特許第6057072号(P6057072)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6057072
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】光源装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20161226BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20161226BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20161226BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20161226BHJP
【FI】
   G03F7/20 501
   F21S2/00 330
   F21V23/00 140
   F21Y101:00
【請求項の数】2
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-60666(P2013-60666)
(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2014-186146(P2014-186146A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2015年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松島 竹夫
【審査官】 佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−025613(JP,A)
【文献】 特開2008−047887(JP,A)
【文献】 特開2013−041132(JP,A)
【文献】 特許第3159968(JP,B2)
【文献】 特開2009−253167(JP,A)
【文献】 特開2006−019412(JP,A)
【文献】 特開2008−164729(JP,A)
【文献】 特開2004−336949(JP,A)
【文献】 特開2006−228794(JP,A)
【文献】 特開2004−102132(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00 − 9/90 、
F21S 2/00 −19/00 、
F21V23/00 −37/00 、99/00 、
G03B21/00 −21/10 、21/12 −21/13 、
21/134−21/30 、33/00 −33/16 、
G03F 7/20 − 7/24 、 9/00 − 9/02 、
H01L21/027、21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被照射物に対して光を照射する光源装置であって、
第1発光部及び第2発光部を含む光源と
前記第1発光部及び前記第2発光部に対して各別に光量調整可能な制御部と、
ロッドインテグレータを複数備えてなるロッドインテグレータ群と、
前記ロッドインテグレータ群からの出射光が入射されるレンズアレイインテグレータを有し、
前記ロッドインテグレータ群は、第1ロッドインテグレータと、前記第1ロッドインテグレータの外周を取り囲むように形成された第2ロッドインテグレータを含み、
前記第1ロッドインテグレータは、前記第1発光部から出射された光を取り込んで前記レンズアレイインテグレータの第1領域に対して光を照射し、
前記第2ロッドインテグレータは、前記第2発光部から出射された光を取り込んで前記レンズアレイインテグレータの前記第1領域とは異なる第2領域に対して光を照射する構成であり、
前記第2ロッドインテグレータは、前記第1ロッドインテグレータの同心軸上に形成されており、
前記第1ロッドインテグレータは、柱形状であり、
前記第2ロッドインテグレータは、環柱形状であることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記第1ロッドインテグレータは、円柱又は楕円柱形状であり、
前記第2ロッドインテグレータは、円環柱又は楕円環柱形状であることを特徴とする請求項に記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置及びこれを備えた露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光を用いた微細加工に露光装置が利用されている。近年では、露光技術は種々の分野で展開されており、微細加工の中でも比較的大きなパターンの作製や3次元的な微細加工に利用されている。より具体的には、例えばLEDの電極パターンの作製や、加速度センサーに代表されるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の製造工程などに露光技術が利用されている。
【0003】
これらの露光技術において、光源としては、以前から輝度の高い放電ランプが用いられていた。例えば、下記特許文献1には、光源に紫外線を放射するランプを具備し、視角調整機構としてアパーチャを用いた光照射器が開示されている。従来は、照射面の視角を制御するために、テレセントリック光学系の瞳位置にアパーチャを設け、その径を変えることによって実現していた。
【0004】
また、近年の固体光源技術の進歩に伴い、複数のLEDをマトリックス配置したものを光源として利用することが検討されている。例えば下記特許文献2には、複数の紫外LED素子からなる固体光源ユニットを光源とし、この光源とマスクの間に配置された照明光学系にフライアイレンズ(レンズアレイインテグレータの一種)が配置された露光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−164729号公報
【特許文献2】特開2004−335949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
露光装置によって被照射物に対して照射する際、被照射物に対して照射される光の視角を要求に応じて調整する必要がある。視角を小さくすると、焦点深度が深くなるため、精度良い露光が可能になる反面、一度に取り込める光量が少なくなるので処理時間がかかることになる。逆に、視角を大きくすると、焦点深度が浅くなるため高精度の処理には不向きだが、一度に取り込める光量が多くなるので、短時間での処理が可能となる。このように、露光装置においては、要求される精度と処理時間のバランスに応じて、被照射物にして照射される光の視角が調整される。
【0007】
特許文献1の技術では、この視角の調整にアパーチャを用いている。アパーチャの径を調整したり、径や形の異なる他のアパーチャと交換したりすることで、レンズアレイインテグレータから出射する光の一部をアパーチャの径に応じて遮蔽して、視角を調整することができる。
【0008】
しかし、この方法によれば、要求される視角に応じて、その都度アパーチャの径を調整し、又は適したアパーチャに交換するという作業が必要となり、処理に時間を要するという課題がある。また、交換のためには複数種類のアパーチャを予め準備しておく必要があるため、その管理も煩雑化するという課題がある。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑み、アパーチャを用いることなく、光照射面での視角制御が可能な光源装置を提供することを目的とする。また、本発明は、このような光源装置を用いた露光装置を提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、被照射物に対して光を照射する光源装置であって、
第1発光部及び第2発光部を含む光源と
前記第1発光部及び前記第2発光部に対して各別に光量調整可能な制御部と、
ロッドインテグレータを複数備えてなるロッドインテグレータ群と、
前記ロッドインテグレータ群からの出射光が入射されるレンズアレイインテグレータを有し、
前記ロッドインテグレータ群は、第1ロッドインテグレータと、前記第1ロッドインテグレータの外周を取り囲むように形成された第2ロッドインテグレータを含み、
前記第1ロッドインテグレータは、前記第1発光部から出射された光を取り込んで前記レンズアレイインテグレータの第1領域に対して光を照射し、
前記第2ロッドインテグレータは、前記第2発光部から出射された光を取り込んで前記レンズアレイインテグレータの前記第1領域とは異なる第2領域に対して光を照射する構成であることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、第1ロッドインテグレータの出射面からの出射光量と、第2ロッドインテグレータの出射面からの出射光量は、それぞれ制御部によって各別に制御が可能な構成である。そして、第1ロッドインテグレータから出射される光は、照度が均一な状態でレンズアレイインテグレータの第1領域に照射され、同様に、第2ロッドインテグレータから出射される光は、照度が均一な状態でレンズアレイインテグレータの第2領域に照射される。
【0012】
つまり、レンズアレイインテグレータの入射面上の異なる領域毎に、同一領域内の照度を均一に保ったまま、照射光量の調整を行うことができる。
【0013】
ここで、第2ロッドインテグレータは、第1ロッドインテグレータの外周を取り囲むように形成されている。これにより、第2ロッドインテグレータからの出射光が照射されるレンズアレイインテグレータ上の第2領域は、第1ロッドインテグレータからの出射光が照射されるレンズアレイインテグレータ上の第1領域の外側に位置される。つまり、レンズアレイインテグレータの光入射面の内側と外側において、各領域内の照度を一定にしつつ、その照射光量を調整することができる。
【0014】
従って、例えば制御部において、第2光源部からの光量をほぼゼロとし、第1光源部からのみ光を出力する構成としたとき、実質的には、レンズアレイインテグレータ上の第1領域にのみ光が入射され、その外側である第2領域に光が入射されない構成とすることができる。すなわち、内側の光を通過させ、その外側の光を遮蔽するアパーチャと同様の機能が実現できる。
【0015】
これにより、本光源装置を露光装置として使用した場合において、アパーチャの径を調整したり、アパーチャを交換したりすることなく、制御部によって各光源部の光量を調整することによって、被照射物にして照射される光の視角の調整が可能となる。
【0016】
また、アパーチャを利用して視角の調整を行う構成の場合には、光源から放射される光をアパーチャによって一部遮ることとなるため、光の利用効率が低いという課題もあった。これに対し、本発明の構成であれば、視角を小さくするために例えば第2発光部からの発光光量をゼロにすることができるので、光の利用効率を向上させることができるという効果もある。
【0017】
また、上記構成では、レンズアレイインテグレータに入射する前段で、光源からの出射光をいったんロッドインテグレータに入射させる構成としている。これにより、入射した光の重ね合わせが行われる。
【0018】
光源から放射される光はある広がり角を持っており、その角度成分ごとにロッドインテグレータの内面で多重反射され、ロッドインテグレータの光の出射面上では複数の点に光が到達する。複数の固体光源素子が配置された光源を用いる場合、各素子から放射される光の到達位置は、各素子の配置されている位置によって異なり、これらを重ね合わせることで均一化がなされる。この結果、ロッドインテグレータから出射する光は、光源における明暗のパターンが均一化されたものとなり、各固体光源素子の配置パターンが反映されなくなる。
【0019】
そして、ロッドインテグレータから出射した光は、各固体光源素子の配置パターンが反映されずに、レンズアレイインテグレータの光入射面に入射される。レンズアレイインテグレータの各レンズの入射面の照度が均一になっているので、レンズアレイインテグレータからの出射光が照射される被照射物の照射面上においても照度は均一になる。
【0020】
よって、光源を構成する複数の固体光源素子の配置パターンが反映されることなく、照度分布を均一化した光をレンズアレイインテグレータから対象物に照射することができる。
【0021】
特に、第1発光部及び第2発光部が複数のLEDで構成されている場合には、上記の効果が顕著に現れる。
【0022】
すなわち、LEDを複数配置する場合、各LEDに電流を供給するための信号線やスイッチング素子などの周辺回路が必要となるため、LEDを隙間なく並べることができない。このため、離間を有して並べられた複数のLEDからの出射光は、照射面においてLEDの配置パターンを反映した照度分布を示す。
【0023】
このように、LEDの配置パターンが反映された状態の光を、そのままレンズアレイインテグレータの光の入射面に入射させると、レンズアレイインテグレータの個々のレンズ内にこのパターンが反映されてしまう。この結果、照射対象物たるワーク面(光の照射面)で十分な均一性(ユニフォミティ)を確保することができなくなる。
【0024】
しかし、上述したように、本構成によれば、レンズアレイインテグレータに入射する前段で、光源からの出射光をいったんロッドインテグレータに入射させる構成としたので、レンズアレイインテグレータからの出射光が照射される被照射物の照射面上においても、LEDの配置パターンが反映されることなく照度が均一化される。
【0025】
なお、上記構成において、前記第2ロッドインテグレータを、前記第1ロッドインテグレータの同心軸上に形成するものとしても構わない。
【0026】
更には、前記第1ロッドインテグレータを円柱又は楕円柱形状で形成し、
前記第2ロッドインテグレータを円環柱又は楕円環柱形状で形成するものとしても構わない。
【0027】
ロッドインテグレータ群は、第1ロッドインテグレータを取り囲む環状の第2ロッドインテグレータを複数備える構成としても構わない。この場合、各第2ロッドインテグレータに対して光を入射させるための第2発光部を、第2ロッドインテグレータの数に対応させて備える。
【0028】
つまり、前記光源は、複数の前記第2発光部を備え、
前記制御部は、複数の前記第2発光部のそれぞれに対して、各別に光量調整可能な構成であり、
前記ロッドインテグレータ群は、それぞれが前記第1ロッドインテグレータの外周を取り囲むように形成された複数の前記第2ロッドインテグレータを備え、
複数の前記第2ロッドインテグレータのそれぞれは、異なった前記第2発光部から出射された光を取り込んで、異なった前記第2領域に対して光を照射する構成であることを別の特徴とする。
【0029】
なお、この場合には、レンズアレイインテグレータの光入射面上において、複数の第2ロッドインテグレータそれぞれの出射光が照射される各第2領域のそれぞれは、レンズアレイインテグレータの光入射面上において、第1ロッドインテグレータからの光が照射される第1領域の外側に位置される。つまり、第1領域の外側に、一の第2領域が形成され、その外側に別の第2領域が形成され、以下、第2ロッドインテグレータの数に応じた数だけその外側に別の第2領域が形成される構成となる。これによって、レンズアレイインテグレータの光入射面の内側と外側において、各領域内の照度を維持しつつ、その照射光量を細かく調整することができる。
【0030】
この構成とした場合、複数の第2ロッドインテグレータから出射される光は、それぞれ照度が均一な状態で、レンズアレイインテグレータの異なる第2領域に照射される。つまり、照射光量の調整が可能な領域数を増加させることができる。これにより、レンズアレイインテグレータに入射される光量をより細かく調整することができる。すなわち、実質的には、多段階でアパーチャの径を調整するのと同様の機能が実現でき、これによって被照射物に照射される光の視角を細かく調整できる。
【0031】
更に、ロッドインテグレータ群の光の出射面にレンズアレイインテグレータの光の入射面を連接させる構成としても構わない。
【0032】
ロッドインテグレータ群の光の出射面からの出射光は、ロッドインテグレータに対して入射された光の広がり角が維持される。例えば、第1発光部及び第2発光部としてLEDなどのような出射光に一定の広がり角度を有する固体光源素子を用いた場合、ロッドインテグレータからの出射光も、広がり角度を有したものとなる。従って、ロッドインテグレータ群とレンズアレイインテグレータの間隔が広い場合、ロッドインテグレータからの出射光に含まれる一部の光束がレンズアレイインテグレータに取り込めないことが起こり得る。
【0033】
そこで、ロッドインテグレータ群の光の出射面にレンズアレイインテグレータの光の入射面を連接させる構成とすることで、ロッドインテグレータからの出射光をほとんど全てレンズアレイインテグレータに取り込ませることが可能となる。これにより、光の利用効率が高められる。
【0034】
また、光源からの出射光をロッドインテグレータ群の光の入射面に結像させる第1光学部材を備える構成としても構わない。このとき、第1光学部材は、凸レンズなどの光学部材を介して入射する構成を採用することができる。
【0035】
このような構成とすることで、光源からの出射光をロッドインテグレータ群の光の入射面に集光(結像)させることができる。
【0036】
また、光源の出射面にロッドインテグレータ群の光の入射面を連接させる構成としても構わない。
【0037】
このような構成とした場合、光源からの出射光を高効率でロッドインテグレータ群の光の入射面に入射させることができる。
【0038】
また、ロッドインテグレータ群から出射された光をレンズアレイインテグレータの光の入射面に結像させる第2光学部材を備える構成としても構わない。このとき、第2光学部材は、凸レンズなどの光学部材を介して入射する構成を採用することができる。
【0039】
このような構成とした場合においても、ロッドインテグレータ群からの出射光をレンズアレイインテグレータの光の入射面に集光させることができ、ロッドインテグレータ群からの出射光をほとんど全てレンズアレイインテグレータに取り込ませることが可能となる。
【0040】
また、上記の特徴を有した光源装置と、インテグレータの照射面からの光をマスクに照射してマスクのパターン像を感光性基板上に投影する投影光学系を有する露光装置によって、アパーチャを用いることなく視角調整が可能な露光装置が実現される。
【発明の効果】
【0041】
本発明の光源装置によれば、制御部によって各光源部の光量を調整することによって、アパーチャを用いることなく、光照射面での視角制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】光源装置の光学系の構成を示す模式図である。
図2】光源装置の光学系の構成を示す模式図である。
図3】光源の構成を示す模式図である。
図4】レンズアレイインテグレータの光入射面を示す模式図である。
図5】光源から被照射物までの光路を模式的に示した図である。
図6】光源から被照射物までの光路を模式的に示した図である。
図7】被照射物の照射面の任意の位置に入射される光の視角と強度の関係を示す図である。
図8】光源装置の光学系の別構成を示す模式図である。
図9】光源装置の光学系の別構成を示す模式図である。
図10】光源装置の光学系の別構成を示す模式図である。
図11】光源装置の光学系の別構成を示す模式図である。
図12】光源装置の光学系の別構成を示す模式図である。
図13】光源装置の光学系の別構成を示す模式図である。
図14】露光装置の光学系の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の光源装置につき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
【0044】
図1及び図2は、光源装置の光学系の構成を示す模式図である。光源装置1は、光源11、ロッドインテグレータ群13、及びレンズアレイインテグレータ15を備える。図2は、図1の構成を詳細に示したものである。
【0045】
光源11から出射された光はロッドインテグレータ群13に入射される。そして、ロッドインテグレータ群13は、レンズアレイインテグレータ15の光入射面15sにこの光を照射する。
【0046】
なお、レンズアレイインテグレータ15の後段(光源11と反対側)には、光源11からの光を照射させる被照射物(図1において不図示)が設置される。この被照射物とレンズアレイインテグレータ15の間には、必要に応じて投影レンズなどの光学系を設置してもよい。
【0047】
光源11は、複数の発光部(本実施形態では「LED素子」とする。)を備える。図3は、光源11の構成を示す模式図である。光源11は、基板10上に複数のLED素子21が配列されて構成されている。複数のLED素子21は、領域別に発光部31,発光部32a,発光部32b,発光部32cを構成している。なお、発光部31が「第1発光部」に対応し、発光部32a,発光部32b,発光部32cを含む発光部32が「第2発光部」に対応する。
【0048】
制御部17は、光源11を構成する各発光部(31,32)の光量の調整を行う。より具体的には、各発光部31,32a,32b,32cに対して、各発光部単位でそれぞれ光量の調整を行うことができる。例えば、制御部17は、発光部31からの光量のみを増加させたり、発光部32cからの光量のみを減少させたりすることが可能である。つまり、同一発光部を構成している複数のLED素子21に対しては、共通の光量制御が行われるものとして構わない。
【0049】
ロッドインテグレータ群13は、複数のロッドインテグレータ(2,3a,3b,3c)を備える。なお、ロッドインテグレータ2が「第1ロッドインテグレータ」に対応し、ロッドインテグレータ3a,ロッドインテグレータ3b,ロッドインテグレータ3cを含むロッドインテグレータ3が「第2ロッドインテグレータ」に対応する。
【0050】
各ロッドインテグレータ(2,3a,3b,3c)は、ガラス部材又は内面にミラーを有する筒型部材で構成され、入射面に入射した光が内部にて反射を繰り返し、反射光が重ね合わせられることで、入射光の配向分布を維持しながら出射面における光の照度分布を均一化する機能を有する。
【0051】
より詳細には、ロッドインテグレータ2を、円柱型のガラス部材で構成し、その外周に位置する各ロッドインテグレータ3a,3b,3cを、円環柱型のガラス部材で構成することで、ロッドインテグレータ群13を形成することができる。
【0052】
また、別の例としては、ロッドインテグレータ2を、内面にミラーを形成した円筒型の部材で構成し、その外周に位置する各ロッドインテグレータ3a,3b,3cも、内面にミラーを形成した円環筒型の部材で構成することで、ロッドインテグレータ群13を形成することができる。
【0053】
本実施形態では、ロッドインテグレータ2が円柱形状を示し、各ロッドインテグレータ3が、ロッドインテグレータ2の外周を取り囲むように、ロッドインテグレータ2と同心軸上の円環柱状を示す構成としている。より詳細には、ロッドインテグレータ3aが、ロッドインテグレータ2の外周を取り囲むような円環柱状で構成され、ロッドインテグレータ3bが、更にロッドインテグレータ3aの外周を取り囲むような円環柱状で構成され、ロッドインテグレータ3cが、更にロッドインテグレータ3bの外周を取り囲むような円環柱状で構成される。
【0054】
ただし、ロッドインテグレータ2は、矩形柱状又は多角形柱状でも構わないし、楕円柱状でも構わない。この場合、各ロッドインテグレータ3は、ロッドインテグレータ2の形状に応じた形状の環柱状としてよい。
【0055】
各ロッドインテグレータ(2,3)は、入射された光の出射面での照度を均一化する機能を有する。また、各ロッドインテグレータ(2,3)は、光が入射される入射元の発光部(31,32)が異なる。
【0056】
すなわち、本実施形態の構成では、ロッドインテグレータ2は、発光部31から出射された光が取り込まれ、出射面2z上での照度が均一化される(図2及び図3参照)。ロッドインテグレータ3aは、発光部32aから出射された光が取り込まれ、出射面3azでの照度が均一化される。ロッドインテグレータ3bは、発光部32bから出射された光が取り込まれ、出射面3bzでの照度が均一化される。ロッドインテグレータ3cは、発光部32cから出射された光が取り込まれ、出射面3czでの照度が均一化される。
【0057】
更に、各ロッドインテグレータ(2,3)は、それぞれが異なる領域に対して光を照射する。図4は、レンズアレイインテグレータ15の光入射面15sを模式的に示したものである。この図4を参照して説明する。
【0058】
ロッドインテグレータ2からの出射光は、レンズアレイインテグレータ15の光入射面15sの領域5に照射される。ロッドインテグレータ3aからの出射光は、レンズアレイインテグレータ15の光入射面15sの領域6aに照射される。ロッドインテグレータ3bからの出射光は、レンズアレイインテグレータ15の光入射面15sの領域6bに照射される。ロッドインテグレータ3cからの出射光は、レンズアレイインテグレータ15の光入射面15sの領域6cに照射される。なお、領域5が「第1領域」に対応し、領域6a,領域6b,領域6cを含む領域6が「第2領域」に対応する。
【0059】
レンズアレイインテグレータ15は、複数のレンズ22を有して構成され、それぞれのレンズ22の入射面に入射した光の照度分布を照射面で重ね合わせることで、照度分布を均一化する機能を有する。すなわち、レンズアレイインテグレータ15は、各ロッドインテグレータ(2,3a,3b,3c)から、照度が均一化された出射光が入射され、レンズアレイインテグレータ15の後段の被照射物の照射面に照度分布が均一化された光を照射する。
【0060】
つまり、光源装置1によれば、制御部17によって各発光部(31,32)の光量を調整することで、各ロッドインテグレータ(2,3)への入射光量を各別に調整できる。そして、これにより、レンズアレイインテグレータ15の光入射面毎の領域(5,6)別に入射される光量が調整できる。
【0061】
図4に示すように、領域6は領域5の外側に位置している。更に領域6内において、領域6bは領域6aの外側に位置しており、領域6cは領域6bの外側に位置している。つまり、外側に位置する領域に光を入射するロッドインテグレータに対応した発光部の光量を、その内側に位置する領域に入射される光の光量よりも減少させるか又はほぼゼロにすることで、実質的にレンズアレイインテグレータ15の外側に位置する領域から出射する光量を減少又はゼロにすることができる。
【0062】
より具体的には、制御部17によって、発光部31及び発光部32aからの光量と比較して、発光部32b及び発光部32cからの光量を大幅に減少した場合について説明する。ここでは、発光部32b及び発光部32cからの光量をゼロとして説明する。この場合、光源11からの光は、ロッドインテグレータ2及び3aにのみ入射され、その外側に位置するロッドインテグレータ3b及び3cには光が入射されない。
【0063】
このため、レンズアレイインテグレータ15の光入射面15sにおいても、領域5及6aにのみ光が入射され、その外側に位置する領域6b及び6cには光が入射されない。この結果、レンズアレイインテグレータ15のうち、内側に位置する領域5及6aにのみ取り込まれた光が、後段の被照射物に対して照射されることになる。
【0064】
つまり、制御部17によって、発光させる各発光部(31,32)を調整することで、レンズアレイインテグレータ15に入射される光の光束の径を変えることができる。これは、実質的に外側の光を遮蔽して内側の光のみを通過させるアパーチャと同等の機能を実現できていることを意味する。
【0065】
図5及び図6は、上記の内容をより詳細に説明するための模式図である。ここでは、レンズアレイインテグレータ15からの出射光が、光学系25を介して被照射物26の照射面に投影される場合を想定する。
【0066】
なお、説明の簡単化のために、光源11は、発光部31、発光部32a及び発光部32bを備える構成とする。すなわち、図3において、光源11は発光部32cを備えず、発光部32bが最も外側に位置する発光部であるものとして説明する。同様に、ロッドインテグレータ群13は、ロッドインテグレータ2、ロッドインテグレータ3a、及びロッドインテグレータ3bを備える構成とする。また、レンズアレイインテグレータ15の光入射面15sは、内側から外側に向かって領域5、領域6a及び領域6bに分割されるものとして説明する。
【0067】
図5(a)及び図6(a)は、制御部17によって、発光部31、発光部32a及び発光部32bを全て点灯させた場合の光路図に対応する。一方、図5(b)及び図6(b)は、制御部17によって、内側の発光部31及び発光部32aを点灯し、その外側の発光部32bを消灯させた場合の光路図に対応する。
【0068】
なお、図5(a)及び図5(b)は、レンズアレイインテグレータ15の後段については、レンズアレイインテグレータ15を構成する各レンズ22の光の入射面の中央部に入射された光の光路を示している。一方、図6(a)及び図6(b)は、図5において、レンズアレイインテグレータ15の後段に関し、レンズアレイインテグレータ15を構成する各レンズ22の光の入射面の端部に入射された光の光路を示している。
【0069】
図5(a)及び図6(a)について説明する。発光部31からの出射光は、ロッドインテグレータ2に入射され、照度が均一化された光が出射される。ロッドインテグレータ2からの出射光は、レンズアレイインテグレータ15の領域5に入射される。より詳細には、当該領域5内のレンズに入射される。レンズアレイインテグレータ15の領域5の光出射面から出射された光41は、光学系25を介して被照射物26の照射面に結像する。
【0070】
図5(a)では、上述したように、レンズアレイインテグレータ15を構成する各レンズの光の入射面の中央部に入射された光の光路が示されているため、この光は、被照射物26の照射面のうち、光軸付近の集光位置26pに集光する。なお、レンズアレイインテグレータ15を構成する各レンズの光の入射面の端部に入射された光は、図6(a)に示すように、光軸から離れた集光位置26qに集光する。
【0071】
同様に、発光部32aからの出射光は、ロッドインテグレータ3aに入射され、この出射光はレンズアレイインテグレータ15の領域6a内のレンズに入射される。レンズアレイインテグレータ15の領域6aの光出射面から出射された光42は、光学系25を介して被照射物26の照射面に結像する。
【0072】
発光部32bからの出射光は、ロッドインテグレータ3bに入射され、この出射光はレンズアレイインテグレータ15の領域6b内のレンズに入射される。レンズアレイインテグレータ15の領域6bの光出射面から出射された光43は、光学系25を介して被照射物26の照射面に結像する。
【0073】
これに対し、図5(b)及び図6(b)の場合、制御部17によって発光部32bが消灯されているため、ロッドインテグレータ3bに入射される光が存在しない。よって、レンズアレイインテグレータ15の領域6b内のレンズに入射される光が存在せず、レンズアレイインテグレータ15の領域6bの光出射面からは光43が出射されない。
【0074】
これにより、図5(a)及び図5(b)の比較、並びに図6(a)及び図6(b)の比較により、図5(b)及び図6(b)の構成の方が、図5(a)及び図5(b)よりも被照射物26の被照射面上における光の視角を狭くできていることが分かる。
【0075】
図7は、図5における被照射物26の照射面の任意の位置に入射される光の視角と強度の関係を示す図である。図7(a)が、発光部31、発光部32a及び発光部32bを全て点灯させた場合(図5(a)及び図6(a))に、図7(b)が、内側の発光部31及び発光部32aを点灯し、その外側の発光部32bを消灯させた場合(図5(b)及び図6(b))にそれぞれ対応している。
【0076】
図7(a)及び図7(b)を比較しても、発光部31、発光部32a及び発光部32bを全て点灯させた図7(a)に比べて、発光部32bを消灯させた図7(b)の方が、視角が制限されていることが分かる。
【0077】
以上により、制御部17によって、発光させる各発光部(31,32)を調整することで、被照射物26の照射面に対して入射される光の視角を調整できることが分かる。
【0078】
[別構成例]
光源装置の別構成につき、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各別構成例は、適宜組み合わされても構わない。
【0079】
(1) 図8に示す光源装置1aのように、ロッドインテグレータ群13の光の出射面にレンズアレイインテグレータ15の光の入射面15sを連接させる構成としても構わない。以下の別構成においても同様とする。
【0080】
ロッドインテグレータ群13を構成する各ロッドインテグレータは、入射光が持つ角度成分を維持するため、ロッドインテグレータ群13からの出射光は広がり角度を有したものとなる。光源装置1aの構成とすることで、ロッドインテグレータ群13からの出射光をほとんど全てレンズアレイインテグレータ15に取り込ませることが可能となる。これにより、光源11からの出射光を効率的にレンズアレイインテグレータ15に入射させることができる。
【0081】
なお、ここでいう「連接」とは、レンズアレイインテグレータ15の光の入射面のレンズの頂上とロッドインテグレータ群13の光の出射面が完全に接触している場合は当然のこと、レンズアレイインテグレータ15の光の入射面にロッドインテグレータ群13の光の出射面が覆いかぶさる配置でもよい。また、ロッドインテグレータ群13の最大外径がレンズアレイインテグレータ15の最大外径と比較して小径となる場合、両者の間隔がその径の差程度である場合も含むものとする。
【0082】
(2) 図9に示す光源装置1bのように、光源11とロッドインテグレータ群13の間に光学部材51を備え、この光学部材51を介して、光源11からの出射光をロッドインテグレータ群13の入射面13sに結像させる構成としても構わない。この光学部材51は「第1光学部材」に対応する。
【0083】
これにより、光源11からの出射光をロッドインテグレータ群13の光の入射面13sに集光させることができる。
【0084】
(3) 図10に示す光学装置1cのように、光源11と光学部材51の間に更に凸レンズ52を備える構成としても構わない。
【0085】
凸レンズ52は、その光学部材51側の焦点位置が、光学部材51の光源11側の焦点位置と一致するような位置に配置される。またロッドインテグレータ群13の光の入射面13sは、光学部材51によって凸レンズ52の出射面近傍が投影される位置に配置される。更に図示しないが、光源11からの光をコリメートする光学系を凸レンズ52の前段に追加した構成としても構わない。
【0086】
この構成では、光源11からの出射光は、いったん凸レンズ52において、当該凸レンズ52の光学部材51側の焦点位置に集光された後、光学部材51に入射する。凸レンズ52近傍からの光は光学部材51によってロッドインテグレータ群13の光の入射面13sに結像される。これにより、別構成(2)と同様に、光源11からの出射光をロッドインテグレータ群13の光の入射面13sに集光できる。
【0087】
なお、ここで「焦点位置の一致」とは、焦点位置同士が完全に一致する場合の他、いくらかのずれを有する場合を含む概念である。ここで使用されるレンズは概ね球面レンズでよく、球面レンズには球面収差が存在する。凸レンズ52の焦点位置とはレンズの周縁部を通る光が作るビームのウエスト位置とする。光学部材51の凸レンズ52側の焦点位置は光軸方向にウエスト径の±10%に相当する距離の範囲にあることが好ましい。
【0088】
また、図10では、一の凸レンズ52を介して光源11からの出射光が光学部材51に入射される構成であるが、複数のレンズを介して光学部材51に入射されるものとしても構わない。
【0089】
(4) 図11に示す光学装置1dのように、光源11の光出射面にロッドインテグレータ群13の光の入射面13sを連接させる構成としても構わない。
【0090】
光源11を構成する各発光部(31,32)が、複数のLED素子で構成されている場合、LED素子からの出射光は広がり角度を有するため、各発光部(31,32)とロッドインテグレータ群13の光の入射面13sの距離を一定以上空けると、出射光のうちの一部はロッドインテグレータ群13に取り込めなくなってしまう。図11に示す構成とすることで、光源11からの出射光をロッドインテグレータ群13の光の入射面13sに高効率で入射させることができる。
【0091】
(5) 図12に示す光学装置1eのように、ロッドインテグレータ群13とレンズアレイインテグレータ15の間に光学部材53を備え、この光学部材53をロッドインテグレータ群13からの出射光をレンズアレイインテグレータ15の光の入射面15sに結像させるように配置させる構成としても構わない。この光学部材53は「第2光学部材」に対応する。
【0092】
これにより、ロッドインテグレータ群13からの出射光をレンズアレイインテグレータ15の光の入射面15sに集光させることができ、ロッドインテグレータ群13からの出射光をほとんど全てレンズアレイインテグレータ15に取り込ませることが可能となる。
【0093】
(6) 図13に示す光学装置1fのように、ロッドインテグレータ群13と光学部材53の間に更に凸レンズ54を備える構成としても構わない。
【0094】
凸レンズ54は、その光学部材53側の焦点位置が、光学部材53の光源11側の焦点位置と一致するような位置に配置される。またレンズアレイインテグレータ15の光の入射面15sは光学部材53によって凸レンズ54の出射面近傍が投影される位置に配置される。更に図示しないが、光源11からの光をコリメートする光学系をロッドインテグレータ群13の前段に追加した構成としても構わない。
【0095】
この構成では、ロッドインテグレータ群13からの出射光は、いったん凸レンズ54において当該凸レンズ54の光学部材53側の焦点位置に集光された後、光学部材53に入射する。凸レンズ54近傍からの光は光学部材53によってレンズアレイインテグレータ15の光の入射面15sに結像される。この場合も、ロッドインテグレータ群13からの出射光をほとんど全てレンズアレイインテグレータ15に取り込ませることが可能となる。
【0096】
なお、図13は、一の凸レンズ54を介してロッドインテグレータ群13からの出射光が光学部材53に入射される構成であるが、複数のレンズを介して光学部材53に入射されるものとしても構わない。
【0097】
[レンズアレイインテグレータの後段]
図14は、光源装置1を含む露光装置80の光学系の構成を示す模式図である。レンズアレイインテグレータ15の後段に、投影光学系60としての照射レンズ61、マスク62を備え、必要に応じて投影レンズ63を備える。照射レンズ61の照射位置にマスク62を設置し、マスク62の後段にマスク62のパターン像を焼き付ける対象となる感光性基板64を設置する。
【0098】
図14に示す露光装置80において、光源11から光が出射されると、この光がロッドインテグレータ群13を介して配向分布を維持したまま、ロッドインテグレータ群13の光の出射面における光の照度分布が均一化される。更に、この光は、レンズアレイインテグレータ15を介して集光され、入射角度に応じた光の強度差が均一化されて、投影光学系60に出射される。
【0099】
そして、投影光学系60はマスク62のパターン像を直接又は投影レンズ63を介して感光性基板64上に投影する。投影レンズ63がない露光装置の場合、マスク62と感光性基板64を接触させるタイプ(コンタクト露光)とマスク62と感光性基板64の間隔を数マイクロメータから数十マイクロメータに設定するタイプ(プロキシミティ露光)がある。
【0100】
光源装置1を備えた露光装置80によれば、光源装置1において、制御部17によって発光させる各発光部(31,32)を調整することで、感光性基板64に対して入射される光の視角が調整できる。よって、アパーチャの径を変えたりアパーチャの交換を行ったりすることなく、露光処理において要求される条件に応じた視角を示す光を感光性基板64に対して照射できる構成である。
【0101】
更に、光源装置1を備えた露光装置80によれば、光源11を構成する各発光部(31,32)を複数のLED素子が配置された構成で実現した場合においても、この複数のLED素子の配置パターンが反映されずに照度分布が均一化された光をレンズアレイインテグレータ15に取り込むことができる。これにより、被照射物である感光性基板64上において、場所に応じて光の強度差が生じることがなくなる。これによって、配置パターンが光に反映されやすいLED素子であっても、露光装置80の光源11として利用することができる。
【0102】
なお、図14では、図1及び図2に示した光源装置1について図示したが、他の構成例で示した各光源装置1a,1b,1c,1d,1e,1fを採用しても構わない。
【0103】
[別実施形態]
以下に、別実施形態につき説明する。
【0104】
〈1〉 上述の実施形態では、ロッドインテグレータ群13は、ロッドインテグレータ2の外周に複数のロッドインテグレータ3(3a,3b,3c)が取り囲まれてなる構成とした。しかし、ロッドインテグレータ2の外周に少なくとも一つのロッドインテグレータ3を備える構成であればよい。そして、光源11はロッドインテグレータの数に応じた発光部を備える構成とすればよく、この場合は、発光部31と、発光部32a,32b,32cを一括して光量調整可能な発光部32を備えればよい。
【0105】
この構成においても、制御部17によって発光部31及び32に対する光量調整を行うことで、被照射物26の照射面に対して入射される光の視角を調整できる。
【0106】
逆に、ロッドインテグレータ2の外周を取り囲むロッドインテグレータ3(第2ロッドインテグレータ)の数を増やし、このロッドインテグレータ3の数に応じて発光部32(第2発光部)の数を増やすことで、被照射物26の照射面に対して入射される光の視角を細かく調整することが可能になる。
【0107】
〈2〉 上述の実施形態では、光源11を複数のLED素子21で実現した構成について説明した。しかし、発光部(31,32)毎に制御部17によって光量調整が可能な構成であれば、光源11を構成する素子としてはLED素子に限定されるものではない。例えばランプなども利用可能である。
【0108】
〈3〉 上述の実施形態では、光源11の外側に制御部17を設ける構成としていたが、光源11が搭載された基板10と同一基板上に制御部17が搭載されるものとしても構わない。
【0109】
〈4〉 上述の実施形態において、光源11とロッドインテグレータ群13の間にコリメートレンズ及び光学絞りを配置して両側テレセントリックの光学系を構成しても構わない。同様に、レンズアレイインテグレータ15と被照射物26の間に光学系を配置して両側テレセントリックの光学系を構成しても構わない。
【0110】
〈5〉 光源装置1を備えた露光装置80として、マスク62と感光性基板64が接触しないプロジェクション露光方式やプロキシミティ露光方式の他、マスク62と感光性基板64が接触するコンタクト露光方式でも利用可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 : 光源装置
2 : ロッドインテグレータ(第1ロッドインテグレータ)
2z : ロッドインテグレータ2の光出射面
3(3a,3b,3c) : ロッドインテグレータ(第2ロッドインテグレータ)
3az : ロッドインテグレータ3aの光出射面
3bz : ロッドインテグレータ3bの光出射面
3cz : ロッドインテグレータ3cの光出射面
5 : レンズアレイインテグレータの第1領域
6(6a,6b,6c) : レンズアレイインテグレータの第2領域
10 : 基板
11 : 光源
13 : ロッドインテグレータ群
13s : ロッドインテグレータ群の光入射面
15 : レンズアレイインテグレータ
15s : レンズアレイインテグレータの光入射面
17 : 制御部
21 : LED素子
22 : レンズ
25 : 光学系
26 : 被照射物
26p,26q : 集光位置
31 : 発光部(第1発光部)
32(32a,32b,32c) : 発光部(第2発光部)
41 : レンズアレイインテグレータの領域5からの出射光
42 : レンズアレイインテグレータの領域6aからの出射光
43 : レンズアレイインテグレータの領域6bからの出射光
51 : 光学部材
52 : 凸レンズ
53 : 光学部材
54 : 凸レンズ
60 : 投影光学系
61 : 照射レンズ
62 : マスク
63 : 投影レンズ
64 : 感光性基板
80 : 露光装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14