(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モード判定手段により前記ページをめくる表示制御を行うモードであると判定された場合であって、ユーザのタッチ操作により前記ページめくる表示制御を停止した場合、前記傾き検知手段により傾きが検知された場合に前記ページをめくる表示制御を行わないモードに切り替えるモード切替手段
を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
図1は、本実施形態におけるシステム構成図である。
【0022】
情報処理端末101は、タッチパネルと加速度センサを搭載しており、一般的なスマートフォン/タブレットPC(例えばiPhoneやiPad、Android端末など)と同等のデバイスである。
【0023】
情報処理端末101はネットワーク103を介して、サーバ102と通信可能に接続されている。サーバ102には、情報処理端末101にダウンロードする電子書籍が格納されている。電子書籍は、右綴じ左綴じ(或いは右開き左開き)の情報と表示面ごとにページの値を記憶する電子文書であり、ページの指定に応じて、対応するページの画像等の文書或いはコンテンツデータが表示可能な構成となっている。
【0024】
なお、
図1では、ネットワークを介したシステムとしたが、本発明は、情報処理端末単体で構成されていてもよい。
【0025】
以下、
図2を用いて、
図1に示した情報処理端末101のハードウェア構成について説明する。
【0026】
図2において、201はユーザからのタッチ入力を受け付けるための入力部であり、202は情報処理端末の傾き検知のための入力部である。
【0027】
タッチセンサ201,加速度センサ202は制御部204に接続されており、制御部204で処理が実行される。処理結果の表示は、制御部204に接続されたLED部206が発光し、メイン表示部203でディスプレイに表示される。ROM205aには、CPU205cの制御プログラムであるBIOSやオペレーティングシステム(以下、OS)、本発明を実現するための後述する各種プログラムや電子書籍データなどが記憶されている。
【0028】
なお、本実施形態では、電子書籍は便宜上ROM205aに記憶するように説明したが、情報処理端末101に備えるSDカード等の記憶媒体やハードディスク等の記憶部に記憶している構成とすることも可能である。加速度センサ202は水準器でもあり、情報処理端末101の傾きの方向を特定することができる。
【0029】
205bはRAMで、CPU205cの主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU205cは、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM205aからRAM205bにロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0030】
なお、本発明を実現するための後述する各種プログラムは、ROM205aに記録されており、必要に応じてRAM205bにロードされることにより、CPU205cによって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる各種設定情報、電子書籍データも、ROM205aに格納されており、これらについては後述する。
【0031】
また、通信部207を備えており、制御部204の制御に応じて、ネットワークと通信を行う。通信は無線LAN通信や3G(W−CDMA)通信などである。この通信部207を介して、外部(例えばサーバ102)から電子書籍などのデータを受信して、情報処理端末101に格納する。
【0032】
次に、
図3を用いて、本実施形態に適応可能な情報処理装置としての情報処理端末101の機能ブロック図について説明する。尚、各機能ブロックが処理する詳細な制御については、後述するフローチャートにて説明する。
【0033】
ページめくり制御部301は、入力情報として、タッチセンサ201からユーザのタッチイベントを、加速度センサ202から情報処理端末101の傾き情報を受け取る。また、ページめくり制御部301は、ROM205aに格納されている電子書籍データとページめくりの制御に必要な設定情報(
図7)を読み込む。
【0034】
ページめくり制御部301は、ユーザのページめくり操作の負荷を軽減するために、一度に複数ページのページめくりを可能とする。複数ページのページめくりをするために、本発明では加速度センサ202から取得した傾き情報を使用する。
【0035】
情報処理端末101を傾けた状態にすると、加速度センサ202から取得した傾き情報から、ページ計算部302でめくるページ量を計算する。ページめくり制御部301は、この算出されたページ量に従ってページをめくる制御を行う。なお、情報処理端末101の傾斜角が大きくなるにつれて、一度に多くのページをめくる。
【0036】
これにより、このように傾きを利用した操作方法を提供することで、実際に本を開いた状態で傾けたときにパラパラとページがめくられるような直感的な操作が実現できる。
【0037】
また、実際の本では、パラパラとページをめくっている状態で、ページを指で押さえるとページめくりがストップする。この操作を実現するために、ページめくり制御部301は、傾きを検知した際に自動でページめくりするモードと、1枚ずつ手動でページめくりする2つのモードを持ち、自動めくりモード中に、タッチセンサ201からタッチイベントを検知すると、自動モードをオフに切り替える制御を行う。また、ユーザが現在のモードを確認できるようにするために、メイン表示部203に現在のモードを表示する。
【0038】
ページ計算部302は、ページめくり制御部301が取得した情報処理端末101の傾き情報から傾斜角と傾きの方向を計算する。傾きの方向には、左方向と右方向の2種類がある。ユーザが情報処理端末101を傾けたとき、右側が持ち上げられた状態を左方向(右ページから左ページへ)、左側が持ち上げられた状態を右方向(左ページから右ページへ)、と判断する。ページ計算部302は、傾斜角を算出したら設定情報(
図7)を参照して、傾斜角に応じてめくるページ数を取得する。
【0039】
ページめくり部303は、ページ計算部302で計算した傾きの方向とページ数を受け取り、所定のページをめくる処理をする。ページめくり処理では、傾きの方向と設定情報(
図7)で設定された綴じ方向から、現在表示しているページに対して、次にめくるページが前ページなのか次ページなのかを判断する。
【0040】
小口制御部304は、小口を表示や小口のタッチの判定を行う制御部である。
【0041】
以下、本実施形態における電子書籍表示装置におけるページめくりの制御の全体の流れを説明する。
【0042】
情報処理端末101が加速度センサ202から傾きを検知すると、傾き情報をページめくり制御部301に送信する。ページめくり制御部301のモードを調べ、自動めくりモードがオンになっているならば、ページ計算部302でページ数と傾きの方向を計算し、ページめくり部303で所定のページへ移動し、メイン表示部203にページを表示する。
【0043】
次に、タッチセンサ201がタッチを検知し、タッチイベントをページめくり制御部301に送信すると、自動ページめくりモードがオン(
図8の801のアイコンが表示されている状態)であったならば、ページめくりを止めるためにモードをオフに切り替える。また、ユーザにモードが切り替わったことを知らせるために、メイン表示部203に、自動モードがオフであることを表すアイコン(
図8の802)を表示する。
【0044】
自動モードがオフの場合は、フリックでページめくりする制御に切り替わり、情報処理端末101を傾けてもページはめくられない。オフモードを解除するには、オフモードを表すアイコン(
図8の802)をタップすることで解除される。
【0045】
以下、
図4のフローチャートを参照して、ページめくり制御部の処理の詳細について説明する。なお、
図4〜
図6の各ステップは、情報処理端末101のCPU205cが処理を実行する。
【0046】
ステップS401では、ROM205aに格納された電子書籍データを読み込み、メイン表示部203に1ページ目の内容を表示する。ステップS402は処理の終了条件を表しており、これ以降はループ処理になる。ステップS402で電子書籍データの表示の終了が指示された場合には処理を終了となる。電子書籍データの表示の終了が指示されていない場合に、ステップS403へ処理を移す。
【0047】
ステップS403では、情報処理端末101の傾きの状態を知るために、加速度センサ202より傾き情報を取得する。ステップS404では、取得した傾き情報から情報処理端末101が水平か否かを判断する。傾きが検知されない(または傾きが非常に小さい)場合は水平と判断し、ステップS411に処理を移し、フリックによるページめくりの制御になる。傾きが検知された場合には、水平でないと判定し、ステップS405へ処理を移し、傾きによるページめくりの制御になる。なお、傾きが検知された場合でも所定の傾き以下(傾きが小さい)の場合には水平と判定し、ステップS411へ処理を移すものとする。
【0048】
情報処理端末101が傾いた状態であっても、ユーザがフリックでページめくりを制御したいことも考えられるため、ステップS405では、自動ページめくりモードがオンになっているかどうか判定する。自動モードがオンであると判定された場合は、ステップS406に進む。自動モードがオフであると判定された場合は、ステップS411の処理に移し、フリックによるページめくりの制御になる。また、モードの判定後、ユーザに現在のモードを知らせるために、自動めくりモードONの場合には
図8の801のアイコンを、自動めくりモードOFFの場合には
図8の802のアイコンを表示する。
【0049】
ステップS406では、傾きでページめくりを制御するために、加速度センサ202の傾き情報から、ページめくりのページ数と傾きの方向を計算する(詳細は、
図5のページ計算部の処理で説明する。)。
【0050】
ステップS407では、ステップS406で計算されたページ数と傾き方向から、電子書籍データのページめくりを行う処理をする(詳細は、
図6のページめくり部の処理で説明する)。なお、情報処理端末101が傾いている間は、電子書籍データのページめくり処理を行う。また、情報処理端末101の傾きはステップS403で所定のタイミング(定期的)で取得し、傾きが変わった場合には、めくられるページ数も変化する。
【0051】
ステップS408では、ページめくり中にタッチセンサ201よりタッチを検知したかどうかを判定する。タッチを検知したら、ステップS409でページめくりをストップする。タッチは電子書籍を表示している領域でタッチを検知することでストップするように構成するが、これに限定されるものではない。
【0052】
そして、ステップS410で、現在のページめくりの自動モードを、オンからオフにする。モードをオフにした際は、ユーザにモードの変化を知らせるために、自動モードオフを表すアイコン(
図8の802)を表示する。なお、ステップS408でタッチイベントが検知されない場合には、他のイベントが発生するまで待機状態となる。この場合、他のイベントが発生しない場合には、繰り返しページめくりが行われることになる。
【0053】
次に、ステップS404で傾きが検知されなかった場合、またはステップS405で自動モードがオフになった場合の制御について説明する。ステップS404で傾きが検知されなかった場合、またはステップS405で自動モードがオフと判断された場合、ステップS411に進む。
【0054】
ステップS411では、タッチセンサ201よりフリック入力を検知したかどうかを判定し、フリック入力が検知されたら、ステップS412で1枚ページ分の電子書籍データをめくり、次のページのデータを表示させる。なお、自動モードがオフの場合の例が
図9の902で、アイコン802が表示される。
【0055】
ステップS413では、現在のモードがオフかどうかを判定する。ユーザがオフモードを維持したい場合は、現在のモードがオフのままであるため、再びループの開始に戻り、引き続きフリックによる1ページごとのページめくり制御を行う。
【0056】
また、ステップS414で、ユーザの操作に応じて、
図8の802のアイコンが押下され、オフモードが解除されたか否かを判定する。オフモードが解除された場合に、ステップS415へ処理を移す。オフモードを示す
図8の802のアイコンをタップすることでオフモードが解除される。ステップS415では、解除されると
図8の801のアイコンを表示させ、自動めくりのモードをオンにする。
【0057】
以下、
図5のフローチャートを参照して、ステップS406の処理及びページ計算部の処理の詳細について説明する。
【0058】
実際の本では右側を持ち上げた場合、右ページから左ページへ、ページがパラパラとめくられる。この動作を電子書籍で実現するために、ステップS501では、情報処理端末101の傾きが右上がりか否かを判定する。具体的には、情報処理端末101の入力部202の加速度センサから傾きの方向を取得して判定する。なお、傾き方向の取得は、ステップS403で取得してもよい。
【0059】
右上がりと判定された場合にはステップS502へ処理を移し、左上がりと判定された場合には、ステップS503へ処理を移す。
【0060】
ステップS502では、右上がりと判定されたため、右ページから左ページにめくれることを示すため、左方向として、RAM205bに記憶する。
【0061】
ステップS503では、左上がりと判定されたため、左ページから右ページにめくれることを示すため、右方向として、RAM205bに記憶する。
【0062】
ステップS504で、
図7の設定情報を読み込んで、RAM205bに記憶する。なお、設定情報(
図7)には、傾斜角の閾値と、それに対応するページめくりのページ数が定義されている。
【0063】
傾斜角が一定値以上になった際に、指定したページ数をめくる処理を実現するために、ステップS505で、設定情報(
図7)に定義された傾斜角の閾値(701)と、加速度センサ202より取得した傾斜角を比較する。
【0064】
ステップS506では、加速度センサ202より取得した傾斜角が、設定された閾値(701)の範囲内にあるかどうかを判定する。
【0065】
設定された閾値の範囲に傾斜角がある場合には、ステップS507で、傾斜角から特定される閾値に対応するページ数を取得し、そのページ数をRAM205bに記憶する。設定された閾値の範囲に傾斜角がない場合には、ページをめくらないようにするために、ページ数を0としてRAM205bに記憶する。
【0066】
以下、
図6のフローチャートを参照して、ステップS407の処理及びページめくり部303の処理の詳細について説明する。
【0067】
ステップS601では、ページめくり部303が、現在表示中のページから所定のページをめくる処理をするため、現在表示中のページの値をRAM205bに記憶しておく。
【0068】
次に、前記ステップS503またはステップS504で記憶した傾きの方向から、前ページと次ページのどちらをめくればいいのかを判断するための処理を行う。
【0069】
具体的には、実際の本同様に、電子書籍にも右綴じと左綴じの二種類があり、本の綴じ方によって、本を傾けた方向で次ページがめくれるのか、それとも前ページがめくれるのかが変わる。そのため、ステップS602では、設定情報(
図7)より電子書籍の綴じ方向を取得する。そして、ステップS603では、傾きの方向を取得し、取得した傾きの方向と綴じ方向から、前ページ、または次ページのどちらをめくればいいか判定する。なお、
図7の設定情報の綴じ方向702は表示する電子書籍を決定した際に、当該電子書籍が保有している綴じ方向が記憶される。また、電子書籍は、最初のページから表示されるため、次に表示したページの方向から綴じ方向を決定して、記憶するようにしてもよい。
【0070】
傾きの方向が右方向かつ綴じ方向が右である場合、または傾きの方向が左方向かつ綴じ方向が左である場合、次ページを表示するために、ステップS604に進む。
【0071】
ステップS604では、現在のページから前記ステップS507で記憶したページ数分、次ページに進むように処理する。具体的には、現在表示しているページ数(値)に所定のページ数分加算してページの表示データを表示する。なお、現在表示しているページ数(値)に1ページ加算したページ数を開く命令を、ページ数分繰り返すことによって、ステップS507で記憶したページ数分のページ移動を行う。これによりパラパラめくるように表示することも可能である。情報処理端末101を右に傾けて(左上がり)電子書籍を表示した場合の例が
図9の901である。
【0072】
なお、ページ数分のページ移動(ページめくり)は、1度ページめくりをした場合には、予め設定されている所定の時間(例えば、0.5秒)待ってから次のページ移動(ページめくり)を行うようにする。つまり、傾きに従って、単位時間当たりの複数ページのまとめページめくりができる。
【0073】
図9の901は、自動めくりモードがONのアイコン801とページめくりの進行方向が左から右であることを示す右方向のアイコン804が表示されている。このアイコン804には、ステップS507で記憶したページ数分の値が表示される。また、情報処理端末101を左に傾けて(右上がり)電子書籍を表示した場合は、アイコン803とステップS507で記憶したページ数とが表示される(
図9で不図示)。これにより、傾きによってまとめてページがめくられる量が表示され、視認性が向上する。
【0074】
なお、現在表示されているページ数にステップS507で記憶したページ数を加算して、加算したページ数のページを、現在表示されているページの後に表示するようにしてもよい。その際には、複数のページがまとめてめくれたように表示する。
【0075】
また、ステップS507で記憶したページ数分のページ移動を行った場合には、所定時間待機し、所定時間経ったら、ページ数分のページ移動を行うように構成する。これにより、ユーザに内容を確認させる機会を与えることができ、操作性及び視認性が向上する。
【0076】
ステップS605では、所定のページ(ステップS604で加算したページ数)が最後のページより後かどうかを判定し、最後のページより後と判断された場合は、ステップS606で最後のページを表示する。
【0077】
傾きの方向が右方向かつ綴じ方向が左である場合、または傾きの方向が右方向かつ綴じ方向が左である場合、前ページを表示するために、ステップS607に進む。
【0078】
ステップS607では、現在のページから前記ステップS507で記憶したページ数分、前ページに戻るように処理する。具体的には、現在表示しているページ数(値)に1ページ減算したページ数を開く命令を、ページ数分繰り返すことによって、ステップS507で記憶したページ数分のページ移動を行う。これによりパラパラめくるように表示される。
【0079】
なお、現在表示されているページ数にステップS507で記憶したページ数を減算して、減算したページ数のページを、現在表示されているページの後に表示するようにしてもよい。その際には、複数のページがまとめてめくれたように表示する。
【0080】
また、ステップS507で記憶したページ数分のページ移動を行った場合には、所定時間待機し、所定時間経ったら、ページ数分のページ移動を行うように構成する。これにより、ユーザに内容を確認させる機会を与えることができ、操作性及び視認性が向上する。
【0081】
ステップS608では、所定のページ(ステップS607で減算したページ数)が1ページ目(最初のページ)より前かどうかを判定し、1ページ目より前と判断された場合は、ステップS609で1ページ目を表示する。
【0082】
図7に示すように、設定情報は「ページ数設定」と「綴じ方向」の2項目の情報を管理する。
【0083】
「ページ数設定」には、傾斜角701の閾値と、それに対応したページめくりのページ数(まとめてめくるページ数)が設定される。ページ数設定に設定できる項目数は可変個であり、傾斜角の閾値に指定できる最大値は90とする。また、閾値とページ数は正の相関関係を持つように定義してある。
【0084】
「綴じ方向」は、綴じ方向702として右綴じと左綴じのどちらかが設定される。表示する電子書籍に従って、設定される。
【0085】
次に、
図11〜
図12を参照して、小口表示をした際のページめくり制御部の処理の詳細について説明する。なお、
図11〜
図12の各ステップは、情報処理端末101のCPU205cが処理を実行する。なお、
図4と同様の処理については、同様のステップ番号を付与し、説明を省略する。
図11は、小口表示モードがONの時の処理を示すフローチャートである。
【0086】
小口表示するか否かは、不図示の小口表示モードのON/OFFをユーザが設定することによって切り替えられるように構成されている。
図11のフローチャートは、小口表示モードがONの時の処理を示すフローチャートである。すなわち、上述の
図4のフローチャートは、小口表示モードがOFFの時の処理を示すフローチャートである。
【0087】
ステップS416では、CPU205cが、情報処理端末101の傾き情報を、加速度センサ202より検知すると、ステップS401で表示した電子書籍データに小口表示をする。具体的には、情報処理端末101の左側を持ち上げるように傾けた場合には、電子書籍データの左側に小口を表示する。また、情報処理端末101の右側を持ち上げるように傾けた場合には、電子書籍データの右側に小口を表示する。
【0088】
なお、左側に小口を表示した例を、
図13に示す。小口とは、本で意味するところの、本の中身が背に接する部分の反対の辺にあたる部分等であり、ページがめくられる部分である。本実施形態では、この小口を電子書籍データの右又は左側に仮想的に表示している。
【0089】
また、情報処理端末101の傾きに応じて小口表示の大きさが変わるように構成する。例えば、
図7の701を参照し、傾斜角が30度以上45度未満であれば小幅の小口を表示し、45度以上60度未満であれば中幅の小口を表示し、60度以上であれば大幅の小口を表示する。
【0090】
ステップS417では、ステップS408でタッチイベントを検知した場合に、CPU205cが、小口表示部分がユーザによってタッチされたかを判定する。小口がタッチされたか否かは、情報処理端末101のOS(オペレーティングシステム)から取得したタッチイベントによって得られる位置情報(XY座標)によって、小口表示している位置にタッチされているか否かを判定する。
【0091】
ステップS417で、小口部分がタッチされたと判定した場合には、ステップS418に処理を移し、小口部分がタッチされておらず、ページ表示部分がタッチされた場合には、ステップS409へ処理を移す。
【0092】
ステップS418では、タッチされた小口の位置に従って、ページめくりを中止する処理である。ステップS418の処理については、
図12を用いて説明する。
【0093】
図12は、小口表示をタッチした場合のページめくりの止める処理を示すフローチャートである。
【0094】
ステップS1201では、小口表示部分上でタッチされた位置から、該当するページを特定する。具体的には、
図13を参照して説明する。小口上のタッチされた位置(1301)を中心に、小口の右端までの長さと、左端までの長さの比を求める。その左右の比に基づいて、残りのページ数の割合を求めて、どのページがタッチされているのか算出する。
【0095】
全体のページ数が100ページで、現在表示しているページが20ページである場合、小口上のタッチ位置が、左右比50:50であった場合には、残りのページ数が80ページから半分の40ページが決定され、全体の60ページ部分がタッチされていると決定する。
なお、上述の決定方法でなく、小口上のタッチ位置が、左右比50:50であった場合には、全体の100ページの半分である50ページが決定されるような構成であってもよい。
【0096】
ステップS1202では、ステップS407でめくられたページが、ステップS1201で決定した小口上で押さえたページを超えた、ページめくりがされたかどうか判定する。小口上で押さえたページを超えて、ページめくりがされている場合は、ステップS1203で、小口上で押さえたページ(上述の50ページ又は60ページ)の表示データ(電子書籍データ)を表示する。また、小口上で押さえたページを超えたページめくりがされない場合には、処理を戻し、S407で傾きに応じたページ数分めくり処理を行う。
【0097】
すなわち小口がタッチされ、所定のページ数分ページめくりがされる際に、タッチした小口のタッチ位置によるページを超える場合には、所定のページ数分ページめくりを行わず、小口のタッチ位置によるページを優先して表示する。また、所定のページ数分ページめくりがされる際に、タッチした小口のタッチ位置によるページを超えない場合には、所定のページ数分ページめくりを優先して、ページを表示する。また、タッチした小口のタッチ位置によるページを超えない場合には、所定のページ数分ページめくりを繰り返す。
【0098】
ステップ1203で、小口のタッチ位置によるページを表示した場合に、小口へのタッチを解除する(小口の表示部から指等を離す)と、この小口のタッチ位置によるページを基準にして、S407で再度所定ページ数分のページめくりを行う。
【0099】
なお、小口をタッチした際には、小口上で押さえたページ(上述の50ページ又は60ページ)を
図14のツールチップ1401に表示する。
【0100】
図14は、情報処理端末101の表示部に、表示データ(電子書籍データ)と小口データとアイコン表示をさせた表示例を示すイメージ図である。
【0101】
小口表示をさせて、小口をタッチした場合に、そのタッチした位置に対応するページまでしかまとめてページ送りがされないため、より使い勝手の良いページめくりができる。
【0102】
次に、本発明としての情報処理装置(情報処理端末101等)の機能ブロック図について
図10を用いて説明する。なお、
図3で示した機能ブロック図は、上述した一実施形態における機能ブロック図である。情報処理装置は、傾斜角取得部1001、第1のページ数取得部1002、第2のページ数取得部1003、表示制御部1004、操作判定部1005、傾斜方向取得部1006を有する。
【0103】
なお、情報処理装置は、電子文書を表示可能なタッチパネルで構成される表示部を有する端末である。
【0104】
傾斜角取得部1001は、情報処理装置の傾きに応じて、傾斜角を取得する機能部である。
【0105】
第1のページ数取得部1002は、傾斜角取得部1001で取得した傾斜角に従って、電子文書をめくるページ数を取得する機能部である。
【0106】
また、情報処理装置の傾きの変更に応じて、まとめてページめくりするページ数が変更されるように、傾斜角の変更に応じて電子文書をめくるページ数を取得する。
【0107】
第2のページ数取得部1003は、表示部に表示されている電子文書のページ数を取得する機能部である。
【0108】
表示制御部1004は、所定のページ数分まとめてページめくりをするように、第2のページ数取得部1003で取得されたページ数から第1のページ数取得部1002で特定されたページ数分ページをめくったページの電子文書を表示制御する機能部である。
【0109】
また、後述する操作判定部1005でタッチ操作がないと判定された場合には、所定のページ数分まとめてページめくりをする表示制御を繰り返し、操作判定部1005でタッチ操作があると判定された場合には、所定のページ数分まとめてページめくりをする表示制御の繰り返しを中止する。
【0110】
また、傾斜角取得部1001で所定の傾斜角を取得できない場合に、所定のページ数分まとめてページめくりをすることなく、ユーザの操作に応じて1ページごとにページめくりした電子文書を表示制御する。また、繰り返し傾斜角を取得する。
【0111】
また、傾斜方向取得部1006で取得した傾斜方向に従って、所定のページ数分まとめてページめくりをするように、第2のページ数取得部1003で取得されたページ数から第1のページ数取得部1002で特定されたページ数分ページをめくったページの電子文書を表示制御する。
【0112】
更に、まとめてめくるページ数をユーザに識別させるべく、第1のページ数取得部1002で取得したページ数を表示制御する。
【0113】
操作判定部1005はタッチパネルを介してタッチ操作があったか否かを判定する機能部である。
【0114】
傾斜方向取得部1006は、情報処理装置の傾斜方向を取得する機能部である。
【0115】
小口操作判定部1007は、小口表示にタッチ操作があったか否かを判定する機能部である。
ページ数決定部1008は、小口操作判定部1007で小口表示(小口の表示領域)にタッチ操作があったと判定した場合には、小口表示のタッチ位置に従って、まとめてページめくりを止めるページ数を決定する機能部である。
また、表示制御部1004は、ページ数決定部1008で決定したページ数まで、所定のページ数分まとめてページめくりする。
小口表示にタッチ操作がないと判定され、電子文書を表示する領域にタッチ操作があったと判定した場合には、自動での所定のページ数分のまとめてページめくりを中止し、情報処理装置を傾けてもまとめてページめくりを実行しないように制御する。
【0116】
以上説明したように、本実施形態によれば、電子文書(電子書籍等)の表示において、情報処理装置(情報処理端末等のデバイス)の傾きに従って所定のページ数のページめくりをすることで、ユーザの動作に応じた効率の良いページめくりができる。
【0117】
また、効率の良いページめくりができることによって、ユーザの操作の負担を減らすことができる。
【0118】
その他、電子文書(電子書籍等)において、直感的な操作性を損なうことなく、ユーザの操作の負荷、閲覧の負担を軽減することができる。
【0119】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0120】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0121】
また、本発明におけるプログラムは、
図4〜
図6に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は
図4〜
図6の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは
図4〜
図6の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0122】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0123】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0124】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0125】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0126】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0127】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0128】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0129】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。