【実施例】
【0016】
以下に、本発明の半導体素子搭載用基板の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、実施例に係る半導体素子搭載基板を用いた半導体装置の製造工程を示す概略断面図である。
【0018】
なお、図中、11は金属板、11aは端子部、21はドライフィルムレジスト、22は耐めっき性を持つレジストマスク、23は耐エッチング性を持つレジストマスク、31はめっき層、41は半導体素子、51はボンディングワイヤ、61は封止樹脂である。
【0019】
まず、
図1(A)に示すように、板厚0.125mmのCu材からなる金属板11の両面に、ドライフィルムレジスト21をラミネートする。
【0020】
次に、
図1(B)に示すように、所望のパターンが形成されたガラスマスクを用いて露光処理及び現像処理を行って、金属板11の両面の端子部11aが形成される領域以外の領域に、耐めっき性を持つレジストマスク22を形成する。
【0021】
次に、
図1(C)に示すように、金属板11の両面の端子部11aが形成される領域に、金属板11側から順に、NiP合金めっき層(厚さ:約0.25μm)と、Niめっき層(厚さ:約0.7μm)と、Pdめっき層(厚さ:約0.015μm)と、Auめっき層(厚さ:約0.006μm)とからなるめっき層31(厚さ:約1μm)を形成する。
【0022】
次に、
図1(D)に示すように、金属板11の両面から、耐めっき性を持つレジストマスク22を剥離する。
【0023】
次に、
図1(E)に示すように、金属板11の二つの面のうち、下面側の全面を覆うように、耐エッチング性を持つレジストマスク23を形成する。なお、下面側にのみ耐エッチング性を持つレジストマスク23を形成するのは、上面側においては耐エッチング性を持つめっき層31がレジストマスクの役割を果たすからである。そのため、上面側に形成するめっき層31が耐エッチング性を持たない場合には、この段階において上面側の所望の位置にも耐エッチング性を持つレジストマスクを形成する。
【0024】
次に、
図1(F)に示すように、金属板11の上面側にハーフエッチング加工を施して端子部11aの上面側の半分を形成して、金属板11を半導体素子搭載用基板とする。
【0025】
次に、
図1(G)に示すように、半導体素子搭載用基板12の上面側の所定の位置に、複数の電極を有する半導体素子41を載置する。そして、半導体素子41の電極の各々を、対応する端子部11aの上面側の端部に形成されているめっき層31に、Cuを主成分とするボンディングワイヤ51を用いてワイヤボンディングを行う。
【0026】
次に、
図1(H)に示すように、端子部11aの上面側半分と、半導体素子41と、ボンディングワイヤ51とを封止樹脂61を用いて樹脂封止する。
【0027】
次に、
図1(I)に示すように、金属板11の下面側から、耐エッチング性を持つレジストマスク23を剥離する。
【0028】
最後に、
図1(J)に示すように、金属板11の下面側にエッチング加工を施して端子部11aの下面側の半分を形成して、それぞれの端子部12aを独立させる。
【0029】
なお、このようにして製造される半導体装置は、通常、複数の半導体装置を一括して生産するものであるため、この後、切断等を行って個々の半導体装置が完成する。
【0030】
ここで、製造された半導体装置の端子部11aの端部に形成されためっき層31について詳細に説明する。
【0031】
このめっき層31は、最も金属板11側に、NiP合金めっき層が形成されている。このNiP合金めっき層は耐熱性が高く、Ni層に比べて酸化し難いという特性を持っているため、このNiP合金層上に形成されるNiめっき層の酸化を防ぐことができる。また、このNiP合金めっき層は、ハンダのつきまわりが良いため、良好なハンダ付け性を確保することができる。
【0032】
また、このめっき層31は、最も金属板11側に形成されているNiP合金めっき層上に、Niめっき層が形成されている。このNiめっき層は、Cu材からなる金属板11中のCuがワイヤボンディングをする部分、例えば、めっき層の最表層へ拡散することを防ぐために形成されている。
【0033】
また、Niめっき層上には、Pdめっき層が形成されている。このPdめっき層は、ガスバリア性が良く、下地となるNiめっき層の酸化を防ぐことができる。なお、このPdめっき層の厚さは、
0.010μm〜0.015μmである。
【0034】
さらに、Pdめっき層上には、Auめっき層が形成されている。このAuめっき層は、下地となるPdめっき層の酸化を防ぐために形成されている。なお、このAuめっき層の厚さは、
0.003μm〜0.006μmである。
【0035】
本発明の半導体装置のめっき層は、上述の4層構造のめっき層
に加えNiめっき層とPdめっき層の間にNiPめっき層が形成されているものであり、すなわち、金属板側から順に、
Niめっき層の両面側をNiP合金めっき層で挟んだ層構造を有するめっき層と、Pdめっき層と、Auめっき層が形成されており、前記Pdめっき層と前記Auめっき層の厚さ合計が0.013〜0.021μmの範囲である。
【0036】
なお、Pdめっき層に代わりPdを含む合金からなるめっき層を用いても構わない。また、上記貴金属層としては、Auめっき層に代わりAuを含む合金からなるめっき層を用いても構わないし、Agめっき層に代わりAgを含む合金からなるめっき層を用いても構わないし、Agめっき層及びAuめっき層に代わり、Au及びAgを含む合金からなるめっき層を用いても構わない。
【0037】
なお、本発明のようにNiP合金めっき層とNiめっき層とPdめっき層とAgめっき層とからなるめっき層を形成した試料と従来のようにNiめっき層とPdめっき層とAuめっき層とからなるめっき層を形成した試料の各々のめっき層に、Φ30μmのCuワイヤをボンディング後、フックをワイヤの下に入れ上へ垂直に引き上げ破断した時の強度を比較すると、本発明の試料では平均7.6gfであり、従来品では平均6.5gfであった。