【文献】
佐藤 教之 他,電子情報通信学会2004年通信ソサイエティ大会講演論文集2,2004年 9月,p.72,B-6-72
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1を用いて本発明の実施の形態1にかかる通信システムの構成例について説明する。
図1の通信システムは、通信装置10及び通信装置20を有している。通信装置10及び通信装置20は、通信ネットワーク30を介して通信を行う。
【0016】
通信装置10及び通信装置20は、例えば、通信ネットワーク30を介してパケットデータとして音声データを送受信するVoIP機器であってもよく、画像データ、動画データ等を送受信する通信装置であってもよい。
【0017】
通信ネットワーク30は、通信装置10もしくは通信装置20から送信されたデータを中継するネットワークである。通信ネットワーク30は、例えば、パケットデータを中継するIPネットワークであってもよい。
【0018】
通信装置10は、通信ネットワーク30を介して通信装置20へデジタルデータを送信する。通信装置20は、通信装置10から送信されたデジタルデータを受信すると、デジタルデータの受信間隔を算出する。具体的には、通信装置10は、デジタルデータがパケットデータとして送信されてきた場合に、あるパケットデータを受信してから次のパケットデータを受信するまでの時間を算出する。さらに、通信装置20は、通信装置10から送信されたデジタルデータの受信間隔に同期して、通信ネットワーク30を介して通信装置10へ送信するデジタルデータの送信間隔を制御する。具体的には、送信間隔は、デジタルデータとしてパケットデータを送信する際に、あるパケットデータを送信してから次のパケットデータを送信するまでの時間である。
【0019】
以上説明したように、
図1の通信システムを用いることによって、通信装置20は、通信装置10から送信されたデジタルデータの受信間隔に同期して、通信装置10へ送信するデジタルデータの送信間隔を決定することができる。
【0020】
一方、通信装置10は、デジタルデータの送信処理及び受信処理を自装置内のクロックのクロックタイミングに同期している。送信処理とは、通信装置10が、通信ネットワーク30を介して送信バッファに格納しているデジタルデータを送信することであり、受信処理とは、通信装置10が、通信ネットワーク30を介して受信し、受信バッファに格納しているデータを取り出して復号処理等を行うことである。この場合、通信装置10における通信装置20から送信されたデジタルデータの受信間隔は、通信装置10が受信処理を行うタイミングと同期している。つまり、通信装置10におけるデジタルデータの受信間隔は、通信装置10が受信バッファからデジタルデータを取り出すタイミングと同期している。なぜなら、通信装置20がデジタルデータを送信する間隔が、通信装置20においてデジタルデータを受信する間隔と同期しており、通信装置20におけるデジタルデータを受信する間隔は、通信装置10がデジタルデータを送信する間隔と同期しているからである。
【0021】
そのため、通信装置10の受信バッファにおいて、オーバーランもしくはアンダーランが発生することを防止することができる。
【0022】
さらに、通信装置20は、デジタルデータを受信した場合に、デジタルデータ内に設定されている受信クロック等を抽出する必要がない。つまり、通信装置10は、デジタルデータ内に設定されている情報を抽出する抽出処理及び抽出した情報を再生等する再生処理を実行する必要がなく、デジタルデータが到着する時間間隔を算出すればよい。デジタルデータが到着する時間間隔を算出する処理は、抽出処理及び再生処理等と比較して処理負担が小さい。以上説明したように、通信装置20の処理負担を軽減させることができる。
【0023】
(実施の形態2)
続いて、
図2を用いて本発明の実施の形態2にかかる通信システムの構成例について説明する。
図2の通信システムは、VoIP機器12、FAX機器14、VoIP機器22及びデジタル通信機器24を有している。VoIP機器12及びVoIP機器22は、通信ネットワーク30を介して通信を行う。
【0024】
FAX機器14は、アナログ回線を介してFAXデータをVoIP機器12へ送信する。例えば、VoIP機器12とFAX機器14とは、RJ11等の通信規格を用いるアナログ回線を介して接続されてもよい。
【0025】
VoIP機器12は、FAX機器14から送信されたアナログデータであるFAXデータをデジタルデータへ変換する。また、VoIP機器12は、自装置が有するクロックを用いて、アナログデータをデジタルデータへ変換する。つまり、VoIP機器12は、自装置が有するクロックのクロックタイミングに応じて、アナログデータをデジタルデータへ変換する。また、VoIP機器12は、デジタルデータをアナログデータへ変換する際にも、自装置が有するクロックのクロックタイミングに応じて変換処理を行う。
【0026】
VoIP機器12は、アナログデータからデジタルデータへ変換したFAXデータを、通信ネットワーク30を介してVoIP機器22へ送信する。具体的には、VoIP機器12は、デジタルデータへ変換したFAXデータをパケットデータとして通信ネットワーク30へ送信する。VoIP機器12は、自装置が有するクロックのクロックタイミングに応じて、デジタルデータを通信ネットワーク30へ送信する。ここで、デジタルデータを送信する際に用いるクロックは、アナログデータとデジタルデータとを変換する際に用いるクロックであってもよい。VoIP機器12は、通信ネットワーク30とイーサネット(登録商標)を用いて接続してもよく、その他のデジタルインタフェースを用いて接続してもよい。
【0027】
さらに、VoIP機器12は、通信ネットワーク30を介して送信されたデジタルデータをアナログデータへ変換し、変換したアナログデータをFAX機器14へ送信する。
【0028】
デジタル通信機器24は、FAX機器14へ送信するFAXデータをデジタル回線を介してVoIP機器22へ送信する。FAXデータは、例えば画像データもしくは文字データ等であり、デジタルデータである。デジタル通信機器24は、例えば、携帯電話端末、スマートフォン端末、タブレット型通信端末もしくはパーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置であってもよい。
【0029】
VoIP機器22とデジタル通信機器24とは、イーサネット(登録商標)を用いて接続してもよく、USB(Universal Serial Bus)インタフェースを用いて接続してもよく、その他のデジタルインタフェースを用いて接続してもよい。
【0030】
VoIP機器22は、デジタル通信機器24から送信されたデジタルデータであるFAXデータを、通信ネットワーク30を介してVoIP機器12へ送信する。
【0031】
続いて、
図3を用いて、VoIP機器12の構成例について説明する。VoIP機器12は、WAN(Wide Area Network)インタフェース部31、RTP(Real-time Transport Protocol)制御部32、受信バッファ33、送信バッファ34、VoIP Codec分35、AD(Analog to Digital)変換部36、クロック37及びアナログデータ受信部38を備えている。
【0032】
アナログデータ受信部38は、FAX機器14から送信されたアナログデータを受信する。例えば、アナログデータ受信部38は、RJ11等の通信規格を用いるアナログ回線を介してFAX機器14から送信されたアナログデータを受信してもよい。アナログデータ受信部38は、受信したアナログデータをAD変換部36へ出力する。
【0033】
AD変換部36は、アナログデータ受信部38から出力されたアナログデータをデジタルデータへ変換する。AD変換部36は、クロック37から出力されるクロックのクロックタイミングに同期してアナログ−デジタル変換処理を実行する。AD変換部36は、変換後のデジタルデータをVoIP Codec部35へ出力する。また、AD変換部36は、VoIP Codec部35から出力されたデジタルデータをアナログデータに変換してもよい。この場合、AD変換部36は、変換後のアナログデータをアナログデータ受信部38へ出力する。
【0034】
VoIP Codec部35は、予め定められた音声コーデック方式を用いて、AD変換部36から出力されたデジタルデータを符号化する。予め定められた音声コーデック方式は、例えば、ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)、ARIB(Association of Radio Industries and Business)もしくは3GPP(3rd Generation Partnership Project)等の標準化機関において定められた方式であってもよい。VoIP Codec部35は、符号化したデジタル音声データを送信バッファ34へ出力する。もしくは、VoIP Codec部35は、受信バッファ33から出力されたデジタル音声データを復号し、復号したデジタルデータをAD変換部36へ出力してもよい。
【0035】
WANインタフェース部31は、通信ネットワーク30と接続し、RTP制御部32から出力されたデジタルデータを通信ネットワーク30へ送信、もしくは、通信ネットワーク30から送信されたデジタルデータを受信し、RTP制御部32へ出力する。
【0036】
RTP制御部32は、送信バッファ34から出力されたデジタル音声データを、RTPメッセージフォーマットの形式に変換する。RTP制御部32は、WANインタフェース部31を介して通信ネットワーク30へVoIP機器22を宛先とするRTPメッセージを送信する。また、RTP制御部32は、WANインタフェース部31を介して受信したRTPメッセージを、VoIP Codec部35において処理するデジタル音声データの形式に変換して、変換後のデジタル音声データを受信バッファ33へ出力する。
【0037】
受信バッファ33は、RTP制御部32から出力されたデジタル音声データを受け取る。受信バッファ33は、ジッタバッファと称されてもよい。受信バッファ33は、到着間隔が一定ではないデジタル音声データを一時的に格納し、所定の期間毎にデジタル音声データをVoIP Codec部35へ出力する。
【0038】
ここで、受信バッファ33は、VoIP Codec部35へ出力するデジタル音声データの出力間隔をクロック37のクロックタイミングに同期して定めてもよい。なぜなら、デジタル音声データは、AD変換部36においてアナログデータへ変換される。その際、変換タイミングは、クロック37と同期している。そのため、受信バッファ33がVoIP Codec部35へデジタルデータを出力する出力間隔も、クロック37に同期して、AD変換部36における変換タイミングと同期させることによって、AD変換部36における変換処理を効率的に実行させることができる。つまり、AD変換部36は、デジタルデータを取得する間隔と、変換タイミングとが同期することによって、到着したデジタルデータを所定期間保持することなく、すぐに変換処理を実行することができる。
【0039】
送信バッファ34は、VoIP Codec部35から出力されたデジタル音声データをRTP制御部32へ出力する。送信バッファ34は、RTP制御部32へ出力するデジタル音声データの出力間隔をクロック37のクロックタイミングに同期して定めてもよい。なぜなら、送信バッファ34は、AD変換部36においてクロック37のクロックタイミングに同期して変換されたデジタル音声データをVoIP Codec部35を介して受け取る。そのため、送信バッファ34からRTP制御部32に対して、クロック37のクロックタイミングに同期したタイミングにてデジタル音声データを出力することによって、送信バッファ34におけるデータのオーバーランもしくはアンダーランを防止することができる。そのため、送信バッファ34から出力されるデジタル音声データの出力間隔は、クロック37のクロックタイミングに同期して定められてもよい。
【0040】
続いて、
図4を用いてVoIP機器22の構成例について説明する。VoIP機器22は、WANインタフェース部41、RTP制御部42、送信タイミング制御部43、VoIP Codec部44、FAXモデム部45、画像処理部46、ファイルI/O部47及びI/Oインタフェース部48を有している。WANインタフェース部41、RTP制御部42及びVoIP Codec部44は、
図3のWANインタフェース部31、RTP制御部32及びVoIP Codec部35と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0041】
VoIP機器22は、AD変換処理を行うAD変換部36に相当する機能を有さない点において、VoIP機器12と異なる。
【0042】
I/O(Input/Output)インタフェース部48は、デジタル通信機器24との間においてデジタルデータを通信する。I/Oインタフェース部48は、例えば、USBインタフェースもしくはイーサネット(登録商標)を介して通信を行うためのLANインタフェースであってもよい。I/Oインタフェース部48は、デジタル通信機器24から送信されたデジタルデータをファイルI/O部47へ出力する。デジタル通信機器24は、FAXデータとして送信するデジタル画像データをVoIP機器22へ送信する。
【0043】
もしくは、I/Oインタフェース部48は、ファイルI/O部47から出力されたデジタルデータをデジタル通信機器24へ出力する。
【0044】
ファイルI/O部47は、画像処理部46とI/Oインタフェース部48との間において通信されるデジタル画像データを中継する。画像処理部46は、ファイルI/O部47から出力されたデジタル画像データをFAXモデム部45へ出力する。もしくは、画像処理部46は、FAXモデム部45から出力されたデジタル画像データをファイルI/O部47へ出力する。
【0045】
FAXモデム部45は、画像処理部46から出力された画像データをFAX通信を行う際に用いられるメッセージフォーマットへ変換もしくは、FAX通信を行うために必要なパラメータ等を設定し、デジタルデータをVoIP Codec部44へ出力する。もしくは、VoIP Codec部44から出力されたデジタルデータから画像データを抽出して、画像データを画像処理部46へ出力する。
【0046】
送信タイミング制御部43は、RTP制御部42及びWANインタフェース部41を介して通信ネットワーク30へ送信するデジタル音声データを送信する送信間隔を制御する。
【0047】
ここで、
図5を用いて送信タイミング制御部43の詳細な構成例について説明する。送信タイミング制御部43は、受信バッファ51、送信タイミング判定部52及び送信バッファ53を有している。受信バッファ51は、RTP制御部42を介して、VoIP機器12から送信されたデジタル音声データを受け取る。
【0048】
送信タイミング判定部52は、受信バッファ51を監視し、受信バッファ51に到着するデジタル音声データの間隔を測定する。例えば、送信タイミング判定部52は、受信バッファ51にデジタル音声データが到着した時間を記録し、記録した時間を用いてデジタル音声データの受信間隔を算出してもよい。受信バッファ51を監視するとは、例えば、送信タイミング判定部52は、デジタル音声データが受信バッファ51に到着する度に、受信バッファ51からデジタル音声データの到着を通知するメッセージを受信してもよい。もしくは、送信タイミング判定部52は、定期的に受信バッファ51へ、デジタル音声データが到着したか否かを確認する確認メッセージを送信してもよい。この場合送信タイミング判定部52は、確認メッセージへの応答メッセージを受け取ることによって、受信バッファ51にデジタル音声データが到着したか否かを判定してもよい。
【0049】
送信タイミング判定部52は、受信バッファ51におけるデジタル音声データの受信間隔を測定すると、測定した受信間隔に同期して送信バッファ53に蓄積されたデジタル音声データをRTP制御部42へ出力するように制御する。具体的には、送信タイミング判定部52は、送信バッファ53から出力するデジタル音声データの送信間隔を測定した受信間隔と一致させるように制御する。
【0050】
また、送信タイミング判定部52は、測定した受信間隔に同期して、受信バッファ51に蓄積されたデジタル音声データをVoIP Codec部44へ出力するように制御してもよい。具体的には、送信タイミング判定部52は、受信バッファ51からVoIP Codec部44へ出力するデジタル音声データの出力間隔を、測定した受信間隔と一致させるように制御する。
【0051】
送信バッファ53は、VoIP Codec部44から出力されたデジタル音声データを、送信タイミング判定部52において定められた送信間隔に応じてRTP制御部42へ出力する。
【0052】
また、送信タイミング判定部52は、送信バッファ53から出力するデジタル音声データの送信間隔を、受信バッファ51におけるデジタル音声データの受信間隔と一致させる以外に、次のように決定してもよい。
【0053】
受信バッファ51において受信するデジタル音声データは、パケットデータであり、通信ネットワーク30を介して送信される。そのため、パケットデータ間における受信間隔は、受信するパケットデータによって異なる。つまり、パケットデータを受信する際に、揺らぎ(もしくはジッタ)が発生する。送信タイミング判定部52は、パケットデータを受信する際に発生するジッタを統計的に処理し、送信バッファ53に蓄積されたデジタル音声データの送信間隔を定めてもよい。例えば、送信タイミング判定部52は、所定期間内に受信したデジタル音声データの受信間隔の平均値を算出し、送信バッファ53に適用する送信間隔を、その平均値と一致させるようにしてもよい。もしくは、送信タイミング判定部52は、所定期間内に受信したデジタル音声データの受信間隔のうち、中間値を特定し、送信バッファ53に適用する送信間隔を、その中間値と一致させるようにしてもよい。
【0054】
続いて、
図6を用いて、送信タイミング判定部52における送信間隔の決定処理の流れについて説明する。はじめに、送信タイミング判定部52は、VoIPセッションが開始されたかとを検出する(S11)。例えば、送信タイミング判定部52は、受信バッファ51もしくは送信バッファ53にVoIPセッションにおいて用いられるデータが入力されたことによってVoIPセッションが開始されたことを検出してもよい。
【0055】
次に、送信タイミング判定部52は、受信バッファ51にパケットデータとして、デジタル音声データが入力されたか否かを判定する(S12)。送信タイミング判定部52は、受信バッファ51にデジタル音声データが入力されたと判定した場合、デジタル音声データ間の受信間隔に応じてデジタル音声データの送信間隔を決定する(S13)。デジタル音声データ間とは、例えば、最初に受信バッファ51に入力されたパケットデータと、次に受信バッファ51に入力されたパケットデータとの間であってもよい。
【0056】
次に、送信タイミング判定部52は、送信バッファ53に蓄積されているデータを、決定した送信間隔に従ってRTP制御部42へ出力する(S14)。次に、送信タイミング判定部52は、VoIPセッションが終了したか否かを判定する(S15)。例えば、送信タイミング判定部52は、受信バッファ51もしくは送信バッファ53に、VoIPセッションを終了する旨のメッセージが入力された場合に、VoIPセッションが終了したと判定してもよい。
【0057】
送信タイミング判定部52は、VoIPセッションが終了していないと判定した場合、ステップS12以降の処理を繰り返す。送信タイミング判定部52は、VoIPセッションが終了したと判定した場合、処理を終了する。
【0058】
ステップS12において、送信タイミング判定部52は、受信バッファにデジタル音声データが入力されていないと判定した場合、送信バッファ53に蓄積されているデジタル音声データを、予め定められた送信間隔を用いてRTP制御部42へ出力する(S16)。予め定められた送信間隔とは、例えば、前回適用した送信間隔であってもよく、もしくは、管理者等において任意に定められた送信間隔等であってもよい。その後は、ステップS15以降の処理を実行する。
【0059】
以上説明したように、本発明の実施の形態2にかかる通信システムを用いることによって、以下の効果を得ることができる。
【0060】
VoIP機器22は、FAXモデム部45を有しており、デジタルデータである画像データ等を用いてデジタル音声データを生成することができる。つまり、VoIP機器22は、アナログデータをデジタルデータへ変換、もしくは、デジタルデータをアナログデータへ変換しない。送信タイミング制御部43は、送信バッファ53に蓄積されているデジタル音声データを出力する際に、アナログ−デジタル変換において用いられるクロックタイミングに同期した出力タイミングを適用する必要がない。
【0061】
そのため、送信タイミング制御部43は、VoIP機器12において用いられているクロックタイミングに同期してデジタル音声データを送信することができる。つまり、送信タイミング制御部43は、受信バッファ51においてデジタル音声データを受信した受信間隔に同期して、デジタル音声データの送信間隔を定めることができる。
【0062】
これによって、VoIP機器12においては、受信バッファ33からVoIP Codec部35へデジタル音声データを出力するタイミングと、受信バッファ33へ入力されるデジタル音声データのタイミングが実質的に一致することになるため、受信バッファ33においてオーバーランもしくはアンダーランが発生することを防止することができる。
【0063】
さらに、送信タイミング制御部43は、受信バッファ51におけるデジタル音声データの受信間隔に応じて、送信バッファ53に蓄積されているデジタル音声データの送信間隔を制御するとともに、受信バッファ51に蓄積されているデジタル音声データをVoIP Codec部44へ出力する間隔を制御してもよい。送信タイミング制御部43は、受信バッファ51に蓄積されているデジタル音声データを出力する間隔を、受信バッファ51におけるデジタル音声データの受信間隔と同期させることによって、受信バッファ51においてオーバーラン及びアンダーランが発生することを防止することができる。
【0064】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、
図6における処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。)
【0065】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0066】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0067】
(付記1)通信ネットワークを介して通信を行う第1の通信装置及び第2の通信装置を備える通信システムであって、前記第2の通信装置は、前記通信ネットワークを介して前記第1の通信装置から送信された複数の第1のデジタルデータを受信した受信間隔に同期して、複数の第2のデジタルデータを前記通信ネットワークを介して前記第1の通信装置へ送信する送信間隔を制御するように構成される、通信システム。
(付記2)前記第1の通信装置は、アナログ回線を介して送信されたアナログデータを前記第1のデジタルデータに変換し、前記アナログデータを前記第1のデジタルデータへ変換する際に用いられるクロックのクロックタイミングに同期して前記第1のデジタルデータを前記通信ネットワークへ送信するように構成され、前記第2の通信装置は、デジタル回線を介して送信された前記第2のデジタルデータを前記通信ネットワークへ送信する際に、前記第1の通信装置から前記通信ネットワークを介して送信された前記第1のデジタルデータの受信間隔に同期して、前記第2のデジタルデータを前記通信ネットワークを介して前記第1の通信装置へ送信する送信間隔を制御するように構成される、付記1に記載の通信システム。
(付記3)前記第2の通信装置は、受信した前記第1のデジタルデータを格納する受信バッファと、送信する前記第2のデジタルデータを格納する送信バッファと、前記受信バッファにおいて前記第1のデジタルデータを受信する受信間隔に同期して、前記受信バッファ内の前記第1のデジタルデータを受信処理し、さらに、前記受信間隔に同期して前記送信バッファ内の前記第2のデジタルデータを送信する送信間隔を制御する送信タイミング制御部と、を備える付記1又は2に記載の通信システム。
(付記4)前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置から送信された複数の前記第1のデジタルデータの受信間隔と複数の前記第2のデジタルデータの送信間隔とが実質的に同一となるように送信間隔を制御する、付記1乃至3のいずれか1項に記載の通信システム。
(付記5)前記第1及び第2の通信装置は、前記第1及び第2のデジタルデータとして、音声データを送信する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信システム。
(付記6)前記第2の通信装置は、所定期間前記第1のデジタルデータを受信しない場合、前記所定期間経過後に前記第2のデジタルデータを前記通信ネットワークへ送信する、付記1乃至5のいずれか1項に記載の通信システム。
(付記7)前記第1の通信装置は、FAX通信機器から送信されたアナログFAXデータを、デジタルFAXデータへ変換し、前記デジタルFAXデータを前記通信ネットワークへ送信するように構成され、前記第2の通信装置は、デジタル通信機器から送信された前記第2のデジタルデータを、デジタルFAXデータとして前記通信ネットワークへ送信するように構成される、付記1乃至6のいずれか1項に記載の通信システム。
(付記8)通信ネットワークを介して他の通信装置から送信された第1のデジタルデータの受信間隔に同期して、第2のデジタルデータを前記通信ネットワークを介して前記他の通信装置へ送信する送信間隔を制御する送信タイミング制御部を備える通信装置。
(付記9)前記第1のデジタルデータは、前記他の通信装置においてアナログデータをデジタルデータへ変換する際に用いられるクロックのクロックタイミングに同期して送信される、付記8に記載の通信装置。
(付記10)受信した前記第1のデジタルデータを格納する受信バッファと、送信する前記第2のデジタルデータを格納する送信バッファと、をさらに備え、前記送信タイミング制御部は、前記受信バッファにおいて、前記第1のデジタルデータを受信する受信間隔に同期して、前記受信バッファ内の前記第1のデジタルデータを受信処理し、さらに、前記受信間隔に同期して前記送信バッファ内の前記第2のデジタルデータを送信する、付記8又は9に記載の通信装置。
(付記11)前記送信タイミング制御部は、前記他の通信装置から送信された複数のデジタルデータの受信間隔と前記第2のデジタルデータの送信間隔とが実質的に同一となるように送信間隔を制御する、付記8乃至10のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記12)前記送信タイミング制御部は、前記第2のデジタルデータとして、音声データを送信する、付記8乃至11のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記13)前記送信タイミング制御部は、所定期間前記第1のデジタルデータを受信しない場合、前記所定期間経過後に前記第2のデジタルデータを前記通信ネットワークへ送信する、付記8乃至12のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記14)前記送信タイミング制御部は、デジタル通信機器から送信された前記第2のデジタルデータを、デジタルFAXデータとして前記通信ネットワークへ送信するように構成される、付記8乃至13のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記15)通信ネットワークを介して他の通信装置から送信された第1のデジタルデータの受信間隔に同期して、第2のデジタルデータを前記通信ネットワークを介して前記他の通信装置へ送信する送信間隔制御方法。
(付記16)通信ネットワークを介して他の通信装置から送信された第1のデジタルデータの受信間隔に同期して、第2のデジタルデータを前記通信ネットワークを介して前記他の通信装置へ送信することをコンピュータに実行させるプログラム。