(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記仕切り壁は、その高さが前記包装容器後壁の高さよりも低くされており、かつ、その上縁の少なくとも中央部に、後方へ折り返された係止片を有することを特徴とする、請求項3記載の包装容器。
前記後室は、前記前室の後方で、前記前室の仕切り壁と前記包装容器後壁との間の、上下が開放した空間に納まるように、前記前室と組合わされることを特徴とする、請求項4記載の包装容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の包装用箱では、底面を部分的に底上げすることにより、その底上げ部分の分だけ、高さ方向寸法が大きくなってしまう。
また、たとえば、前列の内容物を全て食べ終えてしまうと、後列の内容物の前側には比較的広いデッドスペースが発生するので、内容物が少ない割に無駄にデッドスペースが存在する包装用箱を持ち歩くのは不便である。
【0005】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、複数の食品を前後に複数列に重ねて収容する構成において、各食品の摘み出し易さと容器の小型化とを両立することができる包装容器を提供することを主たる目的とする。
また、この発明は、複数あるうちの一部の食品を食べ終えたときに、小型化(薄型化)して再使用できる使い勝手の良い包装容器を提供することを別の目的とする。
【0006】
さらに、この発明は、上記包装容器に入った菓子を提供することも、他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、食品の長手板状の小片を収容するための紙製包装容器であって、前記板状小片を立てた状態で横方向に並べて収容するための前室と、前記前室の後方に設けられ、前記板状小片を立てた状態で横方向へ並べて収容するための後室とを含み、前記後室は、前記前室に対して上方ヘスライド移動可能に、前記前室に対して組合わされて
おり、前記後室は、前記前室との組合わせを解除することにより、独立して使用可能な包装容器を形成しており、前記後室は、後室前壁、後室の左右側壁、後室底壁および後室後壁を有し、前記後室前壁には、上縁から下方に向って切り欠かれ、前記後室内に収容される前記板状小片の上部を前方へ露出させるための取り出し窓が形成されていて、さらに、前記後室後壁の上縁から上方に向って延設され、前方および下方へ折り曲げられることによって前記包装容器の上壁および前方上部を覆うフラップを構成する延設部を有することを特徴とする、スライド式包装容器である。
【0009】
請求項
2記載の発明は、前記包装容器の上壁を構成する延設部には、上壁の前後方向中央部に横方向に延びる第2の折りガイドが形成されていて、前記第2の折りガイドに沿って前記延設部を折り曲げることにより、前記後室を独立して使用する際に、前記上壁の後部が前記後室の上壁となり、前記上壁の前部および前記フラップ間の折れを除くことにより、それらが前記後室の前方を覆うフラップとして機能することを特徴とする、請求項
1記載の包装容器である。
【0010】
請求項
3記載の発明は、前記前室は、包装容器前壁、包装容器左右側壁、包装容器後壁、前室底壁、および、前室後壁となる包装容器内の仕切り壁を含み、前記前室内に収容される前記板状小片の上部を前方へ露出させるために、前記包装容器前壁の上方部分には、その上縁から切り欠かれた取り出し窓が形成されていることを特徴とする、請求項
1または
2記載の包装容器である。
【0011】
請求項
4記載の発明は、前記仕切り壁は、その高さが前記包装容器後壁の高さよりも低くされており、かつ、その上縁の少なくとも中央部に、後方へ折り返された係止片を有することを特徴とする、請求項
3記載の包装容器である。
請求項
5記載の発明は、前記後室は、前記前室の後方で、前記前室の仕切り壁と前記包装容器後壁との間の、上下が開放した空間に納まるように、前記前室と組合わされることを特徴とする、請求項
4記載の包装容器である。
【0012】
請求項
6記載の発明は、前記延設部の左右両側には、ストッパが設けられており、前記ストッパが前記包装容器左右側壁の上縁と係合することにより、前記後室が前記空間から抜け落ちるのが防止されることを特徴とする、請求項
5記載の包装容器である。
請求項
7記載の発明は、前記係止片が前記後室前壁の上縁と係合することにより、前記後室が前記前室に対してそれ以上上方ヘ移動するのが止められることを特徴とする、請求項
5または
6記載の包装容器である。
【0013】
請求項
8記載の発明は、前記包装容器後壁には、上下方向に延び、前記包装容器後壁を左右に分離するための帯部が設けられていることを特徴とする、請求項
7記載の包装容器である
。
【0014】
請求項
9記載の発明は、請求項1〜
8のいずれか一項に記載の包装容器の食品収容室に、個包装された複数枚の板状小片形状のガム、チョコレートまたはキャンディという菓子が収容されており、個包装された板状小片形状の菓子の収容状態を保持するために、個包装の外面の一部が接着手段で食品収容室の内面に接着されていることを特徴とする、包装容器入り菓子である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、スライド式の紙製包装容器では、前室と、前室の後方に設けられた後室とのそれぞれが、食品の長手板状小片を立てた状態で横方向に並べて収容することができる。
後室は、前室に対して上方ヘスライド移動可能に、前室に対して組合わされている。そのため、予め包装容器の後側に底上げ部分を設けて後列(後室)の板状小片を前列(前室)の板状小片より高い位置に配置しなくても、必要なときにだけ、後室を前室に対して上方ヘスライド移動させれば、後列の板状小片を前列の板状小片より高い位置に配置できる。これにより、前記底上げ部分を設けずに済むので、包装容器の小型化を図ることができる。
【0016】
そして、後列の板状小片が食べたければ、後室を前室に対して上方ヘスライド移動させることで、前列の板状小片より高い位置に配置された後列の板状小片を容易に摘み出すことができる。
つまり、この包装容器では、前後に複数列に重ねて収容された各食品(板状小片)の摘み出し易さと容器の小型化とを両立することができる。
【0017】
後室は、前室との組合わせを解除することにより、独立して使用可能な包装容器を形成する。そのため、前室の板状小片を食べ終わって前室がデッドスペースになってしまった場合には、後室を前室から取り外すことで、残った板状小片を後室に収容された状態でコンパクトに持ち運ぶことができる。つまり、複数あるうちの一部の板状小片を食べ終えたときに、包装容器を小型化(薄型化)して再使用できて使い勝手が良い。
【0018】
後室の後室前壁に形成された取り出し窓では、後室内の板状小片の上部が前方へ露出されるので、この取り出し窓からアクセスすることで後室内の板状小片を容易に摘み出すことができる。
そして、後室の後室後壁の上縁から上方に向って延設された延設部が、所定の折りガイドに沿って前方および下方へ折り曲げられることによって、フラップとして包装容器の上壁および前方上部を覆う。そのため、包装容器の上壁および前方上部を覆うために、前室および後室の両方にフラップを設けずに済むので部品点数の低減を図ることができる。
【0019】
請求項
2記載の発明によれば、包装容器の上壁を構成する延設部には、上壁の前後方向中央部に横方向に延びる第2の折りガイドが形成されている。この第2の折りガイドに沿って延設部を折り曲げることにより、後室を独立して使用する際に、延設部において包装容器の上壁の後部を構成していた部分が後室の上壁となる。そして、延設部において包装容器の上壁の前部を構成していた部分とフラップとの間の折れを除くことにより、それらが後室の前方を覆うフラップとして機能する。
【0020】
そのため、後室の延設部は、後室が前室に組合わされている場合には、包装容器全体のフラップとなり、後室が前室から分離されて独立している場合には、後室のフラップとなる。そのため、包装容器全体のフラップになる部分と、後室のフラップになる部分とを別々に設けずに済むので部品点数の低減を図ることができる。
また、後室を独立して使用する際に、延設部が後室の前方を覆っているので、後室内の板状小片が前方外側へこぼれ落ちることを防止できる。
【0021】
請求項
3記載の発明によれば、前室は、包装容器前壁、包装容器左右側壁、包装容器後壁、前室底壁、および、前室後壁となる包装容器内の仕切り壁を含んでいる。
包装容器前壁の上方部分に形成された取り出し窓から前室内の板状小片の上部が前方へ露出されるので、この取り出し窓からアクセスすることで前室内の板状小片を容易に摘み出すことができる。
【0022】
請求項
4記載の発明によれば、仕切り壁は、その高さが包装容器後壁の高さよりも低くされているので、仕切り壁によって包装容器全体の高さ寸法が大きくなることを防止できる。
そして、仕切り壁の上縁の少なくとも中央部には、後方へ折り返された係止片が設けられている。
【0023】
請求項
5記載の発明のように、後室を、前室の後方で、前室の仕切り壁と包装容器後壁との間の、上下が開放した空間に納まるように、前室と組合わせると、後室が当該空間において前室に対して上下にスライド可能になる。
この場合、請求項
6記載の発明のように、延設部の左右両側に設けられたストッパが包装容器左右側壁の上縁と係合することにより、後室が前記空間から抜け落ちるのを防止できる。
【0024】
ここで、請求項
7記載の発明のように、係止片が後室の後室前壁の上縁と係合することにより、後室が前室に対してそれ以上上方ヘ移動するのが止められるので、後室を前室に対して所定量だけ上方ヘスライド移動可能となるように前室に対して組合わせることが可能となる。
請求項
8記載の発明によれば、包装容器後壁に設けられた帯部を引きちぎって包装容器後壁を左右に分離することによって、後室を、前室の仕切り壁と包装容器後壁との間の空間から取り出して、独立した包装容器として使用できる。
【0025】
請求項
9記載の発明によれば、衛生的で携行しやすく、また、食べやすい菓子を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
この発明の一実施形態に係る包装容器Aは、食品であるガムの板状小片を複数収容するための紙製包装容器である。包装容器Aは、後室Bと本体部Cとで構成されており、以下では、まず、後室Bおよび本体部Cのそれぞれについて説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る包装容器Aにおける後室Bの展開図である。
図2は、完成状態にある後室Bの斜視図であって、蓋4が開いた状態を示している。
図3は、完成状態にある後室Bの六面図である。
【0028】
後室Bは、
図1に示す1枚の紙で形成された型紙Xを組み立てることで形成される。型紙Xは、1枚の紙(厚紙等)を後室Bの展開図に合うように裁断することで形成されている。
型紙X、すなわち展開図における後室Bは、横長長方形状の後室後壁1を有している。後室後壁1は、上下(縦)方向に平行に延びる左辺1Lおよび右辺1Rと、これらと直交する左右(横)方向に平行に延びる上辺1Uおよび下辺1Dを有している。
【0029】
そして、展開図における後室Bは、左辺1Lから左側に連設された後室左側壁2と、右辺1Rから右側に連設された後室右側壁3と、上辺1Uから上側に連設された蓋4(延設部)と、下辺1Dから下側に連設された後室底壁5とを有している。後室左側壁2および後室右側壁3は、同じ大きさの縦長長方形状であり、後室底壁5は、横長長方形状である。後室左側壁2および後室右側壁3の各長手方向寸法は、後室後壁1の短手方向寸法と同じである。後室底壁5の長手方向寸法は、後室後壁1の長手方向寸法と同じである。後室左側壁2、後室右側壁3および後室底壁5のそれぞれの短手方向寸法はほぼ同じである。
【0030】
また、展開図における後室Bは、後室左側壁2において左辺1Lとは反対側の端縁(
図1における左端縁)2Lから左側に連設された左延設片6と、後室右側壁3において右辺1Rとは反対側の端縁(
図1における右端縁)3Rから右側に連設された右延設片7と、後室底壁5において下辺1Dとは反対側の端縁(
図1における下端縁)5Dから下側に連設された前延設板8とを有している。
【0031】
左延設片6および右延設片7は、同じ大きさの縦長L字板状であり、後室後壁1を挟んで対称に配置されている。そのため、
図1では、右延設片7は、L字をなしている一方で、左延設片6は、左右が逆になったL字をなしている。左延設片6の左上側の端縁は、J字状の端縁(J字端縁)6Aをなしていて、右延設片7の右上側の端縁は、左右が逆になったJ字状の端縁(J字端縁)7Aをなしている。左延設片6および右延設片7の(最大)長手方向寸法は、後室左側壁2および後室右側壁3の長手方向寸法と同じである。
【0032】
前延設板8は、横長長方形状であり、その長手方向寸法は、後室底壁5の長手方向寸法と同じであり、その短手方向寸法は、後室後壁1の短手方向寸法の半分程度である。前延設板8の中央位置には、前延設板8を厚さ方向に貫通する略M字形状の切込み9が形成されている。
蓋4は、後室後壁1の上辺1Uに近い側から順に、第1蓋部10および第2蓋部11を一体的に有している。
【0033】
第1蓋部10は、横長長方形状であり、その長手方向寸法は、後室後壁1の長手方向寸法よりやや大きく、その短手方向寸法は、後室左側壁2、後室右側壁3および後室底壁5の各短手方向寸法の2倍程度である。第1蓋部10の左右両端部は、横方向外側へ少し膨出するように湾曲していて、ストッパ17とされる。第1蓋部10の長手方向寸法は、左右のストッパ17の分だけ、後室後壁1の長手方向寸法よりやや大きくなっている。
【0034】
第2蓋部11は、横長長方形状であり、その長手方向寸法は、後室後壁1の長手方向寸法と同じであり、その短手方向寸法は、後室後壁1の短手方向寸法の4分の3程度である。第1蓋部10と第2蓋部11との間には、第1の折りガイド12が横方向に延びている。第2蓋部11において第1の折りガイド12とは反対側の先端縁(
図1における上端縁)11Aは、第1の折りガイド12から離れる方向へ凸湾曲していて、先端縁11Aでは、左側部分が、右側部分に比べて、第1の折りガイド12から離れている。
【0035】
第1蓋部10では、その短手方向略中央位置に、第2の折りガイド13が、第1の折りガイド12と平行に延びるように形成されている。第2の折りガイド13によって、第1蓋部10は、後室後壁1の上辺1U側の第1片14と、第1の折りガイド12側の第2片15とに、前記短手方向において略二分されている。
このような型紙Xにおいて、後室左側壁2、後室右側壁3、蓋4および後室底壁5(前延設板8)を、後室後壁1の左辺1L、右辺1R、上辺1Uおよび下辺1Dのうち対応する辺を折り目にして、同じ側(
図1における紙面手前側)へ後室後壁1と直交するように折り曲げる。
【0036】
次いで、左延設片6および右延設片7を、後室左側壁2の左端縁2Lおよび後室右側壁3の右端縁3Rのうち対応する端縁を折り目にして、互いに接近する方向(横方向内側)へ後室左側壁2および後室右側壁3と直交するように折り曲げる。
次いで、前延設板8を、後室底壁5の下端縁5Dを折り目にして、左延設片6、右延設片7および後室後壁1に対向する方向へ後室底壁5と直交するように折り曲げる。すると、左延設片6においてJ字端縁6Aより下側の部分と前延設板8の左端部とが対向し、右延設片7においてJ字端縁7Aより下側の部分と前延設板8の右端部とが対向する。この状態で、左延設片6においてJ字端縁6Aより下側の部分と前延設板8の左端部とを糊付けし、右延設片7においてJ字端縁7Aより下側の部分と前延設板8の右端部とを糊付けすることによって、
図2に示すように、後室Bが完成する。
【0037】
完成した後室Bでは、前延設板8と、左延設片6においてJ字端縁6Aが形成された部分と、右延設片7においてJ字端縁7Aが形成された部分とが、一体となって横長略U状の後室前壁16を構成している。J字端縁6A,7Aと、前延設板8の上端縁とは連続して略U字をなしており、これらの端縁によって、後室前壁16には、その上縁から下方に向って後室前壁16を切り欠く横長長方形状の取り出し窓Dが形成されている。
【0038】
後室Bは、後室前壁16、後室後壁1、後室左側壁2および後室右側壁3によって囲まれた収容空間Eを有する前後方向(後室前壁16と後室後壁1との対向方向)に扁平なボックス状である。
図2における紙面手前側が、後室Bの前側であり、
図2における紙面奥側が、後室Bの後側である。収容空間Eにおいて、下端は、後室底壁5によって塞がれているが、上端は、後室左側壁2および後室右側壁3の各上端縁によって横方向から区画された横長長方形状の取り出し口Fとして上方ヘ開放されている。取り出し口Fと取り出し窓Dとは連続している。
【0039】
なお、
図3には、後室Bの六面図が示されている。
図4は、包装容器Aにおける本体部Cの展開図である。
図5は、完成状態にある本体部Cの斜視図である。
図6は、完成状態にある本体部Cの六面図である。
本体部Cは、
図4に示す1枚の紙で形成された型紙Yを組み立てることで形成される。型紙Yは、1枚の紙(厚紙等)を本体部Cの展開図に合うように裁断することで形成されている。
【0040】
型紙Y、すなわち展開図における本体部Cは、前述した後室前壁16(
図2参照)と同じ大きさの横長略U状の包装容器前壁20を有している。そのため、包装容器前壁20の上方部分には、後室前壁16の取り出し窓D(
図2参照)と同じ大きさの取り出し窓Gが形成されている。取り出し窓Gは、包装容器前壁20を、その上縁から切り欠いている。包装容器前壁20における取り出し窓Gより下側の部分の中央位置には、前延設板8の切込み9(
図2参照)と同じ形状の切込み21が形成されている。切込み21は、
図4では上下が逆になった略M字形状であり、包装容器前壁20を厚さ方向に貫通している。このような包装容器前壁20は、上下(縦)方向に平行に延びる左辺20Lおよび右辺20Rと、これらと直交する左右(横)方向に平行に延びる下辺20Dを有している。
【0041】
そして、展開図における本体部Cは、左辺20Lから左側に連設された包装容器左側壁22と、右辺20Rから右側に連設された包装容器右側壁23と、下辺20Dから下側に連設された前室底壁24とを有している。包装容器左側壁22および包装容器右側壁23は、同じ大きさの縦長長方形状であり、前室底壁24は、横長長方形状である。包装容器左側壁22および包装容器右側壁23の各長手方向寸法は、包装容器前壁20の(最大)短手方向寸法と同じである。前室底壁24の長手方向寸法は、包装容器前壁20の長手方向寸法と同じである。包装容器左側壁22および包装容器右側壁23の各短手方向寸法は、前室底壁24の短手方向寸法のほぼ2倍である。
【0042】
また、展開図における本体部Cは、包装容器左側壁22において左辺20Lとは反対側の端縁(
図4における左端縁)22Lから左側に連設された左延設板25と、包装容器右側壁23において右辺20Rとは反対側の端縁(
図4における右端縁)23Rから右側に連設された右延設板26と、前室底壁24において下辺20Dとは反対側の端縁(
図4における下端縁)24Dから下側に連設された前室後壁27とを有している。
【0043】
左延設板25は、横長長方形状である。左延設板25において、長手方向寸法は、包装容器前壁20の長手方向寸法と同じであり、短手方向寸法は、包装容器前壁20の(最大)短手方向寸法と同じである。左延設板25において、左右方向で包装容器左側壁22側に偏った位置には、左延設板25の短手方向(上下方向)に沿って左延設板25を縦断する1対のミシン目28が形成されている。左延設板25において1対のミシン目28に挟まれた部分は、上下方向に延びるジッパー用帯部29とされる。
【0044】
右延設板26は、包装容器右側壁23の右端縁23Rを下底とする縦長等脚台形状であり、その上底側(
図4では右端縁23Rから離れる右側)へ向って細くなっている。
前室後壁27は、横長長方形状である。前室後壁27において、長手方向寸法は、前室底壁24の長手方向寸法と同じであり、短手方向寸法は、左延設板25の短手方向寸法より小さく、たとえば、左延設板25の短手方向寸法の4分の3程度である。
【0045】
また、展開図における本体部Cは、前室後壁27において前室底壁24の下端縁24Dとは反対側の先端縁(
図4における下端縁)27Aの横方向中央部から下側に連設された係止片30とを有している。先端縁27A上において前室後壁27と係止片30との間の位置には、ミシン目31が横方向に延びている。係止片30は、ミシン目31を下底とする横長等脚台形状であり、その上底側(
図4ではミシン目31から離れる下側)へ向って細くなっている。係止片30を前室後壁27の一部とみなしても構わない。
【0046】
このような型紙Yにおいて、包装容器左側壁22(左延設板25)、包装容器右側壁23(右延設板26)、前室底壁24(前室後壁27、係止片30)を、包装容器前壁20の左辺20L、右辺20Rおよび下辺20Dのうち対応する辺を折り目にして、同じ側(
図4における紙面奥側)へ包装容器前壁20と直交するように折り曲げる。
次いで、前室後壁27(係止片30)を、前室底壁24の下端縁24Dを折り目にして、上側へ前室底壁24と直交するように折り曲げる。すると、前室後壁27(係止片30)が、包装容器前壁20に対して奥側(後側)から隙間を隔てて対向する。このとき、前室後壁27の先端縁27Aは、前室後壁27の上縁となる。
【0047】
次いで、係止片30を、先端縁27Aにおけるミシン目31を折り目として包装容器前壁20から離れる方向(後方)へ折り返す。
次いで、左延設板25および右延設板26を、包装容器左側壁22の左端縁22Lおよび包装容器右側壁23の右端縁23Rのうち対応する端縁を折り目にして、互いに接近する方向(横方向内側)へ包装容器左側壁22および包装容器右側壁23と直交するように折り曲げる。すると、折り曲げられた左延設板25の右端部(
図4の折り曲げる前では左端部)が右延設板26に対して後側から重なり、左延設板25および右延設板26は、前室後壁27および折り返された係止片30に対して隙間を隔てて後側から対向する。この状態で、左延設板25と右延設板26との重なり部分を糊付けすることによって、
図5に示すように、本体部Cが完成する。なお、
図5(a)および
図5(b)は、いずれも本体部Cの斜視図であるが、
図5(b)の方が、真上に近い位置から見た斜視図になっている。
【0048】
完成した本体部Cでは、糊付けされた左延設板25と右延設板26とが、一体となって横長長方形状の包装容器後壁32を構成している。包装容器後壁32は、左延設板25と同じ大きさである。左延設板25の帯部29は、包装容器後壁32において、その左端縁から右側へ少し離れた位置に設けられていて、包装容器後壁32を縦断するように上下方向に延びている。後述するように帯部29をミシン目28に沿って引きちぎると、包装容器後壁32を、帯部29の両側において左右に分離することができる。
【0049】
本体部Cは、包装容器前壁20、包装容器後壁32、包装容器左側壁22および包装容器右側壁23によって囲まれた収容空間Hを有する前後方向(包装容器前壁20と包装容器後壁32との対向方向)に扁平なボックス状である。
図5における紙面手前側が、本体部Cの前側であり、
図5における紙面奥側が、本体部Cの後側である。本体部Cにおいて、包装容器前壁20と包装容器後壁32との間には、これらの壁と平行に延びるように前室後壁27が配置されており、これによって、収容空間Hは、包装容器前壁20側(前側)の前空間Iと、包装容器後壁32側(後側)の後空間Jとに前後に略二分されている。前室後壁27は、収容空間H(本体部C、換言すれば、包装容器Aの内部)を仕切る仕切り壁である。前空間Iと後空間Jとは、ほぼ同じ大きさの前後に扁平なボックス状の空間である。
【0050】
前室後壁27は、その高さが包装容器後壁32の高さよりも低くされている。そのため、前室後壁27の上縁である先端縁27Aは、包装容器後壁32の上縁よりも低くなっている。これにより、前空間Iと後空間Jとは、前室後壁27より上側の位置で互いに連通している。また、前室後壁27の高さが包装容器後壁32の高さよりも低くされているので、前室後壁27によって本体部C全体(換言すれば、包装容器A全体)の高さ寸法が大きくなることを防止できる。
【0051】
そして、前室後壁27の係止片30は、後空間J側へ折り返されている。
収容空間Hの上端は、包装容器左側壁22および包装容器右側壁23の各上端縁によって横方向から区画された横長長方形状の取り出し口Kとして上方ヘ開放されている。取り出し口Kと包装容器前壁20の取り出し窓Gとは連続している。
収容空間Hの略前半分の前空間Iでは、その下端が前室底壁24によって塞がれていて(
図5(b)参照)、その上端は、取り出し口Kの略前半分として上方ヘ開放されている。また、前空間Iの上部は、取り出し窓Gから前方へ開放されている。
【0052】
ここで、収容空間Hにおいて前空間Iを区画する包装容器前壁20、前室後壁27および前室底壁24、ならびに、包装容器左側壁22および包装容器右側壁23の各略前半分のまとまりは、前室Lを構成する。なお、前室Lは、包装容器左側壁22および包装容器右側壁23の各略後半分および包装容器後壁32を含んでいてもよく、この場合、本体部C全体が前室Lとなる。
【0053】
収容空間Hの略後半分の後空間Jでは、その下端が、前室後壁27および包装容器後壁32の各下端縁によって前後方向から区画された横長長方形状の挿入口M(後述する
図6(e)参照)として下方ヘ開放されていて、その上端は、取り出し口Kの略後半分として上方ヘ開放されている。つまり、後空間Jは、前室後壁27と包装容器後壁32との間の、上下が開放した空間である。
【0054】
なお、
図6には、本体部Cの六面図が示されている。
以上のように完成した後室Bおよび本体部Cを組合わせることで、包装容器Aが完成する。後室Bおよび本体部Cの組合わせを説明する前に、包装容器Aに収容される食品である板状小片としてのガム40について説明する。
図7は、食品であるガム40(板状小片)が包装紙41で包まれて個包装され、食品ユニット42を形成する手順を説明するための図である。
【0055】
図7(a)を参照して、ガム40は、縦長直方体形状をなす薄手のブロック形状(長手板状)である。ガム40の長手方向寸法は、後室Bの後室後壁1(
図2参照)および本体部Cの包装容器後壁32(
図5参照)のそれぞれの短手方向寸法より若干小さい。
ガム40は、包装紙41に包まれる。ガム40と、これを包んだ状態にある包装紙41とは、食品ユニット42を構成する。
【0056】
包装紙41は、いわゆる銀紙やワックスペーパーやフィルムであり、展開した状態では、ガム40全体を包み込む大きさを有する長方形状である。包装紙41では、その長手方向において一端側へ偏った位置に、包装紙41の短手方向に沿って包装紙41を横切って延びるミシン目43が形成されている。
図7(a)に示すように、1つのガム40を、1枚の包装紙41の中央部に、それぞれの長手方向が一致するように載置する。そして、包装紙41においてガム40からはみ出た部分を折り畳んで、
図7(b)に示すように、ガム40を包装紙41で包む。このようにガム40を包装紙41で包んだ(個包装した)ものが、食品ユニット42である。食品ユニット42は、包装紙41の厚みの分だけガム40より一回り大きい縦長ブロック形状である。食品ユニット42を立てると、食品ユニット42では、その長手方向である縦方向において下端側へ偏った位置に、包装紙41のミシン目43が位置しており、ミシン目43は、食品ユニット42の短手方向(横方向)に延びてガム40を一周している。食品ユニット42を立てた状態を基準として、ミシン目43は、ガム40を包んだ状態にある包装紙41を、ミシン目43より上側の分離部41Aと、ミシン目43より下側の固定部42Bとに区画している。
【0057】
なお、包装紙41としては、ミシン目43が形成されていないものを用いることも可能である。
このような食品ユニット42を複数(ここでは、1つの包装容器Aにつき、12個)用意する。
図8において、
図8(a)は、完成状態にある後室Bの斜視図であって、食品ユニット42が収容された状態を示し、
図8(b)は、
図8(a)の後室Bの平断面図であり、
図8(c)は、完成状態にある本体部Cの斜視図であって、食品ユニット42が収容された状態を示し、
図8(d)は、
図8(c)の本体部Cの平断面図である。
【0058】
図8(a)に示すように、12個の食品ユニット42(ガム40)のうち、6個の食品ユニット42は、横方向に並んで立った状態で、後室Bの収容空間Eに収容されている。
図8(b)に示すように、後室Bの後室後壁1において収容空間Eに臨む前面の下端部には、横方向に帯状に延びる接着剤(粘着テープでもよい)45が塗布されており、収容空間E内の各食品ユニット42において、包装紙41の固定部41B(
図7(b)参照)が接着剤45によって後室後壁1に接着されている。
図8(a)に示すように、6個の食品ユニット42が収容空間E(後室B内)に収容された状態で、これらの上部は、後室前壁16の取り出し窓Dから前方へ露出されているとともに、取り出し口Fから上方に露出されている。
【0059】
なお、後室Bに収容される食品ユニット42は、後室Bを組み立てる前の型紙X(
図1参照)の段階で後室後壁1に接着されていて、後室Bを組み立てると、収容空間Eに収容された状態となる。もちろん、組み立て後の後室Bに対して食品ユニット42を収容しても構わない。
図8(c)に示すように、12個の食品ユニット42のうち、残りの6個の食品ユニット42は、横方向に並んで立った状態で、本体部Cの前室Lの前空間Iに収容されている。
図8(d)に示すように、前室Lの前室後壁27において前空間Iに臨む前面の下端部には、横方向に帯状に延びる接着剤(粘着テープでもよい)46が塗布されており、前空間I内の各食品ユニット42において、包装紙41の固定部41B(
図7(b)参照)が接着剤46によって前室後壁27に接着されている。
図8(c)に示すように、6個の食品ユニット42が前空間I(前室L内)に収容された状態で、これらの上部は、包装容器前壁20の取り出し窓Gから前方へ露出されているとともに、取り出し口Kから上方に露出されている。
【0060】
なお、前室Lに収容される食品ユニット42は、前室Lを組み立てる前の型紙Y(
図4参照)の段階で前室後壁27に接着されていて、前室L(本体部C)を組み立てると、前空間Iに収容された状態となる。もちろん、組み立て後の前室Lに対して食品ユニット42を収容しても構わない。
このように後室Bおよび本体部C(前室L)のそれぞれに食品ユニット42が6個ずつ収容された状態で、次に、後室Bを本体部Cに組合わせて包装容器Aを完成させる作業が行われる。
【0061】
図9は、後室Bを本体部Cに組合わせる状態を説明するための分解斜視図である。
図10において、
図10(a)は、完成した状態にある包装容器Aの斜視図であって、蓋4が開いた状態を示しており、
図10(b)は、
図10(a)の包装容器Aの右側断面図である。
図11は、完成した状態にある包装容器Aの六面図である。
図9に示すように、後室Bの蓋4を開いた状態にする。このとき、蓋4は、後室後壁1の上縁(上辺1U)から上方に向って延設された状態になっており、後室後壁1と略面一になっている。次いで、後室Bの取り出し窓Dと本体部Cの取り出し窓Gとが同じ方向(
図9では手前側)を向いた状態で後室Bを本体部Cの取り出し口Kの後半分部分に対して上から対向配置し、その後、後室Bが後室底壁5側から取り出し口Kの後半分部分に挿入されるように後室Bと本体部Cとを相対移動させる。そのため、本体部Cを静止させた状態で後室Bを本体部C側へ移動させてもよいし、その逆に、本体部Cを後室B側へ移動させてもよい。
【0062】
これにより、後室Bが取り出し口Kの後半分部分に挿入され、本体部Cの後空間Jに収容されていく。ここで、蓋4の第1蓋部10は、左右のストッパ17を有することから、後室Bおよび本体部Cの中で、最も横方向に大きい(幅広である)。そのため、
図10に示すように、後室Bにおいて蓋4以外の部分が、本体部Cの後空間J内に完全に収容されると、蓋4の第1蓋部10の左右両側のストッパ17が本体部Cの包装容器左側壁22および包装容器右側壁23において左右で同じ側にある方の各上端縁に対して上から当接(係合)する。これにより、後室Bがこれ以上後空間J内に入り込まなくなるので、後室Bが本体部Cの底側の挿入口Mを介して後空間Jから抜け落ちてしまうことを防止できる。このようにして、後室Bが前室Lの後方で後空間Jに納まるように前室Lに対して組合わされ、包装容器Aが完成する。
【0063】
この状態では、蓋4が本体部Cの取り出し口Kから上方ヘ完全にはみ出ている。また、この状態では、前室Lの後方に設けられた後室Bの後室後壁1、後室左側壁2、後室右側壁3および後室前壁16の各上端縁が、本体部Cの包装容器前壁20、包装容器左側壁22、包装容器右側壁23および包装容器後壁32の各上端縁と高さ方向で同じ位置にある。また、この状態では、後室後壁1、後室左側壁2、後室右側壁3および後室前壁16の各下端縁が、包装容器前壁20、包装容器左側壁22、包装容器右側壁23、前室後壁27および包装容器後壁32の各下端縁と高さ方向で同じ位置にある。そのため、包装容器Aを正面から見た場合に、後室B(蓋4以外の部分)と本体部Cの前室Lとが完全に重なっている。このとき、後室B内の各食品ユニット42と、前室Lの各食品ユニット42とは、高さ方向で同じ位置にあって、全ての食品ユニット42の上端縁は、高さ方向で同じ位置にある。
【0064】
また、このとき、
図10(b)に示すように、後室B側の後室前壁16における前延設板8の上縁が、本体部C側の前室後壁27の係止片30(厳密には、折り返された係止片30と前室後壁27との接続部分の近傍)に対して所定の間隔を隔てて下から対向している。後室Bを収容する後空間Jでは、上下が開放されているので、後室Bは、後空間Jにおいて前室L(本体部C)に対して上下にスライド可能になる。しかし、後述するように後室B側の前延設板8の上縁が前室L側の係止片30に対して下側から係止されることで、後室Bの上方へのスライドは所定量までに制限される。
【0065】
完成した包装容器Aは、スライド式であって、前後に扁平なボックス状である。
図10(a)における紙面手前側が、包装容器Aの前側であり、
図10(a)における紙面奥側が、包装容器Aの後側である。
なお、
図11には、包装容器Aの六面図が示されている。
図12は、
図10(a)において蓋4を閉じた状態を示している。
【0066】
以上のように完成した包装容器Aにおいて、蓋4は、
図10(a)に示すように引き続き開いていて、後室後壁1の上縁(上辺1U)から上方に向って延設された状態になっている。そこで、後室後壁1の上辺1Uを折り目にして蓋4を後室後壁1に対して直交するように前方へ折り曲げ、さらに、蓋4において、第1の折りガイド12を折り目にして第2蓋部11を第1蓋部10に対して直交するように下方へ折り曲げる。これにより、蓋4は、
図12に示すように閉じた状態となる。
【0067】
この状態では、蓋4がフラップを構成しており、蓋4において、第1蓋部10が、包装容器Aの上壁を覆い、第2蓋部11が、包装容器Aの前方上部(包装容器前壁20の上側部分)を覆っている。そのため、包装容器Aの上壁にある本体部Cの取り出し口Kは、第1蓋部10によって塞がれていて、換言すれば、第1蓋部10は、包装容器Aの上壁を構成している。この場合、包装容器Aの上壁および前方上部を覆うために、前室Lおよび後室Bの両方にフラップを設けずに済むので部品点数の低減を図ることができる。
【0068】
ここで、第1蓋部10において第1蓋部10を第1片14と第2片15とに二分する第2の折りガイド13は、第1蓋部10(包装容器Aの上壁)の前後方向中央部で横方向に延びている。また、包装容器前壁20の上側部分にある取り出し窓Gは、第2蓋部11によって塞がれている。そして、第2蓋部11の先端縁11Aを包装容器前壁20の切込み21に差し込むことによって、蓋4が外れないように包装容器前壁20に係合する。これにより、蓋4が閉じた状態が維持される。蓋4が閉じた状態における包装容器Aは、封筒状になっている。
【0069】
図13は、本体部Cから食品ユニット42を1つ引き出す状態を示しており、
図13(a)は、
図10(a)と同じ位置から見た斜視図であり、
図13(b)は、
図10(b)と同じ位置における断面図である。
図14は、後室Bから食品ユニット42を1つ引き出す状態を示していて、
図14(a)は、
図13(a)と同じ位置から見た斜視図であり、
図14(b)は、
図13(b)と同じ位置における断面図である。
図15は、後室Bおよび本体部Cのそれぞれに食品ユニット42が充填された状態で後室Bを上方ヘスライドさせた状態における包装容器Aの斜視図である。
【0070】
包装容器Aに収容されたガム40を食べたい場合には、第2蓋部11の先端縁11Aを包装容器前壁20の切込み21から取り外して、
図13に示すように、蓋4を開く。
食べ方の一例として、包装容器Aにおいて最前列にある前室Lのガム40から順に食べることとする。この場合、前室L(本体部C)の包装容器前壁20の上方部分に形成された取り出し窓Gから前室L内の食品ユニット42(ガム40)の上部(包装紙41の分離部41A)が前方へ露出されている。そのため、この取り出し窓Gからアクセスすることで前室L内のガム40を指先100で容易に摘むことができる。そして、指先100で摘んだ食品ユニット42を、太線矢印で示すように本体部Cの取り出し口Kから上方ヘ引き出す。
【0071】
すると、
図13(b)を参照して、摘まれた食品ユニット42では、包装紙41の固定部41Bが接着剤46によって本体部C側に固定されていることから、包装紙41が分離部41Aと固定部41Bとに分離する。これにより、摘まれた食品ユニット42では、分離部41Aと、これに包まれたガム40とが一体となった状態で、前室Lから摘み出される。残りの食品ユニット42は、接着剤46によって本体部C側に固定されているので、前室L内において、これらの食品ユニット42の位置がずれることはない。
【0072】
摘み出された食品ユニット42のガム40において分離部41Aから露出された部分をくわえることでガム40を食べることができる。
同様の手順で、前室Lにおける残りの食品ユニット42も摘み出されて、各食品ユニット42のガム40が食べられる。
なお、包装紙41としてミシン目43が形成されていない包装紙を使用した場合、または後述する変形例としての透明フィルム51やプラスチック製の入れ物52(
図18の説明参照)によってガム40が個包装されている場合は、包装紙全体、透明フィルム51全体、または入れ物52全体が接着剤46から外れて、個包装された食品ユニット42全体を摘み出すことができる。
【0073】
そして、
図14に示すように前室Lにおける全ての食品ユニット42が摘み出されると、後室Bだけ(たとえば、蓋4)を掴んで上方ヘ引き上げる。または、本体部Cの挿入口Mから露出された後室底壁5(
図14(b)参照)を押し上げてもよい。これらのいずれかにより、後室Bは、前室L(本体部C)に対して上方ヘスライド移動する。そして、
図14(b)に示すように、後室Bの後室前壁16における前延設板8の上縁が、本体部C側の前室後壁27の係止片30(厳密には、折り返された係止片30と前室後壁27との接続部分)に対して下から係合すると、後室Bが前室Lに対してそれ以上上方ヘ移動するのが止められる。このように、後室Bは、前室Lに対して、前延設板8が係止片30に係合するまでの所定量Zだけ上方ヘスライド移動可能となるように組合わされており、後室Bが所定量Zだけ上方ヘスライドすると、後室Bおよび前室Lは段違いに配置される。
【0074】
このように後室Bが上方ヘスライドすると、後室Bにおいて蓋4以外の部分における上部が、本体部Cの取り出し口Kから上方ヘはみ出た状態となる。そのため、後室B内の各食品ユニット42の上部も、本体部Cの取り出し口Kから上方ヘはみ出た状態となる。
食品ユニット42の上部(包装紙41の分離部41A)は、後室Bの上部の取り出し窓Dから前方へ露出されているので、取り出し窓Dからアクセスすることで後室B内の食品ユニット42(ガム40)を指先100で容易に摘むことができる。次いで、指先100で摘んだ食品ユニット42を、太線矢印で示すように後室Bの取り出し口Fから上方ヘ引き出す。すると、
図14(b)を参照して、摘まれた食品ユニット42では、包装紙41の固定部41Bが接着剤45によって後室B側に固定されていることから、包装紙41が分離部41Aと固定部41Bとに分離する。これにより、摘まれた食品ユニット42では、分離部41Aと、これに包まれたガム40とが一体となった状態で、後室Bから摘み出される。残りの食品ユニット42は、接着剤45によって後室B側に固定されているので、後室B内において、これらの食品ユニット42の位置がずれることはない。
【0075】
摘み出された食品ユニット42のガム40において、分離部41Aから露出された部分をくわえることでガム40を食べることができる。
同様の手順で、後室Bにおける残りの食品ユニット42も摘み出されて、各食品ユニット42のガム40が食べられる。後室Bにおいて摘み出されずに残った食品ユニット42があれば、後室Bを下方へ所定量Zだけスライドさせて、後室B(蓋4以外の部分)を本体部Cの後空間J内に完全に収容する(
図10参照)。このとき、蓋4の第1蓋部10の左右のストッパ17が本体部Cの包装容器左側壁22および包装容器右側壁23において左右で同じ側にある方に対して上から当接するので、後空間J内に収容された後室Bが本体部Cの底側の挿入口Mから抜け落ちてしまうことを防止できる。
【0076】
以上のように、後室Bは、前室Lに対して所定量Zだけ上方ヘスライド移動可能に、前室Lに対して組合わされている。そのため、予め包装容器Aの後側に底上げ部分を設けて後列(後室B)のガム40を前列(前室L)のガム40より高い位置に配置しなくても、必要なときにだけ、後室Bを前室Lに対して上方ヘスライド移動させれば、後列のガム40を前列のガム40より高い位置に配置できる(
図15参照)。これにより、前記底上げ部分を設けずに済むので、包装容器Aの小型化を図ることができる。
【0077】
そして、後列のガム40が食べたければ、後室Bを前室Lに対して上方ヘスライド移動させることで、前列のガム40より高い位置に配置された後列のガム40を容易に摘み出すことができる。
つまり、この包装容器Aでは、前後に複数列に重ねて収容された各食品(ガム40)の摘み出し易さと容器の小型化とを両立することができる。
【0078】
なお、前述した食べ方は、あくまで一例である。そのため、たとえば、
図15に示すように、前室Lの食品ユニット42を取り出す前に、後室Bを上方ヘスライドさせて、後室Bの食品ユニット42のガム40を先に食べてもよい。
また、ガム40を全部食べ切れなかった場合には、食べ残しのガム40についての食品ユニット42が前室Lや後室Bに残った状態で、蓋4が閉じられる(
図12参照)。
【0079】
図16は、本体部C側の帯部29を引きちぎる状態を示す斜視図である。
図17は、完成状態にある後室Bの斜視図であって、蓋4を閉じた状態を示している。
また、後室Bに食品ユニット42が残っている状態で、前室Lのガム40を全て食べ切った場合には、
図16に示すように、本体部Cの包装容器後壁32における帯部29を引きちぎる。すると、包装容器後壁32が左右に分離されるので、包装容器後壁32における左側部分と右側部分との間を介して後空間Jから後室Bだけを取り出すことができる。
【0080】
後室Bは、このように本体部C(前室L)との組合わせを解除することにより、独立して使用可能な包装容器を形成する。そのため、前室Lのガム40を食べ終わって前室Lがデッドスペースになってしまった場合には(
図14参照)、後室Bを前室Lから取り外すことで、残ったガム40を後室Bに収容された状態で、元の包装容器Aの約半分の薄さでコンパクトに持ち運ぶことができる。つまり、複数あるうちの一部のガム40を食べ終えたときに、包装容器Aを小型化(薄型化)して再使用できて使い勝手が良い。
【0081】
後室B内の食品ユニット42のガム40をまだ食べないのであれば、まず、蓋4の第1の折りガイド12における折れ(
図12参照)を除く。つまり、第1蓋部10(包装容器Aの上壁であった部分)の前部である第2片15と、包装容器Aのフラップであった第2蓋部11との間の折れを除く。これにより、第1蓋部10と第2蓋部11とが面一になる。
【0082】
次いで、第2の折りガイド13を折り目にして(第2の折りガイド13に沿って)、第2片15および第2蓋部11を、第1片14に対して直交するように前下側へ折り曲げる。これにより、蓋4は、
図17に示すように閉じた状態となる。この状態で、蓋4では、第1蓋部10の後部である第1片14が後室Bの上壁となり、第2片15および第2蓋部11は、後室Bの前方を覆うフラップとして機能する。
【0083】
このように、後室Bの蓋4は、後室Bが前室Lに組合わされている場合には、包装容器A全体のフラップとなり(
図12参照)、後室Bが前室Lから分離されて独立している場合には、後室Bのフラップとなる(
図17参照)。そのため、包装容器A全体のフラップになる部分と、後室Bのフラップになる部分とを別々に設けずに済むので部品点数の低減を図ることができる。
【0084】
また、単体となった後室Bで蓋4を閉じた状態では、蓋4において、第1蓋部10の第1片14が後室Bの上壁を覆い、第2片15および第2蓋部11が、後室Bの前方上部(後室前壁16の上側部分)を覆っている。そのため、後室Bの上壁にある取り出し口Fは、第1片14によって塞がれていて、後室前壁16の上側部分にある取り出し窓Dは、第2片15および第2蓋部11によって塞がれている。そのため、後室Bを独立して使用する際に、蓋4が後室Bの前方および上方を覆っているので、後室B内のガム40が前方外側へこぼれ落ちることを防止できる。
【0085】
そして、第2蓋部11の先端縁11Aを後室前壁16の切込み9に差し込むことによって、蓋4が外れないように後室前壁16に係合し、蓋4が閉じた状態が維持される。蓋4が閉じた状態における後室Bは、封筒状になっている。
後室Bに収容されたガム40を食べたい場合には、第2蓋部11の先端縁11Aを後室前壁16の切込み9から取り外して、
図2に示すように、蓋4を開く。そして、前述した手順で食品ユニット42を摘んで取り出し口Fから上方ヘ引き出し、この食品ユニット42のガム40を食べる。
【0086】
上述の実施形態では、板状小片形状のガム40が包装紙41で包まれて個包装され、食品ユニット42が構成される旨説明した。食品ユニット42は、包装紙41にて包装(個包装)されたものに限らない。例えば、
図18(a)(b)に示すように、板状小片形状のガム40を透明フィルム51で覆った後、透明フィルム51の上下左右の周囲にヒートシール51hを施し、ガム40を透明フィルム51で密封した食品ユニット42としてもよい。この場合において、透明フィルム51とガム40との間に多少の空隙がある状態で密封しても良いし、また、空隙が生じないように脱気したのち、密封しても良い。これらの場合、透明フィルム51がガム40に密着し、ガム40が外気に触れることが無いため、ガム40の品質保護性が向上する。
【0087】
また、包装紙41の包装の場合と同様に、取り出し時にガム40の下方部が露出した状態で取り出せるように、透明フィルム51に、上部と下部とが分離可能なミシン目または脆弱ライン等が形成された構成とすることも可能である。
また、
図18(c)に示すように、板状小片形状のガム40がプラスチック製の入れ物52に内封されて、食品ユニット42となったものでもよい。
【0088】
図18(a)(b)に示すような、透明フィルム51でガム40を密封した食品ユニット42の場合、板状小片であるガム40を立てた状態で横方向に並べて収容し、左右両端部の一部を一定の間隔で重ね合わせることにより、ガム40をコンパクトに収納させることができ、且つ、見映えを向上させることもできる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0089】
たとえば、この包装容器Aでは、前室Lおよび後室Bのそれぞれに食品ユニット42を収容することで、全体として前後2列で食品ユニット42を収容している(
図10参照)。これに代えて、後室Bを複数設けることで、前後3列以上で食品ユニット42を収容しても構わない。この場合、複数の後室Bが階段状に上方へ引き出されることにより、各後室Bの食品ユニット42を容易に摘み出せるとよい。
【0090】
また、前室Lおよび後室Bのそれぞれに食品ユニット42を横方向に6個並べて収容しているが、前室Lおよび後室Bのそれぞれに収容する食品ユニット42の数は、適宜変更可能である。
また、
図7を参照して、各食品ユニット42では、これを包装容器Aから取り出すときに包装紙41が分離部41Aと固定部41Bとに分離するのだが(
図13および
図14参照)、包装紙41が分離しなくてもよい。その場合には、包装紙41にミシン目43を設けなくてもよく、食品ユニット42は、包装紙41が分離されることなく包装容器Aから取り出される。包装紙41が破れることなく食品ユニット42を容易に包装容器Aから取り出せるように、食品ユニット42は、接着剤45,46によって仮止め程度に(弱めに)包装容器A(後室Bおよび本体部Cであり、
図13および
図14参照)に固定されていることが好ましい。
【0091】
また、必要数分の食品ユニット42を集積紙(図示せず)で束ねた後に、食品ユニット42の束を前室Lおよび後室Bのそれぞれにセットしてもよい。この場合、食品ユニット42の束は、前室Lおよび後室Bを組み立てる前の型紙X,Y(
図1および
図4参照)に接着されていて、前室Lおよび後室Bを組み立てると、前室Lおよび後室Bのそれぞれに収容された状態となる。
【0092】
また、蓋4を閉じる方法として、第2蓋部11の先端縁11Aを切込み9,21に差し込む方法(
図12および
図17参照)だけでなく、第2蓋部11の中央や先端縁11A寄りの箇所に山型の切込みを入れ、当該切込みと切込み9,21とを係合させる方法を用いてもよい。
また、後室Bと本体部C(前室L)との組み合わせ方法(包装容器Aの作製方法)として、本体部Cにおいて左延設板25と右延設板26とを接着しない状態で、後室Bを後空間Jに収容して本体部Cに組み合わせ、その後、左延設板25と右延設板26とを接着して包装容器Aを完成させてもよい(
図9参照)。
【0093】
また、この実施例では、包装容器Aに収容される板状小片をガムとしたが、板状小片形状をしたチョコレートやキャンディとしてもよい。