特許第6056120号(P6056120)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6056120
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】照明制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20161226BHJP
【FI】
   H05B37/02 B
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-141157(P2011-141157)
(22)【出願日】2011年6月24日
(65)【公開番号】特開2013-8597(P2013-8597A)
(43)【公開日】2013年1月10日
【審査請求日】2014年5月2日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】特許業務法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 幸男
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−184557(JP,A)
【文献】 特開2009−290758(JP,A)
【文献】 特開2000−041286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具と;
所定の通信手順で通信を行い、前記照明器具の遠隔監視又は制御を行う端末器と;
前記照明器具および前記端末器と信号線を介して接続され、この信号線を介して制御信号フレームにより所定の通信手順で前記端末器と通信を行うとともに、通信手順異なり制御信号フレームのデータ部の扱いが異なる端末器に対して予め予約した拡張領域のデータ部を使用することにより前記通信手順が異なる端末器と同じ通信手順に切り替える機能切替手段を有する中央制御装置と;
を具備していることを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
照明器具と;
所定の通信手順で通信を行い、前記照明器具の遠隔監視又は制御を行う端末器と;
前記照明器具および前記端末器と信号線を介して接続されるとともに、この信号線を介して制御信号フレームにより所定の通信手順で前記端末器と通信を行う中央制御装置と;を具備し、
前記端末器は、通信手順異なり制御信号フレームのデータ部の扱いが異なる中央制御装置に対して 予め予約した拡張領域のデータ部を使用することにより前記中央制御装置と同じ通信手順に切り替える機能切替手段を備えていることを特徴とする照明制御システム。
【請求項3】
前記機能切替手段の切替動作を手動操作する切替操作手段を具備していることを特徴とする請求項1または2記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記機能切替手段は、通信手順が異なることを識別したときに通信手順を切り替えることを特徴とする請求項1または2記載の照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この照明制御システムの一例としては、中央制御装置に、信号線を介して調光端末器や壁スイッチ等の端末器を双方向データ通信可能に接続し、例えば壁スイッチの点,消灯や調光等の操作に応じて、調光端末器により、照明器具の光出力を制御するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−191692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の照明制御システムの中央制御装置や調光端末器は、照明制御システムの例えば大,中,小の規模等に応じて機能が異なる。そして、異なる機能に対応してそれぞれ通信手順が異なるため、例えば小規模の照明制御システムの中央制御システムと大規模の端末器とは互換性がない、という課題がある。このために、小規模向けの照明制御システムにおいて大規模向けのシステムで使用される端末器を設置し機能拡張をするということができなかった。また、大、中規模向けの照明制御システムに機能を簡素化した小規模向けの端末器を設置することもできなかった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、中央制御装置と端末器の少なくとも一方が、通信手順の異なる機種の相違に対応可能で汎用性のある照明制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の照明制御システムは、照明器具と、所定の通信手順で通信を行い、前記照明器具の遠隔監視又は制御を行う端末器と、前記照明器具および前記端末器と信号線を介して接続され、この信号線を介して制御信号フレームにより所定の通信手順で前記端末器と通信を行うとともに、通信手順異なり制御信号フレームのデータ部の扱いが異なる端末器に対して予め予約した拡張領域のデータ部を使用することにより前記通信手順が異なる端末器と同じ通信手順に切り替える機能切替手段を有する中央制御装置とを具備していることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る照明制御システムのシステム構成図。
図2図1で示す中央制御装置の構成を示すブロック図。
図3図1で示す調光端末器の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0009】
図1は本実施形態の全体構成を示すシステム構成図、図2図1で示す中央制御装置の構成を示すブロック図、図3図1で示す調光端末器の構成を示すブロック図である。
【0010】
(第1の実施形態)
図1に示すように照明制御システム1は、中央制御装置2に、例えば2線式の信号線3を介して所定の通信手順で通信を行う端末器としての複数の調光端末器4a,4b,4c,…,4nと、監視端末器の一例としての壁スイッチ5を、データ双方向シリアル(直列)通信可能に接続している。各調光端末器4a〜4nには、照明器具6a,6b,…,6nをそれぞれ点,消灯や調光等による光出力制御可能に接続している。図1では各調光端末器4a〜4nに照明器具6a〜6nを1対1で接続しているが、1台の調光端末器4a〜4nに、2台以上の照明器具6a〜6nを接続してもよく、照明器具6a〜6n用の電源は直流(DC)でも交流(AC)でもよいが、図1では図示を省略している。また、調光端末器4a〜4nは各照明器具6a〜6nに組み込む等一体に設けてもよい。
【0011】
通信手順とは、制御信号フレームにおける機種固有のアドレス以外の実際のデータ部についての通信上の扱いをいう。
【0012】
通信手順が異なるとは、通信手順にかかわるデータ部の通信上の扱いが異なることをいう。データ部は通常は決まった固定のデータ長である。例えば、データ部のデータ長が8ビットであれば256種類の値しか表現できない。機能拡張が行われると256種類では足りない場合がある。これ以上に拡張する方法として、予め予約しておいた拡張領域のデータ部を使う方法がある。例えばこの拡張領域が4ビットあればデータ部と組み合わせれば16モード×256種類に拡張が可能となる。すなわち、通信手順が異なる場合、言い換えると、機能が拡張された機種で拡張後のデータ部の扱いが異なる端末器を使用する場合、中央制御側で通信相手となる端末器側の通信手順すなわち機種を分かっていないと256種類のデータの意味が異なり想定外の動作となってしまう。
【0013】
そして、各調光端末器4a〜4nは、明るさセンサ7a,7b,…,7nと人感センサ8a,8b,…,8nを第2の信号線11を介してそれぞれ接続している。これら明るさセンサ7a〜7nと人感センサ8a〜8nは、所要の照明エリアの天井等にそれぞれ埋設され、各照明エリアの明るさ(照度)を明るさセンサ7a〜7nにより検出する一方、照明エリア内の人の存否を人感センサ8a〜8nにより検出する。これら検出信号は調光端末器4a〜4nに読み込まれ、各調光端末器4a〜4nにより信号線3を介して中央制御装置2に送信される。
【0014】
照明器具6a〜6nは、例えばオフィスビル等各種施設の各フロアやそのエリア等の照明エリア毎に設置される。これら照明器具6a〜6nは、その光源として例えば蛍光ランプや発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセンス(EL)等いずれを用いてもよく、これら光源を点灯させる点灯装置を具備している。
【0015】
壁スイッチ5は照明器具6a〜6nの光出力を、1台毎に個別に制御するための個別制御用操作部(図示省略)または、複数台毎にグループ制御するグループ制御用操作部(図示省略)を具備しており、これら制御用操作部の操作時には、所要フォーマットの操作信号が出力され、これら操作信号(スイッチ入力)は信号線3を介して中央制御装置2により読み込まれる。なお、個別制御用操作部とグループ制御用操作部は、中央制御装置2に記憶されている各操作部のアドレスに対する照明器具6a〜6nまたは調光端末器4a〜4nのアドレスとの割付情報によって区別されるものである。すなわち一つの操作部に対して一つの照明器具が割り当てられている場合は個別制御用操作部として機能し、一つの操作部に対して複数の照明器具が割り当てられている場合はグループ制御用操作部として機能する。
【0016】
図2に示すように中央制御装置2は、電源部9a、主制御部9b、主メモリ9c、ADメモリ9dおよび送受信部9eを具備しており、複数の照明器具6a〜6nを遠隔制御すると共に、その動作状態(点,消灯や調光等)を遠隔監視する。
【0017】
電源部9aは、例えば100Vの商用交流電源ACを受電して所要電圧(例えば24V)の直流(DC)に整流する整流器を有し、このDCを主制御部9b、送受信部9eおよび信号線3に給電する。
【0018】
主制御部9bは、例えばマイクロプロセッサ等からなり、調光手段2a、機能切替手段2b、主メモリ9cおよびADメモリ9dとを有する。ADメモリ9dは各調光端末器4a〜4nのアドレスをそれぞれ示す個別アドレスと、これら各調光端末器4a〜4nをグループ化したときのグループを示すグループアドレスを記憶している。また、壁スイッチ5等、信号線3に接続されている各種端末器のアドレスも記憶している。
【0019】
調光手段2aは、壁スイッチ5からの操作信号が送受信部9eにより受信されると、この操作信号により操作されたスイッチ入力を解読し、この操作信号に対応した制御信号を生成し、この制御信号を送受信部9eにより信号線3上にシリアル(直列)伝送で伝送させる。
【0020】
そして、主メモリ9cは、通信手順が異なる調光端末器に応じて、中央制御装置2の調光手段2a等、中央制御装置2が中央制御装置2として機能するための種々の機能を実行させるための複数の機種別処理プログラムを記憶している。
【0021】
機能切替手段2bは、調光端末器4a〜4nの通信手順が現在の中央制御装置2の通信手順と一致しないことを検出したときに、この調光端末器4a〜4nの通信手順に適合した機種別処理プログラムを主メモリ9cから読み出し、以後、この機種別処理プログラムを主制御部9bにより実行させるように切り替える。
【0022】
例えば機能切替手段2bは、ポーリング制御により調光端末器4a〜4nの機種の通信手順を読み出し、あるいは調光端末器4a〜4nからの通信手順を示す機種信号を信号線3と送受信部9eを介して受信することにより通信手順を読み出し、読み出した調光端末器4a〜4nの通信手順が、現在駆動中の中央制御装置2の通信手順と適合するか否かを判断する。
【0023】
この判断の結果、通信手順が一致している場合は、引き続き、その中央制御装置2を駆動する。一方、中央制御装置2と調光端末器4a〜4nの通信手順が不一致の場合は、調光端末器4a〜4nの通信手順に適合する機種別処理プログラムを主メモリ9cから読み出し、以後、この機種別処理プログラムにより、中央制御装置2を駆動する。
【0024】
この機種別処理プログラムの切替(選択)は、外付けの設定器9fの手動設定操作によっても行うことができる。設定器9fとしては、例えばディップスイッチまたはパーソナルコンピュータ(PC)等があり、これらの手動操作により、機種別処理プログラムを切り替えることができる。
【0025】
図3に示すように各調光端末器4a〜4nは送受信部10a、端末制御部10b、ADメモリ10cおよび制御操作部10dを具備している。
【0026】
送受信部10aは、中央制御装置2の送受信部9eから所定の通信手順で送信された制御信号を受信し、端末制御部10bに与える受信機能を有する。また、各送受信部10aには、第2の信号線11を介して少なくとも1台の明るさセンサ7a〜7nと、人感センサ8a〜8nがそれぞれ接続されている。各明るさセンサ7a〜7nは、各照明器具6a〜6nの照明エリアの例えば天井等に埋設され、各照明エリアの照度を検出する。この照度検出信号は、送受信部10aを介して端末制御部10bに与えられる。端末制御部10bは、この照度検出信号を送受信部10aにより信号線3を介して中央制御装置2に所定の通信手順で送信する。
【0027】
中央制御装置2は、調光端末器4a〜4nから照度検出信号を送受信部9eにより受信すると、主制御部9bの調光手段2aにより、予め設定してある照度目標値を送受信部9eにより所定の通信手順で信号線3へ送信する。
【0028】
そして、この送受信部10aは、中央制御装置2からの制御信号のタイムスロットである信号返送期間よりなる応答データに、調光端末器4a〜4nの制御実行後の応答データを記録して中央制御装置2に返送させる機能を有する。
【0029】
各人感センサ8a,8b,…,8nは、アドレスが同じ照明器具6a〜6nの照明エリアの例えば天井等に配設され、この照明エリアで人の存否を検出する。この検出信号は、送受信部10aを介して端末制御部10bに与えられる一方、送受信部10aにより信号線3を介して中央制御装置2に送信される。中央制御装置2は、その検出信号が人の存在を検出したときの信号であると判断したときには、その検出信号と同じアドレスの照明器具6a〜6nを点灯させるON信号を信号線3に送信し、一方、人の存在を検出しなかった検出信号であると判断したときには、照明器具6a〜6nを消灯させるOFF信号を信号線3に送信する。
【0030】
端末制御部10bは、例えばマイクロプロセッサから構成され、ADメモリ10cを具備している。ADメモリ10cは各調光端末器4a〜4nにそれぞれ個別に与えられた個別アドレスと、これら調光端末器4a〜4nを所要数のグループにグループ化したときのグループアドレスとを記憶している。制御操作部10dは照明器具6a〜6nを点,消灯するON/OFF制御や調光制御を行う。
【0031】
次に、この照明制御システム1の作用を説明する。
【0032】
図1で示す壁スイッチ5により照明器具6a〜6nを制御するための操作が行なわれると、壁スイッチ5の各操作部に対応して予め設定されているアドレスとともに、制御内容(例えば、点灯,消灯,調光等)を含んだ所定フォーマットの制御信号が所定の通信手順で信号線3を介して中央制御装置2へ送信される。中央制御装置2は、壁スイッチ5から制御信号を受信すると、壁スイッチ5により指定されたアドレスに対応する照明器具6a〜6nを制御するための制御信号を所定の通信手順で送信する。このとき、壁スイッチ5のアドレスに対して照明器具6a〜6nの個別アドレスが設定されている場合には、壁スイッチ5の操作は照明器具6a〜6nを個別制御する。一方、壁スイッチ5のアドレスに対してグループアドレスが設定されている場合には壁スイッチ5の操作は照明器具6a〜6nをグループ制御する。
【0033】
そして、人感センサ8a〜8nにより人の存否が検出された検出信号は調光端末器4a〜4nの送受信部10aにより信号線3を介して中央制御装置2へ送信される。
【0034】
中央制御装置2では、主制御部9bにより、この人感センサ8a〜8nからの検出信号が人の存在を検出しているか、人の不存在を検出しているか否かを判断し、人の存在を検出しているときには、壁スイッチ5により指定されたアドレスの照明器具6a〜6nを所定の照度で点灯させるON(点灯)信号を、人の不存在を検出しているときには、OFF(消灯)信号を信号線3へ送信する。
【0035】
各調光端末器4a〜4nは、送受信部10aにより、このONまたはOFF信号を受信する。すると、端末制御部10bがADメモリ10cから自己のアドレスを読み出し、この自己のアドレスがON/OFF信号のアドレスと一致するか否か判断し、これらアドレス同士が一致したと判断したときに、このアドレスの調光端末器4a〜4nの端末制御部10bが制御操作部10dを操作し、照明器具6a〜6nを点灯または消灯させる。
【0036】
そして、明るさセンサ7a〜7nにより検出された照度検出値は調光端末器4a〜4nの送受信部10aにより信号線3を介して中央制御装置2へ送信される。
【0037】
中央制御装置2では、主制御部9bの調光手段2aにより予め設定された照度目標値を含む制御信号を当該アドレスの調光端末器4a〜4nへ信号線3を介して送信する。各調光端末機4a〜4nは、送受信部10aにより、この照度目標値を含む制御信号を受信する。すると、端末制御部10bがADメモリ10cから自己のアドレスを読み出し、この自己のアドレスが受信した制御信号のアドレスと一致するか否かを判断し、これらアドレス同士が一致したと判断したときに、そのアドレスの調光端末器4a〜4nの端末制御部10bが制御操作部10dを制御信号に従って操作する。
【0038】
これにより、この照度目標値を含む制御信号のアドレスと同じアドレスの調光端末器4a〜4nにより照明器具6a〜6nの明るさが照度目標値になるように調光される。
【0039】
ところで、調光端末器4a〜4nにそれぞれ接続される明るさセンサ7a〜7n、人感センサ8a〜8nあるいは照明器具6a〜6nの接続台数を増加し、または減少させて、システムの規模を変更させる場合等により、調光端末器4a〜4nの機種を変更した場合は、その機種変更した調光端末器4a〜4nからの機種(通信手順)変更信号が信号線3と送受信部9eを介して中央制御装置2に送信される。または、中央制御装置2がポーリング制御により、調光端末器4a〜4nの機種(通信手順)変更を読み出したときは、中央制御装置2の機能切替手段2bにより、機種変更した調光端末器4a〜4nの通信手順に適合した中央制御装置2の機種別処理プログラムが主メモリ9から選択的に読み出され、自動的に切り替えられる。また、この機種別処理プログラムの切替は、例えば中央制御装置2のディップスイッチやPC等の設定器9fの手動操作によっても切り替えることができる。
【0040】
そして、中央制御装置2は複数の調光端末器4a〜4nの機種の通信手順に応じて、複数の機種別処理プログラムを主メモリ9cに予め記録しており、適宜選択できるので、複数の機種の通信手順に対応することができる。このために、中央制御装置2の汎用性を拡大できる。
【0041】
これにより、調光端末器4a〜4nの機種変更に応じて中央制御装置2の機種も一々変更して信号線3に接続する等の変更作業を行う必要もないので、機種変更の簡単迅速化を図ることができるうえに、コスト低減を図ることができる。
【0042】
なお、上記第1の実施形態では、調光端末器4a〜4nの機種(通信手順)変更に対し、中央制御装置2側の通信手順を適合させる機能切替手段2bを中央制御装置2側に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば監視端末器を所定の通信手順で通信を行う端末器としても同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
第2の実施形態は、中央制御装置2側の通信手順に対し、調光端末器4a〜4n側の機能を適合させる機能切替手段2bを各調光端末器4a〜4n側に設けてもよい。つまり、第2の実施形態は、調光端末器4a〜4nに、中央制御装置2の通信手順に対応して動作するための複数の機種別処理プログラムを記憶するメモリを設ける。さらに、中央制御装置2の機種を読み出したときに、この機種に適合した機種別処理プログラムを上記メモリから選択し、以後、その機種別処理プログラムを実行させる機種切替手段を端末制御部10bに設ける。この実施形態よれば、各調光端末器4a〜4nの汎用性を高めることができる。
【0044】
また、機能切替手段2bの機能切替を手動操作によっても行う上記設定器9fに相当する設定器を設けてもよく、これによれば、上記第1の実施形態と同様に、設定器の手動操作によっても機種別処理プログラムを切り替えることができるので、その機能切替の確実性を高めることができる。
【0045】
以上、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1…照明制御システム、2…中央制御装置、2b…機能切替手段、3…信号線、4a,4b,…,4n…調光端末器、5…壁スイッチ、6a,6b,…,6n…照明器具、7a,7b,…,7n…明るさセンサ、8a,8b,…,8n…人感センサ。
図1
図2
図3