(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記算出手段は、前記モーションセンサが加速度センサの場合には、加速度センサで検出されたデータをフィルタリング処理して振動成分のみを抽出し、抽出した振動成分を積分処理することで動揺加速度、動揺速度、動揺量のいずれかを算出することを特徴とする請求項5記載の歩行状態検出装置。
前記算出手段は、前記モーションセンサが角速度センサの場合、角速度センサで検出されたデータをフィルタリング処理して振動成分のみを抽出し、抽出した振動成分を積分処理することで動揺角速度、動揺角度のいずれかを算出することを特徴とする請求項5記載の歩行状態検出装置。
前記算出手段は、前記モーションセンサが角速度センサの場合、角速度センサで検出されたデータを角速度とするか、または角速度センサで検出されたデータを積分処理して角度として算出することを特徴とする請求項5記載の歩行状態検出装置。
前記表示画面作成手段は、前記算出手段によって算出された動揺加速度、動揺速度、動揺量のいずれかに基づいて、水平面内における前記2か所のリサジュー図を作成し、前記2か所のリサジュー図を重ね合わせてモニタに表示させることを特徴とする請求項6記載の歩行状態検出装置。
前記表示画面作成手段は、前記算出手段によって算出された動揺角速度、動揺角度のいずれかに基づいて、水平面内における前記2か所のリサジュー図を作成し、前記2か所のリサジュー図を重ね合わせてモニタに表示させることを特徴とする請求項7記載の歩行状態検出装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
(第1の実施形態)
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、本実施形態の歩行状態検出方法における被験者を示す。
図2は、歩行状態検出装置の概略説明図である。
本実施形態では、歩行状態の検出対象となる被検者10の腰部12と胸背部14の2か所で動作状況を計測する。腰部12の具体的位置としては、被検者の下位腰椎から仙骨付近とするとよい。仙骨は、脊椎の下部に位置しており骨盤を構成する部位である。また、胸背部14としては、胸椎の後弯の頂点付近にするとよい。胸椎は、脊椎を構成する部位の1つであり肩甲骨付近に位置する。なお、動作状況の計測位置は、少なくともこの2か所が必要個所であるが、他の箇所で計測して、頭部など3か所以上の計測箇所であってもよい。
【0034】
このように、歩行状態を検出する場合に、脚ではなく、腰部と胸背部の少なくとも2か所で動作状況を計測することによって、特に上部体幹の動作を容易に把握することができ、歩行状態を正確に把握可能である。
【0035】
本実施形態の歩行状態検出装置30は、被検者の腰部12及び胸背部14のそれぞれに取り付けられたモーションセンサ18,20と、装置本体31と、モニタ32とを備えている。
【0036】
本実施形態では、腰部12及び胸背部14のそれぞれに、モーションセンサの一例として3軸加速度センサ18,20を装着し、腰部12及び胸背部14の動作状況を計測している。
3軸加速度センサ18、20によって水平面内の左右方向をx軸方向とし、水平面内の歩行方向をy軸方向とし、鉛直方向をz軸方向とした場合における装着個所の各軸方向の加速度が計測できる。
【0037】
2つの3軸加速度センサ18、20は歩行状態検出装置30の装置本体31にデータ通信可能に接続されている。3軸加速度センサ18、20と装置本体31との間は、データ通信ケーブル33等によって接続され、データの送受信が可能となっている。
【0038】
次に、歩行状態検出装置30の装置本体31の具体的構成について説明する。
装置本体31としては、一般的なコンピュータを採用することができる。
コンピュータ31は、制御プログラムに基づいて動作する制御部42を具備している。制御部42は、図示しないCPU、ROMおよびRAM等から構成されている。制御部42は、内部バス43を介して、ハードディスクドライブ等の記憶装置44と接続されている。ただし、記憶装置44としては、ハードディスクドライブに限定するものではない。
【0039】
なお、制御部42には、内部バス43を介して入力装置であるキーボード46およびマウス48等のポインティングデバイスが接続されている。
【0040】
制御部42は、3軸加速度センサ18、20からの加速度データに基づいて2か所の運動状況を算出する算出手段34を実現する。
さらに、制御部42は、算出手段34で算出された2か所の動作状況を重ね合わせてモニタ32に表示させる表示画面作成手段36を実現する。
【0041】
算出手段34には、2か所の3軸加速度センサ18、20からの加速度データが入力される。
算出手段34は、2か所で計測された加速度データをフィルタリング処理するハイパスフィルタ35を備えている。ハイパスフィルタ35によって、加速度データのうちの低周波成分を除去し、高周波成分のみを残している。
【0042】
このようにフィルタリング処理する理由は以下の通りである。加速度データの場合、歩行時の移動変位が含まれているので、歩行時の移動変位を除いたデータで歩行状態を判断したいという要望がある。このため、算出手段34では、加速度データをハイパスフィルタ35によって低周波成分である歩行時の移動変位を除去し、高周波成分である振動成分のみを抽出している。
なお、算出手段34において低周波成分である歩行時の移動変位を除去するのはハイパスフィルタに限定するものではなく、角速度および/または磁気センサからの信号を併用したカルマンフィルタなど他のフィルタリング手段であってもよい。
【0043】
また、算出手段34は、積分器37を備えており、フィルタリング処理によって抽出された振動成分を積分処理してもよい。
なお、本明細書および特許請求の範囲では、加速度データの振動成分(積分処理しないもの)を動揺加速度、加速度データの振動成分を1回積分処理したものを動揺速度、加速度データの振動成分を2回積分処理したものを動揺量とする。
【0044】
本実施形態の表示画面作成手段36は、算出手段34によって算出された動揺加速度、動揺速度または動揺量に基づいて、水平面内における2か所のリサジュー図を作成し、2か所のリサジュー図を重ね合わせてモニタ32に表示させるように動作する。
【0045】
リサジュー図は、互いに垂直の方向に単振動を合成して描かれる曲線である。
本実施形態では、上述してきたように算出手段34によって振動成分を抽出しているので、リサジュー図が作成できるのである。
【0046】
図3及び
図4に、歩行状態検出装置の他の実施形態の概略説明図を示す。なお、
図2の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
図3の場合においては、3軸加速度センサ18、20と装置本体31との間は、データ通信ケーブル等ではなく、無線通信機能によってデータの送受信が可能となっている。
3軸加速度センサ18、20にはそれぞれデータ送信部22、24が設けられており、検出された加速度データを無線送信可能である。また、装置本体31にはデータ受信部29が設けられており、各データ送信部22、24から送信されてきた加速度データを受信することができる。
無線通信機能としては、Bluetooth(登録商標)などを採用することができる。
【0047】
図4の場合も、3軸加速度センサ18、20と装置本体31との間は、無線通信機能によってデータの送受信を可能としたものであるが、3軸加速度センサ18、20は1つのデータ送信部25に接続され、2つの3軸加速度センサ18、20からのデータを1つのデータ送信部25で送信可能としている。
装置本体31にはデータ受信部29が設けられており、データ送信部25から送信されてきた加速度データを受信することができる。
【0048】
表示画面作成手段36によって作成されたリサジュー図の概念図を
図5〜
図7に示す。
ここでいうリサジュー図は、横軸を水平面の左右方向、縦軸を歩行方向とした場合の、腰部12(仙骨付近)と胸背部14(胸椎6番付近)の動揺量を示している。
図5では、腰部12(仙骨付近)と胸背部14(胸椎6番付近)の動揺量は、2つともほぼ同じ大きさの横長の円形となっている。また、2つの横長の円形は、左右方向にはほぼズレがなく同じ位置である。歩行方向に対しては、腰部12(仙骨付近)の横長の円形がやや歩行方向に出ており、胸背部14(胸椎6番付近)の横長の円形がやや後ろ側にある。
このように、腰部12(仙骨付近)と胸背部14(胸椎6番付近)の動揺量がほぼ同じ大きさであって、左右方向にもほぼずれが無い場合には、良好な歩行状態であるということが判断できる。
【0049】
図6では、腰部12(仙骨付近)の動揺量は、やや小さい横長の円形となっている。胸背部14(胸椎6番付近)の動揺量は腰部12(仙骨付近)の動揺量をその内側に含む大きい横長の円形である。そして、胸背部14(胸椎6番付近)の動揺量は、腰部12(仙骨付近)の動揺量よりも左側に大きく膨らんでいる。
このようなリサジュー図が表示される場合には、胸椎付近の変位が左側によっていることから、左足を接地したときに身体の上部が大きく左に傾いているということが推定できる。したがって、左足の立脚期(左足が地面に接地している期間)に問題があるということがわかる。
【0050】
図7では、腰部12(仙骨付近)の動揺量は、やや小さい横長の円形となっている。胸背部14(胸椎6番付近)の動揺量は腰部12(仙骨付近)の動揺量をその内側に含み、左右方向にかなり広がっている大きい横長の円形である。
図6とは異なり、いずれの動揺量も左右方向に偏移してはいない。
このようなリサジュー図が表示される場合には、胸椎付近の変位が極めて大きい(特に左右方向に)ことがわかる。したがって、下部体幹筋が低下して上体を大きく振ることで推進力を得ている歩行であるということが推定できる。
【0051】
なお、
図5〜
図7に示したリサジュー図は、動揺量(加速度データをフィルタリング処理して得られた振動成分を2回積分したもの)を図示したものであるが、上述したように動揺加速度、動揺速度であってもリサジュー図として表示することができる。
【0052】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態は、モーションセンサとして3軸加速度センサを採用したものであるが、モーションセンサとして3軸角速度センサを採用した実施形態を
図8に基づいて説明する。
なお、上述した実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
【0053】
モーションセンサとして3軸角速度センサを採用した場合も、腰部12及び胸背部14のそれぞれに取り付けられ、検出された角速度データを算出手段34に送信する。
【0054】
算出手段34には、2か所の3軸角速度センサ38、40からの角速度データが入力される。
算出手段34は、2か所で計測された角速度データをフィルタリング処理するハイパスフィルタ35を備えている。ハイパスフィルタ35によって、角速度データのうちの低周波成分を除去し、高周波成分のみを残している。
【0055】
また、算出手段34は、積分器37を備えており、フィルタリング処理によって抽出された振動成分を積分処理している。
なお、本明細書および特許請求の範囲では、角速度データの振動成分(積分処理しないもの)を動揺角速度、角速度データの振動成分を1回積分処理したものを動揺角度とする。
【0056】
なお、3軸加速度センサ38,40と装置本体31との間は、データ通信ケーブル等ではなく、無線通信機能によってデータの送受信を行ってもよい。この場合、無線通信機能については、
図3、
図4に示すような構成と同様の構成となるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0057】
本実施形態の表示画面作成手段36は、算出手段34によって算出された動揺角速度、動揺角度に基づいて、水平面内における2か所のリサジュー図を作成し、2か所のリサジュー図を重ね合わせてモニタ32に表示させるように動作する。
なお、ここではリサジュー図における例は図示しないが、第1の実施形態で示した
図5〜
図7と同じような図形が表示される。
【0058】
なお、角速度データの場合、歩行時の移動変位の影響が加速度データと比較して少ないことがある。
したがって、角速度データが入力された算出手段34では、フィルタリング処理を行わず、また積分処理を行わずに、そのままの角速度データに基づいて表示画面作成手段36は、2か所の角速度データを重ね合わせてモニタ32に表示させるように動作してもよい。
なお、この場合、制御部42内の算出手段34は存在していなくてもよい。
【0059】
フィルタリング処理及び積分処理を行わない場合の角速度データによるモニタの表示画面の例を
図9に示す。
図9に示すグラフの横軸は「時間(秒)」であり、縦軸は「角速度(deg/sec)」である。
このグラフを見ると、大きく山が4つ確認できる。1歩歩くと1つの山が出現するため、このグラフでは、被験者が4歩歩いているということになる。
この被験者の例では、仙骨付近の角速度が小さいので、少なくとも腰付近をねじってはいないが、胸椎付近の回転が大きいので、上部体幹をねじって歩いているということが判断できる。
【0060】
また、角速度データが入力された算出手段34では、フィルタリング処理を行わず、1回積分処理を行って角度データとし、この角度データに基づいて表示画面作成手段36は、動作状況をモニタ32に表示させるように動作してもよい。
【0061】
フィルタリング処理を行わず、1回積分処理を行った場合の角度データによるモニタの表示画面の例を
図10に示す。
図10の表示例では、円形の中心から右方向及び左方向の4本の針を表示させ、図面上方向を進行方向とし、円の中心から右側及び左側に30度、60度、90度の目盛を振っている。
【0062】
4本の針のうち、2本は腰部における角度であり、他の2本は胸背部における角度である。腰部、胸背部の2本の針はそれぞれ、右方向及び左方向への最大角度を指している。
これにより、歩行時における上体のねじれが判断できる。
【0063】
(第3の実施形態)
モーションセンサとして3軸磁気センサを採用した実施形態を
図11に基づいて説明する。
なお、上述した実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
【0064】
磁気センサは、北方向の地磁気の磁界が大きいということを利用し、動作部分の角度成分を検出することができる。したがって、本実施形態における3軸磁気センサも検出されるデータは角度データである。
【0065】
モーションセンサとして3軸磁気センサ39,41を採用した場合も、腰部12及び胸背部14のそれぞれに取り付けられ、検出された角度データを制御部42に送信する。
本実施形態では、角度データをそのまま使用し、表示画面作成手段36が2か所の角度データを重ね合わせてモニタ32に表示させるように動作してもよい。
このため、データをフィルタリング処理及び積分処理する算出手段は設けなくてもよい。
【0066】
なお、3軸磁気センサ39,41と装置本体31との間は、データ通信ケーブル等ではなく、無線通信機能によってデータの送受信を行ってもよい。この場合、無線通信機能については、
図3、
図4に示すような構成と同様の構成となるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0067】
角度データによるモニタの表示画面の例は、
図10と同様の例が考えられ、ここでは説明を省略する。
【0068】
(第4の実施形態)
モーションセンサとして、3軸加速度センサと3軸角速度センサを組み合わせた実施形態を説明する。
すなわち、仙骨付近に取り付けられるモーションセンサ56に3軸加速度センサと3軸角速度センサが組み合わされており、胸椎付近に取り付けられるモーションセンサ58にも3軸加速度センサと3軸角速度センサが組み合わされている。
【0069】
図12に、本実施形態の歩行状態検出装置の説明図を示す。
なお、上述してきた実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
モーションセンサ56、58にはそれぞれデータ送信部22、24が設けられており、検出されたデータを無線送信可能である。また、装置本体31にはデータ受信部29が設けられており、各データ送信部22、24から送信されてきた加速度データを受信することができる。無線通信機能としては、Bluetooth(登録商標)などを採用することができる。
【0070】
装置本体31としては、一般的なコンピュータを採用することができる。コンピュータ31は、制御プログラムに基づいて動作する制御部42を具備している。
制御部42において、あらかじめ記憶された制御プログラムを起動すると、モニタ32には、
図13に示す操作画面が表示される。この操作画面は、各モーションセンサ56、58における設定及び校正を行うための画面である。
【0071】
各モーションセンサ56、58の接続設定は、
図13の左上に表示される接続設定ボタン60をマウス48などの操作で押下することで、制御部42が実行する。
接続設定ボタン60の近傍には、センサ切断ボタン61が設けられている。
【0072】
図13の操作画面の右側には、校正についての表示がなされている。
この校正では、重力方向及び重力方向に直交する水平方向を確実に検出することを目的としており、操作者は、簡易補正又は標準補正のいずれかを選択可能となっている。
簡易校正及び標準校正ともに、各モーションセンサ56、58を水平面に載置して重力方向を検出する。校正は、校正実行ボタン62をマウス48などの操作で押下することで制御部42が実行する。校正実行ボタン62の隣には、各モーションセンサ56、58ごとにおける校正データ収集ランプが設けられている。
【0073】
次に、実際の計測動作について説明する。
被験者の仙骨付近にモーションセンサ56を取り付け、胸椎6番付近にモーションセンサ58を取り付け、被験者が歩行すると制御部42では自動的に所定時間の歩行データを収集する。
なお、各モーションセンサ56、58の被験者への取付けにおいては、各モーションセンサ56、58に表示されている方向に合わせて取り付けることが必要である。すなわち、各モーションセンサ56、58には、X方向が右向き、Y方向が上向き、Z方向が進行方向となるような表示がされており、被験者には各モーションセンサ56、58が、表示されている方向となるように取り付けられる。
【0074】
仙骨付近のモーションセンサ56からは、所定間隔(例えば5ms)おきにX軸方向の加速度データ、Y軸方向の加速度データ、Z軸方向の加速度データ、X軸方向の角速度データ、Y軸方向の角速度データ、Z軸方向の角速度データがデータ受信部29に送信されてくる。
同様に胸椎6番付近のモーションセンサ58からも、所定間隔(例えば5ms)おきにX軸方向の加速度データ、Y軸方向の加速度データ、Z軸方向の加速度データ、X軸方向の角速度データ、Y軸方向の角速度データ、Z軸方向の角速度データがデータ受信部29に送信されてくる。
【0075】
データ受信部29で受信した各データは表示画面作成手段36によって、そのままの計測データとしても表示される。
計測データの表示例を
図14に示す。
図14では、仙骨付近のモーションセンサ56の加速度センサによる、X軸方向の加速度Ax、Y軸方向の加速度Ay、Z軸方向の加速度Azについて、横軸を時間(秒)、縦軸を加速度(m/s
2)としたグラフ64に表示させている。
また、仙骨付近のモーションセンサ56の角速度センサによる、X軸方向のWx角速度、Y軸方向の角速度Wy、Z軸方向の角速度Wzについて、横軸を時間(秒)、縦軸を角速度(rad/s)としたグラフ65に表示させている。
【0076】
胸骨6番付近のモーションセンサ58の加速度センサによる、X軸方向の加速度Ax、Y軸方向の加速度Ay、Z軸方向の加速度Azについて、横軸を時間(秒)、縦軸を加速度(m/s
2)としたグラフ66に表示させている。
また、胸骨6番付近のモーションセンサ58の角速度センサによる、X軸方向のWx角速度、Y軸方向の角速度Wy、Z軸方向の角速度Wzについて、横軸を時間(秒)、縦軸を角速度(rad/s)としたグラフ67に表示させている。
【0077】
図14の各グラフの右側には、計測開始から計測終了までの時間を設定できる設定欄68が設けられている。設定欄68の下方には、計測中の残り時間を表示する残り時間表示欄69が設けられている。また、計測開始又は計測停止を指示するための計測開始・停止ボタン70が設けられている。
なお、
図14のグラフは計測中のデータをリアルタイムで表示させることができるが、過去に計測したデータについても表示可能である。過去に計測したデータが記憶されているときは、保存済み計測データボタン71を押下し、保存済み(過去に計測して記憶しておいた)データを読み出して、各グラフ64〜67に表示させるようにできる。
【0078】
図15には、
図14で示したデータを解析した結果を表示させる画面を示す。
まず算出手段34は、モーションセンサ56、58ごとに、X軸方向の加速度Ax、Y軸方向の加速度Ay、Z軸方向の加速度Azのそれぞれをハイパスフィルタ35で低周波成分を除去する。そして、算出手段34の積分器37によって、フィルタリング処理によって抽出された動揺加速度それぞれを1回積分して動揺速度を算出し、2回積分して動揺量を算出する。
【0079】
図15の左上のグラフ72は、仙骨付近のモーションセンサ56の変位をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向のそれぞれについて表示している。このグラフ72の縦軸は変位(mm)で、横軸は時間(秒)である。
このグラフ72では、縦軸の変位は、停止位置を基準(0)として、3軸の各方向への変位を示している。
【0080】
図15の左下のグラフ74は、仙骨付近のモーションセンサ56の変位をリサジュー図にしたものであり、縦軸が上下方向の変位(mm)、横軸が左右方向の変位(mm)である。
【0081】
図15の右上のグラフ76は、胸椎6番付近のモーションセンサ58の変位をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向のそれぞれについて表示している。このグラフ76の縦軸は変位(mm)で、横軸は時間(秒)である。
このグラフ76では、縦軸の変位は、停止位置を基準(0)として、3軸の各方向への変位を示している。
【0082】
図15の右下のグラフ78は、胸椎6番付近のモーションセンサ58の変位をリサジュー図にしたものであり、縦軸が上下方向の変位(mm)、横軸が左右方向の変位(mm)である。
【0083】
図15のリサジュー図による軌跡のグラフ74、78については、X−Y、Y−Z、X−Zいずれの平面から見たグラフにするかを、変更ボタン79を押下することにより変更することができる。
図15では、X−Y平面を前額面として、表示しているが、変更ボタン79の押下によりY−Z平面(矢伏面)、X−Z平面(水平面)のいずれの面における表示も実行できる。
【0084】
また、
図15の各軌跡のグラフ74、78の表示データとしては、実際に測定されたデータの歩行周期のうち、いつからいつまでの歩行周期をグラフとして表示するかを選択できる。歩行周期の選択は、選択画面80によって行われる。
図15では、1周期目から2周期分と表示されているが、歩行が安定している途中段階の周期を選択することが好ましい。また、選択画面80によって選択された歩行周期の範囲は、各モーションセンサ56、58の変位のグラフ72、76において2本の太い縦線81の範囲として表示される。
【0085】
なお、算出手段34は、計測された各モーションセンサ56、58から得られたデータに基づく動揺量から、歩行ピッチを算出することができる。歩行ピッチとは、所定の足が着地してから、同じ足の次の着地までの間のことを指している。
算出された歩行ピッチは、抽出結果欄83に表示される。また、算出手段34は、操作者が操作可能な上限設定欄85で設定された歩行ピッチの上限範囲内での歩行ピッチを算出する。
【0086】
図15で表示された各グラフにおける計測データ及び解析条件は、保存ボタン96を押下することによって、記憶装置44に記憶させることができる。計測データ及び解析条件は、例えばCSVファイル等で記憶させておくことができる。
【0087】
図16に、表示画面作成手段36が最終的にユーザ向けに作成する画面を示す。
図16では、各モーションセンサ56、58により算出された仙骨付近と胸椎6番付近の変位によるリサジュー図を、Y−Z平面(矢伏面)100、X−Y平面(前額面)102、X−Z平面(水平面)104の3つを同時に表示させているところに特徴がある。
なお、
図16では2つの各データに対する3つのリサジュー図を左右両側に対比させるように配置しているが、1つのデータに対しての表示を行ってもよい。
【0088】
表示画面作成手段36は、2か所のモーションセンサ56、58のリサジュー図における同一時点どうしを接続する接続線82を表示させ、且つ接続線82を時間経過に伴って移動するように表示することができる。
接続線82の表示は、操作者が画面右側のフェーズボタン89を押下することにより、表示画面作成手段36が行う。また、フェーズボタン89の下方には、再生ボタン92が設けられている。再生ボタン92が押下されると、表示画面作成手段36は、時間経過に合わせて接続線82を移動させながら再生表示させる。また、接続線82の再生表示は、倍速表示欄93内の数字を変更することにより、再生速度を変更できる。倍速表示欄93内の数字が1.0の場合、実時間での再生となり、数字が0.5の場合、実時間の半分の時間での再生となる。
【0089】
なお、Y−Z平面(矢伏面)100、X−Y平面(前額面)102、X−Z平面(水平面)104の各リサジュー図の隣には、各リサジュー図における動揺幅及び軌跡長が表示される表示欄105が、それぞれのリサジュー図ごとに設けられている。
表示欄105において、Y−Z平面(矢伏面)100に対しては、表示画面作成手段36が前後幅(mm)と上下幅(mm)と軌跡長(mm)を算出して表示する。
表示欄105において、X−Y平面(前額面)102に対しては、表示画面作成手段36が左右幅(mm)と上下幅(mm)と軌跡長(mm)を算出して表示する。
表示欄105において、X−Z平面(水平面)104に対しては、表示画面作成手段36が左右幅(mm)と前後幅(mm)と軌跡長(mm)を算出して表示する。
【0090】
また、各リサジュー図の下部に示すように、左右の足裏
図84a、84bが表示され、左右の足裏の任意の点を指示すると、この指示した点における足裏にかかる衝撃値(m/s
2)を表示させる表示欄86a、86bが設けられている。各足裏
図84a、84bの隣には、足裏の任意の点を指示するための指示バー87a、87bが設けられており、操作者はこの指示バー87a、87bを操作することによって、足裏の任意の点を指示することができる。
【0091】
操作者が、指示バー87a、87bを操作すると、算出手段34は、指示バー87a、87bにおける指示された位置における、モーションセンサ56における上下方向の加速度値を算出し、表示画面作成手段36は表示欄86a、86bに算出した加速度値を衝撃値として表示する。
なお、足裏の位置については、モーションセンサ56におけるX−Z平面(水平面)のリサジュー図の横8の字(無限大印)の最後部をかかと着地時とし、最前部をつま先の離地時とすることによって、把握することができる。
【0092】
図16に示した解析結果は、保存ボタン95を押下することにより、記憶装置44内に記憶させることができる。解析結果は、例えばCSVファイル等で記憶させておくことができる。
また、
図16の各リサジュー図のスケールは、スケール表示欄97の数字を変更することによって変更可能である。
【0093】
なお、表示画面作成手段36は、各モーションセンサ56、58により算出された仙骨付近と胸椎6番付近のY−Z平面(矢伏面)の変位、X−Y平面(前額面)の変位、X−Z平面(水平面)の変位に基づいて、被験者が3次元的に動作している様子を表す動画(アニメーション)を作成することもできる。
【0094】
なお、上述してきた各実施形態において、モーションセンサどうしの位置を測定し、この位置関係に基づいてリサジュー図を補正してもよい。
例えば、被験者の静止時において、被験者を強制的に基準姿勢を取らせる。基準姿勢を取らせるには、補助者が姿勢を正してもよいし、宛木などを被験者にあててもよい。その後、被験者にはリラックスしてもらい、被験者が楽な姿勢にさせる。すると、基準姿勢から、被験者のもともとの姿勢(身体的特徴)に移行する際の動揺量が算出手段34によって算出される。すなわち、胸背部のモーションセンサと腰部のモーションセンサの位置のずれ、傾斜、ねじれなどが判明する。例えば、被験者の右肩がもともと下がっていれば、胸背部のモーションセンサが腰部のモーションセンサよりも右に傾いており、被験者が猫背であれば胸背部のモーションセンサが腰部のモーションセンサよりも前方に傾いている。
【0095】
算出手段34が算出する動揺量により、例えば、胸背部のモーションセンサが腰部のモーションセンサよりも1cm右にずれていることなどが判明した場合、そして、表示画面作成手段36は、胸背部における動揺量のリサジュー図を右に1cmずらすように補正する。
このようにすれば、リサジュー図を見ただけで、歩行時にかかわらず被験者のもともとの身体的特徴も確認することができる。
【0096】
なお、静止時における被験者の身体的特徴ではなく、歩行時における身体的特徴を考慮してリサジュー図を表示させるようにしてもよい。すなわち、静止時には基準姿勢であっても、歩行時には姿勢が悪くなったり、又は歩行時には姿勢が正しくなる場合なども考えられるためである。
【0097】
この場合、算出手段34は、被験者の歩行中の各モーションセンサの直交座標系における位置ずれを算出し、歩行時における被験者の身体的特徴を算出する。
そして、表示画面作成手段36は、身体的特徴に基づいて動揺量のリサジュー図を補正する。このようにすれば、リサジュー図を見ただけで、歩行時の身体的特徴も確認することができる。
【0098】
(第5の実施形態)
モーションセンサを用いずに高速度カメラで撮影された画像に基づいて、動作状況を測定する実施形態について、
図17に基づいて説明する。
なお、上述した実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
【0099】
高速度カメラ55は、一秒間に数十フレームを連続撮影できるカメラであり、公知のものを採用することができる。高速度カメラ55は、複数台設け、異なる位置で撮影することが測定の精度を上げることができる。
腰部12及び胸背部14のそれぞれにはマーカー50,52が取り付けられる。各高速度カメラ55は、このマーカー50,52を撮影する。
【0100】
撮影された画像データは、装置本体31に入力される。
装置本体31では、制御部42が実現する表示画面作成手段36が入力された画像データにおけるマーカー50,52の動作状況をモニタ32に表示させる。このとき、複数の高速度カメラ55によって、異なる位置からの画像データが装置本体31に入力されるが、マーカー50,52の位置が3次元的に動作する状況、すなわち各マーカー50,52の移動軌跡を表示させるとよい(図示せず)。
【0101】
なお、本実施形態において、マーカー50,52の位置に、上述してきた各実施形態におけるモーションセンサを配置し、モーションセンサによって計測されたデータに基づいて、前記2か所の動作状況を算出する算出手段を具備してもよい(図示せず)。
このとき、表示画面作成手段36は、高速度カメラ55によって撮影されたマーカー50、52の移動軌跡を重ね合わせてモニタ32に表示させるとともに、算出手段で算出された2か所の動作状況を重ね合わせてモニタ32に表示させるようにできる。
【0102】
さらに、高速度カメラ55を用いて、被験者の静止時におけるモーションセンサどうしの位置関係を測定してもよい。このモーションセンサの位置関係とは、胸背部のモーションセンサと腰部のモーションセンサの位置のずれ、傾斜、ねじれなどがある。例えば、被験者の右肩がもともと下がっていれば、胸背部のモーションセンサが腰部のモーションセンサよりも右に傾いており、被験者が猫背であれば胸背部のモーションセンサが腰部のモーションセンサよりも前方に傾いている。
【0103】
高速度カメラ55によって、被験者が静止している状態でモーションセンサの位置を撮影することで、モーションセンサの上記のような位置関係が判明する。表示画面作成手段36では、各モーションセンサの位置関係に基づいて、モーションセンサによって計測された動揺量のリサジュー図を補正してモニタ32に表示できる。例えば、胸背部のモーションセンサが腰部のモーションセンサよりも1cm右にずれている場合であれば、胸背部における動揺量のリサジュー図を右に1cmずらすように補正する。
このようにすれば、リサジュー図を見ただけで、歩行時にかかわらず被験者のもともとの身体的特徴も確認することができる。
【0104】
なお、被験者の測定箇所として、被検者10の腰部12と胸背部14の2か所で動作状況を計測する実施形態について説明してきたが、そのほかにも頭部など、測定箇所を追加して3か所以上の箇所で測定を行ってもよい。
【0105】
なお、上述してきた各実施形態では、加速度センサのみ、角速度センサのみ、磁気センサのみの場合のそれぞれについて説明してきたが、加速度センサ、角速度センサ、磁気センサを組み合わせて用いてもよい。
この場合、検出される物理量としては、加速度、速度、位置、角速度、角度の組み合わせが検出されうる。
【0106】
また、上述してきた各実施形態において、モニタ32を大型モニタとし、被験者が自身の姿勢を見ながら歩行するようにしてもよい。
このようにすれば、被験者は自身の歩行を矯正しながら歩くことができ、バイオフィードバック効果を得られる。
【0107】
さらに、表示画面作成手段36は、リサジュー図の解析結果などをもとに、CGなどのアニメーションで擬人化した表示をモニタ32に表示させるようにしてもよい。この方法によれば、被験者にわかりやすく結果表示を行うことができる。
【0108】
(歩行状態検出装置の用途)
上述してきた歩行状態検出装置により、被験者の腰部と胸背部における動作状況が判明するため、シューズのインソールの効果を確認することが可能となる。
シューズのインソールは、現在さまざまなメーカーで開発がなされ、ランニング、登山、ウィンタースポーツなど様々な用途に適した材質及び形状となっている。
【0109】
図16では、2つのデータを左右両側に配置しており、それぞれのデータは読み込みボタン90を押下することにより、変更することができる。したがって、被験者は、インソールの装着の有無又はインソールを代えて複数回各モーションセンサのデータを収集し、条件が異なる2つのデータをモニタ32に表示させることができる。
条件を変えたデータを
図16のように1つの画面上で同時に表示することにより、一目で条件を変えた場合の歩行状態が把握できる。
【0110】
図16の例では、右側のデータ2の方が、前後、左右、上下の3方向のぶれが大きく、左側のデータ1の条件の方が好ましい歩行状態であると判断できる。
従来であれば、インソールの効果については、被験者が歩きやすいかどうかなどの被験者の主観的な判断しかできなかったが、歩行状態検出装置を用いることにより、客観的な判断がきわめて容易に行うことができる。
【0111】
(歩行状態検出装置の他の用途)
歩行状態検出装置は、インソールの効果確認だけでなく、シューズの良し悪しについても確認することができる。被験者は、シューズを代えて複数回各モーションセンサのデータを収集することにより、いずれのシューズが好ましい歩行状態であるかが、客観的に容易に判断できる。
【0112】
歩行状態検出装置は、さらにリハビリテーションの効果確認をすることができる。リハビリテーションを行う前後に、各モーションセンサのデータを収集することにより、リハビリテーションの効果が上がって好ましい歩行状態であるかが、客観的に容易に判断できる。
【0113】
歩行状態検出装置は、さらにトレーニングやストレッチの効果確認をすることができる。トレーニングやストレッチを行う前後に、各モーションセンサのデータを収集することにより、トレーニングやストレッチの効果が上がって好ましい歩行状態であるかが、客観的に容易に判断できる。
【0114】
以上本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんである。