特許第6057306号(P6057306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6057306
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】ソノトロード
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20161226BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
   A61B17/32 510
   A61B17/56
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-552533(P2014-552533)
(86)(22)【出願日】2012年10月24日
(65)【公表番号】特表2015-507510(P2015-507510A)
(43)【公表日】2015年3月12日
(86)【国際出願番号】EP2012071053
(87)【国際公開番号】WO2013107532
(87)【国際公開日】20130725
【審査請求日】2015年6月25日
(31)【優先権主張番号】102012200666.4
(32)【優先日】2012年1月18日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514091219
【氏名又は名称】ソーリン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】ラート, アブティン, ジャムシディ
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−152098(JP,A)
【文献】 特開2006−340837(JP,A)
【文献】 特開2003−190180(JP,A)
【文献】 特開2001−178736(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0004396(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32−17/326
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト(19)と、前記シャフト(19)の遠位端部(21)に位置する器具ヘッド(17)とを有する、超音波外科器具用のソノトロードであって、前記器具ヘッド(17)が骨処理用の切断構造部(18)を備え、前記シャフト(19)が螺旋状切欠部(22)を有する、ソノトロードにおいて、
前記螺旋状切欠部(22)が、長手方向の延びを有し、前記螺旋状切欠部(22)の前記長手方向の延びに対して横方向に延在するショルダ(26)を備えることを特徴とする、ソノトロード。
【請求項2】
前記ショルダ(26)が、前記螺旋状切欠部の前記長手方向の延びに対して、10°〜80°の間の角度を有することを特徴とする、請求項1に記載のソノトロード。
【請求項3】
前記ショルダが、前記螺旋状切欠部(22)に対して横方向に延在するエッジ(26)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のソノトロード。
【請求項4】
前記エッジ(26)が、前記螺旋状切欠部(22)の一部分にわたって直線状に延在し、次いで中断されることを特徴とする、請求項3に記載のソノトロード。
【請求項5】
前記螺旋状切欠部(22)が複数のショルダ(26)を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のソノトロード。
【請求項6】
前記螺旋状切欠部(22)が複数のフライス加工部分(25)から構成されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のソノトロード。
【請求項7】
前記シャフト(19)が複数の螺旋状切欠部(22)を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のソノトロード。
【請求項8】
前記ソノトロード(16)の前記遠位端部(21)に液体が供給され得るようにするためのチャネル(24)が、前記シャフト(19)の内部に延在することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のソノトロード。
【請求項9】
断面テーパ状部(15)が、前記螺旋状切欠部(22)と前記器具ヘッド(17)との間に設けられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のソノトロード。
【請求項10】
前記器具ヘッド(17)が、前記ソノトロード(16)の長手方向軸線に対して非対称形状を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のソノトロード。
【請求項11】
前記ソノトロード(16)の遠位端部面が、止まり穴(27)を備えることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のソノトロード。
【請求項12】
超音波トランスデューサと、前記超音波トランスデューサに接続されたソノトロード(16)とを有する外科器具において、前記ソノトロード(16)が、請求項1〜11のいずれか一項にしたがって具現化されることを特徴とする、外科器具。
【請求項13】
ソノトロードを作製するための方法であって、
a.シャフト(19)と、前記シャフト(19)の遠位端部(21)に位置する器具ヘッド(17)とを備えるソノトロード半加工製品を用意するステップと、
b.前記シャフト(19)に複数のフライス加工部分(25)を形成するステップであって、各2つの隣接し合うフライス加工部分(25)は、ショルダ(26)が前記2つのフライス加工部分(25)の間の移行部に形成されるように、配置され、各隣接し合うフライス加工部分(25)は、前記フライス加工部分(25)が全体として螺旋状切欠部(22)を形成するように、前記ソノトロード(16)の長手方向及び円周方向の両方において互いにオフセットされる、ステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャフトと、シャフトの遠位端部に位置する器具ヘッドとを有する、超音波外科器具用のソノトロードに関する。この器具ヘッドは、骨を処理するための切断構造部を備える。螺旋状切欠部が、シャフトに形成される。さらに、本発明は、かかるソノトロードを作製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例として、かかるソノトロードは、患者の骨材料を切断又は切除するために歯科において使用され得る。超音波トランスデューサが、高周波機械振動を生成する。ソノトロードは、超音波トランスデューサに接続され、超音波トランスデューサにより振動させられる。ソノトロードの切断構造部が、骨と接触状態になると、骨材料は、高周波振動により切除される。
【0003】
超音波トランスデューサにより生成される長手方向振動は、螺旋形状切欠部をシャフトに設けることにより、器具ヘッドのねじり振動へと部分的に変換され得ることが知られている。これに関しては、米国特許出願公開第2009/0236938A1号明細書、米国特許出願公開第2006/0041220A1号明細書、国際公開第2010/049684A1号パンフレットを参照されたい。シャフトは、超音波トランスデューサからの長手方向振動がシャフトの近位端部に作用する場合に、螺旋状切欠部の結果として本質的にねじれる。その結果、シャフトの遠位端部に位置する器具ヘッドは、励振されてねじり振動を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的には、ねじり振動の振幅は、螺旋状切欠部がシャフトの材料内へとより深く及びより幅広く切り込むことにより、増大する。しかし、シャフトは、これらの切欠部により過度に脆弱化されてはならないため、このように任意にねじり振動の振幅を増大させることは、不可能である。
【0005】
本発明は、骨の効果的な処理が実現されるように、ソノトロード及び関連する作製方法を提示するという目的に基づく。冒頭で述べた先行技術に端を発しつつ、この目的は、独立請求項に記載の特徴により達成される。有利な実施形態は、従属請求項において確認できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、シャフトの螺旋状切欠部は、横方向に延在するショルダを備える。
【0007】
初めにいくつかの用語について説明する。螺旋状切欠部のショルダは、螺旋状切欠部の一領域が、螺旋状切欠部の隣接領域よりもシャフトの材料内により深く切り込まれることにより形成され得る。これら2つの領域間の移行部が、ショルダと呼ばれる。
【0008】
螺旋状切欠部は、シャフトの周囲に螺旋状に延在する長手方向の延びを有する。本発明によるショルダは、この長手方向の延びに対して横方向に配列され、すなわち長手方向の延びとの間に角度を有する。ショルダは、螺旋状切欠部の全幅にわたり延在することが可能である。また、ショルダは、螺旋状切欠部の幅の一部のみにわたり延在することも可能である。
【0009】
本発明は、螺旋状切欠部の横方向に延在するショルダが、シャフトの遠位端部におけるねじり振動の振幅を増大させることを確認した。したがって、シャフトの遠位端部に位置する器具ヘッドは、激しいねじり振動状態におかれ、それにより骨材料の効果的な処理が可能となる。この振幅の増大は、おそらく、ショルダがシャフト内における力伝達についてあるタイプの特異性を形成することに起因する。力伝達において中断が存在する結果として、シャフトの遠位端部においてねじり振動の増大が発生する。
【0010】
ショルダは、螺旋状切欠部の長手方向の延びに対して90°の角度を有することが可能である。この角度が90°から逸脱する場合には、特に効果的であることが判明した。例としては、螺旋状切欠部のショルダと長手方向の延びとの間の角度は、10°〜80°の間であることが可能であり、30°〜60°の間であることが好ましい。
【0011】
ショルダは、螺旋状切欠部に対して横方向に延在するエッジを有することが可能である。エッジは、螺旋状切欠部の全幅にわたり直線状に延在することが可能である。しかし、エッジが、螺旋状切欠部の幅の一部分のみにわたり直線状に延在し、次いで中断される場合には、本発明による効果にとって有利となることが、試行により判明した。この文脈において、エッジの中断は、エッジが、同一方向において直線状に継続しないことを意味する。エッジ自体が再び中断されることにより、シャフト内における力伝達にさらなる断絶がもたらされるが、これは、シャフトの遠位端部における振動の振幅に関してプラスの効果を有する。
【0012】
シャフトの遠位端部における振動の振幅は、螺旋状切欠部が、前述の特徴を有する複数のショルダを有する場合には、さらに増大され得る。ショルダは、互いに平行に延在することが可能である。ショルダは、ソノトロードの長手方向軸線との間に90°の角度を有することが可能である。
【0013】
螺旋状切欠部は、複数のフライス加工部分から構成され得る。ショルダは、あるフライス加工部分から次のフライス加工部分への移行部に形成される。例としては、螺旋状切欠部は、8〜12個のフライス加工部分を備えることが可能である。フライス加工部分は、螺旋状切欠部の長手方向の延びに対して横方向に配列され得る。
【0014】
例として、フライス加工部分は、フライスが初めにシャフトに突き刺さり、次いで側部方向へと(すなわちフライス軸線に対して垂直に及びソノトロード軸線に対して垂直に)シャフトの材料から再び出るように案内されることによって、形成され得る。この場合に、全てのフライス加工部分は、一方の端部に丸み輪郭を有する壁部を有する一方で、他方の端部においてはシャフトの外周表面と直接的に合流する。エッジを中断させるために、フライスは、初めは長手方向軸線に対して平行に若干移動され、その後、長手方向軸線に対する横方向への移動が、開始される。同一のフライス加工部分は、フライスの逆方向の移動シーケンスによっても当然ながら実現され得る。螺旋状切欠部が、全体にわたり形成されるように、シャフトは、その長手方向軸線に対して平行に変位され、あるフライス加工部分と次のフライス加工部分との間において長手方向軸線を中心として回転され得る一方で、フライスは、初期位置を維持する。
【0015】
ソノトロードは、上述の特徴を有する複数の螺旋状切欠部を有することが可能である。複数の螺旋状切欠部は、シャフトの同一の長手方向部分に配置されることが好ましい。螺旋状切欠部は、共に螺旋状構造部を形成するように、互いに交錯することが可能である。例としては、螺旋状切欠部は、シャフトの8mm〜15mmの間の長さにわたって延在することが可能である。円周方向においては、螺旋状切欠部は、例えば180°の角度にわたって延在することが可能である。この場合に、シャフトの直径は、例えば5mm〜8mmの間であることが可能である。螺旋状切欠部の長手方向の延びとソノトロードの長手方向軸線との間の角度は、30°〜60°の間であることが可能である。
【0016】
近位端部から遠位端部にかけて、ソノトロードは、例えば6cm〜18cmの間の長さを有することが可能である。ソノトロードは、近位端部から遠位端部にかけて直線状に延在するように具現化され得る。
【0017】
ソノトロードは、ソノトロードを有する器具の作動時に、振動ノードがソノトロードの中心領域に形成されるように、関連する超音波外科器具の超音波トランスデューサに対して適合されると好ましい。螺旋状切欠部は、この振動ノードとソノトロードの近位端部との間に配置されると好ましい。これは、近位端部から見た場合に、螺旋状切欠部が、ソノトロードの最初の半分の位置に配置されることが好ましいことを、そしてソノトロードの最初の3分の1の位置に配置されることがより好ましいことを意味する。
【0018】
螺旋状切欠部がシャフトの材料に過度に深く切り込まれた場合に、シャフトが脆弱化するという問題は、チャネルが内部を貫通して延在し、このチャネルが例えばソノトロードの遠位端部に洗浄液体を供給する役割を果たし得る場合に、特に発生する。したがって、本発明の利点は、ソノトロードの長手方向軸線に対して平行に配列されたチャネルが、シャフトの内部に延在する場合に、特に顕著となる。例として、チャネルは、0.5mm〜1.5mmの間の直径を有することが可能であり、0.8mm〜1.2mmの間の直径を有することが好ましい。
【0019】
螺旋状切欠部の効果は、ソノトロードの近位端部において長手方向に作用する力が、ねじり運動へと部分的に変換されるというものである。したがって、ソノトロードの遠位端部における器具ヘッドの振動は、長手方向における振動とねじり振動との重畳となる。ねじり振動だけでなく長手方向振動もまた大きな振幅を有する場合には、骨の効果的な処理にとって有利となる。これは、ソノトロードが螺旋状切欠部と器具ヘッドとの間の領域において断面テーパ状部を備えることによって、実現され得る。
【0020】
骨材料の処理は、長手方向振動及びねじり振動に加えてさらなる運動方向が器具ヘッドにおいて重畳される場合には、さらに改善され得る。これは、器具ヘッドが、ソノトロードの長手方向軸線に対して非対称形状を有することにより、実現され得る。この場合には、近位端部から見た場合に、器具ヘッドは、あるタイプの不均衡質量を形成し、これにより、器具ヘッドは、径方向への運動も遂行することにつながる。
【0021】
周辺組織に対する熱傷を回避するために、骨から切除された破片は、手術野から迅速に取り除かれることが望ましい。これらの破片が、手術野に留まると、あるタイプの熱貯蔵として機能し、周辺組織に対する熱の影響を増大させることになる。破片の除去は、器具ヘッドが会釈運動を行うことによって促進される。この場合には、器具ヘッドは、破片を除去するシャベルの様式で作用する。器具ヘッドは、ソノトロードの遠位端部面に止まり穴を設けることによって、かかる会釈運動を行うように誘引され得る。例として、止まり穴の直径は、0.2mm〜0.3mmであることが可能である。例として、止まり穴の長さは、1.2mm〜1.8mmの間であることが可能である。器具ヘッドの構造は、止まり穴により設定目標通りに脆弱化され、そのため器具ヘッドは、所望の固有可動性を獲得する。この止まり穴の特徴は、シャフトが螺旋状切欠部を備えない場合でも、独立した発明的内容を有する。
【0022】
止まり穴は、ソノトロードの長手方向軸線に対して平行に延在し、ソノトロードの中心軸線からある距離を有することが可能である。止まり穴は、中心軸線と切断構造部との間の領域に配置されると好ましい。有利な一実施形態においては、端部面は、2つのかかる止まり穴を備える。加えて、かかる止まり穴の効果は、振動プロファイルが、器具ヘッドから超音波トランスデューサへの力のフィードバックを低減させ、それにより超音波トランスデューサの過負荷を防止するという効果に対して最適化される、というものである。
【0023】
また、本発明は、超音波トランスデューサと、超音波トランスデューサに接続された本発明によるソノトロードとを有する外科器具に関する。この器具は、シャフトの内部のチャネルに液体が供給され得るようにするための送りラインを備えることが可能である。さらに、又は代替的に、この送りラインは、液体が外部上をソノトロードに沿って送られるように、具現化され得る。
【0024】
さらに、本発明は、かかるソノトロードを作製するための方法に関する。この方法においては、シャフトと、シャフトの遠位端部に位置する器具ヘッドとを備える、ソノトロード半加工製品が用意される。複数のフライス加工部分が、シャフトに形成される。2つのフライス加工部分はそれぞれ、ショルダがそれらのフライス加工部分の間の移行部に形成されるように、互いに隣接する。隣接し合う切欠部同士は、フライス加工部分が全体として螺旋状切欠部を形成するように、ソノトロードの長手方向及び円周方向の両方において互いにオフセットされる。
【0025】
フライス加工部分は、互いに平行に延在することが可能であり、フライス加工部分の最大長部分は、ソノトロードの長手方向軸線との間に直角をそれぞれ有する。有利な一実施形態においては、フライスは、初めに径方向でシャフトに突き刺さり、次いで横方向にシャフトの材料から出るように案内される。また、このフライスの移動シーケンスは、逆転することも可能である。例としては、フライスは、0.5mm〜1.5mmの間の直径を有することが可能であり、0.8mm〜1.2mmの間であることが好ましい。切欠部の最大深度、すなわちフライスがシャフトの表面から材料中に貫入する最長距離は、例えば0.5mm〜1.5mmの間であることが可能であり、0.8mm〜1.2mmの間であることが好ましい。
【0026】
この方法は、本発明によるソノトロードを参照として上述したさらなる特徴と共に発展させることが可能である。さらに、本発明は、本発明による方法によって達成され得るソノトロードに関する。
【0027】
以下のテキストにおいては、添付の図面を参照としつつ、有利な実施形態の基本に基づき例示的に本発明を説明する。詳細には、以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明による超音波外科器具の側方図である。
図2】本発明によるソノトロードの側方図である。
図3図2の一部分の拡大図である。
図4図2の細部の異なる拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1の超音波外科器具は、その後方端部にハンドル14を備え、外科医は、このハンドルによりこの器具を動かし得る。器具の内部には、超音波トランスデューサ(図1には図示せず)が配置されており、この超音波トランスデューサは、信号発生器(同様に図1には図示せず)から入力信号としての電気AC電圧信号を取得する。例としては、AC電圧周波数は、20kHz〜40kHzの間であることが可能である。超音波トランスデューサは、電気信号を器具の長手方向に沿う機械振動へと変換するための圧電素子を備える。この機械振動は、図2のように遠位端部に器具ヘッド17を備えるシャフト19を備えるソノトロード16へと伝達される。図1において下方向に向かって及び図2の図面平面内に示される器具ヘッド17の面は、切断構造部18を備え、切断面として機能する。振動する器具ヘッド17の振動切断構造部18が、骨に向かって案内されると、骨材料は、切除される。
【0030】
さらに、超音波外科器具は、手術野に洗浄液体を供給し得るようにするためのライン12(図1に図示)を備える。洗浄液体は、ソノトロード16の内部に配置されたチャネル24を通り器具ヘッド17まで送られ、そこから手術野に出ることが可能である。チャネル24の遠位端部は、図4において確認できる。代替的には、洗浄液体は、外部上をソノトロードに沿って送られることも可能である。
【0031】
図2のように、ソノトロード16は、外科器具のハンドピースにソノトロード16を連結させ得る近位端部20から、器具ヘッド17が配置される遠位端部21にかけて、直線状に延在する。断面テーパ状部15により、シャフト19は、近位端部20付近のより太い領域から、遠位端部21付近のより細い領域へと移行する。シャフトは、より太い領域においては6.5mmの直径を有する。ソノトロードは、近位端部20から遠位端部21にかけて約10cmの長さを有する。近位端部20に、シャフト19は、凹部23を備え、この凹部23は、ハンドピースにソノトロード16を螺合させるか又はハンドピースからソノトロード16を外すために、スパナと係合され得る。
【0032】
ソノトロード16が、動作中であり、超音波トランスデューサにより振動させられる場合に、振動ノードが、近位端部20と遠位端部21との間のほぼ中心に形成される。振動ノードと近位端部20との間の領域には、シャフト19は、組み合わされた4つの螺旋状切欠部22から構成された螺旋状構造部を備える。図3において拡大図で示すこの螺旋構造部の、1つの螺旋状切欠部22は、その全体が実質的に見え、2つの螺旋状切欠部22は、部分的に見えるが、第4の切欠部は、シャフト19により隠れてしまっているため見えない。
【0033】
螺旋状切欠部22は、長手方向の延びを有し、それによって螺旋状切欠部22は、シャフト19の周囲に螺旋状に延在する。螺旋状切欠部22の長手方向の延びに沿って、螺旋状切欠部22は、シャフト19の長手方向軸線との間に45°の角度を有する。螺旋状切欠部22は、約1.5cmの長手方向の延びを有する。長手方向の延びに対して垂直方向の幅は、螺旋状切欠部22が直線状エッジを有さないため明確には決定できないが、約2mmである。
【0034】
いずれの螺旋状切欠部22も、10個のフライス加工部分25から構成され、このフライス加工部分25の最大長部分は、シャフト19の長手方向軸線に対して垂直にそれぞれ配列される。フライス加工部分25は、全体として螺旋形状が形成されるように、シャフト19の長手方向及び円周方向の両方において互いにオフセットされる。
【0035】
螺旋状切欠部22の第1のフライス加工部分25のそれぞれ(図3の右側の切欠部22のそれぞれ)は、フライスが垂直にシャフト19の材料に突き刺さり、次いでフライスがシャフト19の材料から出るまで側部へ(図3の上方)案内されることによって、形成される。
【0036】
フライスは、次のフライス加工部分25を形成するために、再びその初期位置へと移動して戻ることが可能である。シャフト19は、フライスに対して長手方向に変位され、長手方向軸線を中心として若干回転されることにより、フライスは、新たな位置においてシャフト19の材料に突き刺さって、次のフライス加工部分25を形成することが可能である。長手方向に沿った変位は、フライスが第2のフライス加工部分25のために材料に突き刺さるときに、第1のフライス加工部分25との間に重畳部分が得られるように、フライス加工部分25の幅のほぼ半分となる。フライスは、次いで、初めにシャフト19の長手方向軸線に対して平行に若干案内され、その後、横方向への移動により材料から出るように案内される。
【0037】
フライスは、第1のフライス加工部分25と比べた場合に、第2の切欠部22において異なる角度位置からシャフト19に突き刺さるため、エッジ26が、フライス加工部分25同士の間に形成される。フライスが、初めに長手方向に案内される結果として、第1のフライス加工部分25と第2のフライス加工部分25との間のエッジ26は、他の場合であれば直線であったはずではあるが、中断される。図3においては、エッジ26の中断が、フライス加工部分25の半円形凹部としてそれぞれ図示される。
【0038】
螺旋状切欠部22は、この様式において互いに隣接する10個のフライス加工部分25により形成される。エッジ26は、本発明の意味の範囲内においてショルダを形成し、このショルダは、螺旋状切欠部22に対して横方向に延在する。螺旋状切欠部22の形成時の記載のシーケンスは、単に説明を目的とするものに過ぎない。例えば異なるシーケンスでフライス加工部分25を作製すること、又はフライスを逆方向に移動させることなどによる、他のシーケンスもまた可能である。
【0039】
ソノトロード16の近位端部が超音波トランスデューサにより励振されて生じる長手方向振動は、螺旋状切欠部22によってねじり振動へと部分的に変換される。これにより、遠位端部の器具ヘッド17は、励振されて、ねじり振動及び長手方向振動を含む複雑な運動を生ずる。エッジ26が、横方向において螺旋状切欠部22を中断する結果として、器具ヘッド17のねじり振動は、従来的な螺旋状切欠部22の場合よりも大きな振幅を有する。長手方向振幅は、断面テーパ状部15により増幅される。
【0040】
ソノトロード16の遠位端部21が、図4においては拡大されて示され、この視野は、チャネル24の出口を有する端部面が見える一方で、切断構造部18が後方に斜め方向を向き隠れるように、選択されている。ソノトロード16の遠位端部面は、2つの止まり穴27を備え、これらの止まり穴27は、チャネル24に対して平行に延在し、チャネル24と切断構造部18との間に設置される。止まり穴は、0.2mm〜0.3mmの間の直径と、約1.5mmの長さとを有する。止まり穴27及び斜角面29の結果として、器具ヘッド17は、ソノトロード16の長手方向軸線に対して非対称形状を得る。この非対称形状により、器具ヘッド17は、会釈運動を本質的に行う結果となる。切断構造部18により骨から切除される破片は、この首振り運動の結果として、特に効果的に除去される。
【0041】
したがって、本発明は、器具ヘッド17が多次元振動を行い、これにより骨材料が非常に効果的に切除され得る、ソノトロードを提示する。骨材料から切り出された破片は、器具ヘッド17の追加的な首振り運動の結果として、良好に除去される。
図1
図2
図3
図4