(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
処理装置は、選択機能で選択された開閉器と受信機能で受信した識別情報が示す開閉器とが一致していると、送信装置が開閉器から識別情報を取得した時刻を示す時刻情報を表示装置に表示する命令を出力する確認状況表示機能を有する請求項1又は2に記載の配電自動化システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、配電系統に繋がる開閉器には、配電自動化システムから遠隔制御することができないものがある(すなわち、作業者が手動で操作することが必要となるものがある)。このような開閉器の状態を切り替える場合、まず、選択機能で操作対象となる開閉器を選択し、当該開閉器の情報を作業者に伝達する。そして、作業者は、伝達された情報を基に操作対象となる開閉器を探し出したうえで、当該開閉器を手動で操作している。
【0006】
しかしながら、上述のような配電自動化システムでは、選択機能で選択した開閉器と作業者が操作しようとする開閉器とが一致しているか否かの判断を作業者自身に委ねることになるため、作業者が選択機能で選択した開閉器とは異なる開閉器を操作してしまう虞があった。
【0007】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、作業者が開閉器を手動で操作するにあたり、選択した開閉器と作業者が操作しようとする開閉器とが一致しているか否かを確認することができる配電自動化システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る配電自動化システムは、開閉器を識別するための識別情報を
作業者が入力することで取得する送信装置と、該送信装置が取得した識別情報を
受信するための受信機能を有する処理装置と、
作業者により手動で操作される開閉器を含む配電系統の系統図を表示する表示装置とを備え、処理装置は、操作対象とする開閉器を選択する選択機能と、
開閉器の状態を示す情報である切替情報を変更する変更機能と、前記開閉器のうちの手動で操作される開閉器が選択機能で選択
された
場合に、該開閉器と受信機能で受信した識別情報が示す開閉器とが一致していなければ、その旨を示す警告情報を表示装置に表示する命令を出力する警告機能とを有することを特徴とする。
【0009】
上記構成の配電自動化システムによれば、選択機能で選択した開閉器と、受信機能で受信した識別情報が示す開閉器とが一致していなければ、警告機能がその旨を表示するようになっている。すなわち、選択機能で選択した開閉器と、作業者が操作しようとする開閉器とが一致していなければ、警告機能がその旨を表示するようになっている。そのため、警告情報を確認することによって、選択機能で選択した開閉器と、作業者が操作しようとする開閉器とが一致しているか否かを確認することができる。
【0010】
また、本発明の一態様として、
前記警告機能が警告情報を表示装置に表示しているときに、変更機能による切替情報の変更を禁止するロック機
能を有するようにしてもよい。
【0011】
このようにすれば、切替情報を確認することによって、開閉器の状態を確認することができるようになる。また、警告機能が警告情報を表示装置に表示する命令を出力しているときに、ロック機能が変更機能による切替情報の変更を禁止するため、切替情報が示す開閉器の状態と、開閉器の実際の状態とが不一致になることを防止することができる。
【0012】
また、本発明の他態様として、処理装置は、選択機能で選択された開閉器と受信機能で受信した識別情報が示す開閉器とが一致していると、送信装置が開閉器から識別情報を取得した時刻を示す時刻情報を表示装置に表示する命令を出力する確認状況表示機能を有するようにしてもよい。
【0013】
このようにすれば、作業者が開閉器から識別情報を取得した時刻を確認することができるため、切替情報が示す開閉器の状態と、開閉器の実際の状態とが不一致になることをより確実に防止できる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明の配電自動化システムによれば、作業者が開閉器を手動で操作するにあたり、配電自動化システムで選択した開閉器と作業者が操作しようとする開閉器とが一致しているか否かを確認することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る配電自動化システムのブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る配電自動化システムのユーザーインターフェースの概略図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係る配電自動化システムのフローチャートである。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る配電自動化システムのフローチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る配電自動化システムのユーザーインターフェースの概略図であって、
図5Aは、選択機能が実行される前のユーザーインターフェースの概略図であり、
図5Bは、選択機能が実行された後のユーザーインターフェースの概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る配電自動化システムのユーザーインターフェースの概略図であって、
図6Aは、警告機能が選択機能で選択した開閉器と受信機能で受信した識別情報が示す開閉器とが一致していないと判断したときのユーザーインターフェースの概略図であり、
図6Bは、確認状況表示機能が時刻情報と作業者識別情報とを表示装置に表示しているときのユーザーインターフェースの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る配電自動化システムについて、添付図面を参照しつつ説明を行う。
【0017】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る配電自動化システムは、開閉器Sを識別するための識別情報S1を取得する送信装置1と、該送信装置1が取得した識別情報S1を基に処理を行う処理装置2と、該処理装置2の処理結果を表示する表示装置3とを備えている。
【0018】
送信装置1は、処理装置2に識別情報S1を送信するための送信機能10を有する。なお、識別情報S1は、各開閉器S固有の情報であり、例えば、開閉器Sが設置されている電柱の番号等を設定することができる。また、送信装置1は、ネットワークNを介して受信機能21と通信できるようになっている。
【0019】
処理装置2は、操作対象とする開閉器を選択する選択機能20と、送信装置1が取得した識別情報S1を受信するための受信機能21と、選択機能20で選択した開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致していなければ、その旨を示す警告情報220を表示装置3に表示する命令を出力する警告機能22とを有する。
【0020】
また、処理装置2は、開閉器Sの状態を示す情報である切替情報230を変更する変更機能23と、警告機能22が警告情報220を表示しているときに、切替情報230の変更を禁止するロック機能24とを有する。
【0021】
そして、配電自動化システムは、選択機能20で選択された開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致しているときに、送信装置1が開閉器Sから識別情報S1を取得した時刻である時刻情報250を表示させる命令を出力する確認状況表示機能25を有する。なお、本実施形態における確認状況表示機能25は、開閉器Sから識別情報S1を取得した時刻である時刻情報250を表示させる命令を表示機能27に出力するようになっている。
【0022】
さらに、処理装置2は、受信機能21を停止させる取消機能26と、表示装置3に対して、当該システムを操作するためのユーザーインターフェース(後述する、系統
図U1、開閉器U2、受信機能実行ボタンU3、第一の切替ボタンU4、第二の切替ボタンU5、取消ボタンU6)を表示する表示機能27とを有する。
【0023】
選択機能20は、表示装置3に表示される系統
図U1上の開閉器U2を選択することで、操作対象とする開閉器U2(実際に操作しようとする開閉器Sに対応する開閉器U2)を選択することができるようになっている。また、選択機能20は、操作対象とする開閉器U2が選択されたときに、受信機能21を実行するようになっている。
【0024】
さらに、選択機能20は、操作対象とする開閉器U2が選択されたときに、選択機能20で選択した開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとの対応関係の確認がなされていないことを示す未確認情報200を表示装置3に表示する命令を出力するようになっている(本実施形態では、表示機能27に対して、未確認情報200を表示装置3に表示する命令を出力する)。
【0025】
なお、系統
図U1上の開閉器U2を選択する方法としては、表示装置3にカーソルを表示し、処理装置2に接続されている入力装置(例えば、マウスや、キーボード等)でカーソルを移動させて開閉器U2を選択することができるようにする方法を採用することができる。
【0026】
受信機能21は、選択機能20によって実行されると、送信装置1(受信機能21)から送信される識別情報S1を受信可能な状態になる。すなわち、配電自動化システムでは、受信機能21が実行されると、送信装置1から送信される識別情報S1を受信可能な状態で待機するようになっている。
【0027】
また、受信機能21は、送信装置1から送信される識別情報S1を受信すると、警告機能22を実行するようになっている。なお、受信機能21は、表示装置3に表示される受信機能実行ボタンU3を選択することで実行されるようになっている。
【0028】
警告機能22は、選択機能20で選択した開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致しているか否かを判断するようになっている。また、警告機能22は、選択機能20で選択した開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致していると判断すると、確認状況表示機能25を実行するようになっている。
【0029】
そして、警告機能22は、選択機能20で選択した開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致していないと判断すると、警告情報220を表示装置3に表示する命令を表示機能27に出力し、ロック機能24を実行するようになっている。
【0030】
さらに、警告機能22は、表示装置3に警告情報220を表示する命令を表示機能27に出力している状態で受信機能21が識別情報S1を受信したときにおいても、選択機能20で選択された開閉器U2と受信機能21が取得した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致しているか否かを判断するようになっている。そして、警告機能22は、警告情報220を表示装置3に表示する命令を表示機能27に出力しているときに、選択機能20で選択した開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致していると判断すると警告情報220を非表示にしたうえで確認状況表示機能25を実行するようになっている。
【0031】
また、警告機能22は、確認状況表示機能25を実行する際に、未確認情報200を非表示にする命令を表示機能27に出力するようになっている。
【0032】
変更機能23は、切替情報230に対して、選択機能20で選択された開閉器U2が開いている状態であることを示す開情報、又は選択機能20で選択された開閉器U2が閉じている状態であることを示す閉情報を設定することができるようになっている。すなわち、変更機能23は、選択機能20で選択された開閉器U2の切替情報230を開情報又は閉情報に切り替えるようになっている。
【0033】
なお、変更機能23は、表示装置3に表示されている第一の切替ボタンU4が押下されると切替情報230に開情報を設定し、表示装置3に表示されている第二の切替ボタンU5が押下されると切替情報230に閉情報を設定するようになっている。また、切替情報230には、配電自動化システムで把握している各開閉器Sの状態を示す情報が記憶されている。
【0034】
ロック機能24は、警告機能22が表示装置3に表示されている警告情報220を非表示にする命令を表示機能27に出力すると、切替情報230に対する変更の禁止を解除するようになっている。
【0035】
確認状況表示機能25は、警告機能22が選択機能20で選択された開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致しているときに、作業者を示す情報である作業者識別情報251を表示するようになっている。
【0036】
取消機能26は、表示機能27に表示されている取消ボタンU6を押下することで実行することができるようになっている。
【0037】
表示機能27は、系統
図U1、開閉器U2、受信機能実行ボタンU3、第一の切替ボタンU4、第二の切替ボタンU5、取消ボタンU6を表示装置3に表示するようになっている。また、表示機能27は、各種情報を表示装置3に表示する命令を受信したときに、命令を受信した情報を表示装置3に表示するようになっている。
【0038】
本実施形態に係る配電自動化システムは、以上の通りである。続いて、本実施形態に係る配電自動化システムの動作について、添付図面を参照しつつ説明を行う。
【0039】
配電自動化システムでは、
図3、及び
図5A、
図5Bに示すように、選択機能20によって、操作対象とする開閉器U2が選択されると(S1でYES)、選択機能20が表示装置3に未確認情報200を表示する(S2)。
【0040】
そして、受信機能実行ボタンU3が押下されると(S3でYES)受信機能21を実行する。これにより、作業者が開閉器Sから取得した識別情報S1を受信可能な状態になる。このとき、取消ボタンU6が押下されると(S4でNO)、取消機能26が受信機能21を停止させた後に(S5)、処理を終了させる。
【0041】
受信機能21は、識別情報S1を受信すると(S6)、警告機能22を実行する。警告機能22は、選択機能20で選択した開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致していると判断した場合(S7でYES)、確認状況表示機能25を実行する。
【0042】
その一方で、警告機能22は、選択機能20で選択した開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致していないと判断した場合(S7でNO)、
図4及び
図6Aに示すように、警告情報220を表示する(S8)。
【0043】
警告情報220が表示装置3に表示されるとロック機能24が実行される(S9)。このとき、取消ボタンU6が押下されると(S10でYES)、取消機能26が受信機能21を停止させ(S5)、処理を終了させる。また、作業者が開閉器Sから取得した識別情報S1を再び受信機能21が受信すると(S11でYES)、警告機能22が再度、選択機能20で選択した開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致しているか否かを判断する(S12)。
【0044】
そして、選択機能20で選択した開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致していると警告機能22が判断すると(S12でYES)、警告機能22は、警告情報220を非表示にする(S13)。これに伴い、ロック機能24が切替情報230に対する変更の禁止を解除し(S14)、確認状況表示機能25を実行する。
【0045】
その一方で、選択機能20で選択した開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致していないと警告機能22が判断すると(S12でNO)、処理を行わずに、再び作業者が開閉器Sから取得した識別情報S1を受信可能な状態になる。
【0046】
そして、
図6Bに示すように、確認状況表示機能25は、実行されると時刻情報250と作業者識別情報251とを表示装置3に表示する(S15)。このような状態で第一の切替ボタンU4が選択されると(S16)、変更機能23は、切替情報230に開情報を設定する(S17)。そして、第二の切替ボタンU5が選択されると(S16)、変更機能23は、切替情報230に閉情報を設定する(S17)。このようにして、切替情報230が切り替えられた後に、処理を終了する。
【0047】
以上のように、本実施形態に係る配電自動化システムによれば、選択機能20で選択した開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致していなければ、その旨を示す警告情報220を表示する警告機能22を備えているため、警告機能22を確認することによって、選択機能20で選択した開閉器U2と、作業者が操作しようとする開閉器Sとが一致しているか否かを確認することができる。従って、作業者が開閉器Sを手動で操作するにあたり、配電自動化システムで選択した開閉器U2と作業者が操作しようとする開閉器Sとが一致しているか否かを確認することができるという優れた効果を奏し得る。
【0048】
また、開閉器Sの状態を示す情報である切替情報230を変更する変更機能23と、警告機能22が警告情報220を表示しているときに、切替情報230の変更を禁止するロック機能24とを備えている。そのため、警告機能22が選択機能20で選択された開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致していないことを表示しているときに、変更機能23が切替情報230を変更することをロック機能24が禁止するため、開閉器Sの実際の状態と、切替情報230とが対応していない状態になることを防止することができる。
【0049】
そして、判断機能が選択機能20で選択された開閉器U2と受信機能21で受信した識別情報S1が示す開閉器Sとが一致しているときに、作業者が開閉器Sから識別情報S1を取得した時刻を示す時刻情報250を表示する確認状況表示機能25を備えているため、作業者が開閉器Sから識別情報S1を取得した時刻を確認することができる。従って、より確実に開閉器Sの実際の状態と、切替情報230とが対応していない状態になることをより確実に防止することができる。
【0050】
尚、本発明の配電自動化システムは、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を行うことは勿論である。
【0051】
上記実施形態において、特に言及しなかったが、送信装置1は、作業者が持ち運び可能な端末によって構成することができる。また、送信装置1によって、開閉器Sから識別情報S1を読み取る方法としては、識別情報S1を記憶させたICを開閉器Sに取り付けたり、開閉器S自体に識別情報S1を印字し、作業者が送信装置1に識別情報S1を入力するようにしたりすることができる。
【0052】
また、上記実施形態において、取消機能26は、取消ボタンU6を押下することで実行されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、例えば、取消機能26は、受信機能21が所定の時間内に識別情報S1を受信することができなければ、受信機能21を終了させて処理を終了させるようにしてもよい。
【0053】
また、上記実施形態において、処理装置2の選択機能20は、操作対象となる開閉器U2が選択されたときに、当該開閉器U2を示す情報を送信装置1に送信する命令を出力するようにしてもよい。このようにすれば、作業者は、開閉器Sから識別情報S1を取得する際に、選択機能20によって選択された開閉器U2の情報を得ることができる。従って、作業者が選択機能20で選択した開閉器U2とは異なる開閉器Sから識別情報S1を取得してしまうことを防止することができる。
【0054】
さらに、このようにする場合、送信装置1は、選択機能20で選択した開閉器U2とは異なる開閉器Sから識別情報S1を取得しようとしたとき(例えば、開閉器Sに接近したとき等)に、その旨を報知するようにしてもよい。このようにすれば、作業者が選択機能20で選択した開閉器Sとは異なる開閉器Sから識別情報S1を取得してしまうことをより確実に防止することができる。