特許第6056353号(P6056353)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6056353情報処理装置、情報処理システム、その制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6056353
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、その制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20161226BHJP
【FI】
   G06F13/00 650A
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-224797(P2012-224797)
(22)【出願日】2012年10月10日
(65)【公開番号】特開2014-78092(P2014-78092A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2015年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(74)【代理人】
【識別番号】100208904
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 秀起
(72)【発明者】
【氏名】清水 和夫
(72)【発明者】
【氏名】西本 誠
【審査官】 木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−219763(JP,A)
【文献】 特開2003−085093(JP,A)
【文献】 特開2004−127103(JP,A)
【文献】 特開2003−030103(JP,A)
【文献】 特開2005−084844(JP,A)
【文献】 特開2004−220219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーラムに対してメッセージを投稿する投稿画面を表示可能であり、情報処理装置に記憶されたフォーラムのメッセージを表示画面に表示可能である、電子メールの送受信機能を備えるクライアント端末と接続可能な、フォーラムに投稿されたメッセージを記憶するメッセージ記憶手段を備える情報処理装置であって、
前記クライアント端末より送信された電子メールを取得する電子メール取得手段と、
前記電子メール取得手段により取得した電子メールのメッセージを、当該電子メールから特定されるフォーラムに投稿されたメッセージとして、当該メッセージが電子メールにより投稿されたことを示す識別情報と対応付けて、前記メッセージ記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記メッセージ記憶手段に記憶されているメッセージに応答する応答メッセージの投稿を受け付ける応答メッセージ投稿受付手段と、
前記メッセージ記憶手段において前記応答メッセージの応答先であるメッセージが、電子メールにより投稿された前記識別情報と対応付けられて記憶されているメッセージである場合に、当該メッセージに応答する応答メッセージを、当該メッセージに対応する送信先に電子メールで送信する電子メール送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記クライアント端末は、前記応答メッセージの応答先であるメッセージが電子メールにより投稿されたメッセージである場合に、当該応答メッセージを、前記電子メール送信手段により送信先に送信する否かを選択する選択画面を表示する表示手段を備えるクライアント端末であって、
前記電子メール送信手段は、前記選択画面において、当該応答メッセージを前記電子メール送信手段により送信先に送信しない選択操作を受け付けた場合には、当該応答メッセージを電子メールで当該送信先に送信することなく、当該応答メッセージを前記電子メール送信手段により送信先に送信する選択操作を受け付けた場合に、当該応答メッセージを電子メールで当該送信先に送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記識別情報は当該識別情報に対応するメッセージの投稿に用いられた電子メールの送信元のメールアドレスであって、
前記電子メール送信手段は、前記応答メッセージの電子メールを、当該応答メッセージの応答先であるメッセージの送信元のメールアドレスに返信することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記応答メッセージ投稿受付手段は、前記電子メール取得手段で取得された電子メールに含まれるメッセージIDを用いて、当該電子メールのメッセージを、前記メッセージIDにより特定されるメッセージへの応答メッセージとして受け付け、
記記憶制御手段は、前記応答メッセージとして受け付けたメッセージを、応答先のメッセージの下位の応答メッセージとして前記メッセージ記憶手段に記憶し、
前記電子メール送信手段は、前記メッセージ記憶手段において前記応答メッセージより上位のメッセージが電子メールにより投稿された前記識別情報と対応付けられて記憶されているメッセージである場合に、当該上位のメッセージより下位である当該応答メッセージを、当該上位のメッセージに対応する送信先に電子メールで送信する電子メール送信手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
フォーラムに対してメッセージを投稿する投稿画面を表示可能であり、情報処理装置に記憶されたフォーラムのメッセージを表示画面に表示可能である、電子メールの送受信機能を備えるクライアント端末と接続可能な、フォーラムに投稿されたメッセージを記憶するメッセージ記憶手段を備える情報処理装置の制御方法であって、
前記クライアント端末より送信された電子メールを取得する電子メール取得ステップと、
前記電子メール取得ステップにより取得した電子メールのメッセージを、当該電子メールから特定されるフォーラムに投稿されたメッセージとして、当該メッセージが電子メールにより投稿されたことを示す識別情報と対応付けて、前記メッセージ記憶手段に記憶する記憶制御ステップと、
前記メッセージ記憶手段に記憶されているメッセージに応答する応答メッセージの投稿を受け付ける応答メッセージ投稿受付ステップと、
前記メッセージ記憶手段において前記応答メッセージの応答先であるメッセージが、電子メールにより投稿された前記識別情報と対応付けられて記憶されているメッセージである場合に、当該メッセージに応答する応答メッセージを、当該メッセージに対応する送信先に電子メールで送信する電子メール送信ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
フォーラムに対してメッセージを投稿する投稿画面を表示可能であり、情報処理装置に記憶されたフォーラムのメッセージを表示画面に表示可能である、電子メールの送受信機能を備えるクライアント端末と接続可能な、フォーラムに投稿されたメッセージを記憶するメッセージ記憶手段を備える情報処理装置のプログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記クライアント端末より送信された電子メールを取得する電子メール取得手段と、
前記電子メール取得手段により取得した電子メールのメッセージを、当該電子メールから特定されるフォーラムに投稿されたメッセージとして、当該メッセージが電子メールにより投稿されたことを示す識別情報と対応付けて、前記メッセージ記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記メッセージ記憶手段に記憶されているメッセージに応答する応答メッセージの投稿を受け付ける応答メッセージ投稿受付手段と、
前記メッセージ記憶手段において前記応答メッセージの応答先であるメッセージが、電子メールにより投稿された前記識別情報と対応付けられて記憶されているメッセージである場合に、当該メッセージに応答する応答メッセージを、当該メッセージに対応する送信先に電子メールで送信する電子メール送信手段として機能させることを特徴とする情報処理装置のプログラム。
【請求項7】
フォーラムに対してメッセージを投稿する投稿画面を表示可能であり、情報処理装置に記憶されたフォーラムのメッセージを表示画面に表示可能である、電子メールの送受信機能を備えるクライアント端末と、フォーラムに投稿されたメッセージを記憶するメッセージ記憶手段を備える情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、
前記クライアント端末より送信された電子メールを取得する電子メール取得手段と、
前記電子メール取得手段により取得した電子メールのメッセージを、当該電子メールから特定されるフォーラムに投稿されたメッセージとして、当該メッセージが電子メールにより投稿されたことを示す識別情報と対応付けて、前記メッセージ記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記メッセージ記憶手段に記憶されているメッセージに応答する応答メッセージの投稿を受け付ける応答メッセージ投稿受付手段と、
前記メッセージ記憶手段において前記応答メッセージの応答先であるメッセージが、電子メールにより投稿された前記識別情報と対応付けられて記憶されているメッセージである場合に、当該メッセージに応答する応答メッセージを、当該メッセージに対応する送信先に電子メールで送信する電子メール送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
フォーラムに対してメッセージを投稿する投稿画面を表示可能であり、情報処理装置に記憶されたフォーラムのメッセージを表示画面に表示可能である、電子メールの送受信機能を備えるクライアント端末と、フォーラムに投稿されたメッセージを記憶するメッセージ記憶手段を備える情報処理装置と、を含む情報処理システムの制御方法であって、
前記クライアント端末より送信された電子メールを取得する電子メール取得ステップと、
前記電子メール取得ステップにより取得した電子メールのメッセージを、当該電子メールから特定されるフォーラムに投稿されたメッセージとして、当該メッセージが電子メールにより投稿されたことを示す識別情報と対応付けて、前記メッセージ記憶手段に記憶する記憶制御ステップと、
前記メッセージ記憶手段に記憶されているメッセージに応答する応答メッセージの投稿を受け付ける応答メッセージ投稿受付ステップと、
前記メッセージ記憶手段において前記応答メッセージの応答先であるメッセージが、電子メールにより投稿された前記識別情報と対応付けられて記憶されているメッセージである場合に、当該メッセージに応答する応答メッセージを、当該メッセージに対応する送信先に電子メールで送信する電子メール送信ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項9】
フォーラムに対してメッセージを投稿する投稿画面を表示可能であり、情報処理装置に記憶されたフォーラムのメッセージを表示画面に表示可能である、電子メールの送受信機能を備えるクライアント端末と、フォーラムに投稿されたメッセージを記憶するメッセージ記憶手段を備える情報処理装置と、を含む情報処理システムを制御するプログラムであって、
前記情報処理システムを、
前記クライアント端末より送信された電子メールを取得する電子メール取得手段と、
前記電子メール取得手段により取得した電子メールのメッセージを、当該電子メールから特定されるフォーラムに投稿されたメッセージとして、当該メッセージが電子メールにより投稿されたことを示す識別情報と対応付けて、前記メッセージ記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記メッセージ記憶手段に記憶されているメッセージに応答する応答メッセージの投稿を受け付ける応答メッセージ投稿受付手段と、
前記メッセージ記憶手段において前記応答メッセージの応答先であるメッセージが、電子メールにより投稿された前記識別情報と対応付けられて記憶されているメッセージである場合に、当該メッセージに応答する応答メッセージを、当該メッセージに対応する送信先に電子メールで送信する電子メール送信手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーラムにメッセージをメールで投稿し、フォーラムのユーザとコミュニケーションすることを可能にする情報処理装置、情報処理システム、その制御方法およびプログラムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上でコミュニケーションを取ることが可能なアプリケーションとして、電子メール(以下単にメールという)やネットコミュニティ(電子掲示板、SNS(ソーシャルネットワークシステム))などが存在する。ネットコミュニティ(電子掲示板)は、該ネットコミュニティのアカウントを有するユーザ同士でコミュニケーションを取ることが可能なアプリケーションではあるが、外部のユーザ、例えば前記メールのユーザとはコミュニケーションを取ることができない。
【0003】
これに対して、特許文献1では、販売などサービスを提供する企業の担当者が、顧客と送受信したメールを蓄積しておき、その顧客が一定の条件を満たした場合には、蓄積したメールデータを掲示板として顧客に閲覧可能とする技術を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−220219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、あくまで企業担当者と顧客がメールで送受信したデータを蓄積し、一定の条件を満たした場合(自動的または人間による判断によって)、蓄積したメールデータを掲示板であるかのように見せているに過ぎない。従って、企業担当者と顧客との情報交換はあくまでメールで行い、その結果を電子掲示板において履歴として閲覧するものである。すなわち、企業の担当者とユーザ(顧客)は、アプリケーションとしてはメールと電子掲示板の両方を使用しなければならないという煩わしさがある。
【0006】
本発明は、電子メールを使用してフォーラムに投稿されたメッセージにかかるコミュニケーションを電子メールで行うことが可能な仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、フォーラムに対してメッセージを投稿する投稿画面を表示可能であり、情報処理装置に記憶されたフォーラムのメッセージを表示画面に表示可能である、電子メールの送受信機能を備えるクライアント端末と接続可能な、フォーラムに投稿されたメッセージを記憶するメッセージ記憶手段を備える情報処理装置であって、前記クライアント端末より送信された電子メールを取得する電子メール取得手段と、前記電子メール取得手段により取得し電子メールメッセージを、当該電子メールから特定されるフォーラムに投稿されたメッセージとして、当該メッセージが電子メールにより投稿されたことを示す識別情報と対応付けて、前記メッセージ記憶手段に記憶する記憶制御手段と、前記メッセージ記憶手段に記憶されているメッセージに応答する応答メッセージの投稿を受け付ける応答メッセージ投稿受付手段と、前記メッセージ記憶手段において前記応答メッセージの応答先であるメッセージが、電子メールにより投稿された前記識別情報と対応付けられて記憶されているメッセージである場合に、当該メッセージに応答する応答メッセージを、当該メッセージに対応する送信先に電子メールで送信する電子メール送信手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子メールを使用してフォーラムに投稿されたメッセージにかかるコミュニケーションを電子メールで行うことが可能な仕組みを提供することができる
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係わるシステム構成の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係わるコミュニティサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係わるコミュニティサーバのソフトウェア構成の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係わるコミュニティにおけるフォーラムとメッセージの一覧を表示するGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係わるフォーラムとメッセージのデータ構成の一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係わる投稿されたメッセージに対するサブメッセージを投稿するGUIの一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係わるメッセージ一覧において、投稿に従ってメッセージが追加される状態遷移の一例を示す図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係わる投稿されたメッセージに対するコメントを投稿するGUIの一例を示す図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係わる投稿されたコメントに対するサブコメントを投稿するGUIの一例を示す図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係わるメッセージ、コメント、サブコメントの一覧を表示するGUIの一例を示す図である。
図11】本発明の実施形態に係わるメールからの投稿処理の一例を示すフローチャートである。ャートである。
図12】本発明の実施形態に係わるSNSユーザインタフェースからの投稿処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係わるシステム構成の一例を示す図である。
【0012】
本発明の実施形態におけるシステム構成では、コミュニティサーバ101がクライアント端末102(例えば社内のSNS(ソーシャルネットワークシステム)クライアント、社外のメールクライアント)、メールサーバ103、Webメールサーバ104と、ネットワーク105を介して接続されている。図1では、SNSクライアントを社内、メールクライアントを社外として例示しているが、あくまでネットコミュニティ(電子掲示板、SNSなど。)に対して、コミュニティのユーザ権限を持ち、SNSクライアントから投稿するか、メールクライアントから投稿するか、を示すものであり、これらの構成を制限するものではない。以下ネットコミュニティをコミュニティと略する場合がある。
【0013】
コミュニティサーバ101は、クライアント端末102から投稿を受け付け、コミュニティに表示する。また、条件に応じてメールクライアントであるクライアント端末102に、投稿をメールとして送信する情報処理装置である。
【0014】
クライアント端末102は、ユーザにSNSユーザインタフェース、またはメールソフトを使用させ、コミュニティサーバ101に対して投稿を行う情報処理装置である。また、SNSクライアントであるクライアント端末102においては、ユーザは、コミュニティのフォーラム、メッセージなどを各ユーザの権限に応じて閲覧可能である。
【0015】
メールサーバ103は、コミュニティサーバ101から、またはWebメールサーバ104から、メールとメールの送受信の指示を受け付け、指示に従ってメールを送信し、または受信メールを各サーバに渡す。
【0016】
次に、Webメールサーバ104について説明する。本発明でいうWebメールサーバ104に基づいて構成されるメールシステムとは、クライアント端末102のWebブラウザで利用することができる電子メールシステムのことを指す。受信したメールの閲覧や、新規メッセージの作成・送信などをWebブラウザのみで行なうことができる。クライアント端末102にメールソフトをインストールしてメールの送受信を管理する電子メールシステムとは異なり、すべてのメール送受信をサーバ側で管理するため、ユーザは、Webブラウザを用いることでどこにいてもメールの作成、受信、閲覧を行うことが可能である。
【0017】
本システムの実施形態においては、メールサーバ103、Webメールサーバ104のいずれを用いてもよい。また、Webメールサーバ104が、構成としてはメールサーバ103を利用するものであって、クライアント端末102に対して、メールサーバ103をWebブラウザから利用できるようにするものであってもよい。また、前述ではクライアント端末102からWebブラウザを用いてWebメールサーバにアクセスする説明をしたが、本発明の実施形態においては、コミュニティサーバ101からHTTPプロトコルによる通信を行う構成も含む。
【0018】
本発明の実施形態においては、コミュニティサーバ101から、メールサーバ103、またはWebメールサーバ104のAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)などを用いてメールの送受信を行う場合も含まれる。
【0019】
また、コミュニティサーバ101、メールサーバ103、Webメールサーバ104のいずれか、または全ては同一の筐体であってもよい。図1の構成は一例であり、様々な構成が可能である。
【0020】
図2は、本発明の実施形態に係わるコミュニティサーバ101のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。その他の情報処理装置、すなわちクライアント端末102、メールサーバ103、Webメールサーバ104に対しても適用可能である。
【0021】
図2に示すように、コミュニティサーバ101は、システムバス204を介してCPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)203、ROM(Read Only Memory)202、入力コントローラ205、ビデオコントローラ206、メモリコントローラ207、通信I/Fコントローラ208等が接続された構成を採る。
【0022】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0023】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、各サーバあるいは各PCが実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。また、本発明を実施するために必要な情報が記憶されている。なお外部メモリはデータベースであってもよい。
【0024】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0025】
また、入力コントローラ205は、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。
【0026】
ビデオコントローラ206は、ディスプレイ210等の表示器への表示を制御する。尚、表示器は液晶ディスプレイ等の表示器でもよい。これらは、必要に応じて管理者が使用する。
【0027】
メモリコントローラ207は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、あるいは、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0028】
通信I/Fコントローラ208は、ネットワーク105を介して外部機器と接続・通信し、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いた通信等が可能である。
【0029】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上に表示することが可能である。また、CPU201は、ディスプレイ210上のマウスカーソル(図示しない)等によるユーザ指示を可能とする。
【0030】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイルおよび各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明についても後述する。
【0031】
図3は、本発明の実施形態に係わるコミュニティサーバのソフトウェア構成の一例を示す図である。コミュニティサーバ101は、フォーラム登録部301、メール受付部302、SNSメッセージ受付部303、ID付与判定部304、ID判定部305、投稿部306、メール送信部307、フォーラム記憶部308、メッセージ記憶部309、メッセージ登録部310等を備えて構成されている。
【0032】
フォーラム登録部301は、コミュニティサーバ101のフォーラム作成の権限のある管理ユーザ、または一般ユーザに作成させ、フォーラム記憶部308に登録する。
【0033】
メール受付部302は、メールからの投稿データ(後述するメッセージ、サブメッセージ、コメント、サブコメント等)を受け付ける。
【0034】
SNSメッセージ受付部303は、SNSユーザインタフェースからの投稿データを受け付ける。
【0035】
ID付与判定部304は、第1の投稿データのヘッダ等の指定位置に、第2の投稿データを特定するIDが付与されているか否かを判定する。第2の投稿データを特定するIDが付与されている場合は、第1の投稿データが、新規の投稿(フォーラムの直下にあるもの)ではなく、IDにより特定される第2の投稿データを指定して、その下位の投稿としてなされたものであることを示している。IDが付与されていない場合は、新規の投稿であることを示している。
【0036】
ID判定部305は、IDがある場合にそのIDが投稿されたフォーラムに既に存在かを判定する。なければエラーである。特にメールからの投稿はコミュニティのユーザではないため、投稿データのヘッダ等の指定位置に、誤って又は不正にIDを付与可能である。これらのIDを有する投稿を防止することも可能となる。本発明の実施形態においては、IDが投稿されたフォーラムに既に存在するかを判定する例としたが、IDをコミュニティ全体として管理し、また判定するようにしてもよい。
【0037】
投稿部306は、メール受付部302またはSNSメッセージ受付部303で受け付けた投稿データを、コミュニティの指定のフォーラムに投稿する。投稿データは、メッセージ記憶部309に記憶される。フォーラムの指定については後述する。
【0038】
メール送信部307は、第1の投稿データが、メールから投稿されたものである場合に、第1の投稿データを指定して第2のデータを投稿する際に、第1投稿データに対するメールを送信するものである。メールアドレスの取得などの詳細は後述する。
【0039】
フォーラム記憶部308は、前記フォーラム登録部から登録されたコミュニティ内のフォーラムに関する情報を記憶する。詳細は後述する。
【0040】
メッセージ記憶部309は、投稿された投稿データをフォーラムに対応付けて記憶する。詳細は後述する。具体的にはメッセージ登録部310により登録される。
【0041】
図4は、本発明の実施形態に係わるコミュニティにおけるフォーラムとメッセージの一覧を表示するGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)の一例を示す図である。図4の400が、クライアント端末102(SNSクライアント)においてSNSユーザに使用されるSNSユーザインタフェースの例を図示している。
【0042】
401には、コミュニティで使用可能なフォーラムの一覧を、フォーラム記憶部308に基づき表示される。不図示ではあるが、例えばユーザ情報記憶部において、各フォーラムに対するユーザのアクセス権限を設定することが可能であり、特定のSNSユーザがSNSユーザインタフェースを使用する場合には、アクセス権限があるもののみ表示するようにしてもよい。また、アクセス権限においても、単に閲覧権限がある場合、また投稿する権限がある場合などにより表示形態(色、アイコンの形状)などを変更してもよい。
【0043】
402には、現在着目しているフォーラムの名称が表示される。例えば、401のフォーラムの一覧からユーザが閲覧したいフォーラムをマウスでクリックする等により、403の画面を表示させることが可能である。図4の例では、“A社プロジェクト”(A社から受注した開発案件の情報共有とそのサポートをするためのフォーラム名)が表示されている。前述のフォーラム登録部301において、例えば、“A社プロジェクト”の関係者のみにアクセス権限を付与してもよい。その他、経営者やプロジェクト管理部門などにもアクセス権限を付与することも考えられる。また、後述する404(SNSからの新規投稿)ボタンが表示されている。
【0044】
403には、投稿されたメッセージを階層構造(ツリー構造)として表示するものである。階層構造においては、あるメッセージがフォーラムに直接的に紐付けられる(ルートとなるメッセージ)。ルートとなるメッセージは、複数存在可能である。図4の403においては、メッセージAとメッセージBの2つがルートとなるメッセージである。ルートとなるメッセージは、例えば、404の新規投稿ボタンをマウスでクリックすることにより不図示ではあるがメッセージ入力画面が表示されることで投稿するメッセージを作成する、などのように実装される。また、サブメッセージを投稿する場合(すなわち、これから投稿しようとする第1のメッセージを、階層構造における第2のメッセージの1つ下の階層)に投稿したい場合がある。例えば図4のメッセージAの下の、メッセージA1、メッセージA2、あるいはメッセージA2の下のメッセージA21、メッセージA22などである。この場合は、例えば第2のメッセージ(1つ上の階層のメッセージ)をマウスで右クリックする、などによりメッセージを作成するGUIが表示され、投稿後は第2のメッセージの1つ下の階層に配置されるようにする。
【0045】
メッセージA、メッセージBは、同じ“A社プロジェクト”に関する情報であっても、異なる話題を扱うために、異なる階層構造としてメッセージ群を分割する。この1つのメッセージ群を“スレッド”と称することもある。メッセージAをルートとするスレッドは、メッセージAに対する意見、確認、御礼などを述べるために、下位のメッセージ(サブメッセージ)としてメッセージA1、メッセージA2を有する。403では、メッセージAの1階層下に表示される(右側にインデントされて表示)。
【0046】
第1の実施形態の図4においては、無制限にメッセージの階層構造を作成できるが、コミュニティシステムとして階層の数が固定されていてもよい。また、管理者が階層数を設定できるようにしてもよい。この場合は、例えばフォーラム登録部301において、フォーラム毎に設定できるようにしてもよいし、不図示の管理者GUIにおいて、システム全体として統一の階層数を設定できるようにしてもよい。設定可能な場合には、目的により、例えば社内のパーソナルコンピュータで主に使うのか、社外において画面の小さい携帯端末で主に使うのか、で運用方法を変更することが可能である。
【0047】
405〜407は、コミュニティ以外のアプリケーションとの連携や、コミュニティのシステムを利用して他の目的のために用いる際の、アプリケーション開始ボタンである。
【0048】
例えば、405は、新規メッセージをワークフローとして用いるためのボタンである。406は、電子会議システムにおいて会議室の予約を行う。407は、予約された会議室に入室(会議への参加)を行う。
【0049】
408は、メールからの投稿を受け付けた際に、メールを受け付けたことをユーザに示すためのアイコンである。例えば、点滅、回転などの簡単なアニメーション等、表示形態を変えることにより実現する。
【0050】
410は、メールによるメッセージの投稿を受け付けた場合に、そのメッセージをユーザが表示した画面の一例である。このコミュニティサーバ101は、“C開発株式会社”で運用されており、410の画面は、“A社”の“ニシモトさん”からメールで投稿されたものである。メールで投稿するためには、後述するコミュニティの“A社プロジェクト”フォーラムに設定されたメールアドレスを知っている必要がある。すなわち、A社・ニシモトさんには、予め前記メールアドレスを通知している。
【0051】
運用の例として、例えば、メールクライアントを使用するユーザは、社外の顧客であり、SNSユーザインタフェースを使用するユーザは、C開発株式会社の担当部門、担当プロジェクトなどの担当者である。後述するように、担当者は、顧客に対してメールをする/しない、を選択しながらメッセージを投稿することが可能である。すなわち、顧客の要求/質問に対して、まず、要求/質問を受け付けた旨の回答をメールで送信し、その後、社内の担当者間で対応策について打ち合わせを行い、対応策がまとまった時点で最終回答をする、といった対応が可能となる。もちろん、その間に、中間回答を随時行うことも可能である。
【0052】
これらの方法により、社内の担当者としては、SNSユーザインタフェースのみを用いて、顧客の要求/質問を受け付け、回答することが可能となる効果が得られる。また、社内での打ち合わせの全てではなく、必要なメッセージのみを顧客にメールで送信することが可能となる効果が得られる。
以上で、図4のGUIの説明を完了する。
【0053】
図5は、本発明の実施形態に係わるフォーラムとメッセージのデータ構成の一例を示す図である。コミュニティで管理されるデータは、フォーラム記憶部308(図5の500を用いて詳述)、メッセージ記憶部309(図5の510を用いて詳述)に記憶される。
【0054】
フォーラム記憶部308は、フォーラム名501、フォーラムメールアドレス502等のデータ項目から構成される。
【0055】
フォーラム名501は、図4のフォーラム一覧401において表示されるフォーラムの名称が登録されるデータ項目である。
【0056】
フォーラムメールアドレス502は、該フォーラムにメールによる投稿をする際に使用するメールのアドレスを記載するデータ項目である。このメールアドレスは、対応するフォーラムの情報が、前記フォーラム登録部により登録される際に、権限のあるユーザ(管理ユーザなど)により指定することができる。
【0057】
メッセージ記憶部309は、フォーラム名511、ID512、投稿時刻513、上位ID514、メールアドレス515、内容516等のデータ項目から構成される。
【0058】
フォーラム名511は、メッセージの情報がいずれのフォーラムのものかを特定するデータ項目である。
【0059】
ID512は、メッセージを一意的に特定するIDを記載するデータ項目である。後述の上位ID514と合わせて使用することで、ルートのメッセージまで辿ることができる。これにより1つのスレッドの階層構造(ツリー構造)を決定することが可能である。また、後述するように、メールによる投稿があった場合に、そのメールのヘッダなどの指定位置にIDがあり、そのIDがメールアドレスに対応するフォーラムにおいて既存である場合には、そのスレッドに投稿されたメッセージとして特定される。メールクライアントからの投稿も、SNSクライアントからの投稿も、そのメッセージのヘッダ等の指定位置にあるIDのサブメッセージとして1つ下位の位置に投稿されることを想定している。しかしながらそのような構成に限定する
【0060】
ものではない。例えば、メールクライアントからの投稿に限っては、IDを上位に辿って、必ずルートのメッセージの1つ下位の位置に投稿するように、コミュニティシステムを実装する、なども可能である。その他、投稿されたメッセージにおけるユーザの指定(メールのタイトルに何らかの記号を指定する、など)によりいずれのメッセージの下位に投稿するかを指定できてもよい。
【0061】
投稿時刻513は、メッセージが投稿された時刻を記載するためのデータ項目である。
【0062】
上位ID514は、該メッセージが、他のメッセージ(階層構造において1つ上位)のサブメッセージとして投稿された場合に、その上位のメッセージのIDを記載するデータ項目である。
【0063】
メールアドレス515は、該メッセージの投稿がメールクライアントからなされた場合に、その送信元のメールアドレスを記載するデータ項目である。
【0064】
内容516は、投稿されたメッセージの内容である。図4の410における「件名:製品の問い合わせ C開発株式会社・玉置様〜よろしくお願い申し上げます。」が記載されるデータ項目である。あるいは件名は別のデータ項目としてもよい。内容516の3行目以降は(<>で囲まれた文字列)は、実際の内容ではなく、各メッセージの階層構造における位置づけを記載している。
【0065】
なお、図5の500は図4の400のフォーラム一覧、図5の510は、図4の403のメッセージ一覧に対応させて、フォーラムのデータ、投稿されたメッセージのデータが登録された例として記載している。
【0066】
以上、図5の説明を完了する。前述のデータ構成はあくまで一例であり、その他のデータ項目を含んでいてもよい。例えばフォーラム記憶部308は、フォーラムを示すアイコンのイメージファイルに対するリンクが記載されていてもよい。その他、異なる構成であってもよい。
【0067】
図6は、本発明の実施形態に係わる投稿されたメッセージに対するサブメッセージを投稿するGUIの一例を示す図である。図6の例では、図4の“A社プロジェクト”フォーラムに投稿された“メッセージA”に対して、サブメッセージを投稿する際のGUIである。前述のように、例えば、メッセージAをマウスで右クリックすることにより図6のGUIが表示される。
【0068】
図6の上部側は、図4の410と同じである。すなわち、メッセージAの内容がそのまま表示される。下部側の601には、サブメッセージを入力するための欄(602)、メッセージを投稿するためのボタン(603)、メッセージを投稿し、更にその内容をメールで送信するためのボタン(604)が表示される。SNSユーザは、602の入力欄にメッセージを入力する。
【0069】
前記の603のボタンを押下した場合(メッセージを投稿する指定をした場合)、図4の403のメッセージ一覧における“メッセージA1”の投稿処理が行われる。
【0070】
前記の604のボタンを押下した場合(メッセージの投稿とメールの送信の両方を行う指定をした場合)、図4の403のメッセージ一覧における“メッセージA1”の投稿と同時にメールの送信処理もされるが、その詳細について説明する。
【0071】
前記投稿の際のメールの送信に使用するアドレスは、メッセージを投稿する際に指定した(投稿が完了した時点で1つ上の階層のメッセージとなる)メッセージに対応したメールアドレスを検索する。すなわち、前記の例では、メッセージAのサブメッセージを投稿するため、メッセージAに対応するメールアドレス(図5の515)のメールアドレスを送信に使用する。また、対応するメールアドレスがない場合には、送信処理は中止する。
以上で、図6の説明を完了する。
【0072】
<第2の実施形態>
図7から図10を用いて第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と第2の実施形態は、基本的に同じフローで処理されるが、第2の実施形態においては、メッセージの階層構造が3階層に制限されている。ルートメッセージを単に“メッセージ”、ルートメッセージ(メッセージ)のサブメッセージを“コメント”、コメントのサブメッセージを“サブコメント”と呼び、これが前述の3階層を構成する。
【0073】
運用例として図4でも説明したように、メッセージ(ルートメッセージ)は、フォーラムに対応するSNSクライアントから、またはメールアドレスを知っているメールユーザがメールクライアントを用いて投稿可能である。すなわち、まず第1に、社内での担当者(SNSクライアントのユーザ)の間で、打ち合わせなどの情報共有を話題毎に行うことが可能である。この場合は、スレッド(メッセージ及びその下位のコメント、サブコメントをまとめたもの)に対応するメールアドレス(顧客のメールアドレス)がないため、メールが送信されることはない。さらに、メッセージが顧客のメールクライアントから送信されたものである場合には、対応するメールアドレスがあるため、メッセージなどの投稿時にメールを送信する場合と送信しない場合がある。
【0074】
第1の実施形態との違いは、顧客にメールを送信するか否かを、コメントの投稿かサブコメントの投稿か、で変更することである。これにより、第1の実施形態とは異なり、投稿する階層により、担当者がメール送信するか否かを固定し、誤って社内での相談をメールしてしまうことを防止する効果を得ることが可能である。詳細を以下に説明する。
【0075】
図7は、本発明の実施形態に係わるメッセージ一覧において、投稿に従ってメッセージが追加される状態の遷移の一例を示す図である。図7は、SNSユーザインタフェースにおいて、メッセージA(702)が投稿された状態(701)、メッセージA(702)に対するコメントA1(704)が投稿された状態(702)、コメントA1(704)に対するサブコメントA11(706)が投稿された状態(705)、を図示している。
【0076】
図8は、本発明の第2の実施形態に係わる投稿されたメッセージに対するコメントを投稿するGUIの一例を示す図である。第1の実施形態においては、図6で説明したように第1の実施形態においては、サブメッセージを作成した後に、そのメッセージをコミュニティに投稿するだけか、投稿と合わせてメール送信も行うか、を投稿者がボタンなどにより指定した。第2の実施形態においては、以下の通りとなる。
【0077】
メッセージに対して、コメントの投稿を使用とする場合には、図8のGUIのようになる。上部側は、図4図6の410と同じである。すなわち、メッセージAの内容がそのまま表示される。下部側の801には、コメントを入力するための欄(802)、コメントを投稿し、更にその内容をメールで送信するためのボタン(803)が表示される。SNSユーザは、802の入力欄にメッセージを入力する。メッセージAがメールから投稿されたものである場合には、前述の通り、コメントの投稿およびメールの送信が行われるが、メッセージAがSNSユーザインタフェースから投稿されたものである場合には、メールの送信は行われない(対応するメールアドレスがない)。その場合、803の“コメント&メール”ボタンの代わりに、後述する図9の904と同様の、“コメント”ボタンが表示され、投稿のみが可能であることを投稿者に分かりやすく提示してもよい。
【0078】
図9は、本発明の第2の実施形態に係わる投稿されたコメントに対するサブコメントを投稿するGUIの一例を示す図である。前述の運用例の説明の通り、サブコメントはコメントに対して1つ下位となるメッセージの投稿であり、また社内での打ち合わせであるため、メール送信は行わない(例え、メッセージにメールアドレスが対応していても送信しない)。
【0079】
図9の上部側の901は、投稿及び顧客に対する送信を行ったサブコメントである(図8の803と同じ内容)。それに対して、下部側902には、サブコメントの入力欄(903)と、入力したサブコメントを投稿するためのボタン(904)がある。
【0080】
図10は、本発明の第2の実施形態に係わるメッセージ、コメント、サブコメントの一覧を表示するGUIの一例を示す図である。前述の例にあるように、顧客からのメールによる投稿(メッセージA(1001)と、それに対する応答(コメントA1(1002):投稿およびメール送信)がある。更に、コメントA1に対する社内でのサブコメント(1003〜1004)がある。
【0081】
コメントA2は、ユーザの投稿が、メッセージAのコメントとして表示されている。コメントA1を投稿する担当者がメッセージAを選択したため(この時点でコメントA1はない)、メッセージAのIDをヘッダに付与して顧客にメール送信する。その返信である顧客からのメールのヘッダにも前記IDが付与されているため、メッセージAのサブメッセージであるコメントとして投稿される。これにより、コメントA1のサブコメント(社内での対応策の打ち合わせ)に、顧客からの返信メールであるコメントA2が紛れ込まないようにすることが可能である。
【0082】
逆に、内容としてはコメントA1(担当者から顧客へのメール)に対する返信であるため、コメントA1のサブコメントとする方が分かりやすければ、投稿されたばかりのコメントA1のIDをヘッダに付与して顧客に返信すればよい。
【0083】
また、不図示ではあるが、メッセージAのコメントとするか、コメントA1のサブコメントとするかを投稿者に選択させるように、SNSユーザインタフェースのコメント投稿時に指示可能としてもよい。
【0084】
最終的に、メッセージAに対する対応策が、社内担当者間で決定し、メッセージAに対しての投稿と顧客に対するメール送信を行った状態がコメントA3(1006)である。
【0085】
以上で図7から図10を用いて、第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる部分の説明を行った。次に、図11図12のフローチャートを用いて、コミュニティサーバにおける処理を説明する。基本的には、第1の実施形態と第2の実施形態とで処理が同じであるため、同じフローチャートを用いるが異なるのは次の2点である。まず1点目は、SNSユーザインタフェースにおいて、3階層目(またはサブコメント)に対する投稿が可能か否か、が異なる。2点目としては、サブコメント(3階層目)の投稿時に、メールアドレスがコメント(2階層目)に設定されていなければ、第1階層まで確認するか否か、が異なる。これら2点の違いは、フローチャートの説明の中では特に述べない。
【0086】
図11は、本発明の実施形態に係わるメールからの投稿処理の一例を示すフローチャートである。図11の各ステップは、コミュニティサーバ101のCPU201によって実行される。
【0087】
S1101においては、コミュニティサーバにおけるコミュニティの処理を終了する命令がされたか否かをチェックする。終了命令がない場合(NO)にはS1102に進む。終了命令がある場合(YES)には、終了する。
S1102においては、メールの受信を確認する。
【0088】
S1103においては、S1102の確認においてメールが受信されたか否かを判定する。メールの受信がある場合(YES)には、S1104に進む。ない場合(NO)には、S1101に進む。
【0089】
S1104においては、受信したメールデータの所定位置(例えばヘッダの送信者名に対応する位置)に本発明の実施形態で指定された形式のIDが付与されているか解析する。
【0090】
S1105においては、IDが含まれているか否かを判定する。含まれていない場合(NO)には、S1106に進む。含まれている場合(YES)には、S1108に進む。
【0091】
S1106においては、メールデータとして投稿されたメッセージをルートメッセージと見なす。すなわち、他のメッセージの下位となるメッセージではなく新規メッセージとしてIDを発行する(ID発行部)。
【0092】
S1107においては、メールデータとして投稿されたメッセージを、送信元のメールアドレスおよびS1106において発行されたIDを対応付けて、ルートメッセージとして投稿する。
【0093】
S1108においては、IDがフォーラムにおいて既存のものか否かを判定する。既存のIDではない場合(NO)には、S1109に進む。既存のIDである場合(YES)の場合には、S1110に進む。
【0094】
S1109においては、存在していないIDが付与されたメッセージのメールからの投稿を、えらーとみなし、メール送信元に対してその旨を通知する。
【0095】
S1110においては、メールデータをIDに対応したメッセージのサブメッセージとして投稿する。この場合に置いて、本メッセージに対応するIDを新たに発行する(ID発行部)。
以上により、図11のフローチャートの説明を完了する。
【0096】
図12は、本発明の実施形態に係わるSNSユーザインタフェースからの投稿処理の一例を示すフローチャートである。図12の各ステップは、コミュニティサーバ101のCPU201によって実行される。
【0097】
S1201においては、コミュニティサーバにおけるコミュニティの処理を終了する命令がされたか否かをチェックする。終了命令がない場合(NO)にはS1202に進む。終了命令がある場合(YES)には、終了する。
【0098】
S1202においては、SNSユーザインタフェースからのメッセージの投稿有無を確認する。
【0099】
S1203においては、S1202の確認において投稿があるか否かを判定する。投稿がある場合(YES)には、S1204に進む。ない場合(NO)には、S1201に進む。
【0100】
S1204においては、投稿されたメッセージの所定位置(例えばヘッダの指定されたタグの位置)に本発明の実施形態で指定された形式のIDが付与されているか解析する。
【0101】
S1205においては、IDが含まれているか否かを判定する。含まれていない場合(NO)には、S1206に進む。含まれている場合(YES)には、S1208に進む。
【0102】
S1206においては、投稿されたメッセージをルートメッセージと見なす。すなわち、他のメッセージの下位となるメッセージではなく新規メッセージとしてIDを発行する(ID発行部)。
【0103】
S1207においては、投稿されたメッセージを、S1206において発行されたIDを対応付けて、ルートメッセージとして投稿する。
【0104】
S1208においては、メッセージをIDに対応したメッセージのサブメッセージとして投稿する。この場合に置いて、本メッセージに対応するIDを新たに発行する(ID発行部)。
【0105】
S1209においては、このメッセージをメール送信するように指定されているか否かを判定する(メール送信指定判定部)。前述の運用例では、担当者から顧客にメールを送信する場合に対応する。送信すると指定されている場合(YES)には、S1210に進む。送信すると指定されていない場合(NO)には、S1201に進む。送信する/しないを具体的に説明すると、第1の実施形態における図6のメッセージボタン(603)を押下するか、メッセージ&メールボタン(604)を押下するか、による。また、第2の実施形態におけるメッセージに対するコメントの投稿か、コメントに対するサブコメントの投稿か、等による。その他、前述しているように、不図示ではあるがユーザが明示的に選択できる場合、など各方法による指定を含むものとする。
【0106】
S1210においては、対応するIDに基づき、上位のメッセージを辿り、メールアドレスを取得する。第2の実施例においては、コメントを投稿した際に、上位であるメッセージにメールアドレスがある場合である。また、第1の実施例においても上位のメッセージにメールアドレスがある場合であるが、1つ上位のメッセージにメールアドレスがない場合に、更に上位を辿るかは設計または設定による。
【0107】
S1211においては、前記S1210においてメールアドレスを取得した場合に、S1208において投稿したメッセージをメールとして、前記メールアドレスに送信する。
以上により、図12のフローチャートの説明を完了する。
【0108】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0109】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0110】
また、本発明におけるプログラムは、図11図12に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図11図12の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図11図12の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0111】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0112】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0113】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0114】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0115】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0116】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。 さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0117】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0118】
101 コミュニティサーバ
102 クライアント端末
103 メールサーバ
104 Webメールサーバ
105 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12