(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固定部材により前記ブラシシール部の一端部と他端部の両側から半径方向(radial direction)へ加圧されて、前記ブラシシールアセンブリは、前記パッキングボディーに対して前記固定体側および前記回転体側の少なくともいずれかの方向に向かって加圧される請求項1から8のいずれか1項に記載のブラシシールアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の第1実施例に係るブラシシールアセンブリの構成に対して図面を参照して説明する。
図1は、スチームタービンの固定体と回転体との間の間隙にラビリンスシール(10)とブラシシールアセンブリ(1)が適用された一例を示したものである。
【0036】
添付された
図1〜
図3を参照すれば、固定体はケーシング(3)と固定翼(4)とを含み、回転体はローター(5)と回転翼(6)とを含む。固定翼(4)はケーシング(3)に結合して回転翼(6)に隣接した位置に配置され、回転翼(6)は固定翼(4)に隣接した状態でローター(5)と一体に軸回転する。なお、以下の説明において、固定翼(4)の側を上側、ローター(5)の側を下側として説明する。
【0037】
固定翼(4)と回転翼(6)との間の間隙及び固定翼(4)とローター(5)との間の間隙には気密のためのシーリングが必要となり、このためにブラシシールアセンブリ(1)が用いられる。
【0038】
ブラシシールアセンブリ(1)は、パッキングボディー(100)と、ブラシシール部(200)と、熱膨張部材(300)及び固定部材(400)を含めて構成され、所定の速度で回転するローター(5)と固定体との間でブラシシール部(200)を通してブラシシール部(200)の全体をパッキングボディー(100)の円周方向と半径方向で同時に固定して安定した気密が維持される。
【0039】
この時、ローター(5)を通してブラシシール部(200)へ伝達される熱伝導(heat conduction)によって、ブラシシール部(200)の全体がパッキングボディー(100)の長さ方向において、固定部材(400)により固定された状態が維持されるか、半径方向に、内側または外側に向かって固定部材(400)により加圧されることで、気密が安定的に維持される。
【0040】
このため、本実施例においては、ローター(5)と固定体との間に位置し挿入溝(110)が形成されたパッキングボディー(100)がローター(5)と向き合うように位置するが、パッキングボディー(100)は複数の個別の単位体からなり、ローター(5)の外側円周方向にリング状にアセンブリーされる。
【0041】
すなわち、一定長さの複数のパッキングボディー(100)が互いに密着した状態でローター(5)の外側に設けられる。
【0042】
パッキングボディー(100)は、挿入溝(110)にブラシシール部(200)が全て挿入される場合、全体の形状がリング状になり、ブラシシール部(200)が挿入されるシール挿入溝(112)と支持部材(220)が挿入される固定部材挿入溝(114)とを含み、シール挿入溝(112)と固定部材挿入溝(114)とは互いに連通された形態となる。
【0043】
挿入溝(110)は、固定部材(400)と対応する形態で開口され、本実施例の場合には固定部材(400)が直六面体または多角形状のブロック(block)からなるので、固定部材挿入溝(114)もこれと対応する形状に形成される。
【0044】
挿入溝(110)は、単にブラシシール部(200)の挿入のために開口されるのではなく、ブラシシール部(200)が挿入された状態で高圧の流体が加えられる圧力によるブラシシール部(200)の安定した支持のため、シール挿入溝(110)は直角の断面形状となり、固定部材(400)が挿入される固定部材挿入溝(114)は多角形状の断面とされる。
【0045】
このように形成される場合、固定部材挿入溝(114)の内周面と固定部材(400)の外周面とが複数の面対面で密着した状態が維持されるので、接触面積が相対的に増加してこれによる摩擦面が増加し、ブラシシール部(200)の円周方向での固定力が向上できる。さらに、ブラシシール部(200)に流体による加圧力が作用する場合にも位置移動がなく、固定部材(400)を通した安定した固定が維持される。
【0046】
挿入溝(110)は、シール挿入溝(112)と固定部材挿入溝(114)との間に段部(113)が形成されてブラシシール部(200)の全体をより安定的に固定できるが、この場合、ブラシシール部(200)の上面が段部(113)の内側の上面に一部支持され、固定部材(400)により同時に支持されるので、ブラシ(210)に加えられる流体の圧力によるブラシシール部(200)の変形が最小化し、ブラシシール部(200)に加えられた流体の圧力方向による固定部材(400)の支持度が向上してブラシ(210)の端部に応力が集中する現象を最小化できる。
【0047】
したがって、長期に亘る、ブラシシール部(200)とローター(5)との直間接的な摩擦が発生した場合にも、摩耗及び変形によるシーリング損失が最小化して一定の間隙が維持でき、高圧の流体がブラシ(210)を経由して一定に移動することができるようになり、不要な流体漏れが減少する。
【0048】
この場合、ブラシシール部(200)の上面が段部(113)の内側面に一部支持され、固定部材(400)により同時に支持されるので、ブラシ(210)に加えられる流体の圧力によるブラシシール部(200)の変形が最小化し、ブラシシール部(200)に加えられた流体の圧力による固定部材(400)の支持度が向上してブラシ(210)の端部に応力が集中する現象を最小化できる。
【0049】
したがって、長期に亘る、ブラシシール部(200)とローター(5)との直間接的な摩擦が発生した場合にも、摩耗及び変形によるシーリング損失が最小化し、ブラシ(210)とローター(5)との間に一定の間隙が維持でき、高圧の流体がブラシ(210)を経由して一定量だけ移動できるようにすることによって、不要な流体漏れを減少できる。
【0050】
特にローター(5)とブラシ(210)との間の間隙が離れ過ぎた場合、高圧の流体が漏れてローター(5)の全体的な動力損失を誘発し得る。
【0051】
さらに、ローター(5)とブラシ(210)との間が過度に密着した場合、ローター(5)と固定体とに干渉が発生し得るため、ローター(5)とブラシ(210)との間の間隙が一定に維持されることは非常に重要な変数として作用する。
【0052】
熱膨張部材(300)は第2支持プレート(224)の上面の長さ方向に沿って密着した状態で延長するが、高温の流体からの熱の伝導によりパッキングボディー(100)の円周方向に熱膨張する。
【0053】
特に本実施例では、熱膨張部材(300)が熱膨張する場合、長さ方向において熱膨張がなされ、後述する固定部材(400)により熱膨張部材(300)がパッキングボディー(100)の下側に向いて加圧されてブラシシール部(200)の全体を半径方向に加圧させる。
【0054】
すなわち、ブラシシール部(200)を基準に、円周方向には固定部材(400)によりブラシシール部(200)の先端部と後端部とが夫々固定され、半径方向にはブラシシール部(200)が熱膨張する場合、固定部材(400)により半径方向に加圧されてパッキングボディー(100)において円周方向と半径方向とがともに安定した固定状態が維持される。
【0055】
特に、高温の流体による熱伝導がなされる場合、ブラシシール部(200)が円周方向及び半径方向で安定した固定状態が維持され、高圧の流体がブラシ(210)を経由して一定量だけ移動するので、シーリング効率の向上とブラシシール部(200)が装着された対象物の効率をより安定的に維持させることができる。
【0056】
例えば、ローター(5)はスチームタービンに設けられる場合、前述した通り、高温の流体がブラシシール部(200)を経由して移動するが、熱膨張部材(300)によりブラシシール部(200)がパッキングボディー(100)で安定的に固定されるとともに円周方向と半径方向でシーリングが維持されて不要な流体漏れが最小化する。
【0057】
熱膨張部材(300)は、固定部材(400)と対向して配置され、より詳細には、熱膨張部材(300)の膨脹による長さの変化を考慮して、熱膨張部材(300)の端部と固定部材(400)との間は離れた状態が維持される。
【0058】
因みに、離れた長さは特に限定しないが、熱膨張部材(300)が熱膨張する時に固定部材(400)により半径方向に安定した加圧が行われるように、近接した位置に熱膨張部材(300)が位置するのが好ましい。
【0059】
熱膨張部材(300)は、固定部材(400)に向かって一方向に傾斜した傾斜面(310)が形成されて、前記傾斜面(310)は上部または下部中のいずれか一方向に向かって傾斜するが、傾斜面(310)の傾斜した角度と長さは特に限定しないが、固定部材(400)の先端部により加圧が安定的になされるように図示した形態で傾斜するのが好ましい。
【0060】
傾斜面(310)は、熱膨張部材(300)の先端部と後端部とが夫々同一形態で傾斜するのが好ましく、これによって固定部材(400)により熱膨張部材(300)が加圧される場合、ブラシシール部(200)の全体をパッキングボディー(100)の半径方向に内側または外側へ移動させることができる。
【0061】
熱膨張部材(300)は、パッキングボディーに挿入された状態でローター(5)を通して伝えられた高温の熱気によって円周方向に熱膨張するが、先端部と後端部とが固定部材(400)に向かって上向き傾斜した形態で傾斜面(310)が形成され得る。
【0062】
傾斜面(310)の傾斜方向は、ブラシシール部(200)の移動方向を決定するが、傾斜面(310)が下向き傾斜する場合、ブラシシール部(200)はパッキングボディーの半径方向(radial direction)に内側(inward)へ向かって移動し、傾斜面(310)が上向き傾斜する場合、ブラシシール部(200)はパッキングボディーの半径方向(radial direction)に外側(outward)へ向かって固定部材(400)により移動される。
【0063】
したがって、本実施例によるブラシシールアセンブリは、ローター(5)に向かってブラシシール部(200)の全体を半径方向に容易に移動させて高圧の流体の移動による安定したシーリングを実施できる。
【0064】
熱膨張部材(300)は、スロット溝(224a)に挿入される挿入部(302)を含み、挿入部(302)は熱膨張部材(300)の一部区間にのみ形成される。挿入部(302)が一部区間にのみ形成される理由は、熱膨張部材(300)が長さ方向に熱膨張する時に第2支持プレート(224)に密着した状態で安定的に熱膨張を実施するためである。
【0065】
このように、ブラシシール部(200)が熱膨張する程度によってパッキングボディー(100)の半径方向(radial direction)に内側または外側のいずれか一方向に加圧される。
【0066】
ブラシシール部(200)は、互いに異なる圧力で高圧の流体がブラシシール部(200)に向かって加圧される場合、流体の漏れ量(leaking flow)を安定(stable)した状態でより長期間維持できるので、ブラシシールアセンブリが設けられた対象物の効率を向上させることができる。
【0067】
例えば、ブラシシール部(200)とローター(5)との間の間隙の調節は、ブラシ(210)の下端が過度にベンディングされた場合よりも一定の間隙が維持された場合の方が相対的に有利で、この場合、ブラシ(210)とローター(5)との間の間隙とブラシ(210)の挙動に対する事前シミュレーションを通して、前述した熱膨張部材(300)の傾斜面に対する傾斜方向を設定してブラシシールアセンブリを構成できるので、高圧の流体漏れをブラシ(210)を通して安定的に維持できる。
【0068】
支持部材(220)は、ブラシ(210)を基準に一側に密着した第1支持プレート(222)と、他側に密着した第2支持プレート(224)とを含む。第1支持プレート(222)は、ブラシ(210)と向き合う内側で流体の流れをブラシ(210)の下側にガイドするために、案内溝(222a)が形成され、高圧の流体の流れをローター(5)とブラシ(210)の下端との間の間隙へ誘導することによって安定した移動を可能にする。
【0069】
これによって、高圧の流体が第1支持プレート(222)を経由してブラシ(210)へ移動する場合、不要な渦流現象が最小化しブラシ(210)の下端に流体の流れを誘導できる。
【0070】
因みに、ブラシ(210)を基準に右側の圧力が左側より相対的に高圧で、流体の流れは右側から左側へ移動し、高圧領域の流体が低圧領域に漏れることをブラシ(210)が防止する。
【0071】
案内溝(222a)は、第1支持プレート(222)の全長をLとした時、下部から2/3Lに該当する高さまで開口した状態で形成されるが、案内溝(222a)の長さが第1支持プレート(222)の長さLの半分以下の長さに形成される場合、高圧の流体を安定的にガイドすることは難しく、2/3L以上の長さに延長される場合、第1支持プレート(222)の剛性を弱化させ得るので、前述した高さで形成するのが好ましい。
【0072】
案内溝(222a)の形状は、図示した形状に限定されなく、ラウンド状に変更され得、高圧流体の移動によるシミュレーションを通して最適の形状が設定され得る。
【0073】
第2支持プレート(224)は、第1支持プレート(222)と向き合う状態でブラシシール(210)の反対側に密着し、後述する熱膨張部材(300)と向き合う一側面に形成されたスロット溝(224a)を含む。第1支持プレート(222)は、高圧の流体が第1支持プレート(222)とブラシ(210)とを経由して移動する場合、ブラシ(210)を基準に左側と右側の圧力差によるブラシ(210)の変形を防止して安定した支持状態を維持させる。
【0074】
第2支持プレート(224)は、第1支持プレート(222)と対応する厚さとなるか、これに限定されるものではなく変動できることを明らかにしておく。第2支持プレート(224)は、ブラシ(210)の一面と密着した状態で位置し、ブラシ(210)に加えられる高圧の流体による圧力を安定的に支持する。また熱膨張部材(300)と向き合う位置にスロット溝(224a)が形成されて熱膨張部材(300)の安定した設置と膨脹を可能にする。
【0075】
添付された
図3〜
図5を参照すれば、固定部材(400)はブロック形状でなされ、横方向または縦方向に向かって所定の長さに延長され、全体の形状が多角形状に形成されてブラシシール部(200)を基準に、外周面が密着した状態で固定部材挿入溝(114)に嵌合され高圧の流体がブラシシール部(200)に圧力を加える場合にも安定的に支持することができる。
【0076】
これに対して、より詳細に説明すると、流体が矢印方向にブラシシール部(200)に向かって移動する場合、ブラシシール部(200)と固定部材(400)に加えられる圧力はX軸とY軸方向に同時に加えられる。
【0077】
X軸方向の圧力は、ブラシシール部(200)と固定部材(400)とを流体の移動方向に動かせるF1の力を発生させ、Y軸方向の圧力はF2の力を発生させてブラシシール部(200)と固定部材(400)とをF1とF2の方向に夫々移動させようとする力が加えられる。
【0078】
固定部材(400)は、多角のブロック形状に形成されるのでX軸とY軸方向で夫々加えられる場合にも、水平面または垂直面に形成された部分がシール挿入溝(112)の内周面に密着してこれを安定的に支持することができる。さらに、これを通じてブラシ(210)の不要な摩耗の発生を最小化でき、振動の発生を抑制し、ブラシシール部(200)を通して一定量の流体だけが移動するようにガイドすることができ、ブラシシールアセンブリが設けられた対象物の効率を相対的に向上させることができる。
【0079】
固定部材(400)は、一例として、第1固定ボディー(400a)と第2固定ボディー(400b)を含み、第1固定ボディー(400a)は直六面体からなり縦方向に向かって延長され、第2固定ボディー(400b)は第1固定ボディー(400a)と直交して横方向に向かって延長される。
【0080】
因みに、本実施例で示した固定部材(400)は種々の多角形状中の一例を示したもので、図示した形態に限定せず多様に変更でき、固定部材挿入溝(114)の内周面と固定部材(400)の外周面とが面対面で嵌合維持される形態で用いられることを明らかにしておく。
【0081】
例えば、固定部材(400)に特定方向から外力が加えられる場合、多角の面(face)を通して伝えられた外力は、第1、2固定ボディー(400a、400b)と面対面で密着したパッキングボディー(100)を通して支持され、外力の一部がパッキングボディー(100)を通して拡散して固定部材(400)に加えられた外力が最小化された状態が維持される。
【0082】
これによって固定部材(400)にローター(5)を通して伝達される荷重と流体により加えられる荷重とが同時に加えられる場合にも、ブラシシール部(200)の全体を安定的に支持することができる。
【0083】
固定部材(400)は、固定部材挿入溝(114)に挿入された後、ブラシシール部(200)の修理及びブラシ(210)のが必要な場合、作業者が簡便に固定部材挿入溝(114)から分離させることができるように、後面に工具が挿入できる工具挿入溝(400c)が形成される。
【0084】
工具挿入溝(400c)は,円形または多角形状の中のいずれか一つの形状に形成されるが、特に形状は限定されなく、工具が挿入できる多様な形状に変更できる。
【0085】
このように、固定部材(400)に工具挿入溝(400c)が形成される場合、ブラシシールアセンブリ(1)に挿入された複数の固定部材(400)を作業者が速かに分離させることができて作業性が向上し、再組立時にも簡便に挿入溝(110)に挿入させて再組立を実施できる。
【0086】
固定部材(400)は、熱膨張部材(300)と向き合う状態で傾斜面(310)と反対方向に向かって傾斜したガイド部(402)を含むが、前記ガイド部(402)は熱膨張部材(300)が円周方向に熱膨張する場合、傾斜面と密着した状態で熱膨張部材(300)が半径方向に内側または外側に向かって移動方向をガイドしてブラシシール部(200)の全体をローター(5)と一定間隔に維持させることができる。
【0087】
ガイド部(402)は、傾斜面に向かって熱膨張するように特定温度で熱膨張する材質から構成され、材質は特に限定しない。
【0088】
ガイド部(402)は、前面の外側に突出したガイド突起(404)をさらに含むが、ガイド突起(404)は、熱膨張部材(300)の傾斜面(310)と最小限に接触して固定部材(400)に加えられる応力を最小化させる。ガイド突起(404)は外側に向かってラウンド状に形成され、半径及び形状は特に限定しない。
【0089】
本実施例に係る挿入溝は、前述した形態とは異なってブラシシール部の安定した固定と固定部材のより安定した挿入及び固定のために次のように構成される。
【0090】
本発明の他の実施例に係る挿入溝に対して図面を参照して説明する。
【0091】
添付された
図6を参照すれば、本実施例に係る挿入溝(110)は、シール挿入溝(112)を基準に左側と右側とに夫々対称に固定部材挿入溝(114)が形成されて、前記固定部材挿入溝(114)に夫々固定部材(400)が結合してブラシシール部(200)を安定的に固定させる。
【0092】
このように固定部材挿入溝(114)が配置される場合、ブラシシール部(200)の両側で夫々固定部材(400)により支持された状態が維持されて高圧の流体により加えられる圧力による変形が最小化する。
【0093】
また、前述したブラシシール部(200)で必要とする支持力維持性能条件が安定的に維持されて長期間の使用時にも、一定にシーリング状態を維持させてローター(5)に向かって一定量の流体を安定的に供給できる条件が維持されるので、ローター(5)の効率を向上させることができる。
【0094】
固定部材挿入溝(114)は、ブラシシール部(200)の上面と一部区間は同一高さに左側と右側に夫々形成され得、位置はシミュレーションを通して最適の位置が選ばれる。
【0095】
添付された
図7を参照すれば、本発明の他の実施例による第2支持プレート(224)は、ブラシ(210)の上面を経由して第1支持プレート(222)へ延長された延長部(224b)を含む。この場合、ブラシ(210)の上面と第1支持プレート(222)の上面とが延長部(224b)の下面に密着した状態で組立てられて、ブラシ(210)と第1支持プレート(222)とを第2支持プレート(224)が取り囲む形態で構成されるので、組立安全性の向上と高圧の流体による支持力が向上できる。
【0096】
第2支持プレート(224)は、延長部(224b)にブラシ(210)の上端が部分挿入される位置固定溝(224b−1)を含み、位置固定溝(224b−1)によりブラシ(210)に対する固定と、ローター(5)とブラシ(210)との間に形成された間隙が一定に維持される。
【0097】
ブラシ(210)は複数の剛毛(Bristle)からなり、ブラシ(210)を基準に第1支持プレート(222)と第2支持プレート(224)とが密着した状態で構成されて前面視において、上部に向かって上向き傾斜した形態で構成される。
【0098】
このように構成される理由は、ブラシ(210)の場合、ローター(5)と直間接的な摩擦が発生するのでブラシ(210)の下端をローター(5)と垂直状態でパッキングボディー(100)に位置させずに、45度傾斜した状態で挿入溝(110)に位置させてローター(5)に加えられる応力を最小化しようとする。
【0099】
添付された
図8を参照すれば、本実施例によるブラシシールアセンブリ(1a)は、熱膨張部材(300)の傾斜面(310)が上向き傾斜した形態が使用され得、この場合、固定部材(400)のガイド部(402)も傾斜面(310)と密着した状態で対応するように図示した形態となる。そして説明していない挿入溝(110)と、ブラシシール部(200)と、熱膨張部材(300)と固定部材(400)とは、先に説明した部分と類似しているので詳細な説明は省略する。
【0100】
本発明の第2実施例に係るブラシシールアセンブリに対して図面を参照して説明する。
【0101】
添付された
図9〜
図10を参照すれば、ブラシシールアセンブリ(1b)は、パッキングボディー(100)と、ブラシシール部(200)と、熱膨張部材(300)及び固定部材(400)を含めて構成され、所定の速度で回転するローター(5)と固定体との間でブラシシール部(200)を通じた安定した気密が維持され、本実施例の場合、前述した実施例とは異なってパッキングボディー(100)の円周方向でブラシシール部(200)に対する固定状態が安定的に維持される。
【0102】
またローター(5)を通してブラシシール部(200)へ伝達される熱伝導(heat conduction)によってブラシシール部(200)の全体がパッキングボディー(100)の長さ方向または半径方向に、内側または外側に向かって固定部材(400)により加圧されることによって気密が維持される。
【0103】
このために本実施例においては、ローター(5)と固定体との間に位置し挿入溝(110)が形成されたパッキングボディー(100)がローター(5)と向き合うように位置するが、パッキングボディー(100)は個別の単位体からなり、ローター(5)の外側円周方向にリング状にアセンブリーされる。
【0104】
すなわち、一定長さの複数のパッキングボディー(100)が互いに一定間隔で離れた状態でローター(5)の外側に設けられる。
【0105】
パッキングボディー(100)は、挿入溝(110)にブラシシール部(200)が全て挿入される場合、全体の形状がリング状になり、ブラシシール部(200)が挿入されるシール挿入溝(110)と、支持部材(220)が挿入される固定部材挿入溝(114)を含み、シール挿入溝(110)と固定部材挿入溝(114)は互いに連通された形態となる。
【0106】
挿入溝(110)は、単にブラシシール部(200)の挿入のために開口されるのではなく、ブラシシール部(200)が挿入された状態で高圧の流体が加えられる圧力によるブラシシール部(200)の安定した支持のために、シール挿入溝(110)は直角の断面形状となり、支持部材(220)が挿入される固定部材挿入溝(114)は多角形状の断面とされる。
【0107】
ブラシシールアセンブリ(1b)は、ローター(5)と固定体との間に位置されてローター(5)に向かって挿入溝(110)が形成されたパッキングボディー(100)と、前記挿入溝(110)に一端が挿入された状態でローター(5)に向かって傾斜するように延在するブラシ(210)と、前記ブラシ(210)を支持する支持部材(220)を含むブラシシール部(200)と、前記支持部材の両側面に密着しパッキングボディーの円周方向に熱膨張する熱膨張部材(300);及び前記ブラシシール部(200)を固定するために、挿入溝(110)に嵌合されそれぞれの熱膨張部材(300)に向かって熱膨張し、熱膨張部材(300)と密着したブラシシール部(200)をパッキングボディーの円周方向に加圧するためのガイド部(402)が形成された固定部材(400)を含む。
【0108】
固定部材(400)は、ブロック形状からなり、横方向または縦方向に向かって所定の長さに延長され、ブラシシール部(200)を基準に、外周面が密着した状態で挿入溝(110)に嵌合され、高圧の流体がブラシシール部(200)に圧力を加える場合にも安定的に支持することができる。
【0109】
これに対して、より詳細に説明すると、流体が矢印方向にブラシシール部(200)に向かって移動する場合、ブラシシール部(200)と固定部材(400)とに加えられる圧力はX軸方向に圧力が加えられ、ローター(5)とブラシシール部(200)との間で発生する圧力はY軸方向に同時に加えられる。
【0110】
X軸方向の圧力は、ブラシシール部(200)と固定部材(400)とを流体の移動方向に動かせる力を発生させ、Y軸方向の圧力はブラシシール部(200)を上側に移動させる力を発生させてブラシシール部(200)と固定部材(400)とをX軸とY軸方向へ移動させようとする力が加えられ得る。
【0111】
本実施例では、固定部材(400)が多角形状のブロック形状からなるので、X軸方向とY軸方向で加えられる力を安定的に支持することができる。またこれを通してブラシ(210)の不要な摩耗の発生を最小化でき、ブラシシール部(200)を通して一定量の流体だけが移動するようにガイドでき、ブラシシールアセンブリ(1b)が設置された対象物の効率を相対的に向上させることができる。
【0112】
固定部材(400)は、多様な多角形状中の一例を示したもので、図示した形態に限定せず多様に変更され得、固定部材挿入溝(114)の内周面と固定部材(400)の外周面とが面対面で嵌合維持された形態で用いられることを明らかにしておく。
【0113】
固定部材(400)は、挿入溝(110)に挿入された後、ブラシシール部(200)の修理及びブラシ(210)の取替えが必要な場合、作業者が簡便に固定部材挿入溝(114)で分離させるために後面に工具が挿入できる工具挿入溝(400c)をさらに含むが、前記工具挿入溝(400c)は円形または多角形状の中のいずれか一つの形状に形成され、特に形態は限定しない。
【0114】
このように固定部材(400)に工具挿入溝(400c)が形成される場合、ブラシシールアセンブリ(1b)に挿入された複数の固定部材(400)を作業者が速かに分離させることができて作業性が向上し、再組立て時にも簡便に固定部材挿入溝(114)に挿入させて作業を終了できる。
【0115】
支持部材(220)は、ブラシ(210)を基準に一側に密着した第1支持プレート(222)と、他側に密着した第2支持プレート(224)とを含む。第1支持プレート(222)はブラシ(210)と向き合う内側で流体の流れをブラシ(210)の下側にガイドするように案内溝(222a)が形成されて、高圧の流体の流れをローター(5)とブラシ(210)の下端との間の間隙へ誘導することによって安定した移送を可能にする。これによって高圧の流体が第1支持プレート(222)を経由してブラシ(210)へ移動する場合、不要な渦流現象が最小化しブラシ(210)の下端に流体の流れを誘導できる。
【0116】
因みに、ブラシ(210)を基準に右側の圧力が左側より相対的に高圧で、流体の流れは右側から左側へ移動し、高圧領域の流体が低圧領域に漏れることをブラシ(210)が防止する。
【0117】
案内溝(222a)は、第1支持プレート(222)の全長をLとした時、下部から2/3Lの高さまで開口された状態で溝が形成され、案内溝(222a)の長さが第1支持プレート(222)の長さLの半分以下の長さに形成される場合、高圧の流体を安定的にガイドすることは難しく、2/3L以上の長さに延長される場合、第1支持プレート(222)の剛性を弱化させ得るので前述した長さに形成するのが好ましい。
【0118】
案内溝(222a)は、図示した形状の他にもラウンド状に変更でき、高圧流体の移動によるシミュレーションを通して最適の形状が設定できる。
【0119】
第2支持プレート(224)は、第1支持プレート(222)と向き合う状態でブラシ(210)の反対側に密着し、後述する熱膨張部材(300)と向き合う一側面に形成されたスロット溝(図示せず)を含む。第1支持プレート(222)は、高圧の流体が第1支持プレート(222)とブラシ(210)を経由して移動する場合、ブラシ(210)を基準に左側と右側の圧力差によるブラシ(210)の変形を防止して安定した支持状態を維持させる。
【0120】
第2支持プレート(224)は、第1支持プレート(222)と対応する厚さとなるが、これに限定されるものではなく変動できることを明らかにしておく。第2支持プレート(224)は、ブラシ(210)の一面と密着した状態で位置し、ブラシ(210)に加えられる高圧の流体による圧力を安定的に支持する。
【0121】
熱膨張部材(300)は、第2支持プレート(224)の上面の長さ方向に沿って密着した状態で延長するが、高温の流体からの熱の伝導によりパッキングボディー(100)の円周方向に熱膨張する。
【0122】
特に本実施例では、熱膨張部材(300)が熱膨張する場合、長さ方向に熱膨張がなされ、後述する固定部材(400)により熱膨張部材(300)がパッキングボディー(100)の円周方向で加圧されてブラシシール部(200)の全体を固定させる。
【0123】
すなわち、ブラシシール部(200)を基準に円周方向で固定部材(400)によりブラシシール部(200)の先端部と後端部とが固定される。
【0124】
特に、高温の流体による熱伝導がなされる場合、ブラシシール部(200)が円周方向で安定した固定状態が維持され、高圧の流体がブラシ(210)を経由して一定量だけ移動するので、シーリング効率の向上とブラシシール部(200)が装着された対象物の効率をより安定的に維持させることができる。
【0125】
一例として、ローター(5)は、スチームタービンに設けられる場合、前述した通り、高温の流体がブラシシール部(200)を経由して移動するが、ブラシシール部(200)がパッキングボディー(100)で安定的に固定されるとともに円周方向でシーリングを安定に維持させて不要に漏れる流体の漏れ量を最小化できる。
【0126】
熱膨張部材(300)は、固定部材(400)と対向して配置され、より詳細には熱膨張部材(300)の膨脹による長さの変化を考慮して熱膨張部材(300)の端部と固定部材(400)との間は離れた状態が維持される。
【0127】
因みに、離れた長さは特に限定しないが、熱膨張部材(300)が熱膨張する時に固定部材(400)により半径方向に加圧が安定的になされ得るように、近接した位置に熱膨張部材(300)が位置するのが好ましい。
【0128】
本実施例による熱膨張部材(300)は、固定部材(400)に向かって下向き傾斜した形態で傾斜面(310)が形成され得、傾斜面(310)の傾斜した角度と長さは特に限定しないが、固定部材(400)の先端部により加圧が安定的になされ得るように、図示した形態で傾斜するのが好ましい。
【0129】
傾斜面(310)は熱膨張部材(300)の先端部と後端部とが夫々同一形態で傾斜するのが好ましく、これによって固定部材(400)により熱膨張部材(300)が加圧される場合、一方向に容易に移動できる。
【0130】
このように、ブラシシール部(200)が熱膨張する程度によって、パッキングボディー(100)の円周方向で加圧が行われる場合、流体の漏れ量(leaking flow)を安定(stable)した状態でより長期間維持できるので、ブラシシールアセンブリが設けられた対象物の効率を向上させることができる。
【0131】
例えば、ブラシシール部(200)とローター(5)との間に間隙の調節はブラシ(210)の下端が過度にベンディングされた場合よりも一定の間隙が維持された方が相対的に有利で、この場合、ブラシ(210)とローター(5)との間の間隙とブラシ(210)の挙動に対する事前シミュレーションを通して前述した熱膨張部材(300)の傾斜面に対する傾斜方向を設定してブラシシールアセンブリを構成できるので、高圧の流体漏れをブラシ(210)を通して安定的に維持できる。
【0132】
本発明の第3実施例に係るブラシシールアセンブリに対して図面を参照して説明する。
【0133】
添付された
図11を参照すれば、ブラシシールアセンブリ(1c)は、パッキングボディー(100)と、ブラシシール部(200)と、熱膨張部材(300)及び固定部材(400)を含めて構成され、所定の速度で回転するローター(5)と固定体との間でブラシシール部(200)を通じた安定した気密を維持するものの、ローター(5)を通してブラシシール部(200)へ伝達される熱伝導(heat conduction)によってブラシシール部(200)の全体がパッキングボディー(100)の長さ方向または半径方向に、内側または外側に向かって固定部材(400)により加圧されることによって気密を実施する。
【0134】
このため、本実施例においては、ローター(5)と固定体との間に位置し挿入溝(110)が形成されたパッキングボディー(100)がローター(5)と向き合うように位置するが、パッキングボディー(100)は複数の個別の単位体からなり、ローター(5)の外側円周方向にリング状にアセンブリーされる。
【0135】
すなわち、一定長さの複数のパッキングボディー(100)が互いに一定間隔で離れた状態でローター(5)の外側に設けられる。
【0136】
パッキングボディー(100)は、挿入溝(110)にブラシシール部(200)が全て挿入される場合、全体の形状がリング状になり、ブラシシール部(200)が挿入されるシール挿入溝(110)と、固定部材(220)が挿入される固定部材挿入溝(114)を含み、シール挿入溝(110)と固定部材挿入溝(114)は互いに連通された形態となる。
【0137】
挿入溝(110)は、単にブラシシール部(200)の挿入のために開口されるのではなく、ブラシシール部(200)が挿入された状態で高圧の流体が加えられる圧力によるブラシシール部(200)の安定した支持のために、シール挿入溝(110)は直角の断面形状となり、固定部材(220)が挿入される固定部材挿入溝(114)は多角の断面形状となる。
【0138】
このために本実施例に係るブラシシールアセンブリは、ローター(5)と固定体との間に位置されてローター(5)に向かって挿入溝(110)が形成されたパッキングボディー(100)と、前記挿入溝(110)に一端が挿入された状態でローター(5)に向かって傾斜するように延在するブラシ(210)と、前記ブラシ(210)を支持する支持部材(220)を含むブラシシール部(200)と、前記支持部材(220)の側面に密着しパッキングボディー(100)の全体の円周方向のうち、長さ方向で部分的に熱膨張する熱膨張部材(300);及び前記ブラシシール部(200)を固定するために、固定部材挿入溝(114)に嵌合され、それぞれの熱膨張部材に向かって熱膨張して熱膨張部材と密着したブラシシール部をパッキングボディーの円周方向と半径方向に加圧するためのガイド部が形成された固定部材(400)と、を含む。
【0139】
固定部材(400)は、ブロック形状からなり横方向または縦方向に向かって所定の長さに延長されブラシシール部(200)を基準に、外周面が密着した状態で挿入溝(110)に嵌合され高圧の流体がブラシシール部(200)に圧力を加える場合にも安定的に支持することができる。
【0140】
本実施例では、固定部材(400)が多角形状のブロック形状からなるので、X軸方向とY軸方向で加えられる力を安定的に支持することができる。またこれを通してブラシ(210)の不要な摩耗の発生を最小化でき、振動及び騷音の発生を抑制してブラシシール部(200)を通して一定量の流体だけが移動するようにガイドでき、ブラシシールアセンブリが設けられた対象物の効率を相対的に向上させることができる。
【0141】
固定部材(400)は、一例として、第1固定ボディー(400a)と第2固定ボディー(400b)とを含み、第1固定ボディー(400a)は縦方向に向かって所定の長さに延長され、第2固定ボディー(400b)は第1固定ボディー(400a)と直交して横方向に向かって延長される。
【0142】
因みに、本実施例で示した固定部材(400)は、多様な多角形状中の一例を示したもので、図示した形態に限定せず多様に変更でき、固定部材挿入溝(110)の内周面と固定部材(400)の外周面とが面対面で嵌合維持された形態で用いられることを明らかにしておく。
【0143】
固定部材(400)は、固定部材挿入溝(110)に挿入された後、ブラシシール部(200)の修理及びブラシ(210)の取替えが必要な場合、作業者が簡便に固定部材挿入溝(110)で分離させるために後面に工具が挿入できる工具挿入溝(400c)をさらに含み、前記工具挿入溝(400c)は円形または多角形状の中のいずれか一つの形状に形成され、特に形状は限定しない。
【0144】
このように固定部材(400)に工具挿入溝(400c)が形成される場合、ブラシシールアセンブリに挿入された複数の固定部材(400)を作業者が速かに分離させることができて作業性が向上し、再組立て時にも簡便に挿入溝(110)に挿入させて作業を終了できる。
【0145】
熱膨張部材(300)は、第2支持プレート(224)の上面の長さ方向に沿って密着した状態で延長するが、高温の流体からの熱の伝導によりパッキングボディー(100)の円周方向で部分的に熱膨張する。
【0146】
特に本実施例では、熱膨張部材(300)が熱膨張する場合、長さ方向で熱膨張がなされ、後述する固定部材(400)により熱膨張部材(300)がパッキングボディー(100)の下側に向いて加圧されてブラシシール部(200)の全体を半径方向に加圧されるようにすることができる。
【0147】
すなわち、ブラシシール部(200)を基準に、円周方向には固定部材(400)によりブラシシール部(200)の先端部と後端部とが固定され、半径方向にはブラシシール部(200)が熱膨張する場合、固定部材(400)により半径方向に加圧されてパッキングボディー(100)において、円周方向と半径方向の両方が安定的に固定された状態が維持される。
【0148】
また本実施例による熱膨張部材(300)は、長さ方向全体で熱膨張するのではなく、先端部と後端部でのみ長さ方向に熱膨張するが、このように特定区間でのみ熱膨張する場合、長さ方向全体で熱膨張する場合と比べて応答性が向上してより迅速な作動が行われる。
【0149】
より詳細には、熱膨張部材(300)の長さ方向の中間区間は一般の材質からなっており熱膨張が行われず、先端部と後端部とだけ熱膨張する材質から構成して円周方向に熱膨張を実施できるが、固定部材(400)と向き合う状態で配置される。
【0150】
特にブラシシールアセンブリ(1c)は、固定部材(400)によりブラシシール部(200)の先端部と後端部との両方向から夫々半径方向(radial direction)に加圧されるものの、パッキングボディー(100)を基準に内側(inward)または外側(outward)のいずれか一方向に向かって加圧が行われるので、ブラシシールアセンブリ(1c)が設置された対象物の作動状態によってパッキングボディー(100)の内部膨脹または外部膨脹が行われる条件に合わせて選択的に設置して使用すればよい。
【0151】
支持部材(220)は、ブラシ(210)を基準に一側に密着した第1支持プレート(222)と、他側に密着した第2支持プレート(224)を含む。第1支持プレート(222)はブラシ(210)と向き合う内側で流体の流れをブラシ(210)の下側にガイドするように案内溝(222a)が形成され、高圧の流体の流れをローター(5)とブラシ(210)の下端との間の間隙へ誘導することによって安定した移送を可能にする。これによって高圧の流体が第1支持プレート(222)を経由してブラシ(210)へ移動する場合、不要な渦流現象が最小化しブラシ(210)の下端に流体の流れを誘導できる。
【0152】
因みに、ブラシ(210)を基準に右側の圧力が左側より相対的に高圧で、流体の流れは右側から左側へ移動し、高圧領域の流体が低圧領域に漏れることをブラシ(210)が防止する。
【0153】
案内溝(222a)は
図3と類似しており
図3を参照して説明し、第1支持プレート(222)の全長をLとした時、下部から2/3Lの高さまで開口された状態で溝が形成され、案内溝(222a)の長さが第1支持プレート(222)の長さLの半分以下の長さに形成される場合、高圧の流体を安定的にガイドすることは難しく、2/3L以上の長さに延長される場合、第1支持プレート(222)の剛性を弱化させ得るので前述した長さに形成するのが好ましい。
【0154】
案内溝(222a)は、図示した形状の他にもラウンド状に変更でき、高圧流体の移動によるシミュレーションを通して最適の形状が設定できる。
【0155】
第2支持プレート(224)は、第1支持プレート(222)と向き合う状態でブラシ(210)の反対側に密着し、後述する熱膨張部材(300)と向き合う一側面に形成されたスロット溝(
図2参照)を含む。第1支持プレート(222)は高圧の流体が第1支持プレート(222)とブラシ(210)を経由して移動する場合、ブラシ(210)を基準に左側と右側の圧力差によるブラシ(210)の変形を防止して安定した支持状態を維持させる。
【0156】
第2支持プレート(224)は第1支持プレート(222)と対応する厚さとなるが、これに限定されるものではなく変動できることを明らかにしておく。第2支持プレート(224)は、ブラシ(210)の一面と密着した状態で位置し、ブラシ(210)に加えられる高圧の流体による圧力を安定的に支持する。また熱膨張部材(300)と向き合う位置にスロット溝(図示せず)が形成されて熱膨張部材(300)の安定した設置と膨脹を可能にする。
【0157】
本発明の第4実施例に係るブラシシールアセンブリに対して図面を参照して説明する。
【0158】
添付された
図1または
図12〜
図13を参照すれば、固定体はケーシング(3)と固定翼(4)とを含み、回転体はローター(5)と回転翼(6)とを含む。固定翼(4)はケーシング(3)に結合して回転翼(6)に隣接した位置に配置され、回転翼(6)は固定翼(4)に隣接した状態でローター(5)と一体に軸回転する。固定翼(4)と回転翼(6)との間の間隙及び固定翼(4)とローター(5)との間の間隙には気密のためのシーリングが必要となり、このためにブラシシールアセンブリ(1)が用いられる。
【0159】
ブラシシールアセンブリ(1)はパッキングボディー(100)と、ブラシシール部(200)と、熱膨張部材(300)及び固定部材(400)とを含めて構成され、所定の速度で回転するローター(5)と固定体との間でブラシシール部(200)を通して安定した気密が維持される。
【0160】
この時、ローター(5)を通してブラシシール部(200)へ伝達される熱伝導(heat conduction)によって、ブラシシール部(200)の全体がパッキングボディー(100)の長さ方向で固定部材(400)により固定された状態が維持されるか、半径方向に内側または外側に向かって固定部材(400)により加圧されることによって、気密が安定的に維持される。
【0161】
このために本実施例においては、ローター(5)と固定体との間に位置し挿入溝(110)が形成されたパッキングボディー(100)がローター(5)と向き合って位置し、パッキングボディー(100)は複数の個別の単位体からなり、ローター(5)の外側円周方向にリング状にアセンブリーされる。すなわち、一定長さの複数のパッキングボディー(100)が互いに密着した状態でローター(5)の外側に設けられる。
【0162】
パッキングボディー(100)は、挿入溝(110)にブラシシール部(200)が全て挿入された状態で組立てられる場合、全体の形状がリング状になり、ブラシシール部(200)が挿入されるシール挿入溝(112)と、固定部材(400)が挿入される固定部材挿入溝(114)を含み、シール挿入溝(112)と固定部材挿入溝(114)とは互いに連通された形態となる。
【0163】
挿入溝(110)は、単にブラシシール部(200)の挿入のために開口されるのではなく、ブラシシール部(200)が挿入された状態で高圧の流体が加えられる圧力によるブラシシール部(200)の安定した支持のために、シール挿入溝(112)は直角の断面形状となり、固定部材(400)が挿入される固定部材挿入溝(114)は円形の断面形状となる。
【0164】
本実施例に係る挿入溝は、ブラシシール部の安定した固定と固定部材の安定した挿入及び固定のために次のように構成される。
【0165】
添付された
図14を参照すれば、挿入溝(110)は、パッキングボディー(100)の内側の円周方向に形成されてブラシシール部(200)が挿入されるシール挿入溝(112)と、シール挿入溝(112)の一方向に段差のある段部(113)と、段部(113)の下側に固定部材(400)が挿入されるように形成された固定部材挿入溝(114)とを含む。
【0166】
特に本実施例では、シール挿入溝(112)と固定部材挿入溝(114)との間に段部(113)が形成されてブラシシール部(200)の全体をより安定的に固定できる。
【0167】
この場合、ブラシシール部(200)の上面が段部(113)の内側面に一部支持され、固定部材(400)により同時に支持されるので、ブラシ(210)に加えられる流体の圧力によるブラシシール部(200)の変形が最小化し、ブラシシール部(200)に加えられた流体の圧力による固定部材(400)の支持度が向上してブラシ(210)の端部に応力が集中する現象を最小化できる。
【0168】
したがって、長期に亘るブラシシール部(200)とローター(5)との直間接の摩擦が発生する場合にも、摩耗及び変形によるシーリング損失が最小化し、ブラシ(210)とローター(5)との間に一定の間隙が維持されて高圧の流体がブラシ(210)を経由して一定量だけ移動できるようにすることによって不要な流体漏れ量が減少する。
【0169】
特にローター(5)とブラシ(210)との間の間隙は、相互の間隙が過度に離れる場合、高圧の流体漏れが発生し得るのでローター(5)の全体的な動力損失を誘発でき得る。
【0170】
またローター(5)とブラシ(210)との間が過度に密着した場合、ローター(5)と固定体と間に干渉が発生し得るため、ローター(5)とブラシ(210)との間の間隙が一定に維持されることは非常に重要な変数として作用する。
【0171】
本発明の他の実施例に係る挿入溝に対して図面を参照して説明する。
【0172】
添付された
図15を参照すれば、挿入溝(110)はシール挿入溝(112)を基準に、左側と右側とに夫々対称に固定部材挿入溝(114)が形成されて、前記固定部材挿入溝(114)に夫々固定部材(400)(
図12参照)が結合してブラシシール部(200)を安定的に固定させる。
【0173】
このように、固定部材挿入溝(114)が配置される場合、ブラシシール部(200)の両側で夫々固定部材(400)により支持された状態が維持されて高圧の流体により加えられる圧力変動による変形が最小化する。また前述したブラシシール部(200)で必要とする支持力維持性能条件が安定的に維持されて長期間の使用時にも一定のシーリング状態を維持させ、ローター(5)に向かって一定量の流体を安定的に供給してローター(5)の効率を向上させることができる。
【0174】
固定部材挿入溝(114)は、ブラシシール部(200)の上面と同一高さに左側と右側とに夫々形成されるか、または下側に離れた位置に形成され得、位置はシミュレーションを通して最適の位置が選ばれる。
【0175】
またパッキングボディー(100)は、ブラシシール部(200)の上端が部分挿入される開口溝(101)が形成されて前述したブラシシール部(200)の上端が密着した状態で挿入されることができ、ブラシ(210)の上端が安定的に挿入された状態が維持されて高圧流体の圧力変動による支持力が向上し、ブラシ(210)を基準に長さ方向で加えられるローター(5)の応力と側面で加えられる高圧の流体による応力から安定した支持状態が維持される。
【0176】
添付された
図16を参照すれば、支持部材(220)はブラシ(210)を基準に一側に密着した第1支持プレート(222)と、他側に密着した第2支持プレート(224)とを含む。第1支持プレート(222)はブラシ(210)と向き合う内側で流体の流れをブラシ(210)の下側にガイドするように案内溝(222a)が形成され、高圧の流体の流れをローター(5)とブラシ(210)の下端との間の間隙へ誘導することによって安定した移送を可能にする。これによって、高圧の流体が第1支持プレート(222)を経由してブラシ(210)へ移動する場合、不要な渦流現象が最小化しブラシ(210)の下端に流体の流れを誘導できる。
【0177】
因みに、ブラシ(210)を基準に右側の圧力が左側より相対的に高圧(PH)で、左側は低圧(PL)に該当し、流体の流れは点線の矢印で示した通り、右側から左側へ移動し、高圧領域の流体が低圧領域に漏れることをブラシ(210)が防止する。
【0178】
案内溝(222a)は第1支持プレート(222)の全長をLとした時、下部から2/3L以上の高さまで開口された状態で溝が形成され、案内溝(222a)の長さが第1支持プレート(222)の長さLの半分以下の長さに形成される場合、高圧の流体を安定的にガイドすることは難しく、2/3L以上の長さに延長される場合、第1支持プレート(222)の剛性を弱化させ得るので前述した長さに形成するのが好ましい。
【0179】
案内溝(222a)は図示した形状の他にもラウンド状に変更でき、高圧流体の移動によるシミュレーションを通して最適の形状が設定できる。
【0180】
第2支持プレート(224)は、第1支持プレート(222)と向き合う状態でブラシシール部(200)の反対側に密着し、後述する熱膨張部材(300)と向き合う一側面に形成されたスロット溝(224a)(
図8参照)とを含む。第1支持プレート(222)は高圧の流体が第1支持プレート(222)とブラシ(210)を経由して移動する場合、ブラシ(210)を基準に左側と右側の圧力差によるブラシ(210)の変形を防止して安定した支持状態を維持させる。
【0181】
第2支持プレート(224)は第1支持プレート(222)と対応する厚さとなるが、これに限定されるものではなく変動できることを明らかにしておく。第2支持プレート(224)は、ブラシ(210)の一面と密着した状態で位置し、ブラシ(210)に加えられる高圧の流体による圧力を安定的に支持する。また熱膨張部材(300)と向き合う位置にスロット溝(224a)(
図8参照)が形成されて熱膨張部材(300)の安定した設置と膨脹を可能にする。
【0182】
添付された
図17を参照すれば、本発明の他の実施例による第2支持プレート(224)は、ブラシ(210)の上面を経由して第1支持プレート(222)へ延長された延長部(224b)を含む。この場合、ブラシ(210)の上面と第1支持プレート(222)の上面が延長部(224b)の下面に密着した状態で組立てられてブラシ(210)と第1支持プレート(222)とを第2支持プレート(224)が取り囲む形態で構成されるので、組立安全性の向上と高圧の流体による支持力が向上できる。
【0183】
第2支持プレート(224)は、延長部(224b)にブラシ(210)の上端が部分挿入される位置固定溝(224b−1)を含み、位置固定溝(224b−1)によりブラシ(210)に対する固定とローター(5)とブラシ(210)との間に形成された間隙が一定に維持される。
【0184】
ブラシ(210)は複数の剛毛(Bristle)からなり、ブラシ(210)を基準に第1支持プレート(222)と第2支持プレート(224)が密着した状態で構成され、前面視において、上部に向かって上向き傾斜した形態で構成される。
【0185】
このように構成される理由は、ブラシ(210)の場合、ローター(5)と直間接的な摩擦が発生し、これによって、ブラシ(210)に応力が持続的に加えられるので、ブラシ(210)の下端をローター(5)と垂直状態でパッキングボディー(100)に位置させずに45度傾斜した状態で挿入溝(110)に位置させてローター(5)に加えられる応力を最小化しようとする。
【0186】
添付された
図12または
図18を参照すれば、熱膨張部材(300)はスロット溝(224a)に挿入される挿入部(302)を含み、挿入部(302)は熱膨張部材(300)の一部区間にのみ形成される。挿入部(302)が一部区間にのみ形成される理由は、熱膨張部材(300)が長さ方向に熱膨張する時、第2支持プレート(224)に密着した状態で安定的に熱膨張を実施するためである。
【0187】
熱膨張部材(300)は、第2支持プレート(224)の長さ方向に沿って密着した状態で延長するが、高温の流体からの熱の伝導によりパッキングボディー(100)の円周方向に熱膨張する。
【0188】
本実施例では、熱膨張部材(300)が長さ方向で熱膨張する場合、後述する固定部材(400)により熱膨張部材(300)がパッキングボディー(100)の下側に向いて加圧されてブラシシール部(200)の全体が半径方向に加圧される。
【0189】
すなわち、ブラシシール部(200)を基準に、円周方向には固定部材(400)によりブラシシール部(200)の先端部と後端部とが固定され、半径方向にはブラシシール部(200)が熱膨張する場合、固定部材(400)により半径方向に加圧されてパッキングボディー(100)において、円周方向と半径方向の両方が安定的に固定された状態が維持される。
【0190】
特に高温の流体による熱伝導がなされる場合、ブラシシール部(200)が円周方向及び半径方向で安定した固定状態が維持され、高圧の流体がブラシ(210)を経由して一定量だけ移動するので、シーリング効率の向上とブラシシール部(200)が装着された対象物の効率をより安定的に維持させることができる。
【0191】
一例として、ローター(5)はスチームタービンに設けられる場合、前述した通り、高温の流体がブラシシール部(200)を経由して移動するが、ブラシシール部(200)がパッキングボディー(100)で安定的に固定されるとともに円周方向と半径方向でシーリングを安定に維持させて不要に漏れる流体の漏れ量を最小化できる。
【0192】
熱膨張部材(300)は固定部材(400)と対向して配置され、より詳細には熱膨張部材(300)の膨脹による長さの変化を考慮して熱膨張部材(300)の端部と固定部材(400)との間は離れた状態が維持されるか密着した状態の中のいずれか一つの状態に維持できる。
【0193】
因みに、離れた長さは特に限定しないが、熱膨張部材(300)が熱膨張する時に固定部材(400)により半径方向に加圧が安定的になされ得るように、近接した位置に熱膨張部材(300)が位置するのが好ましい。
【0194】
熱膨張部材(300)は固定部材(400)に向かって下向き傾斜した傾斜面(310)が形成され得、傾斜面(310)の傾斜した角度と長さは特に限定しないが、固定部材(400)の先端部により加圧が安定的になされ得るように、図示した形態で傾斜するのが好ましい。
【0195】
傾斜面(310)は、熱膨張部材(300)の先端部と後端部とが夫々同一形態で傾斜するのが好ましく、これによって固定部材(400)により熱膨張部材(300)が加圧される場合、一方向に容易に移動できる。
【0196】
添付された
図19を参照すれば、本発明の他の実施例による熱膨張部材(300)は、固定部材(400)に向かって上向き傾斜した形態で傾斜面(310)が形成され得、熱膨張部材(300)が膨脹される場合、固定部材(400)により半径方向を基準に上側に向かってブラシシール部(200)が移動できる。したがって、本実施例によるブラシシールアセンブリはローター(5)に向かってブラシシール部(200)の全体を半径方向に容易に移動させることができる。
【0197】
本実施例に係るブラシシールアセンブリは、固定部材(400)によりブラシシール部(200)の先端部と後端部との両方向から夫々パッキングボディー(100)の半径方向(radial direction)に加圧されるものの、パッキングボディー(420)を基準に内側(inward)または外側(outward)のいずれか一方向に向かって加圧が行われる。
【0198】
すなわち、前述した熱膨張部材(300)が熱膨張する場合、固定部材(400)により傾斜面(310)が加圧されるが、傾斜面(310)の傾斜した方向によってパッキングボディー(420)の内部または外部の中のいずれか一方向に向かって選択的に加圧しながらローター(5)とブラシ(210)との間のシーリングが安定的に維持されて流体漏れが防止される。
【0199】
このように、ブラシシール部(200)が熱膨張する程度によってパッキングボディー(100)の半径方向(radial direction)に、内側または外側に固定部材(400)により加圧され、高圧の流体がブラシシール部(200)に向かって移動する場合、流体の漏れ量(leaking flow)がブラシシール部(200)により安定(stable)した状態で長期間維持されることができるので、ブラシシールアセンブリが設けられた対象物の効率を向上させることができる。
【0200】
例えば、ブラシシール部(200)とローター(5)との間に間隙の調節はブラシ(210)の下端が過度にベンディングされた場合よりも一定の間隙が維持される方が相対的に有利で、この場合、ブラシ(210)とローター(5)との間の間隙とブラシ(210)の挙動に対する事前シミュレーションを通して前述した熱膨張部材(300)の傾斜面に対する傾斜方向を設定し、ブラシシールアセンブリを構成できるので、高圧の流体漏れをブラシ(210)を通して安定的に維持できる。
【0201】
固定部材(400)はピンまたはボルトの中のいずれか一つが選択的に使用され得、ピンまたはボルトはともにパッキングボディー(100)に結合した後に溶接を通して安定的に固定される。因みに、前述したピンまたはボルトを除いた他の固定部材がパッキングボディー(100)を固定するために使用でき得ることを明らかにしておく。
【0202】
このように使用される一実施例による固定部材(400)は、ヘッド(410)とボディー(420)で構成されて、ヘッド(410)は熱膨張部材(300)に向かって延長される。
【0203】
ヘッド(410)は、熱膨張部材(300)と同様に、高温の熱が伝導される場合、熱膨張部材(300)に向かって熱膨張して傾斜面(310)をより有利に加圧させることができる。前記ヘッド(410)の材質は特に限定しないが、熱膨張部材(300)と同一材質または他の材質で構成され得、高温の熱が伝導される場合、安定的に熱膨張する材質で構成されるのが好ましい。
【0204】
ボディー(420)は、ヘッド(410)の後方に向かって延長され、挿入溝(110)に密着した状態で挿入されることによって、円周方向でのブラシシール部(200)を安定的に支持することができる。
【0205】
ヘッド(410)とボディー(420)は異種の材質から構成でき得るが、ボディー(420)は高温の熱が伝導される場合にも熱膨張せず、ヘッド(410)だけが前方に向かって熱膨張するように構成されることも可能である。
【0206】
本実施例では、固定部材が前述のものとは異なって、ヘッドとボディーがともに熱膨張しない一般のスチール材質で構成され得、この場合、固定部材は熱膨張部材(300)に向かって熱膨張しないでブラシシール部(200)の円周方向に対する固定だけを実施する。
【0207】
固定部材(400)は一例として、ボルトが使われる場合、外周面に長さ方向に沿ってネジ山が形成され、固定部材(400)に形成されたネジ山と対応するネジ山がパッキングボディー(100)に形成されて互いに螺合を通して安定した固定状態が維持される。
【0208】
また、固定部材(400)がボルトからなる場合、熱膨張部材(300)に向かって熱膨張は行われず、ブラシシール部(200)に対する円周方向に対する支持と熱膨張部材(300)が熱膨張する場合、ブラシシール部(200)の全体をパッキングボディー(100)の内側または外側に向かって加圧させてブラシ(210)とローター(5)との間の間隙を一定に維持させる。
【0209】
本発明の他の実施例に係るブラシシールアセンブリに対して図面を参照して説明する。
【0210】
添付された
図20〜
図23を参照すれば、ブラシシールアセンブリ(1b)はパッキングボディー(100)と、ブラシシール部(200)と、熱膨張部材(300)及び固定部材(400)を含めて構成され、所定の速度で回転するローター(5)と固定体との間でブラシシール部(200)を通じた安定した気密が維持される。
【0211】
このために本実施例に係るブラシシールアセンブリは、ローター(5)と固定体との間に位置されてローター(5)に向かって挿入溝(110)が形成されたパッキングボディー(100)と、前記挿入溝(110)に一端が挿入された状態でローター(5)に向かって傾斜するように延在するブラシ(210)と、前記ブラシ(210)を支持する支持部材(220)を含むブラシシール部(200)と、前記支持部材(220)の側面に密着しパッキングボディー(100)の全体の円周方向のうち、長さ方向で部分的に熱膨張する熱膨張部材(300);及び前記ブラシシール部(200)を固定するために挿入溝(110)に挿入された固定部材(400)を含む。
【0212】
熱膨張部材(300)は、ローター(5)を通してブラシシール部(200)へ伝達される熱伝導(heat conduction)によってパッキングボディー(100)の長さ方向または半径方向に、内側または外側に向かって固定部材(400)により加圧されることによって気密を実施する。
【0213】
このために本実施例においては、ローター(5)と固定体との間に位置し挿入溝(110)が形成されたパッキングボディー(100)がローター(5)と向き合うように位置するが、パッキングボディー(100)は複数の個別の単位体からなり、ローター(5)の外側円周方向にリング状にアセンブリーされる。すなわち、一定長さの複数のパッキングボディー(100)が互いに一定間隔で離れた状態でローター(5)の外側に設けられる。
【0214】
パッキングボディー(100)は、挿入溝(110)にブラシシール部(200)が全て挿入される場合、全体の形状がリング状になり、ブラシシール部(200)が挿入されるシール挿入溝(112)と支持部材(220)が挿入される固定部材挿入溝(114)とを含み、シール挿入溝(112)と固定部材挿入溝(114)とは互いに連通された形態となる。
【0215】
挿入溝(110)は、単にブラシシール部(200)の挿入のために開口されるのではなく、ブラシシール部(200)が挿入された状態で高圧の流体が加えられる圧力によるブラシシール部(200)の安定した支持のために、シール挿入溝(112)は直角の断面形状となり、支持部材(220)が挿入される固定部材挿入溝(114)は円形の断面となる。
【0216】
支持部材(220)は、ブラシ(210)を基準に一側に密着した第1支持プレート(222)と、他側に密着した第2支持プレート(224)を含む。第1支持プレート(222)はブラシ(210)と向き合う内側で流体の流れをブラシ(210)の下側にガイドするように案内溝(222a)が形成され、高圧の流体の流れをローター(5)とブラシ(210)の下端との間の間隙へ誘導することによって、安定した移送を可能にする。これによって高圧の流体が第1支持プレート(222)を経由してブラシ(210)へ移動する場合、不要な渦流現象が最小化しブラシ(210)の下端に流体の流れを誘導できる。
【0217】
因みに、ブラシ(210)を基準に右側の圧力が左側より相対的に高圧で、流体の流れは右側から左側へ移動し、高圧領域の流体が低圧領域に漏れることをブラシ(210)が防止する。
【0218】
案内溝(222a)は第1支持プレート(222)の全長をLとした時、下部から2/3L以上の高さまで開口された状態で溝が形成され、案内溝(222a)の長さが第1支持プレート(222)の長さLの半分以下の長さに形成される場合、高圧の流体を安定的にガイドすることは難しく、2/3L以上の長さに延長される場合、第1支持プレート(222)の剛性を弱化させ得るので前述した長さに形成するのが好ましい。
【0219】
案内溝(222a)は図示した形状の他にもラウンド状に変更でき、高圧流体の移動によるシミュレーションを通して最適の形状が設定できる。
【0220】
第2支持プレート(224)は第1支持プレート(222)と向き合う状態でブラシ(210)の反対側に密着し、後述する熱膨張部()と向き合う一側面に形成されたスロット溝(224a)を含む。第1支持プレート(222)は高圧の流体が第1支持プレート(222)とブラシ(210)を経由して移動する場合、ブラシ(210)を基準に左側と右側の圧力差によるブラシ(210)の変形を防止して安定した支持状態を維持させる。
【0221】
第2支持プレート(224)は第1支持プレート(222)と対応する厚さとなるが、これに限定されるものではなく変動できることを明らかにしておく。第2支持プレート(224)は、ブラシ(210)の一面と密着した状態で位置し、ブラシ(210)に加えられる高圧の流体による圧力を安定的に支持する。また熱膨張部材(300)と向き合う位置にスロット溝(224a)が形成されて熱膨張部材(300)の安定した設置と膨脹を可能にする。
【0222】
熱膨張部材(300)は第2支持プレート(224)の上面の長さ方向に沿って密着した状態で延長するが、高温の流体からの熱の伝導によりパッキングボディー(100)の円周方向で部分的に熱膨張する。
【0223】
特に本実施例では熱膨張部材(300)が熱膨張する場合、長さ方向で熱膨張が行われるようになり、後述する固定部材(400)により熱膨張部材(300)がパッキングボディー(100)の下側に向いて加圧され、ブラシシール部(200)の全体を半径方向に加圧されるようにすることができる。
【0224】
すなわち、ブラシシール部(200)を基準に、円周方向には固定部材(400)によりブラシシール部(200)の先端部と後端部とが固定され、半径方向にはブラシシール部(200)が熱膨張する場合、固定部材(400)により半径方向に加圧されてパッキングボディー(100)において、円周方向と半径方向の両方が安定的に固定された状態が維持される。
【0225】
また本実施例による熱膨張部材(300)は長さ方向全体で熱膨張するのではなく、先端部と後端部でのみ長さ方向に熱膨張するが、このように特定区間でのみ熱膨張する場合、長さ方向全体で熱膨張する場合に比べて応答性が向上し、より迅速な作動ができる。
【0226】
より詳細には、熱膨張部材(300)の長さ方向の中間区間は一般材質からなって熱膨張が行われず、先端部と後端部だけ熱膨張する材質から構成して円周方向に熱膨張を実施できるが、固定部材(400)と互いに向き合う状態で配置される。
【0227】
特にブラシシールアセンブリ(1b)は、固定部材(400)によりブラシシール部(200)の先端部と後端部との両方向から夫々半径方向(radial direction)に加圧されるものの、パッキングボディー(420)を基準に内側(inward)または外側(outward)のいずれか一方向に向かって加圧が行われるので、ブラシシールアセンブリ(1b)が設置された対象物の作動状態によってパッキングボディー(420)の内部膨脹または外部膨脹が行われる条件に合せて選択的に設置して使用すればよい。
【0228】
このように構成された本実施例によるブラシシールアセンブリの作動状態で対して図面を参照して説明する。
【0229】
添付された
図2または
図24を参照すれば、作業者はパッキングボディー(100)にブラシシール部(200)を挿入した後に固定部材(400)を利用して既挿入されたブラシシール部(200)を円周方向で固定させる。仮りに、ブラシシール部(200)が不安定な状態で固定部材挿入溝(114)に装着されたと判断される場合には、工具挿入溝(400c)に工具を挿入した状態から外側へ引っ張ると既挿入された固定部材(400)が容易に固定部材挿入溝(114)の外側に引き出される。
【0230】
そして作業者は、ブラシシール部(200)の装着状態を正しく維持させた後に、分離された固定部材(400)を固定部材挿入溝(114)に再挿入させる。
【0231】
固定部材(400)は多角のブロック形状に形成されるので、ブラシシール部(200)を基準にX軸方向とY軸方向から安定的に挿入された状態が維持される。
【0232】
このように固定部材(400)が挿入溝(110)に挿入された後、振動または高温の熱がブラシシール部(200)へ伝導される場合に備えて、外部に離脱しないように固定部材(400)の外側で溶接を通して固定させるとブラシシール部(200)の円周方向では固定部材(400)により先端部と後端部とが安定的に固定される。
【0233】
高圧の流体は、第1支持プレート(222)の案内溝(222a)を経由してブラシ(210)の下側へ誘導された後、ブラシ(210)を経由して矢印方向へ移動するが、第2支持プレート(224)及び固定部材(400)によって、高圧の流体によりブラシシール部(200)に加えられる圧力が安定的に支持される。
【0234】
特に挿入溝(110)に挿入されたブラシシール部(200)は、シール挿入溝(110)に密着した状態で維持されるので、高圧の流体はブラシ(210)を通してのみ矢印方向へ移動する。
【0235】
仮りに、ブラシシール部(200)にローター(5)を通して高温の熱が伝導されると、熱膨張部材(300)がパッキングボディー(100)の円周方向に沿って熱膨張して固定部材(400)の傾斜面(310)にガイド突起(404)が接触し、熱膨張部材(300)が下方に加圧される。
【0236】
固定部材(400)は、ガイド部(402)が熱膨張部材(300)と一緒に熱膨張されるので、高温の熱が伝導される場合、ブラシシール部(200)の全体をパッキングボディーの半径方向へ移動させることができ、円周方向では固定部材(400)により安定的に支持された状態が維持されてローター(5)を通した熱伝導と急激な圧力変動による振動が持続的にブラシシール部(200)に加えられる場合にも安定的に維持させる。
【0237】
このように作動される場合、熱膨張部材(300)は第2支持プレート(224)に固定されるので、ブラシシール部(200)の全体をパッキングボディー(100)の半径方向内側(inward)に向かって移動させてブラシ(210)の下端がローター(5)の外周面と一定の間隙が維持される。
【0238】
特にブラシ(210)は、下端がローター(5)の外周面に接触される条件でブラシシール部(200)の全体をローター(5)に向かって一定の間隙が維持されるように維持させることができるので、高圧の流体が最初の設計値通りに一定に維持され、不要な流体の漏れを防止できる。
【0239】
本発明の他の実施例に係るブラシシールアセンブリの作動状態に対して図面を参照して説明する。
【0240】
添付された
図25を参照すれば、作業者は、パッキングボディー(100)にブラシシール部(200)を挿入した後、固定部材(400)を利用して既挿入されたブラシシール部(200)を円周方向で固定させる。仮りに、ブラシシール部(200)が不安定な状態で挿入溝(110)に装着されたと判断される場合には、工具挿入溝(400c)に工具を挿入した状態から外側へ引っ張れば既挿入された固定部材(400)が容易に挿入溝(110)の外側に引き出される。
【0241】
そして作業者は、ブラシシール部(200)の装着状態を正しく維持させた後に分離された固定部材(400)を固定部材挿入溝(114)に再挿入させる。
【0242】
固定部材(400)は多角のブロック形状に形成されるので、ブラシシール部(200)を基準にX軸方向とY軸方向から安定的へ挿入された状態が維持される。
【0243】
このように、固定部材(400)が固定部材(114)に挿入された後には、振動または高温の熱が伝導される場合にも外部に離脱しないように、固定部材(400)の外側で溶接を通して固定させればブラシシール部(200)の円周方向では固定部材(400)により先端部と後端部とが安定的に固定された状態が維持される。
【0244】
高圧の流体は、第1支持プレート(222)の案内溝(222a)を経由してブラシ(210)の下側へ誘導された後、ブラシ(210)を経由して移動するが、第2支持プレート(224)及び固定部材(400)によって、高圧の流体によりブラシシール部(200)に加えられる圧力が安定的に支持される。
【0245】
仮りに、ブラシシール部(200)にローター(5)を通して高温の熱が伝導されれば、熱膨張部材(300)がパッキングボディー(100)の円周方向のうち、先端部と後端部でのみ熱膨張して固定部材(400)の傾斜部(310)と接触される。
【0246】
傾斜部(310)は所定の角度で傾斜しているので、熱膨張部材(300)と密着したブラシシール部(200)の全体を、パッキングボディー(100)の内側から半径方向に外側に移動させてブラシ(210)に対するシーリングを安定的に維持させる。
【0247】
このように構成された本発明によるブラシシールアセンブリの作動状態で対して図面を参照して説明する。
【0248】
添付された
図12または
図26を参照すれば、作業者はパッキングボディー(100)にブラシシール部(200)を挿入した後に固定部材(400)を利用して既挿入されたブラシシール部(200)を円周方向で固定させる。仮りに、ブラシシール部(200)が不安定状態で挿入溝(110)に装着されたと判断される場合には、工具挿入溝(430)に工具を挿入した状態から一方向へ回転させれば既挿入された固定部材(400)が容易に挿入溝(110)の外側に引き出される。
【0249】
そして作業者は、ブラシシール部(200)の装着状態を正しく維持させた後に分離された固定部材(400)を挿入溝(110)に再挿入させる。
【0250】
このように、固定部材(400)が挿入溝(110)に挿入された後には、振動または高温の熱が伝導される場合に備えて外部に離脱しないように、固定部材(400)の外側で溶接を通して固定させるとブラシシール部(200)の円周方向では固定部材(400)により先端部と後端部とが安定的に固定された状態が維持される。
【0251】
高圧の流体は、F1の圧力で第1支持プレート(222)の案内溝(222a)を経由してブラシ(210)の下側へ誘導された後、ブラシ(210)を経由して矢印方向へ移動するが、ブラシシール部(200)によりローター(5)に向かって加えられる加圧力であるF3とローター(5)でブラシシール部(200)に向かってF2の加圧力が同時に作用する。
【0252】
特に挿入溝(110)に挿入されたブラシシール部(200)は、シール挿入溝(112)に密着した状態で維持されるので、高圧の流体はブラシ(210)を通してのみ矢印方向へ移動する。
【0253】
仮りに、ブラシシール部(200)にローター(5)を通して高温の熱が伝導されれば、熱膨張部材(300)がパッキングボディー(100)の円周方向に沿って熱膨張して固定部材(400)の傾斜面(310)にヘッド(410)が直接的に接触し、熱膨張部材(300)全体がパッキングボディー(100)の半径方向に加圧される。
【0254】
固定部材(400)は、ヘッド(410)部分だけが熱膨張して傾斜面(310)と接触し、熱膨張部材(300)と一緒にブラシシール部(200)の全体を半径方向に加圧させる。
【0255】
熱膨張部材(300)は、第2支持プレート(224)に固定されるので、ブラシシール部(200)の全体をパッキングボディー(100)の半径方向内側(inward)に向かって移動させてブラシ(210)の下端がローター(5)の外周面と一定の間隙が維持される。
【0256】
特にブラシ(210)は、下端がローター(5)の外周面に接触される条件でブラシシール部(200)の全体をローター(5)に向かって一定の間隙が維持されるように維持させることができるので、高圧の流体が最初の設計値通りに一定に維持されて不要な流体の漏れを防止できる。
【0257】
本発明の他の実施例に係るブラシシールアセンブリの作動状態で対して図面を参照して説明する。
【0258】
添付された
図19または
図23または
図27を参照すれば、作業者はパッキングボディー(100)にブラシシール部(200)を挿入した後に固定部材(400)を利用して既挿入されたブラシシール部(200)を円周方向で固定させる。仮りに、ブラシシール部(200)が不安定状態で挿入溝(110)に装着されたと判断される場合には、工具挿入溝(430)に工具を挿入した状態から一方向へ回転させれば既挿入された固定部材(400)が容易に挿入溝(110)の外側に引き出される。
【0259】
そして作業者は、ブラシシール部(200)の装着状態を正しく維持させた後に分離された固定部材(400)を挿入溝(110)に再挿入させる。
【0260】
このように、固定部材(400)が挿入溝(110)に挿入された後には、振動または高温の熱が伝導される場合にも外部に離脱しないように、固定部材(400)の外側で溶接を通して固定させればブラシシール部(200)の円周方向では固定部材(400)により先端部と後端部とが安定的に固定された状態が維持される。
【0261】
高圧の流体はF1の圧力で第1支持プレート(222)の案内溝(222a)を経由してブラシ(210)の下側へ誘導された後、ブラシ(210)を経由して矢印方向へ移動するが、ブラシシール部(200)によりローター(5)に向かって加えられる加圧力であるF3とローター(5)でブラシシール部(200)に向かってF2の加圧力が同時に作用する。
【0262】
仮りに、ブラシシール部(200)にローター(5)を通して高温の熱が伝導されれば、熱膨張部材(300)がパッキングボディー(100)の円周方向のうち、先端部と後端部でのみ熱膨張して固定部材(400)の傾斜面(310)にヘッド(410)が直接的に接触し、熱膨張部材(300)の全体がパッキングボディー(100)の半径方向に、より速かに加圧されてシーリングされる。