特許第6057370号(P6057370)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6057370
(24)【登録日】2016年12月16日
(45)【発行日】2017年1月11日
(54)【発明の名称】塗布方法および塗布装置
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/26 20060101AFI20161226BHJP
   B05C 5/02 20060101ALI20161226BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20161226BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20161226BHJP
【FI】
   B05D1/26 Z
   B05C5/02
   B05C11/10
   B05D3/00 D
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-37579(P2013-37579)
(22)【出願日】2013年2月27日
(65)【公開番号】特開2014-161836(P2014-161836A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2015年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 俊文
(72)【発明者】
【氏名】福島 雄悟
【審査官】 横島 隆裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−101860(JP,A)
【文献】 特開2003−190862(JP,A)
【文献】 特開2005−329305(JP,A)
【文献】 特開2002−239445(JP,A)
【文献】 特開2006−239600(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/146928(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00−7/26
B05C 5/00−5/04
B05C 7/00−21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に長いスリット状の吐出口を有し、当該吐出口から塗布液を吐出する口金と、
前記口金と基板とを前記吐出口の短手方向に相対移動させる相対移動手段と、
前記吐出口から吐出する塗布液の吐出速度と前記相対移動手段による相対移動速度とを制御する制御手段と、
を備えた塗布装置によって、外周部に塗布膜の膜厚精度を要求しない精度要求除外領域を有し、また、当該精度要求除外領域より内側に膜厚精度を要求する精度要求領域を有する基板に対して、前記相対移動手段により前記口金を相対移動させながら前記吐出口から塗布液を吐出して塗布膜を形成する塗布方法であって、
前記吐出口が前記精度要求除外領域の上方に位置する状態において前記制御手段が前記吐出口からの塗布液の吐出および前記相対移動を開始させる、開始工程と、
前記制御手段が、前記吐出口が前記精度要求除外領域の上方に位置する時間内に、前記吐出口からの塗布液の吐出速度および前記相対移動速度を、前記口金と基板との間で塗布液によるビードを維持することが可能な第1吐出速度および第1移動速度まで加速させる、ビード形成工程と、
前記ビード形成工程の後、前記制御手段が、前記ビード形成工程における前記吐出速度および前記相対移動速度の加速度より小さく、かつ、前記吐出速度の加速に起因して前記吐出口の長手方向にわたって生じる前記塗布膜の膜厚の誤差が前記塗布膜に要求される膜厚精度の範囲内となる加速度で、基板への単位面積あたりの塗布液の塗布量を一定に保ちながら、前記吐出速度を前記第1吐出速度よりも高速な第2吐出速度まで加速させ、また、前記相対移動速度を前記第1移動速度よりも高速な第2移動速度まで加速させる、加速工程と、を有し、
前記ビード形成工程と前記加速工程との間に、前記吐出速度および前記相対移動速度を前記第1吐出速度および前記第1移動速度で所定時間維持しながら基板への塗布を行う、安定化工程を有することを特徴とする、塗布方法。
【請求項2】
前記加速工程では、前記制御手段は、前記相対移動速度の加速に対して前記吐出速度の加速のタイミングを遅らせることによって、基板への単位面積あたりの塗布液の塗布量が一定となるように制御することを特徴とする、請求項1に記載の塗布方法。
【請求項3】
前記加速工程における前記吐出速度および前記相対移動速度の加速形態は、S字加速であることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の塗布方法。
【請求項4】
一方向に長いスリット状の吐出口を有し、当該吐出口から塗布液を吐出する口金と、
前記口金と基板とを前記吐出口の短手方向に相対移動させる相対移動手段と、
前記吐出口から吐出する塗布液の吐出速度と前記相対移動手段による相対移動速度とを制御する制御手段と、
を備え、外周部に塗布膜の膜厚精度を要求しない精度要求除外領域を有し、また、当該精度要求除外領域より内側に膜厚精度を要求する精度要求領域を有する基板に対して、前記相対移動手段により前記口金を相対移動させながら前記吐出口から塗布液を吐出して塗布膜を形成する塗布装置であって、
前記吐出口が前記精度要求除外領域の上方に位置する状態において前記制御手段が前記吐出口からの塗布液の吐出および前記相対移動を開始させる、開始モードと、
前記制御手段が、前記吐出口が前記精度要求除外領域の上方に位置する時間内に、前記吐出口からの塗布液の吐出速度および前記相対移動速度を、前記口金と基板との間で塗布液によるビードを維持することが可能な第1吐出速度および第1移動速度まで加速させる、ビード形成モードと、
前記ビード形成モードの後、前記制御手段が、前記ビード形成工程における前記吐出速度および前記相対移動速度の加速度より小さく、かつ、前記吐出速度の加速に起因して前記吐出口の長手方向にわたって生じる前記塗布膜の膜厚の誤差が前記塗布膜に要求される膜厚精度の範囲内となる加速度で、基板への単位面積あたりの塗布液の塗布量を一定に保ちながら、前記吐出速度を前記第1吐出速度よりも高速な第2吐出速度まで加速させ、また、前記相対移動速度を前記第1移動速度よりも高速な第2移動速度まで加速させる、加速モードと、を有し、
前記ビード形成モードと前記加速モードとの間に、前記吐出速度および前記相対移動速度を前記第1吐出速度および前記第1移動速度で所定時間維持しながら基板への塗布を行う、安定化モードを有することを特徴とする、塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスなどの基板上に塗布液を塗布し、塗布膜を形成させる塗布方法および塗布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイには、基板上にレジスト液が塗布されたもの(塗布基板と称す)が使用されている。この塗布基板は、下記特許文献1に示されるような塗布装置により基板上にレジスト液が均一に塗布されることによって塗布膜が形成される。
【0003】
塗布装置の例を図6に示す。塗布装置90は、口金91と相対移動手段92とを有し、相対移動手段92により口金91と基板Wとを一方向に相対移動させながら口金91から塗布液を帯状に吐出し、基板Wへ略均一な膜厚の塗布膜を形成する。しかし、塗布開始部や塗布終端部まで均一に塗布することは困難であり、特に塗布開始部では他の部位と比べて膜厚の差が出やすい。
【0004】
そこで、塗布装置90によって塗布された基板Wをディスプレイなどの製作に使用するにあたり、図7に幅dで示したように塗布開始部および塗布終端部にあたる基板Wの外周部は膜厚の精度を要求しない精度要求除外領域R1とし、この精度要求除外領域R1よりも内側の部分を、膜厚の精度を要求する精度要求領域R2として、後の工程では、この精度要求領域R2にあたる部分を使用している。
【0005】
この運用方法に対し、従来の塗布方法では、塗布装置90が基板Wの精度要求除外領域R1の上方で塗布を開始してから、口金91が精度要求除外領域R1の上方を移動している時間内に、塗布実施時の最終速度まで塗布液の吐出速度の加速および基板Wの搬送速度(相対移動速度)の加速を一気に完了させることにより、精度要求領域R2では一定の吐出速度および搬送速度で均一に塗布膜の形成ができるようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−66432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の塗布方法では、それでも精度要求領域において膜厚が不均一になるおそれがあるという問題があった。具体的には、近年、塗布時間の短縮を図るために、塗布液の吐出速度および基板Wの搬送速度を高めることが求められ続け、さらに塗布基板の使用効率を高めたいという要望から、精度要求除外領域R1の幅dを狭くして精度要求領域R2を広げることが求められ続けていた。この場合、基板Wを搬送するステージの加速度には限界があるため、吐出速度および搬送速度を一気に最終速度まで加速させようとしても、図8(a)に示すように、時刻taで吐出速度および搬送速度がそれぞれ最終速度PaおよびVaに到達する前に時刻tbで精度要求除外領域R1と精度要求領域R2の境界に到達する(図8(a)でハッチングで表される基板Wの移動距離が図8(b)に示す精度要求除外領域R1の幅dとなる)おそれがあった。すなわち、図8(b)に示すように、精度要求除外領域R1の上方に口金91が位置している時間内に加速を完了できなくなって精度要求領域R2の上方でも加速を続けることとなるおそれがあった。その結果、大きい加速度で吐出速度および搬送速度を加速している間は膜厚の均一性が悪くなることから、精度要求領域R2における膜厚精度が不十分となっていた。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、膜厚精度が必要な領域の全面において精度良くかつ短時間で塗布液を塗布することが可能な塗布方法および塗布装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明の塗布方法は、一方向に長いスリット状の吐出口を有し、当該吐出口から塗布液を吐出する口金と、前記口金と基板とを前記吐出口の短手方向に相対移動させる相対移動手段と、前記吐出口から吐出する塗布液の吐出速度と前記相対移動手段による相対移動速度とを制御する制御手段と、を備えた塗布装置によって、外周部に塗布膜の膜厚精度を要求しない精度要求除外領域を有し、また、当該精度要求除外領域より内側に膜厚精度を要求する精度要求領域を有する基板に対して、前記相対移動手段により前記口金を相対移動させながら前記吐出口から塗布液を吐出して塗布膜を形成する塗布方法であって、前記吐出口が前記精度要求除外領域の上方に位置する状態において前記制御手段が前記吐出口からの塗布液の吐出および前記相対移動を開始させる、開始工程と、前記制御手段が、前記吐出口が前記精度要求除外領域の上方に位置する時間内に、前記吐出口からの塗布液の吐出速度および前記相対移動速度を、前記口金と基板との間で塗布液によるビードを維持することが可能な第1吐出速度および第1移動速度まで加速させる、ビード形成工程と、前記ビード形成工程の後、前記制御手段が、前記ビード形成工程における前記吐出速度および前記相対移動速度の加速度より小さく、かつ、前記吐出速度の加速に起因して前記吐出口の長手方向にわたって生じる前記塗布膜の膜厚の誤差が前記塗布膜に要求される膜厚精度の範囲内となる加速度で、基板への単位面積あたりの塗布液の塗布量を一定に保ちながら、前記吐出速度を前記第1吐出速度よりも高速な第2吐出速度まで加速させ、また、前記相対移動速度を前記第1移動速度よりも高速な第2移動速度まで加速させる、加速工程と、を有し、前記ビード形成工程と前記加速工程との間に、前記吐出速度および前記相対移動速度を前記第1吐出速度および前記第1移動速度で所定時間維持しながら基板への塗布を行う、安定化工程を有することを特徴としている。
【0010】
上記塗布方法によれば、ビード形成工程と加速工程とを有することにより、精度要求領域全域において精度良くかつ短時間で塗布を行うことができる。具体的には、ビード形成工程によりまずはビードの維持が可能な最低限の吐出速度および相対移動速度である第1吐出速度および第1移動速度まで、吐出口が精度要求除外領域の上方に位置する時間内に加速させることにより、吐出口が精度要求領域にさしかかる前に所定の膜厚の塗布膜となるように塗布液を塗布する準備を整えることができる。そして、加速工程において、膜厚精度を確保しながら吐出速度および相対移動速度を加速させることができ、その後高速塗布を行って短時間で塗布を完了させることができる。また、安定化工程を有することにより、ビード形成工程終了時に塗布液の吐出量のオーバーシュートが生じた場合でも、このオーバーシュートが収束した状態で加速工程に移行することができ、加速工程における塗布液の膜厚をさらに一定に保つことが可能である。
【0013】
また、前記加速工程では、前記制御手段は、前記相対移動速度の加速に対して前記吐出速度の加速のタイミングを遅らせることによって、基板への単位面積あたりの塗布液の塗布量が一定となるように制御すると良い。
【0014】
こうすることにより、加速工程における塗布液の膜厚をさらに一定に保ちながら吐出速度および相対移動速度を加速させることが可能である。
【0015】
また、前記加速工程における前記吐出速度および前記相対移動速度の加速形態は、S字加速であると良い。
【0016】
こうすることにより、急激な加速度の変化を防ぐことによって、塗布液の吐出量のオーバーシュートが生じて膜厚精度が悪化することを防ぎ、かつビードを不安定にさせることなく吐出速度および搬送速度を加速させることが可能である。
【0017】
また、上記課題を解決するために本発明の塗布装置は、一方向に長いスリット状の吐出口を有し、当該吐出口から塗布液を吐出する口金と、前記口金と基板とを前記吐出口の短手方向に相対移動させる相対移動手段と、前記吐出口から吐出する塗布液の吐出速度と前記相対移動手段による相対移動速度とを制御する制御手段と、を備え、外周部に塗布膜の膜厚精度を要求しない精度要求除外領域を有し、また、当該精度要求除外領域より内側に膜厚精度を要求する精度要求領域を有する基板に対して、前記相対移動手段により前記口金を相対移動させながら前記吐出口から塗布液を吐出して塗布膜を形成する塗布装置であって、前記吐出口が前記精度要求除外領域の上方に位置する状態において前記制御手段が前記吐出口からの塗布液の吐出および前記相対移動を開始させる、開始モードと、前記制御手段が、前記吐出口が前記精度要求除外領域の上方に位置する時間内に、前記吐出口からの塗布液の吐出速度および前記相対移動速度を、前記口金と基板との間で塗布液によるビードを維持することが可能な第1吐出速度および第1移動速度まで加速させる、ビード形成モードと、前記ビード形成モードの後、前記制御手段が、前記ビード形成工程における前記吐出速度および前記相対移動速度の加速度より小さく、かつ、前記吐出速度の加速に起因して前記吐出口の長手方向にわたって生じる前記塗布膜の膜厚の誤差が前記塗布膜に要求される膜厚精度の範囲内となる加速度で、基板への単位面積あたりの塗布液の塗布量を一定に保ちながら、前記吐出速度を前記第1吐出速度よりも高速な第2吐出速度まで加速させ、また、前記相対移動速度を前記第1移動速度よりも高速な第2移動速度まで加速させる、加速モードと、を有し、前記ビード形成モードと前記加速モードとの間に、前記吐出速度および前記相対移動速度を前記第1吐出速度および前記第1移動速度で所定時間維持しながら基板への塗布を行う、安定化モードを有することを特徴とする。
【0018】
上記の塗布装置によれば、ビード形成モードと加速モードとを有することにより、精度要求領域全域において精度良く塗布を行うことができる。具体的には、ビード形成モードによりまずはビードの維持が可能な最低限の吐出速度および相対移動速度である第1吐出速度および第1移動速度まで、吐出口が精度要求除外領域の上方に位置する時間内に加速させることにより、吐出口が精度要求領域にさしかかる前に所定の膜厚の塗布膜となるように塗布液を塗布する準備を整えることができる。そして、加速モードにおいて、膜厚精度を確保しながら吐出速度および相対移動速度を加速させることができ、その後高速塗布を行って短時間で塗布を完了させることができる。また、安定化モードを有することにより、ビード形成モード終了時に塗布液の吐出量のオーバーシュートが生じた場合でも、このオーバーシュートが収束した状態で加速モードに移行することができ、加速モードにおける塗布液の膜厚をさらに一定に保つことが可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の塗布方法および塗布装置によれば、膜厚精度が必要な領域の全面において精度良くかつ短時間で塗布液を塗布することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態における塗布装置の概略図であり、斜視図である。
図2】塗布装置による基板への塗布膜形成を表す概略図である。
図3】本実施形態の塗布方法における塗布液の吐出速度および基板の搬送速度の制御方法を表す概略図である。
図4】口金の長手方向に対する塗布膜の膜厚分布を表すグラフである。
図5】他の実施形態の塗布方法における塗布液の吐出速度および基板の搬送速度の制御方法を表す概略図である。
図6】従来の塗布装置の概略図であり、斜視図である。
図7】基板上の精度要求除外領域と精度要求領域の設定例である。
図8】従来の塗布方法における塗布液の吐出速度および基板の搬送速度の制御方法を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態における塗布装置の概略図である。塗布装置1は、基板Wに塗布液を塗布する塗布手段2、塗布手段2が有する口金11と基板Wとを相対移動させる相対移動手段3(本実施形態では、基板Wを搬送する搬送手段)を備えており、相対移動手段3により口金11の直下で基板Wが搬送されている時に口金11の吐出口13から塗布液を吐出することにより、基板W上に塗布液による塗布膜を形成する。
【0023】
また、塗布装置1はさらに制御手段4を備えており、基板Wへ塗布を行う際の吐出速度(単位時間あたりの塗布液の吐出量)、口金11と基板Wの相対移動速度(搬送速度)などを制御している。
【0024】
ここで、本説明における吐出速度とは、実際に吐出口13から吐出される単位時間あたりの塗布液の吐出量のことを示す。たとえば塗布液の粘度が高い場合には、制御手段4による吐出速度の制御のタイミングに対して、その制御によって実際に吐出口13から吐出される塗布液の吐出速度が変化するタイミングには遅れが生じるが、その場合、制御手段4はその遅れを想定した上で、早めに制御を実施しているものとする。
【0025】
なお、以下の説明では、基板Wの搬送方向をX軸方向、X軸方向と水平面上で直交する方向(口金の長手方向)をY軸方向、X軸およびY軸方向の双方に直交する方向をZ軸方向として説明を進めることとする。
【0026】
塗布手段2は、口金11を備えている。口金11は、略直方体状の形状を有する金属製のブロックであり、相対移動手段3による基板Wの搬送方向と垂直な方向を長手方向(Y軸方向)とするスリットを内部に有している。また、口金11は下部にリップ12を有している。
【0027】
リップ12は、口金11から下方に向かって先細りした嘴状に突出する形状を有しており、下端には上記スリットの開口部でありY軸方向を長手方向とする吐出口13が形成されている。そして、図示しない塗布液供給装置から口金11へ供給された塗布液は、上記スリットを通ってこの吐出口13から下向きに吐出される。
【0028】
また、吐出口13は、塗布が行われる際に基板Wと所定距離分離間した状態となるよう、Z軸方向の位置が設定されている。ここで、塗布手段2には、吐出口13のZ軸方向の位置が調節できるようなZ軸方向の駆動機構(図示しない)も設けられている。
【0029】
相対移動手段3は、リニアステージなどで構成される直動機構であり、この相対移動手段3に組み付けられている載置部21をX軸方向に移動させる。そして、載置部21が基板11を載置した状態において制御手段4がこの相対移動手段3の駆動を制御することにより、口金11と基板WとがX軸方向に相対移動する。そして、口金11の下方で基板Wを相対移動させながら口金11の吐出口13から塗布液を吐出することにより、基板Wへの塗布液の塗布を行うことが可能である。
【0030】
載置部21は、基板Wを固定する機構を有し、基板Wへの塗布動作はこの載置部21の上に基板Wを載置し、固定した状態で行われる。本実施形態では、載置部21は吸着機構を有しており、図示しない真空ポンプなどを動作させることにより、基板Wと当接する面に吸引力を発生させ、基板Wを吸着固定している。
【0031】
なお、本実施形態では、相対移動手段3は基板Wを移動させる形態であるが、口金11を含んだ塗布手段2の方を移動させることにより口金11と基板Wとを相対移動させる形態であっても良い。さらに、相対移動手段3は載置部21において固定された基板Wを搬送する形態ではなく、エアなどにより基板Wを浮上させて搬送する形態であっても良い。
【0032】
制御手段4は、コンピュータ、シーケンサなどを有し、吐出口13からの塗布液の吐出速度、基板Wの搬送速度(載置部21の移動速度)などの制御を行う。また、制御手段4は、ハードディスクや、RAMまたはROMなどのメモリからなる、各種情報を記憶する記憶装置を有しており、塗布時における吐出速度および搬送速度の制御データなどがこの記憶装置に記憶される。
【0033】
次に、口金11から基板Wへの塗布液の塗布の形態を図2に示す。
【0034】
上述の通り、基板Wが口金11の下方に位置している時に、図示しない塗布液供給装置から口金11に供給された塗布液がスリットを経由して吐出口13から基板Wへ吐出されて塗布膜14を形成する。
【0035】
ここで、基板Wへの塗布が開始されるとき、まず、口金11の吐出口13から吐出された塗布液により、口金11と基板Wとが連結される。このように口金11と基板Wとが塗布液で連結された状態を、本発明では、「ビード15が形成された状態」と呼ぶ。そして、塗布液の吐出速度および基板Wの搬送速度が所定速度以上に維持されることにより、このビード15が形成された状態を維持しながら基板Wが口金11の下方を相対移動することができる。
【0036】
このように、ビード15が形成された状態を維持しながら基板Wが口金11の下方を相対移動して塗布が行われることにより、基板Wの全面に途切れなく塗布膜14を形成することが可能である。また、基板Wの単位面積あたりに塗布される塗布液の量が一定となるように塗布液の吐出速度および基板Wの搬送速度が制御されながら塗布が行われることにより、均一な膜厚の塗布膜14が形成される。
【0037】
次に、本発明の一実施形態における塗布液の塗布方法について説明する。
【0038】
図3は、本実施形態の塗布方法における塗布液の吐出速度および基板の搬送速度の制御方法を表す概略図であり、図3(a)は、吐出速度および搬送速度の時間変化を表すグラフであり、図3(b)は図3(a)における時刻t1、t2およびt4における口金11の吐出口13と基板Wの相対位置を表す概略図である。
【0039】
本発明で塗布を行う基板Wには、図7に示す通り膜厚の精度を要求しない精度要求除外領域R1が外周部に設けられており、この精度要求除外領域R1よりも内側の部分が、膜厚の精度を要求する精度要求領域R2となる。この精度要求除外領域R1の幅は、10mm程度である。
【0040】
このように精度要求除外領域R1および精度要求領域R2を有する基板Wへ塗布を行うにあたり、まず、口金11の吐出口13が基板Wの精度要求除外領域R1の上方に位置する状態から制御手段4が吐出口13からの塗布液の吐出および基板Wの搬送を開始させる。この工程を開始工程と呼ぶ。また、塗布装置1がこの開始工程を行うことを開始モードと呼ぶ。
【0041】
この開始工程に関し、本実施形態では、図3(a)に示す時刻t0において塗布液の吐出および基板Wの搬送が同時に開始しているが、必ずしも同時でなくても構わない。たとえば、塗布液が所定量吐出されてから基板Wの搬送が開始しても構わない。
【0042】
なお、本実施形態では、基板Wから塗布液が下方へ垂れ落ちることを防ぐために、基板端から数mm内側の位置の上方に吐出口13が位置した状態から塗布を開始している。この吐出口13の位置は、精度要求除外領域R1の上方にあたる。
【0043】
この開始工程の後、吐出口13からの塗布液の吐出速度および基板Wの搬送速度が加速されながら塗布が行われるが、本発明の塗布方法では、吐出速度および搬送速度を変化させる工程を少なくとも2つ有している。
【0044】
まず最初に、制御手段4が吐出口13からの塗布液の吐出速度および基板Wの搬送速度を図3(a)に示す第1吐出速度P1および第1移動速度V1まで精度要求除外領域R1内で加速させる工程を実施する。この工程をビード形成工程と呼ぶ。また、塗布装置1がこのビード形成工程を行うことをビード形成モードと呼ぶ。
【0045】
ここで、第1吐出速度P1および第1移動速度V1とは、口金11と基板Wとの間でビード15が形成された状態を維持し、基板Wに所定の膜厚の塗布膜14を形成することが可能な必要最低限の塗布液の吐出速度および基板Wの搬送速度のことであり、基板Wの全面へ塗布を行うために到達させる最高吐出速度および最高搬送速度よりも低速な速度である。
【0046】
ここで、先述の通り、口金11と基板Wとの間でビード15が形成された状態が維持されるためには、所定速度以上の吐出速度および搬送速度が必要となる。もしこれらが所定速度に満たない場合は、ビード15が維持できずに塗布液が口金11からちぎれてしまい、その結果、基板Wの全面に途切れなく塗布膜14を形成することができなくなる。
【0047】
また、基板Wに形成される塗布膜14の膜厚は、基板Wの単位面積あたりに吐出される塗布液の量によって決定されるため、吐出速度および搬送速度を変化させる場合であっても、それらの比率(吐出速度/搬送速度)が所定の値となるように制御手段4が吐出速度および搬送速度を制御することにより、所定の膜厚の塗布膜14を得ることができる。
【0048】
そこで、本実施形態のビード形成工程では、口金11の吐出口13が精度要求除外領域R1内に位置している時間内に、制御手段4が比較的大きな加速度で吐出速度および搬送速度を加速して、ビード15を維持し、かつ所定の膜厚の塗布膜14を形成するよう塗布を行うことができる形態を手早く形成する。
【0049】
図3の例では、時刻t0から時刻t1においてビード形成工程が実施され、吐出速度および搬送速度がそれぞれ第1吐出速度P1および第1移動速度V1となり、ビード15を維持し、かつ所定の膜厚の塗布膜14を形成するよう塗布を行うことができる形態が形成される。
【0050】
このビード形成工程は、図3(b)に示すように、吐出口13が精度要求除外領域R1内に位置している時間内に行われ、その後、吐出口13は時刻t2において精度要求除外領域R1と精度要求領域R2との境界に到達する。すなわち、時刻t2において図3(a)でハッチングで表される基板Wの移動距離が図3(b)で示す精度要求除外領域R1の幅dとなる。
【0051】
この結果、精度要求領域R2全面において膜厚が均一な塗布を行うための準備を精度要求除外領域R1内で完了させることができる。
【0052】
次に、本実施形態における塗布方法では、制御手段4が吐出口13からの塗布液の吐出速度および基板Wの搬送速度をさらに加速させる工程を実施する。この工程を加速工程と呼ぶ。また、塗布装置1がこの加速工程を行うことを加速モードと呼ぶ。
【0053】
ここで仮に、ビード形成工程が完了した後、その時の吐出速度および搬送速度を維持して塗布を実施する場合、この場合でも精度要求領域R2全面において膜厚が均一な塗布を行うことは可能である。しかし、低速での作業となるため、基板W全面への塗布が完了するまでに時間がかかってしまう。そこで、この加速工程を設けて吐出速度および搬送速度を加速させることにより、塗布が完了するまでの時間を短縮することが可能である。
【0054】
本実施形態では、図3(a)の時刻t3から時刻t4において吐出速度および搬送速度を第1吐出速度P1から第2吐出速度P2へ、そして第1移動速度V1から第2移動速度V2へ加速しており、この動作が加速工程に相当する。
【0055】
ここで、第2吐出速度P2および第2移動速度V2は、本実施形態ではそれぞれ塗布動作の最高速度としており、加速工程終了後、この第2吐出速度P2および第2移動速度V2が保たれながら基板W全面への塗布が行われる。
【0056】
この加速工程では、基板Wへの単位面積あたりの塗布量を一定に保ちながら吐出速度および搬送速度を加速することにより、膜厚を均一に保持しつつ加速を行い、塗布を実施する。
【0057】
ここで、後述するビードの体積の変化の影響を除けば、吐出速度と搬送速度の比率(吐出速度/搬送速度)を一定に保つように制御手段4が吐出速度および搬送速度を制御することにより、単位面積あたりの塗布量をほぼ一定に保つことが可能である。
【0058】
また、この加速工程では、膜厚の均一性を良くし、精度要求領域R2において要求される塗布膜14の膜厚精度(膜厚の均一性)を満足するために、制御手段4が吐出速度の加速度を小さくする必要がある。したがって、先述の通りビード形成工程を比較的大きな加速度で行った場合では、ビード形成工程における加速度と同じ加速度では膜厚精度を満足できないおそれがあるため、加速工程における吐出速度の加速度はビード形成工程における吐出速度の加速度よりも小さくなる必要がある。
【0059】
また、吐出速度と搬送速度の比率を一定に保つために、吐出速度の加速度とともに搬送速度の加速度も小さくなる必要がある。
【0060】
加速工程において吐出速度の加速度を小さくする理由について、図4を用いて説明する。
【0061】
図4は、口金の長手方向に対する塗布膜の膜厚分布を表すグラフである。図4(a)のグラフは、加速度がゼロである(吐出速度一定である)場合、図4(b)グラフは、加速度が小さい場合、図4(c)グラフは、加速度が大きい場合の膜厚分布である。
【0062】
口金11には、吐出口13からの吐出量が吐出口13の長手方向全体にわたって均一となるような工夫が設けられている。しかしながら、完全に均一とすることは難しく、口金11への塗布液の供給口に近い箇所ほど吐出量が大きい傾向を有する。そして、この傾向は、吐出速度を大きな加速度で加速するほど、顕著に現れる。
【0063】
本実施形態では、塗布液の供給口16が口金11の長手方向に関して中央に設けられているため、吐出口13の長手方向中央部では吐出量が最も多く、端部で吐出量が最も少なくなる傾向がある。その傾向は、塗布膜14の膜厚分布にも影響し、図4(a)のように一定速度で塗布液を吐出した場合に膜厚の最も厚い部分と薄い部分との差Δtは最も小さく、図4(b)および図4(c)に示す通り、吐出量の加速度が大きくなるほどこのΔtは大きくなる。
【0064】
したがって、仮にビード形成工程における吐出速度の加速度と同等の加速度で吐出速度を加速した場合は、膜厚の最も厚い部分と薄い部分との差が大きくなるため、膜厚の均一性が悪くなる。また、図8に示したように加速度が大きい状態で吐出速度を一段階で加速し、加速完了までに精度要求領域R2の上方に進入する場合でも同様のことが言える。
【0065】
そこで、本実施形態の加速工程では、制御手段4が精度要求領域R2において要求される塗布膜14の膜厚精度よりも上記Δtが小さくなるような加速度となるように制御して、吐出速度を加速している。
【0066】
ここで、本実施形態では、図3(b)に示す通り、加速工程の終了時刻である時刻t4の時点では、口金11の吐出口13は既に精度要求領域R2の上方に位置しているため、加速工程において塗布を行った塗布膜14の膜厚精度は精度要求領域R2において要求される塗布膜14の膜厚精度を満足しなければならない。これに対し、本実施形態の加速工程では、上記の通り小さい加速度で吐出速度および搬送速度が加速されることにより、塗布膜14の膜厚精度は精度要求領域R2において要求される膜厚精度を満足することができる。
【0067】
ここで、塗布装置1により基板Wへの塗布が行われる前に、吐出速度の加速度の変化に対する吐出口13の長手方向の膜厚精度の変化のデータがあらかじめ採取され、このデータに基づいて、所定の膜厚精度を満足することが可能な吐出速度の加速度の上限値があらかじめ把握され、この上限値に基づいて加速工程時の吐出速度の加速度が決定されていることが望ましい。
【0068】
なお、この吐出速度の加速度の上限値のデータは、あらかじめ制御手段4に記録されていても良い。そして、この上限値以下の加速度となるように、加速工程における吐出速度の加速度を制御手段4が自動的に決定しても良い。また、ユーザが手動で設定する場合に、この上限値を超える加速度の値をユーザが入力しようとするとエラーを出力するなどして、上限値以下の値を入力するように誘導しても良い。
【0069】
このように、ビード形成工程および加速工程が設けられて塗布動作が行われることにより、精度要求領域R2全面において、要求される膜厚精度を満足することができる。
【0070】
また、本実施形態では、図3(a)に示す時刻t1から時刻t3の間、すなわち、ビード形成工程が完了してから加速工程を開始するまでの間に、吐出速度および搬送速度を第1吐出速度P1および第1移動速度で所定時間維持する工程が設けられている。この工程を、本発明では安定化工程と呼ぶ。
【0071】
この安定化工程が設けられることにより、仮にビード形成工程終了時に塗布液の吐出量にオーバーシュートが生じた場合でも、このオーバーシュートが収束した状態で加速工程に移行することができ、加速工程における塗布液の膜厚をさらに一定に保つことが可能である。
【0072】
また、ビード形成工程終了時に塗布液の吐出量のオーバーシュートが生じる心配が無い場合などでは、この安定化工程を設けず、ビード形成工程完了後、すぐに加速工程を開始しても良い。
【0073】
ここで、本実施形態では、図3(a)に示すように安定化工程が設けられ、時刻t2より後の時刻である時刻t3から加速工程が開始している。すなわち、口金11の吐出口13が精度要求領域R2の上方に位置してから加速工程が開始しているが、吐出口13が精度要求除外領域R1の上方に位置している時間内に加速工程が開始しても構わない。
【0074】
また、加速工程における吐出速度および搬送速度の加速形態は、図3(a)に示すようにS字加速であることが望ましい。すなわち、加速開始時(図3(a)における時刻t3近傍)および加速終了時(図3(a)における時刻t4近傍)における加速度はそれらの間の時間における加速度よりもさらに小さいことが望ましい。これにより、急激な加速度の変化を防ぐことによって、塗布液の吐出量のオーバーシュートが生じて膜厚精度が悪化することを防ぎ、かつビードを不安定にさせることなく吐出速度および搬送速度を加速させることが可能である。
【0075】
同様に、ビード形成工程における吐出速度および搬送速度の加速形態もS字加速であっても良い。
【0076】
次に、他の実施形態における吐出速度および搬送速度の制御方法について説明する。
【0077】
図5に示す実施形態は、搬送速度の加速に対して吐出速度の加速のタイミングを遅らせることによって、基板Wへの単位面積あたりの塗布液の塗布量が一定となるように制御手段4が制御する例である。
【0078】
図5(a)および図5(b)は、ビード15の概略図であり、吐出速度と搬送速度の比率(吐出速度/搬送速度)は両図で等しいが、図5(a)は、吐出速度および搬送速度が低速である場合、図5(b)は、吐出速度および搬送速度が高速である場合のものである。
【0079】
これら図5(a)および図5(b)に示す通り、吐出速度と搬送速度の比率が同じであっても、吐出速度(搬送速度)が大きいほど、ビード15の体積は小さくなる。これは、搬送速度が加速されるにともなって、口金11および基板Wがビード15を引っ張る力が大きくなる、などの要因によるものと考えられる。
【0080】
ここで、加速工程において吐出速度および搬送速度を加速させる場合、加速にともなって上記の通りビード15の体積が小さくなってゆく。そして、ビード15の体積の減少分の塗布液は、塗布膜14に還元される。このように塗布液が塗布膜14に還元される分、塗布膜14の膜厚は、吐出速度と搬送速度の比率から計算される膜厚よりも厚くなる。
【0081】
したがって、特に吐出速度および搬送速度の変化によるビード15の体積の変化が顕著な塗布液を塗布する場合は、加速工程において上記還元を反映した上で、基板への単位面積あたりの塗布液の塗布量が一定となるように制御手段4が吐出速度および搬送速度を制御する。
【0082】
具体的には、制御手段4は、図5(c)の通り、吐出速度の加速開始時刻を搬送速度の加速開始時刻t3に対して若干遅めの時刻t3とし、加速工程において塗布膜14へ塗布液が還元する量を考慮して、基板Wへの単位面積あたりの塗布量を少なくするようにしている。
【0083】
以上説明した塗布方法および塗布装置によれば、膜厚精度が必要な領域の全面において精度良くかつ短時間で塗布液を塗布することが可能である。
【0084】
なお、本実施形態では、ビード形成工程を実施した後、1回の加速工程で吐出速度および搬送速度を最高速度まで加速させているが、多段階の加速工程を経て、最高速度に到達しても良い。
【符号の説明】
【0085】
1 塗布装置
2 塗布手段
3 相対移動手段
4 制御手段
11 口金
12 リップ
13 吐出口
14 塗布膜
15 ビード
16 供給口
21 載置部
90 塗布装置
91 口金
92 相対移動手段
R1 精度要求除外領域
R2 精度要求領域
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8