルチャンバ4内のカプセル3の好ましい長手方向運動が吸入中又は空気若しくはガスが流通しているときに生じるようになっている。
【0059】
変形例として、連続格子を複数のカプセルチャンバ4又はカプセルチャンバ4の出口側に設けることも可能である。
【0060】
以下において、幾つかの別の特徴及び追加の実施形態について説明する。第1の実施形態とは異なる本質的な点のみ又は新たな観点を詳細に説明する。特に、これまでに行った説明は、対応した仕方で又は補完的な仕方で引き続き当てはまる。
【0061】
図3bは、カバー12を開放する好ましい変形例を示している。カバー12は、好ましくは、箔の形態をしており、第1のローラ18上で剥ぎ取られ、引き外され又は巻き取られ若しくは好ましくは第2のローラ18bに巻き付けられる。2つのローラ18a,18bは、特に摩擦クラッチ又は歯車装置によって互いに接合されると共に(或いは)好ましくはキャリヤ11又はカプセルチャンバ4のそれ以上の運動中又はその結果として、歯車装置によって駆動又は回転可能である。
【0062】
ローラ18a,18bは、吸入器1内に適切に設けられている。
【0063】
図3cは、
図3bの詳細断面図であり、カプセルチャンバ4又はキャリヤ11の両側の開放の仕方を示しており、この開放は、好ましくは、少なくとも1つのローラ18a、好ましくは2つのローラ18a,18bによって対応した仕方で行われる。
【0064】
変形例として、第1のローラ18aに代えて、カバーを固定されたローラ、縁部等で引き外し又は剥ぎ取ることも可能である。
【0065】
図3dは、別の実施形態の細部の略図である。カバー12は、この場合、第2のローラ18bに巻き付けられておらず、好ましくは、第1のローラ18aを介して逆方向に回転しているリング18c上に置かれる。
【0066】
図3eは、別の実施形態を示している。この場合、カバー12は、好ましくは、開放要素18dによって引き離すことができる個々の小片又はセグメント12aで作られている。穿通要素18dは、好ましくは、穿通要素6を引き戻したときに対応のカプセルチャンバ4が開かれ、かくして、いつでも吸入可能な状態になっているように開放装置5に結合されている。
【0067】
図3fの概略断面は、この原理を示している。開放要素18dは、好ましくは、フック状に構成され、好ましくは、最初に引き外されるべき対応のカバー部分12aに設けられたオプションとしての凹部及び開口部の中に引っ掛かる。
図3eに示す状態では、
図3fに矢印で指示されている運動中、対応のカバー部分12aは、好ましくは、半径方向内方に引かれ、このようにして、関連のカプセルチャンバ4が開かれる。この状態は、
図3fに示されている。遅くとも、開放要素18bが
図3eに示すその開始位置に戻っている間に、引き外されたカバー部分12aは、開放要素18d又はそのフックから離脱状態になるのが良く、好ましくは、
図3fに示すオプションとしての捕捉容器18e等内に落ち込み又は配置される。
【0068】
図3gは、別の実施形態の同様な断面図である。この場合、穿通要素18dは、特に、ショベルの形態をしている。好ましくは、穿通要素18dは、対応のカバー部分12aの下側でキャリヤに設けられている好ましくは半径方向の溝18fの2つのショベル状端部に側方に係合し、このカバー部分を特に外部から剥ぎ取る。剥ぎ取られ又は引き外されたカバー部分12aは、好ましくは、収集容器18eによって受け取られる。
【0069】
必要ならば、カバー12は、一体品の状態で作られても良い。この場合、カバー12は、カバー12が個々のカバー部分12aの状態に切断され又は違ったやり方で分離されるような仕方で好ましくは穿通要素18dの適当な構造により開かれる。ただし、カバー12が、特にコイル状に巻かれておらず、又は違ったやり方で、連続バンド、ストリップ等として集められないことを条件とする。個々の又は分離可能なカバー部分12aの形成を助けるため、必要ならば、カバー12には、スロットを設け、小穴を設けると共に(或いは)他の脆弱な箇所を設ける。好ましくは、別々の又は明確に区分されたカバー12又はカバー部分12aは、カプセルチャンバ4の一方においては入口側他方においては出口側のために設けられる。しかしながら、理論的には、カプセルチャンバ4の少なくとも対応の入口8及び出口9を覆う共通のカバー12又は共通のカバー部分12aを用いることも可能である。
【0070】
図4aは、提案されている吸入器又はアトマイザ1の別の実施形態を略図で示している。カプセル3及びチャンバ4は、好ましくは、半径方向に位置合わせされる。カバー12は、周囲に沿って配置され、従って、このカバーは、好ましくは、特にローラ18a,18bにより又は他の何らかの適当な仕方で、周囲が剥がされ又は引き離される。
【0071】
開放装置5は、好ましくは、カプセルチャンバ4の空気供給側又は空気入口側を開放するのにも役立つ。例えばレバー、バー又はフィンガの形態をした良く見受けられる開放装置5は、この目的のために追加の穿通要素6aを有しており、この追加の穿通要素は、例えば対応のカプセルチャンバ4の入口8を露出させ又は開くために、カバー12の軸方向側部を穿通することができる。穿通及び(又は)開放運動は、好ましくは、この実施形態では軸方向に起こる。
図4bは、この場合好ましくは半径方向に延びるマウスピース10に隣接して吸入位置にある入口及び出口側が依然として閉鎖されたカプセルチャンバ4を示している。
【0072】
図5a〜
図5cは、別の実施形態を示している。
図5aは、半径方向に位置合わせされたカプセル3及びカプセルチャンバ4を備えたキャリヤ11を斜視図で示しており、かかるカプセル及びカプセルチャンバは、2つの軸方向平面内で互いに交互に配置され又はずらされている。好ましくは、各カプセルチャンバ4は、開放装置5と関連しており、この開放装置は、特に、レバー又はバーの形態をしており、特に
図4a及び
図4bに示す開放装置5と同様に構成されている。全高を軸方向に低く保つことができるようにするため、キャリヤ4は、好ましくは、カプセルチャンバ4相互間で平らな面又は端面の両方に設けられた半径方向溝18fを有し、開放装置5は、
図5bに拡大詳細図で示されているようにこれら溝の中に延びている。
【0073】
対応のカプセルチャンバ4の穿通又は開放は、好ましくは、軸方向に生じる。個々の開放装置5は、好ましくは、カム、スライダ18g等によって作動される。これは、
図5cの概略断面図で理解できるように、マウスピース10に設けられ又はマウスピース10によって形成されることが特に好ましい。
【0074】
マウスピース10を半径方向に伸長させ、特に180°回転させるのが良い。回転運動により、好ましくは環状のキャリヤ11は、位置1つ分だけ、即ち、次のカプセルチャンバ4まで回転する。加うるに、マウスピースにより形成された流れチャネル又は出口9は、次の吸入が意図されているカプセルチャンバ4の対応の軸方向平面に回転により動く。マウスピース10の半径方向運動は、好ましくは、例えば好ましくは半径方向に延びる突出部18hがスライダ18g内に嵌まり込むことにより特に開放装置5の自動作動又は運動を引き起こす。穿通又は開放は、必要ならば、マウスピース10を引き出している間又は押し込んでいる間に生じることができる。
【0075】
図6a〜
図6cは、提案された吸入器1の別の実施形態を示している。カプセルチャンバ4は、好ましくは、互いに逆方向に回転する2つ環状キャリヤ11内に収容され、これら環状キャリヤ、特に
図6aに示すように、特に半径方向に位置合わせされる。すると、カバー12の剥ぎ取り又は取り外しが、それに応じて互いに逆方向に、特に上述の実施形態の場合と同様、周辺方向に又は接線方向に起こる。
【0076】
マウスピース10を180°回転させると、キャリヤ11は、交互に動き又は回転する。それと同時に、2つのカバー12は、上述したように、周囲が剥ぎ取られ又は引き外され、好ましくは、コイル状に巻かれる。特にマウスピース10上のカム、スライダ18g等によって、特に2つのキャリヤ11相互間に配置された好ましくは中央の又は共有状態の開放装置5は、作動されてカプセル3及びカプセルチャンバ4の入口8を上側及び下側キャリヤ11内で交互に開放し又は穿通する。
【0077】
図7a〜
図7cは、提案されている吸入器1の別の実施形態を概略断面で示している。マウスピース10をリングの平面に対して直角に、特に垂直に回転させ又は折り返すことができる。この場合、マウスピース10又はその連結部分は、好ましくは環状の外側輪郭で吸入位置の付近のキャリヤ11を好ましくは少なくとも実質的に完全に包囲する。
図7aは、マウスピース10が中央に折り畳まれた保管位置でマウスピース10を示し、
図7bは、中間位置を示し、
図7cは、マウスピース10を起こし状態で、特に軸方向使用位置で示している。
【0078】
好ましくは、吸入器1は、マウスピース10の起こし又は持ち上げの結果として、吸入器1の望ましい作動、特に、キャリヤ11の前進、カプセル3の開放及び(又は)カプセルチャンバ4の開放が生じるよう例えばカム18i等のような機構体を有している。必要ならば、キャリヤ11の前進は、追加的に又は代替的に、マウスピース10の内方への折り畳み中又はこの内方折り畳みの結果として生じることができる。
【0079】
マウスピース10は、必要ならば、90°又は更に最大270°までピボット運動し又は折り畳み可能であるのが良い。好ましくは、マウスピース10は、その使用位置とその保管位置との両方にラッチ止め状態になる。
【0080】
図8a〜
図8cは、別の実施形態の非常に概略的な図である。この場合、カプセル3及びカプセルチャンバ4は、幾つかの列をなして、特に2つの互いに異なるアールが軸方向に位置合わせされた状態の2つの同心リングの状態で配置され、かくして、二重リング構造体を形成している。内側カプセルチャンバ4と外側カプセルチャンバ4は、好ましくはこのリングの内側に配置された開放装置5が内側カプセルチャンバ4相互間で穿通要素6により外側カプセルチャンバ4を半径方向に穿通することができるよう好ましくはオフセットしている。それに応じて、穿通チャネル又は開口部は、好ましくは、
図8aに示すように配置されている。二重リング構造体の結果として、カプセルチャンバ4及びカプセル3の数を多くした状態で吸入器1の特にコンパクトな構成が得られる。
【0081】
マウスピース10は、好ましくは、ユーザが内側の円又は外側の円上に位置するカプセルチャンバ4及びカプセル3から交互に又は選択的に吸入できるよう構成されている。この目的のため、マウスピース10は、特に、
図8b及び
図8cの断面図に示されているように回転可能なインサート19を有する。回転可能なインサート19に代えて、オプションとして、マウスピース10は、全体として、回転可能であることも可能であり、特に、マウスピース10の回転により、キャリヤ11が前進するようにすることが可能である。また、変形例として、形態が互いに異なる2つの取り入れチャネルをマウスピース10に形成しても良く、吸入は、外側カプセルチャンバ4か内側カプセルチャンバ4かのいずれかからたった1つのチャネルを通って行われる。
【0082】
二重リング構造体においても、所望ならば、全てのカプセルチャンバ4について、又はキャリヤ11の2つの平らな面又は端面の一方において入口8の全て及び他方において出口9の全てについて連続した又は供給状態のカバーを設けることができる。しかしながら、例えば、カバーが、カプセルチャンバ4又は入口8若しくは出口9のたった1つの群を受け持ち、特に2つの同心の、好ましくはストリップ状又は環状のカバーが、各平らな側部に設けられて一方において内側カプセルチャンバ4を覆うと共に他方において外側カプセルチャンバ4を覆うようにすることも可能である。
【0083】
図9は、提案されている吸入器1の別の実施形態を示す概略断面図である。カプセルチャンバ4は、好ましくは、互いに並んで又は相前後して直線をなしてキャリヤ11内に配置され又は形成されるが、必要ならば、互いに異なる位置合わせ状態で且つ(或いは)幾つかの方向に配置される。
【0084】
マウスピース10は、キャリヤ11に沿って動くことができ、かかるマウスピースを個々のカプセルチャンバ4又はこれらの出口9上に位置決めすることができる。その目的は、調合薬2をそれぞれのカプセルチャンバ4又はカプセル3から吸入することができるようにすることにある。
図9は、分かりやすくするために、任意他の部品又はコンポーネント、例えば開放装置5、好ましくは閉鎖状態のカプセルチャンバ4を開放する手段等を示していない。
【0085】
カプセルチャンバ4の入口8及び出口9は、必要ならば、マウスピース10に向いたキャリヤ11の共通端部で終端し、例えば、チャネルがそれに応じて設計されている場合には、キャリヤ11の共通端部の少なくとも比較的近くで終端しても良い。これにより、入口8及び出口9について共通のカバーを用いることが容易になると共に(或いは)対応のカプセルチャンバ4の入口8及び出口9の開放を単純化することができる。というのは、例えば入口8及び出口9を開放するのに共通の装置を用いることができるからである。これは、吸入器1の構造をコンパクトに保つのに役立つ。
【0086】
図10aは、カプセルチャンバ4が開かれた状態で未充填状態にある、即ち、カプセル3、カバー12等が取り付けられていないキャリヤ11の別の変形実施形態を非常に概略的な略図で示している。この実施形態では、カプセルチャンバ4及びカプセル3は、好ましくは、多数の列又は群を成した状態で配列され、特に流れ方向又は種々のカプセルチャンバ4及びカプセル3の長手方向に関して互いに異なる状態に位置合わせされている。
【0087】
図10に示す変形例では、マウスピース10(図示せず)又は他の送出装置は、好ましくは、キャリヤ11の軸方向に動くことができると共にキャリヤ11に対してピボット運動できる。特に、キャリヤ11は、この目的のために吸入器1(図示せず)内に回転可能に設けられ又は収納されている。
【0088】
図10bは、キャリヤ11が多数の列を備え、特に、少なくとも2つの好ましくは互いに平行な列を備えた実施形態を示している。
【0089】
図示の実施形態では、キャリヤ11は角柱又はバーの形をしており、或いは、細長く又は十字形である。しかしながら、理論的には、任意他の形状の採用が可能である。
【0090】
例えば、キャリヤ11は、円筒形設計のものであっても良い。カプセルチャンバ4は、例えば、キャリヤ11の任意所望の形状の外面上に、例えば、筒体の外面上に分布して設けられると共に(或いは)層をなして螺旋に又は他の何らかの配列状態で配列されても良い。
【0091】
上述の実施形態では、吸入器1の多数のカプセルチャンバ4が、共通の、好ましくは硬質又は中実のキャリヤ11内に形成されている。しかしながら、カプセルチャンバ4は、互いに対して動くことができるよう設計されていても良く、特に、互いに別個であっても良い。
【0092】
図11は、別の実施形態として提案された吸入器1を部分開放又は部分切除状態で純粋に略図で示している。本質的な差又は特定の特徴についてのみ以下に説明するが、上述の注意事項及び説明は、対応した仕方で又は補完的な仕方で引き続き当てはまる。
【0093】
この実施形態では、カプセルチャンバ4は、好ましくは、一度だけ用いられるようになっており、特に、かかるカプセルチャンバ4には工場でカプセル3があらかじめ包装され又は詰め込まれている。しかしながら、カプセルチャンバ4は、互いに固定的に又は剛性的に接合されておらず、特に、共通キャリヤ11内に形成されているわけではなく、これらカプセルチャンバは、好ましくは、所望ならば互いに分離できるばらばらの又は別々の若しくは可動のユニットであるように設計されている。特に、カプセルチャンバ4は、ストリップ、チェーン又は他の構造体を形成している。
【0094】
この実施形態では、カプセルチャンバ4は、好ましくは、案内20、特にレール、チャネル等に沿って吸入器1内で動くことができ又は変位できるように案内される。
【0095】
カプセルチャンバ4は、原理的には、案内20によって直接受け入れられるのが良い。しかしながら、図示の実施形態では、個々のカプセルチャンバ4は、好ましくは、案内要素21内に受け入れられ、これら案内要素は、特に、ゴンドラの形をしており、好ましくは、
図12に示すように吸入のために案内20内に解除可能に保持される。案内要素21は、好ましくは、案内20によって特定の回転位置で案内され(例えば、係合要素21aの相互係止係合により)、必要ならば、例えば接合又はラッチ止めにより互いに解除可能に又は解除不能に連結される。
【0096】
図13は、吸入器1の考えられる一構造を詳細断面図で示している。カプセルチャンバ4又は案内要素21は、好ましくは、案内20により、特に係合要素21aを介して頂部及び(又は)底部が案内される。
【0097】
図示の実施形態では、カプセルチャンバ4は、吸入のために案内要素21から取り出し可能である。
図13は、出口9又はマウスピース10がカプセルチャンバ4に隣接した状態でマウスピース10の真下の吸入位置にあるカプセルチャンバ4を示している。このカプセルチャンバ4は、特に開放装置5又は他の何らかの機構体により、
図13の実施形態の左側に示された関連の案内要素21から取り出され、それにより、カプセルチャンバ4の入口側及び出口側を開放し、特に穿通によりカプセルチャンバ4が入れられたカプセル3を開放すると共に(或いは)カプセルチャンバ4の入口側及び(又は)出口側を対応の空気又はガス案内に連結する。
【0098】
図13は、いつでも吸入可能な状態の吸入位置でカプセルチャンバ4を示している。入口8及び出口9は、開いている。カプセル3は、開放されており、即ち、具体的には既に穿通されている。吸入の際、空気の流れが作られ、この空気流は、カプセルチャンバ4を通過し、それにより、カプセル3からの調合薬2の所望の放出が生じ、即ち、調合薬2は、空気流中に分散され、それにより、特に、調合薬2は、スプレーミスト又は粒子ミストとして送出される。
【0099】
案内20に沿うカプセルチャンバ4又は案内要素21の前進は好ましくは、マウスピース10を作動させ、特にマウスピース10を好ましくは吸入方向又は吸入軸線回りに、即ち、
図13の平面の下から上に延びる軸線回りに回転させることにより実施される。しかしながら、カプセルチャンバ4又は案内要素21の前進は、代替的に又は追加的に、例えばマウスピース10及び(又は)マウスピース10の関連のカバー(図示せず)を他の何らかの軸線回りにピボット運動させ又は指先ではじくことにより実施されても良い。対応の機構体は、図示されていないが、当業者にとっては製作するのが簡単である。代替的に又は追加的に、特にカプセルチャンバ4又は案内要素21を前進させるための別個の作動要素を設けても良い。
【0100】
特に、以下の順序又は以下の操作が可能である。マウスピース10を例えば覆いキャップ(図示せず)を閉じた状態で90°回転させる。その結果、カプセルチャンバ4又は案内要素21は、位置1つ分だけ動かされる。マウスピース10が更に回転すると、次のカプセルチャンバ4が特に関連の案内要素21からマウスピース10の下の位置に運ばれ、この中に入っているカプセル3が開放され又は穿通される。好ましくは、覆いキャップ(図示せず)は、この時点まではマウスピース10を露出させるよう指先で上方にはじくことができず、これを指先ではじくことができるのは、マウスピース10がこの回転位置、例えば初期位置に対して180°回転した位置に達した後だけである。
【0101】
マウスピース10の覆いキャップを指先で上方にはじくと、開放装置5は、吸入位置に戻り、特に、穿通要素6は、この段階でカプセル3から引っ込められる。いまや、吸入が行われる。
【0102】
吸入後、覆いキャップを再び閉鎖する。その結果、開放装置が、オプションとして、この段階でカプセルチャンバ4から完全に引っ込められ、空になったカプセル3を備えたカプセルチャンバ4が、再び露出される。さらに、この結果、関連の案内要素21によりカプセルチャンバ4を再び受け入れることができる。しかしながら、所望ならば、これは、カプセルチャンバ4、案内要素21又はチェーンの次の前進中にのみ起こっても良い。
【0103】
次の吸入が意図されたカプセルチャンバ4を対応の案内要素21から吸入位置に動かすことは、例えば、穿通要素6をカプセルチャンバ4中に導入すると同時に又はその直後に開放装置5によって実施できる。
【0104】
カプセルチャンバ4及び案内要素21又はカプセルチャンバ4の連結部、クロージャ、カバー等の構成に応じて、対応の案内要素21からのカプセルチャンバ4の取り出し又は解除は、吸入が生じるために起こることが必要不可欠であるというわけではない。これとは異なり、吸入位置におけるカプセルチャンバ4又は案内要素21の対応の開放又は取付けは、吸入中における空気の所望の供給及び取り出しを可能にするために対応のカプセルチャンバ4を取り出さなくても実施できる。
【0105】
案内20、他の案内手段、カプセルチャンバ4及び(又は)案内要素21の適当な構成により、カプセルチャンバ4の所望の位置合わせ及び位置決めが保証され、或いは、特に穿通要素6を穿通開口部7から次の吸入が意図されたカプセルチャンバ4内に挿入することが可能である。
【0106】
必要ならば、カプセルチャンバ4又は案内要素21は、螺旋設計、蛇行設計、同心設計又は多列設計で、或いは任意他の適当な仕方で構成され又は配置されるのが良く、又、互いに逆方向に動くことができるのが良い。
【0107】
図11〜
図13の実施形態では、カプセルチャンバ4又は案内要素21は、好ましくは、接合、ラッチ止め又は任意他の適当な方法により解除可能に又は解除不能に互いに接合される。変形例として、カプセルチャンバ4、案内要素21又はカプセル3は又、互いに連結されず、例えば案内20によってルーズに案内され又は他の何らかの適当な仕方で吸入器1内に受け入れられても良い。所望ならば、カプセルチャンバ4又は案内要素21或いはこれにより形成されたチェーン若しくはこのようにして形成されたストリップ等を動かすための駆動装置が、例えば回転十字継手、ピニオン等によって内側、外側、下側又は上から設けられるのが良い。駆動装置は、所望ならば、カプセルチャンバ4又は案内要素21に直接作用するのが良い。また、変形例として、カプセルチャンバ4又は案内要素21は、好ましくは共通の若しくは連続した又は包囲するそれ自体駆動される駆動手段、例えばチェーン、ベルト等に取り付けられても良い。
【0108】
上述の説明及び注意事項は、カプセル3がカプセルチャンバ4内に収容されず、他のパッケージ内に収納され又は吸入器1内でばらばらの状態であり、その結果、実際の吸入のためにはカプセルチャンバ4内への移送が依然として必要な場合であってもカプセル3にそのまま当てはまる。以下において、この種の幾つかの実施形態を例示的に説明する。
【0109】
図14a及び
図14bは、特にテーパ又はくびれ部22が中央領域(ハウジングの中央領域)に設けられた好ましくは腎臓の形をしている提案された吸入器1の一実施形態を示している。
図14a及び
図14bは、種々の作動状態にある吸入器1の概略断面図である。
【0110】
吸入器1は、好ましくは、未使用又は依然として一杯の状態のカプセル3のための第1の受け入れチャンバ23(カプセルリザーバ)及び使用済み又は空になったカプセル3のための第2の受け入れチャンバ24を有している。カプセル3は、好ましくは、螺旋、直線又は円周方向配列状態で且つ(或いは)互いに相前後して第1及び(又は)第2の受け入れチャンバ23,24内に入れられ、或いは、この受け入れチャンバ又は吸入器1を通って運搬されるのが良い。また、特に、カプセルを多列又は蛇行配列状態で又は任意他の配列状態で保持することも可能である。
【0111】
カプセル3は、好ましくは、互いに接合されると共に(或いは)可撓性連結手段又は駆動手段、例えばベルト、プラスチック製ストリップ、ブリスタストリップ等によって動くことができる。しかしながら、カプセル3は又、他の何らかの配列状態で、例えばばらばらの配列状態で又はころ軸受のように入れられると共に(或いは)第2の実施形態に示すように案内20によって案内されても良い。
【0112】
吸入器1は、好ましくは、カプセルチャンバ4をたった1つ有する。カプセルチャンバ4は、これにカプセル3を詰め込むと共に(或いは)これを空にするために開放可能であり、特に、吸入中、その長手方向側部に沿って又は流れ方向に対して直角に開放可能である。カプセルチャンバ4にカプセルを自動的に詰め込むため又はカプセルチャンバ4を空にするために、吸入器1は、特に、充填装置とも呼ばれている装置25を有している。
【0113】
図14c及び
図14dは、提案されている吸入器1の非常に類似した実施形態を示しており、したがって、先の実施形態とは異なる観点のみについて以下に説明する。
【0114】
図14c及び
図14dは、カプセルチャンバ4を閉鎖状態で示している。カプセル3は、示されていない。
【0115】
案内20は、好ましくは、カプセル3のための軌道20aを形成しており、この軌道は、円周方向ではなく螺旋形である。
【0116】
図14c及び
図14dは、特にテーパ22によって吸入器1の好ましくは腎臓の形をした設計例を示しており、このテーパは、好ましくは、ハウジングの中央の領域に配置されている。これにより、吸入器1は、特に非常に見栄えが良くなると共に掴み又は保持するのが人間工学的になる。
【0117】
吸入器1の上側ハウジング部品15(図示せず)は、好ましくは、マウスピース10を支持しており、このマウスピースは、カプセルチャンバ4に隣接して上方に位置し、特に、その延長部に設けられている。
【0118】
カプセル3は、特に、螺旋配列状態又は任意他の適当な配列状態をなして第1の受け入れチャンバ23及び(又は)第2の受け入れチャンバ24内に入れられるようになっている。
【0119】
先の実施形態の
図14aは、カプセル4を開放状態で示している。特にカプセルチャンバ4の中央部分を形成するカプセルチャンバセグメント又は部分26は、カプセルチャンバ4から出されており又は引き出されている。
【0120】
図15a及び
図15bは、装置25の考えられる一実施形態を示す略図である。特に、カプセルチャンバ部分26のスライダ状の構成が示されている。カプセルチャンバ部分26は、カプセルチャンバ4の中心軸線又はカプセルチャンバ4内における主流れ方向に対して半径方向に且つ(或いは)図示の実施形態ではカプセル3の主運動方向又はカプセル3の長手方向軸線に直角に動くことができる。
【0121】
図15aは、装置25を開放状態で、即ち、カプセルチャンバ部分26が出された状態で示している。
図15bは、装置25を閉鎖状態で、即ち、カプセルチャンバ4が閉鎖された状態で示している。
図15cは、カプセルチャンバ部分26の考えられる一実施形態を示す斜視図である。
【0122】
カプセルチャンバ部分26を出して特に案内20又は案内若しくは運動領域又は好ましくはカプセル3のための包囲経路中に入れて伸長状態のカプセルチャンバ部分26にカプセル3がこれに対応して第1の受け入れチャンバ23から第2の受け入れチャンバ24に先に進められているときに、次の吸入が意図されたカプセル3を直接装填し又は詰め込むことができるようになっている。
【0123】
すると、装置25は、特にカプセルチャンバ部分26の対応の変位又は他の運動により受け入れ状態のカプセル3をカプセルチャンバ4内に運び込む。このように、
図14bに示すようにカプセルチャンバ4にカプセル3を詰め込んでカプセルチャンバ4を閉鎖する。
【0124】
カプセル3の開放、特に穿通は、所望ならば、装置25、別個の開放装置25(図示せず)又は他の適当な手段によって実施できる。特に、開放は、カプセル3がカプセルチャンバ4に運ばれ又はこの中に移送されるときに又はカプセル3がカプセルチャンバ4に到達した後にのみ、即ち、カプセルチャンバ4を閉鎖した後にのみ直接起こり得る。後者の場合、例えばマウスピース10、マウスピース10と関連した覆いキャップ(図示せず)等の適当な作動によりカプセル3を吸入直前にのみ開放することも可能である。
【0125】
カプセル3を空にした後、即ち、調合薬2の吸入又は送出後、空になった又は使用済みのカプセル3を装置25(カプセルチャンバ4を空にする)によってカプセルチャンバ4からもう一度取り出す。カプセルチャンバ4のこの取り出し及び開放は、この場合、これに対応してカプセルチャンバ部分26を空になったカプセル3と一緒に出すことによって行われる。カプセルチャンバ部分26を引き出し位置に戻した場合、カプセル3を機構体又は駆動装置(図示せず)(例えば、マウスピース10を回転させ又はピボット運動させることにより)によって、又は吸入器1の他の何らかの作動要素(図示せず)を作動させることにより送り進められる。このように、空のカプセル3を第2の受け入れチャンバ24内に前進させる。
【0126】
この実施形態では、カプセルチャンバ4は、多数回使用される。この結果、吸入器1について特にコンパクトで且つ省スペースの構成が得られ、或いは、吸入器が同一サイズのものであるとすれば、多数のカプセル3を収容することができる。
【0127】
カプセルチャンバ4にカプセル3を自動的に充填すること及びカプセルチャンバ4を自動的に空にすることは、取り扱いが非常に簡単且つ特に衛生的であることを意味している。個々のカプセル3を上述したようにカプセルチャンバ4の運搬中又は充填中、所望に応じて開放することができる。この目的のため、対応の開放装置は、オプションとして、移動経路中に固定状態の開放要素、例えばブレード(刃)等を有するのが良く、その結果、カプセル3は、カプセルチャンバ4の充填中、自動的に開放され、例えば長手方向に切断開放される。しかしながら、開放は、カプセル3が第1の受け入れチャンバ23から取り出されているとき又は他の何らかのリザーバ31内に送り込まれているときに行われても良い。例えば、各カプセル3を必要ならば個々に包装すると共に(或いは)別の適当な容器内に保持しても良く、この場合、容器の開放若しくは包装又はカプセル3の取り出し及びオプションとしてのカプセル3の同時開放は、好ましくは、個々に行われる。
【0128】
図16a及び
図16bは、開放装置5及び(又は)充填装置25の考えられる一設計例を示す吸入器1の細部の概略断面図である。
図16aは、カプセルチャンバ4を開放状態で示し、
図16bは、カプセルチャンバ4を閉鎖状態で示している。
【0129】
図示の例では、カプセル3は、好ましくは、カプセルチャンバ4が閉鎖されているときに直接開放され又は穿通される。これは、既に空の又は開放状態のカプセルチャンバ4内に突き出ている穿通要素6によって行われる。カプセルがチャンバ内に入り又はチャンバが閉鎖されると、穿通要素6は、カプセルチャンバ部分26の穿通開口部7に入り込み、そしてカプセル3を直接開放し又は穿通することができる。吸入のため、次に、穿通要素6を例えばマウスピース10の開放又は他の何らかの作動によりカプセル3から引き抜く。
【0130】
しかしながら、図示のカプセルチャンバ4の構成に代えて、入口又は出口側で特にその長手方向側部に沿って、しかしながら、必要ならばその赤道面内においても、他の何らかの手段により開放することができる構成を用いることも可能である。
【0131】
図17a及び
図17bは、開放可能なカプセルチャンバ4の別の実施形態の概略断面図である。カプセルチャンバ4は、特に長さ方向に分割され又は少なくとも2つのセグメント又は部品26で構成され、これらセグメント又は部品を例えばトング状機構体27によって離して再び一緒にすることができる。
図17aは、カプセルチャンバ4をその閉鎖状態で示している。
図17bは、カプセルチャンバ4をその開放状態で、即ち、26が互いに遠ざけられた状態で示している。好ましくは、開放は、例えば制御スライダ28がトング機構体27を拡張させ、かくしてカプセルチャンバ4を開放することができるようにすることによってばね力に対抗して行われる。
【0132】
図18は、提案されている吸入器1の別の実施形態を純粋に概略的に、部分的に細部の断面図で示している。吸入器1は、好ましくは、幾つかの、少なくとも2つのカプセルチャンバ4を有し、これらカプセルチャンバは、特にリボルバのように回転若しくは運搬手段又はピボット運動装置29に取り付けられ又はこれによって形成されている。カプセルチャンバ4は、好ましくは、長手方向の広がり又は主流れ方向に平行に延びるピボット運動軸線30回りにピボット運動できる。この実施形態では、ピボット運動装置29に取り付けられ又はこのピボット運動装置によって形成されたカプセルチャンバは、多数回使用される。
【0133】
2つのカプセルチャンバ4の場合、一方のカプセルチャンバ4を特に入口8及び出口9に連結可能に吸入位置に交互にピボット運動させることができる。すると、他方のカプセルチャンバ4は、好ましくは、カプセルチャンバ4に次の吸入が意図されたカプセル3を装填することができる充填位置を取る。既にあらかじめ空になっているカプセル3を
図18に示すようにこの段階で又は先にカプセルチャンバ4から取り出し、特に排出する。
【0134】
好ましくは、カプセルチャンバ4にカプセル3を詰め込み、そしてこれを装置25により空にし、装置25は、特に、
図18に示すように運搬要素25aを有している。充填及び空にする方向は、矢印Pで示されている。特に、カプセルチャンバ4を長手方向又は軸方向に且つ(或いは)好ましくはスライダ状の運搬要素25aによって充填したり空にし、かかるスライダ状運搬要素は、これが空になっている又は使用済みのカプセル3を押し出し又は取り出すのと同時にオプションとしてカプセルチャンバ4をクリーニングすることができる。しかしながら、他の構成上の手段及び(又は)充填若しくは排出装置の採用も又、可能である。
【0135】
好ましくは、吸入器1は、その1つ又は複数の再使用可能なカプセルチャンバ4をクリーニングするための装置32を有している。このクリーニング装置32は、必要ならば、
図18に示すようにカプセルチャンバ4を充填したり空にしたりするための装置25又はその運搬要素25aによって形成でき、かかるクリーニング装置を好ましくは、スライダ等の形態で充填又は排出のためにカプセルチャンバ4内に挿入することができ、かかるクリーニング装置は、それに応じて、好ましくは充填又は排出のたびにカプセルチャンバ4をクリーニングするブラシ又は他のクリーニング要素を備えている。
【0136】
図18に示すカプセルチャンバ4を空にした後、このカプセルチャンバに次のカプセル3を詰め込む。好ましくは、この目的のため、次のカプセル3を運搬要素25aによって、充填位置にあるカプセルチャンバ4(
図18の下に位置するカプセルチャンバ)内に押し込み又は挿入する。かくして、図示の実施形態では、クリーニング装置は、装置25又はその運搬要素25aによって形成される。
【0137】
ピボット運動装置29の場合、例えば3つのカプセルチャンバ4が形成されている場合、カプセルチャンバ4が3つの位置、即ち、充填位置、吸入位置及びクリーニング位置(追加の位置)を交互に占める可能性がある。適当な次の回転により、各カプセルチャンバ4は、1つの位置から次の位置に移される。クリーニング位置では、上述したクリーニング装置を用いて、使用済みカプセル3をそれぞれのカプセルチャンバ4から取り出すことができ、そしてカプセルチャンバ4をクリーニングすることができる。
【0138】
未使用のカプセル3は、好ましくは、
図18に純粋に概略的に示されているカプセルリザーバ31から取り出される。このカプセルリザーバ31は、カプセル3を例えばばらばらの形態で又は任意他の適当な形態で、例えば、積み重ね体、ストリップ、チェーンとして又は別個独立の受け器、ホルダー又はスペース内に入れた状態で収納し又は受け入れることができる。必要ならば、運搬装置等は又、カプセルリザーバ31に組み込まれると共に(或いは)カプセルチャンバ4を充填する装置25によって形成される(
図15a及び
図15b並びに
図16a及び
図16bを比較参照されたい)。
【0139】
図示の実施形態では、カプセル3は、好ましくは、カプセルリザーバ31から個々に取り出される。特に、ゲート等を通ってこれらカプセルを取り出すのが良く、その結果、まだ使用されておらず、カプセルリザーバ31内に入れられているカプセル3は依然として、できる限り気密封止状態のままであり、特に、環境の影響から保護される。
【0140】
カプセルリザーバ31は、特に、マガジンの形態をしているのが良い。このカプセルリザーバは、吸入器1に組み込まれるかこれに結合可能であるかのいずれかである。必要ならば、カプセルリザーバ31も又、交換可能且つ(或いは)再充填可能である。
【0141】
図39〜
図42を参照して例示として以下に説明するように、カプセルリザーバ31は、例えば管状構造のものであるのが良く、カプセル3は、例えば、カプセルリザーバ31の長手方向軸線に平行に位置合わせされ又は収容されるのが良い。
【0142】
カプセル3の取り出し又は放出は、個別的に次々に行われるのが良く、或いは場合によっては、バッチの状態で行われても良い。これは、例えば、一例として
図39〜
図42を参照して以下に説明するように、回転機構体、スライダ装置、ばね機構体又は任意他の適当な方法を用いて実施できる。
【0143】
カプセルリザーバ31内に依然として入っているカプセル3を保護するために、取り出し装置又はゲート等を好ましくは再び閉じるのが良い。追加的に又は代替的に、好ましくは、特にカプセル3を過度の湿度から保護するために、乾燥剤がカプセルリザーバ31内に設けられる。
【0144】
代替的に又は追加的に、カプセル3は、追加の外側包装材を更に備えるのが良い。カプセル3は、特に、個々に包まれ又は包装される。
【0145】
追加的に又は代替的に、カプセルリザーバ31はそれ自体、カプセルリザーバ31が吸入器1内に配置されるまで又はカプセル3が最初に取り出されるときに、開放されない外側包装材を備えても良い。
【0146】
使用済み又は空のカプセル3は、好ましくは、先の実施形態の場合と同様、吸入器1により、例えば、第2の受け入れチャンバ内に受け入れられる。しかしながら、使用済み又は空になったカプセル3は、必要ならば、放出されても良い。これにより、吸入器1をよりコンパクトに製作することができる。
【0147】
図19は、提案されている吸入器1の別の実施形態を純粋に概略的な開放状態の平面図で示している。
図20は、吸入器1を概略断面で示している。吸入器1は、好ましくは、各々が複数の回転若しくは運搬手段又はピボット運動装置29を有する。ピボット運動装置29のピボット運動軸線30は、好ましくは、互いに平行に延びている。ピボット運動装置29は、好ましくは、共通平面内に配置され又は変形例としてオフセットされ、互いに上下に配置され又は重ね合わされる。
【0148】
カプセルチャンバ4は、好ましくは、1回だけ用いられるようになっており、特に、これらカプセルチャンバにはあらかじめカプセル3が装填され又は詰め込まれている。カプセルチャンバ4は、好ましくは、特にカバー12(図示せず)によって密閉されて個々に開放可能である。
【0149】
カプセル3及びカプセルチャンバ4の長手方向又は流れ方向は、好ましくは、互いに且つピボット運動軸線30に平行に延びる。しかしながら、変形例として、これらは、ピボット運動軸線30に対して横方向に、特に半径方向に延びても良い。
【0150】
ピボット運動装置29は、所望ならば、一緒に回転可能であり又は互いに別個独立に回転可能である。前者の場合、これらピボット運動装置は、例えばこれらの外周部にわたって周辺方向に隣接のピボット運動装置29に係合でき又は歯車装置により、例えば、
図19に示されると共に
図20の概略断面図に示されているように、遊星歯車装置のように、特にピボット装置29の太陽歯車29a及び歯車29bにより或いは他の何らかの適当な手段、例えば、包囲ベルト、ストラップ等によって互いに連結されても良い。
【0151】
加うるに、ピボット運動装置29の集成体は、好ましくは、マウスピース10に対して回転可能であり、したがって、対応のカプセルチャンバ4及びこの中に入っているカプセル3を開放し、そして開放されたカプセル3から調合薬2を放出するために、個々のピボット運動装置29を次々に吸入位置に運ぶことができるようになっている。構造及び要件に応じて、ピボット運動装置29のカプセルチャンバ4の全てを吸入のために次々に用い、次に、次のピボット運動装置29に切り換えるだけで良く、或いは、先ず最初に、各ピボット運動装置29のカプセルチャンバ4の全てを吸入のために用い、その後、各ピボット運動装置29の別のカプセルチャンバ4を吸入のために用いるだけで良い。
【0152】
図21及び
図22は、提案されている吸入器1の別の実施形態を示している。
図21では、吸入器1は、運搬状態又は吸入状態にある。
図22は、上側ハウジング部品15を下側ハウジング部品14に対して特に90°回転させると共に好ましくはそれと同時に軸方向に持ち上げた中間状態を示している。一般に、上側ハウジング部品15及び下側ハウジング部品14は、吸入器1の任意の好ましくは外部の部品であるのが良い。しかしながら、好ましくは、上側部品15は、ポットのように下側部品14に被さり又はその周りに係合し、或いは、その逆の関係が成り立つ。
【0153】
図23は、開放状態に吸入器1の内部構造を部分断面図で概略的に示している。吸入器1は、好ましくは、カプセルチャンバ4を1つしか備えていない。
図23に単に示されているカプセル3は、好ましくは、ストリップ(図示せず)、例えばブリスタストリップ、チェーン等内に保持され、例えば好ましくはスリーブ状の受け器33内に受け入れられると共に(或いは)運搬装置34、例えば運搬ホイールによって運搬可能である。
【0154】
吸入器1を駆動するため、吸入器1は、特に、関連の歯車36を備えた制御スリーブ35を有しており、この歯車36は、吸入器ハウジング内で回転可能である(
図24〜
図27)。制御スリーブ35は、好ましくは、特にカプセル3のための軌道又は溝の形態をした案内20を備え、好ましくは、運搬装置34、カプセルチャンバ及び(又は)開放装置5(図示せず)を支持している。
【0155】
吸入器1は、この場合、特に、断面で示されたカプセルチャンバ4の下方部分として且つ(或いは)プッシュロッドのように構成され、カプセルチャンバ4にカプセル3を詰め込んだりカプセルチャンバを空にしたりするための装置25の一要素を構成するチャンバ部品26(図示せず)を更に有している。
【0156】
次に、吸入器1を互いに異なる段階で類似の略図で示す
図23〜
図27を参照して、吸入器1の作動方法について説明する。分かりやすくするために、上側部品15は省かれている。
【0157】
図23に示す運搬又は休息状態では、既に空になった最後のカプセル3は、依然として、カプセルチャンバ4内に存在する。
【0158】
ハウジング14,15の2つの半部又は部品を互いに対して回転させる。カム又は他の歯車伝動連結方式によって、特に制御スリーブ35を下側ハウジング部品14に対して回転させることにより、制御スリーブ35は、下側ハウジング部品14から軸方向に持ち上げられる。カプセルチャンバ部品26は、軌道内のサーチ(search)に沿って動くことができるが、下側ハウジング部品14に設けられた案内38によって軸方向に保持される。制御スリーブ35の軸方向又は持ち上げ運動により、カプセルチャンバ部品26は、カプセルチャンバ4から軸方向に遠ざかり、特に、プッシュロッド39(
図25及び
図26)によって受け器33から引っ込められ、この受け器は、依然としてカプセルチャンバ4内に入っているカプセル3のために設けられている。さらに、初期回転運動中、次のカプセル3を開放し、特に穿通し、このカプセルは、特にストリップ若しくは案内20内に又は次の受け器33内に配置されている。
【0159】
図25は、次の回転位置を示している。プッシュロッドをストリップ44内の空のカプセル3のための受け器33から更に引っ込める。オプションとして格子13によっても形成でき又は格子を形成する共に(或いは)かご状の構造のものであるリセット要素40が、カプセル3に作用し、これを空の受け器33内に押し戻す。加うるに、穿通要素6等を備えた開放装置5(図示せず)を、既に開放され又は穿通されている次のカプセル3から引っ込める。
【0160】
下側ハウジング部品14に対する上側ハウジング部品15の回転運動を続行する。
図26は、制御スリーブ35を下側ハウジング14に対して既に90°又は180°回転させた状態を示している。プッシュロッド39又は部品26は、受け器33から完全に引っ込められている。空のカプセル3は、カプセルチャンバ4から出されて受け器33内に戻されている。穿通要素6は、この場合も又、次のカプセル3及び受け器33から完全に引っ込められている。
【0161】
運搬装置34は、今や、カプセル3又は受け器33を一ステップだけ前進させ、特に、次の既に開放されたカプセル3を開放状態のカプセルチャンバ4の下に又はこの中に動かす。これは、特に、カプセル3又は受け器33によって形成されたストリップ44を前進させることにより、例えば、図示の運搬ホイールを回転させる等して達成される。しかしながら、他の構成上の手段の採用も又可能である。
【0162】
運搬装置34は、特に歯車装置36によって駆動され、対応の装置、例えば係止ラッチ、ばね要素等は、カプセル3又はストリップの意図された段階的前進のために使用可能である。その目的は、他のプロセスにマッチした所望の、特に段階的な運搬を達成することにある。
【0163】
次の回転中、プッシュロッド39は、次の受け器33内に戻り、それにより、次の、既に開放されたカプセル3を
図27に示すようにカプセルチャンバ4内に運搬する又は押し込む。この軸方向運動は、特に、制御スリーブ35又は制御スリーブ35によって支持されたカプセルチャンバ4が、カム(図示せず)の結果として、プッシュロッド39により下側ハウジング部品14又はカプセルチャンバ部品26の近くまで軸方向に動かされることによって達成される。
【0164】
最後に、回転が続くと、吸入器1は、開放されたカプセル3がカプセルチャンバ4内に完全に挿入された
図23に示す位置に戻る。すると、調合薬2は、上述したように、カプセルチャンバ4を通る空気流と一緒に放出される。
【0165】
吸入後、次の作動は、可能ではあるが不要である。逆にそれどころか、次の作動を次の吸入の直前に又は次の投与分の送出前に行うことが好ましい。
【0166】
図示の実施形態では、作動は、非常に簡単である。特に、必要なことは、部品14,15を互いに対して回転させることだけである。好ましくは、図示の実施形態では、上述した手順を実施するためには、即ち、次の投与分を送出することができるようにするためには180°又は360°の回転が必要である。
【0167】
本実施形態の特定の一観点によれば、特に強制的な案内により生じる持ち上げ又は軸方向運動は、回転運動に重ね合わされる。これにより、複雑な又はより手の込んだ運動が、作動を簡単に保ちながら吸入器1内で起こることができる。特に、作動中における吸入器1の軸方向拡大により、対応のプロセス、例えばカプセルチャンバ4内におけるカプセル3の交換を実施するスペースが与えられる。しかしながら、他の構成上の手段の採用も又可能である。
【0168】
提案されている吸入器1は、好ましくは、マウスピース10のための覆いキャップ(図示せず)を備える。特に簡単な作動を保証するため、吸入器1が完全な作動、特に、2つの部品14,15の互いに対する丸一回転をいったん受けると、覆いキャップを開放するだけで良い。覆いキャップは、吸入器1、特にカプセルチャンバ4及び他の空気通路を望ましくない汚染等から保護する。
【0169】
提案されている吸入器1のもう1つの利点は、この吸入器が少ない部品から簡単に構成されるということにある。
【0170】
好ましくは、吸入器1内には、未使用のカプセル3又は未使用のカプセル3を収容したストリップ44若しくは受け器33のための第1の受け入れチャンバ23(
図27)と使用済みカプセル3又は使用済みカプセル3を収容したストリップ44のための第2の受け入れチャンバ24(図示せず)の両方が形成されている。しかしながら、変形例として、未使用のカプセル3と使用済みカプセル3の両方のための共通のカプセルリザーバ31を設けても良い。これにより、同一の収容量を保った状態で吸入器1の全高を減少させることができる。後者の場合、ストリップ44は、無端ストリップ又はウェブの形態をしていても良いがこれが必要不可欠ではない。
【0171】
図28は、提案されている吸入器1の別の実施形態の構造を概略的に示している。吸入器1は、運搬装置34又は駆動ホイール41により形成された複数のカプセルチャンバ4を有している。好ましくはストリップの形態をしており又はばらばらの状態(図示せず)のカプセル3を駆動ホイール41の回転により先へ運搬し、カプセルチャンバ4内に次々に収納し、このカプセルチャンバは、好ましくは当初側部が開いている。例えば、駆動ホイール41を90°のステップで回転させる(図示の実施形態では、4つのカプセルチャンバ4が、一様に90°間隔に配置された状態で駆動ホイール41に形成されている)。かくして、カプセル3を収容したカプセルチャンバ4のうちの1つを次々に、例えばハウジングのコーナ部に位置する吸入位置に配置し又は動かし、特に壁、例えば下側ハウジング部品14によって双方に閉鎖する。
【0172】
カプセル3の開放又は穿通は、好ましくは、特に駆動ホイール41の回転中又は運搬の結果として実施され、その結果、特に次のカプセル3が吸入位置に達する前に、かかる次のカプセル3を自動的に開放する。
【0173】
カプセルチャンバ4で駆動ホイール41を構成するのとは別個独立にこれ又実施できる本発明の観点は、カプセル3が先へ運搬されているときにカプセル3が好ましくは自動的に開放されるということから成る。これは、開放装置5、充填装置25、ピボット運動装置29、運搬装置34及び(又は)駆動ホイール41若しくは吸入器1の他の構成要素の適当な構造によって実施でき、これにより、ユーザ又は患者にとっての操作が容易になる。
【0174】
図示の実施形態では、吸入器1は、未使用のカプセル3、即ち、依然として充填状態のカプセルのための第1の受け入れチャンバ23及び使用済みの、即ち空のカプセル3のための第2の受け入れチャンバ24を有している。上述した本吸入器1の機能的構造とは別個独立にこれ又具体化できる特に好ましい観点によれば、好ましくは、2つの受け入れチャンバ23,24相互間に可動であり可撓性の且つ(或いは)弾性の仕切り壁42が設けられる。この結果、仕切り壁42の対応の変位、変形又は他の改変の結果として特にコンパクトな構造が得られる。というのは、受け入れチャンバ23,24に利用できる全空間を最適度に、好ましくは当初、本質的に充填状態のカプセル3を収容した第1の受け入れチャンバ23のみ利用できるからである。使用回数が増すにつれて、受け入れチャンバ23は、仕切り壁42の運動、変位及び(又は)変形の結果として小さくなり、これとは対照的に、使用済みの可能なカプセルを受け入れる第2の受け入れチャンバ24は、大きくなる。必要ならば、仕切り壁42は、弾性ストリップ、可動セグメント、箔等の形態をしていても良い。
【0175】
したがって、可動且つ(或いは)変形可能な仕切り壁42は、2つの受け入れチャンバ23,24をカプセルチャンバ4のために、特に一方において未使用のカプセルチャンバ4、他方において使用済みカプセルチャンバ4のために分離するよう使用することも可能である。
【0176】
図29は、覆いキャップ43が開かれると共にマウスピース10が開かれた提案されている吸入器1の別の実施形態を示している。
図30は、拡大部分断面図であり、
図31は、別の拡大部分断面図である。
【0177】
カプセル3(図示せず)は、好ましくは、チェーン又はストリップ44内に収容され、又は好ましくはコイル、第1の受け入れチャンバ23又はカプセルリザーバ31内に収容されたかかるチェーン又はストリップを形成している。ストリップ44は、個々のカプセル3のための受け器33を有し、これら受け器は、好ましくは、カプセルチャンバセグメント又は部品26により形成され又はかかるセグメント又は部品を形成する。
【0178】
カプセル3を収容したストリップ44は、特にチャネル45を介してマウスピース10の付近に案内される。個別的には示されていないカプセルチャンバ4は、ここに配置されている。運搬は、好ましくは覆いキャップ43の開閉により作動される運搬装置34によって実施される。例えば、次の順序が可能である。
【0179】
閉鎖位置から始まって、覆いキャップ43を指先ではじいて開く。開始のための行為は不要である。或る特定のピボット運動角から始まって、ストリップ44又はカプセル3の次の運搬が生じ、好ましくは、次のカプセル3の開放、特に穿通が、ここには図示されていない開放装置5によって行われる。かくして、カプセル3を自動的に開放する。駆動又は作動は、特に、この場合、レバー機構体として構成され、覆いキャップ43と関連した歯車装置36によって実施される。
【0180】
前進が続行しているときに、次の受け器33を開放状態のカプセル3と一緒に
図31に示すカプセルチャンバ4に運搬し、このカプセルチャンバは、特に、図面の紙面及び(又は)移動方向に対して直角に延びており、その結果、受け器44は、そのカプセルチャンバセグメント又は部品26と一緒に、カプセルチャンバ4を閉鎖する。例えば弾性又は比較的硬質のプラスチック材料から成るカプセルチャンバ部品26を弾性的に又は被弾性的に変形させることができる。これにより、例えばカプセルチャンバの所望のサイズを達成するために拡張を行うことができる。代替的に又は追加的に、これは、カプセルチャンバ4の全体的な閉鎖又はカプセルチャンバ4の良好な密閉に寄与する場合がある。
【0181】
覆いキャップ43が十分に、例えば90°以上、特に130°以上開き、それに応じて、次のカプセル3が開放されてカプセルチャンバ4内に運ばれ、そしてカプセルチャンバ4が閉鎖されると、マウスピース10を指先ではじいて外方に開くことができ、すると、吸入が行われる。この状態は、
図30に示されている。
【0182】
吸入後、マウスピース10を再び折り畳み、覆いキャップ43を再び閉鎖する。覆いキャップ43の閉鎖により、使用済み又は空になったカプセル3が受け入れチャンバ23又はカプセルリザーバ31内に放出される。これ又別個独立に具体化できる特に好ましい観点によれば、使用済みカプセル3は、吸入器1内に必要な貯蔵空間を最小限に抑えると共にそれ故に吸入器1の全高を最小限に抑えるために、圧縮されると共に(或いは)細断され又は違ったやり方で破砕される。代替的に又は追加的に、必要な貯蔵空間を最小限に抑えるために、容器3又は使用済みカプセルストリップ44等を圧縮し、細断し、切断し又は他の何らかの仕方で処理する。
【0183】
吸入器1が使用済みカプセル3、カプセルチャンバ4及び(又は)その部品又はセグメント26を収容するよう設計されている場合、この目的のために必要な第2の受け入れチャンバ24等は、好ましくは、吸入器1の他の部品、部分又は領域から、特に、第1の受け入れチャンバ23から分離され、この第2の受け入れチャンバは、好ましくは、特に箔によって形成することも可能な仕切り壁42によって形成される。代替的に又は追加的に、かかる分離は、空に成っていないカプセル3又は未使用のカプセルチャンバ4若しくは第1の受け入れチャンバ23のために行えるのが良く、かかる分離は、特に、湿気に対する保護手段としての役目を果たすことができる。
【0184】
複数のカプセルチャンバ4が設けられる場合、これらカプセルチャンバ4を吸入器1内にできるだけコンパクトに収納し又は保管することができるようにするために、これらカプセルチャンバを使用後、圧縮する共に(或いは)細断し、切断し又は違ったやり方で処理するのが良い。
【0185】
提案されている吸入器1は、好ましくは、カウンタ46を備え、このカウンタは、例えば、既に用いられたカプセル3の個数又は未だ使用されていないカプセル3の個数をカウントし、その個数を表示することができる。カウンタ46は、例えば、歯車装置36、覆いキャップ43、運搬装置34、ストリップ44又はマウスピース10及び(又は)吸入を検出するセンサ(図示せず)に結合されるのが良く、オプションとして、これらにより駆動され又は作動されるのが良い。
【0186】
図32は、回転可能なリング又はセグメント47を備えた提案されている吸入器1の別の実施形態の概略断面図である。リング又はセグメント47を回転させると、これらの中に入っている、例えば、セグメント状チャンバ又は受け器33内に入っているカプセル3(一例として、
図32にはかかるカプセル3が1つだけ示されている)が中央カプセルチャンバ4に次々に送られ、ここで、穿通される。吸入後、使用済みカプセル3は、もう一度リング又はセグメント47若しくは受け器33内に受け入れられ、又は、放出される。
【0187】
図33は、別の実施形態としての吸入器1の略図である。吸入器は、この場合、カプセルチャンバ4を備えた好ましくは手動で回転可能な制御ホイール37を有する。好ましくは、カプセルチャンバ4に手を使って容器3(図示せず)を詰め込むことができ、次に、回転させてカプセル3を開放し、吸入器1ハウジング内への吸入を可能にする。
【0188】
図34は、駆動ホイール41周りに延びる無端ストリップ44を備えた提案されている吸入器1の別の実施形態を概略断面で示している。ストリップ44は、カプセル3(図示せず)のための受け器33を有するのが良い。好ましくは、本発明の目的でカプセル3は、調合薬2のためのブリスタパウチ48又は他の受け器によって形成される。カプセル3は、この場合、特にしっかりと互いに連結される。
【0189】
吸入器1の下側ハウジング部分14と上側ハウジング部分15を特にばね49の力に抗して互いに軸方向に押すことにより、ストリップ44をステップ一つ分若しくは位置一つ分又はブリスタパウチ48一つ分だけ前進させて次のカプセル3又はブリスタパウチ48をマウスピース10の下の吸入位置に動かし、その結果、このカプセル3又はブリスタパウチ48をこの中に入っている調合薬2の放出によって次の吸入中、空にすることができるようにする。開放、特に穿通は、好ましくは、開放装置5(図示せず)により、特に、ブリスタパウチが押し合い位置に達する少し前にスパイク49a等を図示のようにブリスタパウチ48に穿通させることによって実施される。
【0190】
図35は、駆動装置の考えられる実施形態を別の断面で示している。係合フック50が、ハウジング部品14,15を互いに押したり互いに離したりしているときに、駆動ホイール41の歯車リム51に対して接線方向に前後に動くことができ、その結果、歯車41は、一方向に段階的に回転するようになっている。というのは、好ましくは歯車リム51にも係合している係止爪52は、歯車41が再び逆に回転するのを阻止するからである。
【0191】
運搬又は送出位置では、吸入器は、好ましくは一緒に押される。特に、ハウジング部品14,15は、好ましくは互いにラッチ止め関係をなした状態で、圧縮状態にある少なくとも1つのスナップ嵌めフック等(図示せず)によって互いに接合される。この係合を手作業で解除することができる。すると、ばね49により、2つのハウジング部品14,15は、特に長手方向に互いに離れ、その結果、
図34及び
図35に示す状態がもう一度達成されるようになる。
【0192】
図36は、先の実施形態に類似した吸入器1を概略断面で示している。図示のように、カプセル3は、ストリップ44により又は受け器33若しくはブリスタパウチ48内に受け入れられ、特に別々に取り出し可能である。
【0193】
軸方向送出方向を備えた先の実施形態とは異なり、マウスピース10は、吸入器1の長手方向又は好ましくは細長い若しくはロッド状下側ハウジング部品14の長手方向に対して送出及び吸入のための位置合わせについて好ましくは横又は半径方向を有する。
【0194】
マウスピース10を好ましくは、指先ではじいて、図示の吸入位置から点線で示された位置に移すことができる。この指先はじき又は開き運動は、好ましくは、吸入器1又は開放装置5、運搬装置34、駆動ホイール41を作動させ又は駆動するために、又は、例えば歯車装置16(図示せず)を用いてストリップ44を前進させるために利用される。
【0195】
図37a〜
図37cは、互いに異なる好ましい作動状態を細部の概略断面で示している。
【0196】
図37aは、第1の状態を示している。吸入位置又はカプセルチャンバ4内には依然としてカプセル3が存在しない。第1のカプセルチャンバ部品26が送出方向又は主流れ方向に対して逆の方向にカプセルチャンバ4から遠ざかっている。カプセルチャンバ4は、側部が開いている。
【0197】
図37bは、第2の状態を示している。開放装置5は、好ましくはばね押しリセット要素40の力に抗して、次の吸入が意図されたカプセル3を動かし又は変位させており、特に、カプセル3を第2の特にビーム状のカプセルチャンバ部品26と一緒に、ブリスタパウチ48からカプセルチャンバ4内に又は吸入位置にあるマウスピース10の延長部内に穿通要素6で側方に穿通している。
【0198】
図37cは、第3の状態を示している。開放装置5は、特に、所望の空気流(カプセルチャンバ4を長手方向に通る)を保証するために、第2のカプセルチャンバ部品26に形成された穿通開口部7が穿通要素6によって閉鎖されたままの状態の位置までその穿通要素6と一緒にカプセル3から引っ込められている。さらに、第1のカプセルチャンバ部品26は、前方に押されている。かくして、カプセルチャンバ4は、閉鎖されている。吸入器1は、いつでも吸入が可能な状態にある。
【0199】
開放装置5をその開始位置に押し戻し、カプセルチャンバ4を開くと、好ましくはばね押しリセット要素40は、空になったカプセル3をストリップ44内の空のブリスタパウチ48又は受け器33に戻す。次に、ストリップ44を次のカプセル3上に動かすのが良い。
【0200】
図示の実施形態では、第2のカプセルチャンバ部品26が、各受け器33又はブリスタパウチ48内に設けられる。変形例として、カプセルチャンバ部品26を1つだけ設けても良く、このカプセルチャンバ部品は、この場合、好ましくは穿通要素6から取り外し可能ではない。
【0201】
図38aは、受け入れチャンバ23又はカプセルリザーバ31が断面で示された吸入器1の別の実施形態を示している。各カプセル3は、
図38bの断面図に示されているように、カプセルチャンバ4内にあらかじめ入れられている。
【0202】
カプセル3の入ったカプセルチャンバ4は、特に、蛇行形態又は他の形態で、吸入器1又は受け入れチャンバ23若しくはリザーバ31内に入れられ、好ましくはこれを特に搬送又は駆動ホイール41によって個々にマウスピース10まで前進させるのが良い。
【0203】
次の吸入が意図されたカプセルチャンバ4を好ましくは運搬装置34、特に手動操作可能な作動要素53によってピックアップし、かかるカプセルチャンバをこの場合、所望の位置合わせ関係をなしてマウスピース10に軸方向に押し、入口側及び出口側を開放し、カプセル3を開放し又は穿通する開放装置5に向かって動かすと共に(或いは)最終的に
図38cの拡大詳細図に示されているように、マウスピース10の出口側と関連した連結部材16に連結するのが良い。次に、調合薬2の送出又は吸入が生じる。
【0204】
吸入後、空になった容器3を収納している使用済みカプセルチャンバ4を運搬装置又は受け例チャンバ23若しくはリザーバ31、特に、次の搬送又は駆動ホイール41によって再びピックアップする。
【0205】
図39は、カプセルリザーバ31を備えた別の実施形態を部分断面図で示している。カプセルリザーバ31は、管状設計のものである。カプセル3は、好ましくは、カプセルリザーバ31内に軸方向に相前後して収容されると共にカプセルリザーバ31の周囲に沿って分布して配置されている。
【0206】
カプセルリザーバ31は、特に、カプセル3、例えば6個のカプセル3の群をなした放出分をこれに対応して例えば6つのカプセルチャンバ4を備えたキャリヤ11内に保持するよう設計されている。カプセルリザーバは、好ましくは、同時に放出されるべきカプセル3の個数に一致した開口部55を備えるシャッタ状のゲート又は出口54を有している。ゲートは、好ましくは、開口部55をカプセル3の延長部上で又はカプセル3に関して軸方向に位置合わせすることができるようばね56の力に対抗して回転可能であり、その結果、カプセル3は、開口部55を通って放出されて下に配置されているマガジン又はキャリヤ11によって捕捉されるようになっている。放出後、ゲート54は、ばね力又は逆戻りの結果として自動的に閉じる。
【0207】
図40〜
図42は、類似の実施形態としてのカプセルリザーバ31を示している。
【0208】
図40に示す実施形態では、ゲート54は、関連のスライダ状シャッタ57によって閉鎖可能であり、このスライダ状シャッタは、カプセルを放出するため、即ち、ゲート54を開放するため又は開口部55を露出させるためにばね56の力に対抗して横方向に又は半径方向に動くことができる。分かりやすくするために、
図40は、カプセル3を全く示していない。
【0209】
図41に示す実施形態では、カプセルリザーバ31は、好ましくは中央の保持装置58を有し、この保持装置は、妨害位置に置いて半径方向に広がるアーム59によってカプセル3の軸方向運動を妨害する。キャリヤ11が保持装置58のピン60を軸方向に押すと、保持装置は、
図41に点線で示すようにアーム59を折り畳んでピン60に半径方向に当てることによってカプセル3を解除する。次いで、カプセル3の次の群は、下に配置されているキャリヤ11又はそのカプセルチャンバ4内に滑り込むことができる。キャリヤを取り外すと、リセットが、ばね56の結果として生じ、アーム59は、再び広がり、保持装置58は、カプセル3のそれ以上の放出を阻止する。
【0210】
図42の実施形態では、カプセルリザーバ31は、カプセル3を好ましくはカプセルリザーバ31の長手方向に対して直角に位置合わせ状態で受け入れる。カプセル3は、カプセルリザーバ31の軸方向に又はカプセルリザーバ31内でコイル又は螺旋に沿って2つの列か2つのスタックかのいずれかの状態に配置されている。ゲート54は、特に、開口部55を1つだけ有している。シャッタ57を段階的に回転させ又は回してその開口部55をゲート54の開口部55と位置合わせ状態にすると、カプセル3は、好ましくは、1つ放出される。特に、1つのカプセル3をシャッタ57の特定の回転位置で放出させることができる。逆の回転位置又は特に180°回転させた
図42に示す位置では、カプセルリザーバ31は、好ましくは、特にカプセルを過剰な機構変動から保護すると共に(或いは)カプセル3が乾燥しすぎないように好ましくはしっかりと密封される。
【0211】
図43は、カプセルチャンバ4を閉鎖できる、即ち、取り外し可能なストッパ61又は他のクロージャ要素、例えばキャップ、蓋等によってカプセルチャンバの入口側及び(又は)出口側が閉鎖される実施形態の断面図である。
【0212】
図44は、吸入器1の別の実施形態を概略断面で示している。カプセルチャンバ4とカプセル3は、回転可能な環状キャリヤ11内で半径方向に位置合わせされている。吸入位置における開放装置5によるカプセル3の穿通も又、半径方向に起こり、即ち、カプセル3に対して軸方向に又は端面のところで生じる。開放装置5は、この場合、好ましくは穿通要素6を包囲したリセットばね62を有し、この開放装置を特にスライダのようにリセットばね62の力に対抗して作動させることができる。
【0213】
図45及び
図46は、吸入器1の別の実施形態を概略的に示している。別々のカプセル3に代えて、調合薬2は、キャリヤ11内の受け器33内にあらかじめ直接入れられている。かくして、受け器33は、好ましくは、本発明の意味でカプセルを形成している。キャリヤ11は、好ましくは、リングを形成し、受け器33は、その周囲に沿ってぐるりと分布して配置された状態で閉鎖されている。
【0214】
受け器33は、マウスピース10を半径方向外方に引くことによりこの場合も好ましくは半径方向に作用する開放装置5によって個々に開放可能である。これにより、特にキャリジによってマウスピース10に結合されている開放装置5は、同様に半径方向に動き、その結果、穿通要素6が吸入位置に配置されていると共に穿通要素6と位置合わせされている受け器33に嵌まり込むようになり、この中に入っている調合薬2が押し出され又は半径方向外方に放出されて隣接のチャンバ63に入るようになる。この状況は、
図45に示されている。
【0215】
次いで、吸入中、調合薬2は、空気流によってマウスピース10を通ってチャンバ63から放出される。次に、マウスピース10を再び比較的押し戻すのが良い。この状況は、
図46に示されている。さらに、このように、穿通要素6を先に穿通され又は空になった受け器33から引き抜く。
【0216】
最後に、キャリヤ11を受け器33一つ分だけ前進させ又は回転させる。これは、例えば、図示の内歯を用いて実施でき、マウスピース10は、完全に内方に押し込まれると共に(或いは)半径方向外方に引き出される。
【0217】
一般に、調合薬2を各々が1回投与分の調合薬2を収容したカプセル3から吸入するための吸入器1が提案されている。カプセル3は、各々、好ましくは、カプセルチャンバ4を通って流れるガス又は空気の流れにより動かされることによりカプセルチャンバ4内で空にされる。ユーザ又は患者の呼吸によって且つ(或いは)吸入器1によって能動的にガス又は空気の流れを生じさせることができる。作動を容易にするため、吸入器1は、特に、カプセルチャンバ4が2回以上用いられる場合、カプセルチャンバ4を特に自動的に充填し、空にすると共に(或いは)クリーニングする手段を有する。変形例として、吸入器1は、各々が好ましくは既にカプセル3を収容しており、好ましくは1回だけ用いられる複数のカプセルチャンバ4を有する。
【0218】
好ましくは利用される分散プロセス(調合薬2をガス又は空気の流れに乗って放出したり分散させたりするためにガス又は空気の流れ中における開放状態のカプセル3の運動)には、種々の利点がある。かかる分散プロセスにより、粒子を良好にばらばらにして非常に一様な分散が可能である。相対的な流量からの独立性の実現が可能になる。特に、カプセル運動又は振動及びそれ故に調合薬の送出は、約10又は20l/分以上の流量の達成後に始まり、カプセルの運動により、即ち、吸入中、ユーザに知覚可能な音響信号を生じさせることができる。
【0219】
さらに、吸入器1は、マウスピース10をクリーニングする手段を備えるのが良い。代替的に又は追加的に、マウスピース10を特にクリーニングのために取り外し可能であっても良い。
【0220】
多くのカプセルチャンバ4が設けられている場合、吸入器1は、摩擦係止及び(又は)相互係止係合方式によりカプセルチャンバ4を吸入位置に固定する保持又はクランプ装置(図示せず)を有するのが良い。保持又はクランプ装置は、例えば、入口8及び出口9を空気の供給及び除去を可能にするようにしておくようカプセルチャンバ4の長手方向側部に作用するのが良い。代替的に又は追加的に、カプセルチャンバ4をクランプ方式又は摩擦及び(又は)相互係止係合方式によりその軸方向端部領域のところが、特に入口8及び出口9のところが固定されても良い。
【0221】
一例としての実施形態に示されたカプセル3は、好ましくは、円筒形であり又は細長く、特に丸くなった端部を有する。しかしながら、理論的には、カプセル3は、任意所望の形状を有する又は取ることができる。
【0222】
必要ならば、カプセルリザーバ31は、特にカプセルリザーバがカプセル3のための別々の受け入れチャンバ又はカプセル3のための対応のフォロアを有する場合、回転可能であるように構成されていても良い。この場合、カプセル3をそれに応じて送出位置に動かすのが良く、この送出位置から、カプセル3を特に関連のカプセルチャンバ4内に又は他の何らかの取り扱い又は運搬装置内に1つずつ放出することができる。
【0223】
説明した実施形態及び変形例では、カプセルチャンバ4、キャリヤ11、カプセルリザーバ31等は、好ましくは、自動的に開かれる。追加的に又は代替手段として、特に吸入器1が最初に用いられるとき、カバー、シール等を手を使って、例えば、かかるカバー、シール等を側方に引き出すことにより開かなければならないようにすることも可能である。
【0224】
別の変形実施形態(図示せず)によれば、カプセル3又はカプセルチャンバ4のためのリザーバ31も又、吸入器1を再充填するために吸入器1の充填又はこれへの結合に適するよう構成されていても良い。特に、この場合、リザーバ31は、カプセル3又はカプセルチャンバ4を吸入器1に移すために自動的に開かれる。
【0225】
吸入器を作動させるため、マウスピース10は、好ましくは軸方向又は出口方向に、特に手動で動くことができるようにすることも可能である。これは、関連のカプセルチャンバ4を充填し又は空にするため、カプセル3を特に軸方向に又は長手方向に開放し又は穿通するため且つ(或いは)好ましくはマウスピース10内に設けられている出口弁等を開閉するために利用できる。
【0226】
一般に、カプセル3及び(又は)カプセルチャンバ4を運搬し又は更に搬送するための任意所望の駆動装置を利用することができる。純粋に機械的な、特に手動操作の駆動操作を設けることが特に好ましい。必要ならば、ばね手段を用いることができる。かくして、例えば、キャリヤ11を更に運搬するため又は特にストリップ又はチェーンを形成するカプセル3、カプセルチャンバ4又は案内要素21を運搬すると共に(或いは)巻き取るための付勢ばね、例えばコイルばね、時計用ばね等を用いることが可能である。
【0227】
提案されている吸入器1は、好ましくは、許可を受けていない使用を阻止するための係止又は固定装置、特にチャイルドロック等を備える。
【0228】
加うるに、吸入器1は、カプセル3、カプセルチャンバ4、キャリヤ11、案内要素21又はこれらにより形成されるチェーン若しくはストリップ等を逆方向に運搬するのを阻止する係止機構体、例えばラチェット機構体等を更に有するのが良い。
【0229】
提案されている吸入器1は、特に、少なくとも30個以上のカプセルを保有するよう設計されている。日々の1回投与分の吸入のため、吸入器は、かくして、ひと月分の供給量を保持する。
【0230】
また、種々の実施形態の個々の特徴及び観点を所望に応じて互いに組み合わせることができ又は他の設計の吸入器に用いることができる。
【0231】
本発明は、吸入器には限定されず、他のアトマイザにも利用できる。したがって、「吸入器」という用語は、好ましくは、特に医療又は他の治療目的の他のディスペンサ又はアトマイザをも含むものとして広義に解釈されるべきである。
【0232】
好ましい薬剤調合物又は調合薬2の幾つかの好ましい成分及び(又は)組成が以下に列記されている。上述したように、これら調合薬は、粉末、特に最も広い意味では流体である。特に好ましくは、調合薬2は、以下を含む。
【0233】
以下に一覧表示する化合物をこれら自体で又は組合せ状態で本発明の器具に用いることができる。以下に記載する化合物に関し、Wは、薬理学的に有効な物質であり、ベータミメティック(Betamimetic)、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4−阻害薬、LTD4−拮抗薬、EGFR−阻害薬、ドーパミン作用薬、H1−抗ヒスタミン薬、PAF−拮抗薬及びPI3−キナーゼ阻害薬の中から(例示として)選択される。さらに、Wの2つの組合せ又は3つの組合せを組み合わせて本発明の器具に用いることができる。Wの組合せは、例えば次のようなものが考えられる。
・Wは、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4−阻害薬、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わせられるベータミメティックを意味する。
・Wは、ベータミメティック、コルチコステロイド、PDE4−阻害薬、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わせられる抗コリン作用薬を意味する。
・Wは、PDE4−阻害薬、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わせられるコルチコステロイドを意味する。
・Wは、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わせられるPDE4−阻害薬を意味する。
・Wは、LTD4−拮抗薬と組み合わせられるEGFR−阻害薬を意味する。
【0234】
ベータミメティックとして用いられる化合物は、好ましくは、アルブテロール、アルフォルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロクサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモル、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルチプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメファモル、サルメテロール、ソテレノール、スルホンテロール、テルブタリン、チアラミド、トルブテロール、ジンテロール、CHF−1035、HOKU−81、KUL−1248、及び
・3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシロキシ}−ブチル)−ベンジル−スルホナミド、
・5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、
・4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]−アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、
・1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1−ベンジミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、
・1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンジミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、
・1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
・1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
・1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチルオキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
・1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾル−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール、
・5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−1,4−ベンゾキサジン−3−(4H)−オン、
・1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−2−t−ブチルアミノ)エタノール、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(エチル4−フェノキシ−アセテート)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−フェノキシ−酢酸)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[1,1−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[2−(4−エチル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[2−(4−エトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・4−(4−{2−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−8−イル)−エチルアミノ]−2−メチル−プロピル}−フェノキシ)−酪酸、
・8−{2−[2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・1−(4−エトキシ−カルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(t−ブチルアミノ)エタノール、
・2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−ベンズアルデヒド、
・N−[2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−フェニル]−ホルムアミド、
・8−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(6−メトキシ−ビフェニル−3−イルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−1H−キノリン−2−オン、
・8−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−(6−フェネチルアミノ−ヘキシルアミノ)−エチル)−1H−キノリン−2−オン、
・5−[2−(2−{4−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−フェニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、
・[3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−5−メチル−フェニル]−ウレア、
・4−(2−{6−[2−(2,6−ジクロロ−ベンジルオキソ)−エトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール、
・3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンジルスルホンアミド、
・3−(3−{7−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘプチルオキシ}−プロピル)−ベンジルスルホンアミド、
・4−(2−{6−[4−(3−シクロペンタンスルホニル−フェニル)−ブトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール、
・N−アダマンタン−2−イル−2−(3−{2−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−フェニル)−アセトアミドの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、ベータミメティックの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0235】
用いられる抗コリン作用薬は、好ましくは、チオトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、オキシトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、フルトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、イプラトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、グリコピロニウム塩、好ましくはブロミド塩、トロスピウム塩、好ましくはクロリド塩、トルテロジンの中から選択された化合物である。好ましくはブロミド塩の中から選択された化合物である。上述の塩に関し、陽イオンは、薬理学的に有効な成分である。陰イオンとして、上述の塩は、好ましくは、クロリド、ブロミド、イオジド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp−トルエンスルホネートを含むのが良く、クロリド、ブロミド、イオジド、スルヘート、メタンスルホネート、又はp−トルエンスルホネートが対イオンとして好ましい。全ての塩のうちで、クロリド、ブロミド、イオジド及びメタンスルホネートが特に好ましい。
【0236】
他の好ましい抗コリン作用薬は、次の化学式AC−1、即ち、
【化1】
の塩の中から選択され、この化学式において、X
-は、単一の負の電荷を備えた陰イオン、好ましくは、フルオリド、クロリド、ブロミド、イオジド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp−トルエンスルホネートの中から選択された陰イオン、好ましくは、単一の負の電荷を備えた陰イオン、特に好ましくは、フルオリド、クロリド、ブロミド、メタンスルホネート及びp−トルエンスルホネートの中から選択された陰イオン、特に好ましくはブロミドを意味し、オプションとしてこれらのラセミ化合物、エナンチオマー又は水和物を意味している。次の化学式AC−1−en、即ち、
【化2】
のエナンチオマーを含む薬理学的な組合せが特に重要であり、この化学式において、X
-は、上述の意味を有するのが良い。他の好ましい抗コリン作用薬は、次の化学式AC−2、即ち、
【化3】
の塩から選択され、この化学式において、Rは、メチルかエチルかのいずれかを表し、X
-は、上述の意味を有するのが良い。変形実施形態では、化学式AC−2の化合物は、次の自由塩基AC−2−base、即ち、
【化4】
の形態で存在しても良い。
【0237】
他の特定される化合物は、次の通りである。
・トロペノール2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
・スコピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
・スコピン2,2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、
・トロペノール2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、
・トロペノール3,3′,4,4′−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン3,3′,4,4′−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール3,3′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン3,3′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド
・シクロプロピルトロピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド
・シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド
・シクロプロピルトロピンメチル4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−エチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド。
【0238】
上述の化合物は、本発明の範囲内で塩としても使用でき、この場合、メトブロミドに代えて、塩メト−Xが用いられ、この場合、Xは、X
-について上述した意味を有するのが良い。
【0239】
コルチコステロイドとして、ベクロメタソン(beclomethasone)、ベータメタソン(betamethasone)、ブデソニド(budesonide)、ブチキソコルテ(butixocorte)、シクレソニド(ciclesonide)、デフラザコルテ(deflazacorte)、デキサメタソン(dexamethasone)、エチプレドノル(etiprednole)、フルニソリド(flunisolide)、フルチカソン(fluticasone)、ロテプレドノル(loteprednole)、モメタソン(mometasone)、プレドニソロン(prednisolone)、プレドニソン(prednisone)、ロフレポニド(rofleponide)、トリアムシノロン(triamcinolone)、RPR−106541、NS−126、ST−26、及び
・(S)−フルオロメチル 6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネート、
・(S)−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−17−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネート、
・シアオメチル 6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸シアノメチルエステルの中から選択された化合物を用いることが好ましく、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる塩及びその誘導体、溶媒化合物及び(又は)水和物が用いられる。ステロイドと言った場合、これは、存在し得るステロイドの塩又はその誘導体、水和物又は溶媒化合物を含む。考えられるステロイドの塩及びその誘導体の例は、アルカリ金属、例えばナトリウム塩、カリウム塩、スルホベンゾエート、ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、ジクロロアセテート、プロピオネート、ジヒドロゲンホスフェート、パルミテート、ピバレート又はフロエートである。
【0240】
使用できるPDE4−阻害薬は、好ましくは、エンプロフィリン、テオフィルリン、ロフルミラスト、アリフロ(チロミラスト)、トフィミラステ(tofimilaste)、プマフェントリン(pumafentrine)、リリミラステ(lirimilaste)、アロフィリン(arofylline)、アチゾラム(atizorame)、D−4418、ベイ(Bay)−198004、BY343、CP−325.366、D−4396(Sch−351591)、AWD−12−281(GW−842470)、NCS−613、CDP−840、D−4418、PD−168787、T−440、T2585、V−11294A、C1−1018、CDC−801、CDC−3052、D−22888、YM−58997、Z−15370及び、
・N−(3,5−ジクロロ−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオロメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンザミド、
・(−)p−[(4aR
*,10bS
*)−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンザミド、
・(R)−(+)−1−(4−ブロモベンジル)−4−[(3−シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−ピロリドン、
・3−(シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N′−[N−2−シアノ−S−メチル−イソチオウレイド]ベンジル)−2−ピロリドン、
・シス[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸]、
・2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、
・シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オル]、
・(R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、
・(S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、
・9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、
・9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(t−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジンの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物及び(又は)水和物である。本発明によれば、PDE4阻害薬の酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0241】
用いられるLTD4−拮抗薬は、好ましくは、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、MCC−847(ZD−3523)、MN−001、MEN−91507(LM−1507)、VUF−5078、VUF−K−8707、L−733321、及び
・1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン−酢酸、
・1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチレチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン−酢酸、
・[2−[[2−(4−t−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸の中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物及び(又は)水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。LTD4−拮抗薬がオプションとして形成できる塩又はその誘導体は、例えば、アルカリ金属、例えばナトリウム塩、カリウム塩、スルホベンゾエート、ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、ジクロロアセテート、プロピオネート、ジヒドロゲンホスフェート、パルミテート、ピバレート又はフロエートを意味している。
【0242】
使用できるEGFR−阻害薬は、好ましくは、セツキマブ(cetuximab )、トラスツズマブ(trastuzumab )、ABX−EGF、マブ(Mab)ICR−62、及び
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジエチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−2−メトキシメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ジメチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス(−(2−メトキシ−エチル)−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ジメチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ジメチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−(N−シクロプロピル−N−メチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルロキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6,7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−モルフォリン−4−イル)−プロピルオキシ]−6−[ビニルカルボニル)アミノ]キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
・3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、
・4−{[(3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニル]アミノ}−6−(5−{[2−メタンスルホニル−エチル)アミノ]メチル}−フラン−2−イル)キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−[テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5,5−ジメチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)エトキシ]−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)エトキシ]−6−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(t−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−アミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(メトキシメチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチルアミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−((S)−テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−ヒドロキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルフォリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルフォリン−4−イル)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−アセチルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロフラン−4−イルオキシ)−7−(2−メタンスルホニルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−アミノカルボニルメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N[(テトラヒドロピラン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)スルホニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−エタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−エトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−アセチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−4−フェニル)アミノ]−6−[1−(t−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(4−メチル−ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[(モルフォリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソピロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−イソプロピルオキシカルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−[N−(2−メトキシ−アセチル)−N−メチル−アミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(シス−2,6−ジメチル−モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メチル−モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(S,S)−(2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[N−メチル−N−2−メトキシエチル−アミノ]カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシエチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(3−メトキシプロピル−アミノ)−カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−アセチル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−ジメチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリンの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0243】
用いられるドーパミン作用薬は、好ましくは、ブロモクリプチン(bromocriptine)、カベルゴリン(cabergoline)、アルファ−ジヒドロエルゴクリプチン(alpha-dihydroergocryptine)、リスリド(lisuride)、ペルゴリド(pergolide)、プラミペクソール(pramipexole)、ロキシンドール(roxindole)、ロピニロール(ropinirole)、タリペクソール(talipexole)、テルグリド(terguride)、ビオザン(viozane)の中から選択された化合物であり、オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0244】
使用できるH1−抗ヒスタミン薬は、好ましくは、エピナスチン(epinastine)、セチリジン(Cetirizine)、アゼラスチン(azelastine)、フェクソフェンダジン(fexofenadine)、レボカバスチン(levocabastine)、ロラタジン(loratadine)、ミゾラスチン(mizolastine)、ケトチフェン(Ketotifene)、エメダスチン(emedastine)、ジメチンデン(dimetindene)、クレマスチン(Clemastine)、バミピン(Bamipine)、セクスクロルフェニラミン(Cexchlorpheniramine)、フェニラミン(pheniramine)、ドキシルアミン(doxylamine)、クロロフェノキサミン(Chlorophenoxamine )、ジメンヒドリネート(dimenhydrinate)、ジフェンヒドラミン(diphenhydramine)、プロメタジン(promethazine)、エバスチン(ebastine)、デスロラチジン(desloratidine)、メクロジン(meclozine)の中から選択された化合物であり、オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0245】
また、欧州特許出願公開第1,003,478(A1)号明細書及びカナダ国特許出願公開第2297174(A1)号明細書に開示されている吸入可能な高分子を使用することが可能である。
【0246】
さらに、化合物は、バッカクアルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP−拮抗薬、ホスホジエストラーゼ−V阻害薬から成る群に由来するものであるのが良く、オプションとしてこれら化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物及び(又は)水和物である。
【0247】
バッカクアルカロイド誘導体の例は、ジヒドロエルゴタミン及びエルゴタミンである。