特許第6057198号(P6057198)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6057198
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置
(51)【国際特許分類】
   F03D 3/06 20060101AFI20161226BHJP
【FI】
   F03D3/06 E
   F03D3/06 D
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-543984(P2015-543984)
(86)(22)【出願日】2013年11月21日
(65)【公表番号】特表2016-502620(P2016-502620A)
(43)【公表日】2016年1月28日
(86)【国際出願番号】KR2013010621
(87)【国際公開番号】WO2014081219
(87)【国際公開日】20140530
【審査請求日】2015年6月30日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0132723
(32)【優先日】2012年11月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515124635
【氏名又は名称】コリア、ロパックス
(74)【代理人】
【識別番号】100071054
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久
(72)【発明者】
【氏名】ノ、ヨン−ギュ
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2002−0023795(KR,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0060774(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 3/00−3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直動力軸と、
前記垂直動力軸に独立して設けられ、風向変化により連動回転する風向連動部材と、
前記風向連動部材に垂直に固定され、側面の外周縁に沿って、軌道レールが形成されたチルトドラムと、
前記チルトドラムを中心に、風力によって水平方向に公転しながら、垂直動力軸に回転力を与え、羽根ステムと羽根板からなる羽根部材と、
前記羽根ステムの端中心に一端が固定され、他端は、前記軌道レールに設けられて、羽根部材の公転時に、軌道レールに沿って移動するチルトガイドとを含み、
前記軌道レールは、羽根部材の公転経路から両側に同一の距離離隔すると共に、180゜間隔をもって相互形成されながら、斜線状の一対の転換レール部に相互連結される直線状の正レール部と逆レール部とからなり、
前記チルトガイドは、前記羽根部材の正方向(風向と同一の方向)公転する場合、正レール部に沿って移動しながら、前記羽根板が風向と垂直になるようにし、逆方向(風向の反対方向)公転する場合、逆レール部に沿って移動しながら、羽根板が風向と水平になるようにし、一対の転換レール部を通しながら、羽根板が風向と垂直又は水平に傾斜するように、羽根部材をそれぞれ90゜自転させることを特徴とする垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置。
【請求項2】
前記垂直動力軸に固定されて垂直動力軸と共に回転され、ステム支持管が設けられた羽根支持部材を、更に含み、
前記羽根部材は、羽根ステムが前記ステム支持管を通して、羽根支持部材に自転自在に設けられることを特徴とする請求項1に記載の垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置。
【請求項3】
垂直動力軸と、
前記垂直動力軸に独立して設けられ、風向変化により連動回転される風向連動部材と、
前記垂直動力軸と動力伝達可能に結合されながら、風向連動部材を水平方向に貫通して設けられる水平回転軸と、
前記風向連動部材に水平に固定され、側面の外周縁に沿って、軌道レールが形成されたチルトドラムと、
前記チルトドラムを中心に、風力により垂直方向公転しながら、水平回転軸に回転力を与え、羽根ステムと羽根板からなる羽根部材と、
前記羽根ステムの端中心に一端が固定され、他端は、前記軌道レールに設けられて、羽根部材の公転時に、軌道レールに沿って移動するチルトガイドとを含み、
前記軌道レールは、羽根部材の公転経路から両側に同一の距離離隔すると共に、180゜間隔をもって相互形成されながら、斜線状の一対の転換レール部に相互連結される直線状の正レール部と逆レール部とからなり、
前記チルトガイドは、前記羽根部材の正方向(風向と同一の方向)公転の場合、正レール部に沿って移動しながら、前記羽根板が風向と垂直になるようにし、逆方向(風向の反対方向)公転の場合、逆レール部に沿って移動しながら、羽根板が風向と水平になるようにし、一対の転換レール部を通しながら、羽根板が風向と垂直又は水平に傾斜するように、羽根部材をそれぞれ90゜自転させることを特徴とする垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置。
【請求項4】
前記水平回転軸に固定されて水平回転軸と共に回転され、ステム支持管が設けられた羽根支持部材を、更に含み、
前記羽根部材は、羽根ステムが前記ステム支持管を通して、羽根支持部材に自転自在に設けられることを特徴とする請求項3に記載の垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置。
【請求項5】
前記チルトガイドは、前記羽根板と45の゜角度をなすことを特徴とする請求項1又は3に記載の垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置。
【請求項6】
前記軌道レールに設けられるチルトガイドの他端には、羽根部材の公転時に、軌道レールに沿って回転運動するレールローラが備えられることを特徴とする請求項1又は3に記載の垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置。
【請求項7】
垂直型風力発電機の垂直動力軸に、風力による回転力を与える回転羽根装置であって、
前記垂直動力軸とギア結合され、軸線が風向とは垂直をなしながら、地面とは水平な水平回転軸と、
前記水平回転軸に自転自在に設けられる羽根ステムと、前記羽根ステムに固定される羽根板とを有し、前方側から吹き込む風によって、前記水平回転軸を中心に公転することで、水平回転軸に回転力を与える羽根部材と、
前記羽根ステムに形成され、前記羽根板の板面に対して水平方向に突出する正ガイドと、垂直方向に突出する逆ガイドとからなるガイド部材と、
前記羽根部材が前方側から後方側に正方向(風向と同一の方向)公転する場合、前記正ガイドが挿入案内される正軌道溝と、後方側から前方側に逆方向(風向と反対方向)公転する場合、前記逆ガイドが挿入案内される逆軌道溝とが形成され、前記正軌道溝の後方側と逆軌道溝の前方側とにはそれぞれ、案内される正ガイドと逆ガイドの回転を誘導して、羽根部材を90゜自転させる回転誘導傾斜部が形成され、羽根部材が前記正方向に公転するときは、羽根板の板面が風向と垂直になるようにし、前記逆方向に公転するときは、風向と平行になるようにする羽根チルト部材とを含むことを特徴とする垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置であって、
前記正軌道溝と逆軌道溝とは、前記水平回転軸を中心にそれぞれ、上側と下側に対称の円弧状に同心円上に形成され、
前記回転誘導傾斜部は、正軌道溝又は逆軌道溝の底面から有線状に上向き傾斜して形成され、下端には、係止段差部が形成されることを特徴とする垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置。
【請求項8】
前記回転誘導傾斜部により正ガイド又は逆ガイドが回転するとき、対応する逆ガイド又は正ガイドが連動して回転できるように、前記正軌道溝の前方側と前記逆軌道溝の後方側とには、前記回転誘導傾斜部と逆に下向き傾斜する形態の回転印加傾斜部がそれぞれ形成されることを特徴とする請求項に記載の垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力発電効率を極大化することができる垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電装置は、回転軸が地面に水平に設置される水平型風力発電装置と、垂直に設置される垂直型風力発電装置とに分けられるが、垂直型風力発電装置は、水平型風力発電装置と比較して、風の方向によらずに発電が可能であり、また、設置コストが安く、メインテナンスが容易であることに対して、発電効率が低下するという不都合がある。
【0003】
この理由は、図15に示しているように、回転羽の一側(а1)は、風力と同じ正方向回転をしながら、風(W)のエネルギーを、回転軸(b)の回転力に変換させるが、他側(а2)は、風向と反対の逆方向回転をしながら、抵抗として作用して、エネルギーの変換効率を低下するためである。
【0004】
本発明者は、このような問題を解決するために、垂直型風力発電装置用チルト式回転羽根装置に対して、特許を受けており(大韓民国登録特許第10-1180832号)、該特許は、羽根部材の羽根板が逆方向の回転時には、風向と水平となり、正方向の回転時には、風向と垂直になるように傾斜させる構成であり、羽根部材の逆転による抵抗力を最小化して、風力発電効率を増大するものである。
【0005】
しかし、前記特許の場合、チルト構成が、固定ギアと回転ギア、一対の羽根ガイドとからなり、構成が極めて複雑であり、製造コストが増加すると共に、ギアの損傷や破損などで、長時間の安定したチルト作動が困難であり、これにより、メインテナンスに注意しなければならないという不都合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、羽根部材を傾斜して、風力発電効率を増大すると共に、構成が単純で且つ安定したチルト作動が可能であるようにチルト構造を改善することにより、メインテナンスも容易であり、長時間の安定した使用が可能な垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するための本発明の一つの課題解決手段として、
垂直動力軸と、前記垂直動力軸に独立して設けられ、風向変化により連動回転する風向連動部材と、前記風向連動部材に垂直に固定され、側面の外周縁に沿って、軌道レールが形成されたチルトドラムと、前記チルトドラムを中心に、風力によって水平方向に公転しながら、垂直動力軸に回転力を与え、羽根ステムと羽根板からなる羽根部材と、前記羽根ステムの端中心に一端が固定され、他端は、前記軌道レールに設けられて、羽根部材の公転時に、軌道レールに沿って移動するチルトガイドとを含み、前記軌道レールは、羽根部材の公転経路から両側に同一の距離離隔すると共に、180゜間隔をもって相互形成されながら、斜線状の一対の転換レール部に相互連結される直線状の正レール部と逆レール部とからなり、前記チルトガイドは、前記羽根部材の正方向(風向と同一の方向)公転する場合、正レール部に沿って移動しながら、前記羽根板が風向と垂直になるようにし、逆方向(風向の反対方向)公転する場合、逆レール部に沿って移動しながら、羽根板が風向と水平になるようにし、一対の転換レール部を通しながら、羽根板が風向と垂直又は水平に傾斜するように、羽根部材をそれぞれ90゜自転させることを特徴とする垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置が開示される。
【0008】
また、本発明の他の課題解決手段として、
垂直動力軸と、前記垂直動力軸に独立して設けられ、風向変化により連動回転される風向連動部材と、前記垂直動力軸と動力伝達可能に結合されながら、風向連動部材を水平方向に貫通して設けられる水平回転軸と、前記風向連動部材に水平に固定され、側面の外周縁に沿って、軌道レールが形成されたチルトドラムと、前記チルトドラムを中心に、風力により垂直方向公転しながら、水平回転軸に回転力を与え、羽根ステムと羽根板からなる羽根部材と、
前記羽根ステムの端中心に一端が固定され、他端は、前記軌道レールに設けられて、羽根部材の公転時に、軌道レールに沿って移動するチルトガイドとを含み、前記軌道レールは、羽根部材の公転経路から両側に同一の距離離隔すると共に、180゜間隔をもって相互形成されながら、斜線状の一対の転換レール部に相互連結される直線状の正レール部と逆レール部とからなり、前記チルトガイドは、前記羽根部材の正方向(風向と同一の方向)公転の場合、正レール部に沿って移動しながら、前記羽根板が風向と垂直になるようにし、逆方向(風向の反対方向)公転の場合、逆レール部に沿って移動しながら、羽根板が風向と水平になるようにし、一対の転換レール部を通しながら、羽根板が風向と垂直又は水平に傾斜するように、羽根部材をそれぞれ90゜自転させることを特徴とする垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置も開示される。
【0009】
更に、本発明の他の課題解決手段として、
垂直型風力発電機の垂直動力軸に、風力による回転力を与える回転羽根装置であって、前記垂直動力軸とギア結合され、軸線が風向とは垂直をなしながら、地面とは水平な水平回転軸と、前記水平回転軸に自転自在に設けられる羽根ステムと、前記羽根ステムに固定される羽根板とを有し、前方側から吹き込む風によって、前記水平回転軸を中心に公転することで、水平回転軸に回転力を与える羽根部材と、前記羽根ステムに形成され、前記羽根板の板面に対して水平方向に突出する正ガイドと、垂直方向に突出する逆ガイドとからなるガイド部材と、前記羽根部材が前方側から後方側に正方向(風向と同一の方向)公転する場合、前記正ガイドが挿入案内される正軌道溝と、後方側から前方側に逆方向(風向と反対方向)公転する場合、前記逆ガイドが挿入案内される逆軌道溝とが形成され、前記正軌道溝の後方側と逆軌道溝の前方側とにはそれぞれ、案内される正ガイドと逆ガイドの回転を誘導して、羽根部材を90゜自転させる回転誘導傾斜部が形成され、羽根部材が前記正方向に公転するときは、羽根板の板面が風向と垂直になるようにし、前記逆方向に公転するときは、風向と平行になるようにする羽根チルト部材とを含むことを特徴とする垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置が開示される。
【発明の効果】
【0010】
本発明による垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置によると、羽根部材のチルト作動により、風力による正方向の回転力だけが垂直動力軸に与えられることにより、風力発電効率を増大することができ、特に、羽根部材のチルトが、従来のギア作動方式とは異なり、軌道レールに沿って移動する単一のチルトガイドのみによって行われる構成であるので、構成が簡単で製造コストが節減されると共に、羽根部材のチルト作動が長時間安定し且つスムーズに行われるというメリットがある。
【0011】
また、羽根部材が地面に垂直方向に回転する構造であるので、垂直動力軸を中心に設置半径を大幅縮小することができ、これより、設置空間上の制約を大いに受けることなく、容易に設置することができるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第1実施例による全体的な構成を示す正面図である。
図2図2は、図1の断面構成図である。
図3図3は、第1実施例によるチルトドラムを示す図である。
図4図4は、第1実施例による羽根部材及びチルトガイドを示す図である。
図5図5は、第1実施例による羽根部材の公転を示す図である。
図6図6は、第2実施例による全体的な構成を示す正面図である。
図7図7は、図6の断面構成図である。
図8図8は、第2実施例による羽根部材の公転を示す図である。
図9図9は、第3実施例による全体的な構成を示す正面図である。
図10図10は、図9の断面構成図である。
図11図11は、羽根部材と羽根チルト部材の分解斜視図である。
図12図12は、羽根部材と軸本体の分解斜視図である。
図13図13は、羽根チルト部材の側面図である。
図14図14は、ガイド部材の回転作動を示す断面図である。
図15図15は、従来の垂直型風力発電装置の羽根回転を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して、本発明の望ましい実施例を詳しく説明することにする。
【0014】
まず、明細書の全般で使用している用語において、自転は、回転軸に関係なく、羽根部材自体が、羽根ステムを回転中心に回転することをいい、公転は、羽根部材が回転軸を回転中心に回転することをいう。
【0015】
また、正方向は、風向と同一の方向を、逆方向は、風向の逆方向をいい、それで、正方向公転は、羽根部材が公転角0゜〜180゜の範囲内で風向と同一の方向に回転することを、また、逆方向公転は、羽根部材が公転角180゜〜360゜(又は0゜)の範囲内で風向と逆方向に回転することをいう。
【0016】
図1乃至図5は、本発明の第1実施例を示す図であり、第1実施例による垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置100は、垂直動力軸110と、風向連動部材120と、チルトドラム130と、羽根部材140と、チルトガイド150とを含む。
【0017】
まず、垂直動力軸110は、地面に垂直に設けられる回転軸であって、動力伝達手段を介して、発電機(図示せず)に連結されるように設置可能であり、これより、風力による垂直動力軸110の回転動力が発電機に与えられることで電気が生成されることは、十分理解されるだろう。
【0018】
風向連動部材120は、垂直動力軸110から独立して設けられて、垂直動力軸110に関係なく、風向に連動して回転自在となり、このような風向連動部材120には、風向の変化により、風向連動部材に回転力を供する風向指示部材(図示せず)を設けることができ、このような風向指示部材の構成及び作用は、前記特許文献に開示されている公知の要素であるため、詳細な説明は、省略する。
【0019】
また、風向連動部材120が、垂直動力軸110によらずに回転自在になるように、図2に示しているような、垂直動力軸110の外部の支持構造物111と、スイングベアリングのような支持ベアリング(B)とにより、結合して設置することができる。
【0020】
チルトドラム130は、チルトガイド150との相互作用により、公転する羽根部材140を自転させて、羽根部材140が正方向公転の場合は、羽根板142が風向と垂直状態になるようにし、また、逆方向公転の場合は、羽根板142が風向と水平状態になるようにする。
【0021】
チルトドラム130は、図2に示しているように、その中心部が垂直動力軸110によって貫通しながら、風向連動部材120に垂直に固定されることにより、チルトドラム130は、垂直動力軸110の回転とはよらずに、風向連動部材120が風向変化により回転するとき、共に回転することになる。
【0022】
このようなチルトドラム130の側面の外周縁には、チルトガイド150をガイドする軌道レール131が形成され、図3に示しているように、軌道レール131は、チルトドラム130の側面の外周縁を360゜回しながら連続して形成される閉レールであって、正レール部132と、逆レール部133と、一対の転換レール部134、135とからなる。
【0023】
図5には、説明の便宜のために、チルトドラム130を展開した状態における軌道レール131が示されており、正レール部132と逆レール部133とはそれぞれ、直線状のレール部分であって、180゜の間隔をもって交互形成される。
【0024】
特に、正レール部132と逆レール部133とは、羽根部材140の公転経路(R)を基準に、両側に同一の距離離隔して形成されており、一対の転換レール部134、135は、正レール部132と逆レール部133とのそれぞれの両端部において、正レール部132と逆レール部133とを互いに連結する。
【0025】
ここで、羽根部材140は、チルトドラム130を中心に、公転経路(R)に沿って公転することになり、風向に対して公転角180゜毎に、正方向回転から逆方向回転に、又は逆方向回転から正方向回転に変換することになる。
【0026】
そこで、正レール部132は、羽根部材140の正方向公転角である0゜〜180゜の範囲内で形成され、逆レール部133は、逆方向公転角である180゜〜360゜(又は0゜)の範囲内で形成され、一対の転換レール部134、135は、0゜(360゜)と180゜の部分でそれぞれ対称をなして斜線状に形成されて、正レール部132と逆レール部133とを互いに連結する。
【0027】
ここで、羽根部材140が正方向から逆方向に変換する地点を、正逆変換地点(PN)と定義し、逆方向から正方向に変換する地点を、逆正変換地点(NP)と定義すると、0゜(360゜)部分の転換レール部134は、逆レール部133から正レール部132に連ねる逆正変換地点(NP)となり、180゜部分の転換レール部135は、正レール部132から逆レール部133に連ねる正逆変換地点(PN)となる。
【0028】
羽根部材140は、風力による回転力を、垂直動力軸110に与えるものであって、図4に示しているように、一定の長さを有する羽根ステム141と、羽根ステム141に固定される一定の面積を有する羽根板142とからなる。
【0029】
前記羽根部材140は、チルトドラム130を中心に、地面に水平方向に360゜公転しながら、垂直動力軸110に回転動力を与えると共に、自体的な回転(即ち、自転)が可能であるように設けられる。
【0030】
このため、図2に示しているように、垂直動力軸110には、羽根支持部材143が固設され、羽根支持部材143には、羽根ステム141が通過して設けられるパイプ状のステム支持管144が備えられ、羽根部材140が公転すると、羽根支持部材143及び垂直動力軸110が共に回転すると共に、ステム支持管144を通して支持された羽根ステム141は、自転も可能になる。
【0031】
このような羽根部材140は、羽根板142が風向と垂直をなすと、風力による最大の回転力を、垂直動力軸110に与え、また、水平をなすことになると、風力による最小の回転力を与えることになる。
【0032】
前記羽根部材140は、一定角度の間隔で複数設けることができ、図面には便宜のため、180゜間隔で2つの羽根部材140が設けられると示されているが、120゜間隔で3つ、90゜間隔で4つ、設けても良い。
【0033】
チルトガイド150は、羽根部材140が公転すると、チルトドラム130の軌道レール131に沿って移動しながら、羽根部材140を傾斜させる役割を果たし、図4に示しているように、一端が羽根ステム141の端中心に固定され、羽根板142とは45゜の角度をもって延在し、延在した他端は、軌道レール131に設けられる。
【0034】
また、軌道レール131に設けられるチルトガイド150の他端には、軌道レール131に沿ってスムーズに移動するように、レールローラ151が備えられる。
【0035】
このような構成により、図5に示しているように、チルトガイド150は、羽根部材140が正方向公転の場合は、軌道レール131の正レール部132に沿って移動しながら、羽根板142が風向に対して垂直状態を維持して公転させ、正逆変換地点(PN)である180゜部分の転換レール部135を通しながら、羽根ステム141を90゜自転させて、羽根板142が風向に対して水平状態になるように傾斜させる。
【0036】
これに対して、羽根部材140が逆方向公転の場合は、逆レール部133に沿って移動しながら、傾斜した羽根板142が風向に対して水平状態をそのまま維持しながら公転させ、逆正変換地点(NP)である360゜(又は0゜)部分の転換レール部134を通しながら、羽根ステム141を更に90゜自転させて、羽根板142が風向に対して垂直状態になるように傾斜させる。
【0037】
図6乃至図8は、本発明の第2実施例を示す図であって、第2実施例による垂直型風力発電用チルト式回転羽根装置200は、前述した第1実施例と比較して、水平回転軸260を更に含み、また、羽根部材240が水平回転軸260を中心に、地面に垂直方向に公転する構成であることで相違する。
【0038】
以下では、本発明の第2実施例について説明するが、第1実施例と同一の部分については、重複説明を省略する。
【0039】
まず、垂直動力軸210は、地面に垂直に設けられ、風向連動部材220は、風向変化により連動するように、垂直動力軸210から独立して設けられる。
【0040】
ここで、風向連動部材220には、更に、水平回転軸260が支持されるように設けると共に、チルトドラム230が水平方向に設置されなければならないため、風向連動部材220の両端には、水平回転軸260を回転自在に支持し、且つチルトドラム230が固設される軸支持部221が形成される。
【0041】
水平回転軸260は、風向連動部材220の軸支持部221を貫通して水平方向に設けられ、このように、水平回転軸260が風向連動部材220に設けられることにより、風向が変わっても、水平回転軸260は、風向連動部材220と共に連動しながら、常時、風向に対してその軸線が垂直状態を維持することができる。
【0042】
このような水平回転軸260は、垂直動力軸210に回転力を伝達するように、動力伝達可能に結合され、図7に示しているように、水平回転軸260は、垂直動力軸210にベベルギアを介して結合されることができる。
【0043】
チルトドラム230は、正レール部232と、逆レール部233と、一対の転換レール部234、235とからなる軌道レール231が、側面の外周縁に沿って形成され、図7に示しているように、垂直動力軸210ではなく、水平回転軸260に中心部が貫通しながら、風向連動部材220の軸支持部221に水平方向に固設される。
【0044】
羽根部材240は、羽根ステム241と羽根板242とからなり、図7に示しているように、垂直動力軸210ではなく、水平回転軸260に備えられた羽根支持部材243のステム支持管244に、自転自在に設けられる。
【0045】
これより、羽根部材240は、地面に垂直方向に公転しながら、水平回転軸260に回転力を与え、このような水平回転軸260の回転力が、垂直動力軸210に伝達されることになる。
【0046】
また、チルトガイド250も、第1実施例と同様な構成、すなわち、羽根ステム241端の中心に一端が固定されながら、羽根板242と45゜角度をもって延在し、延材した他端は、チルトドラム230の軌道レール231に設けられる。
【0047】
前記のチルトドラム230とチルトガイド250とは、前述した第1実施例と設置方向において、地面に垂直又は水平の差があるだけで、同様に作用する。
【0048】
すなわち、図8に示しているように、羽根部材240が風向(W)に対して正方向公転する場合は、チルトガイド250が、軌道レール231の正レール部232に沿って移動しながら、羽根板242が風向に対して垂直状態を維持して公転させ、また、逆方向公転する場合は、逆レール部233に沿って移動しながら、羽根板242が風向に対して水平状態をそのまま維持して公転させ、逆正変換地点(NP)である360゜(又は0゜)部分の転換レール部234と、正逆変換地点(PN)である180゜部分の転換レール部235とをそれぞれ、チルトガイド250が通しながら、羽根ステム241をそれぞれ90゜自転させて、羽根板242が風向に垂直又は水平状態となるように、それぞれ傾斜させる。
【0049】
本発明の第2実施例は、羽根部材240が地面に垂直方向に回転する構造であるので、第1実施例と比較して、設置空間を大幅減少することができ、図6に示しているように、水平回転軸260の両側に構成部分を一対設置して、回転力を与えることができるので、より大きい回転力を、垂直動力軸210に伝達することができる。
【0050】
以下では、第1及び第2実施例の作動について説明する。
【0051】
ここで、第1実施例と第2実施例は、作動関係において、羽根部材240の公転方向が、地面に水平又は垂直であるかに差があるだけで、便宜のため、図8を参照して、第2実施例を基に説明する。
【0052】
羽根部材240がチルトドラム230を中心に、地面に垂直方向に公転することにおいて、まず、羽根部材240が風向(W)に対して公転角0゜から180゜に正方向公転する状態の場合、チルトガイド250は、公転経路(R)の一側に直線で形成された正レール部232に沿って移動することになるので、羽根板242は、風向(W)と垂直状態を維持し、これより、羽根部材240は、風力による最大の正方向の回転力を、水平回転軸260に与えながら、正方向に公転することになる。
【0053】
そして、羽根部材240が、公転角180゜付近に至ると、チルトガイド250は、正逆変換地点(PN)として機能する斜線状の転換レール部235を通しながら、正レール部232から逆レール部233に方向を切り換え、これより、羽根ステム241が90゜自転となりながら、羽根板242は、風向(W)と水平にチルトされる。
【0054】
また、チルト後、引き続き、羽根部材240が、風向(W)に対して公転角180゜から360゜(又は、0゜)に逆方向公転すると、チルトガイド250が、自転経路(R)の他側に直線に形成された逆レール部233に沿って移動するので、羽根板242は、風向(W)と水平状態をそのまま維持し、そこで、羽根部材240は、水平回転軸260に与えられる逆方向の回転力を最小化して、逆方向公転をすることになる。
【0055】
なお、羽根部材240は、更に、逆方向から正方向に切り換えられる公転角360゜(又は、0゜)付近に至ることになり、ここで、チルトガイド250は、逆正変換地点(NP)として機能する斜線状の転換レール部234を通しながら、逆レール部233から正レール部232に更に方向を切り換え、これより、羽根ステム241が、更に90゜自転となりながら、羽根板242は、風向(W)に対して、更に垂直にチルトされる。
【0056】
そして、このように羽根部材240が傾斜しながら、正方向に切り換えられると、前述したような正方向と逆方向の公転、及びチルト過程を繰返し、羽根部材240は、水平回転軸260に最大限の正方向の回転力のみを与えることができ、水平回転軸260に与えられた正方向の回転力は、ギア結合した垂直動力軸210に伝達されることで、エネルギー変換効率を向上することができる。
【0057】
図9乃至図14は、第3実施例を示す図であり、水平回転軸310と、羽根部材320と、ガイド部材330と、羽根チルト部材340とを含む。
水平回転軸310は、風力発電機の垂直動力軸350とギアを介して結合され、羽根部材320の設置のために、水平回転軸310の端には、水平回転軸310よりも大径の軸本体311が形成される。
【0058】
羽根部材320は、一定の長さを有し、且つ軸本体311に設けられる羽根ステム321と、羽根ステム321の後端側に固定される羽根板322と、羽根ステム321の先端に形成された羽根ヘッド323とからなる。
【0059】
軸本体311の内部には、自転空間部312と、自転空間部312から延在し、軸本体311を貫通するステム貫通口313とが形成され、羽根ヘッド323は、軸本体311の自転空間部312に自転自在に収容設置され、羽根ステム321は、ステム貫通口313を介して、軸本体311の外側に延在する。
【0060】
このような構造により、羽根部材320は、水平回転軸310の回転によらずに自転ができると共に、風力によって公転する場合は、水平回転軸310を共に回転させて、その回転力を水平回転軸310に与えることができる。
【0061】
ガイド部材330は、羽根チルト部材340との相互作用により、羽根部材320をチルトさせる要素であって、羽根ステム321からそれぞれ一定の長さで突設する正ガイド331と、逆ガイド332とからなる。
【0062】
正ガイド331は、羽根板322の板面と水平方向に突出して、羽根部材320の正方向公転時に、羽根チルト部材340に挿入することで、羽根板322が風向と垂直状態で羽根ステム321の自転を抑制し、また、逆ガイド332は、羽根板322の板面と垂直方向に突出して、羽根部材320の逆方向公転時に、羽根チルト部材340に挿入することで、羽根板322が風向と平行状態で羽根ステム321の自転を抑制する。
【0063】
羽根チルト部材340は、ガイド部材330との相互作用により、公転する羽根部材320を自転させ、水平回転軸310により貫通されながら、軸本体311の一側に設けられ、正軌道溝341と、逆軌道溝342と、回転誘導傾斜部343と、回転印加傾斜部344とからなる。
【0064】
正軌道溝341と逆軌道溝342とは、羽根チルト部材340に一定の深さで形成される凹入溝であって、図11及び図12に示しているように、正軌道溝341と逆軌道溝342とはそれぞれ、円弧状に形成され、水平回転軸310を中心に、正軌道溝341は上側に形成され、逆軌道溝342は下側に形成される。
【0065】
そして、正軌道溝341と逆軌道溝342とは、水平回転軸310を中心に、同心円上で相互対称に設けられ、前方(F)と後方(R)では、相互重なる部分を有することになる。
【0066】
このような正軌道溝341と逆軌道溝342とはそれぞれ、ガイド部材330の正ガイド331と逆ガイド332とを選択的にガイドし、正軌道溝341には、羽根部材320が正方向に公転するとき、正ガイド331が挿入した状態にガイドされ、逆軌道溝342には、羽根部材320が逆方向に公転するとき、逆ガイド332が挿入した状態でガイドされる。
【0067】
回転誘導傾斜部343は、正ガイド331と逆ガイド332との回転を誘導して、羽根部材320が90゜自転することになる。
【0068】
回転誘導傾斜部343は、正軌道溝341と逆軌道溝342とにそれぞれ形成され、正軌道溝341には、逆軌道溝342と重なる後方(R)側の部分に形成され、逆軌道溝342には、正軌道溝341と重なる前方(F)側の部分に形成される。
【0069】
回転誘導傾斜部343は、図14に示しているように、正軌道溝341又は逆軌道溝342の底面から流線形に羽根チルト部材340の表面まで上向き傾斜して形成され、底面に会う下端には、係止段差部343aが突設される。
【0070】
このような構成により、図14に示しているように、正軌道溝341に案内された正ガイド331は、正方向公転により、正軌道溝341の後方(R)側の回転誘導傾斜部343に至ることになると、係止段差部343aに係止して回転が誘導され、引き続き、上向き傾斜した面に沿って移動しながら回転され、最終的に、回転誘導傾斜部343を離脱すると、90゜の回転が行われ、これより、羽根部材320も90゜自転しながら、羽根板322は、風向に対して垂直した状態で平行な状態にチルトされる。
【0071】
これに対して、逆軌道溝342に案内された逆ガイド332は、逆方向公転により、逆軌道溝342の前方(F)側の方回転誘導傾斜部343を通しながら、同様に90゜の回転が行われ、これより、羽根部材320も更に90゜自転しながら、羽根板322は、風向に対して平行した状態で垂直な状態にチルトされる。
【0072】
回転印加傾斜部344は、前記回転誘導傾斜部343により、正ガイド331又は逆ガイド332が回転されるとき、これに対応する逆ガイド332又は正ガイド331を連動して回転させ、回転誘導傾斜部343とは逆に形成される。すなわち、回転印加傾斜部344は、正軌道溝341では、逆軌道溝342に形成された回転誘導傾斜部343と重なる前方(F)側に形成され、逆軌道溝342では、正軌道溝341に形成された回転誘導傾斜部343と重なる後方(R)側に形成される。
【0073】
また、回転印加傾斜部344は、羽根チルト部材340の表面から、正軌道溝341又は逆軌道溝342の底面に下向き傾斜する形態で設けられる。
【0074】
このような回転誘導傾斜部343、及び回転印加傾斜部344の構成により、逆方向から正方向に切り換えられるときは、逆軌道溝342に挿入した逆ガイド332が、逆軌道溝342の前方側の回転誘導傾斜部343を通しながら、回転が誘導されると共に、正ガイド331は、正軌道溝341の前方側の回転印加傾斜部344に沿って回転され、回転誘導傾斜部343と回転印加傾斜部344とを通した後は、羽根部材320が90゜自転となり、正ガイド331は、正軌道溝341に挿入した状態であると共に、逆ガイド332は、逆軌道溝342から外して、羽根チルト部材340の表面と平行な状態となりながら、チルト作動が行われ、これより、羽根板322が風向と垂直な状態を維持しながら、正方向公転を続くことになる。
【0075】
また、正方向から逆方向に切り換えられるときは、前記とは逆に、正軌道溝341に挿入した正ガイド331が、正軌道溝341の後方側の回転誘導傾斜部343を通しながら、回転が誘導されると共に、逆ガイド332は、逆軌道溝342の後方側の回転印加傾斜部344に沿って回転が行われ、回転誘導傾斜部343と回転印加傾斜部344とを通した後は、羽根部材320が更に90゜自転となり、逆ガイド332は、逆軌道溝342に挿入した状態であると共に、正ガイド331は、正軌道溝341から外して、羽根チルト部材340の表面と平行な状態となりながら、チルト作動が行われ、これより、羽根板322が風向と平行な状態を維持しながら、逆方向の公転が続くことになる。
【0076】
図14の(a)には、前記でのように、正方向から逆方向に切り換えられるとき、正軌道溝341の後方側の回転誘導傾斜部343と、逆軌道溝342の後方側の回転印加傾斜部344とにおける正ガイド331及び逆ガイド332が共に回転する状態が示されており、(b)と(c)には、理解の便宜のために、回転誘導傾斜部343における正ガイド331の回転と、回転印加傾斜部344における逆ガイド332の回転とがそれぞれ示されている。
【0077】
一方、図9に示しているように、前記した羽根部材320と、ガイド部材330と、羽根チルト部材340とは、一対を成して、垂直動力軸350を中心に、水平回転軸310の両側に対称に設けられることができ、両側の羽根チルト部材340は、垂直動力軸350により中央部が貫通されながら、風向の変化によって回転自在に設けられる風向連動部材360に固定されることができる。
【0078】
以上では第3実施例を説明したが、その作動について説明する。
【0079】
まず、羽根部材320が正方向に(前方(F)側から後方(R)側に向けて)公転するとき、正ガイド331は、羽根チルト部材340の表面と垂直に突出して、羽根チルト部材340正軌道溝341に挿入した状態で案内され、逆ガイド332は、羽根チルト部材340の表面と平行な状態で移動されており、そこで、羽根ステム321の自転は抑制した状態で、羽根板322は、風向と垂直な状態を維持しながら正方向に公転することで、最大の正方向の回転力を水平回転軸310に与えることになる。
【0080】
以後、正方向の公転が行われながら、正軌道溝341に沿って案内された正ガイド331は、正軌道溝341に形成された回転誘導傾斜部343に至ることになり、同時に、逆ガイド332は、逆軌道溝342に形成された回転印加傾斜部344に至ることになる。
【0081】
更に、正ガイド331及び逆ガイド332は、回転誘導傾斜部343及び回転印加傾斜部344を通しながらそれぞれ、90゜回転となり、これより、羽根部材320も同様に、90゜自転となりながら、羽根板322は、風向と平行な状態にチルトされる。
【0082】
また、引き続き、羽根部材320が逆方向に(後方側から前方側に向けて)公転するときは、逆ガイド332は、逆軌道溝342に挿入した状態で案内されると共に、正ガイド331は、羽根チルト部材340の表面と平行な状態に移動され、そこで、羽根ステム321の自転は抑制した状態で、羽根板322は、風向と平行な状態を維持しながら逆方向に公転することで、逆方向の抵抗力を最小化することができる。
【0083】
以後、逆方向の公転が行われながら、逆軌道溝342に沿って案内された逆ガイド332は、逆軌道溝342に形成された回転誘導傾斜部343に至ることになり、同時に、正ガイド331も、正軌道溝341に形成された回転印加傾斜部344に至ることになる。
【0084】
更に、逆ガイド332及び正ガイド331は、回転誘導傾斜部343及び回転印加傾斜部344とを通しながら、更にそれぞれ90゜回転となり、これより、羽根部材320も同様に、90゜自転となりながら、羽根板322は、風向と垂直な状態にチルトされる。
【0085】
このように。羽根部材320が正方向に切り換えられると、前述したような過程を繰返しながら、羽根部材320は、風力によって続けて公転しながら、水平回転軸310に最大限の正方向の回転力のみを与えることになる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14(a)】
図14(b)】
図14(c)】
図15