(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記PDCP層上に確立される前記ATB構成要素は、ATB PDCPプロトコル層構成要素であり、前記RLC層上に確立される前記ATB構成要素は、ATB RLCプロトコル層構成要素であり、前記MAC層上に確立される前記ATB構成要素は、ATB MACプロトコル層構成要素である、請求項2に記載のユーザデバイス。
前記ユーザデバイスは、前記優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションが優先順位付きデータ転送特権を受け取ることを示す情報とともに無線通信を通じてセットアップされる、請求項1に記載のユーザデバイス。
前記データ優先順位付けサブシステムはさらに、前記優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションに起因する任意のデータパケットを、前記ユーザデバイス上のアプリケーションからデータパケットを受け取る前記プロトコル層のサブセットのプロトコル層の前記ATB構成要素にマップするように構成される、請求項1に記載のユーザデバイス。
前記優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションに起因する任意のデータパケットをマップすることはさらに、前記アプリケーションおよび前記ATB構成要素の、ソースインターネットプロトコル(IP)アドレス情報およびポート番号情報、または宛先IPアドレス情報およびポート番号情報のうちの少なくとも1つで、前記ネットワークインターフェースデバイスのIPプロトコル層を更新するように構成される、前記データ優先順位付けサブシステムを備える、請求項5に記載のユーザデバイス。
前記プロトコル層は、無線通信のための、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)プロトコル標準、汎用モバイル通信システム(UMTS)プロトコル標準、3GPPロングタームエバリュエーション(LTE)プロトコル標準、符号分割多重アクセス(CDMA)プロトコル標準、またはワールドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMax)プロトコル標準のうちの少なくとも1つに従う、請求項1に記載のユーザデバイス。
前記優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションが起動していることを検出することはさらに、前記アプリケーションが前記優先順位付きデータ転送のためのデータベースにおいてマークされているかどうかを判定するために、前記アプリケーションの識別情報を有する前記ユーザデバイス上のデータストアを参照することを含む、請求項8に記載の方法。
前記優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションが優先順位付きデータ転送特権を受け取ることを示すために、無線通信を通じて前記ユーザデバイスにセットアップすることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
前記優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションが起動していることを検出することはさらに、前記アプリケーションが優先順位付きデータ転送処理を受けるという指示を、前記アプリケーションから受け取ることを含む、請求項8に記載の方法。
前記アプリケーション、および前記ユーザデバイス上のアプリケーションからデータパケットを受け取る前記プロトコル層に位置する前記ATB構成要素の、ソースインターネットプロトコル(IP)アドレス情報およびポート番号情報、または宛先IPアドレス情報およびポート番号情報のうちの少なくとも1つでマップする、IPプロトコル層を更新することによって、前記優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションと、前記ユーザデバイス上のアプリケーションからデータパケットを受け取る前記プロトコル層に位置する前記ATB構成要素との間にマッピングを生成することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
無線ユーザデバイスにおいて伝送のためのアプリケーションデータに優先順位を付けるための方法および装置が開示される。ユーザデバイスは、任意のモバイルまたはコンテンツレンダリングデバイスであり得る。そのようなユーザデバイスの例としては、電子ブックリーダー、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯型メディアプレーヤー、タブレットコンピュータ、ネットブック等が挙げられる。ユーザデバイスは、サーバからコンテンツを取得するために、または他のアクティビティを行うために、ネットワークに接続し得る。
【0009】
一実施形態では、ネットワークからの関与を伴わずに、無線ユーザデバイス内のアプリケーションデータパケットを内部的に優先させるための機構が開示される。具体的には、本発明の実施形態は、データパケットがユーザデバイスのネットワークインターフェースのプロトコル層を通過するときに、あるアプリケーションからのデータパケットを、他のアプリケーションからのデータパケットよりも優先させる。説明を容易にするために、この概念の実施形態の以下の説明は、4G(LTE)の技術に関連して論じられる。しかしながら、当業者は、本発明の実施形態が、この実現例に限定されないこと、およびいくつかの例を挙げるとGSM、UMTS、またはWiMax等の他の無線技術で実現されるように拡張できることを認識するであろう。
【0010】
本発明の実施形態は、ユーザデバイスの異なるプロトコル層にわたって、本明細書ではアプリケーショントランスポートベアラ(ATB)と称される、新しい高優先度のベアラチャネルを作成し、設定する。いくつかの実施形態において、プロトコル層は、PDCP層、RLC層、およびMAC層を含み得る。次いで、この高優先度ATBにマップされるアプリケーションパケットは、各プロトコル層において、データパケットのQCI評価に関わらず、ユーザデバイス上のネットワークによって確立される既存のDRB(複数可)にマップされる他のパケットよりも優先される。いくつかの実施形態において、ATBデータパケットの優先順位付けは、各層でキューの中へ前方に割り込むこと、および/または各層でこれらのパケットに対するスケジューリングを優先させること等の手法を使用することによって達成される。
【0011】
図1は、本発明の実施形態が動作し得る、例示的なネットワークアーキテクチャ100のブロック図である。ネットワークアーキテクチャ100は、サーバ104と、ネットワーク106(例えば、オペレータネットワーク、インターネット等のパブリックネットワーク、またはローカルエリアネットワーク(LAN)等のプライベートネットワーク)を介してサーバ104に連結される、複数のユーザデバイス102とを含み得る。
【0012】
ユーザデバイス102は、音声通信および/または1つ以上のタイプの媒体アイテムの消費を可能にするように、異なる機能で様々に構成される。媒体アイテムは、例えば、電子テキスト(例えば、eブック、電子雑誌、デジタル新聞)、デジタルオーディオ(例えば、音楽、可聴ブック)、デジタルビデオ(例えば、映画、テレビ、ショートクリップ)、画像(例えば、芸術、写真)、マルチメディアコンテンツ、およびソフトウェアアップデートを含む、任意のタイプまたは形式のデジタルコンテンツであり得る。ユーザデバイス102としては、電子ブックリーダー、携帯情報端末、モバイル電話、ラップトップコンピュータ、携帯型メディアプレーヤー、タブレットコンピュータ、カメラ、ビデオカメラ、ネットブック、ノートブック、デスクトップコンピュータ、ゲーミングコンソール、DVDプレーヤー、メディアセンター等の、任意のタイプのコンピューティングデバイスが挙げられ得る。
【0013】
サーバ104は、ネットワークオペレータ(サービスプロバイダ)サーバ、ネットワークに基づくサーバ(クラウドサーバと称される)、コンテンツプロバイダサーバ、アクセスポイントプロバイダサーバ、またはネットワーク106を介して種々のサービスをユーザデバイス102に提供する任意の他のサーバであり得る。いくつかの実施形態において、サーバ104は、eNodeB構成要素または進化型パケットコア(EPC)等の、ネットワークオペレータのネットワークインフラ内のサービスまたは構成要素を指し得る。一実施形態において、サーバ104は、ネットワーク106を介して、アイテムをダウンロードし、アップグレードし、および/または他の情報をユーザデバイス102に提供する。サーバ104はまた、ネットワーク106を介して、ユーザデバイス102から種々の要求、命令、および他のデータも受け取る。サーバ104は、上記の機能を提供する処理能力および記憶能力を有する、1つ以上の機械(例えば、1つ以上のサーバコンピュータシステム、ルータ、ゲートウェイ)を含み得る。
【0014】
サーバ104とユーザデバイス102との間の通信は、任意の通信インフラを介して可能にされ得る。そのようなインフラの1つの例としては、ワイドエリアネットワーク(WAN)またはVPNと無線インフラとの組み合わせが挙げられ、ユーザが、有線リンクを介してサーバ104に繋ぐことなく、アイテムを購入し、アイテムを消費するために、ユーザデバイス102を使用することを可能にする。無線インフラは、種々のデータ処理装置、通信タワー等を使用して実現することができる、ネットワークオペレータ(サービスプロバイダ)システムによって提供され得る。代替として、または加えて、ネットワークオペレータシステムは、情報をユーザデバイス102と交換するために、衛星技術に依存し得る。さらに代替として、または組み合わせて、無線インフラは、アクセスポイント(例えば、WiFiアクセスポイント)プロバイダシステムによって提供され得る。
【0015】
通信インフラはまた、サーバ104と無線ネットワークオペレータとの間で情報を受け渡す際の中間物として機能する、通信を可能にするシステムも含み得る。通信を可能にするシステムは、専用のチャネルを介して、無線ネットワークオペレータと通信し得、また、非専用の通信機構、例えばインターネット等のパブリックネットワークを介して、サーバ104と通信し得る。
【0016】
サーバ104は、ユーザデバイス102の全てによるネットワークオペレータシステムの集約的使用に基づいて、ネットワークオペレータに料金を支払い得る。サーバ104は、エンドユーザによって行われる他の購入(例えば、デジタルコンテンツの購入)とは別に、またはその一部としてエンドユーザに課金される料金を通して、これらのコストを取り戻し得る。あるいは、ネットワークオペレータは、請求を個人ユーザに直接提出し得、または個々のそれぞれのユーザの随意選択で、請求を、サーバ104(集約的に)または個人ユーザに提出し得る。
【0017】
ユーザデバイス102をサーバ104の無線ネットワークに参加させる手順の一部として、ユーザデバイス102は、サーバ104によってインターネットプロトコル(IP)アドレスが割り当てられ、サーバ104によってユーザデバイス102上に構成される少なくとも1つのベアラを有する。ベアラは、定義済みのサービスの質(QoS)を有するIPパケットの経路選択を行う構成要素である。一実施形態において、第1の確立したベアラは、ユーザデバイス102にそのデータネットワークへの常時接続を提供するために、ユーザデバイス102のデータネットワーク接続の有効期間の全体を通して確立した状態を維持する、デフォルトのベアラである。専用ベアラと呼ばれる追加のベアラを、デフォルトベアラの確立中または確立の完了後の任意のときに確立することもできる。これらの専用のベアラは、ネットワークサーバ104に通信可能に連結されるオペレータネットワーク要素(図示せず)によって、ユーザデバイス102上に構成され、確立される。
【0018】
ユーザデバイス102上の各ベアラは、品質管理指標(QCI)、保証ビットレート(GBR)、および最高ビットレート(MBR)等の、関連付けられるQoSパラメータを有する。ベンダーが全て、下層のサービス特性の同じ解釈を有し得るように、およびネットワークオペレータ(例えば、サーバ104)が、装置の製造業者に関係なく、ネットワークを通して一様なトラフィック処理挙動を予期することができるように標準化された、限定された数のQCIがある。各QCIは、優先順位、パケット遅延バジェット、および許容可能なパケット損失率によって特徴付けられる。その結果、同じベアラにマップされる任意のパケットは全て、同じスケジューリングポリシー、キュー管理ポリシー、レートシェーピングポリシー、およびRLC構成等の、同じベアラレベルのパケット転送処理を受ける。
【0019】
現在では、ネットワークを通じて進行するデータのタイプに基づいて、かつデータの送信元アプリケーションには基づかずに、現在の規格だけが、異なるQoSパラメータを提供する。このように、様々なユーザアプリケーションからの全てのウェブに基づくデータパケットは、全般的に、ユーザデバイス上の同じベアラを通して経路選択が行われ、同じベアラレベルのパケット転送処理を受ける。
【0020】
本発明の実施形態は、ネットワークサーバ104がユーザデバイス102上に新しいベアラを構成し、確立することを必要とせずに、無線ユーザデバイス102内でアプリケーションパケットに内部的な優先順位を付けるために、ユーザデバイス102のデータ優先順位付けサブシステム108を利用する。優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションがユーザデバイス102上で起動されると、データ優先順位付けサブシステム108は、ユーザデバイス102上に新しいATBを確立し、該ATBは、アプリケーションのデータパケットを、具体的にはユーザデバイス102の既存のDRBを通して輸送されるパケットよりも優先させるように構成される。次いで、この高優先度ATBにマップされるアプリケーションパケットは、ネットワークインターフェースの各プロトコル層で、ネットワークサーバ104によってユーザデバイス上に確立された既存のDRB(複数可)にマップされる他のデータパケットよりも優先される。いくつかの実施形態において、ATBを通じて進行するパケットの優先順位付けは、それが、VoIPセッション、音声通話等の、ユーザデバイス102によって提供される他の通信機構に影響を及ぼさないように構成可能であり得る。
【0021】
本発明の実施形態におけるこのATBデータパケットの優先順位付けは、ATBデータパケットのQCI評価に関わらず生じる。いくつかの実施形態において、ATBデータパケットの優先順位付けは、各プロトコル層でキューの中へ前方に割り込むこと、および/または各プロトコル層でこれらのパケットに対するスケジューリングを優先させること等の手法を使用することによって達成される。以下、データ優先順位付けサブシステム108は、
図2に関してより詳細に説明される。
【0022】
図2は、ユーザデバイスによってホストされるデータ優先順位付けサブシステム200の一実施形態のブロック図である。一実施形態において、データ優先順位付けサブシステム200は、
図1のデータ優先順位付けサブシステム108と同じである。データ優先順位付けサブシステム200は、ネットワークインターフェース202と、アプリケーションデータ優先順位マネージャ204と、ネットワーク定義のQoSマネージャ206と、優先順位付きアプリケーション検出器208と、ネットワークデータストア210とを含み得る。データ優先順位付けサブシステム200の構成要素は、いくつかの実施形態によれば、ともに組み合わせられることができる、またはさらなるモジュールに分けることができる、モジュールを表し得る。
【0023】
一実施形態において、ネットワークインターフェース202は、ユーザデバイス上に確立されている1つ以上のDRBのためのプロトコル層の構成情報を受け取るために、ネットワークサーバ(
図1に関して説明されるネットワークサーバ104等)と相互作用する。ユーザデバイス上のネットワークサーバによって構成される各DRBのための構成データは、DRBのためのQoSパラメータを含む。QoSパラメータは、QCI、GBR、およびMBRパラメータを含み得る。いくつかの実施形態において、各QCIは、優先順位、パケット遅延バジェット、許容可能なパケット損失率によって特徴付けられる。QoSパラメータ情報は、ネットワーク定義のパラメータに従ってユーザデバイス上にDRB構成要素を作成するために、ネットワークQoSマネージャ206に渡され得る。加えて、DRBに固有のパラメータは、後の参照のために、ネットワークデータストア210に記憶され得る。
【0024】
一実施形態において、ユーザデバイスのアプリケーションが起動すると、優先順位付きアプリケーション検出器208は、このアプリケーションがユーザデバイス上のそれ自体のATBを与えられるべきかどうかを判定する。一実施形態において、優先順位付きアプリケーション検出器208は、ネットワークデータストア210の記録が、ユーザデバイス上の優先順位付けのために構成されるものとしてアプリケーションを列記しているかどうかを判定するために、アプリケーションの識別情報を有するネットワークデータストア210を参照し得る。他の実施形態において、アプリケーションは、その優先順位付け状態をサブシステム200に通知するメッセージまたは他の指標を、優先順位付きアプリケーション検出器208に送り得る。いくつかの実施形態において、ユーザデバイスは、優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションの識別情報を有するデバイス製造業者によって事前構成される。他の実施形態において、ユーザデバイスは、どのアプリケーションがATBのために検討されるべきかを通知するために、無線通信を通じてセットアップすることができる。
【0025】
アプリケーションが、ネットワークを通じてデータ優先順位付けのために構成される場合、アプリケーションデータ優先順位マネージャ204は、ユーザデバイス上の新しいATBを確立する。このATBは、具体的には、アプリケーションのデータパケットを、ユーザデバイスの既存のDRB上にトランスポートされる他のデータパケットよりも優先させるために使用される。一実施形態において、アプリケーションデータ優先順位マネージャ204は、ユーザデバイスのネットワークインターフェースのプロトコル層の各サブセットに、ATBのための構成要素を作成し、これらはともに、優先順位付きアプリケーションデータのための新しいATBの全体的な機能を提供する。
【0026】
優先順位付きアプリケーションのデータパケットは、新しいATBにマップされ、次いで、各プロトコル層のATB構成要素によって、同じプロトコル層上の対応するDRB構成要素の他のデータパケットよりも優先される。この優先順位付けは、アプリケーションのパケットデータがPHY層に到達し、共有通信チャネル(複数可)上でネットワークにトランスポートされるまで、各プロトコル層のATB構成要素で生じる。いくつかの実施形態において、個々のチャネルは、共通チャネルインフラの代わりに、PHY層で利用され得る。
【0027】
一実施形態において、アプリケーションデータ優先順位マネージャ204は、ユーザデバイス上のDRBを作成するために、ネットワークサーバから送られるシグナリングメッセージを複製するが、それらのメッセージ内の個々のパラメータだけしか変更しない。次いで、更新されたシグナリングメッセージは、各プロトコル層にATB構成要素を作成するために利用される。アプリケーションデータ優先順位マネージャ204は、各プロトコル層にATB構成要素を作成するために必要である、必要とされる優先順位パラメータを決定するために、ユーザデバイス上の既存のDRBの(例えば、ネットワークデータストア208に記憶される)ネットワーク提供の優先順位パラメータを参照し得る。一実施形態において、アプリケーションデータ優先順位マネージャ204は、プロトコル層にATB構成要素を確立する、シグナリングメッセージにおいて優先順位パラメータを構成し、この構成される優先順位パラメータは、確立されているATB構成要素と同じプロトコル層の任意の既存のDRBの優先順位パラメータよりも優先順位が高い。
【0028】
図3は、本発明の実施形態に従ってアプリケーションデータに優先順位を付けるために、ユーザデバイス定義のベアラチャネルを実現する、ユーザデバイスネットワークインターフェース300のプロトコル層を通した、データパケット伝送の詳細を例示するブロック図である。一実施形態において、ユーザデバイスネットワークインターフェース300は、
図1に関して説明されるユーザデバイス102の一部であり得る。
【0029】
図3で示されるように、ネットワークインターフェース300は、DRB305と、ATB310とを含む。
図3では、DRB305およびATB310が1つずつしか示されていないが、当業者は、複数のDRBおよび/またはATBがユーザデバイス上に構成され得ることを認識するであろう。DRB305およびATB310のそれぞれは、協働したときにネットワークインターフェース300を通してチャネルを作成する構成要素を各プロトコル層に備える。いくつかの実施形態において、プロトコル層は、IP層320と、PDCP層330と、RLC層340と、MAC層350と、L1/PHY層360とを含み得る。当業者は、他のプロトコル層が、異なる通信規格に基づいて使用され得ること、および本発明の実施形態が、これらのプロトコル層にも拡張され得ることを認識するであろう。ネットワークインターフェース300は、単に例示的な目的で、および本発明の実施形態の理解を容易にするために、上記のプロトコル層320〜360とともに例示される。
【0030】
一実施形態において、DRB305は、ネットワーク定義の優先順位パラメータを有するネットワークによって確立される一方で、ATB310は、ユーザデバイス定義の優先順位パラメータを有するユーザデバイスによって確立される。アプリケーション固有の優先順位付けに該当しないアプリケーションデータパケット301は、IP層320のDRB305にマップされる一方で、優先順位付きアプリケーション固有のパケット302は、IP層320のATB310にマップされる。いくつかの実施形態において、IP層のマッピングは、ユーザデバイス上のアプリケーションを、新しいATBと関連付けられるIPアドレスおよびポート番号と関連付ける。例えば、宛先IPまたはポート番号が、1つ以上のデータパケットがアプリケーションと関連付けられる特定のベンダーを宛先とすることを示す場合、それらのパケットに優先順位を付けることができる。
【0031】
各ベアラ305、310にマップされるデータパケット301、302は、種々のプロトコル層を通って進む。各プロトコル層にATB構成要素を構成するために使用される優先順位パラメータは、DRB305上の対応するプロトコル層の任意のDRBデータパケット301の前に、ATBデータパケット302に優先順位を付けさせ、スケジュールさせる。
【0032】
本発明の実施形態において、DRBおよびATB構成要素は、ネットワークインターフェース300の全体を通してDRB305およびATB310の機能を提供するために、ネットワークインターフェース300のプロトコル層のサブセットに存在する。「構成要素」は、プロトコル層でのデータパケットのスケジューリングおよび優先順位付けを実現するために使用される、物理的構成要素または論理構成要素を指し得る。例えば、構成要素は、バッファ構成要素としてメモリに実現される、キューであり得る。他の実施形態において、構成要素は、メッセージングの使用を通して論理的に実現され得る。
【0033】
一実施形態において、PDCP層で、ATB PDCP構成要素335は、ATB310のためのユーザデバイスによって作成される。このATB PDCP構成要素335は、ユーザデバイス上の既存のDRB PDCP構成要素330の全てを通じて最高の優先順位で構成される。一実施形態において、ATB PDCP構成要素335は、優先順位パラメータを除いて、そのDRB PDCPの対応する330と同じネットワーク定義のパラメータを有する。ATB PDCP構成要素335の優先順位パラメータは、その対応部分よりも高い。その結果、ATB PDCP構成要素335に記録される任意のデータパケット302は、他のDRB PDCP構成要素に記録されるデータパケット301よりも高い優先順位で扱われ、PDCP層の任意のDRBデータパケット301の前の次のプロトコル層に移動する。例えば、PDCP層がシングルタスク/スレッドとして実現されるシステムにおいて、ATB PDCP構成要素335は、ATB PDCP構成要素335に対する任意の新しい着信データが、全ての対応するDRB PDCP構成要素330より先に読み出され、処理されるように、この単一スレッドの内部で優先順位が付けられ得る。
【0034】
いくつかの実施形態においてATB RLC構成要素345を確立することは、ATB PDCP構成要素335を確立することに類似する。ATB RLC層について、ATB RLC構成要素345は、対応するDRB RLC構成要素340を超えて最も高い優先順位で作成される。RLC層が各RLC構成要素について別個のスレッドとして実現されるシステムにおいて、ATB RLC構成要素345は、最高優先順位のスレッドとして動作し得る。RLC層がシングルタスク/スレッドとして実現されるシステムにおいて、ATB RLC構成要素345は、この単一スレッドの内部で優先順位が付けられ得る。例えば、新しいATB RLC構成要素345に対する任意の新しい着信データは、対応するDRB RLC構成要素340より先に読み出され、処理される。
【0035】
同様に、実施形態においてATB MAC構成要素355を確立することは、ATB PDCP構成要素335およびATB RLC構成要素345を確立することに類似する。ATB MAC構成要素355は、ユーザデバイス上のその対応するDRB MAC構成要素350よりも高い優先順位で構成される。一実施形態において、ATB MAC構成要素355およびDRB MAC構成要素350は、論理的専用トラフィックチャネル(DTCH)を通じて、サービスを対応するATB RLC構成要素およびDRB RLC構成要素に提供し、優先順位レベル、優先順位付きビットレート(PBR)、およびバケットサイズ期間(BSD)をシグナリングすることによって制御される、アップリンクデータのスケジューリングを伴う。いくつかの実施形態において、ATB論理DTCHチャネル355の優先順位レベルは、その対応するDRB MACのDTCHチャネル350よりも高い。加えて、いくつかの実施形態において、MAC層の再伝送は、新しい伝送を通じて高い優先順位を取る。例えば、ATB MAC層のデータパケットが再伝送バッファにある場合、該データパケットは、ネットワークインターフェースにおいて任意の制御情報パケットの後だが、任意の対応するDRB MAC構成要素の任意のデータパケットの前の優先順位を取る。
【0036】
図3で示されるように、各プロトコル層のATB構成要素の使用、ならびに、IP層320のATB310へのデータパケットの最初のマッピングは、ATBを、署名済パケットとして、ネットワークインターフェース300の全てのプロトコル層に沿ったDRBデータパケットとは別に保つ。これは、第1の優先順位付きアプリケーション固有のデータパケットを、それらが任意のDRBデータパケットより「先にジャンプして」、L1/PHY層360の通信チャネル(複数可)に到達したときに、最初に列入れる結果となる。このように、本発明の実施形態は、任意の特別に識別された優先順位付きのアプリケーションからのデータパケットが、ネットワークからの任意の直接的な構成を伴わずに、ユーザデバイス上で優先順位を付けることを可能にする。
【0037】
ATBデータパケットがネットワークに送られるとき、それらは、デフォルトまたは専用のDRBのための(シグナリングメッセージで)ネットワークによって構成されるID(例えば、DRB ID、RLC ID等)を使用して送られる。ネットワークは、これらのATBパケットを受け取ったときに、ATBパケットが(IDに基づく)DRBパケットの1つであると考える。ネットワークから受け取ったシグナリングメッセージをコピーし、複製して、DRBを確立することによって、およびこれらのメッセージ(変更された優先順位パラメータを有する)を再使用してATBのための異なるプロトコル層を構成することによって、本発明の実施形態は、任意のネットワーク確立のDRBとは別であるATBを利用して、ユーザデバイス上の優先順位付きデータを確立し、成功裏に伝送することができる。
【0038】
本発明の実施形態は、ユーザデバイス上で複数のアプリケーションが同時に動作するときに、より良好に実現され得るが、本発明の実施形態は、単一のアプリケーションのシナリオに対しても同様に適用することができる。
【0039】
図4は、例示的なユーザデバイス400を示すブロック図である。ユーザデバイス400は、
図1のユーザデバイス102と同じであり得、電子ブックリーダー、PDA、モバイル電話、ラップトップコンピュータ、携帯型メディアプレーヤー、タブレットコンピュータ、カメラ、ビデオカメラ、ネットブック、デスクトップコンピュータ、ゲーミングコンソール、DVDプレーヤー、メディアセンター等の、任意のタイプのコンピューティングデバイスであり得る。
【0040】
ユーザデバイス400はさらに、コンピュータシステムの形態であり得、その中では、本明細書で論じられる方法の任意の1つ以上を機械に行わせるための、1組の命令が実行され得る。代替の実施形態において、機械は、ネットワーク(図示せず)を介して他の機械に接続(例えば、ネットワーク化)され得、ネットワークは、LAN、イントラネット、エクストラネット、またはインターネットであり得る。いくつかの実施形態において、機械は、クライアントサーバネットワーク環境におけるサーバマシンとして動作し得る。機械は、パーソナルコンピュータ(PC)、セットトップボックス(STB)、サーバ、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、またはその機械が取るべきアクションを指定する1組の命令(逐次またはその他)を実行することができる任意の機械であり得る。さらに、単一の機械だけが例示されているが、「機械」という用語はまた、本明細書で論じられる方法の任意の1つ以上を行うために1組(または複数組)の命令を個々にまたは併せて実行する、任意の一群の機械を含むものと解釈するべきである。
【0041】
ユーザデバイス400は、1つ以上のCPU等の、1つ以上の処理ユニット404を含む。ユーザデバイス400はまた、揮発性記憶機構および/または不揮発性記憶機構の任意の組み合わせに対応し得る、システムメモリ406も含む。システムメモリ406は、オペレーティングシステム構成要素408、データ優先順位付けサブシステム108を含む種々のプログラムモジュール410、プログラムデータ412、および/または他の構成要素を提供する情報を記憶し得る。ユーザデバイス400は、システムメモリ406によって提供されるデータ優先順位付けサブシステム108および他の命令を実行するために、処理ユニット(複数可)404を使用することによって機能を行う。
【0042】
ユーザデバイス400はまた、1つ以上のタイプのリムーバブル記憶域および/または1つ以上のタイプの非リムーバブル記憶域から成り得る、データ記憶デバイス414も含み得る。データ記憶デバイス414は、本明細書で説明される方法または機能の任意の1つ以上を具現化する1組以上の命令(例えば、データ優先順位付けサブシステム108の命令)が記憶される、コンピュータが読み出し可能な媒体416を含み得る。示されるように、データ優先順位付けサブシステム108の命令はまた、ユーザデバイス400による命令の実行中に、システムメモリ406内および/または処理ユニット(複数可)430内にも完全にまたは少なくとも部分的に存在し得、システムメモリ406および処理ユニット(複数可)430もコンピュータが読み出し可能な媒体を構成する。データ優先順位付けサブシステム108の命令はさらに、ネットワークを通じて伝送する、または受け取ることができる。
【0043】
コンピュータが読み出し可能な記憶媒体416は、例示的な実施形態において、単一の媒体であるように示されているが、「コンピュータが読み出し可能な記憶媒体」という用語は、1組以上の命令を記憶する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中または分散データベース、ならびに/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むと解釈されたい。「コンピュータが読み出し可能な記憶媒体」という用語はまた、マシンによって実行するための1組の命令を記憶、符号化、または搬送することができ、かつ本発明の方法の任意の1つ以上をマシンに行わせる、任意の媒体を含むとも解釈されるものとする。故に、「コンピュータが読み出し可能な記憶媒体」という用語は、固体メモリ、光媒体、および磁気媒体を含むが、これらに限定されないと解釈されるものとする。
【0044】
ユーザデバイス400はまた、1つ以上の入力デバイス418(キーボード、マウスデバイス、特殊な選択キー等)、および1つ以上の出力デバイス420(ディスプレイ、プリンタ、音声出力機構等)も含み得る。ユーザデバイス400はさらに、ユーザデバイス400が、リモートコンピュータ、サーバ104等の他のコンピューティングデバイス424と、無線ネットワークを介して、通信することを可能にするために、無線モデム422を含み得る。無線モデム422は、ユーザデバイス400が、音声通話を受け取ること、さらにデータモードでサーバ104と通信することを可能にし得る。無線モデム422は、例えば、セルラーデジタルパケットデータ(CDPD)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、GSM進化型高速データレート(EDGE)、汎用モバイル通信システム(UMTS)、1倍の無線伝送技術(1xRTT)、エバリュエーションデータオプティマイズド(EVDO)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、WiFi、ロングタームエバリュエーション(LTE)、およびWiMaxを含む、任意のタイプのモバイルネットワーク技術を使用して、ネットワーク接続性を提供し得る。
【0045】
上で列挙したモジュールのリストは、代表的なものであり、ユーザデバイス400によって行われる機能のタイプを網羅するものではない。ラベル「他のデバイス機能」428によって示されるように、ユーザデバイス400は、追加的な機能を含み得る。
【0046】
図5〜
図7は、ユーザデバイスの方法のいくつかの実施形態のフロー図である。本方法は、ハードウェア(回路、専用の論理等)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステムまたは専用の機械上で動作するもの等)、または双方の組み合わせを備え得る、処理論理によって行われる。一実施形態において、本方法の実施形態は、ユーザデバイス(例えば、
図1のユーザデバイス102のデータ優先順位付けサブシステム108)によって行われる。
【0047】
図5は、優先順位付きアプリケーションのためのデータパケットをトランスポートするために、ユーザデバイス定義のベアラチャネルを確立するための方法500の一実施形態のフロー図である。方法500は、ブロック502から始まり、そこでは、ユーザデバイス上に1つ以上のDRBを確立するために使用される構成パラメータが、ネットワークを介して受け取られる。一実施形態において、ユーザデバイスのための通信インフラが、データパケットを受け取り、伝送すること可能にするサービスがネットワークオペレータによって提供される。いくつかの実施形態において、設定パラメータは、1つ以上のDRBのためのQoSパラメータを含み得る。QoSパラメータは、QCI、GBR、およびMBRパラメータを含み得る。各QCIは、優先順位、パケット遅延バジェット、および許容可能なパケット損失率によって特徴付けられる。これらの設定パラメータは、ユーザデバイス上に1つ以上のDRB構成要素を確立し、構成するために、ユーザデバイスによって使用される。
【0048】
ブロック504で、ユーザデバイスは、優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションが起動していることを判定する。一実施形態において、ユーザデバイスは、優先順位付きデータ転送のために構成されるものとしてアプリケーションを識別する、ユーザデバイス上のネットワークデータストアの中の任意の記録の場所を特定するために、アプリケーションの情報を識別することを使用し得る。他の実施形態において、アプリケーション自体は、その優先順位付け状態をサブシステムに通知するメッセージまたは他の指標を、ユーザデバイスのデータ優先順位付けサブシステムに送り得る。その後、ブロック506で、ユーザデバイス上に確立される全ての既存のDRBの優先順位パラメータが決定される。いくつかの実施形態において、前述したネットワークデータストアは、この情報を保持し得る。他の実施形態において、この情報を得るために、構成命令を使用し得る。
【0049】
次いで、ブロック508で、ユーザデバイスは、優先順位付きアプリケーションを、ユーザデバイスのネットワークインターフェース上の新しいATBチャネル構成要素に関連付ける、ネットワークインターフェースのための新しいマッピングを作成する。このマッピングは、優先順位付きアプリケーションに起因する(または優先順位付きアプリケーションを宛先とする)全てのデータパケットを、ATBチャネル構成要素に関連付ける。いくつかの実施形態において、マッピングは、優先順位付きアプリケーションを、新しいATBチャネル構成要素と関連付けられるIPアドレスおよびポート番号と関連付ける。
【0050】
ブロック510で、新しいATB PDCP構成要素が作成される。一実施形態において、ATB PDCP構成要素は、メッセージに含まれるパラメータへの変更によって、ユーザデバイス上に1つ以上の対応するDRB PDCP構成要素を作成するために使用されるものと、同じシグナリングメッセージ(複数可)を使用して作成される。具体的には、シグナリングメッセージの優先順位パラメータは、ユーザデバイス上の任意の他の既存のDRBよりも高い優先順位をATB PDCP構成要素に与えるように変更される。ブロック512および514で、ATB構成要素は、RLC層およびMAC層のそれぞれで作成され、ブロック510でATB PDCP構成要素を作成するために使用される手順に類似する。ブロック510〜514は、PDCP、RLC、およびMACのプロトコル層を識別するが、当業者は、実現される特定の通信規格に応じて、本明細書の実施形態において、他のプロトコル層が参照され得、それに関与し得ることを認識するであろう。
【0051】
図6は、ユーザデバイス定義のベアラチャネルを介した優先順位付きアプリケーションのデータパケットのアップリンク伝送のための方法600の一実施形態のフロー図である。方法600は、ブロック602から始まり、そこでは、優先順位付きアプリケーションからのデータパケットがユーザデバイス上で受け取られる。優先順位付きアプリケーションは、ユーザデバイス上で動作しており、ユーザデバイス上のそのデータパケットのための優先順位付きデータ転送処理を受けるものとして識別されている。ブロック604で、データパケットがユーザデバイス定義のベアラチャネルにマップされる。一実施形態において、このユーザ定義のベアラチャネルは、ネットワークからの相互作用を伴わずに、ユーザデバイスによって構成され、確立された、ATBチャネルである。いくつかの実施形態において、マッピングは、IPアドレスおよびポート番号を使用して、ユーザデバイスのネットワークインターフェースのIPプロトコル層で生じる。
【0052】
ブロック606で、データパケットは、一連のATB構成要素、ネットワークインターフェースの各プロトコル層の1つの構成要素を通過する。各プロトコル層のATB構成要素で、データは、任意の対応するDRBパケットより先に処理され、スケジュールされる。この優先順位付き処理およびスケジューリングは、各プロトコル層のATB構成要素のパラメータに設定される、より高い優先順位を反映する。最後に、ブロック608で、データパケットは、ユーザデバイスのPHY層上のネットワークチャネルインタフェースでスケジュールすることも待機している任意の対応するDRBデータパケットの前に、ユーザデバイスから伝送されるようにスケジュールされる。
【0053】
上の説明では、多くの詳細が記載されている。しかしながら、本開示の利益を有する当業者には、これらの特定の詳細を伴わずに本発明の実施形態が実践され得ることが明らかであろう。いくつかの事例では、説明を曖昧にすることを回避するために、よく知られている構造およびデバイスは、詳細に示すのではなく、ブロック図の形態で示される。
【0054】
詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに関する動作のアルゴリズムおよび記号的表現によって示される。これらのアルゴリズム的な記述および表現は、データ処理技術の当業者が自分の作業の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用する手段である。アルゴリズムは、ここでは、また一般に、所望の結果をもたらすステップの首尾一貫したシーケンスであると考えられる。ステップは、物理量の物理的な操作を必要とするものである。通常、必ずではないが、これらの量は、記憶する、転送する、結合する、比較する、および別様に操作することができる、電気信号または磁気信号の形式を取る。これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数字等と称することは、主として一般的な用法の理由から、時には便利であることが分かっている。
【0055】
しかしながら、これらのおよび類似した用語の全ては、適切な物理量と関連付けられることになっており、これらの量に付される好都合なラベルに過ぎないということを念頭に置くべきである。上の考察から明らかであるとして別途具体的に提示されない限り、説明の全体を通して、「判定する(determining)」、「識別する(identifying)」、「加える(adding)」、「選択する(selecting)」等の用語を利用した考察は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(例えば、電子)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリもしくはレジスタ、または他のそのような情報記憶、伝送、もしくは表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変換する、コンピュータシステムまたは類似した電子コンピューティングデバイスの動作および処理を指す。
【0056】
本発明の実施形態はまた、本明細書における動作を行うための装置にも関する。この装置は、必要な目的のために特別に構築され得るか、または、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に起動される、もしくは再構成される汎用コンピュータを備え得る。そのようなコンピュータプログラムは、フロッピーディスク、光ディスク、CD−ROM、および光磁気ディスクを含む任意のタイプのディスク、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気もしくは光カード、または電子命令を記憶するのに好適な任意のタイプの媒体等が挙げられるが、これらに限定されない、コンピュータが読み出し可能な記憶媒体に記憶され得る。
【0057】
本明細書で提示されるアルゴリズムおよび表示は、本質的に、任意の特定のコンピュータまたは他の装置に関連がない。種々の汎用システムは、本明細書における教示に従うプログラムとともに使用され得、または必要とされる方法ステップを行うためにより特殊化された装置を構築するのは好都合であることを証明し得る。種々のこれらのシステムに必要とされる構造は、下の説明から明らかになるであろう。さらに、本発明は、任意の特定のプログラミング言語に関して説明されない。本明細書で説明されるような本発明の教示を実現するために、様々なプログラム言語が使用され得ることを認識されたい。
【0058】
前述の説明は、例示的なものを意図するのであって、限定的なものを意図しないことを理解されたい。当業者には、上の説明を読み、理解すれば、他に多くの実施形態が明らかになるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲、およびそのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。
【0059】
付記
1.ユーザデバイスであって、
データを記憶するためのメモリと、
メモリに通信可能に連結されるネットワークインターフェースデバイスと、
メモリおよび前記ネットワークインターフェースデバイスに連結される処理デバイスと、
処理デバイスによってメモリから実行され、ネットワークインターフェースデバイスに通信可能に連結される、データ優先順位付けサブシステムであって、
優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションがユーザデバイス上で起動していることを検出し、
プロトコル層のサブセットの各プロトコル層について、
サーバから送られるシグナリングメッセージであって、ネットワークインターフェースデバイス上のプロトコル層のサブセット上に、データ無線ベアラ(DRB)チャネルを予め確立したシグナリングメッセージをコピーし、
コピーしたシグナリングメッセージの優先順位パラメータが、同じプロトコル層のDRB構成要素の任意の優先順位パラメータよりも高くなるように更新し、
プロトコル層にアプリケーショントランスポートベアラ(ATB)構成要素を確立するために、シグナリングメッセージを使用し、そして、
各ATB構成要素で、優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションに起因する任意のデータパケットの任意の一部分を、同じプロトコル層上の任意のネットワーク確立のDRB構成要素で処理される1つ以上の他のデータパケットよりも優先させるように構成される、データ優先順位付けサブシステムと、を備える、ユーザデバイス。
2.プロトコル層のサブセットは、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層、無線リンク制御(RLC)層、または媒体アクセス制御(MAC)層のうちの少なくとも1つを含む、付記1に記載のユーザデバイス。
3.PDCP層上に確立されるATB構成要素は、ATB PDCPプロトコル層構成要素であり、RLC層上に確立されるATB構成要素は、ATB RLCプロトコル層構成要素であり、MAC層上に確立されるATB構成要素は、ATB MACプロトコル層構成要素である、付記2に記載のユーザデバイス。
4.ユーザデバイスは、優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションが優先順位付きデータ転送特権を受け取ることを示す情報とともに無線通信を通じてセットアップされる、付記1に記載のユーザデバイス。
5.データ優先順位付けサブシステムはさらに、優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションに起因する任意のデータパケットを、ユーザデバイス上のアプリケーションからデータパケットを受け取るプロトコル層のサブセットのプロトコル層のATB構成要素にマップするように構成される、付記1に記載のユーザデバイス。
6.優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションに起因する任意のデータパケットをマップすることはさらに、アプリケーションおよびATBチャネル構成要素の、ソースインターネットプロトコル(IP)アドレス情報およびポート番号情報、または宛先IPアドレス情報およびポート番号情報のうちの少なくとも1つで、ネットワークインターフェースデバイスのIPプロトコル層を更新するように構成される、データ優先順位付けサブシステムを備える、付記5に記載のユーザデバイス。
7.プロトコル層は、無線通信のための、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)プロトコル標準、汎用モバイル通信システム(UMTS)プロトコル標準、3GPPロングタームエバリュエーション(LTE)プロトコル標準、符号分割多重アクセス(CDMA)プロトコル標準、またはワールドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMax)プロトコル標準のうちの少なくとも1つに従う、付記1に記載のユーザデバイス。
8.コンピュータにより実現される方法であって、
モバイル通信システムで動作するユーザデバイスによって、優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションがユーザデバイス上で起動していることを検出することと、
ユーザデバイスによって、ユーザデバイスのネットワークインターフェースのプロトコル層のサブセットの各プロトコル層に、アプリケーショントランスポートベアラ(ATB)構成要素を作成することであって、各プロトコル層のATB構成要素は、同じプロトコル層上の任意のネットワーク確立のデータ無線ベアラ(DRB)構成要素よりも高い優先順位パラメータで構成される、アプリケーショントランスポートベアラ(ATB)構成要素を作成することと、
優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションから、データパケットを受け取ることと、
生成されたマッピングに基づいて、データパケットを、アプリケーションからデータパケットを受け取るプロトコル層のATB構成要素に向けることと、
各ATB構成要素で、同じプロトコル層上のDRB構成要素の優先順位パラメータと比較したATB構成要素の優先順位パラメータに基づいて、データパケットの任意の一部分を、同じプロトコル層上の任意のネットワーク確立のDRB構成要素で処理される1つ以上の他のデータパケットよりも優先させることと、を含む、方法。
9.プロトコル層のサブセットの各プロトコル層にATB構成要素を作成することはさらに、サブセットの各プロトコル層について、
モバイル通信システムの構成要素から送られるシグナリングメッセージをコピーすることであって、前記プロトコル層上にDRB構成要素を予め確立したシグナリングメッセージをコピーすることと、
シグナリングメッセージの優先順位パラメータを、プロトコル層上の任意のDRB構成要素の優先順位パラメータよりも高くなるように更新することと、
プロトコル層にATB構成要素を作成するために、更新されたシグナリングメッセージを使用することと、を含む、付記8に記載の方法。
10.プロトコル層のサブセットは、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層、無線リンク制御(RLC)層、または媒体アクセス制御(マック)層のうちの1つ以上を含み、PDCP層上に確立されるATB構成要素は、ATB PDCPプロトコル層構成要素であり、RLC層上に確立されるATB構成要素は、ATB RLCプロトコル層構成要素であり、MAC層上に確立されるATB構成要素は、ATB MACプロトコル層構成要素である、付記8に記載の方法。
11.物理的構成要素は、キューまたはバッファのうちの少なくとも1つとして動作するように定義されるメモリであり、論理構成要素は、メッセージングによって実現されるキューである、付記10に記載の方法。
12.優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションが起動していることを検出することはさらに、アプリケーションが優先順位付きデータ転送のためのデータベースにおいてマークされているかどうかを判定するために、アプリケーションの識別情報を有するユーザデバイス上のデータストアを参照することを含む、付記8に記載の方法。
13.優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションが優先順位付きデータ転送特権を受け取ることを示すために、無線通信を通じてユーザデバイスにセットアップすることをさらに含む、付記8に記載の方法。
14.優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションが起動していることを検出することはさらに、アプリケーションが優先順位付きデータ転送処理を受けるという指示を、アプリケーションから受け取ることを含む、付記8に記載の方法。
15.アプリケーション、およびユーザデバイス上のアプリケーションからデータパケットを受け取るプロトコル層に位置するATB構成要素の、ソースインターネットプロトコル(IP)アドレス情報およびポート番号情報、または宛先IPアドレス情報およびポート番号情報のうちの少なくとも1つでマップする、IPプロトコル層を更新することによって、優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションと、ユーザデバイス上のアプリケーションからデータパケットを受け取るプロトコル層に位置するATB構成要素との間のマッピングを生成することをさらに含む、付記8に記載の方法。
16.非一時的なコンピュータが読み出し可能な記憶媒体であって、処理システムによって実行されたときに、処理システムに、
ユーザデバイスのネットワークインターフェースのプロトコル層のアプリケーショントランスポートベアラ(ATB)構成要素で、ユーザデバイス上の優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションに起因するデータパケットの少なくとも一部分を受け取ることと、
ATB構成要素によって、ATB構成要素と同じプロトコル層上の任意のネットワーク確立のデータ無線ベアラ(DRB)で処理される任意のデータパケットより先に、データパケットをスケジュールすることと、を含む、動作を行わせる命令を含み、
ATB構成要素は、ユーザデバイス上のプロトコル層のサブセットのプロトコル層上で動作し、ATB構成要素と同じプロトコル層上のネットワーク確立のDRB構成要素のいずれかよりも高い優先順位のパラメータを有するユーザデバイスによって構成される、非一時的なコンピュータが読み出し可能な記憶媒体。
17.非一時的なコンピュータが読み出し可能な記憶媒体はさらに、処理システムによって実行されたときに、処理システムに、
ユーザデバイスによって、優先順位付きデータ転送のために識別されるアプリケーションがユーザデバイス上で起動していることを検出することと、
ユーザデバイスによって、プロトコル層上にATB構成要素を作成することと、
ユーザデバイスによって、プロトコル層のサブセットの各残りのプロトコル層に他のATB構成要素を作成することであって、各プロトコル層の他のATB構成要素は、他のATB構成要素と同じプロトコル層上の任意のネットワーク確立のDRB構成要素よりも高い優先順位パラメータで構成される、他のATB構成要素を作成することと、を含む、さらなる動作を行わせる命令を含む、付記16に記載の非一時的なコンピュータが読み出し可能な記憶媒体。
18.各プロトコル層にATB構成要素を作成することはさらに、プロトコル層のサブセットの各プロトコル層について、
モバイル通信システムの構成要素から送られるシグナリングメッセージをコピーすることであって、プロトコル層上のDRB構成要素を予め確立したシグナリングメッセージをコピーすることと、
シグナリングメッセージの優先順位パラメータを、プロトコル層上の任意のDRB構成要素よりも高くなるように更新することと、
プロトコル層にATB構成要素を作成するために、更新されたシグナリングメッセージを使用することと、を含む、付記17に記載のコンピュータが読み出し可能な媒体。
19.プロトコル層は、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層、無線リンク制御(RLC)層、または媒体アクセス制御(マック)層のうちの少なくとも1つであり、PDCP層上に確立されるATB構成要素は、ATB PDCPプロトコル層構成要素であり、RLC層上に確立されるATB構成要素は、ATB RLCプロトコル層構成要素であり、MAC層上に確立されるATB構成要素は、ATB MACプロトコル層構成要素である、付記16に記載のコンピュータが読み出し可能な媒体。
20.ATB構成要素は、プロトコル層でデータパケットのスケジューリングおよび優先順位付けを実現するために使用される、物理的構成要素または論理構成要素のうちの少なくとも1つを備える、付記16に記載のコンピュータが読み出し可能な媒体。