(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記側面板は、透明な平板を曲げ加工を施すことによって前記側面部、前記屈曲部及び前記正面部が一体となるように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の景品取得ゲーム装置。
前記制御部は、プレイヤ操作を待機する操作待機モードの実行時に、前記操作待機モードの非実行時と比べて、前記発光部の輝度を低くすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の景品取得ゲーム装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した柱部材を用いた景品取得ゲーム装置では、柱部材の外側面に発光ダイオード等の電飾が施されることがある。当該電飾が発する光により、景品取得ゲーム装置の周囲に居るプレイヤ候補(すなわち、料金を投入して景品取得ゲーム装置のプレイヤに成り得る者)の目を収容空間内の景品に引き付け、プレイ意欲(すなわち、景品取得に挑戦する意欲)を喚起することができる。
【0007】
これに対し、特許文献1に記載された景品取得ゲーム装置では、アクリル板の屈曲部にそのような電飾を施すと、当該電飾によって収容空間の視認性が低下するおそれがある。すなわち、屈曲部に電飾を施すと、柱部材を不要にして収容空間の視認性を向上させた趣旨が没却してしまう。このため、特許文献1に記載された景品取得ゲーム装置は、プレイヤ候補のプレイ意欲を十分に喚起することができないという課題があった。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、景品を収容する空間の視認性を向上させるとともに、プレイヤ候補のプレイ意欲を喚起することが可能な景品取得ゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、筐体の一側部に操作受付部が設けられ、該操作受付部が受け付けるプレイヤ操作に基づいて景品を取得する景品取得ゲーム装置であって、一側部と正対するように筐体を見て、手前側を正面側とし、奥側を背面側とし、正面側から背面側に向かう方向を奥行方向とし、奥行方向と直交する水平方向を幅方向としたとき、透明で景品を収容する収容空間を区画形成する収容部と、収容空間において景品の取得動作を行う景品取得部と、光を発する発光部と、発光部の発光を制御するとともに、操作受付部が受け付けたプレイヤ操作に基づいて景品取得部の移動を制御する制御部と、を備える。収容部は、正面側における収容空間の端部を区画する正面板と、幅方向における収容空間の端部を区画する側面板と、を有する。側面板は、奥行方向に延在する側面部と、幅方向に延在し正面板よりも正面側に配置される正面部と、側面部と正面部とを連結するように屈曲して収容空間の隅部を区画する屈曲部と、を有する。発光部は、側面部の一端面である入射面と対向配置される。側面板は、入射面から入射した光を内部で反射させながら正面側に導くとともに、該光の一部を屈曲部から出射させ、他部を正面部から出射させるように構成されている。
【0010】
上記構成によれば、側面板の屈曲部及び正面部から出射する光によってプレイヤ候補の目を景品に引き付け、プレイ意欲を喚起することができる。当該光は、側面部の一端面である入射面から入射し、側面板の内部で反射しながら正面側に導かれたものである。
【0011】
すなわち、上記構成によれば、発光部を屈曲部や正面部に設けることなく、当該部分から光を出射させることができる。この結果、収容空間の視認性を向上させるとともに、プレイヤ候補のプレイ意欲を喚起することが可能になる。
【0012】
また、入射面は、その法線が奥行方向に沿うように形成されていてもよい。この構成によれば、発光部が正面側に光を出射させ、当該光を効率良く屈曲部及び正面部に到達させることができる。すなわち、入射面から入射した光が、屈曲部及び正面部に到達することなく側面部から出射してしまうことを抑制できる。この結果、簡易な構成ながらも、発光部が発した光を効率良く屈曲部及び正面部から出射させることが可能になる。
【0013】
また、入射面は、側面部の背面側の端面であってもよい。この構成によれば、筐体の正面側に居るプレイヤ候補から発光部が視認し難くなる。すなわち、収容空間の視認を発光部によって妨げることなく、屈曲部及び正面部から光を出射させることが可能になる。
【0014】
また、正面部は、正面板の中央部に向けて光を出射させる中央側出射面を有していてもよい。中央側出射面は、筐体から幅方向にオフセットした位置に居るプレイヤ候補からも視認することができる。すなわち、この構成によれば、広範囲に光を出射し、より多くのプレイヤ候補のプレイ意欲を喚起することが可能になる。
【0015】
また、側面板は、透明な平板を曲げ加工を施すことによって側面部、屈曲部及び正面部が一体となるように形成されていてもよい。この構成によれば、側面部、屈曲部及び正面部が継ぎ目なく形成されるため、発光部が発した光を、さらに効率良く屈曲部及び正面部に到達させることができる。また、曲げ加工を施す際に、屈曲部の外周面と内周面との曲率を適宜調整することができる。この結果、屈曲部の外周面から出射する光の量と、正面部から出射する光の量とのバランスを調整することが可能になる。
【0016】
また、制御部は、プレイヤ操作を待機する操作待機モードの実行時に、操作待機モードの非実行時と比べて、発光部の輝度を低くしてもよい。この構成によれば、屈曲部や正面部から出射する光が、プレイヤが収容空間を視認しながら操作受付部を操作する際の妨げとなることを抑制できる。
【0017】
また、景品取得部は、収容空間において奥行方向、幅方向及び鉛直方向に移動し、景品の把持及び解放を行うように構成され、制御部は、操作受付部が、景品取得部を奥行方向に移動させるためのプレイヤ操作を待機する奥行操作待機モードの実行時に、奥行操作待機モードの非実行時と比べて、発光部の輝度を低くしてもよい。この構成によれば、景品取得部を奥行方向に移動させようとする際に、プレイヤが視点を側面部側に移動させて景品と景品取得部との位置関係を確認する場合でも、屈曲部から出射する光が、その妨げとなることを抑制することが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、景品を収容する空間の視認性を向上させるとともに、プレイヤ候補のプレイ意欲を喚起することが可能な景品取得ゲーム装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0021】
まず、
図1及び
図2を参照しながら、実施形態に係る景品取得ゲーム装置1(以下、単に「ゲーム装置1」とも称する)の概要について説明する。
図1は、ゲーム装置1の設置状態を示す斜視図である。
図2は、
図1のII部を拡大して示す斜視図である。
【0022】
ゲーム装置1は、アミューズメント施設等の床面に載置される。
図1は、2機のゲーム装置1を幅方向に並べて設置した状態を示している。ゲーム装置1の筐体10の一側部には、操作受付部21が設けられている。プレイヤは、ゲーム装置1においてゲームをプレイする際に、操作受付部21を操作する。
【0023】
尚、本願では、操作受付部21が設けられる一側部と正対するように筐体10を見て、手前側を正面側と称し、奥側を背面側と称する。また、正面側から背面側に向かう方向を奥行方向と称し、奥行方向と直交する水平方向を幅方向と称する。
【0024】
ゲーム装置1の筐体10は、機能部2及び収容部3を備えている。機能部2は、筐体10の下部に設けられ、ゲーム装置1を稼働させる種々の電子機器が収容されている部分である。
【0025】
収容部3は、透明なアクリル樹脂によって形成されており、景品Gを収容する収容空間30を区画形成している。収容空間30は、略直体形状を呈する空間である。収容空間30の底面には、穴31が形成されている。穴31は、機能部2に開設されている取出口22と連通している。
【0026】
尚、本願における「透明」の意味は、入射した光を損失無く透過させる媒体の性質に限定されるものではない。すなわち、本願における「透明」の意味には、入射した光の一部を吸収する媒体の性質である所謂「半透明(乳白色)」も含まれる。
【0027】
収容空間30には、景品取得部4が配置されている。景品取得部4は、不図示の移動機構によって、収容空間30において奥行方向、幅方向及び鉛直方向に移動することができる。景品取得部4は、吊り下げられる本体41と、本体41から延びるアーム42,42と、を有している。本体41は、アーム42,42を、互いに接近及び離反するように移動させることにより、景品Gの把持及び解放を行うことができる。
【0028】
収容部3の上方には、電飾部9が配置されている。電飾部9は、筐体10の外部に光を発する部分である。
【0029】
図2に示されるように、電飾部9は導光部材91を有している。導光部材91は、アクリル樹脂によって形成された透明な平板である。導光部材91は、第1出射面91a及び第2出射面91bを有している。第1出射面91aは平面であり、正面側に向けて配置されている。第2出射面91bは、幅方向における導光部材91の端部に形成され、外方に向けて突出する湾曲面である。
【0030】
導光部材91の背面側には、光源として不図示の発光ダイオードが配置されている。当該発光ダイオードが発した光は、導光部材91の背面側の端部から入射する。当該光は、導光部材91の内部で反射しながら正面側に導かれ、第1出射面91a及び第2出射面91bから出射する。尚、光源は発光ダイオードに限られず、冷陰極管など他の形態の光源を用いることも可能である。
【0031】
2機のゲーム装置1を幅方向に並べて設置すると、第2出射面91bは、2機のゲーム装置1の隙間に向かって湾曲するように配置される。第2出射面91bから出射した光は、当該隙間側に向かって進行する。この結果、ゲーム装置1の周辺に居るプレイヤ候補から見たとき、2機のゲーム装置1の上部から幅方向に隙間無く光が出射しているように演出することができる。また、一方のゲーム装置1の電飾部9と、他方のゲーム装置1の電飾部9とを連動させてもよい。例えば、ゲーム装置1がそれぞれ不図示の通信部によって電飾部9の制御タイミングデータを送受信可能とし、2つの電飾部9,9で、点滅のタイミングを同期させてもよい。
【0032】
このようなゲーム装置1がプレイヤに提供するゲームは、プレイヤ操作に基づいて景品取得部4を移動させ、収容空間30に収容されている景品Gを取得するというものである。以下、本ゲームのシーケンスについて簡単に説明する。
【0033】
ゲーム装置1は、不図示の硬貨投入口に所定枚数の硬貨が投入されたことをトリガとして、プレイヤ操作の待機を開始する。後述するように、操作受付部21には、第1ボタン211及び第2ボタン212が設けられており、ゲーム装置1は、まず第1ボタン211の押下を待機する。
【0034】
プレイヤが手指で第1ボタン211を押下すると、景品取得部4は、収容空間30で初期位置から幅方向に移動する。景品取得部4は、第1ボタン211が押下されている間移動し、プレイヤが第1ボタン211から手指を離すと停止する。景品取得部4が停止すると、ゲーム装置1は、次に第2ボタン212の押下を待機する。
【0035】
プレイヤが手指で第2ボタン212を押下すると、景品取得部4は、収容空間内30内を奥行方向に移動する。景品取得部4は、第2ボタン212が押下されている間移動し、プレイヤが第2ボタン212から手指を離すと停止する。
【0036】
次に、景品取得部4は、アーム42,42を互いに離間させた状態で降下する。そして、景品取得部4は、景品Gの近傍で停止すると、アーム42,42を互いに接近させる。アーム42,42が景品Gの適切な部位と当接していれば、景品取得部4は景品Gを把持することができる。
【0037】
次に、景品取得部4は、上昇し、前述した初期位置まで戻る。当該初期位置において景品取得部4がアーム42,42を互いに離反させると、それまで把持していた景品Gが開放されて穴31に落下する。プレイヤは、機能部2に開設されている取出口22を介して当該景品を受け取ることができる。
【0038】
次に、
図3乃至
図5を参照しながら、ゲーム装置1の構成について詳細に説明する。
図3は、景品取得ゲーム装置1を示す斜視図である。
図4は、
図3のIV−IV断面における断面図である。
図5は、
図4のV部を拡大且つ分解して示す斜視図である。
【0039】
ゲーム装置1の筐体10は、その中央部を境として幅方向に略面対称となるように構成されている。このため、ゲーム装置1の筐体10は、最大で2人のプレイヤが同時にプレイすることができる。ゲーム装置1を構成する複数の部材のうち、同一の機能を有するものについては同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0040】
操作受付部21は、第1ボタン211及び第2ボタン212を有している。第1ボタン211及び第2ボタン212は公知の入力機器であり、押下されることによって操作信号を出力する。プレイヤは、第1ボタン211を押下することにより、景品取得部4を幅方向に移動させることができる。また、プレイヤは、第2ボタン212を押下することにより、景品取得部4を奥行方向に移動させることができる。
【0041】
図3に示されるように、機能部2の内部には制御部23が配置されている。制御部23は、所謂ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)であり、不図示の電子素子を複数搭載している。制御部23は、操作受付部21から受信する操作信号に基づき、景品取得部4を移動させる移動機構や、後述する発光ユニット8に信号を送信し、それらの動作を制御する。
【0042】
収容部3は、正面板5と、側面板6と、背面板7とを有している。
【0043】
正面板5は、正面側における収容空間30の端部を区画する部材である。正面板5は、第1正面板51及び第2正面板52を有している。第1正面板51及び第2正面板52は、いずれも、透明なアクリル樹脂によって形成されている。
【0044】
第1正面板51及び第2正面板52は、いずれも幅方向にスライド移動可能に配置されている。また、第1正面板51は、第2正面板52よりも背面側に配置されている。すなわち、正面板5は、幅方向に開閉する引違い戸である。ゲーム装置1の管理者は、この正面板5を開くことによって収容空間30を開放し、景品の補充や、景品取得部4のメンテナンスを行うことができる。
【0045】
側面板6は、幅方向における収容空間30の端部を区画する部材である。側面板6は、透明なアクリル樹脂によって形成されている。側面板6の正面側の端部は、曲げ加工が施されており、平面視で略L字形状を呈している。すなわち、側面板6は、側面部61及び正面部63と、側面部61と正面部63とを連結するように屈曲する屈曲部62と、を有している。
【0046】
側面部61は、奥行方向に延在するように配置されている。
図5に示されるように、側面部61の背面側の端部には、入射面61aが形成されている。入射面61aは、その法線Nが奥行方向に沿うように形成された平面である。
【0047】
また、正面部63は、幅方向に延在するように配置されている。正面部63は、正面板5よりも正面側に配置されている。
図4に示されるように、屈曲部62は、収容空間30の隅部30aを区画している。
【0048】
背面板7は、背面側における収容空間30の端部を区画する部材である。背面板7は、必ずしも透明である必要はない。例えば、収容空間30側に位置する背面板7の表面を鏡面にしたり、当該表面に装飾を施したりしてもよい。
【0049】
図4に示されるように、側面板6の背面側には、発光ユニット8が配置されている。
図5に示されるように、発光ユニット8は、発光素子として複数の発光ダイオード81を有している。複数の発光ダイオード81は、帯状を呈している発光ユニット8の長手方向に沿って、互いに間隔を空けて直線状に並んでいる。また、複数の発光ダイオード81は、いずれも同一方向に光を発するように配置されている。発光ユニット8は、側面板6の入射面61aと対向配置されている。
【0050】
次に、
図6及び
図7を参照しながら、発光ユニット8が発した光の進行について説明する。
図6は、側面板6の内部における光の進行を示す模式図である。
図7は、ゲーム装置1周辺における光の進行を示す模式図である。
図6及び
図7は、光の進行を矢印によって示している。
【0051】
図6に示されるように、発光ユニット8が正面側に発した光は、入射面61aから側面板6の側面部61に入射する。このように入射した光のうち、側面部61の表面61b,61cに臨界角よりも大きい入射角で入射する光は、表面61bと表面61cとの間で反射しながら正面側に導かれる。
【0052】
前述したように、側面部61の正面側に位置する屈曲部62は曲げ加工が施されており、その外周面62aと内周面62bとが湾曲している。平面視における外周面62aの曲率は、内周面62bの曲率よりも小さい。側面部61を通過して屈曲部62に到達した光の一部は、外周面62aに臨界角よりも小さい入射角で入射する。当該光は、矢印L1で示されるように、外周面62aから出射して正面側に進行する。
【0053】
屈曲部62に到達した光の他部は、外周面62aに臨界角よりも大きい入射角で外周面62aに入射する。当該光は、外周面62aで反射するとともに、正面部63側に導かれる。
【0054】
正面部63に到達した光は、表面63aと表面63bとの間で反射しながら正面板5の中央側に導かれる。正面板5の中央側に位置する正面部63の端面は、法線が幅方向に沿うように配置された平面である。正面部63の内部を通過した光のうち、中央側出射面63cに臨界角よりも小さい入射角で入射した光は、矢印L2で示されるように、中央側出射面63cから正面板5の中央側に出射する。また、中央側出射面63cに臨界角よりも大きい入射角で入射した光は、反射して屈曲部62側に進行する。当該光は、矢印L3で示されるように、外周面62aに臨界角よりも小さい入射角で入射し、外周面62aから出射して背面側に進行する。
【0055】
この結果、ゲーム装置1は、
図7に示されるように複数の方向に光を出射する。矢印L4で示されるように屈曲部62から正面側に出射した光は、ゲーム装置1の筐体10の正面側に居るプレイヤ候補H1を指向する。また、矢印L5,L6で示されるように中央側出射面63cから出射した光は、筐体10から幅方向にオフセットした位置に居るプレイヤ候補H2,H3を指向する。更に、矢印L7,L8で示されるように屈曲部62から背面側に出射した光は、ゲーム装置1の筐体10の正面側に居るプレイヤ候補や、隣接されたゲーム装置1を指向する。
【0056】
このようなゲーム装置1の構成によれば、側面板6の屈曲部62及び正面部63から出射する光によってプレイヤ候補H1〜H3の目を収容空間30及び収容空間30に配置された景品Gに引き付け、プレイ意欲を喚起することができる。当該光は、側面部61の一端面である入射面61aから入射し、側面板6の内部で反射しながら正面側に導かれたものである。
【0057】
すなわち、上記構成によれば、発光部である発光ユニット8を屈曲部62や正面部63に設けることなく、当該部分から光を出射させることができる。この結果、収容空間30の視認性を向上させるとともに、プレイヤ候補H1〜H3のプレイ意欲を喚起することが可能になる。
【0058】
また、入射面61aは、その法線Nが奥行方向に沿うように形成されていている。この構成によれば、発光ユニット8が正面側に光を出射させ、当該光を効率良く屈曲部62及び正面部63に到達させることができる。すなわち、入射面61aから入射した光が、屈曲部62及び正面部63に到達することなく側面部61から出射してしまうことを抑制できる。この結果、簡易な構成ながらも、発光ユニット8が発した光を効率良く屈曲部62及び正面部63から出射させることが可能になる。
【0059】
また、入射面61aは、側面部61の背面側の端面である。この構成によれば、筐体10の正面側に居るプレイヤ候補H1〜H3から発光ユニットが視認し難くなる。すなわち、収容空間30の視認を発光ユニット8によって妨げることなく、屈曲部62及び正面部63から光を出射させることが可能になる。
【0060】
また、正面部63は、正面板5の中央部に向けて光を出射させる中央側出射面63cを有している。中央側出射面は、筐体から幅方向にオフセットした位置に居るプレイヤ候補からも視認することができる。すなわち、この構成によれば、広範囲に光を出射し、より多くのプレイヤ候補のプレイ意欲を喚起することが可能になる。
【0061】
また、側面板6は、透明な平板を曲げ加工することによって側面部61、屈曲部62及び正面部63が一体となるように形成されている。この構成によれば、側面部61、屈曲部62及び正面部63が継ぎ目なく形成されるため、発光ユニット8が発した光を、さらに効率良く屈曲部62及び正面部63に到達させることができる。また、曲げ加工を施す際に、屈曲部62の外周面62aと内周面62bとの曲率を適宜調整することができる。この結果、屈曲部62の外周面62aから出射する光の量と、正面部63から出射する光の量とのバランスを調整することが可能になる。
【0062】
ところで、屈曲部62や正面部63から出射する光は、プレイヤ候補H1〜H3のプレイ意欲の喚起に有効であるが、ゲームのプレイを阻害するおそれがある。すなわち、屈曲部62や正面部63から出射する光が、プレイヤに眩しさを感じさせ、収容空間30を視認しながら操作受付部21を操作する際の妨げとなるおそれがある。
【0063】
そこで、制御部23は、屈曲部62や正面部63から出射する光がゲームのプレイを阻害しないように、発光ユニット8の発光を制御する。
図8を参照しながら、この制御部23の制御について説明する。
図8は、プレイヤがゲームを開始する際に、制御部が実行する制御を示すフローチャートである。
【0064】
まず、制御部23は、ステップS11において、不図示の硬貨投入口への硬貨の投入を待機する。硬貨が投入されない間(S11:NO)、制御部23は、発光ユニット8を点灯させ、屈曲部62や正面部63から光を出射させている。硬貨が投入された場合(S11:YES)、制御部23は、ステップS12の処理に進む。
【0065】
次に、制御部23は、ステップS12において、発光ユニット8を消灯させる。つまり、制御部23は、硬貨が投入され、プレイヤ操作を待機する状態に移行したことに基づいて、発光ユニット8の発光を停止させる。
【0066】
次に、制御部23は、ステップS13において、ゲームシーケンスの終了を待機する。すなわち、制御部23は、前述したように景品取得部4が初期位置に戻るまでのシーケンスの終了を待機する。制御部23は、ゲームシーケンス中(S13:NO)においては、発光ユニット8を消灯させたままにする。一方、ゲームシーケンスが終了したと判定した場合(S13:YES)、制御部23は、ステップ14に進む。
【0067】
次に、制御部23は、ステップS14において、発光ユニット8を点灯させる。つまり、ゲームシーケンスが終了し、プレイヤがゲームのプレイを終えたことに基づいて、発光ユニット8の発光を再開させる。
【0068】
このように、制御部23は、プレイヤ操作を待機する操作待機モードの実行時に、操作待機モードの非実行時と比べて、発光部である発光ユニット8の輝度を低くする。この構成によれば、屈曲部62や正面部63から出射する光が、プレイヤが収容空間30を視認しながら操作受付部21を操作する際の妨げとなることを抑制できる。
【0069】
図9を参照しながら、この制御部23が実行する制御の変形例について説明する。
図9は、ゲームシーケンス中に制御部が実行する制御を示すフローチャートである。制御部23は、不図示の硬貨投入口に硬貨が投入されたことをトリガとして、本制御を実行する。
【0070】
まず、制御部23は、ステップS21において、第1ボタン押下待機モードに移行する。第1ボタン押下待機モードは、第1ボタン211の押下を待機する動作モードである。前述したように、第1ボタン211は、景品取得部4を幅方向に移動させるためにプレイヤが押下する入力機器である。第1ボタン押下待機モード実行中は、仮に第2ボタン212が押下された場合でも、制御部23は景品取得部4を移動させない。
【0071】
次に、制御部23は、ステップS22において、プレイヤによる第1ボタン211の押下を待機する。第1ボタン211が押下されない間(S22:NO)、制御部23は、発光ユニット8に比較的高い輝度で発光させる。第1ボタン211が押下された場合(S22:YES)、制御部23は、ステップS23の処理に進む。
【0072】
まず、制御部23は、ステップS23において、第2ボタン押下待機モードに移行する。第2ボタン押下待機モードは、第2ボタン212の押下を待機する動作モードである。前述したように、第2ボタン212は、景品取得部4を奥行方向に移動させるためにプレイヤが押下する入力機器である。第2ボタン押下待機モード実行中は、仮に第1ボタン211が押下された場合でも、制御部23は景品取得部4を移動させない。
【0073】
次に、制御部23は、ステップS24において、発光ユニット8を減光させる。つまり、制御部23は、第2ボタン押下待機モードに移行したことに基づいて、発光ユニット8が発する光の輝度を低下させる。
【0074】
次に、制御部23は、ステップS25において、プレイヤによる第2ボタン212の押下を待機する。第2ボタン212が押下されない間(S25:NO)、制御部23は、発光ユニット8に比較的低い輝度で発光させる。第2ボタン212が押下された場合(S25:YES)、制御部23は、ステップS26の処理に進む。
【0075】
次に、制御部23は、ステップS26において、発光ユニット8を増光させる。つまり、制御部23は、第2ボタン212が押下されたことに基づいて、発光ユニット8が発する光の輝度を増加させる。
【0076】
このように、制御部23は、操作受付部21が、景品取得部4を奥行方向に移動させるためのプレイヤ操作を待機する第2ボタン押下待機モードの実行時に、第2ボタン押下待機モードの非実行時と比べて、発光ユニット8の輝度を低くする。この構成によれば、景品取得部4を奥行方向に移動させようとする際に、プレイヤが視点を側面部61側に移動させて景品Gと景品取得部4との位置関係を確認する場合でも、屈曲部62から出射する光が、その妨げとなることを抑制できる。
【0077】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されず、適宜変更することができる。
【0078】
図10を参照しながら、変形例に係る側面板6Aについて説明する。
図10は、側面板6Aの背面側の端部を図示している。側面板6Aの正面側の端部の構成は、前述した実施形態と同様であるため、図示が省略されている。前述した実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
【0079】
側面板6Aの背面側の端面61Adは、側面部61Aの厚み方向に対して傾斜するように形成されている。この端面61Adには、鏡面を有する部材(例えばアルミ箔)が貼付されるなど、光を側面部61Aの内部に反射し易くする加工が施されている。
【0080】
発光ユニット8は、側面板6Aの表面61Acのうち、背面側の端部と対向配置されている。すなわち、表面61Acのうち発光ユニット8と対向する部位が、入射面61Aaとして機能する。
【0081】
発光ユニット8が発した光は、入射面61Aaから側面板6Aの側面部61Aに入射する。当該光は端面61Adにおいて正面側に向かって全反射し、表面61Abと表面61Acとの間で反射しながら正面側に導かれる。その後、当該光は、前述したように屈曲部62や中央側出射面63cから出射する(
図6参照)。
【0082】
図11を参照しながら、参考例に係る側面板6Bについて説明する。
図11は、側面板6Bの正面側の端部を図示している。側面板6Bの背面側の端部の構成は、前述した実施形態と同様であるため、図示が省略されている。前述した実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
【0083】
側面板6Bは、前述した実施形態と異なり、屈曲部や正面部を有していない。すなわち、側面板6Bは、平板形状を呈する側面部61Bのみによって構成されている。側面部61Bの正面側の端面は、出射面61Bdとして機能する。出射面61Bdは、側面部61Bの厚み方向に沿うように形成されている。
【0084】
不図示の発光ユニット8が発し、側面部61Bに入射した光は、表面61Bbと表面61Bcとの間で反射しながら正面側に導かれる。当該光の大半は、出射面61Bdに臨界角よりも小さい入射角で入射する。当該光は、矢印L9で示されるように、出射面61Bdから出射して正面側に進行する。
【解決手段】景品取得ゲーム装置1は、発光部である発光ユニット8と、幅方向における収容空間30の端部を区画する側面板6とを備えている。発光ユニット8は、側面部61の一端面である入射面61aと対向配置される。側面板6は、入射面61aから入射した光を内部で反射させながら正面側に導くとともに、該光の一部を屈曲部62から出射させ、他部を正面部63から出射させる。