特許第6057264号(P6057264)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イグチの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6057264
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】紐結び装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 69/04 20060101AFI20161226BHJP
【FI】
   B65H69/04
【請求項の数】11
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2015-252838(P2015-252838)
(22)【出願日】2015年12月25日
【審査請求日】2016年8月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503253448
【氏名又は名称】株式会社イグチ
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】脇 克司
【審査官】 松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04528217(US,A)
【文献】 特開昭50−102496(JP,A)
【文献】 米国特許第01598310(US,A)
【文献】 米国特許第03223440(US,A)
【文献】 米国特許第02009491(US,A)
【文献】 米国特許第05636384(US,A)
【文献】 特開2006−055012(JP,A)
【文献】 特公昭33−010747(JP,B1)
【文献】 米国特許第03202445(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 69/04
D01H 1/00−17/02
D04D 1/00−11/00
D06Q 1/00− 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紐供給域に設けられた紐供給手段と、単位紐供給域に設けられた単位紐供給手段と、紐結び域に配設された紐結び手段と、紐仕上げ域に配設された紐仕上げ手段とを備え、前記紐供給手段は、長い紐を前記単位紐供給手段に向けて供給し、前記単位紐供給手段は、前記紐供給手段からの前記長い紐を所定長さの単位紐に切断し、前記紐結び手段は、前記単位紐供給手段からの前記単位紐を受け取って所要の通りに結び、前記紐仕上げ手段は、前記紐結び手段からの結んだ前記単位紐を受け取って所要の通りに仕上げ、
前記単位紐供給手段は、更に、前記紐供給手段からの前記長い紐の先端側保持部位を保持するための第1供給保持手段と、前記第1供給保持手段により保持された前記先端側保持部位よりも上流側に所定長さ離れた後端側保持部位を保持するための第2供給保持手段と、前記長い紐の前記先端側保持部位より上流側の先端上流側保持部位を保持するための第3供給保持手段と、前記長い紐の前記後端側保持部位よりも下流側の後端下流側保持部位を保持するための第4供給保持手段と、前記長い紐を切断するための紐切断手段とを備え、前記紐切断手段により前記長い紐の前記後端側保持部位の下流側が切断されて前記単位紐が生成され、生成された前記単位紐が前記第1〜第4供給保持手段により保持されて前記紐結び手段に受け渡されることを特徴とする紐結び装置。
【請求項2】
前記単位紐供給手段は、前記長い紐を引き出すための引出し手段を備え、前記引出し手段に関連して、更に、前記長い紐を前記引出し手段に巻き付けるための巻付け保持手段が設けられ、前記巻付け保持手段は、前記引出し手段の片側で且つ前記第2供給保持手段の上側に位置する第1の位置とその他側で且つ前記第1供給保持手段の上側に位置する第2の位置との間を前記引出し手段の下側を通って移動可能であり、前記巻付け保持手段が前記第1の位置から前記第2の位置に移動すると、前記長い紐が引き出されてその先端側が前記引出し手段に巻き付けられ、更に前記引出し手段が前記巻付け保持手段から離れる方向に移動されると、前記長い紐が前記紐供給手段から引き出されることを特徴とする請求項に記載の紐結び装置。
【請求項3】
前記巻付け保持手段の上方には、前記長い紐を案内するための紐案内部材が配設され、前記紐案内部材の上方には、更に、前記長い紐を保持するための第5供給保持手段が設けられており、前記紐切断手段により前記長い紐を切断するときには、前記第5供給保持手段が保持状態に保持されることを特徴とする請求項に記載の紐結び装置。
【請求項4】
前記第2供給保持手段と前記第4供給保持手段との間には、前記長い紐に作用する作用位置と前記長い紐から後退する非作用位置との間を移動自在に支持された撓み生成手段が設けられ、前記撓み生成手段は、前記第1及び第2供給保持手段が前記長い紐を保持し且つ前記第3及び第4供給保持手段が前記長い紐を保持していない状態において、前記非作用位置から前記作用位置に移動して前記長い紐における前記後端側保持部位と前記後端下流側保持部位との間の部位に作用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紐結び装置。
【請求項5】
紐供給域に設けられた紐供給手段と、単位紐供給域に設けられた単位紐供給手段と、紐結び域に配設された紐結び手段と、紐仕上げ域に配設された紐仕上げ手段とを備え、前記紐供給手段は、長い紐を前記単位紐供給手段に向けて供給し、前記単位紐供給手段は、前記紐供給手段からの前記長い紐を所定長さの単位紐に切断し、前記紐結び手段は、前記単位紐供給手段からの前記単位紐を受け取って所要の通りに結び、前記紐仕上げ手段は、前記紐結び手段からの結んだ前記単位紐を受け取って所要の通りに仕上げ、
前記紐結び手段は、前記単位紐の一端側保持部位を保持するための第1結び保持手段と、前記単位紐の他端側保持部位を保持するための第2結び保持手段と、前記単位紐の前記一端側保持部位よりも上流側の一端上流側保持部位を保持するための第3結び保持手段と、前記単位紐の前記他端側保持部位よりも下流側の他端下流側保持部位を保持するための第4結び保持手段と、前記第2結び保持手段に関連して設けられた補助結び保持手段とを備え、前記単位紐供給手段から前記紐結び手段に受け渡された前記単位紐は、前記第1〜第4結び保持手段により保持され、前記第1結び保持手段の移動により前記単位紐の一端側を前記補助結び保持手段に巻き付けて第1結び用ループを形成した状態において、前記単位紐の前記他端側保持部位を前記第1結び用ループを通して前記第2結び保持手段から前記補助結び保持手段に移し換えることにより、前記単位紐に第1回目の結びが施されることを特徴とする紐結び装置。
【請求項6】
前記単位紐の第1回目の結びの後に第2回目の結びが行われ、前記第1結び保持手段の移動により前記単位紐の一端側を前記第2結び保持手段に巻き付けて第2結び用ループを形成した状態において、前記単位紐の前記他端側保持部位を前記第2結び用ループを通して前記補助結び保持手段から前記第2結び保持手段に移し換えることにより、前記単位紐に第2回目の結びが施されることを特徴とする請求項に記載の紐結び装置。
【請求項7】
前記第1結び保持手段と前記第2結び保持手段との間の下方には、前記単位紐の掛結びの結び力を強くするための結び目強化手段が設けられ、前記結び目強化手段は、相互に近接及び離隔する方向に移動自在に支持された一対の結び目強化部材を備えており、前記単位紐の結び力を強くするときには、前記第1〜第4結び保持手段により前記単位紐を保持した状態において、前記一対の結び目強化部材が相互に離隔する方向に移動されることを特徴とする請求項に記載の紐結び装置。
【請求項8】
前記結び目強化手段の前記一対の結び目強化部材は、前記紐結び域に突出する作用位置と前記紐結び域から後退する後退位置との間を移動自在であり、前記一対の結び目強化部材は、前記第1回目の結びを行うときには前記後退位置に保持され、前記第2回目の結びを行うときには前記作用位置に保持され、相互に近接する状態に保持されて前記第1回目の結び目の上側を覆うことを特徴とする請求項に記載の紐結び装置。
【請求項9】
紐供給域に設けられた紐供給手段と、単位紐供給域に設けられた単位紐供給手段と、紐結び域に配設された紐結び手段と、紐仕上げ域に配設された紐仕上げ手段とを備え、前記紐供給手段は、長い紐を前記単位紐供給手段に向けて供給し、前記単位紐供給手段は、前記紐供給手段からの前記長い紐を所定長さの単位紐に切断し、前記紐結び手段は、前記単位紐供給手段からの前記単位紐を受け取って所要の通りに結び、前記紐仕上げ手段は、前記紐結び手段からの結んだ前記単位紐を受け取って所要の通りに仕上げ、
前記紐仕上げ手段は、前記単位紐の一端側保持部位を保持するための第1仕上げ保持手段と、前記単位紐の他端側保持部位を保持するための第2仕上げ保持手段と、前記単位紐の前記一端側保持部位よりも上流側の一端上流側保持部位を保持するための第3仕上げ保持手段と、前記単位紐の前記他端側保持部位よりも下流側の他端下流側保持部位を保持するための第4仕上げ保持手段と、前記第1及び第2仕上げ保持手段に関連してそれらの間に配設された結び受け手段とを備え、前記結び受け手段は、受け凹部が設けられた結び受け部材と、前記結び受け部材の前記受け部を覆うカバー部材とを有し、前記紐結び手段から前記紐仕上げ手段に受け渡された前記単位紐は、前記第1〜第4仕上げ保持手段により保持され、前記単位紐に仕上げを行うときには、前記単位紐の結び部は前記結び受け部材の前記受け部に収容され、前記カバー部材は、前記結び受け部材の前記受け部に収容された前記単位紐の前記結び部を覆うことを特徴とする紐結び装置。
【請求項10】
前記紐仕上げ手段は、更に、前記単位紐の端部を切断するための端部切断手段を含み、前記第1仕上げ保持手段に関連して、前記単位紐の前記一端側保持部位の内側部位を保持するための第1補助保持手段が設けられているとともに、前記第2仕上げ保持手段に関連して、前記単位紐の前記他端側保持部位の内側部位を保持するための第2補助保持手段が設けられており、前記単位紐の一端側を仕上げるときには、前記第1仕上げ保持手段及び前記第1補助保持手段が前記単位紐の前記一端側を保持し、かかる保持状態において前記端部切断手段が前記単位紐の前記一端側を切断し、また前記単位紐の他端側を仕上げるときには、前記第2仕上げ保持手段及び前記第2補助保持手段が前記単位紐の前記他端側を保持し、かかる保持状態において前記端部切断手段が前記単位紐の前記他端側を切断することを特徴とする請求項に記載の紐結び装置。
【請求項11】
前記結び受け部材及び前記カバー部材は、上下方向に移動自在に支持されており、前記単位紐の両端側を仕上げるときには、前記単位紐の前記結び部が前記結び受け部材の前記受け部に収容された状態にて前記結び受け部材が上方に移動して前記単位紐の両端部が引っ張られた状態に保たれ、この引っ張られた状態において前記第1及び第2補助保持手段が前記単位紐の両端部を保持することを特徴とする請求項10に記載の紐結び装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム紐などの紐を自動的に結ぶための紐結び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紐結び装置として、溝を形成した複数の型を用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この紐結び装置では、複数の型の端面に所要形状の溝が形成され、これら複数の型が所要の通りに接触される。このように型を接触させると、隣接する型の溝が相互に連通されて紐通し通路を構成し、この紐通し通路に紐を通すことによって、紐を所望の通りに結ぶことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−176333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来の紐結び装置では、複数の型を接触させて形成される紐通し通路に紐を通す必要があるが、この紐を通す際に、紐が紐通し通路に沿ってうまく進まず、この紐通し通路の形状が複雑になるほど紐を通すのが難しくなる問題がある。また、紐通し通路に紐を通すのに吸引力を利用することもできるが、吸引力を利用したとしても充分とは言えず、紐を自動的に確実に結ぶことができない。
【0005】
本発明の目的は、連続的な作業工程でもって紐を確実に結ぶことができる紐結び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の紐結び装置は、紐供給域に設けられた紐供給手段と、単位紐供給域に設けられた単位紐供給手段と、紐結び域に配設された紐結び手段と、紐仕上げ域に配設された紐仕上げ手段とを備え、前記紐供給手段は、長い紐を前記単位紐供給手段に向けて供給し、前記単位紐供給手段は、前記紐供給手段からの前記長い紐を所定長さの単位紐に切断し、前記紐結び手段は、前記単位紐供給手段からの前記単位紐を受け取って所要の通りに結び、前記紐仕上げ手段は、前記紐結び手段からの結んだ前記単位紐を受け取って所要の通りに仕上げ、
前記単位紐供給手段は、更に、前記紐供給手段からの前記長い紐の先端側保持部位を保持するための第1供給保持手段と、前記第1供給保持手段により保持された前記先端側保持部位よりも上流側に所定長さ離れた後端側保持部位を保持するための第2供給保持手段と、前記長い紐の前記先端側保持部位より上流側の先端上流側保持部位を保持するための第3供給保持手段と、前記長い紐の前記後端側保持部位よりも下流側の後端下流側保持部位を保持するための第4供給保持手段と、前記長い紐を切断するための紐切断手段とを備え、前記紐切断手段により前記長い紐の前記後端側保持部位の下流側が切断されて前記単位紐が生成され、生成された前記単位紐が前記第1〜第4供給保持手段により保持されて前記紐結び手段に受け渡されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項に記載の紐結び装置では、前記単位紐供給手段は、前記長い紐を引き出すための引出し手段を備え、前記引出し手段に関連して、更に、前記長い紐を前記引出し手段に巻き付けるための巻付け保持手段が設けられ、前記巻付け保持手段は、前記引出し手段の片側で且つ前記第2供給保持手段の上側に位置する第1の位置とその他側で且つ前記第1供給保持手段の上側に位置する第2の位置との間を前記引出し手段の下側を通って移動可能であり、前記巻付け保持手段が前記第1の位置から前記第2の位置に移動すると、前記長い紐が引き出されてその先端側が前記引出し手段に巻き付けられ、更に前記引出し手段が前記巻付け保持手段から離れる方向に移動されると、前記長い紐が前記紐供給手段から引き出されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項に記載の紐結び装置では、前記巻付け保持手段の上方には、前記長い紐を案内するための紐案内部材が配設され、前記紐案内部材の上方には、更に、前記長い紐を保持するための第5供給保持手段が設けられており、前記紐切断手段により前記長い紐を切断するときには、前記第5供給保持手段が保持状態に保持されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項に記載の紐結び装置では、前記第2供給保持手段と前記第4供給保持手段との間には、前記長い紐に作用する作用位置と前記長い紐から後退する非作用位置との間を移動自在に支持された撓み生成手段が設けられ、前記撓み生成手段は、前記第1及び第2供給保持手段が前記長い紐を保持し且つ前記第3及び第4供給保持手段が前記長い紐を保持していない状態において、前記非作用位置から前記作用位置に移動して前記長い紐における前記後端側保持部位と前記後端下流側保持部位との間の部位に作用することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に記載の紐結び装置は、紐供給域に設けられた紐供給手段と、単位紐供給域に設けられた単位紐供給手段と、紐結び域に配設された紐結び手段と、紐仕上げ域に配設された紐仕上げ手段とを備え、前記紐供給手段は、長い紐を前記単位紐供給手段に向けて供給し、前記単位紐供給手段は、前記紐供給手段からの前記長い紐を所定長さの単位紐に切断し、前記紐結び手段は、前記単位紐供給手段からの前記単位紐を受け取って所要の通りに結び、前記紐仕上げ手段は、前記紐結び手段からの結んだ前記単位紐を受け取って所要の通りに仕上げ、
前記紐結び手段は、前記単位紐の一端側保持部位を保持するための第1結び保持手段と、前記単位紐の他端側保持部位を保持するための第2結び保持手段と、前記単位紐の前記一端側保持部位よりも上流側の一端上流側保持部位を保持するための第3結び保持手段と、前記単位紐の前記他端側保持部位よりも下流側の他端下流側保持部位を保持するための第4結び保持手段と、前記第2結び保持手段に関連して設けられた補助結び保持手段とを備え、前記単位紐供給手段から前記紐結び手段に受け渡された前記単位紐は、前記第1〜第4結び保持手段により保持され、前記第1結び保持手段の移動により前記単位紐の一端側を前記補助結び保持手段に巻き付けて第1結び用ループを形成した状態において、前記単位紐の前記他端側保持部位を前記第1結び用ループを通して前記第2結び保持手段から前記補助結び保持手段に移し換えることにより、前記単位紐に第1回目の結びが施されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項に記載の紐結び装置では、前記単位紐の第1回目の結びの後に第2回目の結びが行われ、前記第1結び保持手段の移動により前記単位紐の一端側を前記第2結び保持手段に巻き付けて第2結び用ループを形成した状態において、前記単位紐の前記他端側保持部位を前記第2結び用ループを通して前記補助結び保持手段から前記第2結び保持手段に移し換えることにより、前記単位紐に第2回目の結びが施され、これにより、前記単位紐に掛結びが行われることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項に記載の紐結び装置では、前記第1結び保持手段と前記第2結び保持手段との間の下方には、前記単位紐の掛結びの結び力を強くするための結び目強化手段が設けられ、前記結び目強化手段は、相互に近接及び離隔する方向に移動自在に支持された一対の結び目強化部材を備えており、前記単位紐の結び力を強くするときには、前記第1〜第4結び保持手段により前記単位紐を保持した状態において、前記一対の結び目強化部材が相互に離隔する方向に移動されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項に記載の紐結び装置では、前記結び目強化手段の前記一対の結び目強化部材は、前記紐結び域に突出する作用位置と前記紐結び域から後退する後退位置との間を移動自在であり、前記一対の結び目強化部材は、前記第1回目の結びを行うときには前記後退位置に保持され、前記第2回目の結びを行うときには前記突出位置に保持され、相互に近接する状態に保持されて前記第1回目の結び目の上側を覆うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項9に記載の紐結び装置は、紐供給域に設けられた紐供給手段と、単位紐供給域に設けられた単位紐供給手段と、紐結び域に配設された紐結び手段と、紐仕上げ域に配設された紐仕上げ手段とを備え、前記紐供給手段は、長い紐を前記単位紐供給手段に向けて供給し、前記単位紐供給手段は、前記紐供給手段からの前記長い紐を所定長さの単位紐に切断し、前記紐結び手段は、前記単位紐供給手段からの前記単位紐を受け取って所要の通りに結び、前記紐仕上げ手段は、前記紐結び手段からの結んだ前記単位紐を受け取って所要の通りに仕上げ、
前記紐仕上げ手段は、前記単位紐の一端側保持部位を保持するための第1仕上げ保持手段と、前記単位紐の他端側保持部位を保持するための第2仕上げ保持手段と、前記単位紐の前記一端側保持部位よりも上流側の一端上流側保持部位を保持するための第3仕上げ保持手段と、前記単位紐の前記他端側保持部位よりも下流側の他端下流側保持部位を保持するための第4仕上げ保持手段と、前記第1及び第2仕上げ保持手段に関連してそれらの間に配設された結び受け手段とを備え、前記結び受け手段は、受け凹部が設けられた結び受け部材と、前記結び受け部材の前記受け部を覆うカバー部材とを有し、前記紐結び手段から前記紐仕上げ手段に受け渡された前記単位紐は、前記第1〜第4仕上げ保持手段により保持され、前記単位紐に仕上げを行うときには、前記単位紐の結び部は前記結び受け部材の前記受け部に収容され、前記カバー部材は、前記結び受け部材の前記受け部に収容された前記単位紐の前記結び部を覆うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項10に記載の紐結び装置では、前記紐仕上げ手段は、更に、前記単位紐の端部を切断するための端部切断手段を含み、前記第1仕上げ保持手段に関連して、前記単位紐の前記一端側保持部位の内側部位を保持するための第1補助保持手段が設けられているとともに、前記第2仕上げ保持手段に関連して、前記単位紐の前記他端側保持部位の内側部位を保持するための第2補助保持手段が設けられており、前記単位紐の一端側を仕上げるときには、前記第1仕上げ保持手段及び前記第1補助保持手段が前記単位紐の前記一端側を保持し、かかる保持状態において前記端部切断手段が前記単位紐の前記一端側を切断し、また前記単位紐の他端側を仕上げるときには、前記第2仕上げ保持手段及び前記第2補助保持手段が前記単位紐の前記他端側を保持し、かかる保持状態において前記端部切断手段が前記単位紐の前記他端側を切断することを特徴とする。
【0017】
更に、本発明の請求項11に記載の紐結び装置では、前記結び受け部材及び前記カバー部材は、上下方向に移動自在に支持されており、前記単位紐の両端側を仕上げるときには、前記単位紐の前記結び部が前記結び受け部材の前記受け部に収容された状態にて前記結び受け部材が上方に移動して前記単位紐の両端部が引っ張られた状態に保たれ、この引っ張られた状態において前記第1及び第2補助保持手段が前記単位紐の両端部を保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1に記載の紐結び装置によれば、紐供給域に紐供給手段が設けられ、単位紐供給域に単位紐供給手段が設けられ、紐結び域に紐結び手段が設けられ、紐仕上げ域に紐仕上げ手段が設けられているので、紐供給手段から供給される長い紐は、単位紐供給手段により所定長さの単位紐に切断され、この切断された単位紐は、紐結び手段により所要の通りに結ばれ、その後紐仕上げ手段により所要に仕上げられ、このように単位紐供給域、紐結び域及び紐仕上げ域を通して送られる間に紐を自動的に結ぶことができる。
また、単位紐供給手段は、紐供給域からの長い紐の先端側保持部位を保持するための第1供給保持手段と、長い紐の先端側保持部位よりも上流側に所定長さ離れた後端側保持部位を保持するための第2供給保持手段と、長い紐の先端上流側保持部位を保持するための第3供給保持手段と、長い紐の後端下流側保持部位を保持するための第4供給保持手段とを備えているので、この単位紐供給域において、第1〜第4供給保持手段によって長い紐の先端側を確実に保持することができ、また紐切断手段により切断することによって、所定長さの単位紐を生成することができる。
【0020】
また、本発明の請求項に記載の紐結び装置によれば、単位紐供給手段は、長い紐を引き出すための引出し手段と、長い紐の先端側を引出し手段に巻き付けるための巻付け保持手段とを含んでいるので、この巻付け保持手段により長い紐を引き出し手段に巻き付けることができ、また長い紐を巻き付けた引出し手段を移動させることにより、紐供給手段から長い紐を引き出すことができる。
【0021】
また、本発明の請求項に記載の紐結び装置によれば、巻付け保持手段の上方に紐案内部材が配設され、この紐案内部材の上方に第5供給保持手段が設けられているので、長い紐の先端側を切断する際に、第2及び第5供給保持手段により紐を保持することにより、紐切断手段により長い紐を確実に切断することができる。
【0022】
また、本発明の請求項に記載の紐結び装置によれば、第2供給保持手段と第4供給保持手段との間に撓み生成手段が設けられているので、この撓み生成手段により撓みを生成することにより、第2及び第4供給保持手段間に保持された紐の部位に所望の撓みを持たせることができる。
【0023】
また、本発明の請求項に記載の紐結び装置によれば、この紐結び装置における紐結び手段は、単位紐の一端側保持部位を保持するための第1結び保持手段と、単位紐の他端側保持部位を保持するための第2結び保持手段と、単位紐の一端上流側保持部位を保持するための第3結び保持手段と、単位紐の他端下流側保持部位を保持するための第4結び保持手段を備えているので、この紐結び域において、結ぶべき単位紐は第1〜第3紐結び保持手段により保持され、単位紐を確実に保持することができる。また、第2結び保持手段に関連して補助結び保持手段が設けられ、第1結び保持手段の移動により単位紐の一端側を補助結び保持手段に巻き付けて第1結び用ループを形成し、この第1結びループを形成した状態において、単位紐の他端側保持部位を第1結び用ループを通して第2結び保持手段から補助結び保持手段に移し換えることにより、単位紐に第1回目の結びを行うことができる。
【0024】
また、本発明の請求項に記載の紐結び装置によれば、単位紐の第1回目の結びの後に更に第1結び保持手段の移動により単位紐の一端側を第2結び保持手段に巻き付けて第2結び用ループを形成し、この第2結び用ループを形成した状態において、単位紐の他端側保持部位を第2結び用ループを通して補助結び保持手段から第2結び保持手段に移し換えることにより、単位紐に第2回目の結びを行うことができ、このようにして単位紐に掛結びを行うことができる。
【0025】
また、本発明の請求項に記載の紐結び装置によれば、第1結び保持手段と第2結び保持手段との間の下方に結び目強化手段が設けられ、この結び目強化手段は、相互に近接及び離隔する方向に移動自在に支持された一対の結び目強化部材を備えているので、第1〜第4結び保持手段により単位紐を保持した状態において、一対の結び目強化部材を相互に離隔する方向に移動されることにより、単位紐に施された掛結びの結び目を強く締めることができる。
【0026】
また、本発明の請求項に記載の紐結び装置によれば、結び目強化手段の一対の結び目強化部材は、紐結び域に突出して単位紐に作用する作用位置と紐結び域から後退する後退位置との間を移動自在であり、第1回目の結びを行うときには、一対の結び目強化部材は後退位置に保持されるので、第1回目の結びを所要の通りに行うことができ、また第2回目の結びを行うときには、一対の結び目強化部材は作用位置に保持されて第1回目の結び目の上側を覆うので、第2回目の結びを行う際に、第1回目の結びが邪魔になるのを防止することができる。
【0027】
また、本発明の請求項に記載の紐結び装置によれば、この紐結び装置における紐仕上げ手段は、単位紐の一端側保持部位を保持するための第1仕上げ保持手段と、単位紐の他端側保持部位を保持するための第2仕上げ保持手段と、単位紐の一端上流側保持部位を保持するための第3仕上げ保持手段と、単位紐の他端下流側保持部位を保持するための第4仕上げ保持手段とを備えているので、紐仕上げ域において結んだ単位紐を確実に保持することができる。また、この紐仕上げ手段は、受け部材及びカバー部材を有する結び受け手段を備えているので、単位紐の結び部は、結び受け部材の受け部に収容されてカバー部材により覆われ、これにより、単位紐の結び部を確実に保持することができるとともに、仕上げを施す際にこの結び部が邪魔になるのを防止することができる。
【0028】
また、本発明の請求項10に記載の紐結び装置によれば、紐仕上げ手段は、単位紐の一端側保持部位の内側部位を保持するための第1補助保持手段と、単位紐の他端側保持部位の内側部位を保持するための第2補助保持手段とを更に含み、単位紐の一端側を仕上げるときには、第1仕上げ保持手段及び第1補助保持手段が単位紐の前記一端側を保持するので、端部切断手段により単位紐の一端側を確実に切断することができ、また単位紐の他端側を仕上げるときには、第2仕上げ保持手段及び第2補助保持手段が単位紐の他端側を保持するので、端部切断手段により単位紐の他端側を確実に切断することができる。
【0029】
更に、本発明の請求項11に記載の紐結び装置によれば、単位紐の両端側を仕上げるときには、単位紐の結び部が結び受け部材の受け部に収容された状態にて結び受け部材が上方に移動して単位紐の両端部が引っ張られた状態に保たれるので、第1及び第2補助保持手段により単位紐の両端部を保持するときには、この引っ張られた状態でもって保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に従う紐結び装置の一実施形態を簡略的に示す全体図。
図2図1の紐結び装置における単位紐供給手段を簡略的に示す正面図。
図3図2の単位紐供給手段を示す側面図。
図4】単位紐供給手段において、長い紐の先端側を引出し手段に巻掛けたときの状態を示す図。
図5】単位紐供給手段において、引出し手段を移動させて長い紐を引き出したときの状態を示す図。
図6】単位紐供給手段において、引出し手段により引き出した紐を保持するときの状態を示す側面図。
図7図6の状態を示す正面図。
図8図6の状態から引出し手段を少し上昇させた状態を示す図。
図9】単位紐供給手段において、撓み生成手段により撓みを生成した状態を示す図。
図10】単位紐供給手段において、紐切断手段により長い紐を切断する状態を示す図。
図11】単位紐供給手段において、長い紐の先端側を切断した状態を示す図。
図12】単位紐供給手段において、引出し手段に巻掛けた紐を外すときの状態を示す図。
図13図1の紐結び装置における紐結び手段を簡略的に示す正面図。
図14図13の紐結び手段を示す側面図。
図15】単位紐供給手段から紐結び手段に単位紐を受け渡す状態を示す図。
図16】紐結び手段に単位紐を受け渡した状態を示す図。
図17図16の状態を示す側面図。
図18】紐結び手段において、第1結び用ループを形成するときの状態を示す図。
図19】第1結び用ループを形成するときの状態を上方から見た部分拡大図。
図20】第1結び用ループを形成した状態を上方から見た部分拡大図。
図21】紐結び手段において、第1回目の結びを行う前に撓みを形成する状態を示す図。
図22】紐結び手段において、第2結び保持手段から補助結び保持手段に単位紐を移し換える状態を示す図。
図23図22の移し換える状態を上方から見た部分拡大図。
図24】紐を移し換えた後の状態を上方から見た部分拡大図。
図25】紐結び手段において、第1回目の結びを行った後の状態を示す図。
図26】紐結び手段において、第2結び用ループを形成するときの状態を示す図。
図27】紐結び手段において、補助結び保持手段から第2結び保持手段に単位紐を移し換える状態を示す図。
図28図27の移し換える状態を上方から見た部分拡大図。
図29】紐を移し換えた後の状態を上方から見た部分拡大図。
図30】紐結び手段において、第2回目の結びを行った後の状態を示す図。
図31図1の紐結び装置における紐仕上げ手段を簡略的に示す正面図。
図32図32(a)は、紐仕上げ手段における結び受け部材の一部を拡大して示す平面図、図32(b)は、図32(a)におけるB−B線による部分拡大図断面図。
図33】紐結び手段から紐仕上げ手段に単位紐を受け渡すときの状態を示す図。
図34】紐仕上げ手段に単位紐を受け渡した状態を示す図。
図35】紐仕上げ手段において、結び受け部材を上方に移動させた状態を示す図。
図36】紐仕上げ手段において、端部切断手段により単位紐の他端側を切断する状態を示す図。
図37】紐仕上げ手段において、端部切断手段により単位紐の一端側を切断する状態を示す図。
図38】紐仕上げ手段において、単位紐の両端部を切断した後の状態を示す図。
図39】紐仕上げ手段において、単位紐を取り出す状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う紐結び装置の一実施形態について説明する。図1において、図示の紐結び装置は、長い紐H(例えば、長いゴム紐など)を供給するための紐供給手段2と、紐供給手段2から供給された長い紐Hを所定長さの単位紐h(図11及び図12参照)に切断して供給するための単位紐供給手段4(図2参照)と、単位紐hを所要の通りに結ぶための紐結び手段6(図13及び図14参照)と、結んだ単位紐を所要の通りに仕上げするための紐仕上げ手段8(図31参照)とを備えている。紐供給手段2は紐供給域Kに設けられ、単位紐供給手段4は単位紐供給域Tに設けられ、紐結び手段6は紐結び域Mに設けられ、紐仕上げ手段8は紐仕上げ域Sに設けられている。
【0032】
この実施形態では、紐結び装置は細長い本体フレーム10を備え、この本体フレーム10のベース部材12に複数のキャスタ14が取り付けられ、この本体フレーム10は、複数のキャスタ14を介して例えば工場の床面16に移動可能に設置される。紐供給手段2は、本体フレーム10から離れた個所(例えば、工場の床面16)に設置され、単位紐供給手段4、紐結び手段6及び紐仕上げ手段8は、本体フレーム10に所要の通りに取り付けられている。
【0033】
紐供給手段2からの長い紐Hは、紐供給域Kから単位紐供給域Tに供給される。この単位紐供給域Tにおいては、供給された長い紐Hは、単位紐供給手段4により所定長さに切断されて単位紐hとなり、この単位紐Hが単位紐供給域Tから単位紐結び域Mに供給される。この単位紐結び域Mにおいては、供給された単位紐hは、単位紐結び手段6により後述するように所要の通りに結ばれて結び部生成され、この結ばれた単位紐Hは、紐結び域Mから紐仕上げ域Sに送給される。また、紐仕上げ域Sにおいては、結ばれた単位紐hは、紐仕上げ手段8により後述する如く仕上げられ、このようにしてループ状に結ばれた紐製品、即ち結び紐hが製作され、単位紐供給域T(単位紐供給手段4)、紐結び域M(紐結び手段6)及び紐仕上げ域S(紐仕上げ手段8)を通して送給される間に結び紐hを自動的に製作することができる。
【0034】
この実施形態では、後に詳述するように、単位紐供給手段4は供給移動ユニット20を備え、この供給移動ユニット20は、一点鎖線の矢印22及び24で示すように、単位紐供給域Tと紐結び域Mとの間を往復移動可能に支持され、単位紐供給手段4により切断された単位紐hは、供給移動ユニット20に保持されて紐結び域Mに送給される。
【0035】
また、紐結び手段6は結び移動ユニット26を備え、この結び移動ユニット26は、一点鎖線矢印28及び30で示すように、紐結び域Mと紐仕上げ域Sとの間を往復移動可能に支持され、紐結び手段6により結ばれた単位紐hは、結び移動ユニット26に保持されて紐仕上げ域Sに送給される。
【0036】
まず、紐結び装置における紐供給手段2について説明すると、図示の紐供給手段2は、工場の床面16などに設置される支持設置フレーム32を備え、この支持設置フレーム32の一対の支持壁34(図1において片方のみ示す)間に、長い紐Hが巻かれた供給ロール36が回転自在に支持されている。この形態では、一対の支持壁34間に支持軸38が回転自在に支持され、この回転軸38に供給ロール36が一体的に回転するように取り付けられている。また、回転軸38には伝動歯車40が取り付けられ、伝動歯車40は、駆動源としての電動モータ42に駆動連結された駆動歯車44に駆動連結されている。従って、電動モータ42が所定方向に回動すると、駆動歯車44及び伝動歯車40を介して回転軸38が矢印46で示す供給方向に回動され、これによって、供給ロール36に巻かれた長い紐Hが、矢印48で示すように単位紐供給域Tに向けて送り出される。
【0037】
紐供給手段2と単位紐供給手段4との間には、紐送り機構50が設けられている。図示の紐送り機構50は、第1〜第3案内プーリ52,54,56及び案内軸58を含んでいる。本体フレーム10の一端部(図1において左端部)に補助フレーム60が設けられ、この補助フレーム60は、上方に延びる第1〜第4柱状部材62、64,66,68を有し、第1案内プーリ52は第1柱状部材62の上端部付近に回転自在に支持され、第2案内プーリ54は第2柱状部材64の上端部付近に回転自在に支持され、第3案内プーリ56は第3柱状部材66の上端部付近に回転自在に支持され、更に案内軸58は第4柱状部材68の上端部付近に取り付けられ、供給ロール36からの長い紐Hは、第1〜第3案内プーリ52〜56及び案内軸58に案内されて単位紐供給域Tに導かれる。
【0038】
この形態では、第1案内プーリ52と第2案内プーリ54との間において、供給ロール36から導出された長い紐Hの一部が下方に撓むように構成され、このように撓ませることによって、単位紐供給手段4の作用により長い紐Hを後述するように所定長さ送り出すことができる。そして、このこと関連して、補助フレーム60(例えば、第1柱状部材62)に上限検知センサ70及び下限検知センサ72が設けられる。上限検知センサ70は、長い紐Hの撓み部Htの上限レベルHLを検知し、この撓み部HtのU字状の底部が上限レベルHLまで上昇すると上限レベル信号を生成し、この上限レベル信号に基づいて紐供給手段2の電動モータ42が作動される。また、下限検知センサ72は、この撓み部Htの下限レベルLLを検知し、この撓み部Htの底部が下限レベルLLまで下がると下限レベル信号を生成し、この下限レベル信号に基づいて紐供給手段2の電動モータ42の作動が停止する。
【0039】
このように構成されているので、長い紐Hの撓み部Htの撓み量が小さくなると、上限検知センサ70の上限レベル信号に基づいて電動モータ42が作動され、供給ロール36が矢印46で示す供給方向に回動して長い紐Hが送り出され、またこの撓み量が大きくなると、下限検知センサ72の下限検知信号に基づいて電動モータ42が作動停止し、これによって、供給ロール36からの長い紐Hの送出しが停止し、このように作動制御されるので、第1案内プーリ52と第2案内プーリ54との間において長い紐Hの所定範囲の撓みが保たれる。
【0040】
次に、図2図12を参照して、紐結び装置の単位紐供給手段4について説明する。図2及び図3において、図示の単位紐供給手段4は、長い紐Hを保持するための第1〜第4供給保持手段72,74,76,78を具備し、第1〜第4供給保持手段72〜78は、横方向(図2において左右方向)に間隔をおいて配設された一対の供給保持部材80,82を備え、一対の供給保持部材80,82は、例えば空圧シリンダ機構などから構成される駆動源(図示せず)により相互に近接及び離隔する方向に移動される。第1供給保持手段72(第2〜第4供給保持手段74〜78)の駆動源が作動して一対の供給保持部材80,82が相互に近接する方向に移動すると保持状態(例えば、図10図11参照)となり、この保持状態においては、一対の供給保持部材80,82間に長い紐H(単位紐h)が挟持保持される。また、この駆動源(図示せず)が作動して一対の供給保持部材80,82が相互に離隔する方向に移動すると解除状態(例えば、図2及び図7参照)となり、この解除状態においては、一対の供給保持部材80,82による長い紐H(単位紐h)の保持が解除される。
【0041】
この単位紐供給手段4は、更に、長い紐Hを引き出すための引出し手段84及び長い紐Hを引出し手段84に巻き付けて保持するための巻付け保持手段86を備えている。図示の引出し手段84は、上下方向に移動自在に支持された引出し本体88と、この引出し本体88に支持軸90を介して回転自在に支持された引出しプーリ92とを有している。また、巻付け保持手段86は、第1〜第4供給保持手段72〜78と略同様に、一対の巻付け保持部材94,96を備え、一対の巻付け保持部材84,86は、例えば空圧シリンダ機構などから構成される駆動源(図示せず)により駆動され、相互に近接する方向に移動されて保持状態(例えば、図7参照)に、また相互に離隔する方向に移動されて解除状態(例えば、図8図11参照)に保持される。
【0042】
引出し手段84(引出しプーリ92)に関連して、紐外し部材98が設けられている。この紐外し部材98は、引出しプーリ92の前面側(図3において左側)に位置する外し位置(図3及び図12参照)と、引出しプーリ92の背面側(図3において右側)に位置する後退位置(図4図11参照)との間をこの引出しプーリ92の上方を通して移動自在に支持されている。
【0043】
また、巻付け保持手段86の上方には、引出し手段84に向けて下方に延びる紐案内部材100が設けられ、この紐案内部材100の上方に第5供給保持手段102が設けられている。紐案内部材100には上下方向に貫通して案内貫通孔104(図6参照)が設けられ、長い紐Hの先端側は、この案内貫通孔104を通して巻付け保持手段86に導かれる。また、第5供給保持手段102は、第1〜第4供給保持手段72〜78と同様に、横方向に間隔をおいて配設された一対の巻付け保持部材108,110(図6参照)を備え、一対の供給保持部材108,110は、例えば空圧シリンダ機構などから構成される駆動源(図示せず)により駆動され、相互に近接する方向に移動されて保持状態(例えば、図6、12参照)に、また相互に離隔する方向に移動されて解除状態に保持される。
【0044】
この単位紐供給手段4においては、第1供給保持手段72(一対の供給保持部材80,82)と第2供給保持手段74(一対の供給保持部材80,82)との上下方向の位置が相違していることに関連して、撓み生成手段112が設けられ、この撓み生成手段112は第2供給保持手段74と第4供給保持手段78との間に配設されている。図示の形態では、撓み生成手段112は撓み生成ロッド114から構成され、この撓み生成ロッド114は、例えば空圧シリンダ機構の如き駆動源により、長い紐Hの一部に作用する作用位置(図9に実線で示すとともに図10に示す位置)と、この一部から後退する非作用位置(例えば、図9に一点鎖線で示すとともに図2図7図8に示す位置)とに選択的に位置付けられる。
【0045】
この単位紐供給手段4は、更に、長い紐Hを単位紐hに切断するための紐切断手段116を備えている。紐切断手段116は刃部材118を備え、この刃部材118が作用することによって、長い紐Hの先端側を単位紐Hに切断することができる。この紐切断手段116は、長い紐Hに作用する切断位置(図10に示す位置)と、この長い紐Hから後退する後退位置(図2図4図5図7図9図11に示す位置)との間を移動可能に支持されている。
【0046】
この実施形態では、図2及び図3から理解される如く、第1〜第4供給保持手段72〜78及び撓み生成手段112が供給移動ユニット20に取り付けられ、第5供給保持手段102、紐案内部材100、紐切断手段116、引出し手段84及び巻付け保持手段86などが本体フレーム10側に取り付けられている。また、第1及び第4供給保持手段72〜78の供給保持部材80,82は前後方向後方に延び、第5供給保持手段102の供給保持部材108,110は横方向(図2において左方)に延び、また巻付け保持手段86の巻付け保持部材94,96は前後方向前方に延びている。
【0047】
次に、図2及び図3とともに図4図12を参照して、この単位紐供給手段4による単位紐の供給について説明する。単位紐供給域Tにおいて単位紐hを形成するには、まず、図4に示すように、紐外し部材98が外し位置(図3に示す位置)から引出し手段84の引出しプーリ92の上方を通って後退位置(図4に示す位置)に位置付けられる。
【0048】
次いで、巻付け保持手段86が、引出し手段84(引出しプーリ92)の片側(図4において左側)の第1の位置(図4において実線で示す位置)から矢印120で示す方向に引出しプーリ92の下側を通ってその他側(図4において右側)の第2の位置(図4において一点鎖線で示す位置)に旋回移動される。この巻付け保持手段86は、第1の位置に位置するときには上下方向において紐案内部材100と第2供給保持手段74(その一対の供給保持部材80,82)との間に位置し、第2の位置に位置するときには上下方向において紐案内部材100と第1供給保持手段72(その一対の供給保持部材80,82)との間に位置する。
【0049】
このとき、供給移動ユニット20は、引出し手段84から後退する後退位置(図3に示す位置)に位置しており、従って、旋回移動する巻付け保持手段84が第1及び第2供給保持手段72,74(一対の供給保持部材80,82)などに当接することがない。また、巻付け保持手段86(一対の巻付け保持部材94,96)が保持状態に保持されて長い紐Hの先端部を挟持保持し、更に第5供給保持手段102(一対の供給保持部材108,110)が解除状態に保持されているので、巻付け保持手段86が上述したように第2の位置まで旋回移動すると、この旋回移動に伴い、長い紐Hがその撓み部Ht(図1参照)から引き出され、図4に一点鎖線で示すように、長い紐Hの先端側が引出しプーリ92の一部に巻掛けられた状態となる。
【0050】
このように巻掛けられた後、図5に示すように、引出し手段84(引出しプーリ92)が一点鎖線で示す位置から巻付け保持手段86から離れる方向に矢印124で示す下方に移動され、図5に実線で示す引出し位置まで下降される。このときにおいても、第5供給保持手段102が解除状態に保持されているので、この引出し手段84の下降に伴い長い紐Hの先端側が引き出され、その引出しが紐案内部材100の案内貫通孔104を通してスムースに行われる。
【0051】
その後、図6及び図7に示すように、供給移動ユニット20が後退位置(図6に一点鎖線で示す位置)から矢印126で示す方向に前後方向後方に保持位置(図6に実線で示す位置)まで移動される。このとき、第1〜第4供給保持手段72〜78が解除状態に保持されているので、このように供給移動ユニット20が保持位置まで移動すると、長い紐HのU字状部の先端側(一端側)は、第1及び第3供給保持手段72,74の一対の供給保持部材80,82の間に位置し、その他端側(他端側)は、第2及び第4供給保持手段74,78の一対の供給保持部材80,82の間に位置する(図7参照)。
【0052】
そして、このような状態において、図7に示すように、第1及び第2供給保持手段72,74が保持状態に保持され、第1供給保持手段72(一対の供給保持部材80,82)は長い紐Hの先端側保持部位(具体的には、巻付け保持手段86により保持された部位よりも幾分上流側の部位)を挟持保持し、また第2供給保持手段74(一対の供給保持部材80,82)は、この先端側保持部位よりも上流側に所定長さ離れた後端側保持部位(具体的には、紐案内部材100の案内貫通孔104を通して下方に延びる部位であって、この紐案内部材100の下端面よりも幾分下方の部位)を挟持保持する。これにより長い紐Hの引出し動作が終了するので、第5供給保持手段102は解除状態から保持状態となり、一対の供給保持部材108,110は長い紐Hを挟持保持する。尚、この第5供給保持手段102による長い紐Hの保持は、長い紐Hの後述する切断動作までに行うようにすればよい。
【0053】
次に、図8に示すように、引出し手段84(引出しプーリ92)が幾分上昇され、これにより、長い紐Hの先端部(U字状の部分)の引張り状態が解消されて自重により垂れ下がる状態となり、第1及び第2供給保持手段72,74は、長い紐Hのこのような状態の先端側(先端側保持部位及び後端側保持部位)を保持する。このとき、巻付け保持手段86は解除状態となり、一対の巻付け保持部材94,96による長い紐Hの保持状態が解除される。尚、この巻付け保持手段86による長い紐Hの解除は、供給移動ユニット20が紐結び域Mに向けて移動するまでに行うようにすればよい。
【0054】
その後、図9に示すように、撓み生成手段112の撓み生成部材114が一点鎖線で示す非作用位置から矢印126で示す外側(図9において左側)に作用位置に移動される。このように移動すると、この撓み生成部材114が長い紐Hの一部(具体的には、後端側保持部位よりも幾分下流側の部位)に作用して外側に湾曲した撓み部が生成され、このように撓み部を生成することによって、長い紐Hにおける第2供給保持手段74に保持される後端側保持部位(単位紐hの他端側保持部位)と第4供給保持手段78に保持される後端下流側保持部位(単位紐hの他端下流側保持部位)の間に撓みが生成され、かかる部位の長さにゆとりを持たせることができる。
【0055】
このように撓みをつくった後に、長い紐Hの切断が行われる。即ち、図10に示すように、紐切断手段116が後退位置(図7図9に示す位置)から矢印128で示す方向に切断位置(図10に示す位置)まで移動される。かくすると、紐切断手段116の刃部材118が長い紐Hに作用して切断し、このようにして所定長さの単位紐h(図10参照)が生成される。このとき、第5供給保持手段102及び第2供給保持手段74が保持状態に保たれているので、長い紐Hの所定部位(具体的には、紐案内部材100と第2供給保持手段74との間の部位)を確実に切断することができる。
【0056】
長い紐Hの切断後、図11に示すように、第3供給保持手段76が保持状態となり、長い紐H(換言すると、切断された単位紐h)における先端側保持部位(第1供給保持手段72により保持された保持部位)よりも上流側(後端側)の先端上流側保持部位を挟持保持し、また第4供給保持手段78が保持状態となり、長い紐H(換言すると、切断された単位紐h)における後端側保持部位(第2供給保持手段74により保持された保持部位)よりも下流側(先端側)の後端下流側保持部位を挟持保持し、切断された単位紐hは、第1〜第4供給保持手段72〜78によって、先端側保持部位、後端側保持部位、先端上流側保持部位及び後端下流側保持部位の4箇所で保持され、この保持状態においては、単位紐h(長い紐H)における第2及び第4供給保持手段74,78の間の部位にて撓み部が存在する。尚、第3及び第4供給保持手段76,78による挟持保持は、撓み生成手段112により撓みを生成した後であって紐切断手段116による切断前の段階で行うようにしてもよい。
【0057】
更に、紐切断手段116が切断位置から後退位置に移動し、また撓み生成部材114が作用位置(図10に示す位置)から非作用位置(図11に示す位置)に後退し、このようにして長い紐Hから所定長さの単位紐hが生成され、このように製作された単位紐hが、次の紐結び域M(紐結び手段6)に送給される。
【0058】
紐結び域Mに向けて送給する際には、図12に示すように、引出し手段84の紐外し部材98が後退位置(例えば、図11参照)から引出しプーリ92の上方を通って外し位置に移動される。このように移動すると、この移動の際に紐外し部材98が単位紐hのU字状の底部に作用し、これによって、単位紐Hの底部が外側(前後方向前方)に移動され、このようにして単位紐hが引出しプーリ92から確実に外される。
【0059】
その後、図12に一点鎖線で示すように、供給移動ユニット20が実線で示す保持位置から矢印130で示す方向に一点鎖線で示す後退位置まで移動され、このようにして後退位置まで戻った後に、第1〜第4供給保持手段72〜78に保持された単位紐hが、供給移動ユニット20の移動によって、単位紐供給域Tから紐結び域Mに送給される。
【0060】
次に、図13図30を参照して、単位紐hを所要の通りに結ぶための紐結び手段6について説明する。図13及び図14において、図示の紐結び手段6は、単位紐hを保持するための第1〜第4結び保持手段142,144,146,148を具備している。第1〜第4結び保持手段142〜148は、上述した第1〜第4供給保持手段72〜78と略同様の構成であり、一対の結び保持部材150,152を備え、第1及び第2結び保持手段142,144の結び保持部材150,152は、前後方向(図13において紙面に対して垂直な方向、図14において左右方向)に間隔をおいて配設され、横方向(図13において右方向、図14において左右方向)に延びている。また、第3及び第4結び保持手段146,148の結び保持部材150,152は、横方向(図13において左右方向、図14において紙面に対して垂直な方向)に間隔をおいて配設され、前後方向(図13において紙面に対して垂直な方向、図14において左右方向)前方に延びている。
【0061】
第1〜第4結び保持手段142〜148の一対の結び保持部材150,152は、例えば空圧シリンダ機構などから構成される駆動源(図示せず)により相互に近接及び離隔する方向に駆動される。第1結び保持手段142(第2〜第4結び保持手段144〜148)の駆動源が作動して一対の結び保持部材150,152が相互に近接する方向に移動すると保持状態(例えば、図16図24参照)となり、この保持状態においては、一対の結び保持部材150,152は単位紐hを挟持保持する。また、この駆動源(図示せず)が作動して一対の結び保持部材150,152が相互に離隔する方向に移動すると解除状態(例えば、図13図15参照)となり、この解除状態においては、一対の結び保持部材150,152による単位紐hの保持が解除される。
【0062】
この紐結び手段6は、第2結び保持手段144に関連して、更に、補助結び保持手段154を備え、この補助結び保持手段154は、第1〜第4結び保持手段142〜148と同様に、前後方向に間隔をおいて配設された一対の補助結び保持部材156,158を有し、一対の補助結び保持部材156,158が第2結び保持手段144の一対の結び保持部材150,152に向けて横方向(図13において左方向)に延びている。この補助結び保持手段154の一対の補助結び保持部材156,158は、第1〜第4結び保持手段144〜148と同様に、駆動源(図示せず)の作動により相互に近接する方向に移動すると保持状態(例えば、図24参照)となって単位紐hを挟持保持し、またこの駆動源(図示せず)の作動により相互に離隔する方向に移動すると解除状態(例えば、図17図19及び図20参照)となって単位紐hの保持を解除する。
【0063】
この紐結び手段6は、更に、第1及び第2結び保持手段142,144の間の下方に配設された結び目強化手段160を含んでいる。この結び目強化手段160は、横方向に相互に近接及び離隔する方向に移動される一対の結び目強化部材162,164を有し、一対の結び目強化部材162,164は前後方向前方に延びている。一対の結び目強化部材162,164は、空圧リンダ機構の如き駆動源によって、単位紐hの内側に位置する非作用位置(例えば、図13図15図16及び図18参照)と単位紐hに作用してその結び目を引っ張る作用位置(図30に一点鎖線で示す位置)の間を移動する。
【0064】
尚、この実施形態では、図13及び図14から理解される如く、第1〜第4結び保持手段142〜148、補助結び保持手段154、結び強化手段160が結び移動ユニット26に取り付けられている。
【0065】
次いで、図13及び図14とともに図15図30を参照して、この紐結び手段6による紐の結び動作について説明する。単位紐供給域Tにて形成された単位紐hは、供給移動ユニット20が単位紐供給域Tから紐結び域Mに移動することによって、第1〜第4供給保持手段72〜78に保持された状態で紐結び域Mに送給される。供給移動ユニット20が紐結び域Mに移動されると、この供給移動ユニット20が後退位置から保持位置に移動し、供給移動ユニット20に保持された単位紐hの紐結び手段6(結び移動ユニット26)への受け渡しが行われる。
【0066】
供給移動ユニット20が紐結び域Mに移動して更に保持位置まで移動されると、図15に示すように、単位紐hにおける第1供給保持手段72から突出する部位(即ち、保持状態の一対の供給保持部材80,82から突出する先端側部位)が第1結び保持手段142の一対の結び保持部材150,152間に位置付けられ、単位紐hにおける第2供給保持手段74から突出する部位(即ち、保持状態の一対の供給保持部材80,82から突出する後端側部位)が第2結び保持手段144の一対の結び保持部材150,152間に位置付けられ、また単位紐hにおける第3供給保持手段76から上方に延びる部位(即ち、保持状態の一対の供給保持部材80,82から上方に延びる先端上流側部位)が第3結び保持手段146の一対の結び保持部材150,152間に位置付けられ、更に、単位紐hにおける第4供給保持手段78から上方に延びる部位(即ち、保持状態の一対の供給保持部材80,82から上方に延びる後端下流側部位)が第4結び保持手段148の一対の結び保持部材80,81間に位置付けられる。
【0067】
そして、第1及び第2結び保持手段142,144が保持状態に保持され、第1結び保持手段142(一対の結び保持部材150,152)が単位紐hの一端側保持部位(先端側保持部位)を保持し、第2結び保持手段144(一対の結び保持部材150,152)が単位紐hの他端側保持部位(後端側保持部位)を挟持保持し、このようにして単位紐hの先端側及び後端側が紐結び手段6側に受け渡され、このように受け渡された後に、第1及び第2供給保持手段72,74が解除状態となる。
【0068】
単位紐hの先端側及び後端側が受け渡された後に、供給移動ユニット20側の第3及び第4供給保持手段76,78が解除状態となり、第3及び第4供給保持手段76,78による保持が解除される。そして、この状態において、図16及び図17に示すように、第1結び保持手段142が背面側に移動されるとともに、第2結び保持手段144が外側(図16において左側)に移動され、このようにして単位紐hの一端側(先端側)とその他端側(後端側)との間にスペースが生成される。
【0069】
その後、第3及び第4結び保持手段146,148が保持状態となり、第3結び保持手段146(一対の結び保持部材150,152)が単位紐hの一端上流側保持部位(先端上流側保持部位)を挟持保持し、また第4結び保持手段148(一対の結び保持部材150,152)が単位紐hの他端下流側保持部位(後端下流側保持部位)を挟持保持し、このようにして単位紐hの一端上流側保持部位及び他端下流側部位も紐結び手段6側に受け渡され、かくして、単位紐h全体が単位紐供給手段4から紐結び手段6に受け渡され、このように受け渡された後に、第3及び第4供給保持手段76,78が解除状態となる。尚、このように単位紐hの受け渡しが終了すると、供給移動ユニット20は、保持位置から後退位置に移動した後に紐結び域Mから単位紐供給域Tに戻る。
【0070】
このようにして単位紐hが紐結び手段6(第1〜第4結び保持手段142〜148)に受け渡された後に、この単位紐hの結び動作が補助結び保持手段154を利用して行われる。第1〜第4結び保持手段142〜148に保持された単位紐hを結ぶには、図18及び図19に示すように、後方に移動した第1結び保持手段142(一対の結び保持部材150,152)が更に下方に移動される。このように下方に移動すると、単位紐hの先端側(第1及び第3結び保持手段142,146間の部位)が補助結び保持手段154の一対の補助結び保持部材156,158に上側から巻き掛けられた状態となる。そして、この状態から第1結び保持手段(一対の結び保持部材150,152)が更に矢印166で示す方向(図19において時計方向)に回動され、かく回動されると、図20で示すように、単位紐hの先端側は補助結び保持手段154の一対の補助結び保持部材156,158に巻き掛けられて第1結び用ループR1が生成される。
【0071】
このように第1結び用ループR1が形成された後、図21に示すように、単位紐hの両端部(第1及び第3結び保持手段142,146間の部位並びに第2及び第4結び保持手段144,148間の部位)に撓みが形成され、この撓み形成に結び目強化手段160が用いられる。即ち、補助結び保持手段154が下方に移動されて第1結び用ループR1に撓みが生成され、その後、結び目強化手段160(一対の結び目強化部材162,164)が後退位置(図14図18に示す位置であって、単位紐hに作用しない位置)から前後方向前方に移動した作用位置(図21に示す位置)に移動され、一対の結び目強化部材162,164が相互に離隔する方向に両側に移動される。このように一対の結び目強化部材162,164が移動すると、一方の結び目強化部材162が単位紐hの先端側(第1及び第3結び保持手段142,146間の部位)に作用して外側に拡げて撓まし、また他方の結び目強化部材164が単位紐hの他端側(第2及び第4結び保持手段144,148間の部位)に作用して外側に拡げて撓まし、このようにして単位紐hの両端部に撓みが生成され、この撓みを生成するときには、第3及び第4結び保持手段146,148は解除状態に保たれる。この撓み生成後、第3及び第4結び保持手段146,148が保持状態となって単位紐Hを保持するとともに、一対の結び目強化部材162,164が相互に近接する方向に移動して閉じた状態となり、この閉じた状態にて上記作用位置から後方に後退位置まで後退する。
【0072】
このように撓みを生成した後に、第1回目の結び動作が行われる。図22及び図23に示すように、第2結び保持手段144が補助結び保持手段154側に向けて移動し、第2結び保持手段144の一対の結び保持部材150,152が補助結び保持部材156,158の上側にてこれらの間に挿入され、このように挿入された状態では、図23で示すように、第2結び保持手段144に保持された単位紐hの他端部は一対の補助結び保持部材156,158間を通して上方に延びるようになる。
【0073】
尚、この実施形態では、第1結び用ループR1を生成するときに補助結び保持手段154の一対の補助結び保持部材156,158が開いた解除状態に保たれているが、第2結び保持手段144の一対の結び保持部材150,152を補助結び保持手段154に向けて移動する前の段階で一対の補助結び保持部材156,158を解除状態に保持するようにしてもよい。
【0074】
その後、図24に示すように、補助結び保持手段154が保持状態となって一対の補助結び保持部材156,158が第1結び用ループR1を通して単位紐hの他端部を挟持保持し、第2結び保持手段144(一対の結び保持部材150,152)から補助結び保持手段154(一対の補助結び保持部材156,158)への単位紐hの他端部の受け渡しが行われる。尚、このように受け渡しが行われた後、第2結び保持手段144は後退して元の位置に戻される。
【0075】
そして、図25に示すように、第1結び保持手段142が回りながら第2結び保持手段144の方向(図25において左方)に移動されるとともに、補助結び保持手段154が後方(図25において右方)に移動する。第1結び保持手段142が移動すると、その一対の結び保持部材150,152間に保持された単位紐hの一端部(先端部)と一対の補助結び保持部材156,158間に保持された単位紐hの他端部(後端部)とが、第1結び用ループR1を通して相互に離れる方向に引っ張られ、このように引っ張られることにより、第1回目の結び目M1が形成される。尚、このとき、結び目強化手段160が後退位置に保持されているので、結ぶ際にこの単位紐hの一部が結び目強化手段160に引っ掛かるなどすることはない。
【0076】
次いで、第2結び保持手段144を利用して第2回目の結び動作が行われる。図26に示すように、第2回目の結び動作の際、保持状態に保持された結び目強化手段160は、後退位置から前後方向前方に作用位置に移動される。かくすると、結び目強化手段160の一対の結び目強化部材162,164は、単位紐hの第1回目の結び目M1の上側にて前方に突出し、一対の結び目強化部材162,164は、この結び目M1が上方に動くのを抑えるように作用する。
【0077】
第2回目の結び動作においては、まず、第1結び保持手段142(一対の結び保持部材150,152)が時計方向に回りながら下方に移動し、図26に示すように、単位紐hの一端側(先端側)が第2結び保持手段144の一対の結び保持部材150,152を跨ぐようにして上側から巻き掛けられた状態となる。そして、この状態から第1結び保持手段142(一対の結び保持部材150,152)が更に矢印172で示す方向(図28において反時計方向)に回動され、かく回動されると、図28で示すように、単位紐hの先端側は第2結び保持手段144の一対の結び保持部材150,152に巻き掛けられて第2結び用ループR2が生成される。
【0078】
このように第2結び用ループR2が形成された後、図27及び図28に示すように、補助結び保持手段154が第2結び保持手段144側に向けて移動し、その一対の補助結び保持部材156,158が第2結び保持手段144の結び保持部材150,152の下側にてこれらの間に挿入され、このように挿入された状態では、図28で示すように、補助結び保持手段154に保持された単位紐hの他端部は、一対の第2結び保持手段144の結び保持部材150,152間を通して上方に突出するようになる。
【0079】
尚、この実施形態では、第2結び用ループR2を生成するときに第2結び保持手段144の一対の結び保持部材150,152が開いた解除状態に保たれているが、補助結び保持手段154の一対の補助結び保持部材156,158が第2結び保持手段144に向けて移動する前の段階で一対の結び保持部材150,152を解除状態に保持するようにしてもよい。
【0080】
その後、図29に示すように、第2結び保持手段144が保持状態となって一対の結び保持部材150,152が第2結び用ループR2を通して単位紐hの他端部を挟持保持し、補助結び保持手段154(一対の補助結び保持部材156,158)から第2結び保持手段144(一対の結び保持部材150,152)への単位紐hの他端部の受け渡しが行われ、元の保持状態に戻される。尚、このように受け渡しが行われた後、補助結び保持手段154は後退して元の位置に戻される。
【0081】
その後、図30に示すように、第1結び保持手段142が回りながら外側(図30において右方)に図30に一点鎖線で示す引張り位置まで移動するとともに、第2結び保持手段144が外側に図30に一点鎖線で示す引張り位置まで後退する。第1結び保持手段142が上述したように移動すると、第1結び保持手段142の一対の結び保持部材150,152間に保持された単位紐hの一端部(先端部)と第2結び保持手段144の一対の結び保持部材150,152間に保持された単位紐hの他端部(後端部)とが、第2結び用ループr2を通して相互に離れる方向に引っ張られ、このように引っ張られることにより、結び目強化手段160の一対の結び目強化部材162,164の上側にて第2回目の結び目M2が形成され、このようにして単位紐hに掛結びを施すことができる。
【0082】
このように掛結びを行った後、その結び目を強くするために結び力のアップが行われる。即ち、第1及び第2結び保持手段142,144が引張り位置に保持された状態において、結び目強化手段160が後退位置まで後退し、下側に下がった後に再び作用位置に位置付けられ、このように移動して一対の結び目強化部材162,164が単位紐hの掛結び部MPの下側に挿入される。そして、このような挿入状態において、一対の結び目強化部材162,164が上方に移動された後に相互に離隔する方向に外側に移動される。かくすると、単位紐hの一端側(先端側)が第1結び保持手段142により引っ張られ且つその先端上流側保持部位が第3結び保持手段146により挟持保持された状態において、単位紐hの掛結び部と先端上流側保持部位との間の部位が外側(図30において右側)に引っ張られ、また単位紐hの他端側(後端側)が第2結び保持手段144により引っ張られ且つその後端下流側保持部位が第4結び保持手段148により挟持保持された状態において、単位紐hの掛結び部と後端下流側保持部位との間の部位が外側(図30において左側)に引っ張られ、このように引っ張ることによって、単位紐hの結び部MPに引張り力を加えてその結び目を強くすることができる。
【0083】
このように単位紐hの結び目を強くした後、結び目強化手段160の一対の結び目強化部材162,164が相互に近接する方向に移動して閉じられる。そして、第1及び第2結び保持手段142,144が図30に示すよう両側に移動した状態、即ち、単位紐hを引張った状態(このとき、第3及び第4結び保持手段146,148は保持状態に保持されている)で、結び移動ユニット26の移動によって、単位紐hが紐結び域Mから紐仕上げ域Sに送給される。
【0084】
次に、図31図39を参照して、掛結びした単位紐hを所要の通りに仕上げるための紐仕上げ手段8について説明する。図31において、図示の紐仕上げ手段8は、掛結びした単位紐hを保持するための第1〜第4仕上げ保持手段182,184,186,188を具備している。第1〜第4仕上げ保持手段182〜188は、上述した第1〜第4供給保持手段72〜78と略同様の構成であり、一対の仕上げ保持部材190,192を備えている。第1及び第2紐仕上げ手段182,184の仕上げ保持部材190,192は、上下方向に(図31において上下方向)に間隔をおいて配設され、前後方向(図31において紙面に対して垂直な方向)前方に延びている。また、第3及び第4仕上げ保持手段186,188の仕上げ保持部材190,192は、横方向(図31において左右方向)に間隔をおいて配設され、前後方向前方に延びている。
【0085】
第1〜第4仕上げ保持手段182〜188の一対の仕上げ保持部材190,192は、例えば空圧シリンダ機構などから構成される駆動源(図示せず)により相互に近接及び離隔する方向に駆動される。第1仕上げ保持手段182(第2〜第4仕上げ保持手段184〜188)の駆動源が作動して一対の仕上げ保持部材190,192が相互に近接する方向に移動すると保持状態(例えば、図34図37参照)となり、この保持状態においては、一対の仕上げ保持部材190,192は単位紐hを挟持保持する。また、この駆動源(図示せず)が作動して一対の仕上げ保持部材190,192が相互に離隔する方向に移動すると解除状態(例えば、図31図33図39参照)となり、この解除状態においては、一対の仕上げ保持部材190,192による単位紐hの保持が解除される。
【0086】
この紐結仕上げ手段8は、更に、第1仕上げ保持手段182に関連して設けられた第1補助保持手段194と、第2仕上げ保持手段184に関連して設けられた第2補助保持手段196とを備えている。第1補助保持手段194は、第1仕上げ保持手段182の横方向内側に配設され、上下方向に間隔をおいて配設された一対の第1補助保持部材198,200を有している。また、第2補助保持手段196は、第2仕上げ保持手段184の横方向内側に配設され、上下方向に間隔をおいて配設された一対の第2補助保持部材202,204を有している。第1及び第2補助保持手段194,196の第1及び第2補助保持部材198〜204は、前後方向前方に延びており、第1〜第4結び保持手段144〜148と同様に、駆動源(図示せず)の作動により相互に近接する方向に移動すると保持状態(例えば、図236図38参照)となって単位紐hを挟持保持し、またこの駆動源(図示せず)の作動により相互に離隔する方向に移動すると解除状態(例えば、図31図33図34及び図38図39参照)となって単位紐hの保持を解除する。
【0087】
この紐仕上げ手段8は、更に、第1及び第2仕上げ保持手段182,184に関連してこれらの間に配設された結び受け手段206と、掛結びされた単位紐hの両端部を切断するための端部切断手段208を含んでいる。図32をも参照して、結び受け手段206は、単位紐hの結び部MPを受け入れるための受け凹部210を有する結び受け部材212と、この結び受け部材212の受け凹部210を覆うためのカバー部材214とを備えている。結び受け部材212の受け凹部210は、底部に向けて前後方向の幅が漸減する逆台形状に形成され、受け凹部210を規定する両側壁214、216には略矩形状の切欠き218,220が形成され、これら切欠き218,220の開口部は弧状に拡がっている。かかる結び受け部材212及びカバー部材214は、後述するように上下方向に移動可能に支持されている。
【0088】
また、端部切断手段208は刃部材224を備え、この刃部材224を作動させて単位紐hの両端部を切断することができる。この紐切断手段208は、単位紐hの他端部に作用する切断位置(図36及び図37で一点鎖線208Aで示す第1切断位置、図37で実線で示す第2切断位置)と、この切断位置から上方に後退する後退位置(例えば、図31図33図35に示す第1後退位置、図37に一点鎖線208Bで示す第2後退位置)との間を移動可能に支持されている。
【0089】
この紐仕上げ手段8では、図31から理解される如く、第1〜第4仕上げ保持手段182〜188が仕上げ移動ユニット232に取り付けられ、第1及び第2補助保持手段194,196、結び受け手段206及び端部切断手段208が本体フレーム10側に取り付けられ、この仕上げ移動ユニット232は、紐仕上げを行う仕上げ位置とこの仕上げ位置から後退する後退位置との間を前後方向(図31において紙面に対して垂直な方向)に移動自在に支持されている。
【0090】
次いで、図31及び図32とともに図33図39を参照して、この紐仕上げ手段8による紐の仕上げ動作について説明する。紐結び域Mにて掛結びされた単位紐hは、結び移動ユニット26が紐結び域Mから紐仕上げ域Sに移動することによって、第1〜第4結び保持手段142〜148に保持された状態で紐仕上げ域Sに送給される。結び移動ユニット26が紐仕上げ域Sに移動されると、仕上げ移動ユニット232が後退位置から紐仕上げ位置に移動して結び移動ユニット26に保持された単位紐hの仕上げ移動ユニット232への受け渡しが行われる。
【0091】
結び移動ユニット26が紐仕上げ域Sまで移動されると、仕上げ移動ユニット232が後退位置から紐仕上げ位置に移動して図33に示す状態となる。この状態においては、第1結び保持手段142の結び保持部材150,152により保持されて引っ張られた単位紐hの一端側(即ち、結び保持部材150,152に保持された一端側部位と結び部Mpとの間の一端側保持部位)が第1仕上げ保持手段182の一対の仕上げ保持部材190,192間に位置付けられ、第2結び保持手段144の結び保持部材150,152により保持されて引っ張られた単位紐hの他端側(即ち、結び保持部材150,152に保持された多端側部位と結び部Mpとの間の他端側保持部位)が第2仕上げ保持手段184の一対の仕上げ保持部材190,192間に位置付けられる。また、また単位紐hにおける第3結び保持手段146から上方に延びる部位(即ち、保持状態の一対の結び保持部材150,152と結び部MPとの間の一端上流側部位)が第3仕上げ保持手段146の一対の仕上げ保持部材150,152間に位置付けられ、更に、単位紐hにおける第4結び保持手段148から上方に延びる部位(即ち、保持状態の一対の結び保持部材150,152に保持された保持部位と結び部MPとの間の他端下流側部位)が第4仕上げ保持手段188の一対の結び保持部材190,192間に位置付けられる。
【0092】
そして、図34に示すように、第1〜第4仕上げ保持手段182〜188が保持状態に保持され、第1仕上げ保持手段182(一対の仕上げ保持部材190,192)が単位紐hの一端側保持部位(先端側保持部位)を保持し、第2仕上げ保持手段184(一対の仕上げ保持部材190,192)が単位紐hの他端側保持部位(後端側保持部位)を挟持保持し、また、第3仕上げ保持手段186(一対の仕上げ保持部材190,192)が単位紐hの一端上流側保持部位(先端上流側保持部位)を挟持保持し、更に第4仕上げ保持手段188(一対の仕上げ保持部材190,192)が単位紐hの他端下流側保持部位(後端下流側保持部位)を挟持保持し、このようにして単位紐hが紐仕上げ手段8側に受け渡される。このように受け渡された後に、紐結び手段6の第1〜第4結び保持手段142〜148が解除状態となり、その後、結び移動ユニット26が紐仕上げ域Sから紐結び域Mに戻される。
【0093】
このようにして単位紐hの受け渡しが行われた後に、掛結びされた単位紐hの仕上げ(この形態では、単位紐hの両端部の切り落とし)が行われる。まず、結び受け手段206(結び受け部材212及びカバー部材214)が前後方向前方に移動して受け位置に位置付けられ、この受け位置において、結び受け部材が、図35に示すように上方に上昇位置まで上昇される。かく上昇位置まで移動すると、単位紐hの結び部MPが結び受け部材212の受け凹部210に受け入れられて上方に持ち上げられ、その結び部MPの両側部位は受け凹部210の切欠き218,220を通して両側に引っ張られた状態となる。そして、カバー部材214が下方に下がり、結び部MPが収容された結び受け部材212の受け凹部210がこのカバー部材214により覆われ、このように覆うことにより、単位紐hの結び部MPの受け凹部210から離脱が防止される。
【0094】
その後、カバー部材214により覆われた状態にて、結び受け部材212が受け位置から後方に切断位置まで移動する。かく移動すると、単位紐hの先端側(受け凹部210に受け入れられた結び部MPと第1仕上げ保持手段182に保持された先端側保持部位との間の部位であって、先端側保持部位の内側部位)が第1補助保持手段194の一対の第1補助保持部材198,200の間に位置し、また単位紐hの他端側(受け凹部206に受け入れられた結び部MPと第2仕上げ保持手段184に保持された後端側保持部位との間の部位であって、後端側保持部位の内側部位)が第2補助保持手段196の一対の第2補助保持部材202,204の間に位置する。
【0095】
次に、図36で示すように、第1及び第2補助保持手段119,196が保持状態となり、一対の第1補助保持部材198,200が単位紐hの先端側保持部位(第1仕上げ保持手段182により保持された一端側保持部位)の内側部位を保持するとともに、一対の第2補助保持部材202,204が単位紐hの後端側保持部位(第2仕上げ保持手段184により保持された他端側保持部位)の内側部位を保持し、このような保持状態では、単位紐hの先端側(第1仕上げ保持手段182及び第1補助保持手段194の間の部位)及び他端側(第2仕上げ保持手段184及び第2補助保持手段196間の部位)は、引っ張られた状態に保たれる。
【0096】
かかる状態において、端部切断手段208が第1後退位置(図36に実線で示す位置)から下方に第1切断位置(図36に一点鎖線208Aで示す位置)に下降する。このように下がると、端部切断手段208の刃部材224が単位紐hの他端側に作用して切断し、単位紐hの他端側の余分な部分が切り落とされる(これにより、単位紐hの結び部MPから他端までの長さを所定長さにすることができる)。
【0097】
このとき、単位紐hにおける、第2仕上げ保持手段184及び第2補助保持手段196により保持された部位が引っ張られた状態に保たれているので、この端部切断手段208により確実に切断することができる。そして、このように切断した後、第2仕上げ保持手段184(一対の仕上げ保持部材190,192)が解除状態になり、単位紐hの他端側の切れ端が第2仕上げ保持手段184から落下する。
【0098】
単位紐hの切れ端を所要の通りに取り除いて回収するために、この紐仕上げ域Sにエアー吹付け手段(図示せず)を設けるようにしてもよい。この場合、エアー吹付け手段のエア−ノズル(図示せず)を単位紐hの他端側(例えば、これを保持する第2仕上げ保持手段184の仕上げ保持部材190,192)に向けて配置し、エアーノズルから噴出されるエアーの流れでもって、単位紐hの切れ端を所定方向に落下させて例えば回収容器(図示せず)に回収することができる。
【0099】
その後、端部切断手段208により単位紐hの先端側の切り落としが行われる。即ち、図37に示すように、端部切断手段208が、上記第1切断位置(一点鎖線208Aで示す)から矢印234で示す上方に第1後退位置(一点鎖線208で示す)に移動され、次いで矢印236で示す方向(第1仕上げ保持手段182の配設された方向)に第2後退位置(一点鎖線208Bで示す位置)に移動され後に矢印238で示す下方に第2切断位置(実線208Cで示す位置)に移動される。このように第2切断位置まで移動すると、端部切断手段208の刃部材224が単位紐hの一端側に作用して切断し、単位紐hの一端側の余分な部分も切り落とされる(これにより、単位紐hの結び部MPから一端までの長さを所定長さにすることができる)。
【0100】
このとき、単位紐hにおける、第1仕上げ保持手段182及び第1補助保持手段194により保持された部位が引っ張られた状態に保たれているので、この端部切断手段208により確実に切断することができる。このように切断した後、第1仕上げ保持手段182(一対の仕上げ保持部材190,192)が解除状態になり、単位紐hの一端側の切れ端が第1仕上げ保持手段182から落下する。尚、この切断後に、端部切断手段208は、矢印240で示す方向に第2後退位置(一点鎖線208Bで示す位置)まで上昇した後に矢印242で示す横方向に第1後退位置(一点鎖線208で示す位置)に戻る。
【0101】
単位紐hの切れ端を所要の通りに取り除いて回収するために、上述したエアー吹付け手段(図示せず)を利用するようにしてもよく、この場合、エアー吹付け手段のエア−ノズル(図示せず)からのエアーを単位紐hの一端側(例えば、これを保持する第1仕上げ保持手段182の仕上げ保持部材190,192)にも流れるようにし、エアーノズルから噴出されるエアーの流れでもって、単位紐hの一端側の切れ端をも所定方向に落下させて回収容器(図示せず)に回収することができる。
【0102】
このようにして単位紐hの両端部を切断すると、図38に示すように、単位紐hの両端部の長さ(結び部MPか一端までの長さとこの結び部MPから他端までの長さ)が揃えられ、商品としての結び紐hが完成し、仕上げを施して完成した結び紐h(単位紐h)は、第1及び第2補助保持手段194,196並びに第3及び第4仕上げ保持手段186,188により保持される。
【0103】
その後、図39に示すように、第1及び第2補助保持手段194,196(一対の第1補助保持部材198,200及び一対の第2補助保持部材202,204)が解除状態になり、また第3及び第4仕上げ保持手段186,188(一対の仕上げ保持部材190,192)が解除状態となり、このように解除状態になることにより、結び紐h(単位紐h)は、結び受け手段206の結び受け部材212に吊り下げられた状態となる。
【0104】
そして、この吊り下げられた状態で、結び受け手段206(結び受け部材212及びカバー部材214)が前後方向前方に受け位置に移動され、更にカバー部材214が上方に移動されるとともに、結び受け部材212が下方に移動される。このように移動した状態では、図39に一点鎖線で示すように、結び受け部材212の受け凹部214の上方が開放され、この状態において、吊り下がった結び受け結び紐hを取り出すことができる。
【0105】
結び受け部材212に吊り下げられた結び紐hを自動的に取り外すようにするために、結び受け手段206に関連して、紐取外し手段(図示せず)を設けるようにしてもよい。紐取外し手段の一例として、紐支持部材及び紐外し部材を備えたものを用いることができ、この場合、結び受け部材212に吊り下げられた結び紐hを一時的に紐支持部材に移し換え、この紐支持部材に支持された状態の結び紐hを紐外し部材で押して外すようにすることができる。
【0106】
以上、本発明に従う紐結び装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0107】
例えば、上述した実施形態では、紐仕上げ手段208は1つの端部切断手段208を備え、この端部切断手段208を第1切断位置に移動させて単位紐hの他端側を切断し、また第2切断位置に移動させて単位紐hの一端側を切断しているが、このような構成に代えて、一対の端部切断手段を備えた構成とし、一方の端部切断手段を切断位置に位置付けて単位紐の他端側を切断し、また他方の端部切断手段を切断位置に位置付けてその一端側を切断するようにしてもよい。
【0108】
また、上述した実施形態では、単位紐供給手段4の供給移動ユニット20を単位紐供給域Tから紐結び域Mに移動させ、この紐結び域Mにおいて供給移動ユニット20から紐結び手段6の結び移動ユニット26への単位紐hの受け渡しを行っているが、このような構成に代えて、この結び移動ユニット26を紐結び域Mから単位紐供給域Kに移動させ、この単位紐供給域Kにおいて供給移動ユニット20から結び移動ユニット26への単位紐hの受け渡しを行うようにしてもよい。
【0109】
また、上述した実施形態では、紐結び手段6の結び移動ユニット26を紐結び域Mから紐仕上げ域Sに移動させ、この紐仕上げ域Sにおいて結び移動ユニット26から紐仕上げ手段8の仕上げ移動ユニット232への単位紐hの受け渡しを行っているが、このような構成に代えて、この仕上げ移動ユニット232を紐仕上げ域Sから紐結び域Mに移動させ、この紐結び域Mにおいて結び移動ユニット26から仕上げ移動ユニット232への単位紐hの受け渡しを行うようにしてもよい。
【0110】
上述した紐結び装置は、上述した記載から理解される如く、ゴム紐に掛結びを施すのに非常に好都合な装置であるが、ゴム紐以外の通常の紐(幾分伸び縮みする紐)に掛結びを施す場合にも略同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0111】
2 紐供給手段
4 単位紐供給手段
6 紐結び手段
8 紐仕上げ手段
72,74,76,78 供給保持手段
80,82 供給保持部材
142,144,146,148 結び保持手段
150,152 結び保持部材
154 補助結び保持手段
160 結び目強化手段
182,184,186,188 仕上げ保持手段
190,192 仕上げ保持部材
194,196 補助保持手段
H 長い紐
h 単位紐
結び紐
K 紐供給域
M 紐結び域
S 紐仕上げ域
T 単位紐供給域
【要約】      (修正有)
【課題】連続的な作業工程でもって紐を確実に結ぶことができる紐結び装置を提供すること。
【解決手段】紐供給域Kに設けられた紐供給手段2と、単位紐供給域Tに設けられた単位紐供給手段4と、紐結び域Mに配設された紐結び手段6と、紐仕上げ域Sに配設された紐仕上げ手段8とを備えた紐結び装置。紐供給手段2は、長い紐Hを単位紐供給手段4に向けて供給し、単位紐供給手段4は、紐供給手段2からの長い紐Hを所定長さの単位紐に切断し、紐結び手段6は、単位紐供給手段4からの単位紐を受け取って所要の通りに結び、紐仕上げ手段8は、紐結び手段6からの結んだ単位紐を受け取って所要の通りに仕上げを行う。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39