【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、シャフトの螺旋状切欠部は、横方向に延在するショルダを備える。
【0007】
初めにいくつかの用語について説明する。螺旋状切欠部のショルダは、螺旋状切欠部の一領域が、螺旋状切欠部の隣接領域よりもシャフトの材料内により深く切り込まれることにより形成され得る。これら2つの領域間の移行部が、ショルダと呼ばれる。
【0008】
螺旋状切欠部は、シャフトの周囲に螺旋状に延在する長手方向の延びを有する。本発明によるショルダは、この長手方向の延びに対して横方向に配列され、すなわち長手方向の延びとの間に角度を有する。ショルダは、螺旋状切欠部の全幅にわたり延在することが可能である。また、ショルダは、螺旋状切欠部の幅の一部のみにわたり延在することも可能である。
【0009】
本発明は、螺旋状切欠部の横方向に延在するショルダが、シャフトの遠位端部におけるねじり振動の振幅を増大させることを確認した。したがって、シャフトの遠位端部に位置する器具ヘッドは、激しいねじり振動状態におかれ、それにより骨材料の効果的な処理が可能となる。この振幅の増大は、おそらく、ショルダがシャフト内における力伝達についてあるタイプの特異性を形成することに起因する。力伝達において中断が存在する結果として、シャフトの遠位端部においてねじり振動の増大が発生する。
【0010】
ショルダは、螺旋状切欠部の長手方向の延びに対して90°の角度を有することが可能である。この角度が90°から逸脱する場合には、特に効果的であることが判明した。例としては、螺旋状切欠部のショルダと長手方向の延びとの間の角度は、10°〜80°の間であることが可能であり、30°〜60°の間であることが好ましい。
【0011】
ショルダは、螺旋状切欠部に対して横方向に延在するエッジを有することが可能である。エッジは、螺旋状切欠部の全幅にわたり直線状に延在することが可能である。しかし、エッジが、螺旋状切欠部の幅の一部分のみにわたり直線状に延在し、次いで中断される場合には、本発明による効果にとって有利となることが、試行により判明した。この文脈において、エッジの中断は、エッジが、同一方向において直線状に継続しないことを意味する。エッジ自体が再び中断されることにより、シャフト内における力伝達にさらなる断絶がもたらされるが、これは、シャフトの遠位端部における振動の振幅に関してプラスの効果を有する。
【0012】
シャフトの遠位端部における振動の振幅は、螺旋状切欠部が、前述の特徴を有する複数のショルダを有する場合には、さらに増大され得る。ショルダは、互いに平行に延在することが可能である。ショルダは、ソノトロードの長手方向軸線との間に90°の角度を有することが可能である。
【0013】
螺旋状切欠部は、複数のフライス加工部分から構成され得る。ショルダは、あるフライス加工部分から次のフライス加工部分への移行部に形成される。例としては、螺旋状切欠部は、8〜12個のフライス加工部分を備えることが可能である。フライス加工部分は、螺旋状切欠部の長手方向の延びに対して横方向に配列され得る。
【0014】
例として、フライス加工部分は、フライスが初めにシャフトに突き刺さり、次いで側部方向へと(すなわちフライス軸線に対して垂直に及びソノトロード軸線に対して垂直に)シャフトの材料から再び出るように案内されることによって、形成され得る。この場合に、全てのフライス加工部分は、一方の端部に丸み輪郭を有する壁部を有する一方で、他方の端部においてはシャフトの外周表面と直接的に合流する。エッジを中断させるために、フライスは、初めは長手方向軸線に対して平行に若干移動され、その後、長手方向軸線に対する横方向への移動が、開始される。同一のフライス加工部分は、フライスの逆方向の移動シーケンスによっても当然ながら実現され得る。螺旋状切欠部が、全体にわたり形成されるように、シャフトは、その長手方向軸線に対して平行に変位され、あるフライス加工部分と次のフライス加工部分との間において長手方向軸線を中心として回転され得る一方で、フライスは、初期位置を維持する。
【0015】
ソノトロードは、上述の特徴を有する複数の螺旋状切欠部を有することが可能である。複数の螺旋状切欠部は、シャフトの同一の長手方向部分に配置されることが好ましい。螺旋状切欠部は、共に螺旋状構造部を形成するように、互いに交錯することが可能である。例としては、螺旋状切欠部は、シャフトの8mm〜15mmの間の長さにわたって延在することが可能である。円周方向においては、螺旋状切欠部は、例えば180°の角度にわたって延在することが可能である。この場合に、シャフトの直径は、例えば5mm〜8mmの間であることが可能である。螺旋状切欠部の長手方向の延びとソノトロードの長手方向軸線との間の角度は、30°〜60°の間であることが可能である。
【0016】
近位端部から遠位端部にかけて、ソノトロードは、例えば6cm〜18cmの間の長さを有することが可能である。ソノトロードは、近位端部から遠位端部にかけて直線状に延在するように具現化され得る。
【0017】
ソノトロードは、ソノトロードを有する器具の作動時に、振動ノードがソノトロードの中心領域に形成されるように、関連する超音波外科器具の超音波トランスデューサに対して適合されると好ましい。螺旋状切欠部は、この振動ノードとソノトロードの近位端部との間に配置されると好ましい。これは、近位端部から見た場合に、螺旋状切欠部が、ソノトロードの最初の半分の位置に配置されることが好ましいことを、そしてソノトロードの最初の3分の1の位置に配置されることがより好ましいことを意味する。
【0018】
螺旋状切欠部がシャフトの材料に過度に深く切り込まれた場合に、シャフトが脆弱化するという問題は、チャネルが内部を貫通して延在し、このチャネルが例えばソノトロードの遠位端部に洗浄液体を供給する役割を果たし得る場合に、特に発生する。したがって、本発明の利点は、ソノトロードの長手方向軸線に対して平行に配列されたチャネルが、シャフトの内部に延在する場合に、特に顕著となる。例として、チャネルは、0.5mm〜1.5mmの間の直径を有することが可能であり、0.8mm〜1.2mmの間の直径を有することが好ましい。
【0019】
螺旋状切欠部の効果は、ソノトロードの近位端部において長手方向に作用する力が、ねじり運動へと部分的に変換されるというものである。したがって、ソノトロードの遠位端部における器具ヘッドの振動は、長手方向における振動とねじり振動との重畳となる。ねじり振動だけでなく長手方向振動もまた大きな振幅を有する場合には、骨の効果的な処理にとって有利となる。これは、ソノトロードが螺旋状切欠部と器具ヘッドとの間の領域において断面テーパ状部を備えることによって、実現され得る。
【0020】
骨材料の処理は、長手方向振動及びねじり振動に加えてさらなる運動方向が器具ヘッドにおいて重畳される場合には、さらに改善され得る。これは、器具ヘッドが、ソノトロードの長手方向軸線に対して非対称形状を有することにより、実現され得る。この場合には、近位端部から見た場合に、器具ヘッドは、あるタイプの不均衡質量を形成し、これにより、器具ヘッドは、径方向への運動も遂行することにつながる。
【0021】
周辺組織に対する熱傷を回避するために、骨から切除された破片は、手術野から迅速に取り除かれることが望ましい。これらの破片が、手術野に留まると、あるタイプの熱貯蔵として機能し、周辺組織に対する熱の影響を増大させることになる。破片の除去は、器具ヘッドが会釈運動を行うことによって促進される。この場合には、器具ヘッドは、破片を除去するシャベルの様式で作用する。器具ヘッドは、ソノトロードの遠位端部面に止まり穴を設けることによって、かかる会釈運動を行うように誘引され得る。例として、止まり穴の直径は、0.2mm〜0.3mmであることが可能である。例として、止まり穴の長さは、1.2mm〜1.8mmの間であることが可能である。器具ヘッドの構造は、止まり穴により設定目標通りに脆弱化され、そのため器具ヘッドは、所望の固有可動性を獲得する。この止まり穴の特徴は、シャフトが螺旋状切欠部を備えない場合でも、独立した発明的内容を有する。
【0022】
止まり穴は、ソノトロードの長手方向軸線に対して平行に延在し、ソノトロードの中心軸線からある距離を有することが可能である。止まり穴は、中心軸線と切断構造部との間の領域に配置されると好ましい。有利な一実施形態においては、端部面は、2つのかかる止まり穴を備える。加えて、かかる止まり穴の効果は、振動プロファイルが、器具ヘッドから超音波トランスデューサへの力のフィードバックを低減させ、それにより超音波トランスデューサの過負荷を防止するという効果に対して最適化される、というものである。
【0023】
また、本発明は、超音波トランスデューサと、超音波トランスデューサに接続された本発明によるソノトロードとを有する外科器具に関する。この器具は、シャフトの内部のチャネルに液体が供給され得るようにするための送りラインを備えることが可能である。さらに、又は代替的に、この送りラインは、液体が外部上をソノトロードに沿って送られるように、具現化され得る。
【0024】
さらに、本発明は、かかるソノトロードを作製するための方法に関する。この方法においては、シャフトと、シャフトの遠位端部に位置する器具ヘッドとを備える、ソノトロード半加工製品が用意される。複数のフライス加工部分が、シャフトに形成される。2つのフライス加工部分はそれぞれ、ショルダがそれらのフライス加工部分の間の移行部に形成されるように、互いに隣接する。隣接し合う切欠部同士は、フライス加工部分が全体として螺旋状切欠部を形成するように、ソノトロードの長手方向及び円周方向の両方において互いにオフセットされる。
【0025】
フライス加工部分は、互いに平行に延在することが可能であり、フライス加工部分の最大長部分は、ソノトロードの長手方向軸線との間に直角をそれぞれ有する。有利な一実施形態においては、フライスは、初めに径方向でシャフトに突き刺さり、次いで横方向にシャフトの材料から出るように案内される。また、このフライスの移動シーケンスは、逆転することも可能である。例としては、フライスは、0.5mm〜1.5mmの間の直径を有することが可能であり、0.8mm〜1.2mmの間であることが好ましい。切欠部の最大深度、すなわちフライスがシャフトの表面から材料中に貫入する最長距離は、例えば0.5mm〜1.5mmの間であることが可能であり、0.8mm〜1.2mmの間であることが好ましい。
【0026】
この方法は、本発明によるソノトロードを参照として上述したさらなる特徴と共に発展させることが可能である。さらに、本発明は、本発明による方法によって達成され得るソノトロードに関する。
【0027】
以下のテキストにおいては、添付の図面を参照としつつ、有利な実施形態の基本に基づき例示的に本発明を説明する。詳細には、以下のとおりである。