(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
HDMI(High-Definition Multimedia
Interface)規格は、デジタル映像信号とデジタル音声信号とを1つのケーブルで送受信できる利便性があるため、地上デジタル放送波を表示する地上デジタル放送対応テレビジョン装置(以下、適宜「TV」と省略することがある)と、地上デジタル放送波を録画/再生するレコーダ、または映像コンテンツを再生するBD(Blu-ray
Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤとの間を接続するインターフェースとして最近多用されている。
【0003】
このHDMI規格には、TVからレコーダ等を遠隔操作指示することを目的として、CEC(Consumer Electronics Control)コマンドが規定されている。TVからHDMIケーブルを通じてレコーダにCECコマンドを送信してレコーダに地上デジタル放送波の録画を指示したり、あるいは、レコーダからTVにCECコマンドを送信して、TVの電源投入を指示することができる(詳細は非特許文献1参照)。
【0004】
HDMI規格は、パーソナルコンピュータ(以下、適宜「PC」と省略することがある)とモニタとを接続するDVI(Digital Visual Interface)規格と部分的な互換性を有するため、最近のPCでは、DVI出力端子に代えてHDMI出力端子を備えるものも出現している。このようなPCでは、HDMIケーブルでTVと接続することにより、PCの出力画面をTVに表示することが可能となる。
【0005】
しかしながら、PCの出力インターフェースとしてHDMI出力端子が備えられていても、PCではCECコマンドが想定しているような遠隔操作をする機会は少なく、しかも、CECコマンドの送受信を行うためには独自の制御部を必要とするので、コストダウンの観点も含めて、HDMI出力端子を備えているPCであっても、CECコマンドを送受信し、受信したCECコマンドに応じてPC全体の制御を行うことの可能なものは極めて少ない。すなわち、従来のPCはいわゆる非CEC対応機器であることが多かった。
【0006】
非CEC対応機器からの出力に応じて、CECコマンドを生成してTVを制御する技術としては、例えば特許文献1、特許文献2に開示されたような技術がある。特許文献1に開示された技術では、UPnP(Universal Plug and Play)規格に基づいてPCと通信を行う携帯機器からコンテンツ送信が指示されると、PCからCECコマンドを送信してTVにこのコンテンツ再生表示を指示する。特許文献2に開示された技術では、スイッチ装置に接続された非CEC対応機器がコンテンツを再生したことをスイッチ装置が検出し、CECコマンドを用いてTVに対して非CEC対応機器への出力切替を指示する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態であるリピータ機器について説明する。
【0018】
(HDMI規格の概要)
本発明の一実施形態であるリピータ機器の説明に先立って、HDMI規格の概要についてまず説明する。
【0019】
図5は、HDMI規格の概略を説明するためのブロック図である。HDMI規格において、HDMI入力端子を持ちAVストリーム(映像信号および音声信号)を表示出力するものはシンク(Sink)機器と、HDMI出力端子を持ちAVストリームを出力するものはソース(Source)機器と、HDMI入力端子と出力端子を持ちAVストリームの入出力(転送)を行うものはリピータ(Repeater)機器と定義されている。
【0020】
図5のブロック図では、シンク機器とソース機器とがHDMIケーブルによって接続された状態が示されている。HDMIケーブルは、AVストリームを伝送するTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャンネル0〜2と、シンク機器の性能、特性などを示すEDID(Extended Display Identification Data)などを伝送するDDC(Display Data Channel)ラインと、CECコマンドを伝送するCECラインと、ホットプラグ検出ピンの電圧を制御することによってEDIDをソース機器に読み出させることなどに利用されるHPD(Hot Plug Detect)信号を伝送するHPDラインと、接続検知のためにソース機器によって電圧(対グランド電位)が5Vに制御される5V電力ラインとを備えている。
HDMI規格に準拠したシンク機器は、EDIDを内部メモリに持っている。このEDIDは、シンク機器と接続されるソース機器に、シンク機器の機種名や設定値(解像度など)を伝えるためのシンク機器独自のIDである。
【0021】
また、HDMI規格においては、HDMIケーブルにより接続されたシンク機器、ソース機器、リピータ機器のそれぞれ(全体をHDMIネットワークと称することもある)には物理アドレスが割り当てられ、さらに、CEC対応機器には論理アドレスが割り当てられる。
【0022】
物理アドレスは、ルートデバイスであるソース機器からのパスを示す4桁の自然数によって表現される。例えば、シンク機器(テレビ)のx番目のHDMI入力端子に接続されたソース機器Xには物理アドレス(x,0,0,0)が割り振られ、ソース機器Xのy番目のHDMI入力端子に接続されたソース機器Yには物理アドレス(x,y,0,0)が割り振られる。なお、ルートデバイスであるシンク機器であるテレビには物理アドレス(0,0,0,0)が割り振られる。
【0023】
論理アドレスは、機器種別(テレビ、レコーダ、プレーヤ、チューナ、オーディオの何れか)を示す1から15までの自然数によって表現される。例えば、テレビには論理アドレス「0」が割り振られ、1台目のレコーダには論理アドレス「1」が割り振られ、2台目のレコーダには論理アドレス「2」が割り振られる。なお、論理アドレス「15」は、HDMIネットワーク内に存在する機器の全てに対してCECコマンドを送信する(ブロードキャスト)際に用いられる論理アドレスである。
シンク機器にHDMI接続された外部機器は、このような論理アドレスと物理アドレスを持つために、たとえ複数台の外部機器が接続されていても、特定の1台を指定してCECメッセージを送信することが可能となる。
【0024】
(映像信号表示システムの概略構成)
図1は、本発明の一実施形態であるリピータ機器が適用される映像信号表示システムの概略構成を説明するためのブロック図である。
図1に符号10で示される映像信号表示システムは、映像信号出力装置であるPC20、本発明の一実施形態であるリピータ機器30及び映像信号表示装置であるTV40が順にHDMIケーブル60、61により接続されて構成されている。図中、実線で示す矢印はAVストリームの流れを示し、PC20から出力されたAVストリームはリピータ機器30を介してTV40に出力される。また、点線で示す矢印はCECコマンドの流れを示し、リピータ機器30のCECコマンド生成部33bにより生成されたCECコマンドがTV40に出力される。
【0025】
(PCの概略構成)
図2は、映像信号表示システム10を構成するPC20の概略構成を説明するためのブロック図である。
図2において、PC20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、入力インターフェース(I/F)24、出力インターフェース(I/F)25及びHDMIトランスミッタ26を備え、これらはバスを介して互いに接続されている。
【0026】
CPU21は、PC20全体の制御を行う。ROM22には、PC20起動時の動作制御を行うOS等のプログラムが格納され、PC20起動時等においてROM22内に格納されたプログラムが読み出され、RAM23に展開される等した後で実行されることでPC20の各種制御が行われる。RAM23には、上述のようにプログラムが展開され、また、作業中の各種データが一時保管される。入力インターフェース24は、外部にあるマウス、キーボード等の入力装置27との間で信号の授受を行い、この入力装置27からの入力指示を受け付ける。出力インターフェース25は、外部にある出力装置28との間で信号の授受を行い、この出力装置28に信号を出力する。HDMIトランスミッタ26の詳細については後述する。
【0027】
(リピータ機器の概略構成)
図3は、本発明の一実施形態であるリピータ機器30の概略構成を説明するためのブロック図である。
図3において、リピータ機器30は、HDMIレシーバ(入力部)31、HDMIトランスミッタ(出力部)32、CPU33、ROM34、RAM35を備え、これらはバスを介して互いに接続されている。
【0028】
HDMIレシーバ31は、リピータ機器30のHDMI入力端子(図略)に接続されたソース機器(本実施形態ではPC20)からAVストリームを受信するためのインターフェースである。
【0029】
HDMIレシーバ31は、TMDSレシーバ311、DDCインターフェース(I/F)312、CECインターフェース(I/F)313、HPD制御部314、5V・Power検知部315及びEDID格納部316を備えている。HDMIレシーバ31の各部はCPU33によって制御される。
【0030】
TMDSレシーバ311は、HDMIケーブルのTMDSラインを介して伝送されたAVストリームを受信するためのインターフェースである。TMDSレシーバ311が受信したコンテンツは、後述するHDMIトランスミッタ32のTMDSトランスミッタ321に供給される。
【0031】
DDCインターフェース312は、HDMIケーブルのDDCラインを介してEDIDを送信するためのインターフェースである。DDCインターフェース312が送信するEDIDは、EDID格納部316から読み出される。EDID格納部316は、EDIDを格納するための書き換え可能なメモリである。
【0032】
CECインターフェース313は、HDMIケーブルのCECラインを介して伝送されたCECコマンドを送受信するためのインターフェースである。CECインターフェース313が受信したCECコマンドはCPU33に供給され、また、CECインターフェース313が送信するCECコマンドはCPU33から供給される。
【0033】
5V・Power検知部315は、HDMIケーブルの5V電力ラインが接続される5V電力ピンの電圧をモニタし、その立ち上がりタイミングを検知する。5V電力ピンの電圧が5Vに立ち上がったことを検知すると、5V・Power検知部315は、ソース機器との接続が確立されたことをCPU33及びHPD制御部314に通知する。HPD制御部314は、5V・Power検知部315からこの通知を受けると、HDMIケーブルのHPDラインが接続されるHPDピンの電圧をHレベルに立ち上げる。
【0034】
HDMI入力端子に接続されたソース機器のHDMIトランスミッタ(
図4においては、PC20のHDMIトランスミッタ26)は、HDMIケーブルのHPDラインに接続されるHPDピンの電圧がHレベルに立ち上がると、HDMIレシーバ31のEDID格納部316に格納されたEDIDをDDCラインを介して読み出す。
【0035】
HDMIトランスミッタ32は、リピータ機器30のHDMI出力端子(図略)に接続されたシンク機器(本実施形態ではTV40)にAVストリームを送信すると共に、シンク機器との間でCECコマンドを送受信するためのインターフェースである。
【0036】
HDMIトランスミッタ32は、TMDSトランスミッタ321、DDCインターフェース(I/F)322、CECインターフェース(I/F)323、HPD検知部324及び5V・Power制御部325を備えている。HDMIトランスミッタ32の各部はCPU33によって制御される。
【0037】
TMDSトランスミッタ321は、HDMIケーブルのTMDSラインを介してAVストリームを送信するためのインターフェースである。TMDSトランスミッタ321が送信するAVストリームは、HDMIレシーバ31のTMDSレシーバ311から供給される。
【0038】
DDCインターフェース322は、HDMIケーブルのDDCラインを介して伝送されたEDIDを受信するためのインターフェースである。DDCインターフェース322が受信したEDIDはCPU33に供給される。
【0039】
CECインターフェース323は、HDMIケーブルのCECラインを介して伝送されたCECコマンドを送受信するためのインターフェースである。CECインターフェース323が受信したCECコマンドはCPU33に供給され、また、CECインターフェース323が送信するCECコマンドはCPU33から供給される。
【0040】
5V・Power制御部325は、HDMI出力端子に接続されたシンク機器がリピータ機器30に接続されたことを検知できるよう、HDMIケーブルの5V電力ラインに接続される5V電力ピンの電圧を5Vに制御する。HPD検知部324は、HDMIケーブルのHPDラインが接続されるHPDピンの電圧をモニタし、その立ち上がりタイミングを検知する。HPDピンの電圧がHレベルに立ち上がったことを検知すると、HPD検知部324は、シンク機器との接続が確立されたことをCPU33及びDDCインターフェース322に通知する。
【0041】
上述したDDCインターフェース322は、HPD検知部324からこの通知を受けると、HDMI出力端子に接続されたシンク機器からDDCラインを介してEDIDを読み出す。
【0042】
CPU33は、リピータ機器30全体の制御を行う。ROM34には、リピータ機器30起動時の動作制御を行うファームウェア等のプログラムが格納され、リピータ機器30起動時等においてROM34内に格納されたプログラムが読み出され、RAM35に展開される等した後でCPU33により実行されることでリピータ機器30の各種制御が行われる。またCPU33は映像信号監視部33a及びCECコマンド生成部33bとしても動作する。ここに、映像信号監視部33aは、HDMIケーブルを介してHDMI入力端子に接続されたソース機器(本実施形態ではPC20)からHDMIレシーバ31(より詳細にはTMDSレシーバ311)に映像信号が入力されたかどうかを監視する機能を有する。また、CECコマンド生成部33bは、HDMI入力端子に接続されたソース機器が非CEC対応機器である場合に、映像信号入力をトリガとして適切なCECコマンドを生成し、HDMIケーブルを介してHDMI出力端子に接続されたシンク機器(本実施形態ではTV40)にCECコマンドを送出する。これら映像信号監視部33a及びCECコマンド生成部33bの動作の詳細については後述する。RAM35には、上述のようにプログラムが展開され、また、作業中の各種データが一時保管される。
【0043】
なお、
図3にはPC20のHDMIトランスミッタ26及びTV40のHDMIレシーバ51についても図示してある。HDMIトランスミッタ26の構成は、リピータ機器30のHDMIトランスミッタ32の構成と略同一であるが、PC20は非CEC対応機器であるために、CECインターフェースを備えていない。一方、TV40のHDMIレシーバ51は、リピータ機器30のHDMIレシーバ31の構成と略同一である。
【0044】
(TVの概略構成)
図4は、映像信号表示システム10を構成するTV40の概略構成を示すブロック図である。
図4において、TV40は、チューナ部41、TV信号処理部42、合成処理部43、出力処理部44、音声出力部45、表示部46、制御部47、操作入力部48、リモコンインターフェース(I/F)49、受光部50、HDMIレシーバ51を備える。
【0045】
チューナ部41は、アンテナATから受信した放送信号の中からユーザが指定したチャンネルの選局処理を行う。TV信号処理部42は、チューナ部41で選局されたTV信号を処理し、映像信号及び音声信号を合成処理部43に出力する。合成処理部43には、TV信号処理部42からの映像信号及び音声信号に対して、図示しないデータ放送処理部やブラウザ処理部からの画像信号、及びHDMIレシーバ51からの映像信号及び音声信号が入力され、合成処理部43は、TV信号処理部42からの映像・音声信号とHDMIレシーバ51からの映像・音声信号とを適宜切り換え、これらを合成処理して出力処理部44に出力する。
【0046】
出力処理部44は、合成処理部43からの映像信号を各種の設定パラメータに基づいてコントラスト、輝度、彩度などの補正処理を行って表示部46に出力すると共に、音声信号の音量調整、音質調整及び増幅を行い、スピーカなどの音声出力部45に出力する。
【0047】
制御部47は、各種演算を行うCPU47aと、各種処理プログラムが格納されているROM47bと、ワークメモリとしてのRAM47cとを備える。この制御部47は、チューナ部41のチャンネル切り換えをはじめTV信号処理部42、合成処理部43及び出力処理部44に対して制御を行う。
【0048】
また、制御部47には、操作入力部48とリモコンインターフェース49が接続されており、リモコン(リモートコントローラ)52からの操作信号を受信する受光部50がリモコンインターフェース49に接続されている。操作入力部48は、キーやボタン、タッチパネル等を備える。これらリモコン52及び操作入力部48は、ユーザによる操作に応じて操作信号を制御部47に対して出力する。
【0049】
さらに、制御部47にはHDMIレシーバ51が接続され、HDMIレシーバ51には、HDMIケーブルを介してリピータ機器30が接続される。
【0050】
(リピータ機器の動作)
次に、
図6及び
図7のシーケンス図を参照して、本実施形態のリピータ機器30の動作について説明する。
【0051】
本実施形態のリピータ機器30は、HDMI入力端子に接続されたソース機器(本実施形態ではPC20)からの5V信号を検出することで、ソース機器がHDMI入力端子に接続されたことを認識すると共に、HDMI入力端子に接続されたソース機器がCEC対応機器であるか否かを判定する。
【0052】
通常、CEC対応機器のシンク機器は、電源投入時等において、自身のHDMI入力端子に接続されたソース機器、リピータ機器をマッピングするために、<give physical address>というCECコマンドをブロードキャストで外部機器に送信する。これに対して外部機器は自身の物理アドレスを知らせるための<report
physical address>を返信する。そこで、リピータ機器30に接続されたソース機器がCEC対応機器か否かの判定に、この<give
physical address>を利用することができる。
【0053】
具体的には、
図6においてPC20の電源が投入されたら(ステップS1)、PC20はHDMIトランスミッタ26を介してHDMI出力端子の5V電力ピンの電圧を5Vに立ち上げる。(ステップS2)。リピータ機器30のHDMIレシーバ31の5V・Power検知部315は、5V電力ピンの電圧が5Vに立ち上がったことを検知すると、ソース機器との接続が確立されたことをCPU33に通知する。
【0054】
CPU33は、HDMIレシーバ31のCECインターフェース313を介して、<give physical address>というCECコマンドをブロードキャストでHDMI入力端子からソース機器(PC20)に送信し、ソース機器に対して自身の物理アドレス送信を要求する(ステップS3)。
【0055】
ソース機器がCEC対応機器であれば、リピータ機器30からの物理アドレス送信要求に対して自身の物理アドレスを知らせるための<report physical address>を返信することができるが、本実施形態においてはPC20は非CEC対応機器であるため、かかるCECコマンドを返信することはない。リピータ機器30は、ソース機器から<report
physical address>なるCECコマンドをHDMIレシーバ31のCECインターフェース313により受信したか否かを判断し、受信した場合はソース機器はCEC対応機器であり、受信しない場合はソース機器は非CEC対応機器であると判定する(ステップS4)。
【0056】
そして、リピータ機器30は、HDMI入力端子に接続されたPC20の物理アドレス及び論理アドレスを通知するCECコマンドをTV40に送信する(ステップS5)。ここで、PC20は非CEC対応機器であるため、物理アドレスはPC20から通知されない。このため、CPU33のCECコマンド生成部33bは、PC20に適切と思われる物理アドレス及び論理アドレスを割り当て、対応するCECコマンドを生成する。PC20に適切と考えられる論理アドレスの例としては、BD/DVDプレーヤに割り当てられるPlayback Device(4、8、11のいずれか)が好適である。
【0057】
なお、
図6における図示は省略するが、PC20がCEC対応機器であった場合、ステップS3におけるリピータ機器30からの物理アドレス送信要求に対して、PC20は自身の物理アドレスを知らせるための<report physical address>を返信することができる。従って、リピータ機器30は、PC20から返信された物理コマンドに基づいて、HDMI入力端子に接続されたPC20の物理アドレス及び論理アドレスを通知するCECコマンドをTV40に送信する。これは、HDMI規格に定めたとおりの動作である。
【0058】
次いで、
図7において、PC20のHDMIトランスミッタ26のTDMSトランスミッタを介してAVストリームが送出されると(ステップS10)、リピータ機器30のHDMIレシーバ31のTDMSレシーバ311がこれを受信する。CPU33の映像信号監視部33aは、TDMSレシーバ311が映像信号を受信しているか否かを監視しており、映像信号監視部33aが映像信号の受信を検出したら(ステップS11)、リピータ機器30は、TV40を遠隔起動させ、このTV40においてこの映像信号を表示させるための動作を指示した後、AVストリームをTV40に送出する(ステップS12)。
【0059】
具体的には、CPU33のCECコマンド生成部33bは、出力したAVストリームを表示する指令である<image view on>というCECコマンドを生成し、CPU33は、この生成されたCECコマンドをHDMIトランスミッタ32のCECインターフェース323を介してTV40に送出する。これにより、TV40の電源が投入され、AVストリームの入力を待機する状態となる。その後、さらにCECコマンド生成部33bが、TV40に対して送出したAVストリームへの出力切替を指示する<active
source>というCECコマンドを生成し、CPU33はこの生成されたCECコマンドをHDMIトランスミッタ32のCECインターフェース323を介してTV40に送出する。この後、HDMIトランスミッタ32からAVストリームをTV40に送出すれば、送出されたAVストリームがTV40に表示される(ステップS13)。
【0060】
以上説明したように、本実施形態のリピータ機器30によれば、非CEC対応機器であるPC20が接続された場合でも、PC20から映像信号が出力されたことをトリガとしてTV40の電源を投入させ、PC20からの映像信号をTV40に表示することができる。これにより、PC20からの映像信号をTV40に表示する際に、その都度TV40の電源投入を別途ユーザが行う必要がなくなり、非CEC対応機器であるPC20から映像信号を出力して映像信号表示装置にこの映像信号を表示する際の手間を削減できることが可能になる。
【0061】
(変形例)
なお、本発明のリピータ機器は、その細部が上述した一実施形態の構成に限定されず、種々の変形が可能である。
一例として、一実施形態のリピータ機器30では、PC20からの映像信号入力をトリガとしてTV40の電源投入を指示し、このTV40による映像信号表示を行ったが、PC20からの映像信号入力が終了したことをトリガとして、TV40の電源断を指示してもよい。
【0062】
具体的には、リピータ機器30の映像信号監視部33aが、PC20からの映像信号入力が終了した、つまり映像信号が入力されなくなったことを判定し、CECコマンド生成部33bがTV40の電源断を指示するCECコマンドを生成してこれをHDMIトランスミッタ32からTV40に送信しても良い。このようなCECコマンドとしては、<standby>なるCECコマンドが知られている。<standby>コマンドがHDMIネットワークにブロードキャストされると、このHDMIネットワーク内のCEC対応機器は全てスタンバイ状態となる。このとき、PC20は非CEC対応機器であるから、<standby>コマンドの影響を受けない。
【0063】
また、上述の一実施例では、PC20のHDMIトランスミッタ26のTDMSトランスミッタを介してAVストリームが送出されることをトリガとして、出力したAVストリームを表示する指令である<image view on>というCECコマンドを生成し、CPU33は、この生成されたCECコマンドをHDMIトランスミッタ32のCECインターフェース323を介してTV40に送出し、これによりTV40を遠隔起動させ、このTV40においてこの映像信号を表示させるための動作を指示していた。しかし、TV40を遠隔起動させ、このTV40においてこの映像信号を表示させるための動作を指示するためのトリガはこれに限定されず、PC20からAVストリーム(少なくとも映像信号)が送出されることをリピータ機器30が検出できるものであれば他の信号、動作をトリガとしてもよい。一例として、HDMI規格では、既に説明したように、5V電源供給後にソース機器(この場合はPC)はEDID格納部316に格納されたEDIDを読み取る動作を行う。従って、リピータ機器30の映像信号監視部33aは、このEDID読取動作があったことを検出し、これをもってPC20から映像信号が送出されるものと判断してもよい。すなわち、本明細書において、「映像信号が入力された」とは、映像信号入力に先行し、その準備として必須とする信号、動作を検出することも含まれる。
【0064】
また、上述した一実施形態のリピータ機器30は単一のHDMI入力端子及びHDMIレシーバ31を備えていたが、複数のHDMI入力端子及びHDMIレシーバ31を備えても良い。この場合、最後に(つまり最新の)映像信号の入力が開始されたHDMI入力端子からのAVストリームをTV40に出力すれば良い。
【0065】
さらに、一実施形態のリピータ機器30はHDMI入力端子及びHDMIレシーバ31を備えていたが、代わりに、あるいは追加でDVI入力端子を備えても良い。DVI入力端子においては、HDMI入力端子と同様に5V入力ピンを備えるので、上述の一実施例と同様に5V入力ピンへの5V電源供給をトリガとしてリピータ機器30の動作を開始させることができる。また、DVI規格では、HDMI規格と同様に、DVIケーブルによる接続後にEDIDを読み取っているので、上述した変形例で述べたように、EDID読取動作をもって映像信号送出と判断することも可能である。また、一実施形態ではTV40を映像信号表示装置としていたが、CEC対応機器であるモニタを映像信号表示装置としてもよい。