特許第6056247号(P6056247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6056247
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】溶液固化装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 2/24 20060101AFI20161226BHJP
   F26B 17/28 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
   B01J2/24
   F26B17/28 A
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-169257(P2012-169257)
(22)【出願日】2012年7月31日
(65)【公開番号】特開2014-28330(P2014-28330A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2015年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000199795
【氏名又は名称】川崎化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084261
【弁理士】
【氏名又は名称】笹井 浩毅
(74)【代理人】
【識別番号】100104237
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】越後屋 亨
【審査官】 松本 瞳
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−054027(JP,A)
【文献】 実開平05−052690(JP,U)
【文献】 特開平09−221216(JP,A)
【文献】 実開昭53−103978(JP,U)
【文献】 特開2008−215649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 2/24
F26B 1/00−25/22
B01D 1/00− 8/00
9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料液中に部分的に浸漬して周面に原料液を付着させたドラムを回転させ、該周面で原料液を固化させた後、ドラム周面にスクレーパーを押し当て、生成された固化物を剥離してフレーク状物質を製造する溶液固化装置において、
先端に保持した前記スクレーパーをドラムの周面に押し付ける進退ロッドと、該進退ロッドを進退させてスクレーパーに押し付け力を付与するスクレーパー調節機構とを備え、
前記進退ロッドに、歪み検出用の脆弱部設けられ、該脆弱部に該脆弱部の歪みを検出するための歪みゲージが装着され、該歪みゲージの出力に応じて前記スクレーパー調節機構が制御されることを特徴とする溶液固化装置。
【請求項2】
原料液中に部分的に浸漬して周面に原料液を付着させたドラムを回転させ、該周面で原料液を固化させた後、ドラム周面にスクレーパーを押し当て、生成された固化物を剥離してフレーク状物質を製造する溶液固化装置において、
先端に保持した前記スクレーパーをドラムの周面に押し付ける進退ロッドと、該進退ロッドを進退させてスクレーパーに押し付け力を付与するスクレーパー調節機構とを備え、
前記進退ロッドに、歪み検出用の脆弱部として空隙部位設けられ、該空隙部位に該空隙部位の歪みを検出するための歪みゲージ装着され、該歪みゲージの出力に応じて前記スクレーパー調節機構が制御されることを特徴とする溶液固化装置。
【請求項3】
原料液中に部分的に浸漬して周面に原料液を付着させたドラムを回転させ、該周面で原料液を固化させた後、ドラム周面にスクレーパーを押し当て、生成された固化物を剥離してフレーク状物質を製造する溶液固化装置において、
先端に保持した前記スクレーパーをドラムの周面に押し付ける進退ロッドと、該進退ロッドを進退させてスクレーパーに押し付け力を付与するスクレーパー調節機構とを備え、
前記進退ロッドに、歪み検出用の脆弱部として絞り部位設けられ、該絞り部位に該絞り部位の歪みを検出するための歪みゲージ装着され、該歪みゲージの出力に応じて前記スクレーパー調節機構が制御されることを特徴とする溶液固化装置。
【請求項4】
前記脆弱部、前記進退ロッドの一部を該進退ロッドの他の部位よりも剛性の低い材質とした部位であることを特徴とする請求項1に記載の溶液固化装置。
【請求項5】
前記歪みゲージの出力を演算して押し付け力を指示する表示装置を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の溶液固化装置。
【請求項6】
前記歪みゲージの出力信号を取り込み、前記スクレーパー調節機構を制御してスクレーパーの押し付け力を制御する制御装置を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の溶液固化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料溶液中に部分的に浸漬して周面に原料溶液を付着させたドラムを回転させ、該周面で原料溶液を固化させた後、ドラム周面にスクレーパーを押し当て、生成された固化物を剥離してフレーク状物質を製造する溶液固化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては、例えば特許文献1に示すようなものがある。
【0003】
すなわち、特許文献1には、原料液中に部分的に浸漬して周面に原料液を付着させたドラムを回転させ、該周面で原料液を固化させた後、ドラム周面にスクレーパーを押し当て、生成された固化物を剥離してフレーク状物質を製造する溶液固化装置であって、先端に保持した前記スクレーパーをドラムの周面に押し付ける進退ロッドと、該進退ロッドを進退させてスクレーパーに押し付け力を付与するスクレーパー調節機構とを備えた技術が開示されている。
【0004】
そして、スクレーパー調節機構には、スクレーパーの進退量を操作量に対して十分に小さくするスクレーパー微調整機構が備えられ、スクレーパーの進退量を検知して表示器に表示するダイヤルゲージが設けられ、さらに、微調整の必要がある場合のみ操作力を伝達するクラッチが設けられていることを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3867282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の技術では、必要なときに操作してスクレーパーの押し付け力を微調整できるようにするものではあるけれども、押し付け力が数値的に把握されておらず、過大な押し付け力の発生を防止し、数値的な調整や制御をすることが出来ないという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、スクレーパーの押し付け力を数値的に把握し、当該数値により調整や制御ができ、適切な押し付け力に調整することが可能で、過大な押し付け力の発生を防止することができるようにした溶液固化装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] 原料液(M)中に部分的に浸漬して周面(31)に原料液(M)を付着させたドラム(30)を回転させ、該周面(31)で原料液(M)を固化させた後、ドラム(30)周面(31)にスクレーパー(40)を押し当て、生成された固化物を剥離してフレーク状物質を製造する溶液固化装置(10)において、
先端(51)に保持した前記スクレーパー(40)をドラム(30)の周面(31)に押し付ける進退ロッド(50)と、該進退ロッド(50)を進退させてスクレーパー(40)に押し付け力を付与するスクレーパー調節機構(60)とを備え、
前記進退ロッド(50)に、歪み検出用の脆弱部(55)設けられ、該脆弱部(55)に該脆弱部(55)の歪みを検出するための歪みゲージ(G)が装着され、該歪みゲージ(G)の出力に応じて前記スクレーパー調節機構(60)が制御されることを特徴とする溶液固化装置(10)。
【0009】
[2] 原料液(M)中に部分的に浸漬して周面(31)に原料液(M)を付着させたドラム(30)を回転させ、該周面(31)で原料液(M)を固化させた後、ドラム(30)周面(31)にスクレーパー(40)を押し当て、生成された固化物を剥離してフレーク状物質を製造する溶液固化装置(10)において、
先端(51)に保持した前記スクレーパー(40)をドラム(30)の周面(31)に押し付ける進退ロッド(50)と、該進退ロッド(50)を進退させてスクレーパー(40)に押し付け力を付与するスクレーパー調節機構(60)とを備え、
前記進退ロッド(50)に、歪み検出用の脆弱部(55)として空隙部位設けられ、該空隙部位に該空隙部位の歪みを検出するための歪みゲージ(G)装着され、該歪みゲージ(G)の出力に応じて前記スクレーパー調節機構(60)が制御されることを特徴とする溶液固化装置(10)。
【0010】
[3] 原料液(M)中に部分的に浸漬して周面(31)に原料液(M)を付着させたドラム(30)を回転させ、該周面(31)で原料液(M)を固化させた後、ドラム(30)周面(31)にスクレーパー(40)を押し当て、生成された固化物を剥離してフレーク状物質を製造する溶液固化装置(10)において、
先端(51)に保持した前記スクレーパー(40)をドラム(30)の周面(31)に押し付ける進退ロッド(50)と、該進退ロッド(50)を進退させてスクレーパー(40)に押し付け力を付与するスクレーパー調節機構(60)とを備え、
前記進退ロッド(50)に、歪み検出用の脆弱部(55)として絞り部位設けられ、該絞り部位に該絞り部位の歪みを検出するための歪みゲージ(G)装着され、該歪みゲージ(G)の出力に応じて前記スクレーパー調節機構(60)が制御されることを特徴とする溶液固化装置(10)。
【0011】
[4] 前記脆弱部(55)、前記進退ロッド(50)の一部を該進退ロッド(50)の他の部位よりも剛性の低い材質とした部位であることを特徴とする項[1]に記載の溶液固化装置(10)。
【0013】
] 前記歪みゲージ(G)の出力を演算して押し付け力を指示する表示装置(70)を設けたことを特徴とする項[から]のいずれか一項に記載の溶液固化装置(10)。
【0014】
] 前記歪みゲージ(G)の出力信号を取り込み、前記スクレーパー調節機構(60)を制御してスクレーパー(40)の押し付け力を制御する制御装置(80)を設けたことを特徴とする項[から]のいずれか一項に記載の溶液固化装置(10)。
【0015】
前記本発明は、次のように作用する。
溶液固化装置(10)において、容器(20)に原料液(M)が貯留され、ドラム(30)は原料液(M)中に部分的に浸漬して回転駆動される。ドラム(30)の周面(31)に付着した原料液(M)はドラム(30)の回転に従い、空中に移動する。
【0016】
移動するに従い周面(31)で原料液(M)が固化される。原料液(M)の性状に従い、常温・加温・冷却により固化される。固化された後、ドラム(30)の周面(31)に押し当てられたスクレーパー(40)の掻き板(42)により、生成された固化物が剥離されてフレーク状物質が製造される。
【0017】
スクレーパー(40)は、進退ロッド(50)の先端(51)に押されてドラム(30)の周面(31)に押し付けられる。押し付け力は、スクレーパー調節機構(60)により進退ロッド(50)を進退させることにより調節される。
【0018】
進退ロッド(50)の一部に設けられた歪み検出用の脆弱部(55)は、他の部位より大きなひずみが生ずる。歪み検出用の脆弱部(55)としては空隙部位として透孔(55a)が穿設され、透孔(55a)の内面に装着された歪みゲージ(G)により脆弱部(55)の歪みが検出される。歪みゲージ(G)は1,2又は4枚装着され、ブリッジ回路によりデータに変換されるのが一般的である。
歪み検出用の脆弱部(55)としては、進退ロッド(50)に、絞り部位として形成する場合があり、この絞り部位に装着された歪みゲージ(G)により歪みが検出される。
絞り部位は、進退ロッド(50)の一部の断面を小さくして形成されるものであり、一部を削ったり、細くしたりすることにより形成される。
【0019】
歪みゲージ(G)の出力は演算され、表示装置(70)に押し付け力が指示される。さらに、歪みゲージ(G)の出力信号は制御装置(80)に取り込まれ、制御装置(80)によりスクレーパー調節機構(60)を制御してスクレーパー(40)の押し付け力が制御される。
これにより、押し付け力を示す数値により調整や制御がされ、適切な押し付け力に調整され、過大な押し付け力の発生が防止される。
【0020】
脆弱部(55)として、進退ロッド(50)の一部を剛性の低い材質とし、該脆弱部(55)に歪みゲージ(G)を装着する場合があり、脆弱部(55)は他の部位より剛性が低く、歪みが他の部位より大きくなるので、脆弱部(55)に装着された歪みゲージ(G)によりスクレーパー(40)の押し付け力を把握することが出来る。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る溶液固化装置によれば、スクレーパーのドラムへの押し付け力を数値的に把握し、当該数値により調整や制御ができ、適切な押し付け力に調整することが可能となる。また、過大な押し付け力の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施の形態に係る溶液固化装置の一部を断面で示した要部側面図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る溶液固化装置の進退ロッドの平面図である。
図3】本発明の一実施の形態に係る溶液固化装置の歪みゲージの装着状態を示す説明図である。
図4】本発明の一実施の形態に係る溶液固化装置の一部を断面で示した全体側面図である。
図5】本発明の一実施の形態に係るドラムの一部を破断して示した溶液固化装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施の形態を説明する。
各図は本発明の一実施の形態を示している。
【0025】
図1図4図5に示すように、溶液固化装置10は、容器20に貯留された原料液Mに下部の一部が浸漬するようドラム30が回転可能に支持され、ドラム30の周面31に押し付けるようスクレーパー40を先端51に保持する進退ロッド50が設けられ、進退ロッド50を進退させてスクレーパー40に押し付け力を付与するスクレーパー調節機構60を備えて成る。
【0026】
溶液固化装置10は、原料液M中に部分的に浸漬して周面31に原料液Mを付着させたドラム30を回転させ、該周面31で原料液Mを固化させた後、ドラム30の周面31にスクレーパー40の掻き板42を押し当て、生成された固化物を剥離してフレーク状物質を製造するものである。原料液Mとしては、目的物を溶解した溶液やスラリーの他、目的物を溶融した溶融液を用いることができる。
【0027】
容器20は支持ベース11に支持され、容器20の上方には、ドラム30を覆うカバー21が設けられ、カバー21の側部にはドラム30の外周から掻き取られたフレーク状物質を案内するダクト25が設けられている。
【0028】
図4図5で解るように、ドラム30は、枢軸32を中心に回転するよう支持ベース11に支持され、ドラム30の枢軸32の受動ギヤー33と駆動軸34との間にローラーチェーン34aが掛け渡されている。
【0029】
ドラム30の内側には内装ドラム35が設けられ、内装ドラム35の内部には加熱媒体あるいは冷却媒体を内部に噴射するノズル36と供給管37が配設されている。供給管37はドラム30とともに回動しないよう、枢軸32の中心を通して配設されている。原料液Mが、目的物を溶解した溶液やスラリーの場合、加熱媒体を用いて乾燥固化することにより固化物を得ることができ、溶融液の場合は、冷却媒体を用いて冷却固化することにより固化物を得ることができる。
【0030】
スクレーパー40は、ドラム30の周面31に接するように掻き板42を保持する機能を有していれば良く、例えば、支持ベース11に枢支された揺動アーム41の先に掻き板42を設けて成る。スクレーパー40の連結体43の連結軸44に進退ロッド50の先端51が連結されている。進退ロッド50の基端52はスクレーパー調節機構60の調節軸61に連結されている。
【0031】
スクレーパー40の揺動アーム41、掻き板42の対は、本実施の形態では、図5で解るように、ドラム30の幅全部を掻き取るよう5組設けられている。進退ロッド50も5組設けられている。
【0032】
進退ロッド50には、歪み検出用の脆弱部55が形成され、図2で明瞭に解るように、脆弱部55は、進退ロッド50の主部に穿設された空隙部位たる透孔55aである。
【0033】
図3で解るように、空隙部位である透孔55aには、歪みゲージGが装着されている。歪みゲージGは、例えば一対が対称的に貼付され、検出回路はブリッジ回路として、その平衡度で検出するものなどが周知である。
【0034】
スクレーパー調節機構60は、支持ベース11と一体的な支持脚12に支持されており、調節軸61の基端部が調節筒62に螺合され、調節軸61、調節筒62はベアリングにより回転可能に支持脚12に保持されて成り、調節筒62を回動させる粗調節ハンドル63が設けられている。また、調節筒62を緩衝するコイルばね64が設けられている。
【0035】
スクレーパー調節機構60の脇には、微調整機構65が設けられており、微調整機構65は歯車減速機構66と微調整ハンドル67が設けられ、歯車減速機構66の歯車を噛合接続・解除するクラッチ68が設けられている。
【0036】
クラッチ68は、溶液固化装置10が動作しているときは、スクレーパー調節機構60が働かないようにして、誤った調節操作が出来ないようにするものであるが、逆に常時クラッチ68を接続させてスクレーパー40を監視し、掻き板42の押し当て状態の異常を検知するようにしてもよい。
【0037】
歪みゲージGの出力を演算して押し付け力を指示する表示装置70がスクレーパー調節機構60に装着して設けられている。さらに、歪みゲージGの出力信号を取り込み、スクレーパー調節機構60を制御してスクレーパー40の押し付け力を制御する制御装置80が設けられており、制御装置80は、歪みゲージGの出力信号に応じて歯車減速機構66の歯車を微小量ずつ回転させるものであるが、パルスモータ等の微小回転手段により粗調節ハンドル63に直接作用するものでもよい。
【0038】
次に作用を説明する。
溶液固化装置10において、容器20に原料液Mが貯留され、ドラム30は原料液M中に部分的に浸漬して回転駆動される。ドラム30の周面31に付着した原料液Mはドラム30の回転に従い、空中に移動する。
【0039】
移動するに従い周面31で原料液Mが固化される。原料液Mの性状に従い、常温・加温・冷却により固化される。固化された後、ドラム30の周面31に押し当てられたスクレーパー40の掻き板42により、生成された固化物が剥離されてフレーク状物質が製造される。フレーク状物質はダクト25から収納容器に収納される。
【0040】
スクレーパー40は、進退ロッド50の先端51に押されて揺動アーム41が微小角度揺動し、掻き板42がドラム30の周面31に押し付けられる。押し付け力は、スクレーパー調節機構60により進退ロッド50を進退させることにより調節される。
【0041】
進退ロッド50の一部に設けられた歪み検出用の脆弱部55である透孔55aには、他の部位より大きなひずみが生ずる。透孔55aの内面に装着された歪みゲージGにより脆弱部55の歪みが検出される。
歪みゲージGは1,2又は4枚装着され、ブリッジ回路によりデータに変換される。歪みゲージGの出力は演算され、表示装置70に押し付け力が指示される。
【0042】
手動で調整をする場合は、先ず粗調節ハンドル63を回動する。すると、調節筒62が回転するので、螺合している調節軸61が前進する。表示装置70の表示値をみながら付加が過大とならない安全な範囲で掻き板42がドラム30の周面31に押し当るよう調節する。
【0043】
微妙な調節は微調整機構65によりなされる。微調整ハンドル67を回動すると、歯車減速機構66により減速された回動変位が調節筒62に伝達され、調節筒62が微小角度変位するので、より微妙な調節がなされる。
【0044】
なお、歪みゲージGの出力信号は制御装置80に取り込まれ、制御装置80によりスクレーパー調節機構60を制御してスクレーパー40の押し付け力を制御することができる。
これにより、押し付け力を示す数値により調整や制御がされ、適切な押し付け力に調整され、過大な押し付け力の発生が防止される。
【0045】
進退ロッド50に、歪み検出用の脆弱部55として絞り部位を形成し、該絞り部位に歪みゲージGを装着する構成がある。この絞り部位に装着された歪みゲージGにより歪みが検出される。
絞り部位は、進退ロッド50の一部の断面を小さくして形成されるものであり、一部を削ったり、細くしたりすることにより形成される。
【0046】
脆弱部55として、進退ロッド50の一部を剛性の低い材質とし、該脆弱部55に歪みゲージGを装着する場合があり、脆弱部55は他の部位より剛性が低く、歪みが他の部位より大きくなるので、脆弱部55に装着された歪みゲージGによりスクレーパー40の押し付け力を把握することが出来る。
【0047】
また、スクレーパー40、進退ロッド50及びスクレーパー調節機構60間の操作力伝達系の一部に副ロッドを介在させることが考えられる、副ロッドの剛性を低くして歪みゲージGを装着すれば、スクレーパー40の押し付け力を把握することが出来る。
なお、進退ロッド50は、長軸方向に対し直交する断面が、中空な角柱や円柱、或いは中実な角柱、円柱、H型等の構造等が挙げられる。
【0048】
また、脆弱部55の加工を施す部位としては、進退ロッド50の長軸方向に対し任意の位置でよいが、例えば、長さ630mmの進退ロッド50のスクレーパー40を取り付ける先端51から200〜300mmの位置に設ける。
【0049】
一部を剛性の低い材質とする方法としては、主ロッドの材質、例えばSUS304に対し、その一部を合成樹脂製(ポリアセタールやポリイミド等)等とすることができ、進退ロッド50の一部分の形状を変更する構成としては、円柱状の主ロッドに対しその一部を角柱状にしたり、パイプ等の中空円筒形状にすることができる。
【0050】
また、進退ロッド50の一部分の断面積を狭める構成としては、進退ロッド50の一部分を切削等により断面積を狭める他、進退ロッド50の長軸方向に対し略直交する方向に貫通孔又は非貫通孔を設ける構成が挙げられる。進退ロッド50の一部を貫通する透孔を設ける構成は、既存の進退ロッド50を加工することでそのまま使用することができるので便宜である。
【0051】
また、進退ロッド50の構造材としての強度を維持しつつ、進退ロッド50に生じる歪みを精度よく検出するよう、進退ロッド50に施す加工技術としては進退ロッド50の長軸方向に対し垂直な断面に対称性を持たせることが好ましく、その断面積を狭める構成においては、構造材部分の断面積が最も小さくなる加工部位において、加工前の断面積に対し40〜45%の範囲が適している。
【0052】
例えば、長さ630mm、断面の軸径45mmの中実の円柱型の主ロッドに対し、長軸方向に直交する方向に直径20〜22mmの貫通透孔を設ける構成が例示される。
【0053】
歪みゲージGの取り付け部位は、進退ロッド50に設けた脆弱部55であるが、中空の進退ロッド50の場合はその脆弱部55の外周面に取り付け、中実の進退ロッド50の場合はその脆弱部55の外周面あるいは貫通透孔等の内周面に取り付ける。
【0054】
また、取り付ける歪みゲージGとしては1枚、2枚又は4枚を用い、それぞれ1ゲージ法、2ゲージ法、4ゲージ法でブリッジ回路を構成する。歪みゲージGを4枚用いる4ゲージ法が歪みの検出感度がよく、温度補償にも有効である。
【0055】
歪みゲージGは、進退ロッド50に穿ったφ22mmの貫通穴の内面に歪みゲージG2枚を1枚のシートにまとめたもの2枚を対にして4ゲージ法で、対称に接着剤により貼着し、その表面は保護を目的としてシリコン系のコーティングを施すのがよい。
【0056】
また、歪みゲージGを、製品雰囲気や周囲温度に曝されることによる劣化から守る為に貫通透孔両端は溶接あるいは接着してステンレス箔で塞ぎ、さらには歪みゲージGから外へ延びるケーブル保護の為に、貫通透孔を中心として前後約100mm程度の範囲を熱収縮チューブで、それ以外はケーブルをテフロン(登録商標)系のスパイラルチューブで保護をおこなうとよい。
【0057】
本発明の溶液固化装置10は、例えば、無水フタル酸の溶融液からフレーク状の無水フタル酸を製造する装置として好適である。無水フタル酸の溶融液からフレーク状の無水フタル酸を製造する際に、本発明の溶液固化装置10を用いれば、ドラム30の周面31に付着した無水フタル酸の固化物をフレークとして掻き取る際の、スクレーパー40の押し付け力を容易に調整することができ、フレーク状の無水フタル酸を効率よく製造することができる。
【符号の説明】
【0058】
G…歪みゲージ
M…原料液
10…溶液固化装置
11…支持ベース
12…支持脚
20…容器
21…カバー
25…ダクト
30…ドラム
31…周面
40…スクレーパー
41…揺動アーム
42…掻き板
43…連結体
44…連結軸
50…進退ロッド
51…先端
52…基端
55…脆弱部
55a…透孔
60…スクレーパー調節機構
61…調節軸
62…調節筒
63…粗調節ハンドル
64…コイルばね
65…微調整機構
66…歯車減速機構
67…微調整ハンドル
68…クラッチ
70…表示装置
80…制御装置
図1
図2
図3
図4
図5