特許第6057310号(P6057310)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6057310
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】ピアス用キャッチ
(51)【国際特許分類】
   A44C 7/00 20060101AFI20161226BHJP
【FI】
   A44C7/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-224891(P2015-224891)
(22)【出願日】2015年11月17日
【審査請求日】2015年12月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397011203
【氏名又は名称】有限会社丸山
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】丸山 治
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0191991(US,A1)
【文献】 特開2000−050916(JP,A)
【文献】 特開2008−017977(JP,A)
【文献】 特開2007−007025(JP,A)
【文献】 特開2009−050422(JP,A)
【文献】 米国特許第03698044(US,A)
【文献】 特許第5041748(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性材料からなる上下距離が3.5mm〜10.0mm、横幅が3.5mm〜10.0mmの弾性構造体と、
前記弾性構造体の底部から上方に向けて設けられた、ピアスピンを挿入するピン挿入孔と、
前記弾性構造体の上部側を形成している側部に出っ張った形態の、前記弾性構造体を摘んだ指に掛かる部位である弾性構造体上側凸部と、
前記弾性構造体の前記弾性構造体上側凸部より下方を形成している、該弾性構造体上側凸部の横幅より横幅が小幅形態の弾性構造体胴部と、
前記弾性構造体に内設された、前記ピン挿入孔に挿入状態にある前記ピアスピンを対抗挟持形態で挟持する第1の挟持部と第2の挟持部を有してなる、硬質製部材からなるピン挟持硬質体と、を備えてなるとともに、
前記ピン挟持硬質体の最上部位置が、前記弾性構造体胴部の最上部位置より0.6mm以上下方に位置していて、
前記ピン挟持硬質体の無い前記弾性構造体のみの部位が上側軟らかめ構造部位を形成していて、
前記上側軟らかめ構造部位より下側は前記ピン挟持硬質体を有する下側硬め構造部位を形成していて、
親指と人差さ指で前記弾性構造体上側凸部と前記弾性構造体胴部を摘み、その摘み力を強めると、前記上側軟らかめ構造部位は上下方向に伸びる胴部伸び形態となる形態であることを特徴とするピアス用キャッチ。
【請求項2】
弾性材料からなる上下距離が3.5mm〜10.0mm、横幅が3.5mm〜10.0mmの弾性構造体と、
前記弾性構造体の底部から上方に向けて設けられた、ピアスピンを挿入するピン挿入孔と、
前記弾性構造体の上部側を形成している側部に出っ張った形態の、前記弾性構造体を摘んだ指に掛かる部位である弾性構造体上側凸部と、
前記弾性構造体の前記弾性構造体上側凸部より下方を形成している、該弾性構造体上側凸部の横幅より横幅が小幅形態の弾性構造体胴部と、
前記弾性構造体に内設された、前記ピン挿入孔に挿入状態にある前記ピアスピンを対抗挟持形態で挟持する第1の挟持部と第2の挟持部を有してなる、硬質製部材からなるピン挟持硬質体と、を備えてなるとともに、
前記弾性構造体上側凸部の上下幅が0.6mm〜2.0mmであり、かつ、該弾性構造体上側凸部が指に掛かる鈍角部位又は鋭角部位を有する形態であり、前記鈍角部位および前記鋭角部位が湾曲角形態では半径0.5mm以下の湾曲角であり、
前記ピン挟持硬質体の無い前記弾性構造体のみの部位が上側軟らかめ構造部位を形成していて、
前記上側軟らかめ構造部位より下側は前記ピン挟持硬質体を有する下側硬め構造部位を形成していて、
親指と人差さ指で前記弾性構造体上側凸部と前記弾性構造体胴部を摘み、その摘み力を強めると、前記上側軟らかめ構造部位は上下方向に伸びる胴部伸び形態となる形態であることを特徴とするピアス用キャッチ。
【請求項3】
弾性材料からなる上下距離が3.5mm〜10.0mm、横幅が3.5mm〜10.0mmの弾性構造体と、
前記弾性構造体の底部から上方に向けて設けられた、ピアスピンを挿入するピン挿入孔と、
前記弾性構造体の上部側を形成している側部に出っ張った形態の、前記弾性構造体を摘んだ指に掛かる部位である弾性構造体上側凸部と、
前記弾性構造体の前記弾性構造体上側凸部より下方を形成している、該弾性構造体上側凸部の横幅より横幅が小幅形態の弾性構造体胴部と、
前記弾性構造体に内設された、前記ピン挿入孔に挿入状態にある前記ピアスピンを対抗挟持形態で挟持する第1の挟持部と第2の挟持部を有してなる、硬質製部材からなるピン挟持硬質体と、を備えてなるとともに、
前記弾性構造体胴部の上下幅が1.3mm以上であり、かつ、前記ピン挟持硬質体の最上部位置が該弾性構造体胴部の中心位置より下方に位置していて、
前記ピン挟持硬質体の無い前記弾性構造体のみの部位が上側軟らかめ構造部位を形成していて、
前記上側軟らかめ構造部位より下側は前記ピン挟持硬質体を有する下側硬め構造部位を形成していて、
親指と人差さ指で前記弾性構造体上側凸部と前記弾性構造体胴部を摘み、その摘み力を強めると、前記上側軟らかめ構造部位は上下方向に伸びる胴部伸び形態となる形態であることを特徴とするピアス用キャッチ。
【請求項4】
前記弾性構造体上側凸部が全周に渡り設けられてなることを特徴とする請求項1又は3記載のピアス用キャッチ。
【請求項5】
前記弾性構造体胴部の下部側に該弾性構造体胴部より側部側に出っ張った形態の弾性構造体下側凸部を設け、前記弾性構造体下側凸部に前記ピン挟持硬質体の半分以上が位置してなることを特徴とする請求項1〜3又は4記載のピアス用キャッチ。
【請求項6】
弾性構造体上側凸部の表面に微細な凸凹からなる梨地部位が形成され、かつ、前記凸凹は鏡面凸凹であり、前記梨地部位により前記弾性構造体の金型からの抜き出しを容易にしたことを特徴とする請求項1〜4又は5記載のピアス用キャッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピアスのピアスピンが挿入されているピアス用キャッチを、親指と人差し指、で摘み該ピアスピンから抜く操作において、摘んでいる指の摘み力を強めても、ピン挟持箇所のピン挟持力が著しく強まって抜き難くなることが生じないピアス用キャッチに関する。
【背景技術】
【0002】
図13は、従来技術にかかるピアスイヤリング用キャッチ<A>(以下「キャッチ<A>」という。)を示している。
従来技術である特許文献1で開示されているピアスイヤリング用キャッチ(以下「キャッチ<B>」という。)の、図13に記載のキャッチ<A>と異なる点は、バネ部材<1>のピン挟持箇所<4c>が環状凹部<11>の中心位置(樹脂製弾性体<9>の中心位置でもある。)と同位置に位置しているものである。
キャッチ<A>とキャッチ<B>は、ピン挟持箇所<4c>の位置が相違するだけで、それ以外の構成は全て同じである。また、以下の図13を用いた説明はキャッチ<A>及びキャッチ<B>の双方に共通するため、構成はキャッチ<A>についてのみ説明する。
また、以下の説明及び図13において「<>」で囲った符号は、特許文献1に記載の符号であり、「<アルファベット>」の符号は出願人が便宜上付与したものもある。
【0003】
まず、図13を参照してキャッチ<A>について説明する。
キャッチ<A>は、樹脂製弾性体<9>と、樹脂製弾性体<9>の内に射出成型等で一体成型により内設された金属製のバネ部材<1>と、から構成されている。
樹脂製弾性体<9>は、上部側を上側湾曲凸部<d>とし、下部側を下側湾曲凸部<e>とし、上側湾曲凸部<d>と下側湾曲凸部<e>の間に凹湾曲形態で連絡してなる環状凹部<11>を形成している。
バネ部材<1>は、中央部にピン<7>が通るピン穴<5>を形成した金属製の基板<3>と、この基板<3>の左右側部から湾曲起こし形態でカールさせて形成した一対の湾曲部<4>(第1の湾曲部<4a>、第2の湾曲部<4b>)と、基板<3>に開けられたピン穴<5>と、からなっている。
樹脂製弾性体<9>には、ピン穴<5>および第1の湾曲部<4a>と第2の湾曲部<4b>間を貫く、挿入されるピン<7>よりも小孔径のピン挿入穴<10>が形成されている。
ピン挿入穴<10>に挿入されたピン<7>は、第1の湾曲部<4a>と第2の湾曲部<4b>によるピン挟持箇所<4c>で挟持される。湾曲部<4>は金属製の比較的硬く変形しにくい材料である。
ピン<7>がピン挿入穴<10>に挿入されると、第1の湾曲部<4a>と第2の湾曲部<4b>はピン<7>によって外側に押され動く。このとき樹脂製弾性体<9>の弾性反発力が第1の湾曲部<4a>と第2の湾曲部<4b>に働くため、ピン挿入穴<10>に挿入されたピン<7>は、硬い第1の湾曲部<4a>と第2の湾曲部<4b>のピン挟持箇所<4c>で強めに挟持される。
樹脂製弾性体<9>の底部材である基板<3>には、ピン<7>をピン挿入穴<10>に導入するためのすり鉢状の凹部<12>が形成されている。
【0004】
樹脂製弾性体<9>の中心に環状凹部<11>が配置され、その環状凹部<11>の中心位置から下方位置にピン挟持箇所<4c>が配置されている。
上側湾曲凸部<d>と下側湾曲凸部<e>は同径同形態であり、その上下幅は環状凹部<11>の上下幅より広い形態となっている。
また、環状凹部<11>と上側湾曲凸部<d>および下側湾曲凸部<e>の連絡は、鈍角の無い滑らかな湾曲連絡形態となっている。
【0005】
バネ部材<1>がそのピン挟持箇所<4c>を環状凹部<11>の中心位置<C>より下方側に位置され、その底部である基板<3>の底部面がすり鉢状の凹部<12>に露出形態とされている。
キャッチ<A>として、樹脂製弾性体<9>が大きい大キャッチと、小さい小キャッチの二種類が知られている。
バネ部材<1>は、樹脂製弾性体<9>が小キャッチに内設のものは小さく、大キャッチに内設のものはそれより大きい形態である。
【0006】
環状凹部<11>の上下幅は、上側湾曲凸部<d>と環状凹部<11>とをつなぐ連絡部の高さ方向の中心位置から、環状凹部<11>と下側湾曲凸部<e>とをつなぐ連絡部の高さ方向の中心位置までの距離である。
【0007】
キャッチ<A>の小キャッチの寸法は、
樹脂製弾性体<9>の上下幅4.0mm、
上側湾曲凸部<d>および下側湾曲凸部<e>の胴幅(横幅)5.4mm、
上側湾曲凸部<d>の上下幅は1.5mm
上側湾曲凸部<d>の指が掛かる側面部位はR(半径)0.9mmの湾曲角形態、
下側湾曲凸部<e>の上下幅は1.4mm、
環状凹部<11>の胴幅4.5mm、
環状凹部<11>の上下幅1.1mm、
環状凹部<11>の凹深さ0.45mmである。
【0008】
また、キャッチ<A>の小キャッチは、バネ部材<1>の最上部が環状凹部<11>の最上部位置から下方に0.25mmである。
また、ピン挟持箇所<4c>が環状凹部<11>の中心位置<C>より0.53mm下方位置である。
【0009】
キャッチ<A>の大キャッチの寸法は、
樹脂製弾性体<9>の上下幅5.0mm、
上側湾曲凸部<d>および下側湾曲凸部<e>の胴幅(横幅)6.7mm、
上側湾曲凸部<d>の上下幅は2.0mm、
下側湾曲凸部<e>の上下幅は1.7mm、
上側湾曲凸部<d>の指が掛かる側面部位はR(半径)1.0mmの湾曲角形態、
環状凹部<11>の胴幅5.7mm、
環状凹部<11>の上下幅1.3mm、
環状凹部<11>の凹深さ0.5mmである。
【0010】
また、キャッチ<A>の大キャッチは、バネ部材<1>の最上部が環状凹部<11>の最上部位置から下方に0.27mmである。
また、ピン挟持箇所<4c>が環状凹部<11>の中心位置<C>より0.63mm下方位置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第5041748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以下に、樹脂製弾性体<9>を、第1の湾曲部<4a>(第1の挟持部)と第2の湾曲部<4b>(第2の挟持部)の側方(図13では右側と左側)から、親指と人差し指で摘んだ場合に生じる状態について述べる(図13参照)。
【0013】
≪キャッチ<A>≫
ピン<7>がピン挿入穴<10>に挿入されているピン挿入状態の樹脂製弾性体<9>を、親指と人差し指で摘み「以下「摘み」、「摘む」、「摘んで」ないし「摘んだ」等という。)、該ピン<7>から抜くピンからの抜き操作時の、該樹脂製弾性体<9>の摘み形態は以下のようである。
キャッチ<A>が小キャッチでは5.4mm×4.0mm、大キャッチでは6.7mm×5.0mmと小さいため、摘んだ指の両指先は下側湾曲凸部<e>の下部側を下方に越えて摘んだ状態である下側凸部指掛かり摘み形態となるものである。
この下側凸部指掛かり摘み形態となる理由は、(ア)下側湾曲凸部<e>の下部角(下部縁)が小キャッチでは半径(R)1.0mm、大キャッチでは半径(R)0.9mmと大きく湾曲した湾曲下部角であり、(イ)上側湾曲凸部<d>と下側湾曲凸部<e>とが同じ太さで、(ウ)環状凹部<11>の上下幅が1.1mmないし1.3mmと狭く、(エ)環状凹部<11>と上側湾曲凸部<d>および下側湾曲凸部<e>の連絡が滑らかな湾曲連絡形態であり、(オ)摘み指からみて上下距離が4mm〜5mmと小さい形態の樹脂製弾性体<9>は、摘む指に対して実質的には湾曲下部角形態のストレート構造体であるためである。
湾曲下部角形態のストレート構造体の4mm〜5mmの小さなキャッチ<A>を摘む場合、樹脂製弾性体<9>が指から抜けないようにするために、最も指掛かりが大きい箇所である下側湾曲凸部<e>の最大突出部位よりも下方の内向き傾斜面に、指先が強くかかるような摘み動作とならざるを得ないものでもある。
このようにキャッチ<A>からピンを抜く際には、下側湾曲凸部<e>の下部の内向き傾斜部分に指先が強くかかった状態でキャッチ<A>を保持することにより、ピアスピンを抜く操作を容易に行うことができる。
【0014】
上側湾曲凸部<d>は、小キャッチでは半径(R)0.9mm、大キャッチでは半径(R)1.0mmという肉厚で鈍角の無い緩やかな湾曲突起形態である。
このような肉厚で緩やかな湾曲の湾曲突起形態は、指の摘まみ力を強めても潰れ変形が小さく、かつ、上方に反り逃げるような変形は緩やかな湾曲による滑りも加わって殆ど生じないものである。よって、指も上方への逃げが生じることがなく、よってフィット感が悪く下側湾曲凸部<e>およびバネ部材<1>(ピン挟持硬質体)の位置に指が位置して、それを強く摘まむことになるものである。
【0015】
したがって、摘んだ指の摘み力を強めると、上側軟らかめ構造部位(上側湾曲凸部<d>)部位はほんのわずか潰れ変形し、下側硬め構造部位(環状凹部<11>と下側湾曲凸部<e>)は上側湾曲凸部<d>の変形よりは小さな変形ないし殆ど変形しないものとなる。
そのまま、摘み力を強めると当然キャッチ<A>は指から押し出されて行く動き(指から抜ける動き)となる。
この押し出されて行く動きを止めるためには、下側硬め構造部位(特に下側湾曲凸部<e>)側を強く摘み、該下側湾曲凸部<e>の下部側に指肉を回し込む摘み動作になる。
そして、下側硬め構造部位(特に下側湾曲凸部<e>)側を強く摘むと、そこの内側に位置しているバネ部材<1>への両側部側からの押力が強まり、上側湾曲凸部<d>と下側湾曲凸部<e>のピン挟持箇所<4c>のピン挟持力が著しく強まり、ピンからの抜く操作抵抗が著しく強まってしまうピン挟持力増強動作となるものである。
【0016】
キャッチ<A>は4mm〜5mmと小さいく、キャッチを摘んでピンを抜く操作においては、環状凹部<11>は上下の幅が狭くかつ湾曲角が小キャッチでは半径(R)0.9mm、大キャッチでは半径(R)1.0mmという鈍角の無い上側湾曲凸部<d>との緩やかな湾曲連絡であるため、上側湾曲凸部<d>への指の掛かりが弱い。よって、上側湾曲凸部<d>は指肉が掛かる指掛かり部位(爪掛かりを除く)としての機能は弱いものである。
また、下側湾曲凸部<e>の下部面に指を掛けないで摘んだ場合、または上側湾曲凸部<d>、環状凹部<11>および下側湾曲凸部<e>の側部面のみに指を掛けて摘んだ場合には、摘む力を強めるとキャッチ<A>が容易に指から滑り抜け落ちてしまうものである。
【0017】
また、キャッチ<A>は、硬質部材であるバネ部材<1>を樹脂製弾性体<9>の胴部に位置させた形態であり、かつ、バネ部材<1>の最上部位置が、環状凹部<11>の最上部位置から下方に小キャッチでは0.25mm、大キャッチでは0.27mm(弾性構造体胴部)と極めて狭い配置とされている。
このため、環状凹部<11>(弾性構造体胴部)は全体が、バネ部材<1>による硬めの構造となっており、かつ、バネ部材<1>位置する下側湾曲凸部<e>も硬め構造部位となっている。
【0018】
すなわち、硬質のバネ部材<1>が位置する環状凹部<11>および下側湾曲凸部<e>は下側硬め構造部位を形成し、バネ部材<1>の配置の無い上側湾曲凸部<d>部位は上側軟らかめ構造部位を形成し、かつ、上側軟らかめ構造部位の下側硬め構造部位に連絡する部位である、バネ部材<1>の最上部位置と環状凹部<11>の最上部位置(=上側湾曲凸部<d>の最下部位置)のキャッチ離れ区間は、小キャッチでは0.25mm、大キャッチでは0.27mmという狭いキャッチ離れ距離であるものである。
このため、キャッチ<A>は、狭いそのキャッチ離れ区間は摘まみ力によって伸びることは殆んど無いないものであり、かつ、上側湾曲凸部<d>の上方逃げ変形が生じ難いことによって、指の摘み力強め操作では下側硬め構造部位も強く摘まむことになり、ピン挟持箇所<4c>のピン挟持力が著しく強まってしまうピン挟持力増強動作になるものである。
【0019】
また、キャッチ<B>に関して、特許文献1の段落[0018]において、「ピン<7>を受ける際には、キャッチの外周に形成されている環状凹部<11>を指先や爪の先で摘むことができる」と記載されている。
しかし、実際には下側湾曲凸部<e>の下部面に指を掛けず、指先(指先肉)を環状凹部<11>に位置させて摘まもうとしても、摘み力を強めると即指から滑り抜け落ちるため、指肉での摘みではピンを抜く操作がし難いものである。
これに対し、親指爪と人差し指爪を環状凹部<11>に入れて摘むと、比較的しっかりとキャッチを摘むことができ、容易に抜き操作を行うことができる。
よって、キャッチ<A>、<B>ともに、環状凹部<11>は「爪掛かり部」ないし「爪摘み部」として機能するものであり、指肉に掛かる「指摘み部」としては機能しないものであるとするのが相当であるものである。
【0020】
爪が長い人、爪に付けたネイルが長い人は、指先や爪で摘むことが難しいので、通常は、爪同士が当たらない親指と人差し指の横腹部位同士で摘む指横腹部位摘み形態(図5の図(b)参照)。)にして、ピンからの着脱操作をおこなっている。
かかる指横腹部位摘み形態では、キャッチ<A>、<B>は前述したように摘み力を強めると指から押し出され抜け落ちてしまう。
【0021】
≪キャッチ<B>について≫
特許文献1のキャッチ<B>では、第1の湾曲部<4a>および第2の湾曲部<4b>の上下方向のほぼ中心位置にある挟持箇所<4c>は、環状凹部<11>の中心位置<C>とほぼ同じ位置にある。また、第1の湾曲部<4a>および第2の湾曲部<4b>の最上部であるバネ部材<1>の最上部は環状凹中心位置<C>より上方に位置している。
【0022】
また、樹脂製弾性体<9>内のバネ部材<1>の最上部が環状凹部<11>の最上部位置から上方に位置している。大キャッチでは0.43mm、小キャッチでは0.37mmの位置である。
【0023】
よって、バネ部材<1>がある環状凹部<11>付近は、該硬質のバネ部材<1>により、変形し難い中央硬めの構造となっている。
このようなバネ部材<1>が中心に位置している形態においても、キャッチ<B>を摘んだときの摘み力による内側への押圧力が、該バネ部材<1>に強く作用する。従って、前記したキャッチ<A>で述べたことと同様なピン挟持力増強動作となるものである。
【0024】
本発明は以上のような従来技術の欠点に鑑み、弾性構造体を指で摘みその摘み力を強めてのピンからの抜き操作において、ピン挟持箇所のピン挟持力が著しく増大して著しく抜き難くなることが生じないピアス用キャッチを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成するために、本発明は次に述べるような構成となっている。
<請求項1記載の発明>
弾性材料からなる上下距離が3.5mm〜10.0mm、横幅が3.5mm〜10.0mmの弾性構造体と、
前記弾性構造体の底部から上方に向けて設けられた、ピアスピンを挿入するピン挿入孔と、
前記弾性構造体の上部側を形成している側部に出っ張った形態の、前記弾性構造体を摘んだ指に掛かる部位である弾性構造体上側凸部と、
前記弾性構造体の前記弾性構造体上側凸部より下方を形成している、該弾性構造体上側凸部の横幅より横幅が小幅形態の弾性構造体胴部と、
前記弾性構造体に内設された、前記ピン挿入孔に挿入状態にある前記ピアスピンを対抗挟持形態で挟持する第1の挟持部と第2の挟持部を有してなる、硬質製部材からなるピン挟持硬質体と、を備えてなるとともに、
前記ピン挟持硬質体の最上部位置が、前記弾性構造体胴部の最上部位置より0.6mm以上下方に位置していて、
前記ピン挟持硬質体の無い前記弾性構造体のみの部位が上側軟らかめ構造部位を形成していて、
前記上側軟らかめ構造部位より下側は前記ピン挟持硬質体を有する下側硬め構造部位を形成していて、
親指と人差さ指で前記弾性構造体上側凸部と前記弾性構造体胴部を摘み、その摘み力を強めると、前記上側軟らかめ構造部位は上下方向に伸びる胴部伸び形態となる形態であることを特徴とするピアス用キャッチである。
【0026】
「弾性材料」は、シリコンゴム製部材、天然ゴム製部材、合成ゴム製部材、弾性合成樹脂製部材などである。
「ピン挿入孔」は、止り孔形態、貫通孔形態を含む。
弾性構造体へのピン挟持硬質体の内設形態は、全部位を埋設した全部位埋設形態、一部を弾性構造体の底部から露出した一部露出形態を含む。
また、「弾性材料からなる上下距離が3.5mm〜10.0mm、横幅が3.5mm〜10.0mmの弾性構造体」の前記距離は、弾性構造体の最も上下距離の長い部位の上下距離であり、最も横幅が長い部位の横幅距離である。
これらのことは、以下の請求項の発明においても同様である。
【0027】
<請求項2記載の発明>
弾性材料からなる上下距離が3.5mm〜10.0mm、横幅が3.5mm〜10.0mmの弾性構造体と、
前記弾性構造体の底部から上方に向けて設けられた、ピアスピンを挿入するピン挿入孔と、
前記弾性構造体の上部側を形成している側部に出っ張った形態の、前記弾性構造体を摘んだ指に掛かる部位である弾性構造体上側凸部と、
前記弾性構造体の前記弾性構造体上側凸部より下方を形成している、該弾性構造体上側凸部の横幅より横幅が小幅形態の弾性構造体胴部と、
前記弾性構造体に内設された、前記ピン挿入孔に挿入状態にある前記ピアスピンを対抗挟持形態で挟持する第1の挟持部と第2の挟持部を有してなる、硬質製部材からなるピン挟持硬質体と、を備えてなるとともに、
前記弾性構造体上側凸部の上下幅が0.6mm〜2.0mmであり、かつ、該弾性構造体上側凸部が指に掛かる鈍角部位又は鋭角部位を有する形態であり、前記鈍角部位および前記鋭角部位が湾曲角形態では半径0.5mm以下の湾曲角であり、
前記ピン挟持硬質体の無い前記弾性構造体のみの部位が上側軟らかめ構造部位を形成していて、
前記上側軟らかめ構造部位より下側は前記ピン挟持硬質体を有する下側硬め構造部位を形成していて、
親指と人差さ指で前記弾性構造体上側凸部と前記弾性構造体胴部を摘み、その摘み力を強めると、前記上側軟らかめ構造部位は上下方向に伸びる胴部伸び形態となる形態であることを特徴とするピアス用キャッチである。
【0028】
<請求項3記載の発明>
弾性材料からなる上下距離が3.5mm〜10.0mm、横幅が3.5mm〜10.0mmの弾性構造体と、
前記弾性構造体の底部から上方に向けて設けられた、ピアスピンを挿入するピン挿入孔と、
前記弾性構造体の上部側を形成している側部に出っ張った形態の、前記弾性構造体を摘んだ指に掛かる部位である弾性構造体上側凸部と、
前記弾性構造体の前記弾性構造体上側凸部より下方を形成している、該弾性構造体上側凸部の横幅より横幅が小幅形態の弾性構造体胴部と、
前記弾性構造体に内設された、前記ピン挿入孔に挿入状態にある前記ピアスピンを対抗挟持形態で挟持する第1の挟持部と第2の挟持部を有してなる、硬質製部材からなるピン挟持硬質体と、を備えてなるとともに、
前記弾性構造体胴部の上下幅が1.3mm以上であり、かつ、前記ピン挟持硬質体の最上部位置が該弾性構造体胴部の中心位置より下方に位置していて、
前記ピン挟持硬質体の無い前記弾性構造体のみの部位が上側軟らかめ構造部位を形成していて、
前記上側軟らかめ構造部位より下側は前記ピン挟持硬質体を有する下側硬め構造部位を形成していて、
親指と人差さ指で前記弾性構造体上側凸部と前記弾性構造体胴部を摘み、その摘み力を強めると、前記上側軟らかめ構造部位は上下方向に伸びる胴部伸び形態となる形態であることを特徴とするピアス用キャッチである。
【0029】
<請求項4記載の発明>
前記弾性構造体上側凸部が全周に渡り設けられてなることを特徴とする請求項1又は3記載のピアス用キャッチである。
【0030】
<請求項5記載の発明>
前記弾性構造体胴部の下部側に該弾性構造体胴部より側部側に出っ張った形態の弾性構造体下側凸部を設け、前記弾性構造体下側凸部に前記ピン挟持硬質体の半分以上が位置してなることを特徴とする請求項1〜3又は4記載のピアス用キャッチである。
【0031】
<請求項記載の発明>
弾性構造体上側凸部の表面に微細な凸凹からなる梨地部位が形成され、かつ、前記凸凹は鏡面凸凹であり、前記梨地部位により前記弾性構造体の金型からの抜き出しを容易にしたことを特徴とする請求項1〜4又は5記載のピアス用キャッチである。
【発明の効果】
【0032】
本発明は次に述べるような効果を奏する。
<請求項1記載の発明の効果>
(1)ピン挟持硬質体の最上部位置が、弾性構造体胴部の最上部位置より1mm以上(従来技術の3倍以上)下方に位置してなる広い上下距離となっている。
よって、弾性構造体上側凸部と弾性構造体胴部の1mm以上の部位が、ピン挟持硬質体の無い弾性構造体のみの上側軟らかめ構造部位を形成している。それより下側はピン挟持硬質体を有する下側硬め構造部位を形成している。
よって、親指と人差さ指で弾性構造体上側凸部と弾性構造体胴部を摘み、その摘み力を強めると、上側軟らかめ構造部位は潰れ変形するともに、弾性構造体上側凸部には押し上げ作用が働き、下側硬め構造部位には押し下げ作用が働き、上側軟らかめ構造部位を形成している弾性構造体胴部(以下「軟らか構造形成胴部位」という。)は指による押し潰し作用と前記押し上げ作用と前記押し下げ作用によって、上下方向に伸びる伸び形態(以下「胴部伸び形態」という。)となる。
また、弾性構造体上側凸部の下部も上方に押され反り上がった反り逃げ形態となる。
【0033】
前記胴部伸び形態では、ピン挟持硬質体が位置している下側硬め構造部位は下方へ押し逃がす形態であるので、摘み指の摘み力がピン挟持硬質体に直接的には作用することが無いないし小さい挟持力非作用形態となる。
よって、親指と人差し指で弾性構造体を摘んでその摘み力を強めてピンから抜き操作を行う際に、ピン挟持体のピン挟持力を直接的には強めることのないピアス用キャッチを実現している。
また、胴部伸び形態によって摘み指による摘み感が、確りとした安定感、安心感のあるもの、フィット感のある摘み持ちやすさが良好なピアス用キャッチを実現している。
【0034】
キャッチの親指と人差し指による摘み形態は指先による摘み形態以外に、指横腹部位摘み形態がある。
これは、爪が長いないし長いネイルを付けているなどによって、指先では摘まめないので、爪同士が当たらない親指と人差し指の横腹部位同士で摘む指横腹部位摘み形態である(図5の図(b)参照)。
このような指横腹部位摘み形態でも、本発明はフィット感の良い摘み持ちと抜き易さを実現する。
【0035】
<請求項2載の発明の効果>
弾性構造体上側凸部の上下幅が0.6mm〜2.0mmであり、かつ、該弾性構造体上側凸部が指に掛かる鈍角部位又は鋭角部位を有する形態であり、前記鈍角部位および前記鋭角部位が湾曲角形態では半径0.5mm以下の湾曲角である。
よって、弾性構造体上側凸部の鈍角部位又は鋭角部位が、指の摘まみ力を強めるとより指に食い込み、滑り難い摩擦大の強い掛かり状態となる。この強い掛かり状態により上下幅0.6mm〜2.0mmの弾性構造体上側凸部は上方(図において)に反り逃げる反り逃げ形態となり、その反り逃げ距離だけ指の摘み部位がピン挟持硬質体から離れる指逃げ形態とになる。この指逃げ形態によってピン挟持硬質体の直接的抑え込みが回避され、ピン挟持体のピン挟持力を直接的には強めることのないピアス用キャッチを実現する。また、摘み力の低減化、フィット感と摘み持ちやすさの向上を実現する。
【0036】
<請求項3載の発明の効果>
弾性構造体胴部の上下幅が1.3mm以上であり、かつ、ピン挟持硬質体の最上部位置が該弾性構造体胴部の中心位置より下方に位置してなる形態である。
よって、弾性構造体胴部とピン挟持硬質体の最上部位置との距離は0.65mm以上(1.3÷2)である。0.65mm以上は、特許文献1の発明の大キャッチの0.27mm、小キャッチの0.25mmの、2倍以上の距離である。
すなわち、弾性構造体胴部のピン挟持硬質体の無い上側軟らかめ構造部位の上下距離が0.65mm以上と長いので、該上側軟らかめ構造部位が伸びやすい形態となっている。この上側軟らかめ構造部位が伸びやすい形態によって、指の摘まみ力を強めると該上側軟らかめ構造部位が伸び、その伸びた距離だけ指の摘み部位がピン挟持硬質体から離れる指逃げ形態とになる。この指逃げ形態によってピン挟持硬質体の直接的抑え込みが回避され、ピン挟持体のピン挟持力を直接的には強めることのないピアス用キャッチを実現する。また、摘み力の低減化、フィット感と摘み持ちやすさの向上を実現する。
【0037】
<請求項4載の発明の効果>
請求項1又は3記載の発明と同様な効果を奏する。
【0038】
<請求項5記載の発明の効果>
請求項1〜3又は4記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
(1)弾性構造体下側凸部で指先が外側に逃がされ、該弾性構造体下側凸部の側部を強く摘むことが回避されるので、ピン挟持硬質体への影響が弱められる。
また、弾性構造体下側凸部に当たっている指先の押力によって該弾性構造体下側凸部が下方に押し下げられ、横押しの作用を下方に逃がすので、ピン挟持硬質体への影響が弱められる。
弾性構造体下側凸部の横肉厚によって指の摘み力が緩和され、ピン挟持硬質体への影響が緩和される。
【0039】
(2)弾性構造体下側凸部にピン挟持硬質体の半分以上が位置した形態であるので、ピン挟持硬質体に付勢力を与える弾性体構造部位の側部厚みを弾性構造体下側凸部によって十分に確保することができる。
これによって、ピン挟持硬質体周辺の強度を考慮することなく、弾性体構造体胴部の胴太さの一部ないし全部を、細い形態(くびれを含む)とすることを可能としている。例えばピン挟持硬質体の横幅よりも細い胴部とすることも可能とする。
細い胴部とすることによって、弾性体構造体胴部をより伸びやすく、伸びの大きいものとすることを可能とする。
【0040】
<請求項記載の発明の効果>
請求項1〜4又は5記載の発明と同様な効果を奏するとともに、弾性構造体上側凸部の表面に形成された微細な凸凹からなる滑り止め部位は、摘んだ指の滑り難さと指掛かりを強化し、よって摘み易さと抜き操作易さを大きく向上したものとしている。
また、上型、弾性構造体上側凸部と弾性構造体胴部が形成される非分割の中型、下型で形成する形態では、前記中型からの抜き易さを実現している。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の実施例1の平面図(a)および正面図(b)。
図2】本発明の実施例1の右側面図(a)および底面図(b)。
図3】本発明の実施例1のピアスピンを通した状態の正面図。
図4】本発明の実施例1の中央縦断面図。
図5】本発明の実施例1の強めに摘んだ状態例図(a)および親指と人差し指の横原で摘んだ状態を示す斜視図(b)。
図6】本発明の実施例1の成型金型を示す断面図。
図7】本発明の実施例2の平面図(a)および正面図(b)。
図8】本発明の実施例3の正面図。
図9】本発明の実施例4の正面図。
図10】本発明の実施例5の部分断面正面図。
図11】本発明の実施例6の正面図。
図12】本発明の実施例7の正面図。
図13】従来技術を示す断面図(a)および寸法図(b)。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施例について説明する。但し、本発明をこれら実施例のみに限定する趣旨のものではない。また、後述する実施例の説明に当って、前述した実施例の同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0043】
各図において、透明な弾性構造体の内側に見える部材および部位は細線で表現している。
また、挟持箇所の付勢挟持力増強は、弾性構造体を摘んだ指の摘み箇所が第1の挟持部と第2の挟持部の側方箇所(図では左側、右側)である場合に生じる現象である。正面側と背面側からの摘みでは起きない。
【実施例1】
【0044】
図1〜6に示す本発明の実施例において、ピアス用キャッチ1は次に述べるような構成となっている。
シリコンゴム製部材、天然ゴム製部材、合成ゴム製部材、弾性合成樹脂製部材などの、指で摘んだその摘み力を強めると弾性変形する弾性材料からなる、指で摘んでピアスピンであるピン3への挿入と抜き操作を行う弾性構造体2と、
この弾性構造体2の底部から上方に向けて設けられた、ピン3を挿入するピン挿入孔44と、
弾性構造体2の上部側を形成している、弾性構造体2を摘んだ指に食い込み掛かる、側部に全周に渡り出っ張った形態で下部角が略直角(鈍角であればよい)の弾性構造体上側凸部10と、
弾性構造体2の弾性構造体上側凸部10より下方を形成している、該弾性構造体上側凸部10より小幅形態の弾性構造体胴部8と、
この弾性構造体胴部8の下部に形成された側部に全周に渡り出っ張った形態の、弾性構造体上側凸部10より横突出幅が大とされた弾性構造体下側凸部9と、
この弾性構造体下側凸部9の上部面、該上部面と弾性構造体胴部8の連絡面、または該上部面と該連絡面とからなる、弾性構造体2を摘んだ指の指先を止める指あたり部位11と、
弾性構造体下側凸部9内に半部以上を位置させて一体成型により内設された、ピン挿入孔4に挿入状態にあるピン3を対抗挟持形態で挟持する、プレート強靭化のためのビード15が形成されている第1の挟持部6aと第2の挟持部6bを有してなる硬質製部材からなるピン挟持硬質体6と、
第1の挟持部6aと第2の挟持部6bのピン3を挟持する箇所であるピン挟持箇所6cと、を備えた構成となっている。
【0045】
第1の挟持部6aと第2の挟持部6bはその内側と周囲も含めて弾性構造体2が充填密着した一体構造体となっている。
これにより、挿入されたピン3は第1の挟持部6aと第2の挟持部6bを横外向きに押しのけて挿入される。
このピン3の挿入では、硬質性部材ある第1の挟持部6aと第2の挟持部6bは変形することなく、弾性構造体2を押しのけ変形させながら横外方向に開き移動される。
弾性構造体2には第1の挟持部6aと第2の挟持部6bをその弾性反発力で押し戻そうとする弾性押し戻し力が常に作用した状態となり、この弾性押し戻し力によって第1の挟持部6aと第2の挟持部6bのピン3を挟持する挟持力が強められている。
【0046】
弾性構造体2は円柱形態であるのでその各部位の横幅は直径である。
弾性構造体2の寸法は、上下幅5.0mm、横幅5.5mm。
弾性構造体下側凸部9の上下幅1.8mm(1.55+0.25)、横幅5.5mm、上部縁角16の湾曲カットはR0.25mmの鈍角。
上部連絡部7の上下幅0.55mm。
下部連絡部16の上下幅0.5mm。
弾性構造体上側凸部10の上下幅0.975mm、横幅5.0mm。
弾性構造体胴部8は上下幅2.55mm、胴径4.5mm。(弾性構造体胴部と弾性構造体上側凸部の間に傾斜連絡部(湾曲を含む)がある形態は、該傾斜連絡部の中心位置から下方を弾性構造体胴部である。弾性構造体胴部と弾性構造体下側凸部との間に傾斜連絡部がある形態も同様である。)
弾性構造体胴部8の胴深さは、弾性構造体上側凸部10からは0.25mm、弾性構造体下側凸部9からは0.75mm。
ピン挟持硬質体6は、高さ1.8mm、幅4.0mm。
【0047】
本発明は前記寸法に限定されるものではない。
弾性構造体の高さは、3.5mm〜10.0mm、好ましくは4.0mm〜8.0mm、より好ましくは4.5mm〜6.5mmがよい。
弾性構造体の横幅は、3.5mm〜10.0mm、好ましくは4.0mm〜8.0mm、より好ましくは4.0mm〜6.5mmがよい。
弾性構造体上側凸部の横幅は、3.0mm〜8.0mm、好ましくは3.5mm〜7.0mm、より好ましくは4.0mm〜6.5mmがよい。
弾性構造体胴部の高さは、1.3mm以上、好ましくは1.6mm以上、より好ましくは1.8mm以上がよい。
弾性構造体胴部の太さは、直径2.0mm〜6.5mm、好ましくは2.5mm〜5.5mm、より好ましくは3.0mm〜5.0mmがよい。
【0048】
弾性構造体上側凸部10は上下幅0.975mmとしている。
それは、2.0mm以上だと幅広(厚肉)のため上方への反り逃げが悪くなり、0.6mm以下だと凸部の潰れ変形が大きすぎて指への掛かり(食い込み)が悪くなるからである。
適当な反り逃げが得られる弾性構造体上側凸部10の上下幅は、0.6mm〜2.0mm、好ましくは、0.6mm〜1.7mm、より好ましくは0.6mm〜1.5mm、さらに好ましくは0.7mm〜1.2mmとするのがよい。
また、弾性構造体上側凸部10の下部側の指掛かり部位または指食い込み部位は、鈍角形態ないし鋭角形態とするのがよく、該鈍角形態および鋭角形態は湾曲角形態では半径0.5mm以下の湾曲角とするのが、良好な指への掛かり状態を得るものとできる。
【0049】
弾性構造体上側凸部10の頂部形態は、緩やかな湾曲面としている。これによって、中のピン挟持硬質体6が大きく見える凸レンズの機能を果たしている。また、緩やかな湾曲面とすることで、弾性構造体上側凸部10の上下肉厚幅を、摘み時の掛かりと反り逃げが好適となる厚さにしている。
【0050】
(1)ピン挟持硬質体6の最上部位置が、弾性構造体胴部8の最上部位置より1.725mm下方(0.6mm以上)に位置してなる広い上下距離となっている。
よって、弾性構造体上側凸部10と弾性構造体胴部8の1.725mm部位(0.6mm以上)が、ピン挟持硬質体6の無い弾性構造体2のみの上側軟らかめ構造部位となっている。それより下側はピン挟持硬質体6を有する下側硬め構造部位となっている。
よって、親指と人差さ指で弾性構造体上側凸部10と弾性構造体胴部8を摘みその摘み力を強めると、上側軟らかめ構造部位は潰れ変形する。その変形および指のハの字摘み形態によって、弾性構造体上側凸部10には押し上げ作用が働き、下側硬め構造部位には押し下げ作用が働く。そして、上側軟らかめ構造部位を形成している弾性構造体胴部8(以下「軟らか構造形成胴部位」という。)は指による押し潰し作用と前記押し上げ作用と前記押し下げ作用によって、上下方向に伸びる伸び形態(以下「胴部伸び形態」ともいう。)となる。また、弾性構造体上側凸部10の下部も上方に押し反り上がった反り逃げ形態となり、指の弾性構造体胴部8への入りと潰しを行い易くする。
【0051】
この胴部伸び形態は、ピン挟持硬質体6が位置している下側硬め構造部位は下方へ押し逃がす形態であるので、摘んだ指の摘み力がピン挟持体に直接的には作用することが無いないし小さい摘まみ力非作用形態となる。
よって、親指と人差し指で弾性構造体を摘んでその摘み力を強めてピンから抜き操作を行う際に、ピン挟持硬質体6のピン挟持力を直接的には強めることのないピアス用キャッチを実現している。
また、胴部伸び形態および弾性構造体上側凸部の反り逃げ形態によって指の摘み感が、確りとした安定感、安心感のあるもの、フィット感のある摘み持ちやすさの良いピアス用キャッチを実現している。
【0052】
(2)摘み指の摘み部位は下方に広がるハの字摘み形態である
それに加えて、前記(1)の構造から(参考として図5参照)、弾性構造体2を親指と人差し指(中指の場合もあり)とで強めに摘んだ形態である摘み力強め形態(指横腹部位摘み形態(図5の(b)図参照)を含む。)は、上側軟らかめ構造部位が潰れ下側硬め構造部位が潰れない状態であるので、摘み指は下方に向かって広がったハの字摘み形態となる。
【0053】
前記ハの字摘み形態は、上方に行くほど指間距離が狭くなる形態である。それは、上方に行くほど摘み力が強くなる摘み形態である。
よって、ハの字摘み形態で摘み力を増すと、弾性構造体2の部位で強く抑える部位は、上側軟らかめ構造部位の弾性構造体上側凸部10と弾性構造体胴部8である。上側軟らかめ構造部位は、強く摘むと弾性構造体2の上方が潰れ反り伸び状態となりかつ胴部伸び状態となる上側潰れ伸び状態となる。この上側潰れ伸び状態は、摘み力を上方に逃がす摘み力上方逃がし状態である。このハの字摘み形態による摘み力上方逃がし状態によっても、弾性構造体下側凸部9が真横からは強く摘まれない状態となる。
【0054】
前記(1)、(2)によって、第1の挟持部と第2の挟持部の挟持力が増強される横方向から、弾性構造体を指で摘んでその摘み力を強くしても、第1の挟持部と第2の挟持部が内側に寄ることが少なく、またはほとんど無い。
よって、摘み抜き操作時にピン挟持箇所の挟持力が著しく強くなることがなく、弾性構造体上側凸部10が指に食い込み掛かっていることもあって、どの方向から摘んでもピアスピンから容易に抜くことができるピアス用キャッチを実現している。
【0055】
ピン挟持硬質体6の最上部位置と弾性構造体胴部8の最上部位置の距離は、0.6mm以上がよい、好ましくは0.9mm以上がよい、より好ましくは、1.3mm以上がよい、さらに好ましくは1.5mm以上がよい。
【0056】
弾性構造体上側凸部10の下部角である角カットの無い鈍角部位または鋭角部位が指への食い込み掛かりを強くするので、弾性構造体上側凸部10の滑り難さを実現し、その反り逃げ形態もより大きくなる。
よって、摘み力の低減化、フィット感と摘み持ちやすさの向上を実現する。
上記鈍角ないし鋭角とは、半径0.3mm以内の湾曲角ないし直線カット3mm以内のカット角である。
【0057】
弾性構造体下側凸部9の機能について述べる。
(1)弾性構造体下側凸部9で指先が外側に逃がされ、該弾性構造体下側凸部9の側部を強く摘むことが回避されるので、ピン挟持硬質体6への影響が弱められる。
また、弾性構造体下側凸部9に当たっている指先の押力によって該弾性構造体下側凸部9が下方に押し下げられ、横押しの作用を下方に逃がすので、ピン挟持硬質体6への影響が弱められる。
弾性構造体下側凸部9の肉厚によって指摘み力が弱められ、ピン挟持硬質体6への影響が弱められる。
(2)弾性構造体下側凸部9にピン挟持硬質体6の半分以上が位置した形態であるので、ピン挟持硬質体6に付勢力を与える弾性体構造部位の側部厚みを弾性構造体下側凸部によって十分に確保することができる。
これによって、弾性体構造体胴部8の胴太さの一部ないし全部を、細い形態(くびれを含む)とすることを可能としている。例えばピン挟持硬質体6の横幅よりも細い胴部とすることも可能とする。
細い胴部とすることによって、弾性体構造体胴部8をより伸びやすい形態にできる。
【0058】
「ピン挿入孔4」は止り孔形態でもよい。
「弾性構造体下側凸部9に内設された、または弾性構造体下側凸部9から弾性構造体胴部8にまたがる形態で内設された、・・・ピン挟持硬質体6」には、全部位を埋設した全部位埋設形態(全部部位内設形態)とするのもよいし、一部を弾性構造体胴部8の底部から露出した一部露出形態(一部部位内設形態)とするなどの形態などがある。
【0059】
指あたり部位11位置が、ピン挟持硬質体6と略同じかそれより上方に位置するようにするのもよい。
また、弾性構造体下側凸部9の上部縁角に上方に突出する小凸部を設け、指当たりをより感じやすいものとするのもよい。
【0060】
上部縁角16は指あたり部位が広くなるよう、かつ、角を感じ易くなるようより鈍角とするのがよい。
弾性構造体を指で軽く摘んだ指横腹部位摘み形態で、該指の指腹で該指あたり部位の当たりを確かに感じ取ることができる指あたり部位の形態は多様な形態がある。
例えば、弾性構造体胴部より0.7mm以上横に突出している形態、図10に示すような指先が感じる凸凹や突起を設けた形態、弾性構造体下側凸部の上部縁に行くほど高くなるテーパー形態としたもの、弾性構造体胴部の太さと弾性構造体下側凸部の突出形態の関係、弾性構造体胴部の1.3mm以上の上下距離などが例示できる。
【0061】
本実施例1では、弾性構造体2は透明なシリコンゴム製部材からなっている。
弾性構造体2に内設されたピン挟持硬質体6はゴールド、ホワイトゴールドまたはピンクゴールドなどの光沢性の金製部材からなっている。よって、ピン挟持硬質体6は透明な弾性構造体2によって、外からその色彩や形状が見える。
上部部位21は緩やかな凸湾曲である凸レンズとして機能して、中のピン挟持硬質体6を大きく見せる。
ピン挟持硬質体6の露出している底部面には14Kなどの刻印が施され、該露出形態によってルーペで即確実に確認できる。
ピアス用キャッチ1は、金型60内にピン挟持硬質体6がセットされた状態で、加熱熔融したシリコンゴムが金型内に圧縮送り込まれ充填されて形成される。(図6参照)
非透明の弾性構造体も本発明の技術的範疇に含まれるものである。
【0062】
ピン挟持硬質体は、ゴールドなどの貴金属に限定されず、チタン、ステンレス、メッキした鋼材、硬質性合成樹脂製部材など多種、多様な形態がある。
また、その形態も挟持部が外側から内側に向かう湾曲形態に限られず、例えば図7に示すような内側から外側に向かう形態など多様な形態がある。
【0063】
下部連絡部14、弾性構造体下側凸部9の上部角および下部角は、5mmという小ささから視覚的には湾曲角とは見えない、鈍角に見える。すなわち、意匠的、実質的には下部連絡部14、弾性構造体下側凸部9の上部角線および下部線は一本の直線として見える。
【0064】
摘み易さを優先させた場合、弾性構造体2の上下幅および横幅を0.5mm程度大きくした、上下幅5.5mm、横幅6.0mmの大きめの弾性構造体とするのがよい。
この場合、弾性構造体上側凸部10、弾性構造体下側凸部9の上下幅、弾性構造体胴部8の胴太さは変えない。よって、弾性構造体胴部8の上下幅が2.475mmとなる。
一見しただけで、弾性構造体2のものより大きめの弾性構造体が一回り大きく見える。
全体が一回り大きくなりかつ弾性構造体胴部8の上下幅が2.475mmと長くなっていることから、掴み易さとフィット感がよりよいものとなる。
横幅を変えない上下幅のみを大きくした形態もよい。
【0065】
図6はピアス用キャッチ1の成型金型例を示している。
金型60は弾性構造体2の最上部である上部部位21を形成する上型61と、弾性構造体上側凸部10の全部、弾性構造体胴部8の全部および弾性構造体下側凸部9の下部湾曲縁部位を除く大部分を形成する中型62と、弾性構造体下側凸部9の下部湾曲縁部位を形成する下型63とからなっている。
中型62は非分割型であり、単に形成孔が設けられた形態である。
また、中型62の弾性構造体下側凸部9および弾性構造体胴部8の上部箇所には、SG#116のホーニングによって梨地部位65が形成されている。
この梨地部位65によって、弾性構造体下側凸部9および弾性構造体胴部8の上部箇所の表面には、図においてはハッチングで表現した微細な凸凹部位である滑り止め部位21が形成されている。
【0066】
梨地部位65に磨き処理(鏡面処理)を行わなければ、滑り止め部位21は、透明部材である弾性構造体2にあっては、薄っすらとした曇り状態に見える。それは弾性構造体2内のピン挿入孔4や挿入されたピン3は明確に見える臼曇り形態である。
滑り止め部位21は摘んだ指が滑り難く滑り止めとして機能し、弾性構造体2の摘み易さの安定性、弱い摘み力でのピンからの抜き取りやすさなど、ピン抜き操作性を大きく向上させる。
【0067】
本実施例1においては、ホーニングによって梨地部位65を形成した後で、梨地部位65を凸凹が無くならない程度で鏡面磨き処理を行っている。
こうすることで、滑り止め部位21の薄曇り状態が解消され、表面は光沢があって内部の透過が良好となり、肉眼では臼曇り状態が明確には認視できない程度となる。
滑り止め部位21は光沢の凸凹部位となっているが、滑り止めとして機能する。中型62からの抜けやすさも機能する。
【0068】
中型62内にあるピアス用キャッチ1の取り出しは、上型61および下型63が固定されているプレス機から中型62を取り外し、取り出し用の治具にセットし、ピアス用キャッチ1の上部を1.2mmの押し出しピンによって押し、押し出すことで行う。
押し出しピンが1.2mm以上の太さだと、弾性構造体2の外側への押し量が大きく、抵抗も増大し、抜いた後の弾性構造体2の変形が戻らない、当初の意匠形態が損なわれる。
押し出しピンが1.2mm以下の太さだと、押し出しピンがピン挿入孔4に潜り込み押し出し抜きができない。
これは、中型62の突出部位65である弾性構造体上側凸部10が掛かる部位が鏡面仕上げであるため、両者の密着が極めて高く摩擦ないし吸盤的作用が著しく大きいためと考えられる。
梨地部位65を設けることで、中型62内にあるピアス用キャッチ1は、1.2mmの押し出しピンの押し出し操作で、変形も少なく、ピン挿入孔4へ押し出しピンの潜り込みも生じない、良好な押し出しが実現される。
【0069】
しかるに、10×10=100の100個取りの金型とした場合、梨地部位65が無い金型では、100本の押し出しピンによる一斉の押し出しは、人が全体重をかけたとしても容易には抜けない。例えば身近にあった50t級のプレスの使用によって可能であった。
これに対して、梨地部位65を設けた金型では、人が軽く体重をかけただけで、100個一斉に容易に抜き出すことができる。よて、高い生産性を実現する。
【実施例2】
【0070】
図7に示す本発明の実施例2において、前記実施例1と主に異なる点は、ピン挟持硬質体をピン挟持硬質体19としたピアス用キャッチ17を形成した点にある。
ピン挟持硬質体19は、ピン通し孔13を有するベース部18と、前記ベース部18の左側が内側上に曲がり上り傾斜直線形態で先端が外側に曲がってなる第1の挟持部19aと、ベース部18の右側が内側上に曲がり上り傾斜直線形態で先端が外側に曲がってなる第2の挟持部19bと、第1の挟持部19aと第2の挟持部19bのピン3を挟持する箇所であるピン挟持箇所19cとからなっている。
【0071】
下部連絡部を直角形態の隅角である下部連絡部20としている。
この結果、弾性構造体胴部8の上下距離は2.225mmとなっている。
【0072】
ピン挟持硬質体19の最上部位置が弾性構造体胴部8の胴部中心位置Cより下方に位置している。
指あたり部位11がピン挟持箇所19cより上方に位置している。
ピン挟持硬質体19の最上部位置が弾性構造体胴部8の胴部中心位置Cより下方に位置する範囲で、ピン挟持箇所19cが指あたり部位11より上方に位置する形態でもよい。
【実施例3】
【0073】
図8に示す本発明の実施例3において、前記実施例1と主に異なる点は弾性構造体を弾性構造体29とし、ピン挟持硬質体6の全部を弾性構造体29内に埋設してなる形態のピアス用キャッチ30を形成した点にある。
弾性構造体29は、弾性構造体胴部31と、弾性構造体胴部31の上部に形成した該弾性構造体胴部31よりも幅広の弾性構造体上側凸部32と、弾性構造体胴部31の下部に形成した該弾性構造体胴部31よりも幅広で弾性構造体上側凸部32よりも幅狭の弾性構造体下側凸部33とからなっている。
弾性構造体29の下部にはピン通し孔13に連絡するピン3を該ピン通し孔13に誘導する誘い込み部34が形成されている。
形成する金型の中型は割り型である。
【0074】
弾性構造体下側凸部33の上部の指あたり部位35は、その縁角を略直角である鈍角としかつピン挟持箇所6cの上方に位置し、ピン挟持硬質体6の全部は弾性構造体29内とされている。
また、弾性構造体上側凸部32の下部縁角27および上部縁角28は鈍角という、2か所の鈍角を有した形態となっている。
また、弾性構造体上側凸部32の上下幅(肉厚)は0.8mm(0.6mm〜2.0mmの範囲内)としている。
【実施例4】
【0075】
図9に示す本発明の実施例4において、前記実施例1と主に異なる点は弾性構造体を弾性構造体38としてなるピアス用キャッチ37を形成した点にある。
シリコンゴム製部材、天然ゴム製部材、合成ゴム製部材、弾性合成樹脂製部材などの弾性材料からなる弾性構造体38と、
弾性構造体38に内設された、ピン挿入孔4に挿入状態にあるピン3を対抗挟持形態で挟持する第1の挟持部6aと第2の挟持部6bを有してなる硬質製部材からなるピン挟持硬質体6と、
弾性構造体38の弾性構造体胴部41と、
弾性構造体胴部41の上部側の側部に形成された、弾性構造体38を摘んだ指がかかる弾性構造体上側凸部10と、
弾性構造体胴部41の下部側に形成された、該弾性構造体胴部41よりも小径の弾性構造体下側小径部40と、
弾性構造体胴部41の下縁角からなる下指掛かり部42と、を備えてなるとともに、
第1の挟持部6aと第2の挟持部6bが弾性構造体下側小径部40内に位置し、
ピン挟持箇所6cの位置が、弾性構造体下側小径部40と弾性構造体胴部41の境より下方に位置し、
弾性構造体胴部41の上下幅を1.5mmとしていが、1.4mm以上がよい、好ましくは1.7mm〜以上がよい、より好ましくは1.9mm以上がよい。
【0076】
弾性構造体38を摘んだ指は最下部の内側に凹位置している弾性構造体下側小径部40には届かない、または届いても摘み力が強く作用することが無い。
そして、指横腹部位摘み形態を含め摘んだ指は弾性構造体上側凸部10と下指掛かり部42の二箇所が食い込み掛かる二箇所摘み掛かり形態となるので、強く摘まなくても掛かり摩擦が大きく容易に抜き操作が行える。
また、強く摘まなくてよい形態によって、第1の挟持部6aと第2の挟持部6bへの摘み力の影響を小さいものとしている。
そして、ピン挟持箇所6cが摘み作用の及ばないないし小さい弾性構造体下側小径部40内に位置しているので、ピン挟持箇所6cの真横からの抑え込み作用は無い、ないし極めて小さいものとなる。よって、摘み抜き操作時にピン挟持箇所の挟持力が著しく強くなることが生じない。
【実施例5】
【0077】
図10に示す本発明の実施例5において、前記実施例1と主に異なる点は弾性構造体を弾性構造体44とし、ピン挟持硬質体6の全部を弾性構造体44内に埋設形態としてなるピアス用キャッチ45を形成した点にある。
弾性構造体44は、弾性構造体上側凸部を、側部を一つの尖がり形態とした弾性構造体上側凸部46とし、弾性構造体胴部をくびれ形態の弾性構造体胴部47としている。
摘み動作によって最も伸びるのは弾性構造体胴部47のくびれ部47aとなる。
弾性構造体胴部47のくびれ部47aの下部傾斜面が指あたり部位48となる。
弾性構造体下側凸部9の縁角は小さく上方に突出した指当たり突起49が形成されていて、指が当たったことを該指が確かに感じるようにしている。
くびれ部47aの胴径は3.0mmとしているが、2.0mm〜3.5mmであればよい。
【0078】
弾性構造体44の上部には上部凹部43が設けられている。摘み力を強くした際に弾性構造体上側凸部46の上部側が潰れ変形しやすくしている。
また、弾性構造体上側凸部46の側部突起部位である鋭角部位は、半径0.3mm(半径0.5mm以下)の湾曲角形態となっている。
型は上型と下型のみでよい。
【実施例6】
【0079】
図11に示す本発明の実施例6において、前記実施例1と主に異なる点は、弾性構造体を弾性構造体下側凸部の無い弾性構造体50とし、弾性構造体胴部を弾性構造体胴部52としてなるピアス用キャッチ51を形成した点にある。
【0080】
弾性構造体50は上下距離が3.5mm〜8.5mmである。好ましくは4.0mm〜7.5mm、さらに好ましくは4.5mm〜6がよい。
【0081】
下方に行くにしたがって広がり形態の弾性構造体胴部52は、上下距離が4.0mmである。弾性構造体胴部52の上下距離は3.0mm〜6mmがよい。
弾性構造体胴部52の下方への広がりは、図よりも広くするのもよい。例えば、5.0mm〜6.0mm。
【0082】
ピン挟持箇所6cの位置が、弾性構造体胴部52の底部面から3.0mm以内に位置している。好ましくは2.5mm以内、より好ましくは2.0mm以内がよい。
【0083】
(1)弾性構造体胴部52の上下距離を4mmとし、ピン挟持箇所6cの位置が前記弾性構造体胴部52の底部面から2mmに位置させている。
ピン挟持硬質体6を内設している弾性構造体50の下部側は、該ピン挟持硬質体6によって変形がし難い硬めの構造である下側硬め構造部位となっており、それより上部側である弾性構造体胴部52および弾性構造体上側凸部10は伸縮性の弾性材料のみの上側軟らかめ構造部位となっている。
【0084】
ピン挟持硬質体6を内設している弾性構造体50の下部側は、該ピン挟持硬質体6によってその上部側よりは変形し難い硬めの構造である下側硬め構造部位となっている。
弾性構造体50を親指と他の指とでの強め摘み形態は、下方に向かって広がり湾曲形態の両指がハの字形態で弾性構造体を摘んだハの字摘み形態となる。前記ハの字摘み形態は、上方に行くほど指間距離が狭くなる形態である。それは、上方に行くほど摘み力が強くなる摘み形態である。
よって、ハの字摘み形態で摘み力を増すと、弾性構造体50の部位で強く抑える部位は最も上方にある弾性構造体上側凸部10である。
【0085】
よって、弾性構造体上側凸部10が最も強く摘み抑えられ、該弾性構造体上側凸部10が指に掛かった状態で、指の方は弾性構造体胴部52をそれほど強く摘むことなく、ピンからの抜き操作を行うことになる。
よって、ピン挟持箇所6cの位置が、弾性構造体胴部52の中央部位より下方に位置させているピン挟持硬質体6への、ピン挟持箇所6cの真横からの抑え込み作用は生じ難いので、第1の挟持部6aと第2の挟持部6bを内側に強く押す作用は生じない、ないし生じたとしても微圧である。
よって、どの方向から摘んでもピアスピンから容易に抜くことができるピアス用キャッチを実現している。
【実施例7】
【0086】
図12は本発明の実施例7であって、前記実施例1と主に異なる点は、弾性構造体を弾性構造体55としてなるピアス用キャッチ56を形成した点にある。
弾性構造体55は、弾性構造体胴部8にくびれ部57を形成している。
くびれ部57は、高さ1.25mm、胴幅2.40mmとしている。
弾性材料の少ない細いくびれ部57により、弾性構造体55を強く摘んだとき、くびれ部57が容易に伸長するので、指あたり部位11への指の押当たりを弱くできる。
特に弾性構造体を硬めの材質にして、細いくびれ部57を上下距離1.0mm〜2.5mmで胴太さが1.7〜3mmとすることにより、可視的にみても明らかに伸びる形態を実現する。
【0087】
また、くびれ部57が細いことから指あたり部位11への指の当たり部位が第1の挟持部6aと第2の挟持部6bの真上に近い部位になる。
よって、摘みの際の指による第1の挟持部6aと第2の挟持部6bの押し抑え方向は、真上に近い上方からの作用ということになる。
よって、第1の挟持部6aと第2の挟持部6bのピン挟持力を強める横からの押し抑え作用は生じないなし生じても弱いものとなる。
【0088】
第1の挟持部と第2の挟持部の頂上部を外側に位置させる、くびれ部をより胴細形態とすれば、摘み動作によって第1の挟持部と第2の挟持部を開き動作させて、または、第1の挟持部と第2の挟持部に開き作用を与えて、ピン挟持力を弱めてピンからの抜き取りを容易に行える形態も可能である。
【0089】
[付記]
弾性材料からなる上下距離が3.5mm〜10.0mm、横幅が3.5mm〜10.0mmの弾性構造体と、
前記弾性構造体の底部から上方に向けて設けられた、ピアスピンを挿入するピン挿入孔と、
前記弾性構造体に内設された、前記ピン挿入孔に挿入状態にある前記ピアスピンを対抗挟持形態で挟持する第1の挟持部と第2の挟持部を有してなる、硬質製部材からなるピン挟持硬質体と、
前記弾性構造体の弾性構造体胴部と、
前記弾性構造体の上部側を形成している側部に出っ張った形態の、前記弾性構造体を摘んだ指に掛かる部位である、前記弾性構造体胴部の横幅より横幅が大幅形態の弾性構造体上側凸部と、
前記弾性構造体胴部の下部側に形成された、該弾性構造体胴部の横幅よりも横幅が小径の弾性構造体下側小径部と、
前記弾性構造体胴部の下部縁からなる、前記弾性構造体を摘んだ指が掛かる下指掛かり部と、を備えてなるとともに、
前記第1の挟持部と前記第2の挟持部の全部または一部が前記弾性構造体下側小径部内に位置し、
前記第1の挟持部と前記第2の挟持部のピンを挟持する箇所であるピン挟持箇所の位置が、前記弾性構造体下側小径部と前記弾性構造体胴部の境より下方に位置し、
前記弾性構造体胴部の上下幅が1.5mm以上であることを特徴とするピアス用キャッチ。
弾性構造体を摘んだ指は最下部の内側に凹位置している弾性構造体下側小径部には届かない、または届いても摘み力が強く作用することが無い。
そして、摘んだ指は弾性構造体上側凸部と下指掛かり部の二箇所が食い込み掛かる摘み掛かり形態となるので、強く摘まなくても掛かり摩擦が大きいので容易に抜き操作が行える。
また、強く摘まなくてよい形態によって、第1の挟持部と第2の挟持部への摘み力の影響を小さいものとしている。
そして、ピン挟持箇所が弾性構造体下側小径部と弾性構造体胴部の境より下方に位置しているので、ピン挟持箇所の真横からの抑え込み作用は無い、ないし極めて小さいものとなるので、摘み抜き操作時にピン挟持箇所の挟持力が著しく強くなることが生じない。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、装身具を製造、使用する産業で利用される。
【符号の説明】
【0091】
C:胴部中心位置、
1:ピアス用キャッチ、
2:弾性構造体、
3:ピン、
3a:ピン溝、
4:ピン挿入孔、
5:ベース部、
6:ピン挟持硬質体、
6a:第1の挟持部、
6b:第2の挟持部、
6c:ピン挟持箇所、
7:上部連絡部、
8:弾性構造体胴部、
9:弾性構造体下側凸部、
10:弾性構造体上側凸部、
11:指あたり部位、
12:誘い込み部、
13:ピン通し孔、
14:下部連絡部、
15:ビード、
16:上部縁角、
17:ピアス用キャッチ、
18:ベース部、
19:ピン挟持硬質体、
19a:第1の挟持部、
19b:第2の挟持部、
19c:ピン挟持箇所、
20:下部連絡部、
21:上部部位、
27:下部縁角、
28:上部縁角、
29:弾性構造体、
30:ピアス用キャッチ、
31:弾性構造体胴部、
32:弾性構造体上側凸部、
33:弾性構造体下側凸部、
34:誘い込み部、
35:指あたり部位、
37:ピアス用キャッチ、
38:弾性構造体、
40:弾性構造体下側小径部、
41:弾性構造体胴部、
43:上部凹部、
42:下指掛かり部、
44:弾性構造体、
45:ピアス用キャッチ、
46:弾性構造体上側凸部、
47:弾性構造体胴部、
47a:くびれ部、
48:指あたり部位、
49:指当たり突起、
50:弾性構造体、
51:ピアス用キャッチ、
52:弾性構造体胴部、
55:弾性構造体、
56:ピアス用キャッチ、
57:くびれ部、
60:金型、
61:上型、
62:中型、
63:下型、
65:梨地部位。

【要約】
【課題】 ピアスピンから摘み抜き操作時に、ピン挟持箇所のピン挟持力の増大が生じないピアス用キャッチを提供する。
【解決手段】 摘み力を著しく強めても潰れ変形するのは上側軟らかめ構造部位である。よって、下側硬め構造部位内にあるピン挟持箇所6cを指あたり部位11より下方に位置させている、第1の挟持部6aと第2の挟持部6bには影響がほとんど及ばない。よって、ピン挟持箇所6cの付勢挟持力が増大することはほとんど無く、ピンからの抜き操作に著しい抵抗が生じることはない。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13