(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、
図1及び2を参照して、保護回路の第1実施形態について説明する。
【0016】
保護回路1は、正サージ短絡回路10と、制御回路11と、負サージ短絡回路90とを有する。
【0017】
正サージ短絡回路10は、カスケード接続された第1及び第2短絡スイッチ81及び82を有する。第1及び第2短絡スイッチ81及び82はそれぞれ、トランジスタサイズが同一であるnMOSトランジスタを有する。第1及び第2短絡スイッチ81及び82はそれぞれ、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間、ゲート端子の電圧とドレイン端子の電圧とを同一にしてオンすることにより、第1電源端子VDEと第2電源端子VSSとの間に短絡回路を形成する。
【0018】
制御回路11は、第1バイアス回路20と、第1RCトリガー回路30と、第2RCトリガー回路40とを有する。制御回路11は、第1電源電圧VDEに3.3Vの電圧が印加され、第2電源電圧VSSが接地される通常動作時に、第1中間ノードnode1の電圧を1.65Vに維持する。また、制御回路11は、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間、第1電源端子VDE及び第2電源端子VSSとの間を短絡するように正サージ短絡回路10を制御する。
【0019】
第1バイアス回路20は、第1バイアススイッチ21と、第1バイアス抵抗素子22と、第2バイアス抵抗素子23とを有する。第1バイアススイッチ21は、しきい値電圧がV
bswであるnMOSトランジスタを有する。第1バイアススイッチ21のゲート端子は、第1バイアス抵抗素子22及び第2バイアス抵抗素子23により分圧された電圧が入力される。第1バイアススイッチ21のドレイン端子は、第1電源端子VDEに接続される。第1電源端子VDEに3.3Vが印加され、第2電源端子VSSが接地される通常動作時には、第1バイアススイッチ21のドレイン端子は、3.3Vが印加される。第1バイアススイッチ21のソース端子は、第1中間ノードnode1に接続される。第1バイアス抵抗素子22と、第2バイアス抵抗素子23とは、第1電源端子VDEと第2電源端子VSSとの間に直列接続される。
【0020】
第1バイアス回路20は、通常動作時に、第1中間ノードnode1の電位を第1電源電圧VDEと第2電源電圧VSSとの間の値である中間ノード電圧に維持する機能を有する。
【0021】
第1電源電圧VDEに3.3Vの電圧が印加され、第2電源電圧VSSが接地される通常動作時に、第1バイアススイッチ21のゲート端子には、3.3Vの電位差を第1バイアス抵抗素子22と第2バイアス抵抗素子23とで分圧した電圧が印加される。第1バイアススイッチ21のゲート端子の電圧を1.65V+V
bswになるように第1バイアス抵抗素子22及び第2バイアス抵抗素子23の抵抗を配置することにより、第1中間ノードnode1の電位は、1.65Vに維持される。
【0022】
すなわち、第1中間ノードnode1の電位がリーク電流等の影響で1.65Vから低下すると、第1バイアススイッチ21のゲート端子とソースとの電位差がしきい値電圧よりも大きくなるので、第1バイアススイッチ21がオンする。次いで、第1中間ノードnode1の電位が1.65Vに戻ると、第1バイアススイッチ21のゲート端子とソースとの電位差がしきい値電圧と等しくなるので、第1バイアススイッチ21がオフする。このように第1バイアススイッチ21により、第1中間ノードnode1の電位は1.65Vに維持される。
【0023】
第1RCトリガー回路30は、第1オーバードライブスイッチ31と、第1RCトリガー抵抗素子32と、第1RCトリガー容量素子33とを有する。第1オーバードライブスイッチ31は、pMOSトランジスタを有する。第1オーバードライブスイッチ31のゲート端子は、第1RCトリガー抵抗素子32と、第1RCトリガー容量素子33とに接続される。第1RCトリガー容量素子33は、配線層間の容量により形成される。
【0024】
第1RCトリガー抵抗素子32及び第1RCトリガー容量素子33は、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間、第1オーバードライブスイッチ31のゲート端子を第2電源端子VSSの電圧レベルに維持する時定数回路として機能する。第1RCトリガー抵抗素子32の抵抗値及び第1RCトリガー容量素子33の容量値により規定される時定数τ
1が第1電源端子に電流サージが印加される期間よりも十分に大きくなるように設定される。これにより、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間、第1オーバードライブスイッチ31のゲート端子を第2電源端子VSSの電圧レベルに維持し、第1オーバードライブスイッチ31をオンする。第1オーバードライブスイッチ31がオンすることにより、第1中間ノードnode1の電圧は、第1電源端子VDEの電圧と同一にする。
【0025】
第2RCトリガー回路40は、インバータ素子41と、第2RCトリガー抵抗素子44と、第2RCトリガー容量素子45とを有する。インバータ素子41は、ソース端子が第1中間ノードnode1に接続されたpMOSトランジスタ42と、ソース端子が第2電源端子VSSに接続されたnMOSトランジスタ43とを有する。インバータ素子41の入力端子は、第2RCトリガー抵抗素子44と、第2RCトリガー容量素子45とに接続される。
【0026】
第2RCトリガー抵抗素子44及び第2RCトリガー容量素子45は、第1電源端子に電流サージが印加される期間、インバータ素子41の入力端子をLレベルに維持する時定数回路として機能する。ここで電流サージが印加される時間に対して適切な時定数τ
2を第2RCトリガー抵抗素子44の抵抗値及び第2RCトリガー容量素子45の容量値で設定することにより、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間、インバータ素子41のゲート端子を第2電源端子VSSの電圧レベルに維持し、インバータ素子41の出力端子の電圧を、第1中間ノードnode1の電圧と同一にする。
【0027】
負サージ短絡回路90は、ダイオード素子91を有する。ダイオード素子91は、第2電源端子に電流サージが印加される期間オンして、第1電源端子と第2電源端子との間に短絡回路を形成する。
【0028】
次に、通常動作時における保護回路1の動作について説明する。
【0029】
通常動作時には、第1電源端子VDEに3.3Vが印加され、第2電源端子VSSが接地される。第1中間ノードnode1は、第1バイアススイッチ21により、中間電位である1.65Vに維持される。第1オーバードライブスイッチ31は、第1RCトリガー容量素子33が充電されて、ゲート端子及びソース端子に3.3Vの電圧が印加されるのでオフする。
【0030】
インバータ素子41は、第2RCトリガー容量素子45が充電されて、入力端子に第1中間ノードnode1の電圧である1.65Vが印加され、第2電源端子VSSの電圧を出力端子に出力する。
【0031】
正サージ短絡回路10の第2短絡スイッチ82は、ゲート端子及びソース端子に第2電源端子VSSの電圧が印加されてオフする。このため、通常動作時には正サージ短絡回路10は、第1電源端子VDEと第2電源端子VSSとの間に短絡回路を形成しない。
【0032】
通常動作時には、第1中間ノードnode1の電圧は、中間電圧である1.65Vに維持される。このため、第1バイアススイッチ21、第1オーバードライブスイッチ31及びインバータ素子41をそれぞれ形成するトランジスタのソース端子とドレイン端子に印加される電圧は最大1.65Vとなる。また、第1及び第2短絡スイッチ81及び82はトランジスタサイズが等しいので、それぞれのトランジスタのソース端子とドレイン端子に印加される電圧は1.65Vとなる。このように、保護回路1を形成するトランジスタのソース端子、ドレイン端子、ゲート端子の各端子間に印加される電圧は最大1.65Vとなるので、1.8Vトランジスタを使用して保護回路1を形成する場合でも、トランジスタのソース-ドレイン間耐圧を越えない。
【0033】
次に、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間における保護回路1の動作について説明する。
【0034】
図2は、保護回路1の第1電源端子VDEに電流サージが印加されたときの動作を示す図である。
【0035】
第1電源端子VDEに電流サージが印加されると、第1オーバードライブスイッチ31のソース端子の電圧は電流サージによる電圧が印加される。このとき、第1オーバードライブスイッチ31のゲート端子の電圧は、第1RCトリガー抵抗素子32及び第1RCトリガー容量素子33により形成される時定数回路により第2電源端子VSSの電圧レベルに維持される。これにより、第1オーバードライブスイッチ31はオンする。第1オーバードライブスイッチ31がオンして、第1中間ノードnode1の電圧が電流サージによる電圧と等しくなると、第1短絡スイッチ81がオンする。
【0036】
また、第1中間ノードnode1に電流サージによる電圧が印加されると、インバータ素子41の正電源端子の電圧は電流サージによる電圧が印加される。このとき、インバータ素子41の入力端子の電圧は、第2RCトリガー抵抗素子44及び第2RCトリガー容量素子45により形成される時定数回路により第2電源端子VSSの電圧レベルに維持され、pMOSトランジスタ42がオンする。pMOSトランジスタ42がオンして、インバータ素子41の出力端子の電圧が電流サージによる電圧と等しくなり、第2短絡スイッチ82がオンする。
【0037】
第1及び第2短絡スイッチ81及び82がそれぞれオンすることにより、第1電源端子VDEと第2電源端子VSSとの間に短絡回路が形成され、第1電源端子に印加された電流サージに相当する電流がESD電流として第2電源端子VSSに流れる。
【0038】
保護回路1では、通常動作時に、第1バイアス回路20により第1中間ノードnode1の電位は、第1電源電圧VDEと第2電源電圧VSSとの間の値である中間ノード電圧に維持される。このため、耐圧が第1電源端子と第2電源端子との間に印加される電源電圧の半分であるトランジスタにより保護回路1を形成できる。
【0039】
また、保護回路1では、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間に、第1及び第2短絡スイッチ81及び82をMOSトランジスタとして動作させて短絡回路を形成する。このため、バイポーラトランジスタを介してサージ電流を流す場合の保持電圧
V
holdよりも低い電圧でトランジスタを動作させることができる。
【0041】
次に、
図3を参照して、保護回路の第2実施形態について説明する。
【0043】
保護回路2は、
図1に示される制御回路11の代わりに制御回路12を有することが保護回路1と相違する。制御回路12は、第1バイアス回路20と第1RCトリガー回路30とを併せた機能を有する第1バイアス・ドライブ複合回路50を有する。
【0044】
第1バイアス・ドライブ複合回路50は、第1バイアス・ドライブ複合回路用スイッチ51と、第1バイアス・ドライブ複合回路用抵抗素子52と、第2バイアス・ドライブ複合回路用抵抗素子53と、第1バイアス・ドライブ複合回路用容量素子54を有する。
【0045】
第1バイアス・ドライブ複合回路用スイッチ51は、しきい値電圧がV
bswであるnMOSトランジスタを有する。第1バイアス・ドライブ複合回路用スイッチ51のゲート端子は、第1及び第2バイアス・ドライブ複合回路用抵抗素子52及び53により分圧された電圧が入力される。第1バイアス・ドライブ複合回路用スイッチ51は、第1電源端子VDEに接続される。通常動作時には、第1バイアス・ドライブ複合回路用スイッチ51のドレイン端子は、3.3Vが印加される。第1バイアススイッチ21のソース端子は、第1中間ノードnode1に接続される。第1バイアス・ドライブ複合回路用抵抗素子52と、第2バイアス・ドライブ複合回路用抵抗素子53とは、第1電源端子VDEと第2電源端子VSSとの間に直列接続される。
【0046】
第1バイアス・ドライブ複合回路用スイッチ51のゲート端子の電圧を1.65V+V
bswになるように第1及び第2バイアス・ドライブ複合回路用抵抗素子52及び53の抵抗を配置することにより、通常動作時に、第1中間ノードnode1の電位は、1.65Vに維持される。
【0047】
第2バイアス・ドライブ複合回路用抵抗素子53及び第1バイアス・ドライブ複合回路用容量素子54は、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間、第1オーバードライブスイッチ31のゲート端子を第2電源端子VSSの電圧レベルに維持する時定数回路として機能する。ここで電流サージが印加される時間に対して適切な時定数τ
3を第2バイアス・ドライブ複合回路用抵抗素子53の抵抗値及び第1バイアス・ドライブ複合回路用容量素子54の容量値で設定することにより、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間、第1バイアス・ドライブ複合回路用スイッチ51をオンして、第1中間ノードnode1の電圧を第1電源端子VDEの電圧と同一にする。
【0048】
保護回路2では、通常動作時に、第1バイアス・ドライブ複合回路用容量素子54に印加される電圧は、3.3V電源電圧を第1バイアス・ドライブ複合回路用抵抗素子52と第2バイアス・ドライブ複合回路用抵抗素子53とで分圧した電圧になる。このため、第1バイアス・ドライブ複合回路用容量素子54の耐圧は、電源電圧よりも低くすることができるので、第1バイアス・ドライブ複合回路用容量素子54を配線層間の容量により形成せずに1.8Vトランジスタで形成できる。したがって、保護回路2は、配線層よりも面積が小さいトランジスタ素子で第1バイアス・ドライブ複合回路用容量素子54を形成できるので、保護回路1よりも面積を小さくできる。
【0050】
次に、
図4を参照して、保護回路の第3実施形態について説明する。
【0052】
保護回路3は、正サージ短絡回路13と、制御回路14と、負サージ短絡回路90とを有する。
【0053】
正サージ短絡回路13は、3段にカスケード接続された第1〜第3短絡スイッチ81〜83を有する。第1〜第3短絡スイッチ81〜83はそれぞれ、トランジスタサイズが同一であるnMOSトランジスタを有する。第1〜第3短絡スイッチ81〜83はそれぞれ、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間、ゲート端子の電圧とドレイン端子の電圧とを同一にしてオンすることにより、第1電源端子VDEと第2電源端子VSSとの間に短絡回路を形成する。
【0054】
制御回路14は、制御回路11と比較すると、第1バイアス回路20と、第1RCトリガー回路30と、第2RCトリガー回路40とに加えて、第2バイアス回路25と、第3RCトリガー回路35とをさらに有する。
【0055】
第2バイアス回路25は、第2バイアススイッチ26と、第3バイアス抵抗素子27と、第4バイアス抵抗素子28とを有する。第2バイアススイッチ26は、しきい値電圧がV
bswであるnMOSトランジスタを有する。第2バイアススイッチ26のゲート端子は、第3バイアス抵抗素子27及び第4バイアス抵抗素子28により分圧された電圧が入力される。第2バイアススイッチ26のドレイン端子は、第1中間ノードnode1に接続される。第2バイアススイッチ26のソース端子は、第2中間ノードnode2に接続される。第3バイアス抵抗素子27と、第4バイアス抵抗素子28とは、第1中間ノードnode1と第2電源端子VSSとの間に直列接続される。
【0056】
第1バイアス抵抗素子22及び第2バイアス抵抗素子23の抵抗値は、通常動作時に、第1バイアススイッチ21のゲート端子の電圧を2.2V+V
bswになるように配置される。第3バイアス抵抗素子27及び第4バイアス抵抗素子28の抵抗値は、通常動作時に、第2バイアススイッチ26のゲート端子の電圧を1.1V+V
bswになるように配置される。
【0057】
第3RCトリガー回路35は、第2オーバードライブスイッチ36と、第3RCトリガー抵抗素子37と、第3RCトリガー容量素子38とを有する。第2オーバードライブスイッチ36は、pMOSトランジスタを有する。第2オーバードライブスイッチ36のゲート端子は、第3RCトリガー抵抗素子37と、第3RCトリガー容量素子38とに接続される。第2オーバードライブスイッチ36のソース端子は、第1中間ノードnode1に接続される。第2オーバードライブスイッチ36のドレイン端子は、第2中間ノードnode2に接続される。第3RCトリガー抵抗素子37と、第3RCトリガー容量素子38とは、第1中間ノードnode1と第2電源端子VSSとの間に直列接続される。
【0058】
第3RCトリガー抵抗素子37及び第3RCトリガー容量素子38は、第1電源端子に電流サージが印加される期間、第2オーバードライブスイッチ36のゲート端子を第2電源端子の電圧レベルに維持する時定数回路として機能する。ここで電流サージが印加される時間に対して適切な時定数τ
4を第3RCトリガー抵抗素子37の抵抗値及び第3RCトリガー容量素子38の容量値で設定することにより、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間、第2オーバードライブスイッチ36をオンして、第2中間ノードnode2の電圧を第1中間ノードnode1の電圧と同一にする。
【0059】
第1電源端子VDEに3.3Vが印加され、第2電源端子VSSが接地される通常動作時には、第1中間ノードnode1及び第2中間ノードnode2の電圧はそれぞれ、第1及び第2バイアス回路20及び25により、2.2V、1.1Vに維持される。
【0060】
第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間には、第1中間ノードnode1及び第2中間ノードnode2の電圧はそれぞれ、第1及び第3RCトリガー回路30及び35により、電流サージによる電圧と同一となる。
【0061】
保護回路3では、通常動作時に、第1及び第2バイアス回路20及び25により第1中間ノードnode1及び第2中間ノードnode2の電位は、電源電圧の1/3に維持される。このため、素子の耐圧が第1電源端子と第2電源端子との間に印加される電源電圧の1/3であるトランジスタにより保護回路3を形成できる。
【0063】
次に、
図5を参照して、保護回路の第4実施形態について説明する。
【0065】
保護回路4は、第1バイアス・ドライブ複合回路50と、第2バイアス・ドライブ複合回路55とを有することが
図4に示す保護回路3と相違する。第1バイアス・ドライブ複合回路50は、第1バイアス回路20と第1RCトリガー回路30とを併せた機能を有し、第2バイアス・ドライブ複合回路55は、第2バイアス回路25と第3RCトリガー回路35とを併せた機能を有する。
【0067】
次に、
図6を参照して、保護回路の第5実施形態について説明する。
【0069】
保護回路5は、正サージ短絡回路16がそれぞれpMOSトランジスタを有する第4及び第5短絡スイッチ84及び85を有することが、
図1に示す保護回路1と相違する。また、第2RCトリガー回路40の第2オーバードライブ抵抗44及び第2オーバードライブ容量45は、第1電源端子VDEと第1中間ノードnode1との間に接続される。また、第1RCトリガー回路30の代わりに第4RCトリガー回路60が配置される。
【0070】
第4RCトリガー回路60は、第3オーバードライブスイッチ61と、第4RCトリガー抵抗素子62と、第4RCトリガー容量素子63とを有する。第3オーバードライブスイッチ61は、nMOSトランジスタを有する。第3オーバードライブスイッチ61のゲート端子は、第4RCトリガー抵抗素子62と、第4RCトリガー容量素子63とに接続される。
【0071】
第4RCトリガー抵抗素子62及び第4RCトリガー容量素子63は、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間、第3オーバードライブスイッチ61のゲート端子を第1電源端子VDSの電圧レベルに維持する時定数回路として機能する。ここで電流サージが印加される時間に対して適切な時定数τ
5を第4RCトリガー抵抗素子62の抵抗値及び第4RCトリガー容量素子63の容量値で設定することにより、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間、第3オーバードライブスイッチ61をオンして、第1中間ノードnode1の電圧を第2電源端子VSSの電圧と同一にする。
【0072】
第1電源端子VDEに3.3Vが印加され、第2電源端子VSSが接地される通常動作時には、第1中間ノードnode1の電圧は、第1バイアス回路により、1.65Vに維持される。
【0073】
第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間には、第1中間ノードnode1の電圧は、第4RCトリガー回路60により、第2電源端子VSSの電圧と同一になる。次いで、第5短絡スイッチ85のゲート端子とドレイン端子とが同電位となり、第5短絡スイッチ85がオンする。
【0074】
次いで、第2RCトリガー抵抗素子44及び第2RCトリガー容量素子45が時定数回路として機能して、インバータ素子41の出力端子が第2電源端子VSSの電圧と同電位になり、第4短絡スイッチ84がオンする。そして、正サージ短絡回路16の第4及び第5短絡スイッチ84及び85が短絡回路を形成する。
【0076】
次に、
図7を参照して、保護回路の第6実施形態について説明する。
【0078】
保護回路6は、正サージ短絡回路18と、制御回路19と、負サージ短絡回路90とを有する。
【0079】
正サージ短絡回路18は、3段にカスケード接続された第4〜第6短絡スイッチ84〜86を有する。第4〜第6短絡スイッチ84〜86はそれぞれ、トランジスタサイズが同一であるpMOSトランジスタを有する。第4〜第6短絡スイッチ84〜86はそれぞれ、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間、ゲート端子の電圧とドレイン端子の電圧とを同一にしてオンすることにより、第1電源端子VDEと第2電源端子VSSとの間に短絡回路を形成する。
【0080】
制御回路19は、
図6の保護回路5の制御回路17と比較すると、第1バイアス回路20と、第2RCトリガー回路40と、第4RCトリガー回路60とに加えて、第2バイアス回路25と、第5RCトリガー回路65とをさらに有する。
【0081】
第1バイアス抵抗素子22及び第2バイアス抵抗素子23の抵抗値は、通常動作時に、第1バイアススイッチ21のゲート端子の電圧を2.2V+V
bswになるように配置される。第3バイアス抵抗素子27及び第4バイアス抵抗素子28の抵抗値は、通常動作時に、第2バイアススイッチ26のゲート端子の電圧を1.1V+V
bswになるように配置される。
【0082】
第5RCトリガー回路65は、第4オーバードライブスイッチ66と、第5RCトリガー抵抗素子67と、第5RCトリガー容量素子68とを有する。第4オーバードライブスイッチ66は、nMOSトランジスタを有する。第4オーバードライブスイッチ66のゲート端子は、第5RCトリガー抵抗素子67と、第5RCトリガー容量素子68とに接続される。第4オーバードライブスイッチ66のソース端子は、第2中間ノードnode2に接続される。第4オーバードライブスイッチ66のドレイン端子は、第1中間ノードnode1に接続される。第5RCトリガー抵抗素子67と、第5RCトリガー容量素子68とは、第1電源端子VDEと第2中間ノードnode2との間に直列接続される。
【0083】
第5RCトリガー抵抗素子67及び第5RCトリガー容量素子68は、第1電源端子に電流サージが印加される期間、第4オーバードライブスイッチ66のゲート端子を第1電源端子の電圧レベルに維持する時定数回路として機能する。ここで電流サージが印加される時間に対して適切な時定数τ
6を第5RCトリガー抵抗素子67の抵抗値及び第5RCトリガー容量素子68の容量値の容量値で設定することにより、第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間、第4オーバードライブスイッチ66をオンして、第1中間ノードnode1の電圧を第2中間ノードnode2の電圧と同一にする。
【0084】
第1電源端子VDEに3.3Vが印加され、第2電源端子VSSが接地される通常動作時には、第1中間ノードnode1及び第2中間ノードnode2の電圧はそれぞれ、第1及び第2バイアス回路20及び25により、2.2V、1.1Vに維持される。
【0085】
第1電源端子VDEに電流サージが印加される期間には、第1中間ノードnode1及び第2中間ノードnode2の電圧はそれぞれ、第4及び第5RCトリガー回路60及び65により、第2電源端子VSSの電圧と同一となる。
【0087】
以下、他の実施形態について説明する。
【0088】
保護回路1〜6の正サージ短絡回路10、13、16及び18を形成する短絡スイッチはそれぞれ、2段又は3段カスケード接続されるが、短絡スイッチは4段以上カスケード接続して正サージ短絡回路を形成してもよい。
【0089】
また、短絡スイッチが2段カスケード接続される保護回路1、2及び5では、第1中間ノードnode1の電圧は、第1電源端子VDEに印加される電圧の半分の電圧となるように抵抗素子が配置されている。しかしながら、保護回路1、2及び5をそれぞれ形成するトランジスタのソース、ドレイン、ゲートの各端子間電圧が素子耐圧を越えないようにすれば、第1電源端子VDEに印加される電圧の半分の電圧でなくてもよい。例えば、第1電源端子VDEに3.3Vの電圧が印加されるときに、第1中間ノードnode1の電圧が1.8Vになるように抵抗素子の抵抗値を設定してもよい。
【0090】
また、短絡スイッチが3段カスケード接続される保護回路3、4及び6では、第1中間ノードnode1及び第2中間ノードnode2の電圧は、第1電源端子VDEに印加される電圧の1/3の電圧となるように抵抗素子が配置されている。しかしながら、保護回路1、2及び5をそれぞれ形成するトランジスタのソース、ドレイン、ゲートの各端子間電圧が素子耐圧を越えないようにすれば、第1電源端子VDEに印加される電圧の1/3の電圧でなくてもよい。
【0091】
また、保護回路1〜6の正サージ短絡回路10、13、16及び18を形成する短絡スイッチのトランジスタは、サイズが同一である。しかしながら、トランジスタのソース、ドレイン、ゲートの各端子間電圧が素子耐圧を越えないようにすれば、短絡スイッチとしてサイズが異なるトランジスタを短絡スイッチのトランジスタとして採用してもよい。
【0092】
また、保護回路1〜6では、第1電源端子に3.3Vの電圧が印加されているが、回路を構成するトランジスタの素子耐圧次第で3.3Vより高い電圧、又は3.3Vよりも低い電圧を第1電源端子に印加してもよい。
【0093】
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものであり、特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではなく、明細書のそのような例の構成は発明の利点および欠点を示すものではない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。