(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
X方向にK個、該X方向と交差するY方向にM個、および該X方向および該Y方向と交差するZ方向にN個配列させることができるK×M×N個の反応部(ここで、K、M、およびNは独立して2以上の整数である。)と、
前記Y方向に平行に配置され、かつ、前記X方向および前記Z方向に配列する第1の骨組みと、
前記Z方向に平行に配置され、かつ、前記X方向および前記Y方向に配列する第2の骨組みと、
前記X方向に平行に配置され、かつ、前記Y方向および前記Z方向に配列する第3の骨組み と、
を含み、
Y−Z平面に平行な面に配列させることができる前記反応部から構成されるK枚の面を一枚ずつそれぞれ一体化して反応させ、
X−Z平面に平行な面に配列させることができる前記反応部から構成されるM枚の面を一枚ずつそれぞれ一体化して反応させ、
X−Y平面に平行な面に配列させることができる前記反応部から構成されるN枚の面を一枚ずつそれぞれ一体化して反応させる、反応装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、格別に断らない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
【0022】
1.第1実施形態
1.1.反応方法
1.1.1.概念
図1は、本発明の第1実施形態に係る反応方法の概念を模式的に説明する図である。
図1には、本実施形態に係る反応方法で使用される反応装置1000が模式的に示されている。反応装置1000はK×M×N個(ここで、K、M、およびNは独立して2以上の整数である。)の反応部1を含む。
【0023】
本実施形態に係る反応方法は、K×M×N個の反応部1において反応を行う方法であって、K×M×N個の反応部1は、X方向にK個、X方向と交差するY方向にM個、およびX方向およびY方向と交差するZ方向にN個配列させることができ、X方向においてk番目に位置し、Y方向においてm番目に位置し、かつZ方向においてn番目に位置する反応部1が下記式(1)で表され、
[k,m,n] ・・・・・(1)
(式中、kは1〜Kの整数を表し、mは1〜Mの整数を表し、nは1〜Nの整数を表す。)
上記式(1)においてk=1である反応部1において1番目の反応A
1を行う工程、…および下記式(1)においてk=Kである反応部1においてK番目の反応A
Kを行う工程と、上記式(1)においてm=1である反応部1において1番目の反応B
1を行う工程、…および上記式(1)においてm=Mである反応部1においてM番目の反応B
Mを行う工程と、上記式(1)においてn=1である反応部1において1番目の反応C
1を行う工程、…および上記式(1)においてn=Nである反応部1においてN番目の反応C
Nを行う工程と、を含む。
【0024】
すなわち、本実施形態に係る反応方法において、反応A
1〜A
Kは、Y−Z平面に平行な面に配列させることができる反応部1で行われ、反応B
1〜B
Mは、X−Z平面に平行な面に配列させることができる反応部1で行われ、反応C
1〜C
Nは、X−Y平面に平行な面に配列させることができる反応部1で行われることができる。より具体的には、
図1を参照すると、本実施形態に係る反応方法において、反応A
1は、Y−Z平面に平行な各面に含まれる、上記式(1)においてk=1である反応部1を用いて行われ、反応A
2は、Y−Z平面に平行な各面に含まれる、上記式(1)においてk=2である反応部1を用いて行われ、…反応A
Kは、Y−Z平面に平行な各面に含まれる、上記式(1)においてk=Kである反応部1を用いて行われる。また、本実施形態に係る反応方法において、反応B
1は、X−Z平面に平行な各面に含まれる、上記式(1)においてm=1である反応部1を用いて行われ、反応B
2は、X−Z平面に平行な各面に含まれる、上記式(1)においてm=2である反応部1を用いて行われ、…反応B
Mは、X−Z平面に平行な各面に含まれる、上記式(1)においてm=Mである反応部1を用いて行われる。さらに、本実施形態に係る反応方法において、反応C
1は、X−Y平面に平行な各面に含まれる、上記式(1)においてn=1である反応部1を用いて行われ、反応C
2は、X−Y平面に平行な各面に含まれる、上記式(1)においてn=2である反応部1を用いて行われ、…反応C
Nは、X−Y平面に平行な各面に含まれる、上記式(1)においてn=Nである反応部1を用いて行われる。
【0025】
なお、本実施形態に係る反応方法は、後述する第2実施形態に係る反応方法にも適用することができる。また、本実施形態において、X方向とは、X軸(
図1参照)と平行な方向をいい、Y方向とは、Y軸(
図1参照)と平行な方向をいい、Z方向とは、Z軸(
図1参照)と平行な方向をいう(後述する他の実施形態でも同様である)。また、
図1には、X方向、Y方向およびZ方向が互いに直交する場合を示している(後述する他の実施形態でも同様である)。
【0026】
図1には、K,M,Nの数が同じである場合(K=M=N=3の場合)、すなわち、(3×3×3)個の反応部1を有する反応装置1000が示されている。また、
図1において、反応部1は、X方向にK(=3)個、X方向と交差するY方向にM(=3)個、およびX方向およびY方向と交差するZ方向にN(=3)個配列している。すなわち、X方向において座標軸の交点から近いほうからk番目に位置し、Y方向において座標軸の交点から近いほうからm番目に位置し、かつZ方向において座標軸の交点から近いほうからn番目に位置する反応部はが上記式(1)のように[k,m,n]と表される。なお、
図1では、各反応部1の位置が上記式(1)で表されている。例えば、
図1において、X方向において座標軸の交点から近いほうから3番目に位置し、Y方向において座標軸の交点から近いほうから2番目に位置し、かつZ方向において座標軸の交点から近いほうから1番目に位置する反応部1は[3,2,1]と表される。
【0027】
1.1.2.工程
図2は、本発明の第1の実施形態に係る反応方法を説明するフローチャートである。
図2のフローチャートについて、
図1に示される反応装置1000を用いた場合を例にとり説明する。
【0028】
1.1.2−1.ステップS100
最初に、ステップS100を行う。まず、上記式(1)においてk=1である反応部1において1番目の反応A
1を行う(ステップS10〜12)。すなわち、
図1の反応装置1000において、[1,1,1]、[1,1,2]、[1,1,3]、[1,2,1]、[1,2,2]、[1,2,3]、[1,3,1]、[1,3,2]、[1,3,3]の位置にある9個の反応部1において、1番目の反応A
1を行う。
【0029】
次に、上記式(1)においてk=2である反応部1において2番目の反応A
2を行う(ステップS13、S14、S11、S12)。すなわち、
図1の反応装置1000において、[2,1,1]、[2,1,2]、[2,1,3]、[2,2,1]、[2,2,2]、[2,2,3]、[2,3,1]、[2,3,2]、[2,3,3]の位置にある9個の反応部1において、2番目の反応A
2を行う。
【0030】
次いで、上記式(1)においてk=3(=K)である反応部1において3(=K)番目の反応A
3(=K)を行う(ステップS13、S14、S11、S12)。すなわち、
図1の反応装置1000において、[3,1,1]、[3,1,2]、[3,1,3]、[3,2,1]、[3,2,2]、[3,2,3]、[3,3,1]、[3,3,2]、[3,3,3]の位置にある9個の反応部1において、3(=K)番目の反応A
3(=K)を行う。このように、ステップS12の反応をK回繰り返して行い、X>KとなったらステップS100を終了する。
【0031】
1.1.2−2.ステップS200
まず、上記式(1)においてm=1である反応部1において1番目の反応B
1を行う(ステップS20〜22)。すなわち、
図1の反応装置1000において、[1,1,1]、[1,1,2]、[1,1,3]、[2,1,1]、[2,1,2]、[2,1,3]、[3,1,1]、[3,1,2]、[3,1,3]の位置にある9個の反応部1において、1番目の反応B
1を行う。
【0032】
次に、上記式(1)においてm=2である反応部1において2番目の反応B
2を行う(ステップS23、S24、S21、S22)。すなわち、
図1の反応装置1000において、[1,2,1]、[1,2,2]、[1,2,3]、[2,2,1]、[2,2,2]、[2,2,3]、[3,2,1]、[3,2,2]、[3,2,3]の位置にある9個の反応部1において、2番目の反応B
2を行う。
【0033】
次いで、上記式(1)においてm=3(=M)である反応部1において3(=M)番目の反応B
3(=M)を行う(ステップS23、S24、S21、S22)。すなわち、
図1の反応装置1000において、[1,3,1]、[1,3,2]、[1,3,3]、[2,3,1]、[2,3,2]、[2,3,3]、[3,3,1]、[3,3,2]、[3,3,3]の位置にある9個の反応部100において、3(=M)番目の反応B
3(=M)を行う。このように、ステップS22の反応をM回繰り返して行い、Y>MとなったらステップS200を終了する。
【0034】
1.1.2−3.ステップS300
まず、上記式(1)においてn=1である反応部1において1番目の反応C
1を行う(ステップS30〜32)。すなわち、
図1の反応装置1000において、[1,1,1]、[2,1,1]、[3,1,1]、[1,2,1]、[2,2,1]、[3,2,1]、[1,3,1]、[2,3,1]、[3,3,1]の位置にある9個の反応部1において、1番目の反応C
1を行う。
【0035】
次に、上記式(1)においてn=2である反応部1において2番目の反応C
2を行う(ステップS33、S34、S31、S32)。すなわち、
図1の反応装置1において、[1,1,2]、[2,1,2]、[3,1,2]、[1,2,2]、[2,2,2]、[3,2,2]、[1,3,2]、[2,3,2]、[3,3,2]の位置にある9個の反応部1において、2番目の反応C
2を行う。
【0036】
次いで、上記式(1)においてn=3(=N)である反応部1において3(=N)番目の反応C
3(=N)を行う(ステップS33、S34、S31、S32)。すなわち、
図1の反応装置1000において、[1,1,3]、[2,1,3]、[3,1,3]、[1,2,3]、[2,2,3]、[3,2,3]、[1,3,3]、[2,3,3]、[3,3,3]の位置にある9個の反応部1において、3(=N)番目の反応C
3(=N)を行う。このように、ステップS32の反応をN回繰り返して行い、Z>NとなったらステップS300を終了する。
【0037】
なお、ステップS100〜S300における反応A
1〜A
K、反応B
1〜B
M、反応C
1〜C
Nの順序を入れ替えてもよい。すなわち、反応A
1〜A
K内での順序、反応B
1〜B
M内での順序、反応C
1〜C
N内での順序を入れ替えてもよいし、あるいは、例えば、反応A
1〜A
Kの前に、反応B
1〜B
Mまたは反応C
1〜C
Nを行ってもよいし、反応B
1〜B
Mの前に反応C
1〜C
Nを行ってもよい。また、反応部1は、X方向、Y方向、およびZ方向に配列した状態で反応を行わなくてもよく、例えば、反応部1がX,Y,Z方向に配列した状態で反応させずに、例えば、本実施形態に係る反応装置1000を用いる反応方法のように、反応部1が配列していない状態で反応を行なってもよい。さらに、反応A
1〜A
K、反応B
1〜B
M、反応C
1〜C
Nの種類は同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。上述した、反応A
1〜A
K、反応B
1〜B
M、反応C
1〜C
Nの順序を入れ替えてもよい点、反応部1の位置を変えた後に反応を行ってもよい点、ならびに反応A
1〜A
K、反応B
1〜B
M、反応C
1〜C
Nの種類が同じまたは異なってもよい点は、後述する第2実施形態および第3実施形態でも同様である。
【0038】
本実施形態に係る反応方法において、反応部1で行われる反応はペプチド合成反応、核酸合成反応、または糖鎖合成反応のいずれかであってもよく、なかでも、本発明の効果によって、効率性、簡便性、信頼性、およびコストパフォーマンスの点でより大きな便益を享受できる点で、ペプチド合成反応であることが好ましい。また、反応部1は、反応が行われる領域であり、反応部1として例えば、後述する反応器10、110、210、310を用いることができる。
【0039】
1.2.反応装置
1.2.1.構成
本実施形態に係る反応装置100の構成を
図3および
図4に示す。
図3は、本実施形態に係る反応装置100を模式的に示す斜視図である。
図4は、
図3に示される反応装置100から反応器10を取り除いた状態を示す斜視図である。
図3の反応装置100は、
図1の反応装置1000の一例であり、反応器10は、
図1の反応部1の一例である。なお、
図3の反応装置100は、
図1の反応装置1000と同様に、3×3×3=27個の反応部(反応器10)を有しているが、反応部の数はこれに限定されない。
【0040】
本実施形態に係る反応装置100を用いて、
図1の反応方法を実施することができる。また、本実施形態に係る反応装置100は
図1の反応方法と同様に、K,M,Nの数が同じである場合(K=M=N=3の場合)を示す。
【0041】
本実施形態に係る反応装置100は、
図3に示されるように、複数個(27個)の反応部10と、第1の骨組み(棒)27と、第2の骨組み(棒)23と、第3の骨組み(棒)25とを含む。27個の反応部10は、X方向に3個、X方向と交差(直交)するY方向に3個、およびX方向およびY方向と交差(直交)するZ方向に3個配列する。すなわち、反応部10は、X−Y平面と平行な3つの面にそれぞれ9個、Y−Z平面と平行な3つの面にそれぞれ9個、Z−X平面と平行な3つの面にそれぞれ9個配置されている。
【0042】
図3および
図4に示されるように、第1の骨組み27はY方向に平行に配置され、かつ、X方向およびZ方向に配列している。第2の骨組み23はZ方向に平行に配置され、かつ、X方向およびY方向に配列している。第3の骨組み25はX方向に平行に配置され、かつ、Y方向およびZ方向に配列している。
図3および
図4の反応装置100では、第1の骨組み27、第2の骨組み23、および第3の骨組み25はそれぞれ、複数本(9本)設けられている。なお、n=3の反応器10の近傍に位置する第1の骨組み27および第3の骨組み25にはネジ溝(図示せず)が設けられており、締結部材(ナット)24をねじ込むことにより、第1の骨組み(棒)27および第3の骨組み(棒)25を支持部材20に固定することができる。また、X方向またはY方向に隣り合う支持部材20の間の距離を所定の長さに保持させるために、
図3および
図4に示されるように、X方向またはY方向に隣り合う支持部材20の間にスペーサー29を設けてもよい。これにより、ナット24をねじ込んで支持部材20に固定した場合、X方向またはY方向に隣り合う支持部材20の間の距離が短くなることを防止することができる。
【0043】
図5は、
図3に示される反応装置100に設けられる反応器10および複合部材40を模式的に示す斜視図である。また、
図6は、
図3に示される支柱部材30がX方向およびY方向に配列された状態を模式的に示す斜視図である。
【0044】
図5に示されるように、複合部材40は支持部材20および支柱部材30を含み、支柱部材30は土台21および第2の骨組み23を含む。支持部材20には、第1の骨組み27を貫通させるための穴20y、第3の骨組み25を貫通させるための穴20x、第2の骨組み23を貫通させるための穴20zが設けられている。
【0045】
また、支柱部材30の第2の骨組み23にはネジ溝22が設けられており、また、支持部材20の穴20zには、ネジ溝は設けられていない。また、
図3に示されるように、土台21の上には3個の支持部材20が積み上げられ、上端はナット(図示せず)をねじ込むことで固定できる。
【0046】
すなわち、
図6に示されるように、支柱部材30をX方向およびY方向に3個ずつ配列させ、各支柱部材30の第2の骨組み23を3個の支持部材20の穴20zに通すことにより、
図3に示されるように、Z方向に延びる支持部材20をX方向およびY方向に配列させる。
【0047】
また、
図3に示されるように、支持部材20には、反応器10を繋ぐ紐13を止めるネジ24が設けられている。反応器10、第1の骨組み27、第2の骨組み23、第3の骨組み25、複合部材40(支持部材20および支柱部材30)および紐13の材質は特に限定されないが、反応の際に使用する液が接触しても反応しない材質であることが好ましい。反応器10は例えばステンレス(メッシュ)等の金属、ポリプロピレン等のプラスチックからなり、第1の骨組み27、第2の骨組み23、第3の骨組み25、複合部材40(支持部材20および支柱部材30)および紐13は例えばステンレスからなる。
【0048】
反応器(反応部)10は、図示しない担体を含む。反応器10は、反応液を通過させることができ、かつ担体が通過できない穴を有する。反応器10は
図3に示されるように、紐13を介して各支持部材20に取り付けられている。また、
図5に示されるように、反応器10の上面10aおよび下面10bに網12(例えばステンレス網)が設けられている。網12の網目(穴)は、反応液を通過させることができるが、担体が通過できない大きさを有する。反応器10には、網12の網目を介して反応液を入れたり出したりすることができる。後述するように、反応器10では、担体の表面に反応液が接触することにより、担体の表面で反応が行われる。
【0049】
担体は、反応を行う表面を有するものであれば特に限定されないが、例えば、粒子状、平板状であることができる。また、担体の材質としては、例えば、無機化合物、有機化合物(例えば樹脂等の高分子化合物)、無機/有機複合体が挙げられる。
【0050】
1.2.2.反応方法
次に、
図3の反応装置100を用いた反応方法について、
図7ないし
図12を参照して説明する。
図7は、
図3に示される反応装置100から、Y方向およびZ方向に配列した反応器10を含む連結ユニット50xが取り外された状態を模式的に示す斜視図である。
図8は、
図7に示される連結ユニット50xを用いて反応を行う工程を模式的に示す斜視図である。
図9は、
図3に示される反応装置100から、X方向およびZ方向に配列した反応器10を含む連結ユニット50yが取り外された状態を模式的に示す斜視図である(反応器10および紐13は図示しない。)。
図10は、
図9に示される連結ユニット50yを用いて反応を行う工程を模式的に示す斜視図である。
図11は、
図3に示される反応装置100から、X方向およびY方向に配列した反応器10を含む連結ユニット50zが取り外された状態を模式的に示す斜視図である(反応器10および紐13は図示しない。)。
図12は、
図11に示される連結ユニット50zを用いて反応を行う工程を模式的に示す斜視図である。
【0051】
本実施形態では、3種類のアミノ酸(以下、α、β、γとする。)を用いてトリペプチドを合成する場合について述べる。すなわち、本実施形態で合成されるトリペプチドは下記の27種類であり、具体的には下記の通りである。
α−α−α、α−α−β、α−α−γ、α−β−α、α−β−β、α−β−γ、
α−γ−α、α−γ−β、α−γ−γ、β−α−α、β−α−β、β−α−γ、
β−β−α、β−β−β、β−β−γ、β−γ−α、β−γ−β、β−γ−γ、
γ−α−α、γ−α−β、γ−α−γ、γ−β−α、γ−β−β、γ−β−γ、
γ−γ−α、γ−γ−β、γ−γ−γ
【0052】
まず、連結部材40を安定して設置するための土台21と、土台21から垂直に伸びる棒(第2の骨組み)23とを有する支柱部材30を3×3=9個用意して、
図6のように並べる。
【0053】
次に、支持部材20の穴20z(
図5参照)に、支柱部材30の第2の骨組み23をZ方向に串刺しにして、さらに穴20xに第3の骨組み25を串刺しにし、穴20yに第1の骨組み27を串刺しにして、構造的に安定な複合部材40を組み立てる(
図3参照)。なお、
図4には、複合部材40の各支持部材20において各反応部10が紐13を介して取り付けられる位置を明らかにするために、反応部10と接続する紐13が取り付けられる位置に、反応部10の位置情報[k,m,n](ここで、k、m、nは上記(1)で定義したとおりである。)が記載されている。なお、上記記載は任意であり、支持部材20に直接記載せずに、上記位置情報を記載したタグ(図示せず)を支持部材20に取り付けてもよい。タグの材質は、反応液から影響を受けにくい材質であればよい。反応器10の位置情報が、その反応器10が取り付けられる支持部材20の表面に示されていることにより、所定の反応器10の位置情報に基づいて所定の反応器10で合成される反応生成物を知ることができる。例えば、反応装置100で行われる反応がペプチド合成反応であって、反応生成物がペプチドである場合、あとでそのペプチド配列をペプチドシーケンサーで求めなくても、支持部材20に記載された所定の反応器10の位置情報に基づいて、所定の反応器10で合成されるペプチドの配列を容易に知ることができる。また、反応装置100で行われる反応が核酸や糖鎖の合成反応である場合も同様に、支持部材20に記載された所定の反応器10の位置情報に基づいて、所定の反応器10で合成される反応生成物の配列を容易に知ることができる。
【0054】
まず、
図3に示される反応装置100の支持部材20の穴20x(
図5参照)から第3の骨組み25を抜いて、
図7に示されるように、Y−Z平面に平行である、上記式(1)においてk=3である9個の反応器10を含む連結ユニット50xを取り出す。ここで、
図8に示されるように、上記式(1)においてk=3である9個の反応部10を含む連結ユニット50xを1枚の板のように扱って、
図9に示されるように、連結ユニット50xに含まれる9個の反応器10を、反応漕26中の反応液28に浸すことにより、連結ユニット50xに含まれる9個の反応器10において一括してアミノ酸γの伸長処理を一度に行う。なお、撹拌子37を用いて反応液28を撹拌した状態で反応を行ってもよい。次に、反応器10を洗浄した後、同様の方法にて、上記式(1)においてk=2である9個の反応器10を含む連結ユニット50xを取り出して、アミノ酸βの伸長処理を一度に行う。次いで、反応器10を洗浄した後、同様の方法にて、上記式(1)においてk=1である9個の反応器10を含む連結ユニット50xを取り出して、アミノ酸αの伸長処理を一度に行う。その後に、反応器10を洗浄した後、支持部材20の穴20xに第3の骨組み25を差し込んで
図3で示される状態にもどす。この時点で合成された、上記式(1)で表される各反応器10内に含まれる担体に結合したアミノ酸は、以下の表1に示す通りである。
【0056】
次に、
図3に示される反応装置100の支持部材20の穴20y(
図5参照)から第1の骨組み27を抜いて、
図9に示されるように、X−Z平面に平行である、上記式(1)においてm=1である9個の反応器10の連結ユニット50yを取り出す。ここで、
図10に示されるように、
図8に示される連結ユニット50xと同様の方法にて、上記式(1)においてm=1である9個の反応部10を含む連結ユニット50yを1枚の板のように扱って、連結ユニット50yに含まれる9個の反応器10を、反応漕26中の反応液28に浸すことにより、該9個の反応器10において一括してアミノ酸αの伸長処理を一度に行う。次に、反応器10を洗浄した後、同様の方法にて、上記式(1)においてm=2である9個の反応器10を含む連結ユニット50yを取り出して、アミノ酸βの伸長処理を一度に行う。次いで、反応器10を洗浄した後、同様の方法にて、上記式(1)においてm=3である9個の反応器10を含む連結ユニット50yを取り出して、アミノ酸γの伸長処理を一度に行う。その後に、反応器10を洗浄した後、支持部材20の穴20yに第1の骨組み27を差し込んで
図3で示される状態にもどす。この時点で合成された、上記式(1)で表される各反応器10内に含まれる担体に結合したアミノ酸は、以下の表2に示す通りである。
【0058】
次いで、
図3に示される反応装置100の支持部材20の穴20zから第2の骨組み23を抜いて、
図11に示されるように、X−Y平面に平行である、上記式(1)においてn=3である9個の反応器10の連結ユニット50zを取り出す。ここで、
図12に示されるように、
図8に示される連結ユニット50xと同様の方法で、上記式(1)においてn=3である9個の反応部10を含む連結ユニット50zを1枚の板のように扱うことにより、連結ユニット50zに含まれる9個の反応器10を、反応漕26中の反応液28に浸して、連結ユニット50zに含まれる9個の反応器10において一括してアミノ酸γの伸長処理を一度に行う。次に、反応器10を洗浄した後、同様の方法にて、上記式(1)においてn=2である9個の反応器10を含む連結ユニット50zを取り出して、アミノ酸βの伸長処理を一度に行う。次いで、反応器10を洗浄した後、同様の方法にて、上記式(1)においてn=1である9個の反応器10を含む連結ユニット50zを取り出して、アミノ酸αの伸長処理を一度に行う。その後に、各連結ユニット50zの反応器10を洗浄した後、支持部材20の穴20zに第2の骨組み23を差し込んで
図3で示される状態にもどす。この時点で合成された、上記式(1)で表される各反応器10内に含まれる担体に結合したアミノ酸は、以下の表3に示す通りである。以上により、9工程のペプチド合成工程によって、27種類のトリペプチドを高い信頼性にて簡便でかつ効率的に合成することができる。
【0060】
なお、本実施形態では、3種類のアミノ酸を用いて27種類のトリペプチドを合成する場合を例にとり説明したが、あるいは、例えば、9種類のアミノ酸を用いて27種類のトリペプチドを合成してもよい。すなわち、上記連結ユニット50yを用いた反応においてδ、ε、ζのアミノ酸伸長処理を行い、上記連結ユニット50zを用いた反応においてではη、θ、ιのアミノ酸伸長処理を行っても良い。さらにより多い種類のアミノ酸、例えば、本実施形態において20種類のアミノ酸を用いてトリペプチドを合成する場合、20×20×20個=8,000個の反応器を用意して、20+20+20=60工程のペプチド合成反応によって、8,000個のトリペプチドを安価でかつ効率的に合成することができる(後述する第2実施形態でも同様の作用効果を有する。)。
【0061】
なお、本実施形態に係る反応装置は、化学反応だけでなく、例えば、粒子(ビーズ)の表面に多種類の塗料をコーティングする場合にも適応することができる。すなわち、
図3および
図4に示される反応装置100の反応器10に、反応液の代わりに塗料を入れ、担体として粒子を入れて、
図2のステップS12、S22、およびS32の反応で使用する塗料の種類を変えることにより、各種の塗料がコーティングした多種類の粒子を簡便にかつ効率的に製造することができる。
【0062】
1.2.3.作用効果
1.2.3−1.既存の技術
コンビナトリアル合成によってペプチドを合成する場合、例えば、使用するすべてのアミノ酸を用いて網羅的にペプチドを合成する場合、20種類のアミノ酸が固定化された20種類の担体(粒子)を混和したものを20等分にしたうえで、それぞれについて、20種類のアミノ酸をそれぞれ1残基伸ばし、さらにそれらを20等分し、20種類のアミノ酸を1残基伸ばすという方法が採用されている(スプリット合成法)。
【0063】
この場合、例えば、トリペプチドを合成するには、20×20×20=8,000種類のトリペプチドが固定化された担体(粒子)の混合物を得ることができるが、該混合物中には8,000種類もの粒子が混在している。したがって、この粒子の混合物中から、所望の配列を有する特定の粒子を選別するためには、該粒子の混合物から所定の性質を有する粒子を選別したうえで、ペプチドシークエンサーを用いることにより、粒子のペプチド配列を求める必要がある。
【0064】
さらにスプリット合成法では、所定の性質を有する粒子を同定した後で、そのトリペプチドを改めて合成して、その性質を確認する必要がある。
【0065】
一方、コンビナトリアル合成には、パラレル合成法という手法もある。パラレル合成法は、通常、数個の反応漕中で反応を同時に別々に行う方法で、個々の反応槽で通常の有機合成が行われる。この方法では、必要な種類の化合物を得るためには、必要な種類の数の反応漕を用意しなければならない。パラレル合成法では、スプリット法と同様に多種類の化合物を合成することができるが、一度に反応を行うことができる反応漕の数に限りがあり、また、反応漕ごとに脱保護、縮合、洗浄などの有機化学合成の手法を適応する必要がある。さらに、パラレル合成法は単一の化合物からなるライブラリーであるため、アッセイや構造確認などの取扱いがスプリット合成法よりも容易であるが、スプリット合成法に比べて、同時に作られる化合物数が限られるという欠点を有する。
【0066】
1.2.3−2.本実施形態に係る反応方法および反応装置の作用効果
これに対して、本実施形態に係る反応方法および反応装置によれば、上記式(1)においてk=1である反応部において1番目の反応A
1を行う工程、…および上記式(1)においてk=Kである反応部においてK番目の反応A
Kを行う工程と、上記式(1)においてm=1である反応部において1番目の反応B
1を行う工程、…および上記式(1)においてm=Mである反応部においてM番目の反応B
Mを行う工程と、上記式(1)においてn=1である反応部において1番目の反応C
1を行う工程、…および上記式(1)においてn=Nである反応部においてN番目の反応C
Nを行う工程と、を含むことにより、既存の方法とおよび装置と比較して極めて簡便でかつ効率的に多種類の反応生成物を得ることができ、低コストにて信頼性に優れた反応を行うことができる。
【0067】
すなわち、本実施形態に係る反応方法は、反応A
1〜A
Kが、Y−Z平面に平行な面に配列させることができる反応部で行われ、反応B
1〜B
Mが、X−Z平面に平行な面に配列させることができる反応部で行われ、反応C
1〜C
Nが、X−Y平面に平行な面に配列させることができる反応部で行われることにより、Y−Z平面に平行な面、X−Z平面に平行な面、およびY−Z平面に平行な面にそれぞれ配列することができる反応部を各面ごとに一体化して反応させるという、全く新規な概念に基づく反応方法である。本実施形態に係る反応方法によれば、Y−Z平面に平行な面、X−Z平面に平行な面、およびY−Z平面に平行な面ごとに、該当する反応部を取り出して反応を行うことにより、反応部の位置を入れ替えることなく各反応を行うことができるため、手間が少なく、複数の反応を簡便に行うことができる。
【0068】
例えば、使用する基質がn種類であって、かつK=M=N=nの場合、K+M+N(=3n)個の反応工程のみでn
3種類の反応生成物を得ることができるため、極めて簡便かつ効率的に反応を行うことができる。さらに、本実施形態に係る反応方法および反応装置によれば、すでに配列が既知の全てのペプチドが、十分量合成されているので、スプリット合成法で通常行われているようなペプチドの性質を確認する作業の必要がない。
【0069】
2.第2実施形態
次に、本発明の第2の実施形態に係る反応装置200について説明する。本実施形態に係る反応装置200は、上記第1実施形態に係る反応装置100と同様に、上記第1実施形態に係る反応方法の実施に用いることができる。
【0070】
2.1.構成
図13は、本発明の第2の実施形態に係る反応装置200を模式的に示す斜視図である。
図14は、
図13に示される反応装置200から第1の骨組み127および第2の骨組み123を取り除いた状態を示す斜視図である。
【0071】
本実施形態に係る反応装置200は、
図13に示されるように、反応部110と、第2の骨組み123と、第1の骨組み127と、第3の骨組み125とを有する。反応部110は、X方向にK個、X方向と交差するY方向にM個、およびX方向およびY方向と交差するZ方向にN個の計K×M×N個(ここで、K、M、およびNは独立して2以上の整数である。)配列させることができる。なお、
図13では、K,M,Nの数が同じである場合(K=M=N=3の場合)を示している。
【0072】
第1の骨組み127は、Y方向に平行に配置され、かつ、X方向およびZ方向に配列する。第2の骨組み123は、Z方向に平行に配置され、かつ、X方向およびY方向に配列する。第3の骨組み125は、X方向に平行に配置され、かつ、Y方向およびZ方向に配列する。
【0073】
図13および
図14に示されるように、X方向に隣り合う反応部110は、同一の第3の骨組み125によって保持され、Y方向に隣り合う反応部110は、同一の第1の骨組み127によって保持され、Z方向に隣り合う反応部110は、同一の第2の骨組み123によって保持される。
【0074】
次に、本実施形態に係る反応装置200に含まれる反応器(反応部)110について説明する。
図15は、
図13に示される反応装置200に設けられる反応器110を模式的に示す斜視図である。
図16は、
図15に示される反応器110内に含まれる袋131(反応漕)を模式的に示す斜視図である。
【0075】
反応器110は反応液を通過させることができ、かつ担体124が通過できない穴を有する。より具体的には、
図15および
図16に示されるように、反応器110は、六面体(立方体)の各面に窓121を有し、その内部に空間122を有する。空間122には、担体124を充填した網目状の袋131が配置されている。この袋131の網目(穴)は、反応液が通過することができるが、担体124が通過することができない大きさを有する。後述するように、反応器110では、担体124の表面が反応液に接触することにより、担体124の表面で反応が行われる。
【0076】
また、
図15に示されるように、反応器110には、第1の骨組み127、第2の骨組み123、および第3の骨組み125が貫通する穴120x,120y,120zが設けられている。
【0077】
また、
図15に示される反応器110のかわりに、例えば、
図17に示される反応器210を用いることもできる。
図17は、
図13に示される反応装置200に設けられる反応器の別の一例(反応器210)を模式的に示す斜視図である。反応器210は、
図15に示される反応器110において、袋131を網112に置き換えたものである。すなわち、
図17に示されるように、反応器210では、立方体の各面に設けられる窓121に網112が設けられており、内部に担体124が含まれている。この網112の網目(穴)は、反応液が通過することができるが、担体124が通過することができない大きさを有する。これにより、反応液は網112を介して反応器210を出入りできるが、担体124は網112から外に出ることができない。
【0078】
あるいは、
図15に示される反応器110のかわりに、例えば、
図18に示される反応器310を用いることもできる。
図18は、
図13に示される反応装置200に設けられる反応器の他の一例(反応器310)を模式的に示す斜視図である。反応器310は、
図15に示される反応器110において、袋131を反応槽125に置き換えたものである。すなわち、
図18に示されるように、反応器310の内部には、反応槽125が設けられており、この反応槽125の中に担体124(図示しない)が含まれる。反応液は、反応器310の窓121から出入りすることができる。
【0079】
2.2.反応方法
次に、
図13の反応装置200を用いた反応方法について、
図19ないし
図22を参照して説明する。
図19は、
図13に示される反応装置200から、Y方向およびZ方向に配列した反応器110を含む連結ユニット150xが取り外された状態を模式的に示す斜視図である。
図20は、
図19に示される連結ユニット150xを用いて反応を行う工程を模式的に示す斜視図である(
図20において、反応器110の位置情報の記載は省略する。)。
図21は、
図13に示される反応装置200から、X方向およびZ方向に配列した反応器110を含む連結ユニット150yが取り外された状態を模式的に示す斜視図である。
図22は、
図13に示される反応装置200から、X方向およびY方向に配列した反応器110を含む連結ユニット150zが取り外された状態を模式的に示す斜視図である。
【0080】
本実施形態では、上記第1実施形態に係る反応方法と同様に、3種類のアミノ酸(α、β、γ)を用いて27種類のトリペプチドを合成する場合について述べる。本実施形態に係る反応方法は、上記第1実施形態に係る反応方法と基本的に同様である。
【0081】
すなわち、本実施形態に係る反応方法は、K×M×N個の反応部(反応器110)において反応を行う方法であって、K×M×N個の反応部1は、X方向にK個、X方向と交差するY方向にM個、およびX方向およびY方向と交差するZ方向にN個配列させることができ、X方向においてk番目に位置し、Y方向においてm番目に位置し、かつZ方向においてn番目に位置する反応部(反応器110)が下記式(1)で表され、
[k,m,n] ・・・・・(1)
(式中、kは1〜Kの整数を表し、mは1〜Mの整数を表し、nは1〜Nの整数を表す。)
上記式(1)においてk=1である反応部(反応器110)において1番目の反応A
1を行う工程、…および下記式(1)においてk=Kである反応部(反応器110)においてK番目の反応A
Kを行う工程と、上記式(1)においてm=1である反応部(反応器110)において1番目の反応B
1を行う工程、…および上記式(1)においてm=Mである反応部1においてM番目の反応B
Mを行う工程と、上記式(1)においてn=1である反応部(反応器110)において1番目の反応C
1を行う工程、…および上記式(1)においてn=Nである反応部1においてN番目の反応C
Nを行う工程と、を含む。
【0082】
本実施形態に係る反応方法では、反応A
1〜A
Kは、Y−Z平面に平行な面に配列する反応部(反応器110)で行われ、反応B
1〜B
Mは、X−Z平面に平行な面に配列する反応部(反応器110)で行われ、反応C
1〜C
Nは、X−Y平面に平行な面に配列する反応部(反応器110)で行われることができる。
【0083】
なお、
図19、
図21および
図22に示されるように、反応器110の表面には、反応部110の位置情報[k,m,n](ここで、k、m、nは上記(1)で定義したとおりである。)が記載されている。なお、上記記載は任意であり、反応器110に直接記載せずに、上記位置情報を記載したタグ(図示せず)を取り付けてもよい。タグの材質は、反応液から影響を受けにくい材質であればよい。反応器110の位置情報が反応器110の表面に示されていることにより、所定の反応器110の位置情報に基づいて所定の反応器110で合成される反応生成物を知ることができる。これにより、後で反応生成物の配列を調べなくても、所定の反応器110の位置情報に基づいて所定の反応器110で合成される反応生成物の配列を容易に知ることができる。
【0084】
まず、
図13に示される反応装置200の反応器110の穴120x(
図15参照)から第3の骨組み125を抜いて、
図19に示されるように、Y−Z平面に平行である、上記式(1)においてk=1である9個の反応器110を含む連結ユニット150xを取り出す。ここで、
図19に示されるように、Y方向に隣り合う第2の骨組み123に接し、Y方向に平行に延びる連結部材142で第2の骨組み123を固定することにより、上記式(1)においてk=1である9個の反応部110を含む連結ユニット150xを1枚の板のように扱って、連結ユニット150xに含まれる9個の反応器110を、反応漕126中の反応液128に浸すことにより、連結ユニット150xに含まれる9個の反応器110において一括してアミノ酸αの伸長処理を一度に行う。次に、反応器110を洗浄した後、同様の方法にて、上記式(1)においてk=2である9個の反応器110を含む連結ユニット150xを取り出して、アミノ酸βの伸長処理を一度に行う。次いで、反応器110を洗浄した後、同様の方法にて、上記式(1)においてk=3である9個の反応器110を含む連結ユニット150xを取り出して、アミノ酸γの伸長処理を一度に行う。その後に、反応器110を洗浄した後、反応器110の穴120xに第3の骨組み125を差し込んで
図13で示される状態にもどす。この時点で合成された、上記式(1)で表される各反応器110内に含まれる担体に結合したアミノ酸は、上記実施形態中の上記表1に示す通りである。
【0085】
次に、
図13に示される反応装置200の反応器110の穴120y(
図15参照)から第1の骨組み127を抜いて、
図21に示されるように、X−Z平面に平行である、上記式(1)においてm=1である9個の反応器110を取り出す。ここで、
図21に示されるように、X方向に隣り合う第2の骨組み123に接し、X方向に平行に延びる連結部材142で第2の骨組み123を固定することにより、上記式(1)においてm=1である9個の反応部110を含む連結ユニット150yを1枚の板のように扱って、
図19に示される連結ユニット150xと同様の方法にて、連結ユニット150yに含まれる9個の反応器110を、反応漕126中の反応液128に浸すことにより、該9個の反応器110において一括してアミノ酸αの伸長処理を一度に行う。次に、反応器110を洗浄した後、同様の方法にて、上記式(1)においてm=2である9個の反応器110を含む連結ユニット150yを取り出して、アミノ酸βの伸長処理を一度に行う。次いで、反応器110を洗浄した後、同様の方法にて、上記式(1)においてm=3である9個の反応器110を含む連結ユニット150yを取り出して、アミノ酸γの伸長処理を一度に行う。その後に、反応器110を洗浄した後、反応器110の穴120yに第1の骨組み127を差し込んで
図13で示される状態にもどす。この時点で合成された、上記式(1)で表される各反応器110内に含まれる担体に結合したアミノ酸は、上記実施形態中の上記表2に示す通りである。
【0086】
次いで、
図13に示される反応装置200の反応器110の穴120zから第2の骨組み123を抜いて、
図22に示されるように、X−Y平面に平行である、上記式(1)においてn=1である9個の反応器110を取り出す。ここで、
図22に示されるように、Y方向に隣り合う第3の骨組み125に接し、Y方向に平行に延びる連結部材142で第3の骨組み125を固定することにより、上記式(1)においてn=1である9個の反応部110を含む連結ユニット150zを1枚の板のように扱うことにより、
図19に示される連結ユニット150xと同様の方法で、連結ユニット150zに含まれる9個の反応器110を、反応漕126中の反応液128に浸して、連結ユニット150zに含まれる9個の反応器110において一括してアミノ酸αの伸長処理を一度に行う。次に、反応器110を洗浄した後、同様の方法にて、上記式(1)においてn=2である9個の反応器110を含む連結ユニット150zを取り出して、アミノ酸βの伸長処理を一度に行う。次いで、反応器110を洗浄した後、同様の方法にて、上記式(1)においてn=3である9個の反応器110を含む連結ユニット150zを取り出して、アミノ酸γの伸長処理を一度に行う。その後に、各連結ユニット150zの反応器110を洗浄した後、反応器110の穴120zに第2の骨組み123を差し込んで
図13で示される状態にもどす。この時点で合成された、上記式(1)で表される各反応器110内に含まれる担体に結合したアミノ酸は、上記実施形態中の上記表3に示す通りである。以上により、9工程のペプチド合成工程によって27種類のトリペプチドを高い信頼性にて簡便でかつ効率的に合成することができる。
【0087】
2.3.作用効果
本実施形態に係る反応方法および反応装置は、上記第1実施形態に係る反応方法および反応装置と同様の作用効果を有する。すなわち、本実施形態に係る反応方法および反応装置によれば、既存の方法および装置と比較して極めて簡便でかつ効率的に反応を行うことができる。これにより、低コストにて信頼性に優れた反応を行うことができ、簡便かつ効率的に多種類の反応生成物を得ることができる。
【0088】
3.第3実施形態
3.1.反応方法
図23は、本発明の第3の実施形態に係る反応方法を説明するフローチャートである。
【0089】
本実施形態に係る反応方法は、K×M個(ここで、KおよびMは独立して2以上の整数である。)の反応部において反応を行う方法であって、
K×M個の前記反応部は、X方向にK個、および該X方向と交差するY方向にM個配列させることができ、X方向においてk番目に位置し、かつY方向においてm番目に位置する反応部が下記式(2)で表され、
[k,m] ・・・・・(2)
(式中、kは1〜Kの整数を表し、mは1〜Mの整数を表す。)
上記式(2)においてk=1である反応部においてX方向に1番目の反応A
1を行う工程、…および上記式(2)においてk=Kである反応部においてX方向にK番目の反応A
Kを行う工程と、
上記式(2)においてm=1である反応部においてY方向に1番目の反応B
1を行う工程、…および上記式(2)においてm=Mである反応部においてY方向にM番目の反応B
Mを行う工程と、
を含む。
【0090】
本実施形態に係る反応方法は、ステップS300を行わない以外は、上記第1実施形態に係る反応方法と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0091】
また、本実施形態に係る反応方法は、上記第1実施形態および第2実施形態に係る反応装置と同様に、ペプチド合成反応、核酸合成反応、または糖鎖合成反応のいずれかであってもよく、なかでも、本発明の効果によってより大きな便益を享受できる点で、ペプチド合成反応であることが好ましい。
【0092】
3.2.反応装置
本実施形態に係る反応方法は、上記第1実施形態に係る反応装置100または上記第2実施形態に係る反応装置200を用いて行うことができる。例えば、上記第1実施形態に係る反応装置100または上記第2実施形態に係る反応装置200において、Z方向に1つのみ反応器が配置された反応装置(N=1)を用いて反応を行うことができる。
【0093】
3.3.作用効果
本実施形態に係る反応方法および反応装置は、上記第1実施形態および上記第2実施形態に係る反応方法および反応装置と同様の作用効果を有する。すなわち、本実施形態に係る反応方法および反応装置によれば、既存の方法および装置と比較して極めて簡便でかつ効率的に反応を行うことができる。これにより、低コストにて信頼性に優れた反応を行うことができ、簡便かつ効率的に多種類の反応生成物を得ることができる。
【0094】
より具体的には、本実施形態に係る反応方法によれば、K×M個の反応部を用いて、K+M工程の反応工程のみで、K×M種類の反応生成物を得ることができるため、高い信頼性にて、簡便、低コストでかつ効率的に反応を行うことができる。
【0095】
4.実施例
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されない。
【0096】
本実施例では、上記第1実施形態に係る反応装置100を用いてペプチド合成反応を行い、トリペプチドを合成した。なお、本実施例では、2×2×2=8個の反応器10を用いて実験を行った。各反応器10は、上記式(1)において[1,1,1]、[1,1,2]、[1,2,1]、[1,2,2]、[2,1,1]、[2,1,2]、[2,2,1]、[2,2,2]でそれぞれ表される。すなわち、本実施例では、X方向に2個、Y方向に2個、Z方向に2個の計8個の反応器10を含む反応装置100を用いた。
【0097】
また、本実施例では、合成されるトリペプチドの純度および回収率を厳密に測定するために、6種類のアミノ酸(チロシン(Tyr=Y)、フェニルアラニン(Phe=F)、アラニン(Ala=A)、リシン(Lys=K)、ロイシン(Leu=L)、アルギニン(Arg=R))を用いて反応を行った。
【0098】
まず、4個の土台21の第2の骨組み23にそれぞれ、支持部材20を2個ずつ串刺しにして複合部材40を作成した(
図5参照)。ポリプロピレン製のチューブの上面および下面にそれぞれステンレス網を張り付けて反応器10を作成した。また、8個の複合部材40(支持部材20)と8個の反応器10とをそれぞれステンレス線13で結んだ。
【0099】
次に、Fmoc-グリシン(Gly=G)が結合した樹脂(担体)(Fmoc-Gly-Alko Resin; 渡辺化学社製, 0.71mmol/g,100−200メッシュ, 1%DVB, 30mg, 21.3μmol、以下「Fmoc-Gly-樹脂」という)を8個の反応器10の中に入れて、固相法によってペプチド合成を行った。なお、このGlyは、合成されるトリペプチドの反応効率を算出するための基準値を得るために用いる。Fmoc-Gly-樹脂を入れた反応器10をDMFで5回洗浄した。
【0100】
次いで、脱Fmoc反応(Fmoc基を20%ピペリジン/DMF溶液で5分間2回処理することにより除去した。)を行った後、さらにDMFで5回洗浄して、担体を調製した(0)。
【0101】
[第1番目のアミノ酸伸長反応]
続いて、第1番目のアミノ酸伸長のためのカップリング反応を行った。第1番目のアミノ酸伸長には、Fmoc-PheまたはFmoc-Tyr(tert-Bu)を使用した(
図2のステップS100)。
【0102】
まず、上記式(1)においてk=1である4個の反応器10において1番目の反応A
1を行った(
図2のステップS10〜S12)。より具体的には、Fmocアミノ酸(Fmoc-Phe)(10mmol)をペプチドカップリング剤[6-Cl-HOBt, HCTU(各10mmol)]を含むDMF(100mL)に溶解させてから、DIEA(3.48mL,20mmol)を加え、1分後に、上記式(1)においてk=1である4個の反応器10(上記式(1)において[1,1,1]、[1,2,1]、[1,1,2]、[1,2,2]でそれぞれ表される反応器10)に上記(0)で得られた担体を投入し、30分間攪拌することで、k=1である4個の反応器10中でFmoc-Phe-Gly-樹脂を合成した(1−1)。
【0103】
次に、上記式(1)においてk=2である4個の反応器10(上記式(1)において[2,1,1]、[2,1,2]、[2,2,1]、[2,2,2]でそれぞれ表される反応器10)において2番目の反応A
2を行った(
図2のステップS13、S14、S11、S12)。Fmocアミノ酸としてFmoc-Tyr(tert-Bu)を使用した以外は上記1番目の反応A
1と同様の方法にて、k=2である4個の反応器10中でFmoc-Tyr(tert-Bu)-Gly-樹脂を合成した(1−2)。
【0104】
さらに、上記(1−1)および(1−2)でそれぞれ得られた樹脂をDMFで3回洗浄し、次いで、Fmoc基を脱保護して、Phe-Gly-樹脂およびTyr(tert-Bu)-Gly-樹脂を得た(1−3)。
【0105】
すなわち、8個の反応器10にそれぞれ含まれる、第1番目のアミノ酸伸長反応によって得られた樹脂はそれぞれ下記表4に示す通りである。
【表4】
【0106】
[第2番目のアミノ酸伸長反応]
次に、第2番目のアミノ酸伸長のためのカップリング反応を行った。第2番目のアミノ酸伸長には、Fmoc-AlaまたはFmoc-Leuを使用した(
図2のステップS200)。
【0107】
まず、上記式(1)においてm=1である4個の反応器10(上記式(1)にて[1,1,1]、[1,1,2]、[2,1,1]、[2,1,2]でそれぞれ表される反応器10)において1番目の反応B
1を行った(
図2のステップS20〜S22)。Fmocアミノ酸としてFmoc-Alaを使用した以外は上記1番目の反応A
1と同様の方法にて、m=1である4個の反応器10中でFmoc-Alaを伸長する反応を行った(2−1)。
【0108】
次に、上記式(1)においてm=2である4個の反応器10(上記式(1)にて[1,2,1]、[1,2,2]、[2,2,1]、[2,2,2]でそれぞれ表される反応器10)において2番目の反応B
2を行った(
図2のステップS23、S24、S21、S22)。Fmocアミノ酸としてFmoc-Leuを使用した以外は上記1番目の反応A
1と同様の方法にて、m=2である4個の反応器10中でFmoc-Leuを伸長する反応を行った(2−2)。
【0109】
さらに、上記(2−1)および(2−2)でそれぞれ得られた樹脂をDMFで3回洗浄し、次いで、Fmoc基を脱保護した(2−3)。
【0110】
すなわち、8個の反応器10にそれぞれ含まれる、第2番目のアミノ酸伸長反応によって得られた樹脂はそれぞれ下記表5に示す通りである。
【表5】
【0111】
[第3番目のアミノ酸伸長反応]
次いで、第3番目のアミノ酸伸長のためのカップリング反応を行った。第3番目のアミノ酸伸長には、Fmoc-Arg(Pbf)またはFmoc-Lys(Boc)を使用した(
図2のステップS300)。
【0112】
まず、上記式(1)においてn=1である4個の反応器10(上記式(1)にて[1,1,1]、[1,2,1]、[2,1,1]、[2,2,1]でそれぞれ表される反応器10)において1番目の反応C
1を行った(
図2のステップS30〜S32)。Fmocアミノ酸としてFmoc-Arg(Pbf)を使用した以外は上記1番目の反応A
1と同様の方法にて、n=1である4個の反応器10中でFmoc-Arg(Pbf)を伸長する反応を行った(3−1)。
【0113】
次に、上記式(1)においてn=2である4個の反応器10(上記式(1)にて[1,1,2]、[1,2,2]、[2,1,2]、[2,2,2]でそれぞれ表される反応器10)において2番目の反応C
2を行った(
図2のステップS33、S34、S31、S32)。Fmocアミノ酸としてFmoc-Lys(Boc)を使用した以外は上記1番目の反応A
1と同様の方法にて、n=2である4個の反応器10中でFmoc-Lys(Boc)を伸長する反応を行った(3−2)。
【0114】
さらに、上記(3−1)および(3−2)でそれぞれ得られた樹脂をDMFで3回洗浄し、次いで、Fmoc基を脱保護した(3−3)。
【0115】
すなわち、8個の反応器10にそれぞれ含まれる、第2番目のアミノ酸伸長反応によって得られた樹脂はそれぞれ下記表6に示す通りである。
【表6】
【0116】
さらに、上記(3−3)で得られた表6に示される樹脂をDCMで洗浄した後、TFA:TIS:H
2Oを用いて、得られたトリペプチドを別々に各樹脂から切り出し、アミノ酸分析およびESI MSによって、反応生成物(トリペプチド)の純度および収率を確認した。その結果、下記表7に示されるように、所望のアミノ酸配列を有するトリペプチドを高い収率で合成できたことが確認できた。
【0118】
なお、本実施例で使用される略語は以下の通りである。
Fmoc; 9-フルオレニルメチルオキシカルボニル
Alko; p-メトキシベンジルアルコール
tert-Bu; tert-ブチル
6-Cl-HOBt; 6-クロロ-1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HCTU; 1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-5-クロロ-1H-ベンゾトリアゾリウム-3-オキシドヘキサフルオロフォスフェート
Pbf; N-2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル
Boc; tert-ブトキシカルボニル
TFA; トリフルオロ酢酸
TIS; トリイソプロピルシラン