(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の第一実施形態に係る閉止確認装置について、添付図面を参照しつつ説明する。まず、閉止確認装置の説明に先立ち、閉止確認装置を取り付ける対象となるエレベータについて説明する。
【0030】
図1に示すように、エレベータ6は、複数の乗場のそれぞれに対応する位置に移動可能なケージと、ケージの内部と乗場とを繋ぐ出入口60と、出入口60を閉じるためのドア61とを備えている。エレベータ6は、乗場に固定されたヘッダフレーム62と、ヘッダフレーム62に設けられ、一つの方向に長手をなすガイドレール63と、ガイドレール63の長手方向でスライド可能になっているドアハンガー64とを備えている。エレベータ6は、後述する第一被挟持部及び第二被挟持部を挟み込むための挟持装置(図示しない)を備えている。なお、
図1では、ケージを図示していない。
【0031】
出入口60は、複数の乗場のそれぞれに設けられた乗場口600と、ケージに設けられたケージ口とを備えている。ケージ口は、ケージが乗場に対応する位置に移動すると、乗場口600に向かい合う状態になる。
【0032】
ドア61は、乗場口600を閉じるための乗場ドア610と、ケージ口を閉じるためのケージドアとを備えている。
【0033】
乗場ドア610は、ガイドレール63の長手方向(第一方向(左右方向))に並ぶように配置された一対の外戸610a,610aを備えている。一対の外戸610a,610aは、互いに接近する方向及び離れる方向にスライド可能になっている。ケージドアは、第一方向に並ぶように配置された一対の内戸を備えている。一対の内戸は、互いに接近する方向及び離れる方向にスライド可能になっている。
【0034】
乗場ドア610とケージドアとは、互いに連動してスライドするようになっている。すなわち、一対の内戸が互いに接近する方向にスライドすると、一対の外戸610a,610aも互いに接近する方向にスライドするようになっている。一方、一対の内戸が互いに離れる方向にスライドすると、一対の外戸610a,610aも互いに離れる方向にスライドするようになっている。これにより、ドア61は、出入口60を閉止したり、開放することができる。乗場ドア610及びケージドアは、一対の外戸610a,610a及び一対の内戸が左右に開く、いわゆるセンターオープンタイプのドアである。
【0035】
ヘッダフレーム62は、乗場口600の上方に設けられている。ガイドレール63は、ヘッダフレーム62に固定されている。ドアハンガー64は、一対の外戸610a,610aのそれぞれの上部に設けられている。すなわち、乗場ドア610は、一対のドアハンガー64,64を備えている。
【0036】
図1に示すように、閉止確認装置1は、回路ユニット2と、乗場ドア610の開閉に伴って該回路ユニット2に対して相対的に移動する第一切替部材3と、乗場ドア610の開閉に伴って回路ユニット2に対して相対的に移動する第二切替部材4と、乗場ドア610が閉じた状態で、第一切替部材3の移動及び第二切替部材4の移動の少なくとも何れか一方を規制可能な規制機構5とを備えている。
【0037】
図2に示すように、回路ユニット2は、単一のベース22に設けられた第一接点部20及び第二接点部21を有している。また、
図3及び
図4に示すように、回路ユニット2は、ベース22を取付可能な取付板部230を有する第一ステー23をさらに有している。
【0038】
具体的に説明すると、第一接点部20は、導電性を有して一つの方向に長手をなす一対の第一端子部材200,200を備えている。第一端子部材200は、長手方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有している。第一端子部材200は、第一端側の長手方向と第二端側の長手方向とが互いに交差するように形成されている。すなわち、第一端子部材200は、長手方向における途中位置で僅かに折れ曲がっている。
【0039】
第一端子部材200の第一端には、長手方向と直交する方向に間隔をあけて配置された一対の第一接触部200a,200aが設けられている。
【0040】
第一端子部材200の第二端側には、第一接続穴200bが設けられている。そのため、第一端子部材200の第二端側には、導線に接続された端子(例えば、丸端子や、Y端子)をネジ締結できるようになっている。
【0041】
第二接点部21は、導電性を有して一つの方向で長手をなす一対の第二端子部材210,210を備えている。第二端子部材210は、長手方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有している。第二端子部材210は、第一端側の長手方向と第二端側の長手方向とが互いに交差するように形成されている。すなわち、第二端子部材210は、長手方向における途中位置で僅かに折れ曲がっている。
【0042】
第二端子部材210の第一端には、長手方向と直交する方向に間隔をあけて配置された一対の第二接触部210a,210aが設けられている。
【0043】
第二端子部材210の第二端側には、第二接続穴210bが設けられている。そのため、第二端子部材210の第二端側には、導線に接続された端子(例えば、丸端子や、Y端子)をネジ締結できるようになっている。
【0044】
図6に示すように、一方の第一端子部材200及び一方の第二端子部材210は、エレベータ6を制御するための制御装置Cに繋がる電気回路に電気的に接続されている。他方の第一端子部材200及び他方の第二端子部材210は、互いに電気的に接続されている。
【0045】
図3及び
図4に戻り、ベース22は、電気絶縁性を有している。ベース22は、外観直方体状のベース本体220と、ベース本体220の上面から起立する仕切部221とを備えている。
【0046】
ベース本体220は、第一方向と直交する方向(第二方向(前後方向))において、第一ステー23の取付板部230と対向する背面220aと、背面220aと対向する前面220bとを有している。ベース本体220は、第一方向において対向する第一側面220cと第二側面220dとを有している。ベース本体220は、第一方向及び第二方向のそれぞれと直交する方向(第三方向(上下方向))において対向する上面220e及び底面220fを有している。
【0047】
ベース本体220には、前面220bから背面220aに亘って貫通した一対の第一ベース用固定穴220g,220gが設けられている。一対の第一ベース用固定穴220g,220gは、第一方向に互いに間隔をあけて設けられている。
【0048】
図5に示すように、仕切部221は、上面220eから起立する第一壁部221aであって、第二方向に間隔をあけて設けられた複数(本実施形態では三つ)の第一壁部221a,221a,221aと、それぞれ隣り合う第一壁部221a,221a間に跨って設けられた複数(本実施形態では二つ)の第二壁部221b,221bとを備えている。
【0049】
第一壁部221aは、第一方向における上面220eの一方側から他方側に亘って真っ直ぐに延びている。第二壁部221bは、第二方向に並ぶように配置されている。第二壁部221bは、自身と隣り合う第一壁部221aと一体的に形成されている。
【0050】
これにより、ベース本体220の上面220eは、四つの領域に区画されている。より具体的に説明すると、第一方向におけるベース22の上面220eの一方側には、第二方向に互いに間隔をあけて位置する第一配置部222aと第二配置部222bとが形成されている。第一方向におけるベース22の上面の他方側には、第二方向に互いに間隔をあけて位置する第三配置部222cと第四配置部222dとが形成されている。
【0051】
第一配置部222a及び第二配置部222bは、第一方向に長手をなすように形成されている。第一配置部222aには、一方の第一端子部材200が配置されている。第二配置部222bには、他方の第一端子部材200が配置されている。そのため、一対の第一端子部材200,200は、第二方向に並ぶように配置されている。一方の第一端子部材200における一対の第一接触部200a,200aのそれぞれは、第一配置部222aから第一方向に延出している。他方の第一端子部材200における一対の第一接触部200a,200aのそれぞれは、第二配置部222bから第一方向に延出している。
【0052】
第三配置部222c及び第四配置部222dは、第三方向に長手をなすように形成されている。第三配置部222cには、他方の第二端子部材210が配置されている。第四配置部222dには、一方の第二端子部材210が配置されている。そのため、一対の第二端子部材210,210は、第二方向に並ぶように配置されている。
【0053】
第二端子部材210は、第三方向に延びるように配置されている。より具体的に説明すると、他方の第二端子部材210における一対の第二接触部210a,210aのそれぞれは、第三配置部222cから第三方向に延出している。一方の第二端子部材210における一対の第二接触部210a,210aは、第四配置部222dから第三方向に延出している。
【0054】
以上のように、回路ユニット2では、第一接点部20と第二接点部21とが第一方向に並ぶように配置されている。より具体的に説明すると、回路ユニット2では、一方の第一端子部材200と他方の第二端子部材210とが第一方向に並ぶように配置され、他方の第一端子部材200と一方の第二端子部材210とが第一方向に並ぶように配置されている。
【0055】
図4に戻り、第一ステー23は、取付板部230に設けられたベース固定部231と、取付板部230に対して直交するように設けられた載置板部232とを備えている。
【0056】
取付板部230には、第三方向に長手をなす一対の第一調整穴230a,230aが設けられている。一対の第一調整穴230a,230aは、第一方向に互いに間隔をあけて設けられている。
【0057】
回路ユニット2は、取付板部230にてガイドレール63にねじ固定されている。そのため、回路ユニット2の第一接点部20と第二接点部21とが第一方向に並んでいる。
【0058】
ベース固定部231は、取付板部230と対向する第一板部231aと、該第一板部231aと取付板部230とを繋ぐ一対の第二板部231b,231bとを備えている。第一板部231aには、一対の第二ベース用固定穴231c,231cが設けられている。一対の第二ベース用固定穴231c,231cは、第一方向に互いに間隔をあけて設けられている。一対の第二ベース用固定穴231c,231c同士の間隔は、一対の第一ベース用固定穴220g,220g同士の間隔と同一となるように設定されている。第二ベース用固定穴231cは、ネジ穴となっている。
【0059】
これにより、回路ユニット2は、第一ベース用固定穴220gに挿通させたボルトを第二ベース用固定穴231cに螺合させることによって、第一ステー23に固定することができるようになっている。
【0060】
載置板部232には、一対の第一規制機構用固定穴232a,232aが設けられている。一対の第一規制機構用固定穴232a,232aは、第一方向に互いに間隔をあけて設けられている。
【0061】
図7Aに示すように、第一切替部材3は、第一方向に長手をなす板状の第一アーム30であって、長手方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有する第一アーム30と、第一アーム30の第一端に設けられ、一対の第一端子部材200,200のそれぞれを電気的に接続可能な第一接続部31とを備えている。第一切替部材3は、第一アーム30が回転可能に設けられた第二ステー32を備えている。第一切替部材3は、第一アーム30に設けられた受圧部33と、該受圧部33を付勢する付勢ユニット34と、第一アーム30の姿勢を変更するための姿勢変更機構35とを備えている。
【0062】
第一アーム30は、平板状に形成されている。第一アーム30の第二端側には、軸穴(図示しない)が設けられている。第一アーム30の第一端側には、一対の第一ホルダー用固定穴300,300が設けられている。一対の第一ホルダー用固定穴300,300は、第一方向に互いに間隔をあけて設けられている。
【0063】
図7B及び
図8に示すように、第一接続部31は、導電性を有する第一導電板310と、電気絶縁性を有し、該第一導電板310を第一アーム30の第一端に固定する第一ホルダー311とを備えている。第一導電板310は、面直交方向に第一面と該第一面とは反対側の第二面とを有している。
【0064】
第一ホルダー311は、第一方向に長手をなす第一固定部311aであって、長手方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有する一対の第一固定部311a,311aと、該一対の第一固定部311a,311aのそれぞれの第一端に亘って設けられ、第一導電板310を取り付けるための第一取付部311bとを備えている。
【0065】
一対の第一固定部311a,311aは、互いに間隔をあけて設けられている。一方の第一固定部311aと他方の第一固定部311aとの間隔は、第一アーム30の厚みと同一又は略同一となるように設定されている。これにより、一対の第一固定部311a,311a同士の間には、第一アーム30の第一端側を介在させることができるようになっている。
【0066】
図7Bに示すように、第一固定部311aには、一対の第二ホルダー用固定穴311c,311cが設けられている。一対の第二ホルダー用固定穴311c,311cは、第一方向に互いに間隔をあけて設けられている。
【0067】
一対の第二ホルダー用固定穴311c,311c同士の間隔は、一対の第一ホルダー用固定穴300,300同士の間隔と同一となるように設定されている。これにより、第一ホルダー311は、第一ホルダー用固定穴300に挿通させたボルトを第二ホルダー用固定穴311cに螺合させることによって、第一アーム30の第一端側に固定されるようになっている。
【0068】
図8に示すように、第一取付部311bは、該第一取付部311bに取り付けられた第一導電板310の第一面を第三方向に向けることができるようになっている。
【0069】
第二ステー32には、第二方向に延出した回転軸320が設けられている。第二ステー32には、第一方向に長手をなす第二調整穴321が設けられている。一対の第二調整穴321,321は、第一方向に互いに間隔をあけて設けられている。
【0070】
回転軸320は、第一アーム30の軸穴に挿通されている。これにより、第一アーム30は、回転軸320の軸心周りで回転可能になっている。
【0071】
第一切替部材3は、第二ステー32にて一方のドアハンガー64に固定されている。そのため、第一切替部材3は、乗場ドア610の一方の外戸610aのスライドに伴って回路ユニット2に対して相対的に移動するようになっている。これにより、第一切替部材3は、第一導電板310が回路ユニット2の第一接点部20(一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一接触部200a)に当接した状態と、第一導電板310が第一接点部20(一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一接触部200a)から離れた状態とに切り替わるようになっている。従って、第一切替部材3は、乗場ドア610の開閉に伴って、回路ユニット2の第一接点部20が導通した状態と導通していない状態とに切替可能になっている。
【0072】
図7Aに戻り、受圧部33は、第一アーム30から第二ステー32に向けて延出している。また、受圧部33には、挿通穴330が設けられている。
【0073】
付勢ユニット34は、第二ステー32から第一アーム30に向けて延出した固定台部340と、軸心方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有する支軸341であって、受圧部33の挿通穴330に挿通された状態で、第一端が固定台部340に固定された支軸341と、該支軸341が挿通された状態で、受圧部33よりも支軸341の第二端側に配置されたブッシング342と、支軸341が挿通された状態で、ブッシング342よりも支軸341の第二端側に配置された付勢バネ343と、ブッシング342及び付勢バネ343が支軸341の第二端から抜けることを防止する抜止部材344とを備えている。
【0074】
固定台部340は、第三方向で受圧部33と対向するように設けられている。支軸341は、第三方向に長手をなすようになっている。支軸341の第二端側には、雄ネジ部341aが形成されている。
【0075】
ブッシング342には、軸挿通穴342aが設けられている。ブッシング342は、軸挿通穴342aが延びる方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有している。ブッシング342の第一端側の外径は、第二端側の外径よりも大きく設定されている。
【0076】
ブッシング342の軸挿通穴342aには、支軸341が挿通されている。ブッシング342は、第一端側の軸挿通穴342aから支軸341が挿通されている。そのため、ブッシング342は、第一端が受圧部33に当接した状態になっている。
【0077】
付勢バネ343は、圧縮コイルバネが採用されている。付勢バネ343は、支軸341に挿通された状態で、ブッシング342の第一端側に当接するようになっている。
【0078】
抜止部材344は、支軸341が挿通された抜止部材本体344aと、支軸341の雄ネジ部341aに螺合された雌ネジ部材344bとを備えている。抜止部材本体344aは、支軸341が挿通された状態で、付勢バネ343と当接するようになっている。そのため、抜止部材344は、雌ネジ部材344bを締め込むことによって、ブッシング342及び付勢バネ343が支軸341から抜けることを防止しつつ、付勢バネ343を圧縮させることができるようになっている。
【0079】
姿勢変更機構35は、回転軸320に同心に設けられた第一被挟持部350と、該第一被挟持部350から第一方向及び第三方向に変移した位置に設けられた第二被挟持部351とを備えている。
【0080】
第二被挟持部351に対して付勢バネ343の付勢力よりも強い外力を第一方向における一方側に作用させると、第一アーム30が回転軸320の軸心周りにおける一方側に回転する。第二被挟持部351に対して作用している外力が付勢バネ343の付勢力よりも弱くなると、第一アーム30が回転軸320の軸心周りにおける他方側に回転する。
【0081】
図9A、
図9B及び
図10に示すように、第二切替部材4は、第一方向に長手をなす第二アーム40であって、長手方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有する第二アーム40と、該第二アーム40の第一端に設けられ、一対の第二端子部材210,210のそれぞれを電気的に接続可能な第二接続部41とを備えている。第二切替部材4は、第二アーム40の第二端に設けられた第三ステー42を備えている。
【0082】
第二アーム40の第一端側には、一対の第一固定穴400,400が設けられている。一対の第一固定穴400,400は、第一方向に互いに間隔をあけて設けられている。第一固定穴400は、ネジ穴となっている。
【0083】
図9Bに示すように、第二接続部41は、導電性を有する第二導電板410と、電気絶縁性を有し、該第二導電板410を第二アーム40の第一端に固定する第二ホルダー411とを備えている。第二導電板410は、面直交方向に第一面と該第一面とは反対側の第二面とを有している。
【0084】
第二ホルダー411は、第二アーム40の第一端に固定された第二固定部411aであって、第一方向に長手をなす第二固定部411aと、該第二固定部411aに設けられ、第二方向に長手をなす第二取付部411bとを備えている。
【0085】
第二固定部411aには、一対の第二固定穴411c,411cが設けられている。一対の第二固定穴411c,411cは、第一方向に互いに間隔をあけて設けられている。一対の第二固定穴411c,411c同士の間隔は、一対の第一固定穴400,400同士の間隔と同一となるように設定されている。これにより、第二ホルダー411は、第二固定穴411cに挿通させたボルトを第一固定穴400に螺合することによって、第二アーム40の第一端側に固定されるようになっている。
【0086】
第二取付部411bは、該第二取付部411bに取り付けられた第二導電板410の第一面を第一方向に向けることができるようになっている。
【0087】
図9Aに示すように、第三ステー42は、第一方向に長手をなす板状に形成されている。第三ステー42は、長手方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有している。第三ステー42には、自身の長手方向で長手をなす複数(本実施形態では二つ)の第三調整穴420,420が設けられている。一対の第三調整穴420,420は、第一方向に互いに間隔をあけて設けられている。
【0088】
第三ステー42は、他方のドアハンガー64に固定されている。そのため、第二切替部材4は、乗場ドア610の他方の外戸610aのスライドに伴って回路ユニット2に対して相対的に移動するようになっている。これにより、第二切替部材4は、第二導電板410が回路ユニット2の第二接点部21(一対の第二端子部材210,210のそれぞれの第二接触部210a)に当接した状態と、第二導電板410が第二接点部21(一対の第二端子部材210,210のそれぞれの第二接触部210a)から離れた状態とに切り替わるようになっている。従って、第二切替部材4は、乗場ドア610の開閉に伴って、回路ユニット2の第二接点部21が導通した状態と導通していない状態とに切替可能になっている。
【0089】
規制機構5は、一対の外戸610a,610aが連動してスライドすることを前提に、第一接点部20が導通した状態にある第一切替部3の移動を規制可能になっている。より具体的に説明すると、
図4及び
図7Aに示すように、規制機構5は、回路ユニット2に設けられた被掛止部50と、第一切替部材3に設けられ、被掛止部50に掛止可能なフック部51とを備える。
【0090】
被掛止部50は、第一方向に長手をなす固定板部500であって、長手方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有する固定板部500と、該固定板部500の第一端に設けられた折曲部501とを備えている。
【0091】
固定板部500には、一対の第二規制機構用固定穴500a,500aが設けられている。一対の第二規制機構用固定穴500a,500aは、第一方向に互いに間隔をあけて設けられている。一対の第二規制機構用固定穴500a,500a同士の間隔は、一対の第一規制機構用固定穴232a,232a同士の間隔と同一となるように設定されている。
【0092】
第一規制機構用固定穴232aは、ネジ穴となっている。そのため、第一規制機構用固定穴232aに挿通させたボルトを第二規制機構用固定穴500aに螺合させることによって、被掛止部50を載置板部232上に取り付けることができるようになっている。
【0093】
折曲部501は、固定板部500の第一端に設けられている。折曲部501は、固定板部500の第二端側に向けて折り返されている。
【0094】
フック部51は、第一アーム30の第一端側に設けられている。フック部51は、第一アーム30の第一端側から第三方向に延出している。
【0095】
本実施形態に係る閉止確認装置1は、以上の通りである。続いて、閉止確認装置1の乗場への取付作業及び閉止確認装置1の動作について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0096】
閉止確認装置1の取付作業では、第一ステー23が乗場に取り付けられる。これにより、回路ユニット2が乗場に固定される。
【0097】
そして、第一切替部材3の設置位置が調整される。より具体的に説明すると、第一切替部材3の設置位置は、乗場ドア610が閉状態になると、第一導電板310が一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一接触部200aと第三方向に並ぶように設定される。また、第一切替部材3の設置位置は、乗場ドア610が閉状態になると、第一導電板310が一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一接触部200aに押しつけられた状態になるように設定される。
【0098】
尚、第二ステー32は、第二調整穴321に挿通させたボルトを一方のドアハンガー64に螺合させることによって、一方の外戸610aに固定されるが、ドアハンガー64に対するボルトの螺合を僅かに緩めれば、第二ステー32をドアハンガー64から取り外すことなく、第二調整穴321の長さの範囲内で第一方向での第一切替部材3の設置位置を調整することができる。
【0099】
このような状態で、ボルトを締め付けることにより、第二ステー32が一方のドアハンガー64に固定される。これにより、第一切替部材3が一方のドアハンガー64(一方の外戸610a)に設置される。
【0100】
次に、第二切替部材4の設置位置が調整される。より具体的に説明すると、第二切替部材4の設置位置は、第二導電板410が一対の第二端子部材210,210のそれぞれの第二接触部210aと第一方向に並ぶように設定される。また、第二切替部材4の設置位置は、乗場ドア610が閉状態になると、第二導電板410が一対の第二端子部材210,210のそれぞれの第二接触部210aに押し付けられた状態になるように設定される。
【0101】
尚、第三ステー42は、第三調整穴420に挿通させたボルトを他方のドアハンガー64に螺合させることによって、他方の外戸610aに固定されるが、ドアハンガー64に対するボルトの螺合を僅かに緩めれば、第三調整穴420の長さの範囲内で第一方向での第二切替部材4の設置位置を調整することができる。
【0102】
このような状態で、ボルトを締め付けることにより、第三ステー42が他方のドアハンガー64に固定される。これにより、第二切替部材4が他方のドアハンガー64(他方の外戸610a)に設置される。
【0103】
以上のようにして、閉止確認装置1がエレベータ6に取り付けられる。
【0104】
続いて、閉止確認装置1の動作について説明する。
図11A及び
図11Bに示すように、閉止確認装置1では、一対の内戸のそれぞれ及び一対の外戸610a,610aのそれぞれが互いに接近する方向にスライドすると、第一切替部材3が回路ユニット2に接近する。また、第二切替部材4も、回路ユニット2に接近する。
【0105】
そして、
図12A及び
図12Bに示すように、乗場ドア610が乗場口600を閉止すると、第一導電板310が一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一接触部200aに当接し、第二導電板410が一対の第二端子部材210,210のそれぞれの第二接触部210aに当接する。これにより、第一接点部20が導通した状態になる。そして、第二接点部21も導通した状態になる。
【0106】
従って、第一接点部20と第二接点部21とがそれぞれ導通した状態であることを確認することによって、乗場口600が乗場ドア610によって完全に閉止されたこと、ひいてはエレベータ6の出入口60がドア61によって完全に閉止されたことを確認することができる。
【0107】
ドア61を開く場合、エレベータ6の挟持装置が第一切替部材3の第一被挟持部350及び第二被挟持部351を挟み込む。このようにすると、第二被挟持部351が第一被挟持部350側に移動する。そのため、
図13A及び
図13Bに示すように、第一アーム30が回転320の軸心周りで回転し、第一アーム30の姿勢が変更される。
【0108】
これに伴い、第一導電板310が一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一接触部200aから離れる。そのため、第一接点部20が導通していない状態になる。また、フック部51の被掛止部50に対する掛止が解除される。そのため、一対の外戸610a,610aのそれぞれ及び一対の内戸のそれぞれの第一方向でのスライドが許容される。
【0109】
以上のように、本実施形態に係る閉止確認装置1は、エレベータ6のドア61が出入口60を完全に閉じていることを確実に確認することができるという優れた効果を奏し得る。
【0110】
また、本実施形態に係る閉止確認装置1において、第二端子部材210は、第三方向に沿って延びるように配置されている。これにより、第二切替部材4は、回路ユニット2に接近することで第二導電板410を一対の第二端子部材210,210のそれぞれの第二接触部210aに押し付けることができるようになる。
【0111】
また、本実施形態に係る閉止確認装置1では、一対の第一端子部材200,200のそれぞれに一対の第一接触部200a,200aが設けられている。そのため、一部の第一接触部200aが破損したとしても、第一接点部20が導通した状態にならないといった事態が生じることを防止できる。そして、本実施形態に係る閉止確認装置1では、一対の第二端子部材210,210のそれぞれに一対の第二接触部210a,210aが設けられている。そのため、一部の第二接触部210aが破損したとしても、第二接点部21が導通した状態にならないといった事態が生じることを防止できる。
【0112】
そして、本実施形態に係る閉止確認装置1では、一方の第一端子部材200及び一方の第二端子部材210が制御装置Cに繋がる電気回路に電気的に接続されている。そのため、出入口60がドア61によって完全に閉じられていない状態でケージが別の乗場に移動することを防止できる。
【0113】
さらに、本実施形態に係る閉止確認装置1では、単一のベース22に二つの接点(第一接点部20及び第二接点部21)が設けられている。そのため、取付作業において、回路ユニット2の位置調整をすることで、第一接点部20及び第二接点部21のそれぞれの位置調整をすることができる。従って、本実施形態に係る閉止確認装置1は、第一接点部と第二接点部とが別体のベースに設けられた構造の閉止確認装置に比べて、取付作業に必要となる工数を削減することができる。
【0114】
本発明の第一実施形態に係る閉止確認装置1の説明は、以上の通りである。続いて、本発明の第二実施形態に係る閉止確認装置について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、第一実施形態にかかる閉止確認装置及びエレベータと同一の構成又は相当する構成については、同一の符号を付して説明を行うこととする。また、同一の構成又は相当する構成については、第一実施形態における説明を援用することがある。
【0115】
図14に示すように、閉止確認装置1は、回路ユニット2と、乗場ドア610の開閉に伴って該回路ユニット2に対して相対的に移動する第一切替部材3と、乗場ドア610の開閉に伴って回路ユニット2に対して相対的に移動する第二切替部材4と、乗場ドア610が閉じた状態で、第一切替部材3の移動及び第二切替部材4の移動の少なくとも何れか一方を規制可能な規制機構5とを備えている。
【0116】
図15及び
図16に示すように、第一接点部20は、導電性を有する一対の第一端子部材200,200を備えている。第一端子部材200は、一つの方向に長手をなす板状の部材を湾曲させる(長手方向における途中位置で湾曲させる)ことで形成されている。
【0117】
より具体的に説明すると、第一端子部材200は、面直交方向に第一面と、該第一面とは反対側の第二面とを有している。第一端子部材200は、周方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有している。
【0118】
第一端子部材200は、長手方向における途中位置で第一面側に凸となるように湾曲している。そのため、第一端子部材200の第一端側が延びる方向と、第一端子部材200の第二端側が延びる方向とは、互いに交差している。
【0119】
第一端子部材200の第一端側には、長手方向と直交する方向に間隔をあけて配置された一対の第一接触部200a,200aが設けられている。
【0120】
第一端子部材200の第二端側には、第一接続穴(図示しない)が設けられている。そのため、第一端子部材200の第二端側には、導線に接続された端子(例えば、丸端子や、Y端子)をねじ締結できるようになっている。
【0121】
第二端子部材210も、第一端子部材200と同一の構成である。
【0122】
図18に示すように、一方の第一端子部材200及び一方の第二端子部材210は、エレベータ6を制御するための制御装置Cに繋がる電気系統に電気的に接続されている。他方の第一端子部材200及び他方の第二端子部材210は、互いに電気的に接続されている。
【0123】
図15及び
図16に戻り、ベース22は、第一端子部材200と第二端子部材210とを第二方向に並べて配置できるようになっている。
【0124】
より具体的に説明すると、ベース22は、第二方向におけるベース22の一方側(前側)に設けられた第一配置部222aであって、一方の第一端子部材200が配置される第一配置部222aと、第一方向において該第一配置部222aと隣り合う第二配置部222bであって、他方の第一端子部材200が配置される第二配置部222bとを備えている。
【0125】
また、ベース22は、第二方向における他方側(後側)に設けられた第三配置部222cであって、他方の第二端子部材210が配置される第三配置部222cと、第一方向において該第三配置部222cと隣り合う第四配置部222dであって、一方の第二端子部材210が配置される第四配置部222dとを備えている。
【0126】
ベース22は、第一配置部222aと間隔をあけて対向する第一カバー部223aと、第二配置部222bと間隔をあけて対向する第二カバー部223bと、第三配置部222cと間隔をあけて対向する第三カバー部223cと、第四配置部222dと間隔をあけて対向する第四カバー部223dとを備えている。
【0127】
第一配置部222aと第二配置部222bとは、第一方向において、互いに離れる方向に凸となるように湾曲する面部(採番しない)を有している。
【0128】
第一配置部222aの面部には、一方の第一端子部材200の第二面の一部が当接した状態で固定されている。第一配置部222aの面部に固定された第一端子部材200の第一端側は、当該第一配置部222aの面部から離れた状態になっている。第一配置部222aの面部に固定された第一端子部材200の第一面の一部は、第一カバー部223aと当接している。
【0129】
第二配置部222bの面部には、他方の第一端子部材200の第二面の一部が当接した状態で固定されている。第二配置部222bの面部に固定された第一端子部材200の第一端側は、当該第二配置部222bの面部から離れた状態になっている。第二配置部222bの面部に固定された第一端子部材200の第一面の一部は、第二カバー部223bと当接している。
【0130】
そのため、回路ユニット2では、一方の第一端子部材200の第一端側と、他方の第一端子部材200の第一端側とが互いに接近するように延びた状態になっている。
【0131】
第三配置部222cと第四配置部222dとは、第一方向において、互いに離れる方向に凸となるように湾曲する面部(採番しない)を有している。
【0132】
第三配置部222cの面部には、他方の第二端子部材210の第二面の一部が当接した状態で固定されている。第三配置部222cの面部に固定された第二端子部材210の第一端側は、当該第三配置部222cの面部から離れた状態になっている。第三配置部222cの面部に固定された第二端子部材210の第一面の一部は、第三カバー部223cと当接している。
【0133】
第四配置部222dの面部には、一方の第二端子部材210の第二面の一部が当接した状態で固定されている。第四配置部222dの面部に固定された第二端子部材210の第一端側は、当該第四配置部222dの面部から離れた状態になっている。第四配置部222dの面部に固定された第二端子部材210の第一面の一部は、第四カバー部223dと当接している。
【0134】
そのため、回路ユニット2では、一方の第二端子部材210の第一端側と、他方の第二端子部材210の第一端側とが互いに接近するように延びた状態になっている。
【0135】
以上のように、回路ユニット2では、第一接点部20と第二接点部21とが第二方向に並ぶように配置されている。より具体的に説明すると、回路ユニット2では、一方の第一端子部材200と他方の第二端子部材210とが第二方向に並ぶように配置され、他方の第一端子部材200と一方の第二端子部材210とが第二方向に並ぶように配置されている。
【0136】
図16及び
図17に示すように、第一ステー23は、取付板部230に設けられたベース固定部231と、取付板部230に対して直交するように設けられた底板部232とを備えている。
【0137】
取付板部230には、一対の第一取付穴230a,230aが設けられている。一対の第一取付穴230a,230aは、第一方向に間隔をあけて設けられている。
【0138】
ベース固定部231は、取付板部230と対向する第一板部231aと、該第一板部231aと取付板部230とを繋ぐ一対の第二板部231b,231bとを備えている。ベース固定部231の取付板部230には、ベース22が取り付けられている。
【0139】
図19A、
図19B及び
図20に示すように、第一切替部材3は、第一実施形態に係る第一切替部材3と実質的に同一の構成である。異なる点は、第一実施形態に係る第一導電板310は、第二方向に長手をなすのに対し、第二実施形態に係る第一導電板310は、第一方向に長手をなしている点である。そのため、第二実施形態に係る第一取付部311bは、第一方向に長手をなすように形成されている。
【0140】
図21A及び
図21Bに示すように、第二切替部材4は、第一方向に長手をなす第二アーム40であって、長手方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有する第二アーム40と、第二アーム40の第一端に設けられ、一対の第二端子部材210,210のそれぞれを電気的に接続可能な第二接続部41とを備えている。第二切替部材4は、第二アーム40が回転可能に設けられた第三ステー42を備えている。第二切替部材4は、第二アーム40を付勢する第二付勢ユニット44と、第二アーム40の姿勢を変更可能にするための第二姿勢変更機構45とを備えている。
【0141】
第二アーム40は、平板状に形成されている。第二アーム40の第二端側には、軸穴(図示しない)が設けられている。第二アーム40の第一端側には、一対の第一固定穴400,400が設けられている。一対の第一固定穴400,400は、第一方向に間隔をあけて設けられている。第二アーム40の第一端側には、第三方向に延出した延出部401が設けられている。延出部401は、先細りになっている。
【0142】
第二接続部41は、導電性を有する第二導電板410と、電気絶縁性を有し、該第二導電板410を第二アーム40の第一端に固定する第二ホルダー411とを備えている。
【0143】
第二導電板410は、面直交方向に第一面と該第一面とは反対側の第二面とを有する。第二導電板410は、第一方向に長手をなしている。
【0144】
第二ホルダー411は、第一方向に長手をなす第二固定部411aであって、長手方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有する一対の第二固定部411a,411aと、該一対の第二固定部411a,411aのそれぞれの第一端に亘って設けられ、第二導電板410を取り付けるための第二取付部411bとを備えている。
【0145】
一対の第二固定部411a,411aは、間隔をあけて設けられている。一方の第二固定部411aと他方の第二固定部411aとの間隔は、第二アーム40の厚みと同一又は略同一となるように設定されている。これにより、一対の第二固定部411a,411a同士の間には、第二アーム40の第一端側を介在させることができるようになっている。
【0146】
図21Bに示すように、第二固定部411aには、一対の第二固定穴411c,411cが設けられている。一対の第二固定穴411c,411cは、第一方向に間隔をあけて設けられている。
【0147】
一対の第二固定穴411c,411c同士の間隔は、一対の第一固定穴400,400同士の間隔と同一となるように設定されている。なお、
図21Bにおいて図示していないが、第二接続部41は、第一固定穴400及び第二固定穴411cに挿通させたボルトにナットを螺合させることによって、第二アーム40に取り付けられている。
【0148】
第二取付部411bは、第一方向に長手をなすように形成されている。第二取付部411bは、該第二取付部411bに取り付けられた第二導電板410の第一面を第三方向に向けることができるようになっている。
【0149】
図21Aに戻り、第三ステー42には、第二方向に延出した回転軸420が設けられている。第三ステー42には、第一方向に長手をなす第三調整穴421が設けられている。一対の第三調整穴421,421は、第一方向に間隔をあけて設けられている。
【0150】
回転軸420は、第二アーム40の軸穴に挿通されている。そのため、第二アーム40は、回転軸420の軸心周りで回転可能になっている。
【0151】
図21A、
図21B及び
図22に示すように、第二付勢ユニット44は、第三ステー42に対して直交するように設けられた基台部440と、第二アーム40に対して直交するように設けられた被押圧部441であって、基台部440と対向するように設けられた被押圧部441と、基台部440及び被押圧部441のそれぞれに挿通された軸部材442と、基台部440と被押圧部441との間に配置されたプレート部材443と、該プレート部材443よりも被押圧部441に配置された第二付勢バネ444とを備えている。第二付勢ユニット44は、軸部材442を基台部440及び被押圧部441のそれぞれに挿通している状態を維持するための抜止部材445を備えている。
【0152】
基台部440には、第三方向で長手をなす長穴440aが形成されている。被押圧部441には、丸穴が設けられている(図示しない)。
【0153】
軸部材442は、軸心方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有している。軸部材442の第一端側には、雄ねじ442aが形成されている。軸部材442の第二端側にも、雄ねじ442aが形成されている。軸部材442は、基台部440の長穴440aと被押圧部441の丸穴とに挿通されている。
【0154】
プレート部材443は、円環状となっている。第二付勢バネ444は、圧縮コイルバネが採用されている。そのため、第二切替部材用付勢構造44では、プレート部材443の中央部と第二付勢バネ444の中央部にも、軸部材442が挿通されている。
【0155】
抜止部材445は、軸部材442の第一端側に螺合される第一抜止部材445aと、軸部材442の第二端側に螺合される第二抜止部材445bとを備えている。
【0156】
第二姿勢変更機構45は、回転軸420に同心に設けられた第三被挟持部450と、該第三被挟持部450から第一方向及び第三方向に位置ずれした位置に設けられていた第四被挟持部451とを備えている。
【0157】
規制機構5は、一対の外戸610a,610aが連動してスライドすることを前提に、第一接点部20が導通した状態にある第一切替部材3の移動を規制可能になっている。より具体的に説明すると、
図16及び
図19Aに示すように、規制機構5は、第一方向に互いに間隔をあけて配置され、底板部232から起立する一対の被掛止部50,50と、第一切替部材3に設けられ、一方の被掛止部50に掛止可能なフック部51を備えている。
【0158】
一方の被掛止部50は、底板部232の第一端に設けられている。他方の被掛止部50は、底板部232の第二端に設けられている。すなわち、被掛止部50は、底板部232の両端部のそれぞれに設けられている。
【0159】
フック部51は、第一アーム30の第一端側に設けられている。フック部51は、第一アーム30の第一端側から第三方向に延出している。
【0160】
本実施形態に係る閉止確認装置1は、以上の通りである。続いて、閉止確認装置1の乗場への取付作業及び閉止確認装置1の動作について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0161】
閉止確認装置1の取付作業では、第一ステー23が乗場に取り付けられる。このとき、回路ユニット2は、回路ユニット2の第一接点部20と回路ユニット2の第二接点部21とが第二方向に並ぶようにして、乗場(ヘッダフレーム62)に取り付けられる。そのため、乗場に取り付けられた回路ユニット2では、一対の第一端子部材200,200が第一方向に並び、一対の第二端子部材210,210が第一方向に並んだ状態になる。
【0162】
そして、第一切替部材3の設置位置が調整される。より具体的に説明すると、第一切替部材3の設置位置は、乗場ドア610が閉じた状態になったときに、第一導電板310が一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一接触部200aと第三方向に並ぶように設定される。また、第一切替部材3は、姿勢変更されていない状態において、第一導電板310が一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一接触部200aに押しつけられた状態になるように位置決めされる。
【0163】
このような状態で、第二ステー32が一方のドアハンガー64(一方の外戸610a)に固定される。これにより、第一切替部材3は、乗場ドア610の一方の外戸610aのスライドに伴って回路ユニット2に対して相対的に移動できるようになる。これにより、第一切替部材3は、第一導電板310が回路ユニット2の第一接点部20(一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一接触部200a)に当接した状態と、第一導電板310が第一接点部20(一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一接触部200a)から離れた状態とに切り替わるようになっている。従って、第一切替部材3は、乗場ドア610の開閉に伴って、回路ユニット2の第一接点部20が導通した状態と導通していない状態とに切替可能になる。
【0164】
次に、第二切替部材4の設置位置が調整される。より具体的に説明すると、第二切替部材4の設置位置は、乗場ドア610が閉じた状態になったときに、第二導電板410が一対の第二端子部材210,210のそれぞれの第二接触部210aと第三方向に並ぶように設定される。また、第二切替部材4の設置位置は、姿勢変更されていない状態において、第二導電板410が一対の第二端子部材210,210のそれぞれの第二接触部210aに押しつけられた状態になるように設定される。このような状態で、第三ステー42が他方のドアハンガー64(他方の外戸610a)に固定される。このようにして、閉止確認装置1がエレベータ6に取り付けられる。
【0165】
続いて、閉止確認装置1の動作について説明する。
図23A及び
図23Bに示すように、閉止確認装置1では、一対の内戸のそれぞれ及び一対の外戸610a,610aのそれぞれが互いに接近する方向にスライドすると、第一切替部材3が回路ユニット2に接近する。また、第二切替部材4も、回路ユニット2に接近する。
【0166】
そして、
図24A及び
図24Bに示すように、乗場ドア610が乗場口600を閉止した状態になると、第一導電板310が一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一接触部200aに押し付けられ、第二導電板410が一対の第二端子部材210,210のそれぞれの第二接触部210aに押し付けられる。これにより、第一接点部20及び第二接点部21のそれぞれが導通した状態になる。
【0167】
このとき、一方の第一端子部材200の第一端側は、第一配置部222aの面部に接近するように撓み、他方の第一端子部材200の第一端側は、第二配置部222bの面部に接近するように撓む。そのため、一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一接触部200aには、第一導電板310に押し付けられている方向とは反対の方向に作用する弾性力が生じる。これにより、閉止確認装置1は、一対の第一端子部材200,200のそれぞれと第一導電板310とをより確実に当接させることができるようになっている。
【0168】
また、他方の第二端子部材210の第一端側は、第三配置部222cの面部に接近するように撓み、一方の第二端子部材210の第二端側は、第四配置部222dの面部に接近するように撓む。そのため、一対の第二端子部材210,210のそれぞれの第二接触部210aには、第二導電板410に押し付けられている方向とは反対の方向に作用する弾性力が生じる。これにより、閉止確認装置1は、一対の第二端子部材210,210のそれぞれと第二導電板410とをより確実に当接させることができるようになっている。
【0169】
そして、第一接点部20と第二接点部21とがそれぞれ導通した状態であることを確認することによって、乗場口600が乗場ドア610によって完全に閉止されたこと、ひいてはエレベータ6の出入口60がドア61によって完全に閉止されたことを確認することができる。
【0170】
ドア61を開く場合、エレベータ6の挟持装置が第一切替部材3の第一被挟持部330及び第二被挟持部331を挟み込む。このようにすると、第二被挟持部331に対して第一方向における一方側に力が作用する。そして、第二被挟持部331に作用する第一付勢バネ344の付勢力よりも強くなると、第二被挟持部351が第一被挟持部330側に移動する結果、第一アーム30が回転軸320の軸心周りにおける一方側に回転する。これにより、
図25A及び
図25Bに示すように、第一アーム30の姿勢が変更される。
【0171】
これに伴い、第一導電板310が一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一接触部200aから離れる。そのため、第一接点部20が導通していない状態になる。また、フック部51の被掛止部50に対する掛止が解除される。そのため、一対の外戸610a,610aのそれぞれ及び一対の内戸のそれぞれの第一方向でのスライドが許容される。
【0172】
以上のように、本実施形態に係る閉止確認装置1は、エレベータ6のドア61が出入口60を完全に閉じていることを確実に確認することができるという優れた効果を奏し得る。
【0173】
また、本実施形態に係る閉止確認装置1では、一対の第一端子部材200,200のそれぞれに一対の第一接触部200a,200aが設けられている。そのため、一部の第一接触部200aが破損したとしても、第一接点部20が導通した状態にならないといった事態が生じることを防止できる。そして、本実施形態に係る閉止確認装置1では、一対の第二端子部材210,210のそれぞれに一対の第二接触部210a,210aが設けられている。そのため、一部の第二接触部210aが破損したとしても、第二接点部21が導通した状態にならないといった事態が生じることを防止できる。
【0174】
そして、本実施形態に係る閉止確認装置1では、一方の第一端子部材200及び一方の第二端子部材210が制御装置Cに繋がる電気系統に電気的に接続されている。そのため、出入口60がドア61によって完全に閉じられていない状態でケージが別の乗場に移動することを防止できる。
【0175】
さらに、第二アーム40の第一端側には、延出部401が設けられている。そのため、第二挟持装置で第三被挟持部450及び第四被挟持部451を挟みこむことなくドアをスライドさせた場合であっても、延出部401が被掛止部50に当接する。そのため、第二アーム40の姿勢が変更される。従って、第三被挟持部450及び第四被挟持部451を挟み込むことなく乗場ドア610をスライドさせても、第二導電板410が一対の第二端子部材210,210のそれぞれの第二接触部210aに摺動することを防止できる。
【0176】
さらに、本実施形態に係る閉止確認装置1では、単一のベース22に二つの接点(第一接点部20及び第二接点部21)が設けられている。そのため、取付作業において、回路ユニット2を位置調整をすることで、第一接点部20及び第二接点部21のそれぞれの位置調整をすることができる。従って、本実施形態に係る閉止確認装置1は、第一接点部と第二接点部とが別体のベースに設けられた構造の閉止確認装置に比べて、取付作業に必要となる工数を削減することができる。
【0177】
尚、本発明に係る閉止確認装置は、上記第一実施形態及び第二実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を行うことは勿論である。
【0178】
上記第一実施形態及び第二実施形態において、一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一端には、一対の第一接触部200a,200aが設けられていたが、これに限定されるものではない。一対の第一端子部材200,200のそれぞれの第一端には、一つの第一接触部200aあるいは例えば三つといったように複数の第一接触部200a,…が設けられるようにしてもよい。
【0179】
また、上記第一実施形態及び第二実施形態において、一対の第二端子部材210,210のそれぞれの第一端には、一対の第二接触部210a,210aが設けられていたが、これに限定されるものではない。一対の第二端子部材210,210のそれぞれの第一端には、一つの第二接触部210aあるいは例えば三つといったように複数の第二接触部210a,…が設けられるようにしてもよい。
【0180】
また、上記第一実施形態及び第二実施形態において、規制機構5は、第一接点部20が導通した状態にある第一切替部材3の移動を規制するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、規制機構5は、第二接点部21が導通した状態にある第二切替部材4の移動を規制するものであってもよい。
【0181】
あるいは、規制機構5は、第一接点部20が導通した状態にある第一切替部材3の移動と、第二接点部21が導通した状態にある第二切替部材4の移動とをそれぞれ規制するものであってもよい。
【0182】
より具体的に説明すると、上記第一実施形態において、第一接点部20が導通した状態にある第一切替部材3の移動と、第二接点部21が導通した状態にある第二切替部材4の移動とをそれぞれ規制する場合、
図26に示すように、規制機構5は、被掛止部50の固定板部500の第二端に設けられた第二の折曲部502と、第二アーム40の第一端側に設けられた第二のフック部52とをさらに備えるようにしてもよい。尚、この場合、第二切替部材4は、第一切替部材3と実質的に同一の構成が採用される。また、第二端子部材210は、第一端子部材200と同一の構成が採用され、且つ、第一端子部材200と同じようにベース22に取り付けられる。
【0183】
また、上記第二実施形態において、第一接点部20が導通した状態にある第一切替部材3の移動と、第二接点部21が導通した状態にある第二切替部材4の移動とをそれぞれ規制する場合、第二アーム40の第一端側に第二のフック部が設けられ、該第二のフック部が第二切替部材4側の被掛止部50に掛止されるようにすればよい。
【0184】
また、上記第一実施形態及び第二実施形態において、閉止確認装置1は、乗場に取り付けられていたが、これに限定されるものではない。閉止確認装置1は、ケージに取り付けられ、ケージ口がケージドアによって完全に閉止されたことを確認するようにしてもよい。
【0185】
また、上記第一実施形態において、回路ユニット2では、一方の第一端子部材200と他方の第二端子部材210とが第一方向に並ぶように配置され、他方の第一端子部材200と一方の第二端子部材210とが第一方向に並ぶように配置され、一方の第一端子部材200と一方の第二端子部材210とが制御装置Cに繋がる電気回路に電気的に接続され、他方の第一端子部材200と他方の第二端子部材210とが互いに電気的に接続されていたが、これに限定されるものではない。例えば、
図27に示すように、一方の第一端子部材200と一方の第二端子部材210とが第一方向に並ぶように配置され、他方の第一端子部材200と他方の第二端子部材210とが第一方向に並ぶように配置され、一方の第一端子部材200と一方の第二端子部材210とが制御装置Cに繋がる電気回路に電気的に接続され、他方の第一端子部材200と他方の第二端子部材210とが互いに電気的に接続されていてもよい。
【0186】
また、上記第二実施形態において、回路ユニット2では、一方の第一端子部材200と他方の第二端子部材210とが第二方向に並ぶように配置され、他方の第一端子部材200と一方の第二端子部材210とが第二方向に並ぶように配置され、一方の第一端子部材200と一方の第二端子部材210とが制御装置Cに繋がる電気回路に電気的に接続され、他方の第一端子部材200と他方の第二端子部材210とが互いに電気的に接続されていたが、これに限定されるものではない。例えば、一方の第一端子部材200と一方の第二端子部材210とが第二方向に並ぶように配置され、他方の第一端子部材200と他方の第二端子部材210とが第二方向に並ぶように配置され、一方の第一端子部材200と一方の第二端子部材210とが制御装置Cに繋がる電気回路に電気的に接続され、他方の第一端子部材200と他方の第二端子部材210とが互いに電気的に接続さていてもよい。
【0187】
また、上記第一実施形態及び第二実施形態において、第一端子部材200と第二端子部材210とは、別体で構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、
図27の形態であれば、
図28に示すように、第一方向に並ぶ他方の第一端子部材200と他方の第二端子部材210とが一体的に形成されてもよい。尚、
図6の形態であれば、第一方向に対して斜めに並ぶ他方の第一端子部材200と他方の第二端子部材210とが一体的に形成されることになる。
【0188】
また、上記第二実施形態において、一対の第二端子部材210,210は、
図29及び
図30Aに示すように、第三方向に真っ直ぐに延びるようにすることもできる。
【0189】
このようにする場合、
図30Bに示すように、一対の第二端子部材210,210は、第二方向に並ぶように配置される。そして、
図31A及び
図31Bに示すように、第二切替部材4は、第一方向に長手をなす第二アーム40であって、長手方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有する第二アーム40と、該第二アーム40の第一端に設けられ、一対の第二端子部材210,210のそれぞれを電気的に接続可能な第二接続部41とを備えるように構成される。
【0190】
このようにすれば、第二切替部材4を第一方向にスライドさせるだけで、第二導電板410を一対の第二端子部材210,210のそれぞれに接離させることができるようになる。すなわち、第二切替部材4は、第二付勢ユニット44及び第二姿勢変更機構45を備えていなくても、回路ユニット2の第二接点部21が導通した状態と導通していない状態とに切り替えることができる。これにより、第二切替部材4をより簡単な構造にすることができる。