(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1基板、前記第1基板に装着される第2基板、電力変換回路を構成して通電時に発熱する電子部品、及び前記電子部品を冷却するヒートシンク、を有する電力変換装置の製造方法であって、
前記ヒートシンクに前記電子部品を固定することと、
前記第2基板の板厚方向における一方側の面に前記電子部品が配置されるように、前記一方側の面に配置された前記電子部品を冷却する前記ヒートシンクを前記第2基板の前記板厚方向における前記一方側に配置することと、
前記第1基板に前記第2基板を立てた状態で装着することと、
を有することを特徴とする電力変換装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、原則として同一の符号で表し、これらの構成要素についての重複説明は、適宜省略する。また、図面中に注記された「前」「後」「左」「右」「上」「下」の方向は、本明細書中の説明において「前」「後」「左」「右」「上」「下」と記述される方向にそれぞれ対応する。但し、電力変換装置の各構成の位置関係は、「前」「後」「左」「右」「上」「下」の概念に限定されるものではない。
【0011】
<1.電力変換装置の回路構成の例>
まず、
図1を参照しつつ、本実施形態の電力変換装置の回路構成の一例について説明する。
【0012】
図1に示すように、電力変換装置1は、外部電源から入力される電力を所定の電力に変換して負荷に出力する。具体的には、電力変換装置1は、交流電源100から入力される交流電力を別の交流電力に変換し、8つの交流モータM1,M2,M3,M4,M5,M6,M7,M8(以下「交流モータM」と総称する。)に出力して、動作を制御する。すなわち、電力変換装置1は、8軸制御可能なモータ制御装置である。
【0013】
なお、電力変換装置1の制御可能な軸数、つまりモータ(上記の例では交流モータM)の数は、8つに限定されるものではなく、他の数であってもよい。また、外部電源は、交流電源に限定されるものではなく、直流電源であってもよい。また、負荷は、交流モータに限定されるものではなく、直流モータであってもよい。また、電力変換装置1は、モータ制御装置である場合に限定されるものではなく、電力を変換する装置でありさえすればよい。すなわち、負荷は、モータに限定されるものではなく、他の電子機器であってもよい。
【0014】
電力変換装置1は、ダイオードモジュールDM、4つのコンデンサC1,C2,C3,C4(以下「コンデンサC」と総称する。)、8つのパワーモジュールPM1,PM2,PM3,PM4,PM5,PM6,PM7,PM8(以下「パワーモジュールPM」と総称する。)、抵抗器の一例である回生抵抗R、及びスイッチQを含む、複数の電子部品を有する。
【0015】
ダイオードモジュールDMは、ダイオードを備え、交流電源100から入力される交流電力(例えば3相交流電力)を整流し、直流バスP、Nに直流電力を出力する。
【0016】
コンデンサC1〜C4は、直流バスP、Nに渡って接続され、ダイオードモジュールDMが整流した直流電圧を平滑する。
【0017】
パワーモジュールPM1〜PM8は、例えばIGBT等の半導体素子で構成される複数のスイッチング素子SW(
図1中では1つのみ図示)を備える。そして、パワーモジュールPM1〜PM8は、それぞれ、直流電力を所定の交流電力(例えば3相交流電力)に変換し、交流モータM1〜M8に出力する。なお、パワーモジュールPM1〜PM8は、通電時に発熱する。
【0018】
上記ダイオードモジュールDMのダイオード、コンデンサC1〜C4、及びパワーモジュールPM1〜PM8のスイッチング素子SWは、電力変換回路10を構成する。
【0019】
また、直流バスP,N間には、上記回生抵抗R及びスイッチQの直列回路が接続されている。スイッチQは、例えばMOSFET等の半導体素子を備え、例えば交流モータMの急減速時や急停止時等にオンされることで、交流モータMから直流バスP,Nに入力される回生電力が回生抵抗Rにより消費されるようにする。回生抵抗Rは、スイッチQがオンされた場合に回生電力を消費する。なお、回生抵抗Rは、通電時に発熱する。
【0020】
なお、上記で説明した電力変換装置1の回路構成は、あくまで一例であり、上記以外の回路構成であってもよい。例えば、パワーモジュールPMの数は、8つに限定されるものではなく、他の数であってもよい。また、1つのコンデンサCに2つのパワーモジュールPMが並列に接続される場合に限定されるものではなく、1つのコンデンサCに1つのパワーモジュールPMが接続されたり3つ以上のパワーモジュールPMが並列に接続されてもよい。また、コンデンサCの数は、4つに限定されるものではなく、他の数であってもよい。また、コンデンサCに代えて又は加えてリアクトルを設置してもよい。また、回生抵抗Rに代えて又は加えてダイナミックブレーキ等の他の抵抗器を設置してもよい。
【0021】
<2.電力変換装置の構造の例>
次に、
図2及び
図3を参照しつつ、電力変換装置1の構造の一例について説明する。なお、
図2中では、電力変換装置1の筐体の上板部の図示を省略し、
図3中では、筐体の前板部の図示を省略している。また、
図2及び
図3中では、本実施形態の要部以外の構成の図示を適宜省略している。
【0022】
図2及び
図3に示すように、電力変換装置1は、その外郭を構成する略直方体状の筐体2を有し、筐体2の板部21が上側、板部22が下側、板部23が前側、板部24が後側、板部25が左側、板部26が右側となるように、設置されている。以下では、筐体2の上側の板部21を「上板部21」、下側の板部22を「下板部22」、前側の板部23を「前板部23」、後側の板部24を「後板部24」、左側の板部25を「左板部25」、右側の板部26を「右板部26」ともいう。また、以下では、電力変換装置1において、左右方向を「幅方向」、上下方向を「高さ方向」、前後方向を「奥行き方向」ともいう。
【0023】
なお、筐体2の形状は、略直方体状に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。また、電力変換装置1の向きは、筐体2の板部21が上側、板部22が下側、板部23が前側、板部24が後側、板部25が左側、板部26が右側となる向きに限定されるものではなく、他の向きであってもよい。
【0024】
筐体2内には、第1基板30と、4つの第2基板40A,40B,40C,40D(以下「第2基板40」と総称する。)と、上記ダイオードモジュールDM、コンデンサC1〜C4、パワーモジュールPM1〜PM8、回生抵抗R、及びスイッチQを含む複数の電子部品と、4つのヒートシンク50A,50B,50C,50D(以下「ヒートシンク50」と総称する。)と、2つのファン60A,60B(以下「ファン60」と総称する。)とが配置されている。また、筐体2内には、風洞70が形成されている。なお、
図2及び
図3中では、筐体2内の適宜の位置に配置された、上記ダイオードモジュールDM、コンデンサC1〜C4、回生抵抗R、及びスイッチQの図示を省略している。
【0025】
(2−1.第1基板の例)
第1基板30は、片面のみに部品が配置される片面基板である。すなわち、第1基板30は、その一方側の面が、部品が配置される部品面30a、その他方側の面が、半田付けが行われる半田面30bである。また、第1基板30は、略長方形状を備え、その板面方向の寸法が、筐体2の高さ方向に垂直な面方向の内寸法とほぼ等しい。そして、第1基板30は、その板面方向が高さ方向と垂直となり、部品面30aが上面、半田面30bが下面となるように、筐体2内の下部において筐体2に固定されている。
【0026】
なお、第1基板30の向き及び位置は、板面方向が高さ方向と垂直となり、部品面30aが上面、半田面30bが下面となる向き、及び、筐体2内の下部に限定されるものではなく、他の向き及び他の位置であってもよい。また、第1基板30の形状は、略直方形状に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。また、第1基板30は、1つの基板である場合に限定されるものではなく、複数の基板で構成されてもよい。また、第1基板30の板面方向の寸法は、筐体2の高さ方向に垂直な面方向の内寸法とほぼ等しい場合に限定されるものではなく、当該内寸法よりも小さくてもよい。また、第1基板30は、片面基板である場合に限定されるものではなく、両面に部品が配置される両面基板や、複数の基板が積層された多層基板等であってもよい。
【0027】
(2−2.第2基板の例)
第2基板40A〜40Dは、第1基板30の部品面30aに、第1基板30の板面方向に沿って並べて立設されている。具体的には、第2基板40A〜40Dは、第1基板30の部品面30aに当該第1基板30の板面方向に沿って並べて設けられた、図示しない4つの被装着部(例えばコネクタ)の各々に、例えば第1基板30と垂直に立てた状態で装着されている。
【0028】
より具体的には、第2基板40A〜40Dは、略長方形状を備え、各々の長手方向の寸法が筐体2の奥行き方向の内寸法とほぼ等しく、各々の短手方向の寸法が筐体2の高さ方向の内寸法の半分とほぼ等しい。そして、第2基板40A〜40Dは、各々の長手方向が奥行き方向、各々の短手方向が高さ方向に沿いつつ、幅方向に所定の空隙を空けて互いに離間するように、第1基板30の右寄りに、互いに平行に配置されている。すなわち、第2基板40A〜40Dは、各々の立設方向が高さ方向、各々の板厚方向が幅方向となるように、配置されている。この際、第2基板40A,40B,40C,40Dは、各々の一方側の面41,41,41,41が右面、各々の他方側の面42,42,42,42が左面となるように、配置されている。以下では、第2基板40A〜40Dの面41を「右面41」、面42を「左面42」ともいう。
【0029】
なお、第2基板40A〜40Dの向きは、各々の長手方向が奥行き方向、各々の短手方向が高さ方向に沿い、各々の面41が右面、各々の面42が左面となる向きに限定されるものではなく、他の向きであってもよい。また、第2基板40A〜40Dの位置は、第1基板30の右寄りに限定されるものではなく、他の位置であってもよい。また、第2基板40A〜40Dは、平行に立設されなくてもよい。また、第2基板40A〜40Dの形状は、略直方形状に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。また、第2基板40A〜40Dの長手方向の寸法は、筐体2の奥行き方向の内寸法とほぼ等しい場合に限定されるものではなく、当該内寸法よりも小さくてもよい。また、第2基板40A〜40Dの短手方向の寸法は、筐体2の高さ方向の内寸法の半分とほぼ等しい場合に限定されるものではなく、当該内寸法の半分よりも小さくてもよいし大きくてもよい。また、第2基板40A〜40Dは、被装着部に立てた状態で装着される場合に限定されるものではなく、第1基板30に適宜の支持部材を介して立てた状態で固定されてもよい。また、第2基板40A〜40Dは、第1基板30の部品面30aに立設される場合に限定されるものではなく、第1基板30の半田面30bに立設されてもよい。また、第2基板40の数は、4つに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0030】
(2−3.風洞、ファンの例)
風洞70は、筐体2内の第2基板40A〜40Dの上方、つまり右上寄りに形成されている。具体的には、筐体2内には、2つの仕切板7,9が配置されている。仕切板7は、略長方形状を備え、その長手方向の寸法が筐体2の奥行き方向の内寸法とほぼ等しく、その短手方向の寸法が筐体2の幅方向の内寸法の半分よりも大きい。そして、仕切板7は、その長手方向が奥行き方向、その短手方向が幅方向に沿いつつ、上板部21と高さ方向に所定の空隙を空けて離間するように、上板部21と第2基板40A〜40Dとの間に配置されている。仕切板9は、略長方形状を備え、その長手方向の寸法が筐体2の奥行き方向の内寸法とほぼ等しく、その短手方向の寸法が筐体2の高さ方向の内寸法の半分よりも少し小さい。そして、仕切板9は、その長手方向が奥行き方向、その短手方向が高さ方向に沿いつつ、右板部26と幅方向に所定の空隙を空けて離間するように、仕切板7の左端において上板部21と仕切板7との間に配置されている。そして、筐体2内の、上板部21と、仕切板7と、前板部23と、後板部24と、仕切板9と、右板部26とで囲まれた空間71(
図2及び
図3中の一点鎖線で囲まれた空間)が、風洞70として形成されている。
【0031】
風洞70は、2つの通風口72,74を備える。通風口72は、前板部23の、高さ方向において上板部21と仕切板7との間で、且つ幅方向において仕切板9と右板部26との間、つまり右上寄りに形成されている。通風口74は、後板部24の、高さ方向において上板部21と仕切板7との間で、且つ幅方向において仕切板9と右板部26との間、つまり右上寄りに形成されている。すなわち、通風口72,74は、奥行き方向に対向配置され、風洞70は、奥行き方向に延びるように形成されている。
【0032】
なお、前板部23や後板部24には、複数の通風口が形成されてもよい。また、前板部23及び後板部24の少なくとも一方に代えて又は加えて、筐体2の他の板部に、通風口が形成されてもよい。また、筐体2内での風洞70の位置は、右上寄りに限定されるものではなく、他の位置であってもよい。
【0033】
ファン60A,60Bは、通風口74の内側に配置され、上記ヒートシンク50A〜50Dの各々の少なくとも一部(詳細は後述)を含む風洞70(空間71)に送風する。具体的には、ファン60A,60Bは、排気ファンであり、通風口72を吸気口、通風口74を排気口として、通風口72から風洞70内(筐体2内)に吸気された空気を通風口74から風洞70外(筐体2外)に排気する。したがって、ファン60A,60Bが風洞70に送風すると、風洞70内では、主に通風口72から通風口74に向けて空気が流れる。
【0034】
なお、ファン60A,60Bは、排気ファンに限定されるものではなく、吸気ファンであってもよい。また、ファン60A,60Bは、通風口74の内側に設置される場合に限定されるものではなく、通風口74の外側に設置されてもよい。また、通風口に設置されるファンの数は、2つに限定されるものではなく、他の数であってもよい。また、例えば第2基板40に配置される複数の電子部品の発熱量があまり大きくない等により、ファンを用いた強制冷却を行わなくてもよい場合には、ファンを設置しなくてもよい。
【0035】
(2−4.パワーモジュール、ヒートシンクの例)
また、第2基板40A〜40Dの各々には、2つのパワーモジュールPMと、当該2つのパワーモジュールPMを冷却する1つのヒートシンク50とが配置されている。すなわち、第2基板40Aには、上記パワーモジュールPM1,PM2と、パワーモジュールPM1,PM2を冷却する上記ヒートシンク50Aとが配置されている。また、第2基板40Bには、上記パワーモジュールPM3,PM4と、パワーモジュールPM3,PM4を冷却する上記ヒートシンク50Bとが配置されている。また、第2基板40Cには、上記パワーモジュールPM5,PM6と、パワーモジュールPM5,PM6を冷却する上記ヒートシンク50Cとが配置されている。また、第2基板40Dには、上記パワーモジュールPM7,PM8と、パワーモジュールPM7,PM8を冷却する上記ヒートシンク50Dとが配置されている。
【0036】
パワーモジュールPM1,PM2は、第2基板40Aの同一方向側の面、つまり右面41に、第1基板30の板面方向、つまり奥行き方向に沿って並べて配置され、第2基板40Aに接続されている。パワーモジュールPM3,PM4、パワーモジュールPM5,PM6、パワーモジュールPM7,PM8も同様に、第2基板40B,40C,40Dの右面41に、奥行き方向に沿って並べて配置され、第2基板40B,40C,40Dに接続されている。つまり、パワーモジュールPM1〜PM8は、電力変換回路を構成して通電時に発熱する電子部品の一例に相当する。
【0037】
具体的には、パワーモジュールPM1,PM2は、第1基板30から離間するように、第2基板40Aの立設方向基端である下端43よりも立設方向先端である上端44側、つまり上側に配置されている。より具体的には、パワーモジュールPM1,PM2は、第2基板40Aの上端44寄りに配置されている。パワーモジュールPM3,PM4、パワーモジュールPM5,PM6、パワーモジュールPM7,PM8も同様に、第2基板40B,40C,40Dの上端44,44,44寄りに配置されている。
【0038】
なお、パワーモジュールPM1〜PM8の配置は、上記配置に限定されるものではなく、他の配置であってもよい。例えば、パワーモジュールPM1,PM2は、第2基板40Aの上端44寄りに配置される場合に限定されるものではなく、第2基板40Aの高さ方向中央部に配置されたり下端43寄りに配置されてもよい(パワーモジュールPM3,PM4、パワーモジュールPM5,PM6、パワーモジュールPM7,PM8も同様)。また、パワーモジュールPM1,PM2は、第2基板40Aの右面41に配置される場合に限定されるものではなく、第2基板40Aの左面42に配置されてもよい(パワーモジュールPM3,PM4、パワーモジュールPM5,PM6、パワーモジュールPM7,PM8も同様)。また、第2基板40A〜40Dに配置されるパワーモジュールPMの組み合わせは、上記組み合わせに限定されるものではなく、他の組み合わせであってもよい。また、第2基板40A〜40Dに配置されるパワーモジュールPMの数は、2つに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0039】
また、第2基板40A〜40Dに配置される、電力変換装置を構成して通電時に発熱する電子部品は、パワーモジュールPMに限定されるものではなく、他の電子部品であってもよい。
【0040】
ヒートシンク50A〜50Dは、第2基板40A〜40DのパワーモジュールPMが配置される面、つまり右面41側に、第2基板40A〜40Dに沿って配置され、支持部材(図示せず)を介して筐体2に固定されている。ヒートシンク50A〜50Dは、各々の一部が第2基板40A〜40Dよりも上側に配置されている。具体的には、ヒートシンク50A〜50Dの各々は、1つのヒートシンクベースと、複数のフィンを有する。すなわち、ヒートシンク50Aは、ヒートシンクベース51Aと、複数のフィン52Aとを有する。また、ヒートシンク50Bは、ヒートシンクベース51Bと、複数のフィン52Bとを有する。また、ヒートシンク50Cは、ヒートシンクベース51Cと、複数のフィン52Cとを有する。また、ヒートシンク50Dは、ヒートシンクベース51Dと、複数のフィン52Dとを有する。以下では、ヒートシンクベース51A〜51Dを「ヒートシンクベース51」、フィン52A〜52Dを「フィン52」と総称する。
【0041】
ヒートシンクベース51A〜51Dは、略直方形状を備え、各々の長手方向の寸法が第2基板40A〜40Dの奥行き方向の寸法よりも小さく、各々の短手方向の寸法が仕切板9の高さ方向の寸法よりも大きい。そして、ヒートシンクベース51A〜51Dは、各々の長手方向が奥行き方向、各々の短手方向が高さ方向に沿うように、第2基板40A〜40Dの右面41側に、第2基板40A〜40Dと平行に配置されている。
【0042】
具体的には、ヒートシンクベース51A,51B,51C,51Dは、仕切板7に当該仕切板7の板面方向に沿って並べて形成された、4つの貫通孔7a,7b,7c,7dの各々を貫通するように、高さ方向と平行に延設されている。そして、ヒートシンクベース51A〜51Dは、各々の延設方向一方側である下側の部分が第2基板40A〜40Dと高さ方向において重複する位置に配置されている。また、ヒートシンクベース51A〜51Dは、各々の延設方向他方側である上側の部分が第2基板40A〜40Dよりも上側、つまり風洞70内に配置されている。この際、ヒートシンクベース51A〜51Dは、フィン52が配置される側の面が左面、フィン52が配置されない側の面が右面となるように、配置されている。以下では、ヒートシンクベース51A〜51Dのフィン52が配置される側の面を「左面」、フィン52が配置されない側の面を「右面」ともいう。
【0043】
ヒートシンクベース51Aの左面の下側、つまり第2基板40Aと高さ方向において重複する部分には、上述のように第2基板40Aの上端44寄りに配置されるパワーモジュールPM1,PM2が設置されている。すなわち、パワーモジュールPM1,PM2は、幅方向において第2基板40Aとヒートシンクベース51Aとの間に配置され、ヒートシンクベース51Aは、ヒートシンク50AとパワーモジュールPM1,PM2とを熱的に接続している。また、ヒートシンクベース51Aの上側、つまり風洞70内に配置される部分には、上記複数のフィン52Aが立設されている。複数のフィン52Aは、ヒートシンクベース51Aから、当該ヒートシンクベース51Aに対しパワーモジュールPMが配置される方向、つまり左方に向かって突出している。すなわち、パワーモジュールPM1,PM2は、ヒートシンク50Aの一部、つまりフィン52Aと第1基板30との間に配置されている。具体的には、パワーモジュールPM1,PM2は、第2基板40Aの下端43よりも上側の部分、つまり上端44寄りの部分、及び、ヒートシンク50Aの一部、つまりヒートシンクベース51Aの下側の部分と高さ方向において重複する位置に配置されている。
【0044】
ヒートシンクベース51Bも同様に、その左面の第2基板40Bと高さ方向において重複する部分には、上述のように第2基板40Bの上端44寄りに配置されるパワーモジュールPM3,PM4が設置されている。すなわち、パワーモジュールPM3,PM4は、幅方向において第2基板40Bとヒートシンクベース51Bとの間に配置され、ヒートシンクベース51Bは、ヒートシンク50BとパワーモジュールPM3,PM4とを熱的に接続している。また、ヒートシンクベース51Bの風洞70内に配置される部分には、当該ヒートシンクベース51Bから左方に向かって突出した上記複数のフィン52Bが立設されている。すなわち、パワーモジュールPM3,PM4は、第2基板40Bの上端44寄りの部分及びヒートシンクベース51Bの下側の部分と高さ方向において重複する位置に配置されている。
【0045】
ヒートシンクベース51Cも同様に、その左面の第2基板40Cと高さ方向において重複する部分には、上述のように第2基板40Cの上端44寄りに配置されるパワーモジュールPM5,PM6が設置されている。すなわち、パワーモジュールPM5,PM6は、幅方向において第2基板40Cとヒートシンクベース51Cとの間に配置され、ヒートシンクベース51Cは、ヒートシンク50CとパワーモジュールPM5,PM6とを熱的に接続している。また、ヒートシンクベース51Cの風洞70内に配置される部分には、当該ヒートシンクベース51Cから左方に向かって突出した上記複数のフィン52Cが立設されている。すなわち、パワーモジュールPM5,PM6は、第2基板40Cの上端44寄りの部分及びヒートシンクベース51Cの下側の部分と高さ方向において重複する位置に配置されている。
【0046】
ヒートシンクベース51Dも同様に、その左面の第2基板40Dと高さ方向において重複する部分には、上述のように第2基板40Dの上端44寄りに配置されるパワーモジュールPM7,PM8が設置されている。すなわち、パワーモジュールPM7,PM8は、幅方向において第2基板40Dとヒートシンクベース51Dとの間に配置され、ヒートシンクベース51Dは、ヒートシンク50DとパワーモジュールPM7,PM8とを熱的に接続している。また、ヒートシンクベース51Dの風洞70内に配置される部分には、当該ヒートシンクベース51Dから左方に向かって突出した上記複数のフィン52Dが立設されている。すなわち、パワーモジュールPM7,PM8は、第2基板40Dの上端44寄りの部分及びヒートシンクベース51Dの下側の部分と高さ方向において重複する位置に配置されている。
【0047】
なお、この際、ヒートシンクベース51A〜51Dにヒートパイプを埋め込んでもよい。ヒートシンクベース51A〜51Dにヒートパイプを埋め込む場合には、パワーモジュールPMの熱をヒートシンク50A〜50Dにより効率良く拡散させることが可能である。
【0048】
本実施形態では、ヒートシンクベース51A〜51Bが、熱伝導部材の一例に相当する。
【0049】
なお、ヒートシンク50A〜50Dの形状や配置は、上記形状や配置に限定されるものではなく、他の形状や配置であってもよい。例えば、フィン52Aは、ヒートシンクベース51Aから、当該ヒートシンクベース51Aに対しパワーモジュールPMが配置される方向(上記の例では左方)に向かって突出する場合に限定されるものではない。例えば、フィン52Aは、ヒートシンクベース51Aから、当該ヒートシンクベース51Aに対しパワーモジュールPMが配置される方向とは反対方向に向かって突出してもよい(フィン52B〜52Dも同様)。また、ヒートシンク50Aは、その一部が第2基板40Aよりも上側に配置される場合に限定されるものではなく、その全部が第2基板40Aよりも上側に配置されてもよい(ヒートシンク50B〜50Dも同様)。この場合には、第2基板40Aの右面41に配置されるパワーモジュールPM1,PM2とヒートシンク50Aのヒートシンクベースとをヒートパイプ等の熱伝導部材により熱的に接続すればよい。また、ヒートシンク50Aは、その少なくとも一部が第2基板40Aよりも上側に配置される場合に限定されるものではなく、その上端が高さ方向において第2基板40Aの上端と等しい位置又は当該上端よりも下側に配置されてもよい(ヒートシンク50B〜50Dも同様)。また、ヒートシンク50A〜50Dは、第2基板40A〜40DのパワーモジュールPMが配置される面(上記の例では右面41)側に配置される場合に限定されるものではなく、第2基板40A〜40DのパワーモジュールPMが配置されない面側に配置されてもよい。
【0050】
また、パワーモジュールPM1,PM2は、幅方向において第2基板40Aとヒートシンクベース51Aとの間に配置される場合に限定されるものではなく、第2基板40Aを間に挟み込むようにヒートシンクベース51Aに設置されてもよい(パワーモジュールPM3,PM4、パワーモジュールPM5,PM6、パワーモジュールPM7,PM8も同様)。また、パワーモジュールPM1,PM2は、第2基板40Aの下端43よりも上側の部分(上記の例では上端44寄りの部分)及びヒートシンク50Aの一部(上記の例ではヒートシンクベース51Aの下側の部分)と高さ方向において重複する位置に配置される場合に限定されるものではない。例えば、パワーモジュールPM1,PM2は、第2基板40Aの下端43よりも上側の部分及びヒートシンク50Aの一部と高さ方向において重複しない位置、つまり高さ方向において第2基板40Aよりも上側に配置されてもよい(パワーモジュールPM3,PM4、パワーモジュールPM5,PM6、パワーモジュールPM7,PM8も同様)。また、パワーモジュールPM1,PM2は、ヒートシンク50Aの一部(上記の例ではフィン52A)と第1基板30との間に配置される場合に限定されるものではなく、ヒートシンク50Aの全部(ヒートシンクベース及びフィン)と第1基板30との間に配置されてもよい(パワーモジュールPM3,PM4、パワーモジュールPM5,PM6、パワーモジュールPM7,PM8も同様)。また、パワーモジュールPM1,PM2は、ヒートシンク50Aと第1基板30との間に配置されなくてもよい(パワーモジュールPM3,PM4、パワーモジュールPM5,PM6、パワーモジュールPM7,PM8も同様)。
【0051】
また、パワーモジュールPM1〜PM8は、風洞70の外部に配置される場合に限定されるものではなく、風洞内に配置されてもよい。この場合には、筐体2内にパワーモジュールPM1〜PM8を含むように風洞を形成すればよい。また、第1基板30に立設される、第2基板40、パワーモジュールPM、及びヒートシンク50のセットの数は、4セットに限定されるものではなく、他の数であってもよい。また、第1基板30や第2基板40A〜40Dの少なくとも一部は、風洞を構成する部材として用いられてもよい。この場合には、風洞を構成する部材(導風板や仕切板等)の少なくとも一部を省略することができるので、電力変換装置1を小型化でき、コストを低減できる。
【0052】
<3.電力変換装置の製造方法の例>
次に、上記構造の電力変換装置1の製造方法の一例について説明する。
【0053】
電力変換装置1の製造工程(組み付け工程)では、ヒートシンク50Aのヒートシンクベース51Aの左面の下側の部分に、パワーモジュールPM1,PM2を、ヒートシンクベース51A長さ方向に沿って並べて固定する。ヒートシンク50B,50C,50Dにも同様に、パワーモジュールPM3,PM4、パワーモジュールPM5,PM6、パワーモジュールPM7,PM8を固定する。なお、この際、ヒートシンク50とパワーモジュールPMとの間に、熱伝導性の良好なサーマルグリースやサーマルシートを介在させてもよい。
【0054】
その後、第2基板40Aの左面41の上端44寄りに、ヒートシンク51Aに固定したパワーモジュールPM1,PM2を、第2基板40Aの長手方向(第1基板30の板面方向に対応する方向)に沿って並べて配置し、第2基板40Aに接続する。第2基板40B,40C,40Dにも同様に、パワーモジュールPM3,PM4、パワーモジュールPM5,PM6、パワーモジュールPM7,PM8を、第2基板40B,40C,40Dの長手方向に沿って並べて配置し、第2基板40B,40C,40Dに接続する。
【0055】
そして、第1基板30の部品面30aの4つの非装着部の各々に、ヒートシンク50A〜50D及びパワーモジュールPMが取付けられた第2基板40A〜40Dを、例えば第1基板30と垂直に立てた状態で装着する。
【0056】
また、ここでは特に説明しないが、筐体2に配置される上記以外の部品も適宜配置する。そして、筐体2に配置される部品をすべて配置することにより、電力変換装置1が完成する。
【0057】
なお、上記で説明した電力変換装置1の製造方法の内容は、あくまで一例であり、上記以外の内容であってもよい。例えば、電力変換装置1の製造方法に係る製造工程は、上記で説明した手順に限定されるものではなく、趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0058】
<4.本実施形態による効果の例>
以上説明したように、本実施形態の電力変換装置1では、電力変換回路10を構成して通電時に発熱する電子部品(上記の例ではパワーモジュールPM)を、第1基板30に立設された第2基板40に配置し、パワーモジュールPMを冷却するヒートシンク50を、第2基板40のパワーモジュールPMが配置される側に第2基板40に沿って配置する。これにより、幅方向においてヒートシンク50とパワーモジュールPMとを一部重複して配置することで、電力変換装置1の幅方向の寸法を短縮することが可能である。したがって、電力変換装置1を幅方向に小型化できる。また、パワーモジュールPMを第1基板30から離間して配置できるので、第1基板30の実装部品等への熱の影響を低減できる。
【0059】
また、本実施形態では特に、第1基板30に併設された第2基板40A〜40Dの各々にパワーモジュールPMを配置し、第2基板40A〜40Dの各々にヒートシンク50A〜50Dを配置する。これにより、例えば複数のパワーモジュールPMを幅方向(第2基板40A〜40Dの板厚方向)に沿って並べて配置する場合に比べて、電力変換装置1の幅方向の寸法を短縮できる。また、ヒートシンク50A〜50Dを1つの風洞70に収納することで、ファン60A,60Bによりヒートシンク50A〜50Dに同時且つ効率的に送風できるので、第2基板40A〜40Dの各々に配置されたパワーモジュールPMを同時且つ効率的に冷却することができる。
【0060】
また、本実施形態では特に、第2基板40の右面41に奥行き方向に沿って複数のパワーモジュールPMを並べて配置する。これにより、電力変換装置1を幅方向に大型化することなくパワーモジュールPMの数を増やすことができる。
【0061】
また、本実施形態では特に、パワーモジュールPMをヒートシンク50A〜50Dの一部と第1基板30との間に配置する。これにより、幅方向においてヒートシンク50A〜50DとパワーモジュールPMとを一部重複して配置することができるので、第2基板40間の間隔を短縮できると共に、第2基板40間のデッドスペースを減らすことができる。したがって、電力変換装置1を幅方向にさらに小型化できる。また、風の逃げ道(冷却への寄与が少ない風が流れる隙間)を減らすことができるので、ファン60A,60Bの送風を有効に活用でき、パワーモジュールPMの冷却効率を向上できる。
【0062】
また、本実施形態では特に、ヒートシンク50A〜50Dを、その一部が第2基板40A〜40Dよりも上側となるように配置し、パワーモジュールPMを、第2基板40A〜40Dの下端43よりも上側の部分及びヒートシンク50A〜50Dの一部と高さ方向において重複する位置に配置する。これにより、パワーモジュールPMの発熱による第1基板30の実装部品等への熱の影響(信頼性の低下等)を低減できる。
【0063】
また、本実施形態では特に、ヒートシンク50A〜50Dが、第2基板40A〜40Dに沿って延設されパワーモジュールPMを熱的に接続する熱伝導部材(上記の例ではヒートシンクベース51A〜51D)を有する。これにより、第2基板40間の間隔を短縮しつつ、パワーモジュールPMの熱をヒートシンク50A〜50Dに効率良く拡散させてパワーモジュールPMを効率的に冷却することができる。
【0064】
また、本実施形態では特に、パワーモジュールPMを、幅方向において第2基板40A〜40Dとヒートシンクベース51A〜51Dとの間に配置する。これにより、パワーモジュールPMとヒートシンクベース51A〜51Dとの間に別の部材(第2基板40A〜40D等)を介在させずに直接的に接触させることができるので、パワーモジュールPMの熱をヒートシンク50A〜50Dに効率良く拡散させることができる。
【0065】
また、本実施形態では特に、ヒートシンク50A〜50Dのヒートシンクベース51A〜51Dを第2基板40A〜40Dに沿って配置し、複数のフィン52A〜52Dを、ヒートシンクベース51A〜51Dから、当該ヒートシンクベース51A〜51Dに対しパワーモジュールPMが配置される方向(上記の例では左方)に向かって突出させる。これにより、幅方向におけるヒートシンク50A〜50DとパワーモジュールPMとの重複領域を増やすことができるので、第2基板40間の間隔をより短縮でき、電力変換装置1を幅方向にさらに小型化できる。
【0066】
また、本実施形態では特に、熱伝導性が特に良好な熱伝導部材を別途用意する必要がない場合は、熱伝導部材を、高さ方向に沿って延設されたヒートシンクベース51A〜51Dとする。ヒートシンクベース51A〜51Dを延長してパワーモジュールPMとヒートシンク50A〜50Dとを熱的に接続するので、別途部材を用意する必要がない。したがって、電力変換装置1を小型化でき、コストを低減できる。
【0067】
また、本実施形態では特に、ファン60A,60Bがヒートシンク50A〜50Dに送風する。これにより、奥行き方向に並設された複数のパワーモジュールPMを同時且つ効率的に冷却することができるので、冷却効率を向上できる。
【0068】
また、本実施形態では特に、電力変換回路10を構成して通電時に発熱する電子部品を、電力変換回路10を構成するスイッチング素子SWを備えたパワーモジュールPMとする。パワーモジュールPMは、電力変換装置1において比較的発熱量が大きな電子部品である。このパワーモジュールPMを第2基板40A〜40Dを用いて第1基板30から離間して配置できるので、第1基板30への熱の影響を低減しつつ複数のパワーモジュールPMを効率的に冷却することができる。
【0069】
<5.変形例等>
なお、実施形態は、上記内容に限定されるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例について順次説明する。なお、以下の変形例等では、主として上記実施形態と異なる部分について説明する。また、上記実施形態と実質的に同一の機能を有する構成要素は、原則として同一の符号で表し、これらの構成要素についての重複説明は、適宜省略する。
【0070】
(5−1.ヒートパイプで第2基板とヒートシンクを熱的に接続する場合)
以下、
図4を参照しつつ、本変形例の電力変換装置の構造において、上記実施形態と異なる点等について説明する。
【0071】
図4に示すように、本変形例は、前述のヒートシンク50A,50B,50C,50Dに代えて、ヒートシンク50A′,50B′,50C′,50D′を設けた点等が、上記実施形態と異なる。以下では、ヒートシンク50A′〜50D′を「ヒートシンク50′」と総称する。
【0072】
ヒートシンク50A′は、前述のヒートシンクベース51Aに代えてヒートシンクベース51A′を設け、さらにヒートパイプ53Aを新たに設けた点等が、ヒートシンク50Aと異なる。ヒートシンク50B′は、前述のヒートシンクベース51Bに代えてヒートシンクベース51B′を設け、さらにヒートパイプ53Bを新たに設けた点等が、ヒートシンク50Bと異なる。ヒートシンク50C′は、前述のヒートシンクベース51Cに代えてヒートシンクベース51C′を設け、さらにヒートパイプ53Cを新たに設けた点等が、ヒートシンク50Cと異なる。ヒートシンク50D′は、前述のヒートシンクベース51Dに代えてヒートシンクベース51D′を設け、さらにヒートパイプ53Dを新たに設けた点等が、ヒートシンク50Dと異なる。以下では、ヒートシンクベース51A′〜51D′を「ヒートシンクベース51′」、ヒートパイプ53A〜53Dを「ヒートパイプ53」と総称する。
【0073】
ヒートシンクベース51A′〜51D′は、ヒートシンクベース51A〜51Dの短手方向の寸法を前述の仕切板9の高さ方向の寸法よりも小さくしたものであり、各々の全部が第2基板40A〜40Dよりも上側、つまり前述の風洞70内に配置されている。
【0074】
ヒートシンクベース51A′〜51D′の右面には、上記ヒートパイプ53A〜53Dが例えば複数設置されている。ヒートパイプ53A,53B,53C,53Dは、仕切板7′に当該仕切板7′の板面方向に沿って並べて形成された、4つの貫通孔7a′,7b′,7c′,7d′の各々を貫通するように、第2基板40A,40B,40C,40Dと平行に延設されている。そして、ヒートパイプ53A〜53Dは、各々の下側の部分が第2基板40A〜40Dと高さ方向において重複する位置に配置され、各々の上側の部分が第2基板40A〜40Dよりも上側、つまり風洞70内に配置されている。
【0075】
ヒートパイプ53Aの左面の下側、つまり第2基板40Aと高さ方向において重複する部分には、前述のように第2基板40Aの上端44寄りに配置されるパワーモジュールPM1,PM2が設置されている。すなわち、パワーモジュールPM1,PM2は、幅方向において第2基板40Aとヒートパイプ53Aとの間に配置され、ヒートパイプ53Aは、ヒートシンク50A′とパワーモジュールPM1,PM2とを熱的に接続している。
【0076】
ヒートパイプ53Bも同様に、その左面の第2基板40Bと高さ方向において重複する部分には、前述のように第2基板40Bの上端44寄りに配置されるパワーモジュールPM3,PM4が設置されている。すなわち、パワーモジュールPM3,PM4は、幅方向において第2基板40Bとヒートパイプ53Bとの間に配置され、ヒートパイプ53Bは、ヒートシンク50B′とパワーモジュールPM3,PM4とを熱的に接続している。
【0077】
ヒートパイプ53Cも同様に、その左面の第2基板40Cと高さ方向において重複する部分には、前述のように第2基板40Cの上端44寄りに配置されるパワーモジュールPM5,PM6が設置されている。すなわち、パワーモジュールPM5,PM6は、幅方向において第2基板40Cとヒートパイプ53Cとの間に配置され、ヒートパイプ53Cは、ヒートシンク50C′とパワーモジュールPM5,PM6とを熱的に接続している。
【0078】
ヒートパイプ53Dも同様に、その左面の第2基板40Dと高さ方向において重複する部分には、前述のように第2基板40Dの上端44寄りに配置されるパワーモジュールPM7,PM8が設置されている。すなわち、パワーモジュールPM7,PM8は、幅方向において第2基板40Dとヒートパイプ53Dとの間に配置され、ヒートパイプ53Dは、ヒートシンク50D′とパワーモジュールPM7,PM8とを熱的に接続している。
【0079】
また、ヒートシンクベース51A′には、上記複数のフィン52Aが立設されている。複数のフィン52Aは、ヒートシンクベース51A′から、ヒートパイプ53Aに対しパワーモジュールPMが配置される方向、つまり左方に向かって突出している。すなわち、パワーモジュールPM1,PM2は、第2基板40Aの上端44寄りの部分、及び、ヒートシンク50A′の一部、つまりヒートパイプ53Aの下側の部分と高さ方向において重複する位置に配置されている。
【0080】
また、ヒートシンクベース51B′にも同様に、当該ヒートシンクベース51B′から左方に向かって突出した上記複数のフィン52Bが立設されている。すなわち、パワーモジュールPM3,PM4は、第2基板40Bの上端44寄りの部分及びヒートパイプ53Bの下側の部分と高さ方向において重複する位置に配置されている。
【0081】
また、ヒートシンクベース51C′にも同様に、当該ヒートシンクベース51C′から左方に向かって突出した上記複数のフィン52Cが立設されている。すなわち、パワーモジュールPM5,PM6は、第2基板40Cの上端44寄りの部分及びヒートパイプ53Cの下側の部分と高さ方向において重複する位置に配置されている。
【0082】
また、ヒートシンクベース51D′にも同様に、当該ヒートシンクベース51D′から左方に向かって突出した上記複数のフィン52Dが立設されている。すなわち、パワーモジュールPM7,PM8は、第2基板40Dの上端44寄りの部分及びヒートパイプ53Dの下側の部分と高さ方向において重複する位置に配置されている。
【0083】
本変形例では、ヒートパイプ53A〜53Dが、熱伝導部材の一例に相当する。
【0084】
なお、ヒートシンク50A′〜50D′の形状や配置は、上記形状や配置に限定されるものではなく、他の形状や配置であってもよい。例えば、ヒートパイプ53Aは、ヒートシンベース51A′の右面に設置される場合に限定されるものではなく、ヒートシンクベース51A′の左面に設置されたり、ヒートシンクベース51A′に埋め込まれてもよい(ヒートパイプ53B〜53Dも同様)。また、フィン52Aは、ヒートシンクベース51A′から、ヒートパイプ53Aに対しパワーモジュールPMが配置される方向(上記の例では左方)に向かって突出する場合に限定されるものではない。例えば、フィン52Aは、ヒートシンクベース51A′から、ヒートパイプ53Aに対しパワーモジュールPMが配置される方向とは反対方向に向かって突出してもよい(フィン52B〜52Dも同様)。
【0085】
また、パワーモジュールPM1,PM2は、幅方向において第2基板40Aとヒートパイプ53Aとの間に配置される場合に限定されるものではなく、第2基板40Aを間に挟み込むようにヒートパイプ53Aに設置されてもよい(パワーモジュールPM3,PM4、パワーモジュールPM5,PM6、パワーモジュールPM7,PM8も同様)。
【0086】
また、熱伝導部材は、ヒートパイプに限定されるものではなく、パワーモジュールを熱的に接続可能な部材でありさえすれば、他の部材であってもよい。
【0087】
以上説明した本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0088】
なお、以上既に述べた以外にも、上記実施形態やその変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
【0089】
その他、一々例示はしないが、上記実施形態やその変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。